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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/01/31(土) 05:02:46.57 ID:cogGYafho
朝から雲が天を覆っていたその日、碇シンジは眉間にしわを寄せて登校してきた。
彼にどうしたのかと声をかけようとした渚カヲルは一度思いとどまり、周囲を見回す。
予想通り、惣流・アスカ・ラングレーが不機嫌な顔をしていた。
「セカンドと何かあったのかい?」
普段通りの温厚な口調でカヲルはシンジへと問いかける。
彼の問い方が気に障ったらしいアスカが「どうせあたしは悪者よ」とぼやく。
アスカの言葉にムッとした顔をするシンジだが、ぽつぽつと語り出した。
「大したことじゃないよ。いつものことなんだから。
僕の料理の味が薄いってアスカがゴネてさ」
「料理?」
予想以上にちょっとしたことだったのに僅かに拍子抜けしつつも、カヲルはシンジの言葉を待つ。
「良く分かんないけど、昨日の夜からずーっと僕に難癖付けてきちゃってさ。
あんたのにくじゃがは砂糖も醤油も足りないのとか、あんたの人間性が現れた薄味ね、
なんて延々と文句言われてホント参るよ」
「それは大変だね。大丈夫だよ、シンジ君は薄味なんかじゃない。
いつまでも味わっていたくなる清々しい味だよ」
「カヲル君……」
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