4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/11(月) 13:06:37.71 ID:6kXS9I860
生徒会室にいた和は、仕事に集中していて初め、誰か入ってきたことにすら気付かなかった。
淡々と同じ作業を繰り返すことに飽きてきて、ふっと息を吐いて手を止めた途端肩を叩かれ、
流石の和も驚いて小さな悲鳴を上げてしまった。
「へえ、生徒会長でもそんな悲鳴、あげるんだ」
「いちご……っ」
後ろに立っていたのは、和の予想だにしなかった人物で、和はまたしても驚いてしまった。
クラスメイトの若王子いちご。
いちごとは嫌いあってる仲ではないが、それほど話すわけでもなく、プリントの受け渡しや
その他クラスの事務的な会話しかしたことがない。だから和が驚いてしまうのも仕方が無い。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/11(月) 13:10:42.20 ID:6kXS9I860
「それで、生徒会室に何か用?」
和は気を取り直すと、驚いた拍子に飛び上がったときずり落ちてしまったメガネを
戻しながら訊ねた。
いちごは生徒会室を興味深そうに眺めながら、「別に」と答えた。
「そ、そうなの?」
「うん」
「……、あの、それじゃあ出て行って欲しいんだけど。一応ここ、関係者以外立ち入り禁止だし」
「生徒会の関係者は生徒全員、そうじゃなかった?」
「それは、そうだけど……、そういうことじゃなくって」
「それに、生徒会長と仲が良い唯とか軽音部の子は皆普通に出入りしてるじゃん」
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