1 :
◆IFc3Af9XO5nx [saga]:2015/01/15(木) 19:41:55.55 ID:NiIZE4wO0
――プロローグ
「冗談、ですよね?」
戸惑いながら絞り出した声はとても弱々しいもので、自分が出したとは思えなかった。
「こんなこと本気でしか言えないよ」
信じて欲しいと告げる本気の表情。
昔から穂乃果が緊張する時に出てしまう、スカートの先を握る仕草が真実なのだと告げている。
両親からどんな時も直ぐに対応出来るようにと鍛えられていたけれど、この瞬間は頭が真っ白になってしまった。
「もう一度言うね。穂乃果は海未ちゃんが好き。付き合って下さい!」
何事も変わることがない一日なのだと疑いもしなかった今朝の自分が憎らしい。
尤も、どんな鋭い感性を持っていてもこんなことになるなんて想像出来る筈もない。
穂乃果の口癖である「お腹の中から一緒のスーパー幼馴染」である大切な存在。
年離れていて既に嫁に出ている実の姉よりも姉妹らしい穂乃果。
時として姉と妹が入れ代わり、これからもずっとこの町で一緒に成長していくんだと思っていた。
勿論、穂乃果のことは好きだと言い切れる。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1421318505 【続きを読む】