1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 10:06:57.28 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「なんでさ?」
キョンシー「だって、死体しかいねーし」
キョンシー「あ、そっか」
キョンシー「体はくせーしよ、これはやばいって」
キョンシー「我々のケンポーも一代で潰えたか」
キョンシー「腐敗した肉体から格闘王へと栄華を極めた流転……は夢に終わりましたな」
キョンシー「何がいけなかった?」
キョンシー「しらねーよ」
キョンシー「近所の合気道場とかちょっと潰しにいこーぜ」
キョンシー「それいいな」
キョンシー「やめろ。あそこの師範代、マジつえーから。俺たちが束になってもかてやしねー」
キョンシー「じゃ、駄目だな。痛いの嫌だし」
少女「―――すいませーん。門下生募集のチラシをみたんですけどぉ」
キョンシー「!?」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 10:10:10.25 ID:Cy2S9xvU0
少女(うわ、なんか卵が腐ったようなにおいがする……)
キョンシー「うはっ!!なんかきたよ!!」ピョンピョン
少女「わぁ!?」
キョンシー「なになに?門下生になりたいの?」ピョンピョン
少女「あ、えと……はい……(くっせぇ)」
キョンシー「とりあえず入って入って」
少女「し、失礼します」
キョンシー「かわいいじゃん」
キョンシー「JCかな?」
少女(何……?みんな肌の色がおかしいけど……)
キョンシー「ささ、座って」
少女「あ、はい……」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 10:14:17.41 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「はい、粗茶ですが」
少女「どうも……」
少女(なんかゴミが浮いてるし……)
キョンシー「よくこんなところまで来たねー」
少女「はい」
キョンシー「なんで?」
少女「あの……私、強くなりたくて……人知れず……」
キョンシー「だから、こんな場所を?」
少女「はい、そうです。できるだけ誰にも知られていないような場所を探してて……ここを見つけました」
キョンシー「そっかぁ。なんで強くなりたいの?」
少女「それ、言わないと駄目ですか?」
キョンシー「あ、いや、ごめんごめん。言わなくてもいいよ。理由なんて人それぞれだしねえ」
少女「……」
キョンシー「じゃあ、この契約書をよく読んでからサインしてね」
少女「は、はい……」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 10:18:49.64 ID:Cy2S9xvU0
少女(意外とちゃんとしてる……)
キョンシー「で、どう?本当にやる?」
キョンシー「正直、今日で道場閉めちゃおっかぁって話してたぐらいなんだけど」
少女「そうなんですか?じゃあ、迷惑ですよね。これで失礼―――」
キョンシー「逃がさないよ」ピョンピョン
キョンシー「なぜにげる?」ピョンピョン
少女(囲まれた……)
キョンシー「迷惑でも失礼でもないから安心してくださいよ」
少女「はぁ……」
キョンシー「はい、サインしてね。月謝は5元でいいから」
少女「えっと……通貨単位がよくわからないんですが。円にするといくらです?」
キョンシー「なんだよ文無しかよぉ」
キョンシー「ざっけんな!ざっけんな!!」
少女(なんか怖い……)
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 10:23:24.18 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「じゃあ、しばらくは体験入門って形で3ヶ月間は無料でいいよ」
少女「本当ですか!?」
キョンシー「キョンシー、嘘つかないネ」
少女「じゃあ、お願いします」
キョンシー「今日から早速稽古に入る?」
少女「えっと……でも、道着がないですけど」
キョンシー「おお。ミステイク」
キョンシー「じゃ、また明日おいで。用意しとくから」
少女「わかりました。あ、道着の代金は?」
キョンシー「無料でいいよ。ただ、三ヶ月以内にやめたら10元ね」
少女「は、はい……」
少女(1元って何円なんだろう……?)
キョンシー「それじゃあ、また明日ね。何時にきてもいいから。誰もいねーし」
少女「はい。これからよろしくお願いします」
キョンシー「まかせとけー」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 10:26:22.47 ID:Cy2S9xvU0
翌日
少女「お邪魔します」
キョンシー「きたー!!」ピョンピョン
キョンシー「まってたよーん」ピョンピョン
少女「こわ……」
キョンシー「道着、みたい?」
少女「もちろんです」
キョンシー「向こうの更衣室に用意しておいたから、着替えておいで」
少女「わかりました!」
キョンシー「デュフフフ」
キョンシー「胸が高鳴りますなぁ」
キョンシー「全くです」
少女(なんかみんなの視線がいやらしい……)
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 10:30:50.28 ID:Cy2S9xvU0
更衣室
少女「ここかぁ」
ガチャ
女キョンシー「わぁ!?」
少女「誰!?」
女キョンシー「おっおっ……」ピョンピョン
少女「あのぉ……」
女キョンシー「……」ジーッ
少女(物陰から睨まれてる……)
女キョンシー「あ、あなたが……新人さん?」
少女「は、はい……今日からここに通うことになりました」
女キョンシー「ふーん……」
少女「……」
女キョンシー「―――何見てるのよ!!」
少女「いや……あの、貴女こそなんでここに?」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 10:36:29.41 ID:Cy2S9xvU0
女キョンシー「女だから更衣室で着替える、これ、自然の摂理アル」
少女「そ、そうですか」
少女(変な人……早く着替えよう)
女キョンシー「……」ジーッ
少女「えっと……私の道着は……これかな?」
少女「どんな道着なんだろう……?」ゴソゴソ
女キョンシー「……」ジーッ
少女「……こ、これ……足のところが大きく開いてる……!?」
女キョンシー「それはチャイナドレス。動きやすいよ?」
少女「いやぁ……これって貴女みたいにプロポーションがいい人が着るべきものじゃぁ……」
女キョンシー「え……?」
少女「私みたいなちんちくりんが着ても面白いだけ……」
女キョンシー「ちょっと……今、私のことなんていった?」
少女「え……プロポーションがいい人……」
女キョンシー「いい子ね!!気に入ったわ!!」ピョンピョン
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 10:45:56.41 ID:Cy2S9xvU0
少女「ちょ……?!近づいてこないで……くさい……」
女キョンシー「ふふん……私には遠く及ばないけど、あなたも相当可愛いし、まあ、着てみたらいいんじゃないの?」
少女「えぇ……?」
女キョンシー「ほらほら」
少女「きゃ……やめ……」
女キョンシー「きがえたきがえた」
少女「じ、自分でやりますから!!」
女キョンシー「そう?」
少女「もう……」
女キョンシー「はやくするアル」
少女「はいはい……」
少女(なんで道着がチャイナドレス……恣意的すぎる……)
少女(でも、強くなるためなら……なんだってする……!!)
少女「うん……できた」
女キョンシー「かわいいじゃない……」ハァハァ
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 10:53:36.19 ID:Cy2S9xvU0
少女「できました」
キョンシー「お、きたね」
少女「よろしくお願いします」
キョンシー「はい。よろしく」
少女「まずはなにから?」
キョンシー「準備体操からだねー」
少女「そうですね」
キョンシー「じゃ、やろうか」
キョンシー「ミュージックスタート」
ラジカセ『腕を大きく上にあげて背伸びの運動!さん、はい!』
少女「よっと……」グッグッ
キョンシー「はいはい!」ピョンピョン
少女「……」グッグッ
キョンシー「よっ!はっ!」ピョンピョン
少女「はぁ……」グッグッ
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 11:15:33.05 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「ふう。いい汗かいた」
少女(飛び跳ねてただけじゃ……)
キョンシー「では、さっそく稽古を始めましょう」
少女「お、おす!」
キョンシー「じゃあね……あそこに的があるのわかる?」
少女「はい。あの丸いやつですね」
キョンシー「そうそう。でね、そこにこれを打ち込んでもらうから」
少女「なんですか、それ?ナイフ?」
キョンシー「そう。―――おい」
女キョンシー「はっ」ピョンピョン
キョンシー「やれ」
女キョンシー「わかりました。では……せいやー!!!」シュ
少女「……外れましたね」
女キョンシー「なんか文句ある!?たまにはあるわよ!!」ピョンピョン
少女「こわいです……」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 11:24:24.08 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「ま、やってみてよ」
少女「わ、わかりました……」
女キョンシー「手首のスナップが肝心よ?」
少女「……ていっ!」シュ
スコン!!
少女「あ、刺さった……」
キョンシー「ちょ!!額とかわざとぉ!?」
少女「ああ!!ごめんなさい!!!大変!!!救急車!!!」
キョンシー「もう……よっと」
少女「え……」
キョンシー「次から気をつけてね」
少女「え?え?い、いま……ナイフが刺さったのに……」
キョンシー「ふははー!!我々はキョンシーですから、死にませんよー」
少女「きょんしー?きょんしーってなんですか?」
キョンシー「え?!マジ!?キョンシー知らないの?!カルチャーショックなんですけど!?」ピョンピョン
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 11:28:10.22 ID:NpIzDOPd0
かわいい
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 11:32:58.88 ID:Cy2S9xvU0
少女「すいません……」
キョンシー「おーい。黒板もってきてー」
キョンシー「うーっす」ガラガラ
少女「……」
キョンシー「えー、ではキョンシー講座を始めます」
キョンシー「いえーい」パチパチ
キョンシー「いいぞー」ヒューヒュー
少女「えっと……稽古……」
キョンシー「キョンシーはですね、現代でいうところのゾンビですね」
少女「ぞんび……?」
キョンシー「ゾンビも知らないの?はぁ……これだからゆとりは……」
少女「あ、いえ……ゾンビってあの……死体が動き回るやつ、ですか……?」
キョンシー「おうよ」ピョンピョン
少女「あの……じゃあ、みなさん……ゾンビ、なんですか……?」
キョンシー「当たり前よ」ピョンピョン
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 11:39:40.93 ID:Cy2S9xvU0
少女「……か、かえります!!!」ダダッ
キョンシー「にがすなぁ!!!」ピョンピョン
少女「ひぃ!?」
キョンシー「へいへい。そんなケツの締りが悪いこと、許さないよ?」ピョンピョン
キョンシー「こっちだって慈善事業じゃねーんだよ?」ピョンピョン
少女「あぅ……くさい……」
キョンシー「ゾンビって知ってビビるとか、どれだけチキンなんよ?」
少女「で、でも……ゾンビって生きてる人間を襲ったり……するんですよね?」
キョンシー「あぁ!?」
少女「ひぃ……」
キョンシー「襲うなら君がここに来た時点でおそっとるがな」
キョンシー「うんうん」
少女「あ、そうですね……」
女キョンシー「まぁ、別の意味で襲うかもしれないけどね……うふ」
少女「ちょ……」ゾクッ
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 11:44:29.24 ID:8svjEHiDO
何故か続きが気になる
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 11:50:31.12 ID:NpIzDOPd0
ふいぃ
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 12:03:19.14 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「私たちもさぁ、変なイメージがついちゃってて国を追われたんだよねえ」
少女「国?」
キョンシー「我々は中国の生まれなんだけど、三年前にキョンシー一掃計画が持ち上がってねえ……」
少女「それで日本に?」
キョンシー「そう。亡命ってやつ?」
キョンシー「ゾンビだけに亡命だって!!」
キョンシー「ぎゃははは!!!」
少女「……」
キョンシー「ま、そこで人間たちと友好関係が結べないものかと思ってね」
女キョンシー「その第一歩として道場を開いたわけ。二年前に」
少女「はぁ……」
キョンシー「ついに現れた門下生が君なんだ!!逃がすわけないっしょ?!」
少女「そ、そうですか……」
キョンシー「さ、がんばってくれるね?」
少女「ま、まあ……強くなれるなら……」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 12:08:34.28 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「じゃあ、今日は投げナイフ1000本いっとくか」
少女「え……?」
女キョンシー「こうよ、こう?」シュッシュッ
キョンシー「あぶねえ!?的ねらえや!!」
少女「こ、こう……?」シュ
キョンシー「あ」ブスッ
少女「刺さった……」
キョンシー「才能ないよ!!」ピョンピョン
少女「えぇ……」
女キョンシー「そんなこといわないの!素人なんだから!!」
キョンシー「でもさぁ」
少女「あの……」
女キョンシー「なぁに?」
少女「もっと……拳法っぽいことはしないんですか?」
女キョンシー「どういうこと?」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 12:13:24.05 ID:Cy2S9xvU0
少女「こう……蹴りとか!!」ブン
キョンシー「うほ……縞パンだ……」
キョンシー「まじか!?みえんかった!!」
少女「きゃぁ!?しまったぁ!?」
キョンシー「アンコール!アンコール!!」
少女「や、やりません!!!」
キョンシー「えー?」
少女「と、とにかく、もっと拳とか脚を使うような……拳法がいいです」
女キョンシー「でも、これが私たちのケンポーだしね」
キョンシー「うんうん」
少女「えぇ……これじゃあ……意味が……」
キョンシー「駄目なの?毒針とかもあるよ?」
少女「い、いりません!!」
女キョンシー「わがまま……な、お尻ね」ペロン
少女「きゃぁぁ!?!?!」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 12:18:13.62 ID:Cy2S9xvU0
少女「やめてください!!」ブゥン
キョンシー「ぐひぃ!?」
女キョンシー「見事な蹴りね」
キョンシー「みえた?」
キョンシー「バッチリ」
少女「はぁ……はぁ……もういいです!!帰ります!!」
キョンシー「にがすなぁ!!」ピョンピョン
キョンシー「うーっす」ピョンピョン
少女「せいやぁ!!」バキィ
キョンシー「つえー!!」
少女「失礼しました!!」
キョンシー「あ、チャイナドレスで帰ったぞ……」
少女「……」ツカツカ
キョンシー「あ、帰ってきた」
キョンシー「かわいいな。もう、絶対に逃がさないぜ、ニヒヒ」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 12:24:42.23 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「でもさぁ、このままじゃあ、あの子は愛想尽かせちゃうぜ?」
キョンシー「そうだよなぁ……俺たちのケンポーに不満があるっぽいし」
キョンシー「どうする?」
キョンシー「うーん……」
キョンシー「ただいまー」ピョンピョン
キョンシー「おま……どこ行ってたんだよ?!」
キョンシー「え?ツタヤに、昨日借りたガンダム08小隊返しにいってたんすよ」ピョンピョン
キョンシー「あれは名作だもんなぁ」ピョンピョン
キョンシー「そっすよね。あ、それとジャッキーのやつを借りてきたっす。あとでみましょーぜ」
キョンシー「ジャッキー?ジャッキーチェン?」
キョンシー「うす。酔拳とプロジェクトAを」
キョンシー「王道だな。だが、それがいい」
キョンシー「よし、なんかもう今から見ようぜ。することないし」ピョンピョン
キョンシー「うーっす」ピョンピョン
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 12:30:00.67 ID:Cy2S9xvU0
テレビ『ハァァァ!!』ドガァ
キョンシー「おお……」
キョンシー「かっこいいですねよねぇ」
キョンシー「まったくだな」
キョンシー「こんな感じですね」ユラァ
キョンシー「こうじゃないか?」ユラァ
キョンシー「はぃぃぃ!!」ビシィ
キョンシー「いいっすね。俺も……ツァーッサィ!!!」
キョンシー「これ、なんか楽しいですね」ピョンピョン
キョンシー「うんうん」ピョンピョン
キョンシー「これ、あの子に教えようぜ」
キョンシー「いいねいいね」ピョンピョン
キョンシー「じゃあ、さっそく酔拳について学ぶか」
キョンシー「はーい」ピョンピョン
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 12:30:45.45 ID:NpIzDOPd0
支援
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 12:38:04.11 ID:tA+jYK8/O
08で吹いた
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 12:40:01.20 ID:Cy2S9xvU0
翌日
少女(やっぱりもう辞めよう……新しい道場でも探そうかなぁ……)
少女「おはようございます」ガチャ
キョンシー「せいやぁ!」ババッ
キョンシー「あちょー!!」ブボボ
少女「え……?」
キョンシー「あ、ちーっす」ピョンピョン
少女「な、なにを……?」
キョンシー「どうよこれ!!酔拳をとりいれてみたよ!!」ピョンピョン
女キョンシー「酔えば酔うほど強くなる……」ピョンピョン
少女「……」
キョンシー「どう?」
少女「あの……馬鹿、なんですか?」
キョンシー「だれが!?だれが馬鹿だって?!あぁん?!」ピョンピョン
キョンシー「理由をいえ!!このアバズレ!!」ピョンピョン
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 12:45:36.24 ID:Cy2S9xvU0
少女「そんなジャッキーに影響されたからって……」
キョンシー「え?!なんでしってんの!?」
キョンシー「や、やだ……この子ったら……覗き?!」
少女「違います!!そこにDVDがあるじゃないですか!!」
キョンシー「おいおいー、ちゃんと仕舞っとけよ。かっこわりいだろぉ?」
キョンシー「すんませーん」
少女「だいたい、酔拳なんて一日やそこらでマスターできるわけないじゃないですか」
キョンシー「んだと?やってみないとわかんないでしょ?」
キョンシー「そーだそーだ」ピョンピョン
少女「いや……みんなで今から練習するんですか?」
キョンシー「そのつもりだ」
キョンシー「そうアル」
少女「……あの、もう辞めます」
キョンシー「なに……?」
少女「ここじゃあ、強くなれません。だから、辞めます」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 12:58:25.89 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「辞めるなんて……」
少女「道着の代金はお支払いします。それでは」
キョンシー「まちな!!」ピョンピョン
少女「……」
キョンシー「君は誤解している」
少女「誤解……?明白のような気がしますが」
キョンシー「君は我々が弱いと思ってませんか?」ピョンピョン
少女「違うんですか……?」
キョンシー「ええ、ええ」ピョンピョン
キョンシー「俺たち、まじつえーから」
キョンシー「いてこますぞ?ねーちゃん?」ピョンピョン
少女「わかりました……どうぞ」スッ
キョンシー「え……?」
少女「私に勝てれば……認めます」
キョンシー「おぉ……マジで……?」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 13:04:17.91 ID:Cy2S9xvU0
少女「さあ、きなさい」
キョンシー「だれが行く?」
キョンシー「おまえいけよ」
キョンシー「やだよ」
キョンシー「おれだって……」
少女「……」
女キョンシー「私がいくわぁ」
キョンシー「マジで?!」
キョンシー「がんばってぇ」
女キョンシー「ふふ……かわいがってあげるわ」ピョンピョン
少女「……」
女キョンシー「―――でぇぇぇい!!!」シュッ
少女「ナイフ?!」
サクッ
キョンシー「……ひでえ……なんでこっちに投げんの?」グスッ
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 13:12:52.83 ID:Cy2S9xvU0
少女「……」
女キョンシー「ふふ、流石ね。こんなことじゃ動じないのね」
少女「まぁ……」
女キョンシー「じゃあ、本気で行くわよ!!―――ズァ!!」バッ
少女「うわぁ!剣?!」
女キョンシー「これが私たちのケンポーだもん」
少女「……まあ、いいです」
女キョンシー「いくわよぉ……せいや!せいや!!!」ブンブン
少女「ちょ!そんなに振り回されたらあぶない!!」
女キョンシー「おほほほ!!」ブンブン
少女「くっ……」
少女(隙だらけなんだけど……)
女キョンシー「手も足もでないでしょう!?」ブンブン
少女「……はぁ!!!」ドガァ
女キョンシー「うぞぉ!?」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 13:19:21.18 ID:Cy2S9xvU0
女キョンシー「ま、まさかのせいけんづき……」
少女「はぁ……もういいです」
キョンシー「まちな」
少女「なんですか?」
キョンシー「この人数を敵にしてここから逃げられるとでも?」
少女「くさ……」
キョンシー「ふふふ……」
キョンシー「もうファンクラブまで作ったんだから、逃がすわけねえよ……」
キョンシー「あぁ……会員ナンバー1番はもらったぜ……」
少女「知りません」
キョンシー「さあ、いくよ!!」
キョンシー「「おぉー!!!」」ピョンピョン
少女「くっ……」スッ
キョンシー「あちょー!!」
少女「―――はぁ!!!」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 13:25:33.31 ID:Cy2S9xvU0
少女「……終わりです」
キョンシー「な、なんだよ……この子……」
キョンシー「強すぎだ……」
キョンシー「なんで、道場きたの……?」
少女「……さようなら」
キョンシー「あぁ……まって……」
女キョンシー「おぉ……」
少女(もっと強い人がいる道場を探さないと……)
キョンシー「なんだよ……もう」
キョンシー「いっちゃったね」
キョンシー「どうする?」
キョンシー「うーん……」
キョンシー「そもそも、どうしてここにきたんだろうね?十分強いじゃん」
キョンシー「ねー?」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 13:33:01.54 ID:Cy2S9xvU0
翌日 学校
少女「はぁ……」
「おっはー」
少女「おはよう」
「で、あの件はどうなったの?」
少女「まだ」
「へえ……」
少女「なに?」
「いや、てことは先輩と付き合うの?」
少女「やめてよ……」
「だってさぁ」
少女「……」
少女(約束の日まであと一週間……先輩に勝たなきゃ……)
少女(付き合うことに……なる……)
少女(それだけは……いやぁ……)
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 14:47:49.30 ID:Cy2S9xvU0
放課後 通学路
少女「はぁ……」
少女(あの人には今のままでは絶対に勝つことは出来ない)
少女(今以上の力をつけないと……)
少女「どこかに良い道場はないかなぁ……」
少女「……」
キョンシー「レイレイっているじゃん?」ピョンピョン
キョンシー「あのなんちゃってキョンシー?」ピョンピョン
少女「ぶっ!?」
キョンシー「あ!!あの子だー」ピョンピョン
キョンシー「これが運命ですかね!?」ピョンピョン
少女「な、なんで……!?」
キョンシー「いやぁ、探してたんすよ」
少女「だ、だから、近づかないで……くさい……」
キョンシー「ささ、いきましょう」ピョンピョン
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 14:51:23.90 ID:Cy2S9xvU0
少女「は、はなしてください!!」
キョンシー「なんで?」
少女「なにが目的ですか?!」
キョンシー「なにって……門下生を迎えにきたんどす!!」
キョンシー「有無を言わせない!!」
少女「私はもうやめたんです!!破門にしてください!!」
キョンシー「オーバードライブがなんだって?」
キョンシー「わはは」
少女「頭、いたい……」
キョンシー「とりあえず君の事をもう少し知りたいんだよ」
キョンシー「お願いします」
少女「どういうことですか……?」
キョンシー「いいから。少しだけ時間をくれない?」
少女「わ、わかりました……」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 14:55:46.67 ID:Cy2S9xvU0
道場
キョンシー「老師!!お連れしました!!」ピョンピョン
少女「老師……?」
キョンシー「やぁ、老師です」
少女「いや……どこが違うんですか?」
キョンシー「老師って名前のキョンシーです」ピョンピョン
少女「それで、私になんの御用でしょうか?」
キョンシー「いやね、貴女はすごく強いじゃないですか」
少女「……」
キョンシー「なのにどうして強さを求めているのかがどうしても気になって」
少女「それは……」
女キョンシー「世界一の格闘家でも目指すの?」
少女「えっと……」
キョンシー「「お願いきかせてー」」ピョンピョン
少女「だ、だから……近づかないで……くさい……」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 15:01:44.66 ID:Cy2S9xvU0
少女「実は、交際を迫られてまして……」
キョンシー「どうぞ、粗茶です」
少女「どうも。……その相手が、全国クラスの空手家なんです」
キョンシー「ほうほう」
少女「その人、しつこいぐらい付き合ってほしいって迫ってきて……何度も断ってるんですけど、全然あきらめてくれなくて」
キョンシー「それから?」
キョンシー「鬼ごっこしよーぜ」ピョンピョン
キョンシー「いいよー」ピョンピョン
少女「で、どうしたら諦めてくれますかって言ったんです」
キョンシー「イナバウワー」ピョンピョン
キョンシー「トリプルアクセル」ピョンピョン
少女「……そうしたら勝負して負ければ諦めるって……でも、勝てば付き合ってもらうって」
キョンシー「ひどい話ですな」
少女「はい」
キョンシー「おーい、Zガンダム借りてきたやつだれよー?Vがみたいっていったでしょー?」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 15:06:23.76 ID:Cy2S9xvU0
少女「あの、私の話、聞く気あります?」
キョンシー「あるよ」
キョンシー「08小隊はぁ?」
キョンシー「銃身が焼きつくまでー?」
キョンシー「撃ち続けてやるぅ」
少女「……帰ります」
キョンシー「あーん、まってよぉ。じょうだんじゃーん」ピョンピョン
少女「……」
キョンシー「でも、君の強さなら問題なくない?」
女キョンシー「うんうん」
少女「いえ……その人は格上です。まともにやってもまず勝てません」
キョンシー「だから、道場破りを?」
少女「はい……いえ、道場破りはしてません」
キョンシー「難儀な話ねえ」
キョンシー「つーか、その先輩を俺たちがフルボッコにすればいいだけじゃん?」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 15:11:02.80 ID:Cy2S9xvU0
少女「え……?」
女キョンシー「なるほど。で、弱ったところを貴女がせいけんづきしてやれば、いいんじゃない?」
少女「いやいや」
キョンシー「おっしゃー、そうと決まればいこうぜー!!」ピョンピョン
キョンシー「「おぉー!!」」ピョンピョン
少女「まってください!!」
キョンシー「なに?トイレ?」
キョンシー「共同だけど、いいかな?」
少女「ちがいます!!―――貴方たちじゃ、勝てませんよ」
キョンシー「なんで?」
少女「だって……私に負けたじゃないですか。その人は、私より強いんですよ?」
キョンシー「おぉ。そういう計算?」
キョンシー「大丈夫だって、俺たちにはこれがある」
キョンシー「袖からシュッっとナイフを投げて絶命させてやれば……」
少女「殺すのは駄目です!何言ってるんですか!!」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 15:15:11.58 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「キョンシーに法律はききませんよ」
キョンシー「ただの事故として扱われる」
少女「そういう意味じゃありません!!」
キョンシー「あ、でも。この子が主犯になっちゃうね」
女キョンシー「それは駄目ね」
キョンシー「殺すの禁止ー」
キョンシー「うーっす」
少女「はぁ……」
キョンシー「そんなに強いの?」
少女「はい……同年代ではまさに無敵です」
キョンシー「ヌンチャクとか使う?」
少女「素手のみです。空手っていったじゃないですか」
キョンシー「なるほどね……君の事情はよくわかったよ」
少女「では、私はこのへんで―――失礼しました」
キョンシー「うむ」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 15:20:18.21 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「どうします?」
女キョンシー「手助けしてあげたいわ」
キョンシー「だよね」
キョンシー「どうする?あの子の学校に乗り込む?」
キョンシー「せやなぁ」
キョンシー「突撃アル!!」
キョンシー「でも、慎重になろうぜ。あの子に嫌われたくはないでしょ?」
キョンシー「まっことそのとおり」
キョンシー「よし……作戦、練ろうぜ」
キョンシー「いいねいいね」
キョンシー「……」
女キョンシー「みんなで転校生気取るってどう?」
キョンシー「いいね」
キョンシー「名案じゃん」
女キョンシー「でしょ?」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 15:24:09.87 ID:Cy2S9xvU0
翌日 学校
少女(あと6日……)
少女「はぁ……」
少女(いい道場……ないかなぁ……)
キョンシー「なんか良い匂いするね!!」ピョンピョン
キョンシー「なんの匂いアル?」クンクン
キョンシー「人間の匂いだね」ピョンピョン
キョンシー「うは!!」ピョンピョン
「うわぁ!?」
キョンシー「どうもどうも」
「なななな……!??」
女キョンシー「かわいいわね……うふ」
「きゃぁぁ!!!」
キョンシー「なんだよ、失礼なやつだ」ピョンピョン
キョンシー「さてと、あの子はどこですかね?」ピョンピョン
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 15:28:49.25 ID:Cy2S9xvU0
「きゃー!!!」
「うわぁぁぁ!!!」
少女「ん……?廊下が騒がしいなぁ……」
キョンシー「さぁ!オクラホマのリズムに乗ってー」ピョンピョン
キョンシー「とぅるるとぅるとぅるる♪」ピョンピョン
少女「……無視無視」
女キョンシー「まって……!!」クンクン
キョンシー「どうした?」
女キョンシー「あの子の匂いがするわ……!!」
キョンシー「詳細を!!!」
女キョンシー「あそこだぁぁぁ!!!!」ピョンピョン
少女「ひぃ?!」ビクッ
キョンシー「「わぁぁぁぁ」」ピョンピョン
「なんか変な人がいっぱいきたぁぁぁ!!!」
少女「くっ……!!!」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 15:34:38.84 ID:Cy2S9xvU0
少女「みんな!!落ちついて!!」
キョンシー「げへへへへ」
「きゃぁぁぁ!!!」
「にげろぉぉぉ!!!」
女キョンシー「あばばばばば」
少女「私が……何とかするから!!」
「お、おねがい!!」
「がんばってくれー!!」
少女「こい!!」スッ
キョンシー「へいへい。ここはアウェーだぜ?そんな本気になられても困るじゃん?」
キョンシー「そのとおり。地の利はそちらにある。ノーガードぐらいのハンデは欲しいねぇ」
女キョンシー「さあ、このチャイナドレスをきて」
少女「……うるさい。こい!!」
キョンシー「にゃろう……やっちまえー!!」
キョンシー「「おぉぉ!!」」ピョンピョン
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 15:39:01.73 ID:Cy2S9xvU0
少女「―――ふぅ」
キョンシー「窮鼠猫をかむ……か」
キョンシー「ふふ……強くなったね……セニョリータ……」
少女「いや……貴方たちが弱いだけ……」
キョンシー「そんなことない!!―――ナイフ!!」シュ
女キョンシー「はぅ!?」
キョンシー「あ、すまん」
女キョンシー「このノーコン!!」
少女「……帰ってください」
「ね、ねえ……知り合い?」
少女「あ、えと……違う……」
キョンシー「みんな!!ひきあげだぁ!!」
女キョンシー「おぼえてろー!!」ピョンピョン
キョンシー「次は理科室いこーぜ」ピョンピョン
少女「……」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 15:45:40.10 ID:Cy2S9xvU0
放課後
少女(あれから騒ぎがなかったけど、本当に帰ったのかな……?)
女キョンシー「そこの可愛い彼女ー。一緒にジャンプしながら帰ろう?」ピョンピョン
少女「……」
女キョンシー「ねえねえ、いいでしょぉ?」
先輩「―――や!」
少女「!?」
女キョンシー「お?」
先輩「約束の日、覚えてるよね?」
少女「ま、まだ……6日あります……」
先輩「君の準備が整い次第、いつでも受けてあげるからね?」
少女「……」
女キョンシー「この人が先輩?」
少女「う、うん……」
先輩「貴女は?……なんか臭うけど……」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 15:51:15.38 ID:Cy2S9xvU0
女キョンシー「ども!キョンシーです!!」ピョンピョン
先輩「友達は選んだほうがいいよ?」
少女「はい」
女キョンシー「どういう意味だ!!」
先輩「それじゃあ、また」
少女「……」
女キョンシー「やな感じだねえ」
少女「……うん」
女キョンシー「あの人が付き合ってくれってしつこいの?」
少女「そう……」
女キョンシー「かっこいいじゃん。付き合ったら?」
少女「駄目……趣味じゃないの」
女キョンシー「うわ……辛辣ぅ」
少女「それじゃあ、さよなら」
女キョンシー「あ、まつアル!!」ピョンピョン
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 15:58:08.81 ID:Cy2S9xvU0
少女「まだなにか?」
女キョンシー「ナイフ、いらない?」
少女「いりません」
女キョンシー「―――せい!!」ブン
少女「あぶな!?」バッ
女キョンシー「それだけの反射神経があれば勝てそうな気もするけど?」
少女「こんなものじゃないんです……あの人の速度は」
女キョンシー「そうなの?」
少女「はい」
女キョンシー「ふぅん」
少女「……それじゃあ」
女キョンシー「わかった!!」ピョンピョン
少女「……」
少女「どうしよう……」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 16:04:42.85 ID:Cy2S9xvU0
自宅
少女「ただいま……」
キョンシー「おかえりー」ピョンピョン
少女「……」
キョンシー「やっぱり家が道場でしたかぁ」
キョンシー「すごいねー。門下生、うちの40倍ぐらいはいるよ?」
キョンシー「すっげー。トロフィーすっげー」ピョンピョン
少女「なんなんですかぁぁ!!!」
シュッ!!
スコン!!
少女「いてっ!?」
キョンシー「やーいやーい。隙だらけー。どうだー、ごぼうって結構痛いだろ?」ピョンピョン
少女「……」ゴゴゴゴゴ
キョンシー「あ、やべ……切れたんじゃない?」
少女「出ていけぇぇぇ!!!」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 16:09:37.85 ID:7EsAfI+QO
キョンシー支援
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 16:12:05.19 ID:Cy2S9xvU0
少女「うがぁぁぁ!!!」バキィ
キョンシー「ぐほぉ!?」
キョンシー「エマージェンシー!!エマージェンシー!!!」ピョンピョン
キョンシー「可憐な乙女がてにおえねー!!」ピョンピョン
少女「まてぇぇぇ!!!」ドガァ
キョンシー「ぎゃん?!」
キョンシー「こわーい」ピョンピョン
キョンシー「にげろー!!乙女に殺される前にー!!」ピョンピョン
少女「もう!!」ドゴォ
キョンシー「ぎゃ!?」
少女「はぁ……はぁ……」
少女「なによ……もう……」
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 16:16:59.14 ID:Cy2S9xvU0
翌日 通学路
少女「……」
シュッ!!
少女「―――てい!!」バキィ
少女「またごぼう―――」
スコン!!!
少女「いったーい!!!」
キョンシー「てってれー」ピョンピョン
少女「まてぇぇぇ!!!」ダダダダッ
キョンシー「ぎゃぁぁ、鬼の形相で追いかけられてるぅ!!」ピョンピョン
少女「―――でぁぁぁ!!!」ドゴォ
キョンシー「へぶぅ!?」
キョンシー「すげー、スカートでとび蹴りだぜ?」
キョンシー「縞パン、好きなんだね」
少女「……なにが目的なんですか……」
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 16:20:50.65 ID:Cy2S9xvU0
翌日 通学路
シュッ!!
少女「はっ!!」バキィ
シュッ!!
少女「―――甘い!!」バキィ
少女「なんでいつもごぼう……?」
シュッ!!
少女「しまっ―――」スコーン
少女「いてっ!?」
キョンシー「いえーい」
少女「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ダダダダッ
キョンシー「こえぇぇ!!」ピョンピョン
少女「いい加減にしてぇぇ!!!」ドゴォ
キョンシー「おふぅ!?」
キョンシー「スカートでドロップキックですか……縞パン……いいよ……」デレデレ
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 16:24:53.41 ID:Cy2S9xvU0
翌日 通学路
少女(あと三日か……)
シュッ!!
少女「―――はい!!」バキィ
シュッ!!シュッ!!!
少女「でぁ!!!せい!!」バキィドゴォ
少女「……」
少女「……よし」
少女「学校にい―――」スコーン
少女「……」
キョンシー「隙だらけー!!」
少女「―――やぁぁぁぁぁ!!!」バシーン
キョンシー「ケツキックぅぅぅ!!??」
少女「もうやめて!!迷惑です!!」
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 16:29:06.09 ID:Cy2S9xvU0
翌日 通学路
少女「はぁぁぁ……あと二日……どうしたら……」
シュッ!!
少女「良い道場、ないしなぁ……」バキィ
シュッ!!シュッ!!
少女「……このままじゃ勝てない」バキィボキィ
シュッ!!シュッ!!
少女「ふっ!!」バキベキィ
少女「……」
少女「……よし」
ゴォォォォ
少女「はっ!?大根が―――」ゴーン
少女「ったぁぁ……」
キョンシー「あれはやりすぎだろ」
キョンシー「そうかな?」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 16:33:32.56 ID:Cy2S9xvU0
翌日 自宅
少女「明日か……」
少女「もう……やるしかない……」
シュッ!!
少女「はぁぁ……」バキィ
少女「でも……どうしたら勝てる……?」バキィ
少女「私もずっとお父さんに鍛えられてきたけど……」バキィ
少女「それでも全国クラスのあの人になんて……」バキィ
少女「……」
少女「はぁ……」バキィ
少女「……」ベキィ
少女「やめてください!!!部屋中はごぼうだらけになったじゃないですか!!」ブゥン
キョンシー「いってぇぇぇ!!!」
少女「もう……」バキィ
キョンシー「ふふ……ごふ」ガクリ
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 16:38:13.59 ID:Cy2S9xvU0
翌日 学校 道場
少女「……」
先輩「来たね」
少女「あの……やめませんか……?」
先輩「今更、何いってんの?さあ、早く着替えて」
少女「うぅ……」
更衣室
少女「はぁ……」
女キョンシー「やぁ」
少女「何用です?」
女キョンシー「はい、どうぞ」
少女「これは……」
女キョンシー「みんなで応援するから、がんば!!」
少女「えぇ……」
女キョンシー「やっぱりチャイナドレスでしょ。勝負服みたいなもんだし」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 16:46:37.68 ID:Cy2S9xvU0
少女「お、おまたせしました……」
先輩「ぶっ!?」
少女「……」
先輩「ふ……見た目で動揺を誘うとは……」ハァハァ
「せんぱーい!!まけるなー!!!」
「がんばってくださーい!!!」
先輩「ふふ……負けるわけがない」
少女「……」
キョンシー「がんばー!!」ピョンピョン
女キョンシー「まけるなー」ピョンピョン
少女「……くさい」
先輩「無制限一本勝負……いいね?」
少女「いつでも……どうぞ……」スッ
キョンシー「ポップコーンかってきて」
キョンシー「はいよー」
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 16:52:57.24 ID:Cy2S9xvU0
「いいな」
「わかってるって……」
キョンシー「むこうサイドが不穏ですよ?」
女キョンシー「まあ、なんかしようとしたら私たちもなんかしてやればいいじゃん」
先輩「……」
少女「……」
キョンシー「……はじめ!!」
ゴォォォン!!
少女「銅鑼!?」
先輩「―――はぁぁぁぁ!!!!」グワァ
少女「あっ!?」
先輩「ツァッラサァァ!!!」ブゥン
少女「ぎっ……!?」
キョンシー「押されてますねえ」モグモグ
女キョンシー「なんで?」モグモグ
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 16:56:44.46 ID:OujE6paa0
ツァッラサァァ!!wwwwwwww
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 16:57:31.22 ID:Cy2S9xvU0
少女「やぁぁぁ!!!」ブゥン
先輩「そんな蹴りじゃ、届かないって!!」サッ
少女「てぁ!!」ブゥン
先輩「お……縞パン……」ハァハァ
少女(隙が……!!)
少女「踵落とし!!!」ゴォォ
先輩「よっと」ガッ
少女「え……」
先輩「甘い……よっ!!」ドガァ
少女「ふぐぅ!?」
先輩「ふっ……」
少女「……くっ……やっぱり……このままじゃぁ……」
先輩「負けを認めたら?」
少女「で、でも……!!」
キョンシー「まずいな……」モグモグ
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 17:02:02.50 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「こっちをみろぉぉぉ!!!」
先輩「!?」
キョンシー「……」ピョンピョン
少女「……隙あり!!!」
先輩「しまっ―――」
「おぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
少女「?!」ビクッ
「……」
先輩「ツェッサシャァラァァ!!!」ガキィ
少女「がっは?!」
女キョンシー「卑怯よ!!いきなり大声をだすなんて!!」
キョンシー「スポーツマンシップはどしたぁぁ!!」
「勝てばいいのよ!!勝てば!!」
キョンシー「なんてやつら……」
女キョンシー「外道ね……なら、こっちも手加減しないわ……」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 17:10:04.60 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「あぁ……あれを使うときが来たな」スッ
女キョンシー「ええ……」
少女「このままじゃ……まけちゃう……」
先輩「さあ、付き合ってもらう……」ハァハァ
少女「そんな……先輩、おかしいです……」
先輩「おかしくない……」ハァハァ
少女「だって―――」
シュッ!!
少女「!?」
先輩「なに!?なにかが飛んで―――」
バキィ!!!
先輩「っ!?」
少女「は、反射的に手が……」
先輩「な、なに……ごぼう……?」
女キョンシー「もっと狙って狙って」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 17:13:21.91 ID:kFxGZEmu0
そう使うか
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 17:20:14.71 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「ごぼうらんぶ!!」シュッシュッシュッシュッ
先輩「うおぉぉ?!」
少女「せっ!はっ!!てい!!」バキィボキィベキィ
先輩「す、すごい……ひとつ残らず……粉砕していく……」
「先輩!!見とれてる場合じゃないです!!!」
先輩「そうだ!!こんな妙技を見せ付けられたって!!」
シュッ!!
先輩「……」パシッ
先輩「ごぼうが懐に―――」
少女「―――せぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」ゴワァ
先輩「ひぃ!?まわしげ―――」
少女「ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」ドゴォ
先輩「ふごぉ!?!?」バターン
女キョンシー「やったぁ!!」ピョンピョン
キョンシー「いえーい」ピョンピョン
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 17:25:52.47 ID:Cy2S9xvU0
少女「あ……」
キョンシー「やったじゃーん」ピョンピョン
女キョンシー「チャイナドレスの勝利だね!!」ピョンピョン
「せんぱーい!!!」
「しっかりしてぇ!!」
少女「だ、大丈夫ですか……?」
先輩「ふふ……負けた……流石……」
少女「い、いや……」
先輩「そんなに付き合いたくなったの……?」
少女「だって……私は女の子ですよ……?」
先輩「うん」
少女「私は普通に男の子と付き合いたいです……」
先輩「ふっ……無念……」ガクリ
「せんぱぁぁぁい!!!」
少女「……帰ろう」
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 17:26:50.85 ID:OujE6paa0
女・・・だと・・・!?
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 17:34:03.31 ID:Mhwd8D4LO
なかなか
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 17:34:16.95 ID:Cy2S9xvU0
キョンシー「よかったね」ピョンピョン
女キョンシー「よかったの?あんなかっこいい人なら、女性でもいい気がするけど?」ピョンピョン
少女「私はノーマルです」
キョンシー「じゃあ、仕方ないかぁ」ピョンピョン
少女「それより……」
キョンシー「ん?」
少女「ありがとう……いつの間にか修行させてくれてたんですね」
キョンシー「え?あ、うん」
女キョンシー「いや、まあ、私たちも投擲の練習をして―――」
キョンシー「しっ!!」
少女「あの……」
キョンシー「なに?」
少女「よかったら、これからも稽古つけてくれませんか?」
キョンシー「え?!もももも、もちろんだよぉ!!」ピョンピョン
女キョンシー「うっふん……これからもよろしくね」ピョンピョン
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 17:39:13.03 ID:Cy2S9xvU0
数日後 キョンシー道場
少女「ほら、ここだよ」
友「うえぇ……なんかくさいんだけど……」
少女「でも、ここの人たち教えかたはすごくうまいから」
友「そういうなら……」
ガラ
少女「おはようございます!!」
友「おはようご―――」
キョンシー「やっほー!!」ピョンピョン
キョンシー「その子が例の新人?!」ピョンピョン
女キョンシー「あらぁ……かわいい」ピョンピョン
友「うわぁぁ!!取り囲まれたぁぁ!??」
少女「大丈夫だって。みんな良いキョンシーさんだし」
キョンシー「んだ」
友「えぇ……」
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 17:47:22.41 ID:Cy2S9xvU0
女キョンシー「手首のスナップよ!!」シュッ
友「てい!」シュッ
キョンシー「ぎゃぁぁぁぁ!!!!」ザシュッ
友「あぁ!!すいません!!」
キョンシー「はい、お茶」
少女「どうも」
キョンシー「でもいいの?この道場、俺たちの道楽で作ったようなもんなのに……門下生集めに奔走してくれて……」
少女「ここがなくなったら……みなさんに会えなくなりますから」
キョンシー「おぉ……」ウルウル
キョンシー「天使じゃん!?この子、天使じゃん?!」ピョンピョン
少女「これからも私、がんばりますから。この道場を大きくしましょうね?」
キョンシー「「おぉぉぉ!!!」」ピョンピョンピョンピョンピョンピョン
少女(今度は私が恩返ししないと……)
少女「よーし!!がんばるぞー!!!」
キョンシー「「ツェッサシャァラァァ!!!」」ピョンピョンピョンピョンピョンピョン
END
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 17:49:57.90 ID:kFxGZEmu0
おツェッサシャァラァァ!!!
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 17:54:22.60 ID:+UUFuAVV0
乙
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 17:58:57.91 ID:Mhwd8D4LO
おつッサァシャアアラアアア
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/11/29(火) 18:01:49.24 ID:OujE6paa0
もっかいキョンシー見直してくるわ
鳥居 大介
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