1 :
学パロ書きため無しやまなしヘタレ少な目エイラーニャ :2013/01/07(月) 23:36:35.97 ID:oOhBFH+e0
小鳥の鳴き声で目が覚めた。
目覚まし時計の針は、設定しておいた5分前を指していた。
あいにく朝は弱くない。
それほど重くもない身体を持ち上げて
洗面所へと向かう。
ひとしきり整えた私は、コーヒーの香り漂うリビングへ。
母親が用意したトーストにジャムをつけて食べる。
Dronnigholmというところのベリー系のジャムだ。
ウチはスオミの血筋だから、と、フィンランドのものを
わざわざ取り寄せてまで買っているらしい。
甘ったるい塊をコーヒーで流し込み
私は制服に着替えるためにまた自分の部屋に向かう。
ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴る。
いつもよりも早いナ。
自分の部屋に歩を進めていた足は、既に玄関に向いていた。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/07(月) 23:39:12.24 ID:oOhBFH+e0
ガチャン。
サーニャ「あ…おはよう、エイラ」
エイラ「おはよう、サーニャ」
「まだ着替えてないんダ。とりあえず上がっててクレ」
サーニャ「うん…」
「お邪魔します」
エイラ「すぐ着替えるカラ」
バタバタバタ…
サーニャ「…」
サーニャ「あ…おばさん、おはようございます」
「おはよう、サーニャちゃん」
「今日も寒いわね」
サーニャ「はい…」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/07(月) 23:39:14.63 ID:txfohVWm0
芳佳ちゃんは出ますか!?
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/07(月) 23:42:01.62 ID:oOhBFH+e0
・・・・・・・・・・
エイラ「サーニャ、お待たせ」
「じゃあ、行こうゼ」
サーニャ「うん…あっ」
「襟、めくれてる…」ナオシ
エイラ「あっ…アリガトナ」テレ
エイラ「よし、じゃあ行ってきマス」
「行ってらっしゃい、気を付けるのよ」
エイラ「ハイハイ」
サーニャ「…お邪魔しました」
「サーニャちゃんも気を付けてね」
サーニャ「はい、ありがとうございます」
―――ガチャン
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/07(月) 23:43:14.01 ID:56JKgJnNT
ファンタぢっく
7 :
芳佳ちゃんはちょっと出るかも :2013/01/07(月) 23:45:54.02 ID:oOhBFH+e0
エイラ「…」
サーニャ「…」
エイラ「今日もなかなか寒いナ」
サーニャ「そうね」
エイラ「こう寒いとさ、家の廊下を歩くのもおっくうダヨナ」
サーニャ「うん…」
エイラ「お手洗い行くの変わってほしいヨナ」
サーニャ「おばあちゃんみたいよ、エイラ」
エイラ「まだピッチピチの高校生だゾ」
サーニャ「知ってるわ」クス
テクテクテク…
ギュ
エイラ「サムイサムイ」
サーニャ「…うん」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/07(月) 23:49:12.03 ID:oOhBFH+e0
サーニャ「宿題、ちゃんとやった?」
エイラ「やったゾ、数学面倒だったンダ~」
サーニャ「そうなんだ…」
エイラ「1年はどうダ?そろそろ難しいところ入るんじゃないカ?」
サーニャ「うん…ちょっと難しい」
エイラ「ソッカ…」
「私に言えよナ、教えられるところは教えるから」
サーニャ「…」ジトォ
エイラ「ナンダヨ、その目は」
サーニャ「冗談よ、ありがとう、エイラ」
エイラ「ン」
ギュー
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/07(月) 23:55:24.09 ID:oOhBFH+e0
エイラ「おっ」
サーニャ「あ…」
エイラ「オーイ、ミヤフジとリーネ!」
宮藤「ひゃあ!!」パッ
リーネ「きゃあ!!」パッ
エイラ「朝から変な声あげんじゃネーヨ」
宮藤「おっ、おはようゴザイマス!!エイラさん!サーニャちゃん!」
リーネ「おはようございます!」
サーニャ「おはよう」ニコ
エイラ「あっ、その挙動不審」
「手ぇ繋いでたところ見られそうになったからとか、そういうのダロ?」
宮藤「イヤイヤイヤ!そんなことはないですよ!!」
リーネ「そ、そうです!!つ、繋いでなんか!!」
エイラ「ってか、ガッツリ見えてたゾ」
サーニャ「うん、そうね」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/07(月) 23:55:53.57 ID:n9tYFjn00
保健体育なら僕に任せてください
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/07(月) 23:57:29.33 ID:meebcBKf0
ファ、ファンタぢっくじゃないっ!?
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/07(月) 23:59:36.10 ID:oOhBFH+e0
エイラ「今更隠す必要ナイダロ?」
「お前らの関係なんて知れたことダゾ」
宮藤「あ、あはは…」
リーネ「うぅ…」
エイラ「手をつなぐことがそんなに恥ずかしいのかよ」
宮藤「…エイラさんやサーニャちゃんじゃないんですよ、私たちは」
エイラ「なんだソレ。私らが変みたいじゃないカ」
サーニャ「私はまだ、恥ずかしいわ」
リーネ「エイラさんがちょっと変わっているだけなのかも…」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 00:05:27.74 ID:TJh9fkBh0
宮藤「あ、そうだ!宿題やった?サーニャちゃん」
エイラ「ソレさっき話してたヤツダナ」
サーニャ「うん、やったわ」
「科学と、英語」
宮藤「えっ!?」
「英語も宿題なんてあったっけ…」
サーニャ「…忘れたの?」
宮藤「わあああ、忘れてた!!」
「どうしよう、リーネちゃん!!」
リーネ「だ、大丈夫だから!落ち着いて、芳佳ちゃん」
「学校に着いたら私のを見せてあげるから」
宮藤「ありがとぉ…リーネちゃん!」ギュー
リーネ「ひゃあ!?」
エイラ「往来で抱き着く方が手ぇ繋ぐよりも恥ずかしいと思うんだけどナ」
「ってか、宿題移してたら自分の力にならないゾ」
宮藤「…」
「エイラさんがそれを言うんですか?」
エイラ「私の経験談ダヨ」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 00:10:18.65 ID:TJh9fkBh0
学校ダヨ。
宮藤「うわ~、学校の中に入っても寒いよ…」
リーネ「そうだね、芳佳ちゃん」
「教室に行けばストーブがついてるよ、きっと」
宮藤「教室までの廊下って長いよ…」
エイラ「ミヤフジも結構グータラダナ」
サーニャ「…エイラもね」
…ぱっ。
宮藤「それじゃあエイラさん!また!」
リーネ「失礼します~」
エイラ「ンー」
サーニャ「エイラ…」
エイラ「ン?」
サーニャ「…またね」
エイラ「ン、またナ」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 00:15:25.17 ID:TJh9fkBh0
エイラ「…」
エイラ「確かに教室までの廊下って長いナ」
一人だと、ダケド。
シャーリー「おー、エイラー」
エイラ「お、オッス」
シャーリー「オッス~」
「今日もお姫様と?」
エイラ「ナンダヨ、悪いかヨ」
シャーリー「別にぃ~?いやぁ、寒いってのにおアツイなぁなんて思ってさ」
エイラ「お前だってどうせルッキーニと一緒に来たんだロ?」
シャーリー「まぁな!」
「それはそうと、宿題やってきたか?」
エイラ「私は何度そのワードを聞けばいいんだヨ」
「やってきた」
シャーリー「おー!マジ!?じゃあみせ」
エイラ「ナイゾ」
シャーリー「」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 00:23:00.13 ID:TJh9fkBh0
シャーリー「何でだよ!?いいじゃん!」
エイラ「お前のためにならないダロ」
「ならバルクホルンあたりにでも見せてもらえヨ」
シャーリー「今日は諦めるわ…」
エイラ「ドンマイダナ」
――――――――――――
バルクホルン「なにぃ!?宿題を忘れたのか貴様!!」
シャーリー「うるせー!耳元でデカイ声出すなよ!」
バルクホルン「何度宿題を忘れれば気が済むんだ!」
「これで全員提出不達成記録が連続14日目だぞ!?」
シャーリー「なら見せてくれよ~カタブツ~」
「私だって忙しいんだよ!!」
バルクホルン「バイトで!だろう!勉強する時間もとれないなら辞めてしまえ!!」
ギャーギャー
ハルトマン「朝から元気だねぇ…」
エイラ「ソウダナ」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 00:28:12.03 ID:TJh9fkBh0
エイラ「ハルトマンは疲れないのカ?」
ハルトマン「何が?」
エイラ「イヤ、堅物とまではいわないケドさ」
「やっぱり、真面目ダロ?アイツ」
ハルトマン「あー…まぁね」
エイラ「いろいろ細かいところで注意されて、面倒にならないカ?」
ハルトマン「もう、慣れたし」
エイラ「ソッカ」
ハルトマン「それに、根は優しいんだよ、トゥルーデは」
「あぁいう風に注意するのだって、相手のことを考えてるからだし」
「相手がどうでも良いんだったら、普通無視するじゃん」
エイラ「そうかもナ」
ハルトマン「そうだよ!」
エイラ「…そう言ってやるお前も、優しいヨナ」
ハルトマン「まぁね」ニコッ
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 00:34:54.03 ID:TJh9fkBh0
――――――――――――――――
エイラ「ふぅ、疲れタ」
ペリーヌ「まったく、まだ午後が残っていますわよ」
エイラ「ゲ」
ペリーヌ「なんですの、ゲって」
ペリーヌ「コホン、そんなことより、お昼」
エイラ「悪い私サーニャと」
ペリーヌ「…まだ全部言っていないのですけど」
エイラ「どうせ、お昼一緒に食べて差し上げてもよろしくてよ?っていうんダロ」
「わかってるぞ、ツンツンメガネ」
ペリーヌ「…」
エイラ「まったく、回りくどい良い方すんなヨナ」
「一緒に食べようゼ」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 00:40:31.88 ID:TJh9fkBh0
ガラガラッ
サーニャ「…失礼します」
エイラ「お、来たナ」
宮藤「失礼しまーす」
リーネ「し、失礼します…」
エイラ「って、お前らもカヨ!?」
サーニャ「ダメだった…?」
エイラ「いや、別にイイケドサ…」
ルッキーニ「シャーリー!!おっひる~!」
シャーリー「お、ルッキーニまで来たか!」
「こっちに来い!」
エイラ「…このクラス人口密度ハンパナイゾ…」
バルクホルン「ほ、ほかのクラスの奴らがなぜ普通に入ってくるんだ…」ワナワナ
ハルトマン「にぎやかでいいじゃ~ん!」
「私たちも混ざろうよ!」
バルクホルン「…うぅむ…」
25 :
英語が標準語、授業でいう英語は語学系のつもり :2013/01/08(火) 00:47:38.26 ID:TJh9fkBh0
ルッキーニ「お~!シャーリー、コレおいしい!」
「食べてみる~?」
シャーリー「マジ?じゃあ食べようかな~」
ルッキーニ「じゃあ、あ~ん!」
シャーリー「あ~…ん」パクン
「お、本当にウマイなこれ!」
ルッキーニ「でしょ~!」
「あっ、芳佳のもおいしそ~!」
宮藤「私が作った奴だから、あんまり自信ないけど、食べてもいいよ?」
ルッキーニ「やた~!」
バルクホルン「…宮藤」
宮藤「はい、何ですか?」
バルクホルン「あー…その、だな」
ハルトマン「ミヤフジ!トゥルーデもあーんしてもらいたいって!」
バルクホルン「なっ!!ち、違うぞ!私はただ、味見させてもらおうと…」
宮藤「えっ、あ~んですか?良いですy
リーネ「だ、駄目~!」
26 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) :2013/01/08(火) 00:52:12.23 ID:PR74f2ow0
3年 ミーナ もっさん トゥルーデ
2年 シャーリー エーリカ エイラ ペリーヌ
1年 芳佳 リーネ サーニャ ルッキーニ
年齢を考慮せず501を学年別に分けたらこんなイメージ
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 00:52:30.16 ID:TJh9fkBh0
ペリーヌ「ま、全く!貴女たちは!」
「他人様のお箸やフォークで食べさせ合うなんて…マナーがなっていませんわ!」
ハルトマン「そんな硬いこと言わないの~」
「はい、ペリーヌあーん」
ペリーヌ「んぐっ!?」
「んん~~~!!」
ハルトマン「おいしいっしょ?」ニヘラ
ワイワイ…
エイラ「…ニギヤカダナ」
サーニャ「そうね…」
エイラ「1年の方はいっつもこんな感じなのカ?」
サーニャ「うん…」
エイラ「大変だな、サーニャも」
サーニャ「そんなことないわ」
「…楽しい、と思う」
エイラ「…ソッカ」
「なら、良いんだ」
28 :
トゥルーデ3年にすればよかったわ :2013/01/08(火) 00:55:56.89 ID:TJh9fkBh0
サーニャ「…エイラ」
エイラ「ン?」
サーニャ「…あーん」
エイラ「あ、ウン」
「あーん」パクッ
エイラ「美味いナ」ニコ
サーニャ「そう?」
シャーリー・ルッキーニ・ハルトマン「」ニヤニヤニヤ
エイラ「はっ」
エイラ「ナンナンダオマエラ!見世物じゃないんだゾー!!」ガーッ
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 01:04:36.80 ID:TJh9fkBh0
お昼の時間はあっという間に過ぎていった。
賑やかすぎたかもしれないけど、クラスのほかの奴らも笑ってたし
まぁ、良いかって思ってしまった。
次の授業の教師が教室に入ってきて、大きな咳払いをすると
1年生組はそそくさと教室から出ていった。
ルッキーニだけは、シャーリーの頬にキスをするという
何とも大胆な行動をぶちかまして去っていったが、
私とサーニャは、いつも通りに「またね」で別れた。
退屈な授業が過ぎていく。1分1分が長い。
クラスには寝ている者も、真面目にノートをとっている者も
机に落書きをしているものもいる。
窓の外を見ると、ほかのクラスの体育の授業が行われていた。
陸上だろうか。寒い中ご苦労なことだ。
空を見上げれば、飛行機が、長い雲を引き連れて飛んでいた。
明日は、雪でも降るのかもしれない。
こう、周りを見回してみると、いろんな奴がいる。
いろんな奴が、いろんなことをしながら、そいつの時間を過ごしているんだ。
同じ時間を一緒に歩いているようで、その道はどれも、異なっている。
私と、サーニャも同じだ。
同じ時間を歩いているけど、全く同じ道は歩けない。
出来るだけ、近くでいっしょに歩いていけたらいいな、と思うけれど。
そんなことを考えていたら、今日の授業が終わったことを知らせるチャイムが鳴り響いた。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 01:08:50.01 ID:TJh9fkBh0
ルッキーニ「シャーーリーー!!」
シャーリー「おぉ、早いなぁ!待っとけ今すぐ用意する!」
シャーリー「じゃあな!エイラ!」
エイラ「おう、ジャアナー」
さて…私もサーニャを迎えに行くカナ。
ブルブル…。
エイラ「っと…メールか」
「…」
サーニャ『今日は、掃除当番なので、さきに帰っていてください』
エイラ「んー」
「寂しいコトイウナ」
ま、サーニャは私のことを思って
待たせるのが悪いって思ってるから、こう言うんだろうけど。
エイラ「…」
エイラ「ちょっとブラブラしてるカナ」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 01:09:53.98 ID:ep45jJ9XT
おれもブラブラさせてる
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 01:12:04.13 ID:WOPZJyk90
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 01:14:32.57 ID:TJh9fkBh0
授業が終わって、人影がまばらになる校内。
グラウンドでは、運動部が練習していたり
音楽室からは、金管楽器の音が鳴り響いたりしているけれど
人の声が少なくなった校内は、なんだか静かに思える。
エイラ「ンー…」
夕日が射す校内、神秘的なようで、とても不気味だナ。
坂本「おっ、エイラじゃないか」
エイラ「ん?あぁ、先輩カ」
坂本「どうした、こんな時間にこんな場所で」
「お前なら、真っ先にサーニャを迎えに行くだろうに」
エイラ「今日サーニャは掃除当番なんダ」
坂本「成程な」
エイラ「先輩こそどうしたんダヨ」
坂本「私か?私は、生徒会だ」
「アイツが書類が沢山あって受験勉強どころじゃないわ、なんて嘆いていたからな」
エイラ「アイツ…あぁ、ミーナ先輩のことカ」
坂本「その通り」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 01:22:21.21 ID:TJh9fkBh0
エイラ「先輩も好きだよナ」
坂本「?手伝いのことか?」
エイラ「…どっちもダヨ」
坂本「…んん、まぁ、そうだな」
エイラ「先輩だって、受験勉強しなきゃダロ?」
坂本「あぁ、当然だ」
エイラ「だったら手伝いしなくてもいいんじゃナイカ?」
坂本「ふふ、そうかもしれんな」
「きっとミーナも、同じことを言うのだろう」
「手伝わなくていい、自分のことを優先しろ、と」
坂本「でもな、それでも私は、ミーナと少しでも一緒の時間を過ごしたいと思っているんだ」
坂本「いつ、どんなことがあるかわからない…それが人生だからな」
坂本「その、万が一。運命の悪戯があった時のために、少しでもともに、道を歩んでいきたい」
「そう思った、相手なんだ。ミーナは」
エイラ「…なんだか、年寄りくさいゾ」
坂本「ふっ、そうかもしれん」
エイラ「でもマァ、わからなくもないカナ、その気持ち」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 01:33:06.07 ID:TJh9fkBh0
坂本「っと、そうだった」
「コーヒーを買っていたんだった」
エイラ「アァ、差し入れカ」
坂本「そうだ。せっかく温まっているものが冷めてしまうな」
「じゃあ、私は失礼する」
エイラ「おー、頑張れヨナ」
「ミーナ先輩にも伝えておいてクレ」
坂本「あぁ、わかった」
「気を付けて帰れよ!」
少しでも一緒にいたい、ヨナ。
明日には、この、歩いている道が途切れてるかもしれないんだ。
いつだって、真っ暗な道だ。
一寸先も見えない、真っ暗闇。
その道を、皆歩いているんだ。
…あっ。
でも。
もしかしたら。
歩いている道が、真っ暗闇で、何もわからないんだとしたら
この道は、どこかで、誰かとつながっているのかもしれないナ。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 01:36:12.08 ID:TJh9fkBh0
――――――――――1年生の教室
サーニャ「ふぅ…」
サーニャ「…」
パタン…
ガラガラ…
サーニャ「あっ」
エイラ「お疲れ、サーニャ」
サーニャ「エイラ…」
「先に帰っていてって言ったのに」
エイラ「ン?そうだったっけ?」
サーニャ「もう…」
エイラ「へへっ」
エイラ「…サーニャ」
サーニャ「ん?」
エイラ「ちょっと、急ごうゼ」
サーニャ「…えっ?」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 01:38:44.42 ID:L4dYUZgA0
なんだろう、全然鬱じゃないんだけど、鬱になってくる
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 01:41:30.91 ID:TJh9fkBh0
カシャン、カシャン…
規則的な、タイヤの音が響いている。
自転車と、それに乗る二人の影が、長く伸びている。
サーニャ「…エイラ」
エイラ「ハァ…ハァ、んー?ナンダ?」
サーニャ「自転車、学校に置いたままだったの…?」
エイラ「うん、ハァ、ハァ…マアナ」
サーニャ「どうして?」
エイラ「何となくカナ、ッ、ハァ、ハァ」
サーニャ「…ふぅん」
サーニャ「…疲れない?」
エイラ「だ、大丈夫ダッ」
サーニャ「…」
「どこへ行くの…?」
エイラ「秘密ダ!」
カシャン、カシャン
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 01:45:56.57 ID:TJh9fkBh0
エイラ「ハァー、ハァー」
平坦な住宅街を走っていると思っていたら
いつの間にか目の前には急な上り坂が見えてきた。
サーニャ「こ、ここをのぼるの?」
エイラ「ウン」
「ダカラ、しっかりつかまってロ!」
サーニャ「う、うん…」
ギュゥ…
エイラ「ぬおぉぉぉ…!!」
カシャン、カシャン…
エイラ「ふんぬぬぬ…ググググ…!!」
サーニャ「…降りる…?」
エイラ「ダイッ、ジョブ…ダァァァァ!!」
カシャン…
…カシャン…
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 01:51:45.33 ID:TJh9fkBh0
暑い。
熱い。
身体が熱い。
サーニャの腕が振れている部分が熱い。
私は必死で自転車をこいだ。
いつもは、自分一人だって、途中であきらめる坂。
長く、急な上り坂。
それは辛くて、苦しい上り坂。
でも、この上り坂を二人で…
サーニャと二人でのぼりきったら、きっと
もっと、ずっと。一緒にいられる。そんな気がしたんだ。
エイラ「オラアアアアアアアア!!!」
カシャン
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 01:56:39.15 ID:TJh9fkBh0
エイラ「ハァ、ハァ…上りきったゾ…」
サーニャ「…エイラ」
「無理しちゃ…ダメじゃない」
エイラ「無理してない!」
「これくらい、ナンテコトナイッテ!」
サーニャ「汗びしょびしょで言われても、説得力が無いわ…」
エイラ「アウ…」
「そ、それより!ここで終わりじゃないんダヨ!」
エイラ「行くゾ!」
ギュッ
サーニャ「あっ…」
「うん…」
ザッザッザッ…
舗装された坂の頂上から、脇道に入る。
そこは、夏には草が生い茂っていそうな道だ。
あいにく、冬だから、ただ地面の茶色だけが見えている。
時間、ちょうどよさそうダナ。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 02:01:54.17 ID:TJh9fkBh0
しばらく軽く坂になっている道を歩くと、少しだけ開けた場所に出た。
エイラ「サーニャ」
エイラ「これ、見せたかったんだ」
サーニャ「…」
「わぁ…」
その開けた場所からは、私たちが住んでいる町が一望できた。
正面には、夕日が沈んでいくのが見える。
夕日が、ゆっくりと沈んでいくと
町の灯りがだんだんときらびやかになっていって
それはまるで、夜空の星が地上に降り注いだみたいだった。
サーニャ「…きれい」
エイラ「ダロ?」
その間にした会話はそれだけだった。
でも、嫌な沈黙じゃなかった。
とても、心地いい、二人だけの世界だ。
…あたりは完全に暗くなり、空の星もだんだんと光を強めていく。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 02:07:21.72 ID:TJh9fkBh0
エイラ「暗くなってきたナ」
「星が、めちゃくちゃ見えるゾ」
サーニャ「そうね」
エイラ「…冬は暗くなるのが早いからナー」
サーニャ「うん…」
サーニャ「私ね、暗いのは嫌いじゃないの」
エイラ「そうなのカ?」
サーニャ「うん」
サーニャ「なんだか、落ち着くの」
サーニャ「真っ暗で、何も見えないけど」
サーニャ「…なんだか、ずっと昔、そのの中で生きていたみたいに」
サーニャ「この真っ暗が、私の生きる場所だったみたいに」
サーニャ「すぅ、っと私の周りを包み込んでくれる気がする」
エイラ「…私も」
エイラ「なんだろう、そんな気がスル」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 02:11:24.18 ID:TJh9fkBh0
エイラ「よくわかんないけどサ」
エイラ「この、暗い中を、漂っていた気がするンダヨナ」
サーニャ「エイラも?」
エイラ「ウン…」
サーニャ「そっか」
サーニャ「なんだか…不思議ね」
エイラ「もしかしたら、私たち」
エイラ「別の世界でも一緒だったのカモナ」
サーニャ「…うん」
サーニャ「そうね」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 02:20:19.92 ID:TJh9fkBh0
サーニャ「私、思うの」
エイラ「ん?」
サーニャ「きっと、私一人だったら、この真っ暗闇が、怖くてたまらないだろうなって」
エイラ「でも、落ち着くんダロ?」
サーニャ「うん」
サーニャ「だって、隣にエイラがいるから」
サーニャ「ずっと、私の隣にいてくれたから」
エイラ「サーニャ…」
サーニャ「だからきっと、別の世界の私も、真っ暗闇が好きなの」
エイラ「…」
エイラ「私たちって、もう、一緒にいる運命なんダナ」
サーニャ「うん」ニコ
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 02:26:18.34 ID:TJh9fkBh0
エイラ「…サーニャ」
サーニャ「ん?」
エイラ「これからもずっと、私は隣にいるよ」
エイラ「サーニャと一緒に、真っ暗な道を歩いていくよ」
エイラ「それならきっと…」
「ううん、絶対に怖くないンダ」
サーニャ「…エイラ」
エイラ「…ン?」
サーニャ「…約束」
「約束よ」
エイラ「わかってるッテ」
「ずっと、いっしょだよ」
…おわりナンダナ。
55 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) :2013/01/08(火) 02:28:30.83 ID:PR74f2ow0
乙なんダナ
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 02:30:08.32 ID:TJh9fkBh0
今日は何にしよう、ゆゆ式、ひだまり、ガルパン、けいおん…と考えていて
結局エイラーニャにしました。
支援してくださった方はありがとうございました。
こんな時間まで起きてないで、寝てください。
今日は平日ですよ。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 02:32:44.67 ID:L4dYUZgA0
それじゃあ夢でエイラーニャの続きを見よう
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 02:32:56.39 ID:Ju3zjqD10
毎日エイラーニャでもいいんですよ
乙
59 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) :2013/01/08(火) 02:40:12.16 ID:PR74f2ow0
扶桑人は夜更かし得意ですから
おやすみー
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 02:41:59.70 ID:BseejTDRO
いつでもいつまでもエイラーニャダナ
オツ(・x・)ダナ
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/08(火) 02:55:17.42 ID:goKT+IWr0
乙
転載元
サーニャ「エイラ」エイラ「ン?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357569395/
サーニャ・V・リトヴャク(CV:門脇舞以) エイラ・イルマタル・ユーティライネン(CV:大橋歩夕)
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みんなたぶん普通にベルトはいてる世界ぽいな