11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 20:52:36.62 ID:pI6XN8M+0
谷口「ああ、それもそうか。涼宮は男何人もとっかえひっかえしてたもんな」
ハルヒ「あんた何が言いたいのよ」
谷口「いや、そんだけ経験豊富なら色んなセックス知ってるんだと思ってよ」
ハルヒ「と……当然じゃない! あんたみたいな餓鬼が知らないようなすごいことだってやり尽くしてるわよ!!」
谷口「ほほう……それはぜひ詳しく聞きたいもんだな。なあキョン?」
ハルヒ「?!」
キョン「……朝っぱらからなんつー会話をしとるんだお前らは」
ハルヒ「あ、あんたいつから……!?」
谷口「とっかえひっかえの辺りからだな」ニヤニヤ
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 20:57:22.78 ID:Kzz+iZ1ZP
続けたまえ
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 20:58:41.05 ID:pI6XN8M+0
ハルヒ「嵌めたわね……」
谷口「なんのことだ? なあキョン、流石は涼宮だな? この歳にして俺らが知らないようなプレイをやりつくしてるそうだ」
ハルヒ「ちょっ……! ちがっ……」
キョン「そういう話は俺がいないところでしてくれるか? ……俺まで同類に思われちまう」
谷口「今更だろ。お前はすでに涼宮とその一党の変人その1だぜ?」
キョン「朝からエロばなする変態とは思われていないんでな。そういうのは勘弁してもらいたいもんだ」
ハルヒ「ちょっとキョン!」
キョン「……なんだ。頼むから俺にそういう話をふるなよ? 恥ずかしながら俺にはそういう経験がないんでな」
ハルヒ「っ!!」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:04:13.02 ID:pI6XN8M+0
ハルヒ「あんたあたしがそういう経験豊富だって思ってるわけ?」
キョン「自分でそうだって言っただろうが。それに以前もなんだかを持て余すって言ってなかったか?」
ハルヒ「そ、それはそうだけど……!」
キョン「けどなんだ? 悪いが俺は他人のそういう話を笑って聞いていられるほどの度量がないんでな」
キョン「さっきも言ったが経験がないからどういう反応をしていいかわからん」
キョン「そういうのは谷口とでも仲良く話していてくれ」
ハルヒ「だ、だから今のは……!」
キョン「ほら、HR始まるから座れ。もうこの話は無しだ」
谷口「俺は今後の参考のためにぜひ詳しくききてえな。涼宮の経験をよ」ニヤニヤ
ハルヒ「あんたに話すことなんてミジンコほども無いわよ!!」
キョン「……やれやれ」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:06:32.41 ID:pI6XN8M+0
放課後
キョン「先に団室に行ってるぞ」
ハルヒ「え、ええ。ねえキョン」
キョン「なんだ」
ハルヒ「朝のことなんだけど……」
キョン「聞きたくないって言っただろ。この話は終わりだ」
ハルヒ「あ、うん……」
キョン「…………あとでな」
ハルヒ「ええ、わかったわ……」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:09:51.29 ID:pI6XN8M+0
キョン「くそ……。なんでかわからんがイライラするな」
キョン「一体なににいらついているっつーんだ俺は」
キョン「別にハルヒが他の男と色んな経験してようが関係は無いがな」
キョン「……これは多分谷口に対するいらつきだ。そうに違いない」
キョン「……そういうことにしておけば楽なんだろうがな」
キョン「いや、楽ってなんだ楽って。……ちっ」
キョン「まあいいさ。昔のハルヒが男を何人も変えてたなんて今更の話だ。気にするほどのことじゃないしな」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:13:58.58 ID:pI6XN8M+0
ガチャ
キョン「……おう、今日は長門だけか」
長門「……」ペラ……
キョン「……ふぅ、どっこいせ……っと」ドカッ
長門「…………」ペラ
キョン「…………」
長門「……何かあったの」
キョン「え? なんだって?」
長門「今のあなたの心拍数は平常どおりではない。……何かに憤慨しているように感じられる」
キョン「別に……なにもありはしないが、な」
長門「嘘はつかなくていい。涼宮ハルヒに関係することと予想する」
キョン「…………」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:17:16.19 ID:pI6XN8M+0
長門「話してほしい」
キョン「なんでだ」
長門「……涼宮ハルヒに関係することはあなただけの問題ではない。直接にせよ間接にせよ、我々にもいずれ関係してくる」
長門「だから問題は早いうちに知っておいたほうが、後々のためにもいい」
キョン「今日はやけに饒舌だな?」
長門「……そんなことはない。いつも通り」
キョン「そうか」
長門「そう」
キョン「…………」
長門「話して」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:17:55.16 ID:iVMWbbYx0
しえん
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:22:12.94 ID:pI6XN8M+0
キョン「話してと言われてもな。実際あいつに関係してるというよりは、俺個人の気持ちの問題の気もするんだが」
長門「その気持ちに涼宮ハルヒが関わっているなら同じこと」
キョン「……自分でもうまく考えがまとまらんが」
長門「少しづつでも話してみて。考えをまとめる手助けができるかもしれない」
キョン「うーむ。なあ長門は……」
長門「なに」
キョン「いや、やっぱ今のは無しだ」
キョン「(男と付き合ったことあるか、なんて、無いに決まってるよな。そのうえセックスしたことあるかなんて聞けるわけが無い)」
長門「何故」
キョン「いや、質問を間違えるところだった」
長門「間違えてもいい。とにかく言ってみることが大事」
キョン「いやそうなんだがさすがにこれはな……」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:27:03.44 ID:pI6XN8M+0
長門「どんな質問でも私は構わない」
キョン「いや、お前も女の子だからな。俺が構う。というか聞くのが恥ずかしい」
長門「……言って」
キョン「いや……その、な……」
長門「早く」
キョン「……ハルヒの奴がな。朝言ってたんだ。自分は経験豊富だと」
長門「何の経験」
キョン「……いやその」
長門「何の」
キョン「……セックス」
長門「……………………………………そう」
キョン「…………そうなんだよ」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:32:47.88 ID:pI6XN8M+0
キョン「あいつは色んな男と付き合っては別れるっていうのを繰り返してきたからな」
キョン「だからそういうのがあっても不思議じゃないんだが……。なんていうかな」
キョン「他のやつじゃなく、本人の口から直接それを聞いたのは初めてでな、少し動揺したというかなんというか」
長門「…………そう」
キョン「いや、俺が動揺するのもおかしな話だよな! 別に俺はあいつの親でもないしまして恋人って奴でもない。そうなる理由なんてないんだがな」
長門「あなたは……」
キョン「わかってるって。ほらあれだ。親しい奴がいきなり『実は俺人を殺したんだ』っていきなり告白してきた時みたいなもんだ」
キョン「それで戸惑ったんだな俺は。思いもよらずびっくりしたってだけだ。それがハルヒだったから余計にな!」
長門「…………」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:36:34.11 ID:c5zci45VO
長門の初体験の相手は俺だなんて言えないよなぁ・・・
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:37:37.91 ID:pI6XN8M+0
キョン「この話はこれで終わりだ。わるかったな気を遣わせて」
長門「別にいい」
キョン「あー、朝比奈さんと古泉の奴遅いな? そろそろ来る頃だと思うんだが」
長門「あなたは勘違いをしている」
キョン「早く朝比奈さんのお茶を……え? なんだ長門?」
長門「あなたは勘違いをしていると言った。あるいは思い込んでいる」
キョン「……何をだ?」
長門「涼宮ハルヒが……せっくす……の豊富な経験者であるということについて」
キョン「どういう意味だ」
長門「そのままの意味。彼女は未だ……処女……であるというのが真実」
キョン「何だって……?」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:40:03.98 ID:M6m4sD8C0
古泉ってセクハラやらせたら凄そうだよな
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:44:11.96 ID:WUvXR4Z70
長門「SOS団であなた以外はみんな経験済み」
って展開じゃなくて安心した!
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:44:57.90 ID:pI6XN8M+0
長門「涼宮ハルヒに男性経験は無い。これは紛れも無い真実」
キョン「だ、だがあいつが自分で……」
長門「それがそもそもの間違い。彼女の言動が真実であるとは限らない」
キョン「そ、それは……!」
長門「なぜあなたはそれが真実と思い込んだのか。何故彼女の言葉を疑いもしなかったの」
キョン「…………」
長門「人間は見栄というものをはる生物。彼女とて例外ではない」
キョン「そ、そうだとして、なんで長門にハルヒが嘘をついているとわかるんだ? その場にはいなかっただろう」
長門「あなたの脈拍を観測したのと同じ。涼宮ハルヒの体組織も検査済み」
キョン「!!」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:53:15.45 ID:pI6XN8M+0
バターン!!
古泉「長門さんのおっしゃっていることは事実です!」
みくる「し、失礼しま~す……えへへ」
キョン「こ、古泉? それに朝比奈さんまで……」
長門「…………」
古泉「涼宮さんが処女であるというのは間違いありませんよ」
みくる「しょ、しょ、うぅ……はうぅ……」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 21:54:28.38 ID:pI6XN8M+0
キョン「なんでお前にそれがわかる。いやその前にだ、一体どうして登場して早々俺達の会話の内容を把握してやがるんだお前は」
古泉「んっふ。なにやら深刻なお話のようでしたので、少々入りづらかったのです。ですので聞き耳を立てさせて頂きました」
みくる「ご、ごめんなさいキョン君……。やめたほうがいいですよって言ったんですけど」
古泉「おや? 朝比奈さんだってかぶりつく勢いでドアに聞き耳を……」
みくる「はわわわわぁぁ!! だ、だめでしゅ! それは言わないでくだしゃい!!」
キョン「お前らな……。もしかして長門は気付いてたか?」
長門「最初から」
みくる「わ、私お茶入れますね!!」
古泉「興味深いお話が聞けてよかったですよ?」
キョン「やれやれ……」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 22:04:48.30 ID:pI6XN8M+0
キョン「ふう、お茶うまいですよ朝比奈さん」
みくる「えへへ。ありがとうございますぅ」
キョン「で、だ。古泉、お前に聞きたいことがある」
古泉「先ほどの件ですね。涼宮さんは紛れもなく処女ですよ」
ガチャーン!!
みくる「はわ、しゅしゅしゅいましぇ~ん!!」
キョン「…………。あまり直接的な単語は使わないほうがいいようだな」
古泉「そのようで」
キョン「はぁ。機関か?」
古泉「ご明察のとおりです。彼女の監視を始めてから今日まで、涼宮さんとお付き合いをした男性は数多いれど、性的交渉を持った人物は一人もいません」
キョン「プライベートも何もあったもんじゃないな」
古泉「彼女の安全を守るためですから」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 22:08:22.06 ID:pI6XN8M+0
キョン「じゃあその……朝あいつが言ってたことはその、嘘か」
長門「そう言っている」
古泉「もっと我々のことを信用して頂きたいですね?」
キョン「信用はしてる。だが、流石にああいうのはな……」
古泉「……それほどショックでしたか?」
キョン「何?」
古泉「涼宮さんが、例え嘘とはいえ経験豊富であると自ら明言したことがショックでしたか?」
キョン「そんなことは……」
古泉「でしたら何故動揺したのです? 彼女の言うことを妄信したのですか? いつものあなたならもう少し注意深くことを運んでいますが」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 22:11:41.15 ID:pI6XN8M+0
キョン「それは……そうかもしれんが」
古泉「嫉妬、というやつですかね?」
キョン「なっ!? ちがっ……」
古泉「あなたもようやく自覚してくれたようでなによりですよ。我々の苦労も報われるというものです」
キョン「何を言っとるんだお前は!!」
古泉「そんなに焦らなくとも」
みくる「うふふ、キョン君、素直じゃないですね~」
キョン「あ、朝比奈さんまで何を!?」
長門「………………」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 22:17:20.67 ID:pI6XN8M+0
キョン「し、仕方ないだろ! 一番近しい奴からいきなり自分の経験を語られて戸惑うのは当たり前で……」
古泉「戸惑ったんですか」
キョン「そ、そりゃそうだろうが! あいつがそんな経験をしてたなんていきなり聞かされた日には」
古泉「ですが、何人もの男性とお付き合いしていたことを聞かされた時、あなたは今ほど戸惑いましたか? 動揺しましたか?」
キョン「?!」
古泉「しなかったでしょう? それはあなたが涼宮さんのことをまだよく知らなかったからです。違いますか?」
キョン「さあな」
古泉「違うなどとは言わせませんよ? あなたはご自分でおっしゃったではないですか。涼宮さんのことを一番近しいと」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 22:22:51.97 ID:pI6XN8M+0
キョン「こ、言葉のあやだ!」
古泉「焦った時ほど本音が出るものです」
キョン「お前は……」
古泉「いい加減認めてはいかがですか? 僕としてはそうしていただけると非常に助かるのですが」
キョン「お前の苦労など知ったことか」
古泉「困りましたねえ。ですがまあ、僕も肩の荷が下りてほっとしていますよ」
古泉「涼宮さんのお相手を務めるには、僕ではやはり力不足ですしね」
キョン「勝手に話を進めるな」
古泉「んっふ」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 22:27:23.55 ID:4kWALzDS0
でもやっぱり佐々木が一番だよね
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 22:27:47.24 ID:pI6XN8M+0
古泉「まあ、パズルのピースは収まるべきところに収まるものです」
キョン「なんのパズルだ」
古泉「おわかりでしょう? さて、ちょっとバイトに呼ばれたので行って来ますよ。今度はあちらが困ったことになっているようですので」
キョン「ハルヒがか? そういえば掃除なんてとっくに終わっている時間だが……」
長門「涼宮ハルヒなら、既に郊外に出た。帰宅したものと思われる」
キョン「あいつが? 団活を黙って休むなんて……」
古泉「誰かさんに誤解されたのが原因じゃないですか? それではまた」
パタン
キョン「おい古泉! ……ちっ」
みくる「涼宮さん、大丈夫でしょうか?」
長門「問題ないと思われる。彼がなんとかする」
みくる「そうですね! キョン君ならきっと大丈夫ですね!」
キョン「どういうことですか」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 22:34:21.80 ID:pI6XN8M+0
みくる「え? えへへ~それはだって……ねえ、長門さん?」
長門「脈拍と体表温度が先ほどとは違った理由で上昇している」
キョン「なっ?! お、俺は普段と変わらんぞ!」
長門「明らかに違う。涼宮ハルヒの言葉が嘘と判明した時点で、感情を示す温度が安定した。これはあなたが安心したということ」
長門「次に古泉一樹にからかわれた時、あなたの体温と脈拍は急激に上昇。これは感情が喜の方向に昂ぶったから」
長門「あなたが涼宮ハルヒとそういう関係になる可能性に期待をもっている証拠」
キョン「……でたらめ言うな」
長門「でたら目ではない。私の能力はあなたも知っている通り」
キョン「…………」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 22:36:57.00 ID:pI6XN8M+0
みくる「期待してるんですか、キョン君?」
キョン「やめてくださいよ朝比奈さんまで……。俺は……いや、いいです。今日は帰りますよ」
みくる「帰っちゃうんですか?」
キョン「ええ、ここにいても今日はやることがなさそうですし。じゃあまた明日。長門も悪かったな」
長門「いい」
みくる「バイバイですキョン君♪」
パタン
みくる「…………」
長門「……・……」
みくる「よかったんですか?」
長門「何が」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 22:39:27.44 ID:pI6XN8M+0
みくる「キョン君のことですよぉ」
長門「あなたの言っている言葉の真意がわからない」
みくる「うふふ、わたしだって女の子なんですよ?」
長門「知っている。生物学的にも間違いなくあなたは女性」
みくる「そういうことじゃありませんよお! ……長門さん、嘘つきましたよね?」
長門「……なんのこと」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 22:43:01.69 ID:pI6XN8M+0
みくる「体温でわかるなんて、嘘ですよね?」
長門「何故そう思うの」
みくる「だって、そんなので私達のことがわかるんなら、今までの困ったこととかもっと簡単に解決できたんじゃないかなって思って」
長門「…………」
みくる「ね? 長門さんは、キョン君のこと大事にしてますもんね?」
長門「……あなたはたまに不思議なことを言う」
みくる「そうですかぁ? 乙女の勘だと思いますよ♪」
長門「……あなたはいいの」
みくる「え?」
長門「彼のこと」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 22:48:39.54 ID:pI6XN8M+0
みくる「ん~、私は残念ですけど、どのみちこの時代では誰ともお付き合いはできませんから」
長門「…………」
みくる「まだそんなにキョン君のこと好きになってたわけじゃありませんから、いいんです」
長門「……そう」
みくる「ええ、だからこの時代であの二人が幸せになってくれれば。それで私の禁則事項も禁則事項になって禁則事項ですから」
長門「ならどうして泣いているの」
みくる「え? あれ? ……お、おかしいなぁ、私なんで泣いてるんでしょうね? あ、あははっ、恥ずかしいですぅ」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 22:51:50.66 ID:pI6XN8M+0
長門「…………」
みくる「み、みんなには言わないでくださいね? ほんとどうして涙なんて……うくっ」
長門「お茶を、入れる」
みくる「ひくっ……。ご、ごめんなさ……うっく……ふぇぇ」
長門「…………飲んで」
みくる「ひっく……コク……ふぅぅ……ちょっとしょっぱいけど、おいしいです……」
長門「そう。ならいい」
みくる「……ありがとうございます、長門さん」
長門「……いい。誰かに飲んでもらうのもたまには」
みくる「はい……」
長門「…………」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 22:54:10.51 ID:pI6XN8M+0
キョン「ただいま……っと」
キョン妹「あ、おかえりキョン君! もうすぐご飯だよ!」
キョン「そうか。なら部屋で休むからあとで呼びに来てくれ」
キョン妹「わかった~。ごっはん、ごっはん♪」
キョン「ふう……なんか疲れたな」
キィ パタン
キョン「俺が……あいつとの特別な関係を期待してる?」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 23:15:42.88 ID:pI6XN8M+0
キョン「いや……いやいやいや、ないだろ」
キョン「どこにあいつを好きになる要素があったというんだ」
キョン「団活だなんだで振り回されて、あいつのはた迷惑な能力のせいで死に掛けたり……」
キョン「むしろ嫌いになる要素のほうが圧倒的に多いだろうが」
キョン「……まあ、あいつの言うことが嘘だってわかったときは安心したというか……」
キョン「いや、別にあいつが誰と何をやってようと俺には関係ないんだがな!」
キョン「……だったらなんで俺はあからさまに動揺したんだ」
キョン「くそっ、わからん……。いや、わからんわけじゃ……」
キョン「…………」
キョン「だあああああ! 考えてられるかこんなもん!! やめだ! 俺は思春期に悩む青少年か?!」
キョン「いや、思春期であることには間違いないんだがな」
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 23:18:57.57 ID:pI6XN8M+0
翌日
キョン「あまり眠れなかったな……」
谷口「ようキョン。どうした? 顔色が悪いな」
キョン「おう、谷口か」
谷口「いや~、昨日はまいったぜ」
キョン「何がだ?」
谷口「涼宮だよ、涼宮」
キョン「……あいつがどうかしたのか」
谷口「どうもこうも、お前も聞いてたじゃねーか」
キョン「何をだ」
谷口「あいつのセックス経験だろ。忘れたのか?」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 23:24:16.70 ID:pI6XN8M+0
キョン「そういや元凶はお前だったな」
谷口「あん? なんの元凶だ?」
キョン「なんでもねーよ。で? ハルヒがどうした」
谷口「いやよ、昨日の放課後涼宮に聞いてみたんだよ。あいつの経験した内容をよ」
キョン「……そうか」
谷口「俺が知らない凄いことってのに興味があってな。キョンは聞きたがらなかったから、俺一人で聞いてみたんだよ」
キョン「聞くなそんなこと……」
谷口「まあまあ。ほんとはお前だって興味あったんだろ? でよ……」
ハルヒ「ちょっとあんたら、なにこそこそ話してんのよ」
キョン・谷口「?!」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 23:30:55.06 ID:pI6XN8M+0
ハルヒ「ちょっとそこの低脳。あんたキョンに何吹き込んでんの?」
谷口「別にふきこんでねーよ。つか低脳ってなんだこら」
ハルヒ「低脳は低脳でしょこの猿。そんなこともわかんないからあんたは脳細胞を無駄に死滅させていくのよ」
谷口「言わせておけばこのビッチが!」
ハルヒ「だれがビッチよミトコンドリア!」
谷口「お前以外に誰がいんだよ! 自分で言ってただろうが! 経験豊富だってよぉ!!」
ハルヒ「あ、あれは……!」
キョン「おいやめろお前ら。クラスの注目集めてるぞ」
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 23:34:54.57 ID:pI6XN8M+0
ハルヒ「何よキョン! あんたこいつの味方するつもり?! あんたは団員なんだから問答無用であたしの言うことだけ聞いてればいいのよ!」
谷口「ほほ~、さすがは経験豊富な涼宮様。女王さまプレイもお手のものですか」
ハルヒ「あんたいい加減に……」
キョン「谷口もやめろ。おいハルヒ、ちょっと来い」
ハルヒ「な、何よ! 引っ張らないでよ馬鹿キョン!」
キョン「いいから来い。おい谷口、お前も頭冷やしておけ」
谷口「ちっ……」
ハルヒ「どこに連れて行くのよ馬鹿キョン!! こら! 団長の話を聞きなさいってば!!」
キョン「あ~はいはい。ちょいとお話をさせてもらえませんかね団長様」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 23:40:08.09 ID:pI6XN8M+0
ハルヒ「こんなところまで連れてきて何の話をするつもりなの、キョン」
キョン「いや、な。谷口なんかの安い挑発なんかに乗るなって」
ハルヒ「あの低脳が喧嘩吹っかけてくるからじゃない。このあたしに挑んでくるなんて生意気なのよ!」
キョン「あいつが馬鹿だってことはお前も知ってるだろう。いちいちまともに取り合ってたら時間の無駄だ」
ハルヒ「……なによ。随分あいつの肩をもつじゃない」
キョン「そういうわけじゃないがな」
ハルヒ「……ねえキョン」
キョン「なんだ」
ハルヒ「さっき、あいつと何話してたのよ。言いなさい」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 23:50:03.71 ID:pI6XN8M+0
>>81
ID見てね。乗っ取りだよ
キョン「別に……なんでもないが」
ハルヒ「嘘言うんじゃないわよ! 正直に言いなさい」
キョン「はぁ……。昨日のことだ」
ハルヒ「き、昨日のことって何よ」
キョン「お前のその……なんだ。経験についての話だ」
ハルヒ「なんであいつとあんたがそんな話をするのよ! 」
キョン「あいつがふってきたんだよ! 俺だって別にそんなことを話したかったわけじゃあない」
ハルヒ「そんなことってなによ! あたしのことをそんなこと扱いしていいと思ってるの、キョン!?」
キョン「どうしたら満足したんだお前は」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/10(火) 23:53:16.43 ID:pI6XN8M+0
ハルヒ「あたしを満足させるなんてあんたにできると思ってるの? おこがましいわよ平団員のくせに!」
キョン「ああはいはい悪かったなあ」
ハルヒ「なんなのよその態度は! ……で?」
キョン「は?」
ハルヒ「は? じゃない! それであんたはどう思ったのよ!」
キョン「何をだ」
ハルヒ「だからあんたはキョンなのよ!」
キョン「意味がわからん」
ハルヒ「あんたはあたしのその……! そういう話を聞いて……ど、どう思ったのよ!」
キョン「どうもこうも……別に信じちゃいないが」
86 :
◆e1uSVm8EAw :2010/08/10(火) 23:57:41.99 ID:pI6XN8M+0
ハルヒ「信じて……ない?」
キョン「ああ」
ハルヒ「あんたあたしの言うことを信じないって言うの?」
キョン「違うだろ。谷口の言うことだ」
ハルヒ「あ、ああそう……」
キョン「あいつは大体出鱈目を口にするしな」
ハルヒ「ま、まあそうね。じゃああんたはあたしのほうを信じてるのね?」
キョン「まあ、どちらかと言われればな」
ハルヒ「ならいいのよ。……ん? あれ? それはそれであんまり……」
キョン「ん? どうした」
87 :
◆e1uSVm8EAw :2010/08/11(水) 00:02:08.52 ID:Wd0OsmiQ0
ハルヒ「なんでもないわよ馬鹿キョン!」
キョン「あまり馬鹿馬鹿いわれるのもいい気分じゃないんだが」
ハルヒ「う、うるさいわね! 口答えしないでよ!」
キョン「悪かったな。とにかくいいな? あいつにいちいち構ったってしょうがないんだから、ほどほどにしとけよ」
ハルヒ「言われなくたってわかってるわよ! と、ところでキョン」
キョン「なんだ」
ハルヒ「あんたあたしのほうを信じてるって言ったけど」
キョン「言ったな」
ハルヒ「き、昨日の朝のことは……」
キョン「ああ、あれか。大丈夫だ、もうわかってるから」
ハルヒ「わ、わかってるって……」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:07:57.80 ID:Wd0OsmiQ0
キョン「まあ、さっきも言ったが俺は谷口よりはお前のほうを信じてるからな」
ハルヒ「え? あ、そう……? でも……」
キョン「昨日のことはもういいんだ。あいつにも蒸し返さないように言っておく」
ハルヒ「あ、え、ちょっと……」
キョン「じゃああとでな。先に教室に戻ってるぞ」
ハルヒ「ちょ、まって……」
ハルヒ「行っちゃった……。あれ? キョンはあたしのこと信じてるって言ってたわよね?」
ハルヒ「じゃあ谷口から何か耳に入っても、それが嘘だってわかってくれるってことよね」
ハルヒ「ん? でもそれじゃ、あたしから直接聞いたことは真実って認識するわよね……」
ハルヒ「え? ちょっとそれって……あれも信じちゃってるってことかしら……?」
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:10:36.93 ID:AsVKipGt0
今のところ面白い
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:15:46.60 ID:Wd0OsmiQ0
団室
キョン「ふう。今日も朝比奈さんのお茶はうまいですね」
みくる「そうですか? ありがとうございます~」
ハルヒ「……」チラチラ
キョン「ん? なんだなんか用か?」
ハルヒ「へっ? べ、別にあんたなんかに用は無いわよ! こ、古泉君を見てたのよ!」
キョン「? そうか。ならいいんだが」
古泉「おやおや。あまり見つめられると誰かさんの嫉妬で燃やされそうですね」
キョン「はっはっは。一体誰の嫉妬だろうな」
古泉「お分かりなのでは?」
キョン「よーし、今日は手加減一切無しだこの野郎」
古泉「おっと、やぶへびでしたか」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:19:28.99 ID:Wd0OsmiQ0
キョン「ん、ちょっとお茶を飲みすぎたか。すまん古泉、中断だ」
古泉「トイレですか? ちょうどいいですのでお付き合いしますよ」
キョン「ああ? なんでお前と連れションせにゃならんのだ気色悪い」
古泉「まあまあ、たまにはいいではないですか」
古泉「それに、涼宮さんのことで少しお話が……」ボソボソ
キョン「……二人分隣に立てよ」
古泉「んっふ。僕としてはすぐ隣に並びたかったのですが致し方ありませんね。それで手をうちましょう」
キョン「冗談に聞こえんから怖いんだお前は」
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:30:31.88 ID:Wd0OsmiQ0
古泉「それで、あの後涼宮さんとは?」
キョン「ん、いつも通りだ」
古泉「いつも通り?」
キョン「ああ。昨日みたいに変にギクシャクした感じもない。相変わらずの口の悪さだな」
古泉「……何も変わったことは無かったんですか?」
キョン「変わったことか? そうだな、しいて上げれば……」
キョン「ああ、今朝谷口と少し口論していたな」
古泉「谷口君というと、ああ、彼ですね。どういった口論を?」
キョン「どうもこうも。昨日のやつだ。ハルヒが経験豊富だって語ったことについてあいつがちょっかいをな」
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:31:12.00 ID:qU0GnwKGO
試演
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:34:06.80 ID:Wd0OsmiQ0
古泉「詳しくお聞かせ願えますか?」
キョン「? 別にかまわんが……」
………………
…………
……
キョン「とまあそういうわけだ」
古泉「なるほど。そういうことでしたか。これで納得しました」
キョン「何か問題があったのか?」
古泉「ええ。僕のバイトの関することなのですが。それにしても、あなたは気が利くようで利かない人なのですね」
キョン「なんの話だ」
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:36:45.88 ID:Wd0OsmiQ0
古泉「涼宮さんにかけたあなたの台詞ですよ」
キョン「それのなにが問題なんだ」
古泉「本当に気付かないのですか?」
キョン「…………教えてくれ」
古泉「ふう……。全く、ご自分のこととなるとてんで鈍いのですね、あなたは」
キョン「悪かったな。さっさと言え」
古泉「わかりました。まずはバイトのことからお話するべきでしょうね」
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:40:26.02 ID:Wd0OsmiQ0
古泉「今朝、一時間目が始まる前に機関から連絡がありまして」
キョン「例の神人ってやつか?」
古泉「ええ、昨日に引き続き出現しました。ですがいつもとは様子が違いまして」
キョン「どういうふうに?」
古泉「そうですね。状態としては、以前映画を撮りましたね? その時に現れた神人の状態と酷似していました」
キョン「ああ、全然暴れなかったっていう……」
古泉「そうです。ですが今回はそれと微妙に違いまして」
古泉「大人しい状態と暴れる状態を交互に繰り返していたのです」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:45:22.00 ID:Wd0OsmiQ0
古泉「体育座りでじっとしていると思いきや、突然思い出したかのように大暴れを始める」
古泉「日常でふとなんの前触れもなく過去の記憶を思い出したことは?」
キョン「なんだいきなり」
古泉「答えてください」
キョン「……そりゃあ何度かあるが」
古泉「それが誰にも言えない様な恥ずかしい記憶であった時、あなたはどう思います? またはどうなります?」
キョン「……思い出したくもない過去か。そりゃ、頭を抱えてごろごろ転がったりしたくなるだろうな」
古泉「ちなみにどんな思い出ですか?」
キョン「それは言う必要があるのか?」
古泉「んっふ、失礼。まあ、大体の方は同じような行動をとりたくなるでしょうね」
キョン「それが神人も同じだったと?」
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:48:52.79 ID:FGKgkdSkP
キョンはいつも処女だと期待して、
いや、もしかしたら非処女かもしれないが、むしろそう考えた方が普通だが、
本人の口からそうと言われてない限り、
ハルヒに良いとこ見せようとSOS団の喫茶店の代金を払っていたんだろうな
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:48:56.81 ID:Wd0OsmiQ0
古泉「そうです。涼宮さんは、何かとてつもなく恥ずかしいことを思い出したんでしょう」
キョン「それはまさかあれか?」
古泉「ええ、他に考えられません」
キョン「だが待て。恥ずかしい言動なんてあいつはしょっちゅうだろうが。それがなんで今更その程度で……」
古泉「簡単です。あなたが関わっているからですよ」
キョン「俺が? 俺がそれにどう関わっているんだ」
古泉「あなたは涼宮さんに信じていると言ったんでしょう?」
キョン「ああ、言ったが」
古泉「その一言が原因ですよ」
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:49:56.86 ID:Wd0OsmiQ0
>>100
ライフラインの話はやめるんだ
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:55:12.62 ID:Wd0OsmiQ0
古泉「あなたも知っての通り、涼宮さんは他人からの一切の評価を気にしません」
古泉「ですから例えどのような噂や誹謗中傷の流言を広げられても気にも留めなかったでしょう」
古泉「ですが今回の場合、涼宮さん自らが経験豊富であると語り、またあなたが涼宮さんを信じていると発言してしまった」
古泉「あなたに信じて貰えるということは、いやむしろあなただけは彼女の味方をすると彼女が信じていたことは、映画撮影の時点で皆が知ったことです」
古泉「ですが今回はそれが仇となってしまった」
古泉「彼女は自分が処女であるのに、経験豊富であると言ってしまった。そしてあなたはその言葉を聞いていたのに、彼女を信じると言ってしまった」
古泉「ここに、齟齬が生まれました」
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:59:44.29 ID:Wd0OsmiQ0
古泉「あなたに信じてもらえているのは嬉しい。ですが、そうすると自分の嘘も真実だとあなたに受け止められてしまう。その葛藤が今回の神人の行動に反映されているのです」
キョン「いやしかし、あれが嘘だというのは俺達は知っているじゃないか」
古泉「ええ、その通りです。ではそれを彼女に言えますか?」
キョン「何?」
古泉「涼宮さんに、あなたが処女でないことは知っている、だからあの言葉も嘘だとわかっている。そう言えますか?」
キョン「言えるわけがないだろう」
古泉「当然です。言えば何故それを知っているのかまで話さなければならない。それは我々の正体をばらすことになり、それを我々はのぞんでいません」
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:03:02.70 ID:Wd0OsmiQ0
キョン「だったらどうしろというんだ」
古泉「さあ?」
キョン「随分無責任だな?」
古泉「おやおや、あなたに言われたくはありませんね。元はと言えば、今回の彼女の心の不調はあなたの不用意な一言のせいなのですが」
キョン「ぐっ……」
古泉「失礼、少しいじめすぎたようです。僕としても今の状態が続くのは好ましくありません。長門さんもそうでしょうしね」
キョン「どうすればいい」
古泉「簡単なことです」
古泉「涼宮さんと正面から向かい合って、話してみればいいんですよ」
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:08:18.55 ID:Wd0OsmiQ0
キョン「随分と簡単に言ってくれるじゃないか」
古泉「簡単なことと言ったはずですよ」
キョン「そりゃ言ったがな。だがその……なんだ。処女じゃないことはわかってるなんて、どう伝えればいいっていうんだお前は」
古泉「そちらで考えて下さい、と言いたいところですが。今回は貸しにしておきます」
古泉「普通に話せばいいだけです」
キョン「普通に?」
古泉「ええ。涼宮さんが過去に男性とお付き合いしていたことはしっているんでしょう?」
キョン「そりゃまあな」
古泉「だったらそこから、セクハラにならない程度に聞き出せばいいではありませんか」
キョン「だからそれをどうやればいいんだと訊いてるんだろうが」
古泉「? わからないんですか? 普通に女性と話せる人間ならば簡単にできることだと思っていましたが……」
キョン「今、お前に対して本気の殺意を抱いたぜ」
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:32:04.28 ID:R7gFgTsKO
「処女じゃないこと」がわかってるじゃなくて「処女な事はわかってる」じゃないの?
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:54:54.68 ID:Wd0OsmiQ0
>>106
>処女じゃないことはわかってるなんて
○処女であることはわかってる
軽く寝てた
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 02:08:10.50 ID:Wd0OsmiQ0
キョン「まあいい。なんとかやってみるさ」
古泉「失敗しないでくださいね」
キョン「わざと失敗してお前に苦労してもらうというのもいいかもしれん」
古泉「冗談としてうけとっておきます」
キョン「半ば本気だがな」
古泉「おやおや、怖いですね。これは謝っておいたほうがよさそうです」
キョン「いらん。とにかく、まずはあいつと話してみないとな」
古泉「そうしてください。できれば今日すぐにでも」
キョン「深刻なのか?」
古泉「そうとも言えるし、そうでもないとも言えます。ですが長引くといいことはないでしょうね」
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 02:10:43.84 ID:Wd0OsmiQ0
キョン「そうか。とりあえず部屋にもどるか」
古泉「そうですね。随分と長居をしてしまいましたし。皆さんが不審に思っているでしょう」
キョン「そういやそうだな。もう十分近く便所にいたことになるのか」
古泉「しかも僕と二人きりでしたからねえ」
キョン「気色悪い笑みを浮かべるな。さっさと戻るぞ」
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 02:14:44.57 ID:Wd0OsmiQ0
ハルヒ「おっそい!! トイレにいつまでかかってるのよ二人とも!」
古泉「これは申し訳ありません。途中で先生に捕まってしまいまして」
ハルヒ「教師? 教師が古泉君になんの用だったのよ」
古泉「ちょっとしたクラスの野暮用ですよ。僕に頼みたいことがあったそうで」
ハルヒ「ふん、教師なんだからその程度自分でやりなさいってのよ。んで、なんでキョンまで遅かったのよ?」
キョン「俺か? 俺は……そう、なんだ。並んで話を聞いていて、席を外すタイミングをなくしちまってな。一緒に話を聞いていた」
ハルヒ「要領悪いわねあんたって」
キョン「ほっとけ。ん? 朝比奈さんと長門は?」
ハルヒ「帰ったわ」
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 02:20:22.42 ID:Wd0OsmiQ0
キョン「帰った?」
ハルヒ「そうよ。あんた達が帰って来るちょっと前かしら。有希が急に帰るって言い出して」
キョン「朝比奈さんは?」
ハルヒ「何故か有希が引っ張って行ったわ。珍しいこともあるもんよね」
キョン「お前は残ってたんだな」
ハルヒ「当たり前じゃない! あんたらがいつまでたっても戻って来ないから仕方なく待っててやったのよ! 団員には責任を持たなきゃならないのよあたしは!」
古泉「これはこれは、お手数をおかけして申し訳ありません」
ハルヒ「全くね。以後気をつけるように。いいわねキョン?」
キョン「なんで俺だけなんだ」
ハルヒ「古泉君は言わなくてもわかる男だからよ。あんたはあたしがちゃんと言ってあげなきゃわかんないでしょ? 感謝なさい」
キョン「それはどーも」
古泉「おやおや、羨ましい限りですね」
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 02:26:51.97 ID:Wd0OsmiQ0
古泉「それでは僕も用事ができてしまったので、申し訳ないですが今日は……」
ハルヒ「あらそうなの? まあ仕方ないわね。三人だけ残っても仕方ないし、今日は終わりにしましょう」
キョン「ん、じゃあ帰るか」
古泉「…………」ドスッ
キョン「ぐおっ!」
ハルヒ「ん? なによキョン。いつにも増して変な声をあげて」
キョン「い、いやなんでもないから気にするな」
キョン「(何しやがる!)」
古泉「(言いましたよね? 話し合ってくださいと。何を帰ろうとしているんですか)」
キョン「(そうだが、今この場でか?)」
古泉「(ええ、僕は消えますのでよろしく。あのお二方もそのつもりで部屋を後にしたのでしょうから、期待にこたえてください)」
キョン「(だが心の準備というものがだな……)」
古泉「そういえばあなたは涼宮さんに何か話があったのでは? 時間もまだありますし、ゆっくりお話をどうぞ。ではまた明日」
キョン「なっ! おい古泉お前!」
ガチャ パタン
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 02:30:32.57 ID:qU0GnwKGO
わくてか!
だが無理するなよ
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 02:31:48.05 ID:Wd0OsmiQ0
キョン「あの野郎……」
ハルヒ「話って……なによ」
キョン「うっ……いや、そのだな」
ハルヒ「……なんか言いたいことでもあるわけ?」
キョン「あ、ああまあ。ちょっとな……」
ハルヒ「歯切れが悪いわね……。男だったらもっとはっきり喋りなさいよ! ほら、何よあたしに話って! 聞いてあげるからさっさと言いなさい、キョン!」
キョン「お、おう……。あの、な。その、昨日のことなんだが」
ハルヒ「……ッ! き、昨日の何よ」
キョン「昨日の……朝のことなんだが」
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 02:36:21.18 ID:Wd0OsmiQ0
ハルヒ「あ、朝の何よ! 朝ッたっていろいろあるでしょ! 朝のどれよ!」
キョン「ッ! 朝、お前が言ってたあれのことだ!」
ハルヒ「あれってどれよ!」
キョン「だから、あれはあれだ! おまえが谷口と話してたあれだ!」
ハルヒ「怒鳴んないでよ!! ていうかもっとはっきり喋りなさい! あれじゃわか……え? あれ?」
キョン「だから! お前が過去に付き合った男達とのせ……」
ハルヒ「んなああああああ!! 待ちなさい! ちょっと黙るのよキョン!!」
キョン「だからせっく……」
ハルヒ「黙れって言ってんでしょうがこの馬鹿ッ!!」
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 02:39:56.58 ID:Wd0OsmiQ0
キョン「なんなんだお前は!? はっきり言えと言ったり黙れと言ったり!」
ハルヒ「それ以上口を開いたらぶち殺すわよ」
キョン「…………はい」
ハルヒ「ちょっと……ちょっとだけ待ちなさい。今考えてるから」
キョン「何をだ」
ハルヒ「待てって言ってんでしょ待ってって言われたら黙って待ってればいいのよそれぐらい理解しなさいよ!」
キョン「……おう」
ハルヒ「…………フゥ」
キョン「…………」
ハルヒ「……………………」
キョン「……………………」
ハルヒ「いつまで黙ってんのよさっさと用件を言いなさいよこのノロマ!!」
キョン「なんなんだお前は!!」
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 02:43:33.50 ID:Wd0OsmiQ0
ハルヒ「なんだとはなによ団長に向かって!」
キョン「お前が黙れと言ったから黙ってたんだろうが!」
ハルヒ「考えるから待てって言ったのよ! あたしは考えが終わったんだからあとはあんたが話せばいいでしょ!」
キョン「お前の考えがまとまったかどうかなんて気付かんわ! せめて一言言いやがれ!」
ハルヒ「団員なんだからそれくらい言われなくても気付きなさいよ!」
キョン「無茶言うんじゃねえ!」
ハルヒ「ハァッ……! ハァッ……!」
キョン「ゼェッ……! ゼェッ……!」
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 02:49:47.07 ID:Wd0OsmiQ0
ハルヒ「埒があかないわね……」
キョン「誰のせいだ誰の」
ハルヒ「あんたあたしのせいだって言いたいわけ?」
キョン「あー、いい。蒸し返すのは無しだ。用件だけ言うぞ」
ハルヒ「最初ッからそうすればいいのよ」
キョン「(こいつ……もうめんどくせえ)あのなぁ! 聞きたかったのはお前が本当に経験豊富なのかどうかだよ!」
ハルヒ「は? へ……な、何をいきなりトチ狂ってんのよこの馬鹿キョン! 女の子に向かっていきなりなにほざいてんのよ!?」
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 02:52:08.57 ID:IXKiAjIF0
やっぱりハルヒはこんなんか
死ねばいいな
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 03:09:25.82 ID:Wd0OsmiQ0
キョン「昨日の朝自分でそう言ってただろうが! 凄いことやり尽くしてるってなあ!」
ハルヒ「あ、あれは……その。そ、そう! そうよあたしくらいになるとそこらへんのレベルの女とは比べ物にならないくらいすごいのよ!」
キョン「へえ~? そうかよ、団長様ともなるとそんなに経験豊富か」
ハルヒ「そうよ! それが何よ? あんたになんか関係あるのかしら?」
キョン「今日の朝、俺はお前に言ったな」
ハルヒ「な、何をよ」
キョン「谷口じゃなく、お前を信じるってな」
ハルヒ「ッ!」
キョン「いいのか?」
ハルヒ「……いいって何が」
キョン「今のお前の言葉を信じるってことだ。いいのか?」
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 03:15:26.66 ID:Wd0OsmiQ0
猿くらってたわ
ハルヒ「い、いいも何も別に……本当の……ことだし……」
キョン「本当にか? 信じるっていったのは本気だぞ」
ハルヒ「それは……」
キョン「なあ、どうなんだ。今の言葉と昨日の言葉。本気にするぞ?」
ハルヒ「…………」
キョン「答えろよ」
ハルヒ「……さい」
キョン「なんだって?」
ハルヒ「……るさい。うるさいって言ったのよ馬鹿キョン!! このセクハラ男!!」
キョン「なっ……」
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 03:18:53.02 ID:Wd0OsmiQ0
ハルヒ「信じるっていったくせになに疑って質問してんのよ!」
キョン「い、いやそれは……」
ハルヒ「信じるっていうんなら一から百まで全部最初から信じなさい!」
キョン「ま、待てハル……」
ハルヒ「そもそもあんた達団員はあたしのことを疑うなんて許されないのよ! あたしが経験豊富っていったら豊富なの!!」
キョン「ッ!! ……ほー、そうかよ」
ハルヒ「そうよ! 文句なんて言わせないわよ!」
キョン「そーかそーか。あーはいはいわかりましたよ!」
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 03:23:02.33 ID:qU0GnwKGO
くるかくるか
キョン覚醒しろ
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 03:24:40.53 ID:Wd0OsmiQ0
ハルヒ「何がわかったってのよ! 言いなさいよ!」
キョン「お前が色んな男をとっかえひっかえして俺には想像もできないようなすんごい行為をしてるってことですよぉ!」
ハルヒ「……ッ。わかったんならいいのよ最初からそう言ってんだから信じなさいよ!」
キョン「へーへー信じますよ? 俺は平団員だからな? 団長様の言うことは全部信じちゃいます信じますっと」
ハルヒ「な、なんなのよその態度は! キョンのくせに生意気よ! け、経験ないあんたは豊富な経験をもつあたしを尊敬して敬いなさい!!」
キョン「はっ。そうだな。あー、経験豊富なハルヒ様はすごいもんですなあ? 俺みたいな素人には全く理解できないようなもの凄いプレイをしってるんだろうな」
キョン「はー、凄い凄い。尊敬するぜ。ある意味な」
ハルヒ「あ、ある意味ってどういう意味よ! ちょっとキョン!?」
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 03:28:59.97 ID:Wd0OsmiQ0
キョン「いや別に? よくまあそんなことを臆面もなく話せると思ってな? 普通そういうのは黙っておくものだと俺は思ってたんでな」
ハルヒ「け、経験もないあんたに何がわかるのよ……」
キョン「わからんな。俺にはな~んにもわからん。お前とは違うしなあ」
ハルヒ「っこの……あんた……」
キョン「ん? なんだ? 経験豊富な団長様? 何か?」
ハルヒ「あんた信じてないわね……」
キョン「いいやあ? 信じてるさ。さっき信じるって言っただろ。お前はもの凄いプレイをしてる……ぷっ……経験豊富な女だって信じて……プフーっ……クスクス」
ハルヒ「……こッ、こんの!!」
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 03:32:48.06 ID:Wd0OsmiQ0
ハルヒ「いいじゃない……いい度胸じゃない……」
キョン「ん? 何か言ったか?」
ハルヒ「証明してやるわよ!」
キョン「はあ?」
ハルヒ「あたしの言ってることが真実だってあんたに証明してやるわよ!」
キョン「いやいや、別にいいぞ? 俺はちゃんと信じてるって言ってるだろうが」
ハルヒ「嘘よ! あんた絶対馬鹿にしてるわ、あたしにはわかるんだから!」
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 03:37:47.10 ID:Wd0OsmiQ0
キョン「無理するな」
ハルヒ「誰が無理してんのよ! 無理してんのはあんたよ包茎のどーてー馬鹿キョン!」
キョン「んなっ……だ、誰がほ」
ハルヒ「あら? さっきから自分で何回も言ってたじゃない。経験がないって」
キョン「ぐっ……。た、確かに経験はねえよ! ああ童貞だ! だが包茎じゃねえぞ! 」
ハルヒ「あ……違うんだ。ってそんなことはどうでもいいのよ! 大体あんたが包茎じゃないなんて証明できるの? できないでしょ?」
キョン「な、それを言うかお前は……」
キョン「だったらお前が経験豊富だってどうやって証明するんだ?! ほんとはヴァージンだったりしてなあ?」
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 03:41:21.68 ID:Wd0OsmiQ0
ハルヒ「ちっちっち、違うわよ何言ってんのよでたらめ言うんじゃないわよホウテイキョン!!」
キョン「なんだその意味不明な呼び名は」
ハルヒ「童貞と包茎とキョンを合わせたのよ! あんたに相応しいわ!」
キョン「こ、この見栄っ張りがしょうもないあだ名つけやがって……」
ハルヒ「だれが見栄っ張りよ!?」
キョン「お前以外に誰がいるんだよ?! どうせ後に引けなくなって本当は処女なのに経験豊富とか言ってんだろうが!!」
ハルヒ「な、ち、違うわよ! あんたのほうこそ包茎のくせに見栄張ってんじゃないわよ!」
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 03:46:19.56 ID:Wd0OsmiQ0
キョン「見栄じゃねえよ!」
ハルヒ「あたしだって見栄じゃないわ!」
キョン「だったら証明してみやがれ!」
ハルヒ「さっきからそうするって言ってんでしょ記憶力のかけらもないわね相変わらず!」
キョン「っほー? だったらどうやって証明するんだ? 言ってみろよ? ん? ん?」
ハルヒ「くっ……! あ、あんたこそ包茎じゃないって証明してみせなさいよ!」
キョン「望むところだこの野郎!!」
ハルヒ「あたしだって望むところよ! あんたを相手に証明してやるんだから!! あたしのテクニックであっというまにダウンさせてやるわ!!」
キョン「上等だ! お前のほうこそ俺のを見てびびるなよ?! 壊れたってしらんぞ!」
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 03:51:28.04 ID:Wd0OsmiQ0
ハルヒ「こ、こわ……そんなに……」
キョン「なんだ? びびったのか? 見慣れてるんだからビビルのも変な話だなあ?」
ハルヒ「はぁ? このあたしがなんであんたの粗末なもので脅えるのよバッカじゃないのっていうか馬鹿だったわね」
キョン「後悔すんなよ?」
ハルヒ「あんたこそ、快楽のあまり泣いて縋っても二度と面倒なんてみてやらないんだからね」
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
キョン「勝負だな」
ハルヒ「ええ、勝負ね」
ハルヒ「場所は明日追って伝えるわ。最後の安寧をせいぜい楽しみなさい。逃げてもいいけどね」
キョン「誰が逃げるか。お前こそ覚悟しておけよ」
ハルヒ「ふんっ!」
キョン「けっ!」
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 03:54:48.49 ID:Wd0OsmiQ0
キョン「ただいま」
キョン妹「キョン君お帰り~。ご飯は」
キョン「部屋にいるからできたら呼んでくれ」
ガチャ パタン
キョン「…………」
キョン「なにをやっとるんだ俺は」
キョン「うおおおおおおおおお!! アホか! アホなのか!? ああアホだよこん畜生!!」
キョン「何がどうしてハルヒとそうする話になるんだ!! あああああああああああああああああ!!! うわあああああああああああ!!!」
キョン妹「キョン君がおかしくなってる……」
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 04:04:33.25 ID:Wd0OsmiQ0
翌日
キョン「殆ど眠れなかったな……」
谷口「よーうキョン! 昨日にまして顔色がわりーぞ?」
キョン「……てめーが、てめーが余計なことをしなけりゃ!!」
谷口「うお!? な、なんだキョン! いきなり何を……」
キョン「全部てめーのせいだ畜生!!」
谷口「よくわからんが悪かった! 落ち着けぇ!!」
ハルヒ「……朝っぱらからうるさい。黙りなさい」
キョン「……」ピタッ
谷口「ゲホッゲホッ! な、なんだってんだ一体……」
キョン・ハルヒ「黙れ」
谷口「……はい」
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 04:05:17.67 ID:GpgMgHx90
こんな楽しみなSSは久しぶりです
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 04:08:30.90 ID:Wd0OsmiQ0
ハルヒ「キョン」
キョン「なんだ……」
ハルヒ「あんた顔色悪いわよ」
キョン「お前も健康そうには見えんがな」
ハルヒ「あたしのことはどうでもいいでしょ。そんなことより……」
キョン「ああ、昨日の話か。……なあハルヒ。あれな」
ハルヒ「今日が勝負よ。団活は特別に休み。放課後着いて来なさい」
キョン「本当にやるんだな……」
ハルヒ「あたりまえよ。……逃げるんじゃないわよ? 逃げたら一生ホウテイキョンだからね」
キョン「イラッ)逃げねえよ。お前こそ泣くなよ?」
ハルヒ・キョン「…………ふんっ」
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 09:45:45.32 ID:Bga/VcWl0
放課後
ハルヒ「さあ行くわよキョン。着いて来なさい」
キョン「あ、ああ」
モブ「あれ? 涼宮さん掃除は?」
ハルヒ「……谷口! あんた代わりにやってなさい!」
谷口「ああ? なんで俺が」
ハルヒ・キョン「やれ」
谷口「……はい」
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 09:47:44.16 ID:QlrFE/M/O
なんかエロゲみたいな流れだな
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 09:48:50.01 ID:Bga/VcWl0
テクテク
キョン「で? どこに行くんだ」
ハルヒ「うっさいわね。あんたは黙って着いてくればいいのよ」
キョン「せめてどこかくらいは教えてもらいたいもんだな」
ハルヒ「なによ、不安なの? まあホウテイキョンだから仕方ないけど」
キョン「なっ……別に不安なんかじゃないがな!」
ハルヒ「だったら黙ってればいいじゃないの」
キョン「ちっ……。あ、そういえばお前、あいつらに団活休みってちゃんと言ったのか?」
ハルヒ「あ……忘れてたわ……」
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 09:54:16.94 ID:Bga/VcWl0
キョン「おいおい、お前らしくないな」
ハルヒ「う、うっさいわね! 今日のことで頭が一杯で忘れてたのよ!」
キョン「ほう……頭が一杯……ねえ」
ハルヒ「あ……ち、違うわよ! 別にあんたとことに悩んでたわけじゃないんだから!」
キョン「悩んでたのか?」
ハルヒ「……っ違うって言ってんでしょ!! どうやってあんたを昇天させるか考えてただけよ!」
キョン「でかい声で妙なことを言うんじゃない」
ハルヒ「口答えはいいからさっさと皆に伝えて来なさい! あたしは下駄箱で待ってるから!!」
キョン「……へいへい」
ハルヒ「……今からすることは言うんじゃないわよ!」
キョン「あーはいはい」
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 09:55:45.07 ID:zsky8O11O
ホウテイキョンとは麻雀の役か
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 09:57:49.89 ID:Bga/VcWl0
団室
キョン「とういうわけで今日は休みだ」
古泉「あなたはもう少し分別のある方だと思っていましたが、評価を改めなければならないようですね」
キョン「言うな。俺もわけがわからん」
朝比奈「うう……キョ、キョン君と涼宮さんが……ふ、ふ、二人で……はわわわ」
キョン「いや朝比奈さん、ない、無いですって。あれは売り言葉に買い言葉で流れ的につい」
古泉「でも今からそれをしに行くんですよね?」
キョン「お前は黙っていろ」
長門「…………」
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 10:01:31.94 ID:Bga/VcWl0
包茎+童貞+キョン=ホウテイキョン
古泉「しかしこれはこれでチャンスかもしれませんね」
キョン「なんのだ」
古泉「以前から言っているでしょう? あなたには早々に涼宮さんと結ばれてほしいと。あるいはその覚悟を決めてほしいと」
キョン「さあな。言われたかそんなこと?」
古泉「忘れたとは言わせませんよ? まあ今回のことはあまりに急というか、順序をすっ飛ばしすぎですが。その経緯も問題といえば問題ですね」
キョン「お前のためにやってるわけじゃないがな」
古泉「それはもう。あなたが自主的にやってくれていることです」
キョン「嫌味な野郎だな」
古泉「んっふ」
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 10:04:20.13 ID:Bga/VcWl0
古泉「ですがあえて言わせて戴きますよ。おめでとうございます、と」
キョン「めでたくもなんともねえよ」
古泉「いいではないですか。涼宮さんは容姿もスタイルも全校でもトップクラスなのですから。羨ましいかぎりです」
キョン「なら……」
古泉「代わる気はありませんがね」
キョン「…………」
みくる「キョ、キョン君!」
キョン「あ、はいなんですか朝比奈さん」
みくる「わ、私からも言わせてください! お、お、おめでとうございましゅ!」
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 10:10:43.07 ID:Bga/VcWl0
キョン「いやおめでとうって……」
みくる「いえ、おめでたいんです。きっとこれでいいんですよ」
キョン「……俺とハルヒがこうなることがですか?」
みくる「勿論です! 涼宮さんは素直じゃないから……だからこれで、きっと……よ、よかったんですよぉ……」
キョン「本当にそう思ってるんですか?」
みくる「はい!」
キョン「未来側もそれでいいと?」
みくる「……はい! 私もこうなって嬉しいんです! う、嬉しくて……だから、その……ぐすっ……ふ、ふぅぅ」
キョン「え、あ、朝比奈さん?! なんで泣いて……」
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 10:15:33.83 ID:Bga/VcWl0
みくる「え? な、泣いてなんて……あれ? おかしいですね……。私なんで泣いてるんでしょう?」
キョン「…………朝比奈さん」
みくる「ご、ごめんなさい……私、私……お、お幸せにぃ!!」
キョン「え、あ、朝比奈さん!」
バタン!!
キョン「なんで……」
古泉「言ったでしょう? あなたはご自分のことにてんで鈍いと」
キョン「古泉?」
古泉「朝比奈さんのことはおまかせ下さい。あなたは涼宮さんのことだけを考えていればいい」
キョン「んなこと言ったってな、お前……」
古泉「これは冗談ですが」
キョン「あ?」
古泉「埋めや増やせやしてもいいんですよ? バックアップは機関にお任せください」
キョン「おまっ、何を!」
古泉「冗談と言ったでしょう? では、報告を楽しみにしてますよ」
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 10:19:05.29 ID:Bga/VcWl0
キョン「……なあ長門よ」
長門「……なに」
キョン「あれ、朝比奈さんの本心だったと思うか?」
長門「私にそれを知る術はない」
キョン「温度でわかるんじゃなかったのか」
長門「……朝比奈みくるのことは観察していないのでわからない」
キョン「そうか……」
長門「そう」
キョン「未来のことなんて、訊いても禁則で何も言えないはずだったのにな」
長門「……あなたは今からのことだけ考えればいい」
キョン「でもな、泣いてたんだぞ?」
長門「古泉一樹がなんとかする。こういう場合の彼の対処法は適切。それは信頼してもいい」
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 10:23:06.09 ID:Bga/VcWl0
キョン「お前はどう思う。これでいいと思うか?」
長門「これで、とは?」
キョン「今から俺とハルヒがやろうとしていることだ。本当にハルヒが今日これからのことを望んでいるのか?」
長門「逆に質問する。あなたは何故これが涼宮ハルヒが望んだことだと考えているのか」
キョン「それは……あいつのへんてこな力がまた……」
長門「今回に限り、彼女の周りで特異な情報フレアは観測されていない」
キョン「つまり?」
長門「あくまで自然な出来事であるということ」
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 10:33:35.10 ID:Bga/VcWl0
キョン「普通とは……」
長門「どこにでもいる男女のどこにでもある関係、と言える」
キョン「じゃあ……」
長門「自然の流れならば、その流れに任せてみるべき。下手な小細工は却って不安定な状況をもたらして危険」
キョン「それが情報統合思念体とやらの見解か?」
長門「情報統合思念体は今回の出来事を歓迎している」
長門「あなた達二人が結合しようとしまいと、その際に観測できるであろう情報フレアは非常に有益であるとの予測がなされている」
キョン「結合っていうな。生々しいから」
長門「けれどそれが……行為……の結果」
キョン「まあそうなるんだが。いや、そうならないようにはしたいと思うが……」
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 10:39:45.70 ID:Bga/VcWl0
長門「何故。そうなることに抵抗はないはず」
キョン「あるに決まってるだろうが」
長門「……よくわからない。男性はそういう……行為……を、喜ぶものだと文献で知った」
キョン「その文献がどういうものか大いに知りたいところではあるな」
長門「この国によくあるもの」
キョン「ふうん? なあ長門」
キョン「お前はさ、俺とハルヒが仮にだぞ。仮にその、そういう結果になっちまったとして、どう思う」
長門「どうも思わない」
キョン「何か感じたりしないか?」
長門「……感じない。その必要がない」
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 10:47:34.99 ID:Bga/VcWl0
長門「私は只のヒューマノイドインターフェイスにすぎない。涼宮ハルヒを観察するだけ」
長門「あなたの質問の意図も不明。現状では私の意見など必要としないはず」
キョン「まあ、そういわれりゃその通りなんだが……。なんというか不安でな、かなり」
長門「私にはあなたの不安を取り除くことは不可能。敵対的な外的要因からあなたを守ることはできても、あなたの心理的不安要素の排除はできない」
キョン「……そうでもないぞ?」
長門「どういうこと」
キョン「結構お前の一言に救われてきたからな、俺は」
キョン「背中を押してくれると言うか。お前が後ろに控えていてくれるってのもでかいがな」
長門「…………」
キョン「だが長門の言う通りだな。今回は自分で蒔いた種みたいだし、俺がなんとかするしかないんだよな」
キョン「すまんな長門、つい甘えちまった」
長門「……いい」
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 10:54:11.38 ID:Bga/VcWl0
長門「もう行って。これ以上の時間の浪費は涼宮ハルヒに不審を抱かせる」
キョン「ああそうだな。はぁ、行くか」
キョン「じゃあ、また明日な、長門」
長門「…………」コクリ
キョン「…………お?」
キョン「長門……?」
長門「なに」
キョン「いやその……袖、俺の掴んでるぞ」
長門「…………誰が」
キョン「お前が」
長門「……これは私が意図したことではない」
キョン「いや、そうは言っても実際お前が掴んでるわけだが」
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 11:10:10.76 ID:Bga/VcWl0
キョン「…………」
長門「…………」キュッ
キョン「懐かしいな」
長門「この状況のこと」
キョン「ああ、あっちの長門も……ああ、ハルヒが消えた時のだが」
キョン「その時のお前も、こうしてな。その時の上目遣いがなんともカワ……あ、いや、なんでもない」
長門「かわの続きは」
キョン「いや……」
長門「言って。中途半端は許されない」
キョン「……一回だけ言うぞ。可愛かった……と、思った」
長門「…………そう」
キョン「おう……」
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 11:11:53.12 ID:Bga/VcWl0
さる食らうんで、雑談歓迎。モチベあがるしね! 俺が立てたスレじゃないし!
てか今猿だった
長門「腕を出して」
キョン「なんだいきなり」
長門「いいから」
キョン「? ……ほれ」
長門「カプッ)」
キョン「うおう!? な、長門?」
長門「あなたに不可視フィールドを張っておいた。この後涼宮ハルヒにも触れておいて。それで二人の監視は事実上不可能になる」
長門「我々は常に誰かの監視下にある。忘れないで」
長門「もう行って」ドンッ
キョン「お、おい長門」
長門「早く行って」グイグイ
キョン「わ、わかったから押すなって。じゃあな、長門。色々とすまんな」
長門「最後までフォローは、する」
パタン
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 11:13:56.05 ID:Bga/VcWl0
長門「まだ、エラーが残っていた……というの」
長門「違う。この心拍の高まりは只の不調。この体の不調」
長門「あとで調整しなくてはならない」
長門「そうすれば元に戻る。いつもと変わらず、彼らを監視する」
長門「そう、それだけ。それが私が存在する理由」
長門「……これは、ただのエラー。エラーにすぎない」
長門「……でも、もう少し。少しだけ」
長門「…………何故だか、気持ちが、いいから。これが心地いいことだと、私は知っている」
長門「痛いのは、ほんの少し……。これはきっと、彼女の感覚、だから」
長門「エラーの修復は、もう少し後で……」
涼宮ハルヒイラストレーションズ 春・夏
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産めや増やせや ってのは始めて聞いた言い方だ。
加えて誤字で 埋めや になってるし。
こまけぇこたぁいいんだよ