HEADLINE

スポンサーサイト

--/--/-- --:-- | CM(-) | スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

男「気付かなかった『さようなら』」

2014/12/14 21:40 | CM(0) | 創作・男女系 SS
1 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:16:07.19 ID:GZDENnOIO

女「もしかして嫌だった?」

男「いや、別に嫌じゃないけどさ。何で急に?」

女「うーん、何でだろ? 分かんないや、はははっ」

男「なんじゃそりゃ、一緒に帰ろうって言ってきたくせに」


俺は今、女って人と一緒に帰ってる。

同学年だけど今まで話したこともなく、たまに見かけるくらいだった。

ただ一つ違うのは、彼女は学年の中で一番容姿が良いことだろう。

体が小さく可愛らしい、明るい性格で裏表がない、らしい。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417965367



2 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:17:53.07 ID:GZDENnOIO

幼い顔立ちなのに胸が大きい。

彼女よりも背が高い男なら、必ず胸に目がいくだろう。

正直、目のやり場に困る。

目を見て話すつもりが、そっちに目がいってしまう。

高校生だし男だし、仕方ない。


女「胸、気になるんだ?」

男「そりゃあ気になるけど……胸、気にしてんの?」

女「 まあ、下心丸出しで話し掛けてくる人とかいるからさ」





3 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:19:37.64 ID:GZDENnOIO

男「あのさ、俺もそれなりに下心あるんだけど」

女「そうなの!?」

男「何で驚くんだよ。いいか? 可愛い女子に……


ーー女『良かったら、一緒に帰んない?』


男「とか言われたらそうなるって」

女「へー、男もそんな風に思うんだね」

男「いきなり呼び捨てか、イメージと違うな」

女「嫌だった?」


男「いや? そんなに気にならないけど」




4 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:20:51.11 ID:GZDENnOIO

女「なら良かったぁ」

男「何なんだよ、変な奴だな」

女「変かな?」

男「変だろ。話したこともない知らない奴を部活終わるまで待ってるとか」


女「……私、男のこと知ってるよ」

男「は?」

女「サッカー部で揉めて、ボクシング部に入って、ムカつく先輩を殴り倒した」


男「えっ、えっ? なんで知ってんの!?」




5 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:21:55.95 ID:GZDENnOIO

女「なんででしょう?」

男「知らねーよ」


推薦で入った奴と揉めて、サッカーを楽しめなくなって辞めた。

それからボクシング部に入って、ボコボコにされた。

それが、ムカつく先輩って奴だ。


階級下としかスパーリングやらない汚い野郎だ。

そいつの所為で辞める奴もいたけど、俺は辞めなかった。

必ず殴り倒してやろうと決めたからだ。




6 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:22:54.66 ID:GZDENnOIO

いけ好かない推薦野郎よりも、目的がしっかりしてる。

技術と実力は、殴ること倒すことで証明される。

女みたいな嫌がらせをしてくる奴等とは全く違う。


女「どしたの?」

男「ムカつく奴を思い出して、頭ん中で殴ってた」

女「ああ、サッカー部のあの人?」

男「……何で知ってんの? 怖いんだけど」


女「女子にはよくあることだし目に付くよ?」




7 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:24:25.03 ID:GZDENnOIO

男「あいつは確かに女々しいな。だから大嫌いなんだ」

女「ははっ、大丈夫大丈夫!! 女子もあいつのこと嫌いだから」

男「そうなの? あいつ、顔は良いからモテそうだけどな」


女「いやいや、あんな軽い奴は絶対ないから」

男「ふーん……」

女「あのさ、実は私、見てたんだよね」


男「あ? なにをだよ?」




8 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:27:29.62 ID:GZDENnOIO

女「先輩を殴り倒したとこ……見てる人、結構いたんだよ?」

男「そうなの!? もしかして俺ってモテてんの?」

女「……まあ、そこそこね」


男「何だよ、嫌そうな顔して」

女「あのさぁ、一緒に帰ってる女にそれはないでしょ」

男「彼女でもないのに嫉妬すんの?」

女「するよ!!」


男「すんのかよ……」




9 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:28:45.28 ID:GZDENnOIO

女「まあいいよ、今回だけは許してあげます」

男「それはどうもありがとうございます」

女「ところで、本とか読む?」


男「いきなりだな、何で?」

女「いいから答えて」

男「読まないです」


女「じゃっ、これどうぞ」




10 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:30:16.49 ID:GZDENnOIO

男「……小説かよ」

女「小説です」

男「俺、読まないって言ったよね?」

女「まあまあ、いいから読んでみなって、面白いからさ」


男「そっか、じゃあ読んでみる。で、いつ返せばいい?」

女「……読まないでしょ?」

男「いや、読まなくても返す日くらい


女「あげる」





11 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:31:52.10 ID:GZDENnOIO

男「は?」

女「だから、あげるって言ってるの。誕生日のプレゼント」

男「誕生日まで知ってんのか……」


女「まあねー」

男「あのさ、他に何知ってんの?」

女「えーっとね……彼女いない、気に入らない人はぶっ倒す、友達あんまいない」


男「大体合ってるけど何なの? そういう趣味?」





12 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:32:43.74 ID:GZDENnOIO

女「違います」

男「違うんだ」

女「はい」


男「あのさ」

女「はい、何でしょうか?」

男「俺、あんたのこと全然知らないんだけど……」


女「別にいいよ、私は知ってるから」




13 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:33:59.12 ID:GZDENnOIO

男「わけ分からん」

女「ふふっ、いいよ、分かんなくて」

男「そうなの?」

女「そうです」


男「つーか帰り一緒じゃないよね?」

女「気にしないで、男の家に着いたら帰るから」

男「……ストーカー?」


女「して欲しいの?」




14 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:36:20.75 ID:GZDENnOIO

男「いや、そんなわけじゃないけど」

女「…………」

男「…………」

女「……………」


男「……あの、着いたんだけど、もう遅いし送ろうか?」

女「ううん、いい」

男「そっか」

女「そうです」

男「……んじゃ、ありがとうございました?」


女「はははっ、いえいえ、こちらこそ楽しかったよ」




15 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:38:30.30 ID:GZDENnOIO

男「じゃあ、また今後?」

女「あっ、もしかしてまた私と一緒に帰りたい?」

男「いや、だって全然知らないし、あんた面白いし」


女「……そっか」


男「ん? どうした?」

女「へっ? ううん、なんでもない」

男「??」

女「じゃっ、さよなら」


男「あっ、行っちまった。本当にわけ分からん……」




16 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:40:40.47 ID:GZDENnOIO

俺は疲れてて、小説を読まずに寝てしまった。

何を思って彼女は俺を誘ったのか、そんなことを色々考えながら寝た。

もしかして、俺のことを好きなのかとも思ったけど、訊けば済む話しだ。


でも、確かめることは出来なかった。

翌日、彼女は学校から消えていた。

事件とか死んだとかじゃなくて、転校していた。

あの時の『さよなら』は、そういう意味だったんだろう。


その日、部活を休んで彼女から貰った小説を開くとノートの切れ端がはらりと落ちた。


ーーあなたの事が好きです


連絡先もなく、ただそれだけが書いてあった。




17 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 00:41:47.98 ID:GZDENnOIO
おしまい


20 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 01:11:26.18 ID:xziHrLjS0
切ないけど、いい話だな



26 ◆5l7a.r2Ghs :2014/12/08(月) 23:14:18.93 ID:QyMqmuH6O
いまさらながら酉、今まで書いたやつ。
気が向いたから読んでみて下さい

ーー「そうだ、オレの名は…」

吸血鬼「俺はお前の血を飲みたくない」

青年「ああ、認めるよ……」

少年「それが、僕の名前……」

イケメン「童貞です」

勇者「共に歩み、共に生きる」

男「男には色々あんだよ」

女「それでも、だよ」

しかばねの王様とオニのお姫様

女「太陽とペペロンチーノ」

男「気付かなかった『さようなら』」

誰が望んだ姿なのか

他にもあるかもしれないけど記憶にあるのはこのくらい。



29 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/12(金) 22:15:40.26 ID:E0Ch2hAFo
おつ


転載元

男「気付かなかった『さようなら』」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417965367/






転校クラブ シャッター通りの雪女
水生 大海
原書房
売り上げランキング: 1,334,593

関連記事
2014/12/14 21:40 | CM(0) | 創作・男女系 SS
    コメント一覧
コメントの投稿










管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

インバリアントへようこそ
インバリアント -SSまとめサイト-
管理人:こばりあんと



  • About
  • 記事一覧
  • Twitter
  • まとめ依頼
  • ランダム SS
カテゴリ
アーカイブス

2018年 02月 (25)
2018年 01月 (7)
2017年 12月 (3)
2017年 11月 (22)
2017年 10月 (11)
2017年 09月 (2)
2017年 08月 (161)
2017年 07月 (180)
2017年 06月 (139)
2017年 05月 (311)
2017年 04月 (157)
2016年 02月 (1)
2015年 12月 (1)
2015年 05月 (261)
2015年 04月 (295)
2015年 03月 (305)
2015年 02月 (259)
2015年 01月 (283)
2014年 12月 (275)
2014年 11月 (287)
2014年 10月 (285)
2014年 09月 (262)
2014年 08月 (264)
2014年 07月 (262)
2014年 06月 (223)
2014年 05月 (218)
2014年 04月 (209)
2014年 03月 (185)
2014年 02月 (172)
2014年 01月 (191)
2013年 12月 (184)
2013年 11月 (183)
2013年 10月 (180)
2013年 09月 (153)
2013年 08月 (141)
2013年 07月 (154)
2013年 06月 (146)
2013年 05月 (152)
2013年 04月 (148)
2013年 03月 (130)
2013年 02月 (111)
2013年 01月 (123)
2012年 12月 (127)
2012年 11月 (120)
2012年 10月 (127)
2012年 09月 (117)
2012年 08月 (120)
2012年 07月 (122)
2012年 06月 (116)
2012年 05月 (122)
2012年 04月 (121)
2012年 03月 (123)
2012年 02月 (116)
2012年 01月 (122)
2011年 12月 (118)
2011年 11月 (113)
2011年 10月 (119)
2011年 09月 (110)
2011年 08月 (118)
2011年 07月 (118)
2011年 06月 (118)
2011年 05月 (123)
2011年 04月 (124)
2011年 03月 (117)
2011年 02月 (95)
2011年 01月 (109)
2010年 12月 (119)
2010年 11月 (110)
2010年 10月 (120)
2010年 09月 (74)
2010年 08月 (87)
2010年 07月 (113)
2010年 06月 (72)
2010年 05月 (67)
2010年 04月 (3)

SS検索
Ads
最新記事
Ads2
人気SSランキング