1 :
1 :2015/01/26(月)23:49:27 ID:nqK
━とあるコンビニ━
男1「おいおい、お前の好きなアイドルが週刊誌で取り上げられてんぞ」
男1「なになに、うわっ、俳優さんとラブホから出てくる写真だぜ」
2 :
1 :2015/01/26(月)23:50:06 ID:nqK
男2「ん?まじかよ、えっ、まじかよ」ポチッ
男1「そう言えばここのアイドルグループの子だよな?」
男3「自殺したやつだろ?」
男1「ああ、そうそう。二人だっけ?」
男3「うん、この週刊誌に載ってる子と自殺したその二人が、所謂センターを飾ってたんだけど」
男3「どうも仲悪くて、とくにその子が苛められてたみたいなんだ」
3 :
1 :2015/01/26(月)23:50:37 ID:nqK
男1「なのに、コイツは生きてて二人が自殺?」
男1「世の中すげぇわかんねぇな」
男1「命は大切にしろってーの」
男3「確かになー」
男1「取り敢えずカゴも重いからお会計するわ」
男2「わりぃ、このスニッカーズも買ってくれ」
男1「給料日前で厳しいけど優しい俺は許可するよ」ヘッヘッヘー
4 :
1 :2015/01/26(月)23:51:17 ID:nqK
店員「…イッ…イッ…」ピッピッピッ
店員「合計1,898円になりやぁす」
男1「へいへい……っと」ジャラジャラ
男1「あっ、あと398円あればぴったし払えるわぁ」
男1「お前さ、持ってない?」
5 :
1 :2015/01/26(月)23:51:45 ID:nqK
男3「えっ?んーちょっと待って、あっ、あるよ。はい」
男1「おお、悪ぃ悪ぃ」サンキュー
男2「……398円ってことは」ブツブツ
店員「丁度あずかりやぁす」ピッピッピッ
6 :
1 :2015/01/26(月)23:52:12 ID:nqK
男1「ん?あっ、財布の中に1円と5円入ってたわ」
男1「レシートはいいや、おっ丁度いいとこに募金箱が」
男1「1円と5円は募金箱に、と」チャリンチャリン
男2「……左腕と……」ブツブツ
男3「ん?なんか言った?」
男2「えっ、あっ、いや」
7 :
1 :2015/01/26(月)23:52:39 ID:nqK
店員「ありゃりゃーす」イッシャッセー
男3「じゃあ、俺はここで帰るわ」
男1「おう、また明日な」
男2「じゃあな」
8 :
1 :2015/01/26(月)23:53:27 ID:nqK
━とある公園━
女子高生A「うわっ、やべ」キャッキャッ
女子高生C「なに?なに?」ニヤニヤ
女子高生A「今スマホにニュースきて、開いたらさ、またあのグループの一人自殺したってぇ、やばくねぇ?」キャッキャッ
女子高生B「えっ?まじで?これで何人目?」グフッグフッ
女子高生C「3人目じゃねぇ?」ニヤニヤ
女子高生たち「ちょーこええぇ」キャッグフッニヤ
9 :
1 :2015/01/26(月)23:54:12 ID:nqK
男2「……」ボーッ
男1「おい、なに女子高生に見とれてんだよ」
男2「ん?あっ、わりぃ」
男1「歩き疲れたからベンチに座ろうぜ」
ドッコイセ
男2「ふぅー」ドッコイセ
10 :
1 :2015/01/26(月)23:54:38 ID:nqK
男1「ん、はい、スニッカーズ」
男2「サンキュー」
男1「お前最近そればっかな」
男2「まあ、そうだね」ハハハ
男1「ってかさ、やっぱり小銭って沢山あると邪魔だけど、ないと不便だよなあ」
男2「そうだなぁ」
11 :
1 :2015/01/26(月)23:55:17 ID:nqK
男2「けど、お前さ、募金箱にお金入れてたじゃん」
男1「1円と5円の小銭しかいれてねぇし」
男2「いや、お金だろ?」
男1「いやいや、1円と5円はお金だけどあると邪魔じゃん」
男2「でもでも、お金に変わりないよな?」ムスッ
男1「えっ、ちょっ、お前何怒ってんの?」ダリィ
12 :
1 :2015/01/26(月)23:55:46 ID:nqK
男1「まさか、1円と5円を男3に返さず募金箱にいれたの腹立ってんの?」
男2「はあ?ちげぇよ」イラッ
男1「ったく、明日にゃ給料日だから倍にして返してやっから」ケラッケラッ
男2「だから、ちげぇーっての」ハァー
13 :
1 :2015/01/26(月)23:56:16 ID:nqK
男2「お前さ、お金の重みを知らねーんだろ?」
男1「重み?」ンー
男1「1円は1グラムとか?」
男2「そっちの重みじゃねぇよ」ハァー
男2「まあ、いいや」
男2「ところでさ、お前さ“デスノート”って漫画知ってる?」
14 :
1 :2015/01/26(月)23:56:56 ID:nqK
男1「はあ?急になんだよ」
男1「“デスノート”ってさ、たしか俺たちが産まれる前に流行ってた漫画だろ?」
男1「名前だけ聞いたことあるわ」
15 :
1 :2015/01/26(月)23:57:48 ID:nqK
男2「ストーリーはな、簡単に言えば“名前を書けば必ず死ぬノートを使って犯罪のない世界を作ろうとする話”なんだけどな」
男1「へぇ、思ったより単純なんだな」
男2「いや、それは俺の説明が悪いんだけど、もっと内容は頭脳戦が目まぐるしく繰り広げてるんだけどさ」
男1「で、それが何?」
16 :
1 :2015/01/26(月)23:58:25 ID:nqK
男2「デスノートってのは名前を書かれた人は必ず死ぬんだよね」
男1「死ぬ理由ななんでもあり?」
男2「ノートに書きさえすればなんでも理由は付け加えれるけど、何も書かなかったら心臓発作が心因になるよ」
男2「けど、書く人間にはそれ相応の対価が支払われんだよね」
17 :
1 :2015/01/26(月)23:59:25 ID:nqK
男1「対価?」
男2「死神の目を貰うには、その人の寿命を半分死神に取られちゃうとか」
男1「死神?そんなん出んのかよ」
男1「ギャグ漫画?」
男2「ちげぇーっての」
18 :
1 :2015/01/26(月)23:59:55 ID:nqK
男2「“キラ”っていうキャラクターがいて、本名は“夜神月”って言うんだけど」
男2「最終的にはそいつ死ぬんだけどさ死神に言われるんだ」
『デスノートを使った人間が天国や地獄にいけると思うな。死んでからのお楽しみだ』
男2「ってさ」
19 :
1 :2015/01/27(火)00:00:37 ID:JBa
男1「お、おおう」アセ
男2「要するに“無”になんだぜ」
男1「お、おおう」アセアセ
男2「怖いよな。その行為が正義だと思ってても人間の世界だと犯罪者になるし、死んだ後も救われることなくさ“無”になるんだぜ」
男1「いやいや、死んだら誰でも“無”じゃね?ってか、これなんの話?」アセアセアセ
20 :
1 :2015/01/27(火)00:02:58 ID:JBa
男2「でもさ、デスノートには色々なルールもあるんだわ」
男1(無視された)シュン
男2「流石に俺も詳しく覚えてないけど、時間も秒単位でルールが決まってたりしてさ」
男2「そんなルールを理解して、かつ周囲にはバレないように人を殺していって、結局自分が死んだら“無”になるんだ」
男2「これってさ、考えてみればデメリットしかないよな」
男2「けど、それは対価なんだよな」
21 :
1 :2015/01/27(火)00:03:25 ID:JBa
男2「だってさ、“デスノート”の世界ではさ“キラ”は犯罪者ばかりを排除してきて、まあ、時には邪魔者も排除したんだけど」
男2「けど、命は平等にあるべきだもんな」
男2「だから、それ相応の対価は払うべきなんだよな」
男2「でも、それは俺が内容を知ってるからそう考えれることなのかもな」
22 :
1 :2015/01/27(火)00:03:59 ID:JBa
男1「よくわかんねぇよ。ってか、これ漫画の話だろ?」
男1「実際問題そんなアイテムあったら政府が動き出してんだろうよ」
男2「じゃあさ、お前名前書けるか?」
男2「実際目の前にデスノートがあります」
男2「はい、どうしますか」
男1「どうするもなにも、どうしようかな」
23 :
1 :2015/01/27(火)00:04:22 ID:JBa
男2「考え方によってはお前の理想な世界が創れるんだぜ?」
男1「まあ、腹立つ奴は取り敢えず消すかな?」
男1「ゼミの中にいけ好かん奴とかいるし」
24 :
1 :2015/01/27(火)00:04:48 ID:JBa
男2「しょうがないなぁ……」ガサゴソ
男1(しょうがないなぁ?)
男2「ノートとペーーンーー」タララッタラー
男1「ノートとペン?」
男2「早速そいつの名前書いてよ」
男1「は、はあ?」
25 :
1 :2015/01/27(火)00:05:18 ID:JBa
男2「書いてよ、これがデスノートだと思ってさ」
男1「……はぁ?」ゴク
男2「そんな緊張しなくても大丈夫だよ」
男2「これはあくまでもジャポニカ学習帳だから、ペンもマッキーだから」
男2「何もデスなんかつかない普通の文具だよ」
男1「お、おう、そうだよな」ゴクリ
26 :
1 :2015/01/27(火)00:05:52 ID:JBa
男2「でも、今俺たちの間ではこれはデスノートだ」
男1「……っ!」ビクッ
男2「ん?書かないの?」
男2「ってか書けないよな」
男2「いくらお前がデスノート見てなくても、俺があれだけ説明してだもん」
男2「多少はビビってまうよな」
27 :
1 :2015/01/27(火)00:07:32 ID:JBa
男1「か、書けるしな」
男1「書けるけど、あえて書かないの」
男2「いや、お前は書けないよ」
男2「自分がどうなるかわかんかいんだもん」
男2「下手に書いたら厄介事に巻き込まれるかもしれないし」
男2「漫画みたいに“L”と対立しちゃうかもだし」
男2「そもそも死神が漫画みたいに大人しいって決まったわけじゃないしな」
28 :
名無しさん@おーぷん :2015/01/27(火)00:08:15 ID:nrz
おもろい
29 :
1 :2015/01/27(火)00:10:29 ID:JBa
男2「それにお前は命の重みを知ってるかって話だし」
男1「……っ!」ハッ
男2「嫌いな奴でも命は平等だもん、そう考えるといけ好かん奴とか言ってたお前でも名前は書けんだろう」
男1「……ったよ」プルプル
30 :
1 :2015/01/27(火)00:11:21 ID:JBa
男2「ん?」ニヤ
男1「わかったよ!書くよ!馬鹿にすんじゃねぇよ!」バッ
男1「……」キュッキュッキンッ
男1「ふーっ、ど、どーだ」ブルブル
男2「いや、本当に書くとはね」
男2「けど、お前震えてんな」ニヤ
男1「ふ、震えてねぇし」ブルブル
31 :
1 :2015/01/27(火)00:12:07 ID:JBa
男2「まあ、心配すんな」
男2「さっきも言ったけど、それは本当に普通の文具だ」
男1「あ、ああ、そうだな」フーッ
男2「でも、これが本物ならお前は一人殺したことになるんだ」
男1「本物ならだろ?実際は生きてるし、明日もまたアイツのニタニタ顔をみなきゃならねぇんだろ?」
男1「ったく、せっかくなら実際死んでくれてもいいんだけどな」
32 :
1 :2015/01/27(火)00:12:33 ID:JBa
男2「いや、お前は殺せないよ」
男1「いやいや、実際手にしたらやるかもしんねぇよ。アレは偽物だと知ってたから馬鹿らしくて躊躇っただけだし」
男2「いや、お前は人を殺して対価を支払えるとは思えないし」
男2「実際問題デスノート使って人を殺そうとする奴はいないよ」
33 :
1 :2015/01/27(火)00:13:04 ID:JBa
男1「わかんねぇじゃん、最愛の人が犯罪者に殺された人はやるかもしんねぇし」
男2「そんな人にはデスノートなんて渡さなくても、どうにかして解決方法を練るよ」
男2「デスノートなんて誰も使えないんだよ」
34 :
1 :2015/01/27(火)00:13:31 ID:JBa
男2「あまりにも自分への対価が大きいから」
男2「無意識の内にビビって使えないよ」
男2「誰かの命ってぇのは、自分のデメリットが生じる時に初めて価値を見いだせるんだよ」
男2「だからデスノートが現実にあったら誰も使えないって思うんだよな」
35 :
1 :2015/01/27(火)00:14:06 ID:JBa
男1「対価ってぇのは死んだら“無”になるだけだろ?」
男1「死んだら誰でも“無”だから関係なくねぇ?」
男2「デスノートの世界でなきちんと“天国”と“地獄”とあるんだよ」
男2「それが“無”と宣告されんだぜ?」
36 :
1 :2015/01/27(火)00:14:30 ID:JBa
男1「ふむ、で?」
男1「だからなんだよ」
男2「“無”ほど怖いもんねぇだろ!!」
男1「ってか、そんな漫画の話を急にしてなんだ?あれか?さっきの小銭の件の当て付けか?」
男1「明日には男3にはきちんと返すってーの」ケラケラ
37 :
1 :2015/01/27(火)00:14:58 ID:JBa
男2「……199円」ボソ
男1「ん?199円?」ナニ?
男2「そう考えるとさ、安いのか高いのかわかんねぇよな」
男1「また話変わったけど?何が安いの?高いの?199円が?なに?」オロオロ
38 :
1 :2015/01/27(火)00:15:27 ID:JBa
男2「……デスノートはデメリットあって、ルールが事細かに決まってたからさ、何かと携わりたくないなって思うけど」
男1(また話かわった……)
男2「簡単だとどうだろ?」
男1「簡単だと?」
39 :
1 :2015/01/27(火)00:15:54 ID:JBa
男2「デスノートは顔を理解しとくのは大前提でさ、ノートに名前書くときは一語一句間違えず書かなきゃいけない」
男2「だから他人は殺せやしないんだ」
男1「なるほど、それだと名前がわかる範囲で殺さなきゃならないな」
男1「そうなると生き残る人間が怪しくなってしまうな」
41 :
1 :2015/01/27(火)00:16:26 ID:JBa
男2「ご名答だわ、けど漫画の“キラ”はそこも上手いこと誤魔化すんだけどな」
男1「でも、最後は死ぬんだろ」
男2「人は誰でも死ぬさ、いつかはな」
男2「で、そのルールが簡単だったら」
43 :
1 :2015/01/27(火)00:20:27 ID:JBa
男2「名前がわからなくても顔だけがわかってたら」
男2「しかも、字を書かずにボタンを押すだけなら」
男1「それだと簡単だからポチッとやりそうだな」
男2「そうなんだよ」
男1「それこそ命の重みなんてわかんねぇじゃん」
44 :
1 :2015/01/27(火)00:20:56 ID:JBa
男2「ああ、しかも現金が支給されるとなると」
男1「余計押してまうかもなぁ」
男1「金額にもよるけどさ」
男2「更にデスノートと違って死後は確実に“天国”に連れて行かれるんだ」
男2「例え生前どんな悪いことしてたもだ」
男1「うわぁ、そうなると押してまいそうだな」
男2「だろ?」
45 :
名無しさん@おーぷん :2015/01/27(火)00:21:09 ID:mCz
支援
46 :
1 :2015/01/27(火)00:21:22 ID:JBa
男1「デスノートはなんか、命の重みってぇのが良くわかるよな」
男1「顔が知ってて且つ名前も知らなきゃならねぇんだから」
男2「けど、ボタンはそうならない」
男2「顔を知ってたら押すだけ殺せる」
男2「しかもお金も貰える」
男2「お前なら押すよな?」ガシッ
47 :
1 :2015/01/27(火)00:21:56 ID:JBa
男1「えっ?ボタンを?」
男2「お前なら躊躇いなく押すよな?」ユラユラ
男1「ゆ、揺らすな、お、押すだろうけど、ゆ、揺らすなよ」
男2「普通は押すよな!」ユラユラ
男1「ゆ、ゆ、揺らすなってぇの!」バッ
男1「……おい、今日のお前変だぞ?」ハァハァ
48 :
1 :2015/01/27(火)00:24:41 ID:WsZ
男2「……わ、わりぃ」
男1「まあ、いいや。腹減ったから飯行こうぜ」
男1「お前今何円持ってる?」
男2「お札は英世が三人と、小銭は……398円…あっ、597円だわ」
男1「細かいとこまで言わなくてもいいよ」
49 :
1 :2015/01/27(火)00:25:19 ID:JBa
男2「いや、最近小銭が身体の一部みたいに思えてきて……」
男1「お前今日やっぱ変だぜ?」
男1「もしかして本当に死神でも見えてんじゃね?」
男2「いや、死神じゃなくて……」
50 :
1 :2015/01/27(火)00:25:49 ID:JBa
男2「そう言えば死神はリンゴが好きなんだけど」
男2「天使は何が好きだと思う?」
男1「はあ?んなの知らねえよ」
男1「取り敢えずモス食いに行こ、もちろんお前のおごりでな」
51 :
1 :2015/01/27(火)00:26:13 ID:JBa
男2「知ってるか天使はスニッカーズしか食べないんだ」
男1「それお前が最近ハマってる奴じゃねぇか」
男2「……ああ、そうだな」
おわり
52 :
1 :2015/01/27(火)00:27:10 ID:JBa
すまん
読んでくれた人には申し訳ない
かなりぐだぐだなとこで終わらせて
続きはまた次回に
53 :
名無しさん@おーぷん :2015/01/27(火)00:27:23 ID:6ej
おつ!
54 :
名無しさん@おーぷん :2015/01/27(火)00:30:24 ID:0qi
おもしろかった
55 :
名無しさん@おーぷん :2015/01/27(火)00:31:17 ID:SnT
おつ
転載元
男1「ちょっと、コンビニ寄っていい?」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1422283767/
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何で天使が人を○すことでお金くれるの?ってのが気になった
うまくまとまってて面白かった