御坂「よーっす」インデックス「おはよーなんだよ」 part1
御坂「よーっす」インデックス「おはよーなんだよ」 part2
御坂「よーっす」インデックス「おはよーなんだよ」 part3
858 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/12(火) 23:54:22.17 ID:iuKX92pR0
―――禁書視点―――
・
・
・
・
禁書『―――うん、じゃあそっちに着いたら、直接みことの家に行くね』
美琴『了解』
禁書『突然のお願いなのに、ありがとうね、みこと』
美琴『いいのよ。困った時はお互いさまって言うでしょ。それしても―――、』
禁書『うん?』
美琴『アンタ、なんか様子が変よ?』
禁書『そう、かな?』
美琴『――――色々大変なんでしょうけど、アンタがぶっ倒れたら意味がないんだからね』
禁書『うん、わかってるよ。』
『でも、そろそろ本当の意味で、決着をつけに行くの』
美琴『――――私は何があろうと、アンタの味方だから』
禁書『ありがと、みこと』
861 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 00:07:13.61 ID:aZMWKK500
禁書『それじゃ、そろそろ家を出ないと』
美琴『ん。日本で待ってるわ』
禁書『うん、日本で会おうね』
ガチャ。
禁書「…………ハァ」
アクアリウム「……おかーさま? どうしたの?」
禁書「ううん、なんでもないんだよ、アクアリウム」
アクアリウム「でも。お顔が真っ青だよ」
禁書「そうだね。すこしお仕事が忙しくて疲れているかも。でも、心配ないんだよ」
アクアリウム「……私、あかーさまのそういう所、好きじゃない」
禁書「――――アナタは優しい子ね、アクアリウム」(ギュウ…
アクアリウム「おかーさま……」(ナデナデ
禁書「ありがとう、アクアリウム」
「――――こんなおかーさまで、ごめんね」
863 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 00:17:25.27 ID:aZMWKK500
禁書「さ、アクアリウム。出かける準備をしてすぐにでもローマをたつんだよ」
アクアリウム「また日本に行くの?」
禁書「そう。今度はアクアリウムも一緒に」
アクアリウム「……おとーさまは一緒―――じゃ、ないよね」
禁書「おかーさまと二人だけじゃ駄目かな?」
アクアリウム「――――わたしは、三人一緒がいいの!!」
禁書「……………」
アクアリウム「―――ッ!! あ、その」
禁書「いいのよ、アクアリム」
「…………、そうだね」
「本当はね」
「おかーさまも三人一緒が、良かったなぁ」
867 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 00:32:39.96 ID:KsJh4FNjO
なんて健気な娘なんだ、とてもこの親子から産まれたとは思えない
しかしインデックスはまるでこれからビアージオを殺しに行く人みたいだな
これはあれか、ヤンデレなのか
868 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 00:32:57.95 ID:aZMWKK500
アクアリウム「―――じゃあっ!」
禁書「でも、おかーさまがそう思うだけじゃ、だめなの」
アクアリウム「えっ?」
禁書「幼いアナタとって、とても、とても、残酷なことをおかーさまはアナタに言うわ」
アクアリウム「ざんこくな、こと……?」
禁書「アクアリウムは、三人一緒がいいのよね?」
アクアリウム「……うん」
禁書「おかーさまも、出来ることなら、三人が良かった」
「けどね、アクアリウム」
「おとーさまも、『三人一緒がいい』って思ってくださらないと、意味がないのよ」
アクアリウム「……意、味?」
禁書「……家族でいる意味が、なくなってしまうの」
871 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 00:52:53.90 ID:Kjy38vETO
はぁ切なくて胸にグサッと突き刺さるわ
877 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 01:48:31.83 ID:aZMWKK500
>>+3
禁書目録が十字教の知り合いに相談に乗ってもらうようです。誰?
880 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 01:49:57.06 ID:qyU9fSNQ0
五和
884 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 02:08:52.49 ID:pbrHQEsvO
まあまあマトモだな
885 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 02:16:37.84 ID:aZMWKK500
禁書「よし、準備も終ったし、すぐにでも出発――、と、いきたいところなんだけど、
多分、私がビアージオの後を追って行くってことは直ぐに露見するだろうし……」
――
ローラ「いいこと、禁書目録。お前は次期清教派トップたる最大主教の最有力候補。
王室派、騎士派との話し合いがある故、まだ正式な勅命は下せずにおるけれど、
私はお前が継ぎしものだと考えているけるの。――――己がどのような立場に位置しているのか、夢夢忘れでなきよ、禁書目録」
――
禁書「―――なんて、最大主教に言われたばかりだし……」(ハァ
「……ローマに帰ってきた時は、ビアージオが不倫相手とイチャイチャしてた所とばったり遭遇しちゃって、……」
「つい、今まで溜まってモノがプッツンしちゃって」
「気が付いたら、『神よ、何故私を見捨てたのですか』発動をカウントダウンをしていたんだよ……」
「三カウント目で、アクアリウムの声が聞こえてきて正気に戻ったけど………」
「………本当に、どうして、神さまはわたしのことを見捨てちゃったんだろう」
886 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 02:23:37.27 ID:aZMWKK500
禁書「さすがに、不倫相手に直接遭遇するとは思わなかったから、混乱しちゃったんだよ……」
「――――大丈夫、今回は大丈夫。しっかりと覚悟を決めて、あの人と対峙するって決めたんだから」
「ちゃんと私の気持ちを話して、ちゃんとビアージオの気持ちを聞いて」
「その上で」
「離婚するって決めたんだから」
888 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 02:36:33.44 ID:aZMWKK500
禁書「私が突然向こうに行くってだけで、日本の十字教徒はアタフタしちゃう……よね」
「天草式の人に、日本に行くって前持って言って置こうかな。古なじみだし、天草式は日本内の十字教徒への影響力も今では結構大きいし」
「かおり……は、今は女教皇だし、すぐに連絡と取れそうにないかも」
「――――なら」
――prrrrrrr,prrrrrrrrrr
五和『はい、もしもし。五和です』
禁書「あ、五和? 久しぶり。私、インデックスだよ」
五和『い、インデックスさん。はわわわわわ、な、なにか御用ですか?』
禁書「そんなにあわてないで、別に清教派とか必要悪の教会絡みの連絡じゃないから」
五和『あ、そうなんですか? インデックスさんからの電話だから、てっきり』
禁書「あははは、まあ普段はそういう役回りが多いかもだけど……」
889 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 02:41:26.00 ID:aZMWKK500
瞼が重いので、最後に安価をして終りたいと思います。おやすいなさい
学園都市で発生した大きな閃光その正体、
もとい、禁書が旦那(ビアージオ)に実行したお仕置きは何?>>+7
891 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 02:53:47.74 ID:Kjy38vETO
加速乙
896 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 03:03:57.34 ID:HRWf1Xqn0
そげぶ
898 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 03:12:32.06 ID:8tIp23Nm0
>>896
ナイス
899 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 03:54:33.59 ID:ZGuoKiNaO
>>896
なんかきれいにまとまったなw
930 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 17:01:31.55 ID:aZMWKK500
五和『お仕事以外の用事ってこと、ですよね。どういった御用件で?』
禁書「大した用事ではないんだけど、個人的な用事で日本――、
というか学園都市にこれから向かいますって、現地に居る天草式の人に前もって報告して置こうと思って」
五和『い、今からで学園都市に?』
禁書「うん。ただ誰にも何も言わずにローマをたったら、色々と騒ぎになるかもしれないから」
五和『当たり前です。ただでさえインデックスさんは英国清教派の重鎮の一人なんですから』
禁書「あははは、気が付いたらそうなっちゃてたからねぇ……」
931 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 17:08:11.41 ID:aZMWKK500
五和『ふふ。そうですね。十数年前まではお互い一介の魔導師とシスターでしたのに」
禁書「時がたつのは早いね。気が付いたらもう三十路なんだよ」
五和『いやあああ、お互い微妙なお年頃なんですから、年齢のことは言わないでぇぇええええーーーッッ!!!!』
禁書「…………い、いつわ?」
五和『私はまだ若いんですよ、おばさんなんかじゃないです……』(ブツブツ
禁書(……たぶん。たてみやさん辺りに、何か言われたんだね)
932 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 17:17:49.99 ID:aZMWKK500
五和『―――ッは!! ごめんなさい。と、取り乱してしまいました…』
禁書「う、ううん。大丈夫だなんだよ」
五和「ご用件はわかりました。私的な来日とのことですが護衛等は――、』
禁書「必要ないよ。なんていうか――――『里帰り』。
そう、『里帰り』に行くみたいなものだから。お気づかいありがと」
五和『そうですか。日本にいる十字教各派には天草式と通じて、それとなくインデックスさんが『里帰り』すると伝えておきますね」
禁書「お願いできるかな?」
五和『ええ、もちろんです。
しかし、インデックスさんといい、女教皇様といい。
組織の頂点に近いお人柄である以上、中々自由気ままに動けないってのは大変ですね』
禁書「かおりもその辺り苦労しているんだね」
五和『ええ。みたいですね。
インデックスさん、いつもは家事育児に
シスターとしての責務にと、次官に追われて忙しいとは思いますが、
今回の『里帰り』で羽根をのばして、ゆっくり休んで来てくださいね』
禁書「――――うん、そうするんだよ」
933 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 17:19:14.39 ID:aZMWKK500
五和『機会があれば天草式にも顔を出して下さい。女教皇様もお喜びになります』
禁書「用事が片付いてひと段落したら、お邪魔しにいこうかな」
五和『ぜひお越しくださいね。――-それでは』
禁書「うん、またね」
ガチャン
五和「…………あれ?」
「インデックスさん、『現地に居る天草式』には報告って言ってだけど、英国の本部にもちゃんと連絡したのかな……?」
「……………」
「う~ん、インデックスさんは大事なお立場に居る人だし……」
「一応、万が一にも備えて、私のほうから報告するとしますか」
936 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 17:29:10.77 ID:aZMWKK500
アクアリウム「…………」
「…………」
「――――わたしは、」
「わたしがいて、おかーさまがいて、……おとーさまもいて」
「みんなが楽しく笑って暮らせたら他に何も要らない」
「…………それだけで、いいのに」
「…………そだだけが、欲しいのに」
「…………」
「きっと、わたしが悪い子だから―――、」
禁書「アクアリウム。そろそろお家を出るんだよ」
アクアリウム「ッ!?」
禁書「アクアリウム……?」
アクアリウム「……ううん、なんでもない」
938 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 17:47:00.30 ID:aZMWKK500
――――英国清教第零聖堂区
ローラ「……遅かれ早かれこのようなことになることくらい、容易に予想がついていたわ」
「元々、アヤツはそれほど器の大きな人ではなきことよ」
「あの子の周りには、それこそ幻想殺しや魔女狩りの王などが居たというのに……」
「………………」(ハァ
「あんな小物風情の何処に情が湧くとうのか、とんと、私は理解できかねる」
「しかし、まぁ。小物は所詮小物であったなぁ」
「部下の失態は上司の失態」
「―――――さて、十字教最大派閥の主よ。このおとしまえ、どうするつもりかえ?」
マタイ・リースの後を継いでローマ教皇になったのは誰?>>+3
941 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 17:54:33.84 ID:BLy3sech0
アックア
945 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 18:12:16.64 ID:aZMWKK500
アックア「……返すことも言葉もないのである」
ローラ「私だって、事をおおげさにはしとうなきよ。
当人の禁書目録が今まで静観していたのだから、不満はあれ、表だってそれを露わにしたことはありんせん」
アックア「うむ。それは私も同じであった。
妻に当たる禁書目録が現状に不平を垂れなかったため、介入すべきではにと判断していたのである」
ローラ「しかし、ビアージオが学園都市に赴いたというのが本当であれば、由々しき事態にもなりかねなんだ」
アックア「部下からの報告では、ローマにて、禁書目録が大規模魔術の使用を試みる所だった……らしい」
ローラ「浮気現場を目撃して、憤怒したのであったなー」
アックア「いわゆる「プッツン」というヤツであるか。いはやはや女人とは恐ろしいものである」
ローラ「――ハッ、不倫を繰り返す下衆男の自業自得なのよ」
アックア「我が部下であるが、フォローしてやれぬな」
946 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 18:27:58.34 ID:aZMWKK500
ローラ「さらに最悪なことに、禁書目録も学園都市にむかっているとのこと」
アックア「…………それは、真であるか?」
ローラ「必要悪の教会所属の魔術師からの確かな情報なのよん」
「真だからこそ、最悪」
「――――いままでずっと我慢に我慢を重ねてきた禁書目録は、今は怒り心頭であろうなぁ」
アックア「…………天使級の魔術をもって暴れられたりしたら、厄介である」
ローラ「しかも舞台に選ばれてしまったのは皮肉にも、科学の街・学園都市」
947 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 18:29:54.38 ID:aZMWKK500
アックア「第三次世界大戦のような、科学と魔術の対立は絶対に避けねばならん」
ローラ「和平関係にあるとはいえ、学園都市内でこちら側の人間が容易く動き回ろうことが出来ようわけもなし」
アックア「…………学園都市への連絡は?」
ローラ「既に済んでいる。
禁書目録が『里帰り』する予定の時刻も伝えておるゆえ、それまでに出来るだけの対策を願う―――と」
アックア「…………出来れば、学園都市内で起きた『ちょっと騒がしい夫婦喧嘩』で収まればいいのであるが……」
ローラ「あの子も次期最大主教として目されている人物。ある程度は自制してくれるであろうと思うけれど」
アックア「ただ、次期最大主教であれ、高貴なシスターであれ―――、」
ローラ「その前に、禁書目録だって一人の女」
「―――――何が起こるかは、保障は出来かねるのよ」
アックア・ローラ「「――――ハァ」」
948 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 18:31:09.32 ID:Ngd5p0Xi0
なんとも息が合ってる事でwwww
949 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 18:36:04.05 ID:WYvcZLfS0
口調が変なもの同士
リズムがあうのかもな
950 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 18:45:27.11 ID:aZMWKK500
――――学園都市、クレープの移動販売がある某公園
禁書「―――さて、ようやく学園都市に着いたんだよ」
アクアリウム「…………くぅ」(スヤスヤ
禁書「急にローマから日本までの空旅だったからね、疲れて眠っちゃったみたいだね」
アクアリウム「…………」(スースー
禁書「……あの人が学園都市に着くのは、多分今日の夜。
わたしたちはつてを頼って超音速旅客機でこっちに来たから、先回り出来たけど……」
「…………ちょっと、早く来すぎたかもしれないなぁ」
「それにしても、科学は常に進歩しているね」
「名前も速度も同じでも、昔と違って気分を悪くすることなかったんだよ」
アクアリウム「……おかぁ、さま……、…………お、とーさま」(ポツリ…スースー
952 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 19:02:29.37 ID:aZMWKK500
――――――
――――
―――
――
―
アクアリウム『―――おとーさま、おかーさま!!』(ドタバタ
禁書『なぁに? アクアリウム』
ビアージオ『朝から騒がしくするな。淑女はそのような振る舞いはしないぞ、アクアリウム』
アクアリウム『あ、ごめんなさい。おとーさま』(シュン…
禁書『ビアージオ、子供相手にきつく言いすぎるのは、あまり感心しないんだよ』
ビアージオ『常々、オマエがこの子を甘やかすのが悪いのではないか」
禁書『その分、アナタが厳しく躾けてくださるから、丁度いい配分だと思うけど?』
ビアージオ『――――フンッ』
953 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 19:04:34.36 ID:aZMWKK500
禁書『さぁ、アクアリウム、そんなにしょ気ないで。
嬉しそうに走って来たけど、いったい何があったのかな。おかーさまとおとーさまに教えて?』
アクアリウム『あ、あのね!
朝起きたら、クリスマスツリーの下にプレゼントが沢山おいてあったの!』
禁書『そうなんだ! 良かったね、アクアリウム。
サンタさんから、アナタへのクリスマスプレゼントよ』
アクアリウム『あんなにたくさん、わたしが貰ってもいいのかな?』
ビアージオ『…………。普段のオマエの行いに、主が答えて下さったのだろう』
アクアリウム『……? わたしのおこない?』
954 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 19:06:51.91 ID:aZMWKK500
禁書『「アクアリウムがいい子にしてたから、サンタさんが願いを叶えてくれたんだ」ってことだよ。
まったく、おとーさまはなんでも難しく言いすぎて困っちゃうね』
アクアリウム『ねー!』
ビアージオ『うるさいぞ、少しは黙れ』
禁書『素直じゃない、とも言う』
ビアージオ『―――――インデックスっ!』
アクアリウム『あはははは、おとーさまお顔、まっかっか!』 (クスクス
禁書『あ、本当だ。照れちゃってるんだー?』(クスクス
ビアージオ『勝手にぬかせ』
―
――
―――
――――
―――――
957 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 19:24:26.30 ID:aZMWKK500
禁書「まだ時間があるけど、あまりゆっくりしている時間はないんだよね」
「ビアージオが学園都市の『何処』に隠れようとしているのかまでは、分らないし……」
「…………」
「……いや、まぁ、私の魔術から身を守れるそうな場所なんて、『あそこ』くらいしかないだろうし……」
「でも、あそこってどうやって入るんだろう……」
…………テクテクテク。
木原「あんなきの抜けるチャット履歴みた翌日にシャッキリと仕事なんて出来ねェっての」
「ま、俺がいなくたって、一方通行とか白井とかが適当に仕事するだろ」
「ハナちゃん(笑)もああ見えて仕事熱心だしな」
「しっかし、ハナちゃん(笑)にハニー(笑)とか、まったくひどいもんだわ」
禁書「…………あれ? あの人どっかで見たことあるような?」
アクアリウム「………サンタ、さん……むにゃむにゃ」(スヤスヤ
958 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 19:39:10.75 ID:aZMWKK500
禁書「……あ、そうだ。あの人、ひょーかを」
禁書「あの」
木原「クソ。だりぃ」
禁書「あの、ちょっとすみません」
木原「ぁあ!? なんなんだよ、うざってぇな――――、」
禁書「わたしインデックスっていうんですけど、昔、わたしと会ったことありますよね? えっと、確か名前は木原くン?」
木原「…………」(ピシィ
禁書「か、勘違いだったのかな。いや、でも、私の完全記憶能力が消えたわけちゃないし……」
木原「―――――い、」
禁書「い?」
木原「い、禁書目録(インデックス)―――――!!!!???」
アクアリウム「(ビク!)……ふえっ!? な、なに!?」
959 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 19:40:33.89 ID:Ngd5p0Xi0
木原クン大慌て の巻
977 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 22:05:17.44 ID:aZMWKK500
アクアリウム「い、今の声なに?」(キョロキョロ
木原「な、んで、オマエがココにいる……?」
禁書「……?」
「わたしがココに居て、何が不都合でも――――、」
「…………」
「不都合が、あるんだね?」
木原「いや、それは」
978 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 22:06:44.98 ID:aZMWKK500
禁書「そもそも、私はここに来ることをある一部の人にしか伝えていないんだけど……」
「さっき木原くンは『なんでここに居る?』って聞いたよね?」
「もちろん、私が『禁書目録』って知った上、で」
「ねぇ」
「わたしが学園都市に来るって、木原くンは前もって知ってたのかな?」
木原「…………、いや俺は――、」
禁書「どうして、かな?」(ニコッ
木原「…………」
アクアリウム「お、おかーさま、こわい……」(ガタブル
979 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 22:08:49.21 ID:Ngd5p0Xi0
流石の木原クンも形無しwwwww
985 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 22:15:49.64 ID:aZMWKK500
木原「――――、さあな」
禁書「しらばっくれる気?」
木原「…………」(ハァ
「俺が知っているのは、アンタの旦那がこっちに来るってことだけだ」
禁書「本当に?」
木原「ああ。なんでアンタが旦那が来るのか、理由は定かではないがな」
禁書「……ふ~ん」
木原「それ以上は知らねぇよ。――――これで、満足か?」
禁書「…………木原くンは私の旦那が来ることは知ってたってことは、つまり」
木原「何が言いたい」
禁書「あの人が接触図るとするなら、学園都市統括理事長にして、過去最大の魔術師とうたわれたアレイスター・クロウリー以外に考えられないんだよ」
木原「――――俺が、アレイスターの近くに居る人物か、知りたい訳か」
禁書「まぁ、色々知ってるみたいだし、既に確定的かも?」
986 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 22:20:30.18 ID:XbGhQjf10
一部の人にしか伝えてない→木原知らない→木原の前に禁書目録
そら驚くだろ
987 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 22:26:03.73 ID:aZMWKK500
禁書「……あの人の目的地は例の『見えないビル』、だよね?」
木原「さあな」
禁書「木原くン。これでも私はまだ穏便に事を進めてるつもりだよ?」
木原「…………」
「ま、和平相手でる、英国清教の次期トップに借りを作って置くのも悪くねぇか」
禁書「ありがとう、木原くン」
木原「で、俺に何を協力してほしい訳だ」
禁書「――――わたしも、アレイスター・クロウリーとの会談を申し込むんだよ」
>>+3
さて、禁書さんもアレイスターさんのところへ行くようです。
『見えないビル』への移動手段は何?
1,昔と変わらず『案内人』
2,今は許可を貰った人のみに限って、自由に行き来できます。
この安価決定後、次スレへ
988 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 22:27:39.72 ID:Kjy38vETO
窓の無いビルね
990 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 22:28:26.60 ID:nLhFOST30
1
992 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 22:30:24.05 ID:aZMWKK500
ぬああああそうだ窓のないビルだああああ
996 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 22:33:17.82 ID:aZMWKK500
御坂「よーっす」インデックス「おはよーなんだよ」その2でたててきます
1000 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 22:37:40.53 ID:yUo/EoRl0
>>1000なら禁書が到着した時、アレイスターはハナちゃんへの愛のポエム作成中
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 22:54:20.14 ID:aZMWKK500
――――御坂家
滝壺「インデックスさん――だっけ? まだ来ないね」
美琴「そうね。そろそろ来ても良い頃あいだと思うんだけど……」
ピンポーン
滝壺「あ、噂をすれば」
美琴「はーいっ! 今行きまーす」(パタパタ
ガチャ
禁書「みこと、久しぶり」
アクアリウム「こんにちは」(ペコ
美琴「久しぶりね、インデックス、アクアリウムちゃん。ローマから遠路はるばるお疲れさま」
禁書「それじゃあ、今晩、アクアリウムのことお願い出来るかな?」
美琴「ええ、安心して。なにせ、『超電磁砲』と『AIM追跡』が居るのよ?」
禁書「とっても心強いね」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 23:00:14.11 ID:aZMWKK500
美琴「アクアリウムちゃんのことは心配しないで、いってらっしゃい」
禁書「…………」
美琴「……インデックス?」
禁書「うん、いってくるんだよ」
黄泉川「そろそろ時間になるじゃんよ、シスターさん」
禁書「……アクアリウム、いい子でお留守番しててね?」
「おかーさま、ちゃんと帰ってくるから」
アクアリウム「…………」
「うん、待ってる」
美琴「さぁ、アクアリウムちゃん。おいで」
アクアリウム「お世話になります、美琴さん」
美琴「広い家じゃないけど、ゆっくりしていってね」
アクアリウム「……はい」
禁書「―――いってくるね」
アクアリウム「―――うん、いってらっしゃい。おかーさま」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 23:10:01.64 ID:aZMWKK500
滝壺「あ、アナタがアクアリウムちゃんね。
はじめまして、わたしは滝壺理后っていうの。よろしくね」
アクアリウム「こんにちは滝壺さん。アクアリウム・ブゾーニです」
滝壺「あら、とってもお行儀がいいんだね」
美琴「アクアリウムちゃんは昔からそうなのよ。
ほんと、ウチの子どもたちにもに見習わせたいモンだわ」
滝壺「麻琴くんも美子ちゃんもいい子たちじゃない」
美琴「うーん、麻琴は最近反抗期に入り気味だし、美子は美子であまえたがりだし……」
滝壺「そんなもの?」
美琴「そんなモンよ」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 23:12:14.09 ID:aZMWKK500
アクアリウム「…………あれ?」(キョロキョロ
美琴「アクアリウムちゃん? どうしの?」
アクアリウム「あの、美子ちゃんと麻琴くんは……?」
美琴「ウチの子たちいまおじいちゃんの家に遊びに行ってて……」
アクアリウム「――――そっか」
美琴「その、ごめんなさいね」
アクアリム「ううん、いいの」
滝壺「アクアリウムちゃん、滝壺おばちゃんが絵本呼んであけようか?」
アクアリウム「……本当?」
滝壺「本当だよ」
アクアリウム「…………」
「…………」(ガサゴソ
「この絵本、よんでもらえたら嬉しいな」(スッ
滝壺「ええ、もちろん構わないわ」(ニコ
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 23:15:33.49 ID:aZMWKK500
滝壺「―――昔々あるところに、王子様とお姫さまが暮らしておりました……」
アクアリウム「……………」
美琴(…………)
(なんか、アクアリウムちゃんの様子がおかしいのよねぇ)
(確かに家の美子よりは大人しい子だけど……)
(あまりにも、静かすぎる)
(…………)
美琴「ちょっとごめんなさい。電話してくるわね」
滝壺「? うん、いってらっしゃい」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 23:22:51.70 ID:aZMWKK500
Prrrrrrrrrrrr、prrrrrrrrrr
当麻『はいはい、上条さんの携帯ですよー?』
美琴「上条って……、アンタは御坂当麻でしょうが」
当麻『口癖みたいなもんだよ』
美琴「一人称が上条さんってどうよ?」
当麻『ま、いいだろ別に。それより電話してきたってことは何か俺に用事でもあるのか?』
美琴「…………うん。ちょっと、ね」
当麻『うん? やっぱオマエもこっちにくるのか?』
美琴「違うわよ。あのね、当麻」
当麻『なんだよ』
美琴『――――今から、大至急、学園都市まっで戻ってきてくれない?』
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 23:35:19.54 ID:aZMWKK500
――――窓のないビル、周辺
ブロロロロロロ…、キキッ。ガチャ。
黄泉川「さぁて、木原から頼まれた案内だけど、警備員である私にできるのはここまでじゃんよ?」
禁書「……? 窓のないビルは何処にもないんだよ?」
黄泉川「見えないけど、確かに近くに存在しているじゃん」
禁書「防護結界でも張っているのかな。……でも、それなら私が解析できない訳がないし……」
淡希「AIM拡散力場やらなんやら色んなものが絡んでから、説明するのも面倒だからそこは省いてもいいでしょう」
禁書「え、えーあいあむかくさん……??」
黄泉川「やけに不機嫌じゃんよ『案内人』。オマエも休日返上で統括理事長に借りだされた口か?」
淡希「ええ、そうよ。せっかくの御休みが、急な来客がきたせいでおジャンになったわ」
禁書「そ、その。ごめんなさいなんだよ……」
淡希「別にいいわ。昔からこういうことには馴れているから」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 23:45:27.96 ID:aZMWKK500
淡希「まったく、昨日の夜から何度ビルを往復すればいいのかしらね」(……ハァ
黄泉川「さっきから引っ切り無しに誰かかしら出たり入ったりしてるからな」
淡希「そこのちっこいシスターさんと、どこぞの司教さんと『案内』すればひと段落だけどね」
黄泉川「また警備員の配置等の仕事が終わってないからわたしは一旦戻るけど、全て完了したら私の『案内』も頼むじゃん」
淡希「―――なるべく早くしてよね。何度も何度も『案内』に能力使うのは疲れるのよ」
黄泉川「了解。それじゃ、シスターさん。わたしはココで一旦失礼するよ」
禁書「うん。ここまでありがとうなんだよ」
黄泉川「いえいえ」(スタスタスタ
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 23:50:51.61 ID:SNKEsg/10
インデックスちっさいままなのかwww
少しは背伸びてると思ってたwww
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/13(水) 23:59:57.26 ID:aZMWKK500
――――窓のないビル、室内
アレイスター「……………」(メルメル
――
to ハナちゃん
from ハニー
tilte 君を想う
---
広大な空に、君の清い心を
飛び立つ鳥に、君の可憐な奔放さを
そよぐ風に、君の柔らかな優しさを
静かな大地に、君のまっすぐな正義を
世界のすべてに君を当てはめ、君を想うよ
心からあふれ出てくるさまざまな感情を詩にのせよう
君に伝えたいと願う全てをこの詩にのせよう
詩が声となり音となり言葉となtt←
―――
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 00:01:53.85 ID:Kg4QpKut0
アレイスター「―――声となり音となり言葉となって響くだろう」(メルメルメル
――――ヒュンッ
淡希「ますは『里帰り』してきたシスターを連れて来たわよ」
禁書「ひさしぶりだね、アレイスター――って」
淡希・禁書「「なにしてるの?」」
アレイスター「ッ!!」(ビクゥ!!!
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 00:11:28.66 ID:Kg4QpKut0
淡希「…………」(ヒュン
アレイスター「あっ! 私の携帯電話が……!!!」
淡希「 『広大な空に、君の清い心を
飛び立つ鳥に、君の可憐な奔放さを
そよぐ風に、君の柔らかな優しさを
静かな大地に、君のまっすぐな正義を』 」
アレイスター「『案内人』! 私の携帯を返せ! あと朗読するなぁああああ!!!」
禁書「どれどれ、わたしにも見せてほしいんだよ」
アレイスター「まて、禁書目録!!」
禁書「 『世界のすべてに君を当てはめ、君を想うよ
心からあふれ出てくるさまざまな感情を詩にのせよう
君に伝えたいと願う全てをこの詩にのせよう
詩が声となり音となり言葉となtt』 」
アレイスター「オマエも朗読するなぁぁぁああああああああ!!!」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 00:14:04.82 ID:wYh/oJx10
インデックスに見られたら永久保存確定じゃないですか
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 00:14:20.07 ID:PT1jBOfA0
こんなにも座標移動が役に立ったSSはあるだろうか
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 00:17:47.74 ID:Kg4QpKut0
淡希「…………フッ」
アレイスター「い、いま鼻で笑ったな! 私のハナちゃんへの恋唄を見て鼻で笑ったであろう!?」
淡希「ベっつにー(笑)」
アレイスター「…………」(クスン
禁書「………………いんだよ」(ボソ
淡希「……シスター?」
アレイスター「……?」
禁書「とっても素晴らしい詩なんだよ、アレイスター! わたし感動したんだよ!!」
アレイスター「禁書目録……っ!」
淡希「…………うっそぉ」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 00:27:46.40 ID:Kg4QpKut0
禁書「詩にのせてってところが一番いいなって思ったんだよ!」
アレイスター「そ、そうだろう! オマエはこの恋詩に隠されたハナちゃんへの深い愛がわかるんだな!」
禁書「もちろんだよ! 第一節も素晴らしいとしか言いようがないかも!!
『世界に存在するものそれぞれに、恋しい相手の面影が浮かびます』ってことでしょ? とってもロマンチック!!」
淡希「…………」
「あんな、くっさくて砂糖吐きそうになるポエムの何処がいいのかしら……」
「駄目だ、私にはさっぱり理解できないわ……」
アレイスター「禁書目録……っ!! 君は私が思っていたより話のわかる女性ではないか…っ!!」
禁書「アレイスター、アナタとは一度、文学についてじっくりと討論を交わしてみたいものなんだよっ……!!」
淡希「他の人の『案内』もあるから私はもう戻るわ……てコイツらまったく聞いてないわ」
「まぁ。いいけど」(―――ヒュン
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 00:29:44.20 ID:ywCA73qP0
科学と魔術が理解し合う瞬間
そしてやはり、そこには初春の存在が関わっていたのであった
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 00:33:00.00 ID:5E669Fd+0
インデックスも愛に飢えていたのかな、と思うととたんに切なくなった
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 00:41:17.64 ID:Kg4QpKut0
禁書「―――それにしても意外だったかも。アナタにも、愛する人ができていたんだね」
アレイスター「私自身も、今でも信じられないさ。わたしがこれほど夢中になれる人と出会えたことを」
禁書「羨ましいな。こんなにも素敵な詩をつむげるほど、素敵な恋をしているをしているなんて」
アレイスター「…………魔術師として統括理事長として長い間生きて、私はある意味『完璧な世界』を求めていたように思う」
禁書「完璧な、世界」
アレイスター「そうだ。だからこそ、世界の裏で暗躍し謀略を巡らせた。
しかし、もがいて足掻いて他者を蹴散らし続けた私が最終的にたどり着いた『完璧な世界』は―――彼女だった」
禁書「……アナタの世界は、その人によって完成したんだね」
アレイスター「ああ、ようやく手に入れた私の至高の宝だよ」
禁書「――――私の世界は、どうやったら完成するんだろう」
アレイスター「…………」
禁書「あの人と結婚して、娘を授かって」
「小さいけれど、ありふれたもの形かもしれないけど」
「確かに、わたしも自分の世界が―――幸せが、形づくられたと、信じてたんだけどなぁ」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 00:47:17.11 ID:Kg4QpKut0
アレイスター「……不躾かもしれないが、ひとつ、尋ねてもいいだろうか」
禁書「遠慮なんてアナタらしくないね。はっきり聞けばいいのに」
アレイスター「では、遠慮くなく聞くが」
「君は何故」
「なぜ、夫と――ローマ正教司教ビアージオ・ブゾーニと結婚しよう、と思ったんだ?」
禁書「……確かに、不躾な質問かも」
アレイスター「だから最初に断りを入れたではないか」
禁書「別に、責めている訳じゃないよ。わたしが遠慮するなって言ったんだし」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 00:54:43.02 ID:Kg4QpKut0
禁書「……そうだね、少し、長くなるかもしれないよ?」
アレイスター「君の物語に出てくるお相手がココに到着するまで、しばらく時間がある」
禁書「そうなの? まあ、それまで時間潰しも兼ねて話そうか」
アレイスター「では、しばし私は君の話に耳を傾けるとしようか」
禁書「つまらない話だけどね」
アレイスター「つまらないかどうかを決めるのは、私さ」
禁書「そうかもしれないね。
駄目な男にひっかかた女の、そこらへんに五万と転がっているありふれた話だよ」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 01:05:20.64 ID:Kg4QpKut0
―――――
――――
―――
――
―
ステイル「駄目だ、禁書目録。君が行くようなところじゃないよ」
禁書「どうして?」
ステイル「どうしてって言われても。穢れを知らない君には不釣り合いな場所だからさ」
禁書「……穢れた魔術を扱う部署『必要悪の教会』」
ステイル「……」
禁書「私だって、ソコに所属している1人のシスターなんだよ」
ステイル「……どうして、君はそこまで強情なんだ」
禁書「アナタだって強情かも!」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 01:14:11.08 ID:Kg4QpKut0
ステイル「第三次世界大戦だって終結した。
上条当麻だって帰って来た。
表面上とはいえ、科学と魔術の対立は終ったんだ――これ以上、君が傷つくことはない」
禁書「闘いはまだ終わってないんだよ、ステイル」
ステイル「……禁書目録?」
禁書「わたし、自分なりに一生懸命考えたんだよ。
どうして、世界規模の闘いなんてものが起きてしまったのか。
どうして、世界は当麻だけに全てを背負わせてしまったのか―――わたしが、何もできなかったのか」
ステイル「…………」
禁書「それは、多分。
私も、みんなも。ちょっとお互いのことを理解できなかったから、だと思うんだ」
ステイル「それが、どうして『闘いは終わっていない』になるんだ」
禁書「……そうだね、これは私の個人的な『闘い』って言ったほうが正しいね」
「私はね、ただ、守られてるだけじゃ、駄目だと思うの」
「自分でも、出来ることから、はじめないといけないって思うの」
「だから」
「まずは、争いの原因となった「お互いにできた小さな亀裂」を正そうと、思ったんだよ」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 01:21:09.22 ID:Kg4QpKut0
ステイル「…………だから、上条当麻や君たちが対立してきた相手と、話し合いをしたい、と」
禁書「どうして、私たちは対立したのか
あの時、どうしたら対立せずにすんだのか、―――根気よく話し合えば、多少の答えはでると思うんだ」
ステイル「そういう考え嫌いじゃないけど、あまりにも理想論すぎやしないかい?」
禁書「理想論だよ?」
ステイル「なんだ、わかっているんじゃないか。
そんな単純なことで人々の亀裂が修復冴えるなら、世界規模の大戦なんて三度もおきやしないよ」
禁書「でも、理想論だって実行しなければ意味がないじゃない」
ステイル「……禁書目録」
禁書「世界にそんあ理想論を掲げるシスターが居たって構わないんじゃないかな?」
「たとえ、子供が夢見るような愚かな願いでも」
「私は、そうやって世界は少しずつ救われるって信じるよ、ステイル」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 01:25:02.64 ID:Kg4QpKut0
ステイル「…………」
「…………君の頑固には負けたよ、禁書目録」
インデックス「――ッ!! じゃあ!!」
ステイル「ただし、僕だけの意見じゃ駄目だ。最大主教のお許しがもらえたら――、」
「君を、処刑塔へと案内しよう」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 01:34:38.04 ID:Kg4QpKut0
――――
ローラ「―――処刑塔へ? またモノ好きなことよな。
大戦も終結し、十字教各宗派及び科学側との和平が一応成立した今、捕虜の解放も時間の問題」
「あの子の好きにさせてやれ」
――――
禁書「―――て、感じで許可がおりたから、私はこうしてアナタと対面しているわけだね」
ビアージオ「……あの女狐も変な気まぐれをしよる」
禁書「わたしは、アナタとじっくりお話したいんだけど――、アナタはそうじゃなさそうなんだよ」
ビアージオ「当たり前だ。何故、本来なら司教たる立場にいる私が、一介のシスター風情である貴様なんぞと会話をしなければならぬ」
禁書「……むむ。一介のシスター風情っていうのは聞き捨てならないかも!」
ビアージオ「―――フン、事実ではないか」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 01:50:15.69 ID:Kg4QpKut0
ビアージオ「そもそも、貴様の生ぬるい思想が気に食わん」
禁書「生ぬるいってのは認めるけど」
ビアージオ「自覚しているのなら、更に達が悪いぞ、小猿」
禁書「こ、こざる……っ!!?」
ビアージオ「やはり猿は低脳なことしか考えつかないようだな。
もっと理想は高く持ちたまえよ。
――――と、小猿の貴様に言って仕方がないことだ」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 01:50:55.56 ID:Kg4QpKut0
禁書「小猿ってわたしのこと!!?」
ビアージオ「鉄格子を挟んで私が対面しているのは貴様しか居らんが」
禁書「ムキーーーーーッ!! 私は小猿じゃないんだよ!」
ビアージオ「騒がしいな、小猿。鼓膜が破れたらどう責任をとるつもりだね」
禁書「私にはインデックスって名前があるんだよ!!!」
ビアージオ「私が知ったことでは―――、」
禁書「イ ン デ ッ ク ス ッ ! ! !」
(キーンッ!!!!
ビアージオ「―――ッ!! 超音波みたいな声をだすな!!」
禁書「アナタが私の名前を呼ぶまで止めないんだよ!!」(フンッ!!
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 01:58:36.73 ID:Kg4QpKut0
ビアージオ「……そもそも、何故、私なんだ」
禁書「え?」
ビアージオ「処刑塔には『告解の火曜』も居るだろうに」
禁書「リドヴィア=ロレンツェッティのことかな? 彼女とは昨日話たんだよ」
ビアージオ「……チッ」
禁書「とても、純粋な人だったよ」
ビアージオ「あの大喰らいの祭りと揶揄される女が純粋だと? 笑わせるな」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 02:09:03.39 ID:Kg4QpKut0
禁書「どうしてそんなことを言うの?」
ビアージオ「あの女もまた女狐よ。話さずとも分る。
例え、我らが主を尊び崇めていたとて、きゃつらの心根には悪性が隠れておる」
禁書「…………私には、そうは見えなかったけどね」
ビアージオ「貴様が理解の足りないこざ――、」
禁書「イ ン デ ッ ク ス ッ ! ! !」 (キーンッ!!!!
ビアージオ「~~~~~ッ理解が足りない一介のシスターだからだ!!」
禁書「……そうだね、私はアナタほど生きていないから、未熟なんだよ」
「悔しいことに、ね」
「未熟だから、救えなかった人たちもいるし、逆に傷つけた人もいるんだよ」
ビアージオ「…………救うとか傷つけるとか。おこがましいな、貴様。全ては主が決めることであろうに」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 02:18:46.43 ID:Kg4QpKut0
禁書「神さまが?」
ビアージオ「そうだ。貴様も十字架を背負うたるシスターであろう?
何故、主による救いを求めようとない。
『告解の火曜』ですら、その点においては、貴様より軸がぶれては居らんぞ」
禁書「…………、神さまの救いを決して軽んじている訳じゃないよ」
ビアージオ「なにを戯言を。貴様は先ほどから、一度たりとて主の存在すら口にしなかったではないか」
禁書「神さまの救いはぜったいにある」
「どんな人にだって救いがなければ、世界はあまりにも非常だから」
ビアージオ「なら――、」
禁書「けど」
「『主がお助けくださる』まで、ただ何もせずに立ちつくしているなんて、嫌なんだよ」
ビアージオ「…………ッ!!」
禁書「アナタだって、そうだったんじゃないの?」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 02:23:19.22 ID:Kg4QpKut0
禁書「アナタも、かつては主への誓いを果たすために行動に出た」
「たとえ、上層部からの命令があったからといえ」
「神による世界の救済の片鱗を、望んだから」
「わたしやとーまが望んだ世界の救済とは別の形だったけれど」
「自分の行動が、少しでも神による世界の、人々の救済につながると願ったから」
「――――わたしやとーまと、対立したんじゃないの?」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 02:27:02.69 ID:/kvbmNnJ0
頑張れ!
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 02:27:59.45 ID:Kg4QpKut0
禁書「人種」
「国籍」
「年齢」
「地位」
「宗派」
「わたしとアナタは、なにもかも違うし、なにかも相容れないように見えるけど――、」
「それでも、」
「心の根底で、無意識に願ったことは」
「誰かの救いになりたいっていう、同じ気持ちがあったんじゃないかな」
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 02:33:17.84 ID:Kg4QpKut0
ビアージオ「…………」
禁書「わたしは、そこから、アナタとの理解を深められたら、と思うんだよ」
ビアージオ「…………」
「…………」
「…………やはり、そんなのは戯言にすぎんさ」
禁書「戯言でも構わないんだよ。
こうやってアナタがわたしの話に耳を傾けてくれているだけで、相互理解への道は開かれているからね」
ビアージオ「わたしは貴様なんぞとの『相互理解』など望まないがね」
禁書「わたしは望むけどね。アナタとも、リドヴィア=ロレンツェッティとも、世界のあらゆる人々と、ね」
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 02:42:37.44 ID:Kg4QpKut0
ビアージオ「貴様の思想にも、論理にも、掲げる目標にも、虫酸が走る」
禁書「本当に容赦なくバッサバッサときりかかるね、アナタ」
ビアージオ「――――貴様の話を聞いた上での感想だ。文句はあるまい」
禁書「うん。まぁ、もう少し好意的な反応がほしかったかも、だけど」
ビアージオ「つい最近まで敵対していた勢力相手に、好意的もクソも無いわ」
禁書「そう言われてしまうと、何も言えないんだよッ」(ガクリ
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 02:46:47.36 ID:Kg4QpKut0
禁書「―――それじゃあ、また来るよ、ビアージオ・ブゾーニ司教」
ビアージオ「勘弁しろ。貴様の相手は疲れる」
禁書「来るな、とは言わないんだね」
ビアージオ「…………」
「…………」
「…………生憎と、捕虜の身なんでね」
「何を言っても、無駄だと思っているだけだ」
禁書「――――そういうことに、しておくんだよっ」
ビアージオ「勝手にいってろ」
禁書「勝手にいってる」
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 02:50:35.70 ID:Kg4QpKut0
禁書「――――じゃあね、司教」
「今度会うときは、アナタの話が聞きたいんだよ」
ビアージオ「…………」
「…………フン、私は何も話す気はないぞ」
「―――――禁書目録(インデックス)」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 02:51:09.98 ID:DF49M4lZP
そうだよな……この展開ってステイル涙目でもあるんだよな……
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 02:54:04.70 ID:q0YillZmO
>>73
神裂辺りとくっついていそうだけどロリコンだからなぁ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 02:57:26.24 ID:Kg4QpKut0
―
――
―――
――――
―――――
禁書「―――とまあ、そんな感じでわたしたちの出会いははじまった訳だね」
アレイスター「出会い? お前たちの初めて相まみえたは、イタリアであろう?」
禁書「いいんだよ。そこはつっこまなくて。あえて省略したんだから」
アレイスター「何故」
禁書「これは恋愛劇だからね。愛し合ってる男女が命のやり取りしている場面なんて萎えるだけなんだよ」
アレイスター「そういうものなのか……?」
禁書「そういうものなんだよ」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 03:08:26.09 ID:Kg4QpKut0
アレイスター「しかし、アレだな」
禁書「なに?」
アレイスター「わたしの個人的な感想だが、オマエ、最後の『―――――禁書目録』に攻落した口だろう」
禁書「…………いやぁ、そんなことは」(ギクリ
アレイスター「目が泳いでいるぞ。あれか、ぎゃっぷというヤツにくらっときたわけだな」
禁書「…………だってさ、100%敵意むき出しの相手がふと素直になってくれた瞬間って、こう、不覚にもキュンってならない?」
アレイスター「オマエはキュンとしたわけだ」
禁書「なんか、こう、可愛く見えたというか、母性本能をくすぐられたというか」
アレイスター「『駄目な男に引っかかる女』のまさしく代表例だな、禁書目録」
禁書「……うっ」(グサッ
アレイスター「しかも、自分で『駄目な男にひっかかた女』と言っているあたり自覚もしているし」
禁書「…………ぅうっ」(グサグサッ
禁書「~~~~、これは、詩を朗読した仕返しなのかな!?」
アレイスター「さあな」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 03:18:28.14 ID:KFNC9yfN0
木原凍り付かせてた時からえらくデレましたなwww
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 03:19:56.67 ID:Kg4QpKut0
――――そして、時刻は深夜。
木原「猟犬部隊の配置等すべて完了だ。ったく、人にこき使わせやがって」
アレイスター「そうか」
土御門「いやいやどうも、ご両人。こっちの準備も終わったんで加勢にきたぜい」
黄泉川「―――警備員の配備完了じゃんよ。
しっかし、こんなに警備員が増員されるのなんて何時ぶりだって話だ」
服部「さぁな。俺が入隊してからは一度もねぇっすね」
アレイスター「皆、御苦労だった」
木原「さぁて、アレイスター。今世紀最大の夫婦喧嘩の舞台の準備は整ったぞ?」
アレイスター「後は役者達のが揃うのみ、だな」
木原「さて、この舞台。喜劇か? それとも悲劇か?」
アレイスター「さぁ、私も分りかねるよ。―――私だって、観客の一人にすぎないのだから」
淡希「それじゃあ、私はお客さんが待っている特等席(部屋)へと迎えに行くわよ」
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 03:22:49.45 ID:Kg4QpKut0
アレイスター「禁書目録」
「君の恋愛劇の続きはいったいどっちに転ぶのか、もうしばし、耳を傾けさせてもらうよ」
禁書「――――悲劇になるか、喜劇になるか」
「そんなの」
「わたしにだって、本当のところは、物語の終焉は見えていないんだけどなぁ」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 03:30:43.13 ID:Kg4QpKut0
――――同時刻、御坂家。
滝壺「アクアリウムちゃん、もうこんな時間だけど、寝なくていいのかな?」
美琴「本人が眠たくないって言ってるんだから、仕方ないわよ」
滝壺「でも……」
美琴「うん。本当なら無理にでも寝かしつけた方がいいんだろうけど……、」
「やっぱり、何か感じ取るものがあるんじゃないかな?」
滝壺「感じとるもの?」
美琴「うん。子どもは大人が思っている以上にその背中を見つめているものよ」
「電話の時も直接会った時も思ったけど、やっぱり、あの子どこか寂しそうな雰囲気だったから」
滝壺「…………あの子って、インデックスさん?」
美琴「――――まぁ、だからアイツを呼び戻したんだけど、さ」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 03:37:22.21 ID:Kg4QpKut0
アクアリウム「………………」
ビアージオ『…………。普段のオマエの行いに、主が答えて下さったのだろう』
アクアリウム『……? わたしのおこない?』
禁書『「アクアリウムがいい子にしてたから、サンタさんが願いを叶えてくれたんだ」ってことだよ』
アクアリウム「……………」
「…………、サンタさん」
「どうしてわたしの願いを叶えてくれないの?」
「わたし、ずっと、ずっと、お願いしているのに……」
「おもちゃも、お菓子も、いらないってっ」
「お勉強だってするし、お手伝いだってするし、お行儀よくするって……っ!」
「…………いいこにするから、」
「わたしと、おかーさまと、おとーさまが一緒に入れますようにって………!!!」
「ずっと、ずっと、ずっと、お願いしているのに……!!」
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 03:39:35.54 ID:Kg4QpKut0
――――――「アクアリウムがいい子にしてたから、サンタさんが願いを叶えてくれたんだ」―――――
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 03:43:41.15 ID:Kg4QpKut0
アクアリウム「………ひっ……ひっく」
「…………わ、」
「……わたしが、悪い子だから、サンタさんはっ、っく、叶えてくれないの……っ?」
「ぐず、………っは、わたしが悪いこ、だからっ」
「み、んな、…バラバラになっちゃうのっ…………!!?」
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 03:45:22.79 ID:Kg4QpKut0
――――――「いいや、アクアリウムはいい子にしてたから絶対に願いは願うさ」―――――
90 :
誤字がひどいので再投下 :2010/10/14(木) 03:46:42.85 ID:Kg4QpKut0
――――――「いいや、アクアリウムはいい子にしてんだから、絶対に願いは叶うさ」―――――
92 :
誤字がひどいので再投下 :2010/10/14(木) 03:50:04.67 ID:Kg4QpKut0
アクアリウム「―――――えっ?」
「な、に?」
「わ、たしの…願いが叶うって……っ?」
「どういう、こと―――?」
当麻「よ、アクアリウム。しばらく見たいうちに、大きくなったな」
アクアリウム「当麻、さん…?」
当麻「おう!」
「―――――上条サンタさんがようやく登場しましたよ、ってか?」
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 04:10:19.03 ID:Kg4QpKut0
―――――窓のないビル周辺にある、とあるVIPのための部屋
ビアージオ「……ああ、いったいどうすれば怒り狂った禁書目録の目を欺けるのだろうな」
「出会ったころは、ただただ、純粋無垢な娘であったというのに」
「……時の流れとは、恐ろしいものであるな」(ブツブツ
――――ヒュン
淡希「迎えに来たわよ、ローマ正教ビアージオ・ブゾーニ司教。窓のないビルにて、統括理事長アレイスターがお待ちです」
ビアージオ「相分かった。『案内』を頼む」
淡希「…………」(ジーッ
ビアージオ「なんだ? 私の顔に汚れでも付いているのか?」
淡希「いえ、別に……」
(――――こんなジジイの何処がいいんだか。やっぱり、私にはさっぱり理解が出来ないわ)
淡希「では、アナタを『案内』するわ」
―――――ヒュンッ
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 04:26:25.58 ID:Kg4QpKut0
――――窓のないビル、室内
――――ヒュンッ
アレイスター「遠路はるばる学園都市までようこそ、ビアージオ司教」
ビアージオ「ああ、アレイスター殿。子度の会談の許可、心より感謝する」
アレイスター「なに。ローマ正教派は学園都市の大切な和平相手の1つだ」
ビアージオ「さすがは至上最大の魔術師と謳われたお方。御心が広くあらせられる」
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 04:29:57.37 ID:Kg4QpKut0
アレイスター「しかし、ここに辿りつくまでに色々とまわっていたらしいな?」
ビアージオ「……ええまぁ」
「我が上司たるローマ教皇には―――、」
―――――
アックア「若き頃、聖母の慈悲の恩恵を受けていた私に、
不倫を繰り返したオマエが助けを乞うのであるか?
貴殿の失態は私の失態でもある。責任はもちろん取るが、それでも貴澱を匿わねばならぬ言われは無い。
それに、処遇は禁書目録に一任しようと思っている」
―――――
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 04:30:45.39 ID:Kg4QpKut0
ビアージオ「十字教徒三大派閥の一角、英国清教派の最大主教には―――、」
―――――
ローラ「匿えだと? ―――ッは、馬鹿も休み休み言いなや、下衆野郎。
本当なら、今すぐにでも腕の一本や二本折ってやりとうところよ?
しかし、貴様の妻、禁書目録が長いこと静観を貫きとおしてきた故、今まで黙っていただけのこと。
まず、オマエがすべきは、禁書目録への謝罪だろうに」
―――――
ビアージオ「ロシア成教、最大主教の後見人には―――、」
―――――
ワシリーサ「自・業・自・得・だ・ZE☆」
―――――
ビアージオ「――――と、あっけなくかわされてしまいましたな……」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 04:32:47.47 ID:Zbyl3MqzO
当たり前だwwwwwwwwwwwwww
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 04:54:40.37 ID:Kg4QpKut0
アレイスター「――――どれもこれも、反論はできぬのではないか? 司教よ」
ビアージオ「……ええ、また。私にも多少の非はあることは認めます」
アレイスター「多少、なのかね?」
ビアージオ「…………いえ、かなりの配分で」(ダラダラ
アレイスター「ほう? 配分、ということは、奥方の方にも何割かの責務がある、と?」
ビアージオ「……………………、ほぼ十割非は、私かもしれませんな」(ダラダラダラダラ
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 05:03:12.83 ID:Kg4QpKut0
アレイスター「……………」
「ふむ」
「小物小物と揶揄していたが、根底のところで、罪悪を感じる心はあったか」
「不倫とはすなわち、性欲」
「性欲とはすなわち、十字教徒の神が言うところの七つ大罪が一つ」
「神への冒涜と、同義に近い行動、かもれんしな」
ビアージオ「…………………、アナタは全てお見通し、ということですな」
アレイスター「いやいや、私が理解しているのはほんの一面にすぎない」
「司教は、十字架―――つまるところ、主への信仰心は熱い男である、と奥方から聞いていたから」
「なんとなく、推測できただけの話さ」
ビアージオ「…………私のことを、禁書目録から聞いた?」
アレイスター「ああ。君たちの恋愛劇はなかなか愉快だったぞ? ビアージオ・ブゾーニ司教。
「さて、舞台の上にようやく役者がそろったようだし、そろそろ私は観客席へと戻らせてもらうよ、禁書目録」
禁書目録「――――うん、色々とありがとうなんだよ、アレイスター」
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 05:08:42.41 ID:8hIgtVIPO
超絶傍迷惑な夫婦喧嘩ktkr
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 05:10:56.07 ID:Kg4QpKut0
ビアージオ「………な、あ………っ!?」
禁書目録「ひさしぶりだね、ビアージオ」
ビアージオ「え、いや、どうして、ここが……っ!?」
禁書目録「アナタは忘れているようだけど、こう見えても、
私は十字教最大派閥が一つ英国清教派の重鎮にして、次期最大主教なんだよ?」
「それに加えて」
「英国清教第零聖堂区、『必要悪の教会』に所属する十万三○○○冊の『魔導図書館』」
「人脈にしたって、情報にしたって、魔術関連の探索だって」
「アナタを見つけ出す方法なんて、いくらでも有しているんだよ?」
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 05:16:36.04 ID:Kg4QpKut0
ビアージオ「―――――ッ!!」
禁書目録「あまり、『禁書目録』を甘く見ないでほしいんだよ」
ビアージオ「…………」
「…………」
「…………そうであったな、オマエは『禁書目録(インデックス)』だ」
「――――わたしが処刑塔でオマエと出会ったあの日から」
「オマエは、『闘い』を辞めずに、突き進んだのだからな」
禁書目録「……私はただ、「人々の間にある亀裂を少しでも修復したい」と願って走りまわっただけだよ」
「次期最大主教だって、いつの間にかついてきた称号に過ぎないんだよ」
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 05:21:05.28 ID:Kg4QpKut0
禁書「…………ううん」
「違う」
「『禁書目録』とか、『英国清教派』とか」
「そんなのはどうでもいいんだよ」
「確かにこの場に立つ為に利用したものたちだけど、この場に立ってしまえば、関係ないんだよ」
ビアージオ「…………インデックス?」
禁書「…………」
「…………わたしは、ただ、もう一度、アナタと話し合いに来たんだよ」
「ただの、インデックスとして」
「もう一度」
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 05:31:13.84 ID:Kg4QpKut0
禁書「ビアージオ」
ビアージオ「な、んだ」
禁書「わたしたちは、今夜、もう一度処刑塔のあの夜にもどろう?」
ビアージオ「…………処刑塔の、夜…?」
禁書「そう」
「わたしがただのインデックスで」
「あなたも、ただのビアージオで」
「お互いに、本音をぶつけたあの夜に」
「もう一度戻ろう……?」
ビアージオ「…………」
禁書「わたしも、……ビアージオも、ちゃんとお互いの話を聞いて」
「その上で、納得して」
「―――――決着を、つけよう。ね?」
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 05:36:52.65 ID:Kg4QpKut0
ビアージオ「…………私の話を聞いて、オマエは納得できるのか?」
禁書「…………」
「…………正直いうと、わからないんだよ」
「だって、わたしとアナタはいつの間にか、遠くの道を歩んでしまったもの」
ビアージオ「…………もう幾年も」
「あの、処刑塔の夜のような会話はかわしていなかったであろう」
「オマエと出会い、結ばれ」
「アクアリウムが生まれて」
「それから、幾年も」
「……………それを、今さら」
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 05:39:51.04 ID:Kg4QpKut0
ビアージオ「理解しあえるなど」
「――――――不可能では、ないのか?」
禁書「ど、して……?」
「どうして、そんなことを言うの……?」
「だって、話さなければ、わからないんだよ…」
「お互いに、伝え合わないと、何も、変わらないんだよ……っ!!?」
「――――どうして、そういうことを言うの!!!??」
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 05:43:41.86 ID:Kg4QpKut0
ビアージオ「――――今更、私は変われんのだッ!!」
「…………もう、変われないところまで、来てしまったんだ」
禁書「―――ッ!!」
「いつから、アナタはそんな弱音をはく男になったの!!?」
「主への誓いを立て、十字架を背負いっていた敬虔な司教でしょう、アナタは!!?」
「それなのに」
「―――――――それなのにッ!!!」
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 05:45:40.17 ID:c22HVNZ8O
―――――――――――――支援
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 05:47:29.08 ID:Kg4QpKut0
ビアージオ「…………」
「…………老い、だ」
「私は老いたんだ、インデックスっ!!」
「―――――オマエに、置いていかれてしまうほど、わが身は既に朽ち果て始めているのだ!!!」
インデックス「…………わたしに、置いて行かれる……?」
ビアージオ「……そうだ」
「わたしは、お前に置いていかれているんだよ、インデックス!!」
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 05:54:09.55 ID:Kg4QpKut0
ビアージオ「わたしは、既に人生の過渡期を超えてしまった!」
「我が身、ただの皺くちゃの翁にすぎんッ!!」
「――――オマエも、アクアリウムも、ただ前に進んでいく」
「わたしがただ一人、置いて行かれるのだ……ッ!!!」
禁書「そ、んな。わたしは、アナタを置いて行ったことなんて一度たりとだって……ッ!」
ビアージオ「ない、と言えるか……?」
禁書「…………」
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 06:00:13.64 ID:Kg4QpKut0
禁書「…………確かに、私はアナタより一回りも二回りも若い」
「若さをバネに、気が付いたら最大主教までの道をひた走っていた、かもしれない」
「けど……っ!」
「それでも!!」
「だからと言って、家庭も、アクアリウムも、アナタだって、忘れたことなんてなかったじゃない!!!」
ビアージオ「…………ああ、そうだ!!」
「オマエが何かに手をぬいたことなんて、一度たりとて無かった」
「けれど、」
「オマエが完璧であればある程」
「ただ、枯れ果てていくだけのこの身が感じる、孤独や絶望は、増す一方だった!!!!」
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 06:13:04.35 ID:Kg4QpKut0
禁書「―――――ッ!!!!」
「孤独……?」
「絶望……?」
「…………わたしが、アナタにそんな思いをさせてたなら、謝るんだよ」
「一言、寂しいと言ってくれたのなら、私だって、アナタに歩調を合わせて生きる人生を選択したんだよッ……!!」
「けど、アナタは! その寂しさ逃げるために!」
「そのためだけに!!!」
「他の女で、心の傷を紛らわせていたんでしょう!!!!???」
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 06:19:30.62 ID:Kg4QpKut0
禁書「……ふざけないで」
「――――馬鹿にしないで」
「寂しかったから不倫した?」
「…………」
「わたしだって、さびしかったっ……!」
「わたしだって、寂しかったっんだよ!!??」
「アナタのその声が別の女の名を呼び」
「アナタのその手が別の女の頭を撫で」
「アナタのその心が別の女の心に触れていると考える度にッ!!」
「悲しくて」
「悔しくて」
「それでも、諦めきれなくて」
「――――――死にたくなるくらいに、寂しかったッ!!!!!!!!!!」
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 06:25:09.32 ID:Kg4QpKut0
禁書「アナタが好きだから、」
「アナタを愛していたから、」
「…………いずれ、戻ってきて来ると」
「いずれ、また三人で笑える日が来ると信じて!!」
「ただただ、耐えていたのに!!!!!」
「わたしも!!!!」
「アクアリウムも!!!!!!」
「ずっと、ずっと、アナタが帰って来てくれることを、信じて!!!!」
「待っていたのに!!!!!!!」
「―――――待って、いたのに…………ッ!!」
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 06:26:18.58 ID:Kg4QpKut0
―――――――プツン―――――――――
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 06:45:07.35 ID:Kg4QpKut0
禁書「――――――もう、やだ」
「なにかも、いやになっちゃったんだよ……」
「――――――疲れたよ」
「わたし、疲れちゃったよ、ビアージオ」
「…………もう、全部おわらせちゃおうか………?」
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 06:54:41.33 ID:Kg4QpKut0
禁書目録「過去の記憶を検索、検索、検索、確認。
第二二章第一節。炎の魔術の術式を逆算し、
対十字教用に組み込んだ術式をにて発動可能。
術式名、『神よ、何故私を見捨てたのですか』完全発動まで十二秒」
「十一」
「十」
「九」
「八」
「七」
・
・
・
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 06:56:34.14 ID:Kg4QpKut0
アレイスター「…………さて、物語はどうやら当人たちは悲劇のほうへと傾かせつつ動いているな」
土御門「何を呑気に構えているアレイスター、もっとも回避したかった事態が目の前で起きようとしているんだぞ!!」
アレイスター「ふむ、そうだな」
土御門「なんでアンタはそう緊張感がないんだッ!!」
服部「――――黄泉川せんせ!!」
黄泉川「分っているじゃんよ!!」
『――――聞こえるか、私だ。黄泉川愛穂だ!!
全警備員へ、警備員総責任者の黄泉川が伝える!!
警備強度を第一報まであげろ!!
絶対に生徒たちを外に一歩も出すな!!
広範域での主要路、各施設への被害が予測される!!―――全員、気を抜くなよ!!』
木原『―――猟犬部隊のクソ野郎どもに告げる!!
ココの警備は一旦放棄していい!!
死にたくなかったら、まずは自分の身を守ることを優先しやがれ!!』
土御門「――――チィッ!! 防御結界の成立が間に合わない!! おい、結標ェええ!!」
淡希「――――ッ!! 駄目、座標軸の計算がぶれ始めている!!」
「外への空間移動できないッ!!!!」
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 07:01:03.23 ID:Kg4QpKut0
アレイスター「落ちつきたまえよ、諸君」
「確かに当人たちは悲劇の演技をしている」
「しかし」
「思わぬところで喜劇がもたられそうだぞ?」
ダダダダダダダダッ―――
アレイスター「―――――ほら、騒ぎの中心に駆けつけるのが大好きな、はた迷惑なヒーローの登場だ」
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 07:06:53.80 ID:Kg4QpKut0
・
・
・
・
禁書 「五」
「四」
「三」
「二」
「一」
「待って!! おかーさまあああああ!!!」
「チキショー!!ちょっと遅かったかっ!!?だああああ、間にあええええええ!!!!!!」
禁書 「――――零」
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 07:09:14.85 ID:Kg4QpKut0
――――――――――轟ッッッ!!!!!!!!!
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 07:11:39.49 ID:/kvbmNnJ0
上条さんキターーーーーーー
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 07:22:52.01 ID:Kg4QpKut0
ビアージオ「なにが、おこったのだ………?」
当麻「だああああ痛い!! コレ痛いってっ!!
何時だった受けた一方通行の黒翼より痛いって!!
上条さん、軌道を捻じ曲げるだけで精いっぱいだっつーの!!!」
土御門「……へ? 上やん……?」
当麻「おい、インデックス。少しは手加減ってもんをしやがれ!!」
アレイスター「ふむ、どうやら幻想殺しは間に合ったみたいだな」
当麻「つーか、こんな街中でこんな危なっかしい術式を発動すんじゃねえ!!
オマエの火力をもってしたら、学園都市の大部分が吹っ飛ぶだろ!? 素人の上条さんにだってそれくらいわかります!!」
淡希「えっと、一応、わたしたちは助かったのかしら……?」
当麻「――――ったく、アクアリウムが『おとーさんとおかーさんに会いたいっていうから』
御坂が電子ハッキングしてお前たちがココにいることを突き止めた情報を元に、ここまできて見たのはいいけど
いったい、なんなんですか、この現状は!!!??」
黄泉川「―――なんだ、アイツもたまにはやるじゃんよ」
服部「たまにはってレベルですか? コレ」
木原「―――――とりあえず、この場にいるヤツは全員生きてんじゃねーか?」
当麻「おい、聞いてるのかインデックス!!??」
禁書「――――」
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 07:28:18.67 ID:Kg4QpKut0
禁書「―――――」
「―――――」
「―――――」
当麻「…………インデックス?」
禁書「―――――」
「―――――」
アクアリウム「…………おかーさま。おとーさま」
ビアージオ「アクアリウム、か……?」
禁書「―――――アクア、リウム……?」
アクアリウム「うん、私だよ」
「アクアリウム・ブゾーニだよ……っ!」
「おかーさまと、おとーさまの、アクアリウムだよっ!!」
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 07:33:27.65 ID:Kg4QpKut0
アクアリウム「おかーさま、もうだいじょうぶだよ」
「もう、だいじゅぶ、だよ」
「ここには、」
「わたしも、」
「おとーさまも、いるよ」
「三人、みんな居るよ」
「ちゃんと『三人一緒』だよ」
「だから、もう、だいじょうぶなんだよ、おかーさま」
「もう、誰も、寂しくなんかないよね?」
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 07:39:00.44 ID:Kg4QpKut0
禁書「――――あ、」
「あ、あ、ああああ……ッ!!」
「わたし、わたし……いま………ッ!! いまッ!!!」
当麻「――――安心しろインデックス。
げ ん そ う
俺がオマエの『神よ、何故私を見捨てたのですか』を、ちゃんとぶち壊したよ」
「オマエは、誰ひとり、失っちゃいないよ」
「――――誰もが居なくなる後味の悪い幻想なんて、綺麗さっぱり消えちまったさ」
禁書「とー、ま……」
ビアージオ「―――――何時ぞやの、幻想殺しの少年、か」
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 07:45:59.17 ID:u7oV2P0/O
浮気の理由少しは分かる気がしてしまった
歳の差夫婦は実際大変そうだ
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 07:46:23.34 ID:Kg4QpKut0
トタタタタタタタ。ギュウ。
アクアリウム「おとーさま、おかーさま」
「二人とも、泣くのを我慢しなくてもいいんだよ……?」(グスッ
「わたしがいいこいいこ、してあげるからっ」(ヒックヒック
「だからっ! …だからっ!!」(ゥエ
「お願い、だからッ!」
「…………お願いだから」
「わたしを、ひとりにしないでぇええええええ」(ウワァアアアアアアアア
禁書「あ、くあ、りうむっ……っ!!!」
ビアージオ「……アクアリウム」
アクアリウム「っ、く、うぇ、ぉ、お願いいいいいいいいいっ……!!!!」(ビェエエエエエエエエン
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 07:56:29.36 ID:Kg4QpKut0
禁書「…………ごめんなさい、アクアリウム」
「おかーさまも、おとーさまも」
「こんな夜遅くに、アナタを、一人にしてしまったんだよっ……!」
「ごめんなさい……アクアリウム」
……ギュウ
ビアージオ「―――――アクアリウム」
「しばらく見ない間に、また一段と、心根の優しい娘に成長した」
「……わたしは、そのオマエの成長すらも、目をそむけていたのだな……」
「アクアリウム」
「不甲斐ない父を許せ………ッ!」
……ギュウ
アクアリウム「おとーさま……っ! おかーさまっ……!」(ギュウウウウウ
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 08:05:36.95 ID:ywCA73qP0
禁書とビアージでシリアスするかと思えば、浜面(故人)で切ないのもやって
初春とアレイスターで笑いも取って…って頑張りすぎだろw
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 08:07:49.97 ID:Zbyl3MqzO
>>1の能力を勝手ながら命名する
名調理師(スペシャルアンサー)
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 08:12:32.54 ID:Kg4QpKut0
木原「…………さて、アレイスター。終始客席に居たオマエの感想を聞こうか?」
アレイスター「ふむ、色々と面白い恋愛劇の第二幕であったよ」
土御門「てめっ、かみやんがここに向かうって知ってやがったにゃー?」
アレイスター「――――そもそも、滞空回線を通じて超電磁砲にデータを提供したのはわたしだ。
危ない橋はなんて、誰が好き好んで渡ろうとする?」
淡希「―――ほんと、コイツも狸よね」
黄泉川「――――、部下からの連絡だ。
上空へ舞い上がった高エネルギー体の衝撃はで、多大な爆音と揺れが観測されたが、
周囲のビル群の窓ガラスが割れた程度で、それほどひどい二次被害の報告はいまのところ上がっていないじゃんよ♪」
服部「冥土帰しの病人に複数人、衝撃波で吹き飛ばされてしまった警備員等が搬送されたが、いずれも軽症だ」
アレイスター「そうか」
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 08:14:30.11 ID:Kg4QpKut0
木原「――――グットニュースの次はバットニュースだ
上空に捻じ曲げられた高エネルギー体が二代目『樹形図の設計者』にぶつかって、ぶっこわれたそうだ」
アレイスター「………………え?」
木原「アレだな、『樹形図の設計者』てのは禁書目録にとって格好の的なのかもしれねーな」
アレイスター「……………」
淡希「……どうしたの? 突然暗い顔になって」
土御門・木原「「ハナちゃんに自慢しようと思って作った機械がぶっこわれて落ち込んでるだけだろ」」
アレイスター「な、なぜそれを……!?」
土御門・木原「「やっぱりそのパターンかよ!!!」」
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 08:18:28.66 ID:Kg4QpKut0
アレイスター「…………」
「ハナちゃんに『すごーいっ』って言われたかったんだけどなぁ……」
「…………」(ホロリ
「しかしまぁ、本当に楽しい楽しい第二幕であったよ禁書目録」
「さあて」
「第三幕の物語はいったいどうなるのかな」
「なに、私は一人の観客。陰ながら、その続きを待つことにしよう」
「きみの恋愛劇、まだまだ終らないでくれよ? 禁書目録」
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 08:25:39.97 ID:Kg4QpKut0
―――――
――――
―――
――
―
禁書「…………落ちついた? アクアリウム」
アクアリウム「……うんっ」
禁書「ああ、髪がぐちゃぐちゃだ」
アクアリウム「……えっ!?」
禁書「髪の毛、結び直してあげるからこちらにいらっしゃい」
アクアリウム「うん!!」
当麻「――――んで、要約すると、だ。
アンタが浮気をしまくって、我慢しきれなくなったインデックスがキレて暴走。
学園都市に教皇級魔術がぶっこまれそうになったのを、俺が幻想殺しでなんとかした、ってことか?」
ビアージオ「ああ。まぁもっと色々あるのだが―――、概ねその通りだ」
当麻「…………あんたら、これからどうするんだよ」
ビアージオ「わたしはインデックスが望む通り、それに従うまでだ」
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 08:35:03.89 ID:Kg4QpKut0
当麻「インデックスが望む通りに……?」
ビアージオ「ああ。あの子が最初から望んでいた通り――――離婚することになるな」
当麻「はああ!!? なんだよソレ、それじゃあアクアリウムがなんのために―――ッ!!!」
ビアージオ「いや、生活は今のままだ。何も変わらない」
当麻「………へ? あの、まったく意味がわからないんですが」
ビアージオ「籍だけ抜けることにしたんだ。……これからは、事実婚という形になるな」
当麻「――――なんか、まどろっこしくねえか、ソレ」
ビアージオ「こんな愚かな出来事を引き起こしてしまった戒めとしての意味が、一つ」
「もう一度、一からやりなおしていこうという誓いとしての意味が、一つ」
「処刑台の夜に帰ろう、と約束したのでな」
当麻「……………? もう、上条さんは全然わからないんですけど…………?」
ビアージオ「―――もう一度互いを信じ、ともに歩めると確信できた時に、また籍を戻す」
「だから、そう出来るように。そんな未来を歩めるように前進しよう、という約束なんだ」
当麻「…………そうかい」
「やっぱ、俺にはまどろっこしいやり方のように感じるけど、ソレがアンタ達のやり方なんだな」
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 08:44:14.60 ID:Kg4QpKut0
当麻「――――ああ、そうだ。忘れるところだった」(グッ
ビアージオ「……? 何を忘れて―――、」
当麻「『寂しさ』に惑わされて、妻子をないがしろしていいなんて幻想、俺がブチ殺す!!!!!」(ドカシャあああ
ビアージオ「ひでぶッ!!?」
ズサササササササ。
ビアージオ「ひゃ、ひゃにをしゅる!!(訳:な、なにをする!!?」
当麻「――――これで、アンタもすっきりするだろ」
「アンタは不倫を繰り返した。その罰はちゃんと受けないと駄目だ」
「とりあえず、今のが、オマエへの罰だ」
「――――それに、いい目覚まし時計代わりになっただろ?」
ビアージオ「………ひょっと、ひょうれちゅしゅぎやしにゃいかね(訳:……ちょっと、強烈すぎやしないかね」
当麻「あははは、反論する元気があるうちはアンタも十分若い若い!」
「――――――今度こそ、インデックスとアクアリウムのこと守ってやれよな?」
ビアージオ「―――――やあ(訳:ああ」
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 08:49:07.31 ID:Kg4QpKut0
禁書「こら動かないの。きれいにみつあみできないでしょう?」
アクアリウム「――――ねぇ、おかーさま」
禁書「なあに、アクアリウム」
アクアリウム「サンタさんて、やっぱり居るんだね!」
禁書「どうしたの、突然。クリスマスはまだ随分と先なんだよ?」
アクアリウム「ううん、わたし、一足先にもうプレゼントもらっちゃったの!」
禁書「そうなの?」
アクアリウム「―――うん」
「―――――ツンツン頭の、やさしいサンタさんにね!!」
――――禁書視点・終――――
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 08:56:43.86 ID:Kg4QpKut0
禁書は離婚すべきか否か→殺すくらいの勢いで分かれる
ビアージオに対するお仕置きは→そげぶ
ようやく、この2つの安価の消化が終りました。
二スレの一五〇代までお付き合い頂きありがとうございました。
深夜テンションで禁書視点が予定よりかなり長くなりましたが、書いてて楽しかったです
打ち止め「だけど、まだもちっとだけ続くんだよ、ってミサカはミサカは次回予告をしてみたり!!」
一歩通行「ァあ? 次回予告ってモンじゃねェーだろ。オマケだオマケ」
オルソラ「あらあらそうでございましたの?」
美琴「まー、そんなに長くはないでしょうね」
当麻「つーか俺の出番はあるのか?」
麻琴「さぁ? まぁ俺は結構あるみたいだけど」 10時くらいにはじめますノシ ちょっとだけ休憩
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/14(木) 09:02:06.28 ID:wVkRw3IE0
>>1乙
保守はまかせろー!!
ジェネオン・ユニバーサル (2010-12-10)
売り上げランキング: 80
- 関連記事
-
つか禁書うぜえw