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◆v68gbmWsPOjb [saga]:2015/01/07(水) 05:48:38.68 ID:/hke2DP70
――プロローグ
「道場の戸締りは心配なかったなー」
一人呟いてみたものの、穂乃果の声は暴風と大雨によって掻き消される。
油断すると横から吹き付ける風に傘を奪われそうになり、両手で押さえつけた。
「おっとと」
飛ばされはしなかった代わりに、傘はボスっと音を立てて壊れたパラボラアンテナのような状態にされてしまった。
秋の冷たい雨が全身に叩きつけられ、
「台風どっかいけ~っ!」
と叫んでみたけど、口の中に思い切り雨が入るだけだった。
風邪をひいて部屋で待ってる海未の為にも早く戻りたいけど、着替えを用意してないので一度家に帰る方がいいかな?
でも、先に海未にそのことを告げた方がいいよね。
スカートのポケットを叩いてみても携帯電話は海未の部屋に置きっぱなし。
急いで帰って素早く帰ってくれば大丈夫。傘は無意味だからカッパと長靴の最強装備で戻ってこないと!
家が近いからこそ出来る荒業を選択し、穂乃果は視界が悪い中一歩目を踏み出した……。
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