1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/19(日) 22:03:11.71 ID:DIPXXoHR0
あたしの名前は高坂桐乃。
中学2年生。
自慢じゃないけどあたしはスゴイ。
ティーンズファッション誌の専属モデルだし学力は県内でも指折り。
所属してる陸上部じゃエースだし、学校や仕事先では上品に振舞ってるから慕われてる。
でも、そんなあたしにも裏の顔がある。
実はあたしは超オタクなのだ。
で。
本題はここから。
そんなあたしの家に同居人が転がり込んできた。
義理の従兄弟らしい。
お父さんやお母さんは「お兄さん代わりになってくれ」とか言っていたけど冗談じゃない。
あたしはアイツが嫌いだ。
なんか全然そりが合わない。
そんなことを思いながらふと時計を見て気がついた。
「げ。そろそろ九時じゃん」
ドラマが始まっちゃう。
ツイッターでリアルタイムに呟かないといけない。
きっと居間にはアイツがいるんだろうな…
少し憂鬱。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/19(日) 22:05:29.36 ID:DIPXXoHR0
■居間
でっかい背中が揺れている。
TVには笑いたくなるくらい古臭いレトロなゲーム画面が映っていた。
「ねぇ九時になったんだけど?」
「あと五分!あと五分だけやらせてくれよなぁ~!」
「はぁ?話が違うじゃん!九時からドラマ見るって言ってたし!」
「それがよぉ~!今が最高に盛り上がるトコなんだよぉ~~!」
こっちを振り返ろうともしない。
なんかムカつく。
「あーうっさい!それ犯人ヤスだから!はい終わり!」
それだけ言ってあたしはゲーム機のアダプターを引き抜く。
「うおおおっ! マジかよぉ~っ!?」
真っ黒になったTV画面に向かって嘆いてる。
よーく見ると肩がプルプル震えてた。
「な…なによ?あたし最初っから言ってたじゃん!九時からドラマ見るってさ!」
あたしは自分の正当性を主張したけど、アイツはあたしの言葉に答えもしないで立ち上がった。
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