1 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:32:11 ID:3yqwAGOk
あるところに、男というそれはそれは働き者の青年がいました
すでに両親は亡く、今は一人暮らし
最初こそ苦労しましたが、働き者の性格が幸いして今は平和に暮らしていました
とはいえ、一人でいるのも少し寂しく感じ始め
「綺麗なお嫁さんが欲しいなぁ」
などと考える日が増えてきた今日この頃でした
そんなある日…
2 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:33:47 ID:3yqwAGOk
男「んー」ノビー
男(ふぅ、今日も疲れた…)
男(…家に帰っても一人…か。寂しいなぁ)
男(周りもぼちぼち結婚し始めてるし、俺もお嫁さん欲しいなぁ)トボトボ
男(その前に恋人を見つけないと…)
男(はあ…)
?「んもー!」
男「おんや?」
?「んもーんもー」
男「牛だ…」
3 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:35:11 ID:3yqwAGOk
牛「んもー」アセアセ
男(なんかすごい焦ってるような…)
男「あ」
牛「もー」グイグイ
男「足に何か刺さってんのか」
牛「んももー」
男「近づいても大丈夫かな?」
牛「んもん!」バッチン
男(め、目が合った!?)
牛「んももー」グイグイッ
男「取ってあげるけど…蹴ったりしないでくれよな?」
4 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:36:20 ID:3yqwAGOk
牛「んもっんもっ」コク
男(頷いた?まあ、大丈夫だろ)ソローリ
男「あ、釘が刺さってる」
男「じっとしてろよ?」グッ
ズポ
男「抜けた!」
男「手当て、簡単にだけどしてやるから」
……
…
5 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:38:16 ID:3yqwAGOk
男「よし」
牛「んも」
男「すまないな、俺達人間が捨てたゴミでケガさせてしまって…」
男「さ、行きな」ポン
牛「んももんー」ペコリ
男(え?…おじぎ?)
牛「…」トコトコ
男(妙に綺麗だったし)
男(なんだか不思議な牛だったな)
男(これが女の人だったら、恋愛に繋がったりしたのかな…?)
男(…)
男(アホらし…。早く帰って晩飯作ろう)
6 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:39:21 ID:3yqwAGOk
―その日の夜―
ザァアアアアァァァ…
男(すっごい雨…)
男(…一人だと余計に雨音が大きく感じる)
コンコン
男「!」ビクッ!
コンコン
男(ななななんだ!?)
?「夜分遅くにすいません」
男(女の人の声っ!?)
男「はいっ、今出ます」
ガラガラ
男「!!」
7 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:40:45 ID:3yqwAGOk
女性「夜遅くにすいません。都での商いの帰りに雨に降られてしまって…」グッショリ
男(おおわっ!!)
男(ふっ服がっ濡れて、体に張りついて…!)
女性「雨宿りをさせてもらえたらと…」グッショリ
男(胸、でっか!)
女性「お願い…できますか?」
男(いや、それだけじゃない…!)
8 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:41:50 ID:3yqwAGOk
男(なんだ、この体は!?決して太っているというワケではない、出るトコは出た、いかにも『女性!』と言わんばかりの丸みを帯びたフォルム!お尻や腰まわり、太ももの適度なムッチムチが、張りついた服の上からハッキリ解るムッチムチ!顔も柔和で『おっとり』を体現したような顔!!言うなれば…そう!)
男(母性の塊!)
9 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:42:38 ID:3yqwAGOk
女性「あの…はっ…はっ」
女性「はくちっ」
男「ずぶ濡れで冷えたんじゃないですか?」
女性「ええ、少し…」
男「雨宿り…いいですけど、男の一人所帯ですよ?」
女性「大丈夫、あなたなら」
男「え?どゆこと?」
女性「いえ、一目見て、あなたは優しそうな方だな、と」
牛娘「申し遅れました。私は牛娘と申します」
男「あ、男といいます。少し散らかってるけど…まあ、どうぞ」
牛娘「お世話になります」ペコリ
男「あ、いえ…」
牛娘「ふふふ」
10 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:46:54 ID:3yqwAGOk
――
牛娘「着替えまで用意して頂いて、ありがとうございます」ペコプルン
男「あ、いや////」
男(毒です!毒です!)
男(男物だから、胸元がキチンと納まっていません!)ドッキドッキ
牛娘「どうしました?」キョトンプルン
男「な、何でもないです!」
牛娘「あら、敬語なんていいですよ」
牛娘「ここはあなたの家なんですから、堂々としてていいんですよ!」ニコニコプルン
牛娘「でないと、私が余計に恐縮してしまいます」
11 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:48:10 ID:3yqwAGOk
男「あ、うん。じゃあ、牛娘さんが気にしないようにそうするよ」
牛娘「優しいですね」
男「い、いや////」
ザァアアアアァァァァ…
男「…雨、止みそうにないなぁ」
牛娘「まあ、どうしましょう」
男「…」
男(泊まるか?アホか!いきなりそんな…かと言って、この雨の中、しかも夜に帰れとはとても…)
男「ぐぬぬ…」
牛娘「男さん?」
男「とっ…」
男「泊まって…いって…いい…よ?」
牛娘「え」
12 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:49:29 ID:3yqwAGOk
男「あ、ウソ、今のはウソ!雨だし夜だし、ちょっと言ってみ 牛娘「いいんですか?」
男「かといって、追い出すワケには…え?」
牛娘「ありがとう、ございます!」
男「へ、平気なのか?」
牛娘「うふふ、男さんなら安心です」
男「え」
男(時々、なんだろ?俺のことを知ってるような口振り…)
牛娘「そうと決まれば、さっそく何か家事をしなければ!」
男「え!?いいよ!ゆっくりしててくれよ!」
13 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:50:26 ID:3yqwAGOk
牛娘「そうはいきません!」エヘンプルン
男「どわはっ!」
牛娘「ど、どうしましたか!?」
男「あ、いや、なんでも」キョドキョド
牛娘「挙動不審ですよ?」
男(目のやり場に困る!)
牛娘「何かお役に立てると言ったら、私は家事しかできませんから…」
牛娘「さてと、とりあえずまだ寝るまで少し時間がありますので」
牛娘「お部屋を掃除しますね!」スクップルン
男「ええっ!?」
牛娘「まかせてください!」エヘンプルン
男「ぐほっ!」
男(大丈夫か?俺…)
――
―
14 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:51:30 ID:3yqwAGOk
牛娘「ふう」
ピッカピッカ!
男「おおっ、すごく綺麗に片付いている!」
牛娘「いかがですか?」ニコニコ
男「こんなに丁寧に…どうもありがとう!」
牛娘「礼には及びませんよ!」
男「うん、それで…寝床だけど…」
牛娘「いえ、私はここで構いません」
牛娘「泊めて頂くのですから…」
男「そ、そんな!女の人をこんな硬い床で寝かせるわけにいかないよ!」
15 :
◆loxSgAubwY :2014/05/31(土) 17:52:26 ID:3yqwAGOk
男「向こうの寝室に用意してあるから…」
男「あ、布団は…ごめん、俺のだけど、一日くらい我慢してな?」
牛娘「う、うそっ…」
牛娘「男っ…さんっ!!」ウルウル
男「ななな泣くようなこっちゃないでしょうよ!」アタフタ
牛娘「あなたは本当に優しい方ですね」
男「そんな事ないよ////」
男「俺は、別の部屋で座布団でも敷いて寝るから」
男「牛娘さんは…雨に濡れて疲れてるだろうから、しっかり休んでよ」
男「少しでも早く帰らないと、家族が心配するだろう?」
牛娘「あ、大丈夫です!私に身寄りはありませんので!」
男「軽っ!?」
17 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:09:55 ID:LKTGwKWw
男「あ、ごめん…軽いとか言って…」
牛娘「えっ、あ、あのっ、いいんですよぉ!」
牛娘「普通の身寄りがないっていうのとは少し違って…えーと、その…」アタフタ
男「俺もなんだ」
牛娘「…え」
男「俺が子供の頃に母親が亡くなって」
男「もう結構経つけど、親父も亡くなって」
男「今は一人だ。牛娘さんと同じ、かな」
牛娘「男さん…」
男「さ、湿っぽい話は終わろう。寝る前にこんな話すると、いい眠りに就けないぞ?」
18 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:11:03 ID:LKTGwKWw
牛娘「…はい」
男「気にするなよ」
男「今は今で、一人を満喫してるから」
牛娘「…みたいですね、ふふ」クスクス
牛娘「では…お言葉に甘えて…」
男「気兼ね無くゆっくりしてくれていいよ」
牛娘「はい。ありがとうございます」
牛娘「おやすみなさい」
男「ああ、おやすみ」
牛娘「あの、一つだけお願いできますか?」
男「何?」
牛娘「何があっても…私が寝室にいる間は、絶対に覗かないでください」
19 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:14:00 ID:LKTGwKWw
男「はあっ!?」
牛娘「それだけ…お願いします」
男「んなこと、お願いされなくてもするか!!!」
牛娘「はい、信じていますね」
牛娘「ではおやすみなさい」
男「ああ、おやすみ」
男(何を言い出すかと思えば…)
『プルンプルン』
男(大丈夫大丈夫!)
20 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:15:00 ID:LKTGwKWw
―
――
―――
男「…」
男「…」
男「…」
男(ダメだ…寝れん…)
男(ひとつ屋根の下に女の人と二人っきりとか初めてだしっ…!!)ドッキドッキ
男(しかもあんなエロ…もとい、綺麗な女の人が少し行けば寝てる状況って…)
男(はあ…)
男(まあ、目を瞑っていればいずれ…)
?「んっ、はあっ、あっ」
男(…なんだ?)
21 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:17:25 ID:LKTGwKWw
?「んっ…くふぅっ、はぁん」
男(う、うそだろぉ!?)
?「男っ…さんっ…ああっ」
男(うっ、うう牛娘さんっ!?)
男(喘ぎ…声!?)
牛娘「はあっ、あふっ…、ああっ」
男(なんでっこんな時に!?)
牛娘「ふんっ、くあっふ…うぅっ!」
男(おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!!!!)
牛娘「はぅふっ、くぅっ!」
男(いかんいかんいかんいかんいかんいかんいかんいかん!!!!)
牛娘「男さんっ…男さんっ…!!」
男(俺の名前を呼んでる…)ゴクリ
22 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:18:18 ID:LKTGwKWw
牛娘「くうぅぅぅっ!!!」
男「あ…あ…」
『何があっても…私が寝室にいる間は、絶対に覗かないでください!』
『信じていますね』
男「ぐっ…」
牛娘「はあ…はあ…、ん、ふぅ、ふぅ」
男(じ、地獄だ…)
……
…
23 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:19:28 ID:LKTGwKWw
トントントントン…
男(んん…?)
男(少しは…寝れたみたいだな…)
クンクン
男(いい匂いだ…)
男「んんー!」ノビー
男「よいしょっと」スクッ
スタスタ
牛娘「あ、おはようごさいます。今、起こしにいこうかと思ってたところですよ」
男「お…おはよ////」ボッ
24 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:20:48 ID:LKTGwKWw
牛娘「顔、赤いですよ?」
男「あ、いや…////」
男「う、牛娘さん昨日…」
男(んなこと…聞けるわけない…)
男「…昨日の疲れは残ってないか?」
牛娘「ええ、おかげさまで!」ニコニコ
牛娘「今ですね、昨日、都で買った食材で朝ご飯作ってますから」
男「えっ!?牛娘さんが買ったものなのに悪いよ!」
牛娘「かまいません。泊めて頂いたお礼です!」
男「逆に気を使わせちゃったな…」
牛娘「いいんですよぅ!」
25 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:22:22 ID:LKTGwKWw
牛娘「あ、勝手に台所お借りしましたよ」
男「ああ、それぐらいかまわないよ」
男「それよりも…どれくらいぶりだろう。朝ご飯の用意の音やら匂いやらで目を覚ますの」
牛娘「ずっと…一人って、言ってましたもんね…」
男「あ、ごめん。朝から湿っぽくなっちゃって」
牛娘「いえいえ。確かに誰かが食事を用意してくれるっていいですよね」
男「そうそう。食べるときも一人より美味しく思えるし」
牛娘「ですね」
牛娘「もうすぐ出来ますから、待っててくださいね」
男「はいよ」
26 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:23:39 ID:LKTGwKWw
男「おお…」
男「焼き魚、味噌汁、野菜のお浸し…」
男「どれもおいしそう!すごいよ!」
牛娘「料理は女子力の基本ですから!」エヘン
男「あ、牛乳もある」
タプン
牛娘「その牛乳はですね、普通の牛乳と違って栄養価がすごく高いんですよ」
男「へぇ、なんかすごいな」
牛娘「なんでも、一杯飲むと疲れなどどこへやら!力がみなぎるんだそうです」
牛娘「食材と一緒に買ったので、男さんにも飲んでもらいたいな、と」
男「なんでそこまで…?」
27 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:24:30 ID:LKTGwKWw
牛娘「泊めて頂いたお礼ですってば!」
牛娘「だから、気にせずにどうぞ!」
男「そか、じゃあ遠慮なくいただきます」ゴク
男「!」
男「すごく濃くて、甘い!美味いよコレ!」
牛娘「でしょう?」
男「しかも、ホントに体の底から力が湧いてくる!」
ゴクゴクゴク!
牛娘「まあ!いい飲みっぷり!」
28 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:25:39 ID:LKTGwKWw
男「ぷは」
男「でも、美味いとか力が湧くとか、それだけじゃなくて、なんだろ…すごく温まる…」
牛娘「え?」
男「あ、冷えて美味しいよ!そうじゃなくて、心がすごく…満たされる」
男「作った人、というか搾った人の愛を感じる…」
牛娘「まあ…そんな////」ポッ
男「なんで牛娘さんが赤くなる?」
牛娘「いっ、いえっ、そこまで褒められると買った甲斐があるといいますか…!」
男「これ、都で売っているの?」
牛娘「えっと…、そう、です。はい」
29 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:26:39 ID:LKTGwKWw
男「今度、俺も買いに行こう!」
牛娘「あ、あえっと…」アセアセ
男「どうした?」
牛娘「その、うーん…」
牛娘「えっと…だったら…私がまた買ってきましょうか?」
男「え?」
牛娘「お仕事に行くのは都と反対の方角でしょう?」
男「え?仕事の事、なんで知ってる?」
30 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:27:52 ID:LKTGwKWw
牛娘「えっとぉ…あ、その一度…いえ、実は何度か仕事帰りの男さんをお見かけしておりまして…」
男「そうだったの!?」
牛娘「私は都で商いをしますので、帰り道に男さんの家の近くを通ることがありまして…」
男「気付かなかった…」
牛娘「ふふふ、それなら牛乳を買った帰り、ここに寄れますから…」
男「なら、頼もうかな」
牛娘「はいっ、是非」
牛娘「さ、朝ご飯食べてしまいましょう!」
男・牛娘「いただきます!」
31 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:28:37 ID:LKTGwKWw
――
牛娘「お世話になりました」
男「いえ、こちらこそ。朝ご飯、すごく美味しかったよ。今までで一番美味かったと思うよ!」
牛娘「まあ、そんな////」
男「ホントホント!」
牛娘「照れますよぉ////」
男「おかげで、今日も一日頑張れるよ!」
牛娘「うふふ」
牛娘「では、一旦お別れですね。また夕方に」ペコリプルン
男(ぐっ…////)
牛娘「男さん!いってらっしゃい!」
男「牛娘さんもいってらっしゃい!」
―――
――
―
32 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:30:11 ID:LKTGwKWw
―その日の夜―
男「…」
男(もう夜だ)
男(まあ、社交辞令だよな…普通)ガックリ
男(ほんの少しの間だけでも楽しく過ごせたから、いいか)
男(それにしても)
男(昨日はほとんど寝てないハズなのに、なんだろう。今日ずっと体が軽い)
男(一日の疲れもあまり感じないくらいに体が楽だ)
男(普段と違うこと…朝、あの牛乳を飲んだ事とか…)
男(確かにあれを飲んだ途端に力が湧いてきたけど…)
男(他には、牛娘さん効果…とか?)
男(もう来ないだろうけど…)シュン
33 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:31:17 ID:LKTGwKWw
コンコン
男「!!!」
?「遅くなりました、牛娘です」
ダダダダッ!
ガラッ!ターン!!
牛娘「ひゃん!」ビクッ
男「あ、悪い。でも、良かった…来てくれて」
牛娘「すいません。商いが長引いて遅くなって…」
牛娘「あの…」
男「はい?」
34 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:32:57 ID:LKTGwKWw
牛娘「夜遅くなってしまいましたので…今日も泊めて頂いても…」オズオズ
男「うーん、確かに、遅いな」
男「仕方ない、いいよ!」
牛娘「あ、ありがとうございます!」ペコリプルン
男(はうっ!)
男「あ、でも…一ついいかな?」
牛娘「はい?」
男「寝るとき…」
男(喘ぎ声が…聞こえちゃってるから…)
牛娘「男さん?」
男(言えない…)
牛娘「男さーん?」
35 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:34:19 ID:LKTGwKWw
男(いや、今日も聞こえるとは限らないし、やっぱり失礼だよな。恥ずかしいだろうし)
牛娘「あの…?」
男「あ、ごめん。やっぱり布団は俺のしかないから…それで我慢してくれな」
牛娘「いえっそんなっ!」
牛娘「私こそ布団を一人占めしてしまって…」
男「いいよ。それくらい」
36 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:35:25 ID:LKTGwKWw
牛娘「…あの」
牛娘「相談というか…お願いというか」
男「うん?」
牛娘「私は身寄りもなく、一人で暮らしております」
男「ああ、言ってたな」
牛娘「…このまま…ここに、おいて頂けないでしょうか!?」ドゲザ
男「はあ!?」
牛娘「無理を言っているのはわかっています!」ドゲザ
男「ちょっと!牛娘さん!顔あげてあげて!」
37 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:37:19 ID:LKTGwKWw
牛娘「いえ、お願いしているのはこちらですから!」
牛娘「良いにしろ駄目にしろ、お返事を頂くまであげるわけにはいきません!」
男「わかった!好きなだけ居ていいから!顔あげて!」
牛娘「本当ですか!?」パッ
男「う、うん!部屋も余ってるし、二人で暮らしてもまだまだ十分広いから!」
牛娘「ありがとうございます!」ドゲザ
男「牛娘さん!だからそれやめて!」
牛娘「それから、私のことは『牛娘』と呼んでください」
38 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 00:38:03 ID:LKTGwKWw
男「でも…」
牛娘「お願いします!」ドゲザ
男「わかった!わかった!う、う、牛…む娘…。だから顔あげて!」
牛娘「お世話になりますね。男さん!」ニコニコ
男「よろしくな、牛娘」
牛娘「あ、昨日言った、寝室を覗かないでというのは…」
男「だからわかってるって!」
男「覗くなんてしないってば!!」
牛娘「はい…、それだけはワガママを言いますが、よろしくお願いします」
39 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/06/01(日) 01:30:35 ID:Sfi/65XM
甘┳┓モー
40 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 09:24:59 ID:LKTGwKWw
男「でも、なんでうちに住みたいなんて言い出したんだ?」
男「いくら身寄りがないとはいえ…」
牛娘「ここは私の家より都に近いですから!」
男「あ、なるほど」
牛娘「それに男さんは優しくていい人ですし、安心できます!」
男「そ、そうか?」
男(いい人か…少し複雑)
41 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 09:26:30 ID:LKTGwKWw
男「そう言えば牛乳は?」
牛娘「その、えっと、あーあの牛乳はですね、一晩寝かせないと美味しくはならないそうなんです」
男「そうなの?」
牛娘「は、はいっ。ですから、また明日の朝、ということになります」
男「うーむ、仕方ないか…」
牛娘「で、では恒例の掃除、してしまいますね!」
男「もう恒例になってる!?」
42 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 09:27:35 ID:LKTGwKWw
―
――
―――
牛娘「今日もすいません。お布団お借りして…」
男「いいよ。また新しいのを買ったら返してもらうから」
牛娘「はい。では、おやすみなさい」
男「ん、おやすみ」
43 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 09:29:34 ID:LKTGwKWw
――
男(昨日よりは…うん、眠れそうだけど)
男(今度は一緒に住みたいなんて、いいのかな…)
男(彼女もいないし、あわよくばこのまま…なんて事も)
男(…甘すぎるか、ははは)
牛娘「あっ…んっ」
男(!!!)
44 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 09:31:00 ID:LKTGwKWw
牛娘「あんっ、ふうっ、んんっ!」
男(おいおいおいおい!今日もかよ!?)
牛娘「おっ、とこ…さんっ、ああん」
男(また、俺の名前っ…!!)
牛娘「はふっ、ひんっ!」
男(でもっ…、牛娘は俺のことを信用してくれてるから、安心してここに居れるって言ったんだ!)
男(たまたま、2日続いただけ…だろ)
牛娘「あっ、ふぁっ!」
男(ぐ…)ギリ
―――
――
―
45 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 12:42:21 ID:LKTGwKWw
―次の日―
男「…」ボケー
牛娘「男さん?お疲れですか?」
男「えっ?いやっ…き、昨日は仕事が忙しくて…、でも大丈夫だよ!」
男(…やっぱり言えない)
牛娘「…そうですか。でもこの牛乳があれば疲れなんか吹っ飛びますよ!!」コト
男「おお!楽しみにしてたんだ!」ゴクゴク
男「!?」
牛娘「どうしました?」
男「昨日より…美味いっ!」ゴクゴクゴク
牛娘「そ、そうですか?////」ポポッ
男「ぷはっ!力がみなぎる!」フン
牛娘「ふふふ////」
牛娘「今日も買ってきますからね!!」
牛娘「では、今日も元気に頑張りましょう!!」
46 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 12:43:22 ID:LKTGwKWw
―その夜―
牛娘「あんっ、男ぉっ…さっん、ふむっ」
男(またっ…!!)ギリギリ
牛娘「はあっ、あっあっ!」
男(牛娘はっ、信頼してくれてるんだっ…!)ギリギリ
……
…
47 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 12:45:22 ID:LKTGwKWw
―そのまた次の日―
ゴクゴクゴク
男(また、美味くなってる…?)
牛娘「ふふふ////」
男「嬉しそうだな」
牛娘「男さんの飲みっぷりを見てると本当に嬉しくなるんですもの!」
男「そか////」
牛娘「もちろん今日も買ってきますから、楽しみにしていて下さいね!」
男「ああ!」
男(楽しみなのは事実だ)
男(しかし…)
48 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 12:46:16 ID:LKTGwKWw
―その夜―
牛娘「ふうっ、んんんっ!」
男(ぐぐ…)ギリギリギリギリ
牛娘「男…さんっ!」
男(たっ、体力はあるのにっ、これは精神的にかなりキツイ!!)
牛娘「あんっ、やふぁっ、あふんっ!」
男(牛っ娘ぇっ…)ギリギリギリギリ
……
…
49 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 12:47:55 ID:LKTGwKWw
男にとって苦行のような夜は毎日続きました
そして、ついに
その日は来てしまいました…
50 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 12:50:27 ID:LKTGwKWw
―1週間後の夜―
牛娘「はあっ、はあっ、んんっ」
男(うう…気が狂いそうだ…)ギリギリギリギリ
牛娘「あぁん!ふうっ、ああっ!」
男(一緒に暮らし始めて毎日だぞ!?)
牛娘「男っさぁん!おっとこさぁん!!」
男(何度も何度もっ、俺の名前…呼んでっ)
牛娘「ふうっ、あ、男…さん…」
男(…くそっ、くそっ…くそ!!)ムク
51 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 12:55:32 ID:LKTGwKWw
スタスタ…
男(すまない…牛娘っ、もう我慢できない!)ゴクリ
スターン!
牛娘「ふあっ!きゃあっ!?」
男「牛娘ごめんっ、覗くなって言われて、我慢してたんだけどっ!」ハーハーフーフー
男「そんなに毎日毎日、名前を呼ばれながら、喘がれたら…!」フーフーハーハー
男「独り身の男してはっ!我慢しようがないって言う…か…」
男「どう…して…も…?」
牛娘「お、男さん…」ジワ
男「見た…い…って、う、牛…娘?」
牛娘「覗かないでって…」ポロ
牛娘「お願い…ひくっ…したのに…!」ポロポロ
男「そ、その姿はっ…!?」
52 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 13:00:17 ID:LKTGwKWw
牛娘「ひっく」
男(頭には…小さな角と、牛の耳…)
牛娘「あぐっ…」
男(服はいつの間にか、白と黒の斑模様の着物で…)
牛娘「男さん…ひっく」
男(首には…大きな鐘のついた首輪)
牛娘「見られて…、ぐすっ、しまいましたね」
男(大きな胸がはだけて、丸見え…)ゴクリ
牛娘「…仕方…ありません、ふぅ」
男(その牛娘の胸の前には…コップたっぷりの牛乳…?)
男(胸の先から白い液体が滴って…え!?)
53 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 13:04:26 ID:LKTGwKWw
牛娘「男さん…」
キモノナオシナオシ
男(ま、まさか…毎朝の…あの牛乳は…!)
牛娘「もう、潮時…ですね…」
牛娘「先日は手当てして頂き、ありがとうございました」ペコリ
男「え?」
牛娘「牛の姿は仮の姿」
牛娘「私は…神の使い」
男「え?まさか…あの時の不思議な…牛!?」
牛娘「はい…。手当てをして頂いたご恩を返すべく、こうしてあなたの前に参りました」
54 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 13:06:35 ID:LKTGwKWw
牛娘「人の姿もまた、仮の姿」
牛娘「私の取り柄は、お乳を搾ること」
牛娘「この本当の姿で…」
牛娘「大切な人を…あなたを想いながら、お乳を搾ることによって、『神秘の牛乳』を生成する能力」
男「牛乳は…牛娘のお乳で…!」
男「美味さの秘密は、牛娘の能力だったのか…!!」
牛娘「神秘の牛乳は神の贈り物」
牛娘「美味しいだけでなく、飲んだ者の体を癒し、力を与えます」
男「やっぱり…。あんまり寝なくても快調だったのは、牛乳の効能だったのか…!」
55 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 13:08:06 ID:LKTGwKWw
牛娘「しかし…乳搾りを見られたとあっては、もうここには居られません」
牛娘「…あなたの優しさは一生忘れません」
牛娘「…あなたとの生活、楽しかった…!」
牛娘「まだまだ、共に居たかった…!」
牛娘「…さようなら」ダッ
男「あっ、待ってっ!」
ガシッ
男「約束を破ったのは…本当にすまなかった…ごめん」
男「もう、覗かないから…このまま…!」
牛娘「それはできません。あなたは見てはならぬものを見てしまった」
56 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 13:09:11 ID:LKTGwKWw
牛娘「これは神との約束事…譲ることはできません」
男「そう、か。我慢できなかった俺のせいだもんな…」
男「まさか、あの牛乳が…牛娘のお乳だったなんて…」
男「でも、今の話を聞いて納得した」
男「俺を想って…あんなに美味しく…ありがとう」
男「本当に…美味しかった」
パッ
男「牛娘の…想い、全部伝わった」
男「裏切って…すまなかった…」
牛娘「…」タッ
57 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 13:10:41 ID:LKTGwKWw
男「俺も!牛娘の想い!忘れないよ!」
男「牛乳だけじゃない…。一緒に食事した事も…!」
牛娘「…」ポロポロ
男「朝、牛娘のご飯の支度の音と匂いで目を覚ました事も!」
牛娘「ひっぐぅ」タタタッ
男「普段のちょっとした会話も!」
牛娘「ぐすっ」タタタッ
男「ほんの…数日間だったけど…」
男「手当てした以上の…それにはもったいないくらいの…恩返しだった!」
牛娘「ぐすっひくっ」タタタッ
58 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 13:11:57 ID:LKTGwKWw
男「ありがとう…」
ガラガラッ
牛娘「ひっく」タタタ…
そして、家には
男と…一杯の搾りたての『神秘の牛乳』だけが
残されたのでした
59 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 13:12:46 ID:LKTGwKWw
ゴクゴクゴク
男「やっぱり…美味いよ、牛娘…」ポロポロ
その時飲んだ牛乳は
少ししょっぱい味が
したそうです
61 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 22:41:20 ID:LKTGwKWw
―
――
―――
男(牛娘が姿を消して、一週間が過ぎた…)
男(前と変わらない日常に戻っただけ)
男(いや違う…)
男(たった数日間だったけど、牛娘の存在はすごく大きかったんだ)
男(…やっぱり、一人は寂しいなぁ)
男(牛娘…)
62 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 22:43:28 ID:LKTGwKWw
コンコン
男「…」
男(めんどくさい…)
コンコンコンコン
男「…」
ドンドン
男「…」
ドガン!ドガン!ドガン!ドガン!
男「うおわっ!」
ドガンドガンドガン!
男「開けます!開けますから!戸が壊れる!」
ガラガラッ
女の子「おっすー!」
63 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 22:44:54 ID:LKTGwKWw
男「ん?お嬢ちゃん、どうしたの?うちに何か用?」
女の子「てめぇが男か?」
男「むっ」ムカ
男「初対面の人に向かって、『てめぇ』はダメだよ?」
女の子「答えろ」
男「だから、そんな口の聞き方…」
女の子「こ、た、え、ろ」
男「!?」ゾゾクッ
男(な、なんだ?)
男「お、俺が男だけど…」
女の子「そうか。私は女神だ」
男「は?」
64 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 22:48:21 ID:LKTGwKWw
女神「とりあえず、うちの使いが世話になった事は礼を言う。ありがとう」ペコリ
男「え?使い?」
女神「牛娘だよ、うしむすめ!」
男「あ?えーと?え?え?」
女神「混乱するのも無理ねぇか」
女神「おらっ、牛娘もウジウジそんなとこ隠れてねぇで早く出てこいよ!」
65 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 22:50:22 ID:LKTGwKWw
男「!」
牛娘「…」オズオズ
牛娘「男…さん…」
66 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 22:52:52 ID:LKTGwKWw
男「う、しっ娘…!?」タタッ
ダキッ
男「牛娘!」
牛娘「男さん…!」
男「もう…」ギュ
男「もう、二度と会えないとばかり…!」
牛娘「男さんっ、男さん!」ポロポロ
女神「いきなりいちゃついてんじゃねぇよ」
女神「まあ、詳しい話は家の中でしてやるから、お邪魔するぜ?」ズカズカ
男「あ、ど…どうぞ…」
67 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 22:56:30 ID:LKTGwKWw
――
女神「と、まあ本来なら…」
女神「てめぇが禁忌を犯したせいで、会うのは禁じられたんだが…」
男「…わかってる」
女神「まあ、独り身の男にとっちゃあ、牛娘の能力は拷問みたいなもんだ」ニヤニヤ
女神「我慢なんざできねぇわな、くっくっく…」
牛娘「言わないでください////」マッカ
女神「いつも、喘ぎ声は出すなって言ってはいたんだが」
女神「喘いだ方が牛乳が美味くなるんだと」
男「やっかいだなぁ」
牛娘「////」
68 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 22:57:47 ID:LKTGwKWw
女神「ホントにやっかいだよ。お前に姿を見られたからって戻ってきたら…」
女神「毎日めそめそして辛気臭ぇったらありゃしないし」
女神「そんな心理状態なもんだから、搾った牛乳は不味くて飲めやしねぇ」
男「不味い?」
女神「乳搾りの能力は、牛娘の心理状態をモロに反映してしまうんだよ」
女神「てめぇも聞いたろ?大切な人を想いながら搾ってたって」
69 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 23:04:34 ID:LKTGwKWw
男「ああ、言ってたな…」
女神「あんなに味が悪くなっちまうぐらい落ち込んだままだと、牛娘の心にも良くない」
女神「だから、今回は特例中の特例だ」
女神「罰を解いてやる」
男「い、いいのか?」
女神「うほん!見た目は少女でも、一応私は神なんだが?」
男「あ、わっ、と、いいんですか?」
牛娘「女神様…」
女神「牛娘の精神安定の為だ」
女神「ただ、条件がある」
男「条件?」
女神「牛娘をめとれ」
70 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 23:07:21 ID:LKTGwKWw
男「え?めとる?」
男「えっと、嫁にしろ、と」
女神「そうだ」
男「いや、それは牛娘の意思が…!」
女神「この牛娘を見て、お前はどう取る?」クイッ
男「…」チラ
71 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 23:09:43 ID:LKTGwKWw
牛娘「!」フイッ
牛娘「////」マッカ
牛娘「////」チラ
牛娘「!」フイッ
牛娘「////」モジモジ
牛娘「////」チラチラ
牛娘「////」ジーーーーーッ
72 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 23:12:12 ID:LKTGwKWw
男「!!!」
男(わかりやすーい!////)
女神「牛娘は了承済みだ」
男「は、はい////」
女神「それにさっきも言ったが、男と離れて飲めねぇほど牛乳が不味くなったって事はだ」
女神「男と居れば、全く逆の現象が起きるって事だろ?」ジュルリ
女神「となれば、できた『神秘の牛乳』は至高の美味さのハズだ」ジュルリ
女神「男のために搾ったその牛乳を私にもよこせ」ジュルリ
男(ほぼ私欲じゃないか!)
女神「後はお前の返事待ち」
73 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 23:15:29 ID:LKTGwKWw
男(でも、例え女神様の私欲が絡んでいたとしても…)
男「俺は…俺も…」
男「…牛娘が居なくなってから、何かが抜けたような…」
男「牛娘が居ないとダメだな…って」
牛娘「男さんっ」パアッ
牛娘「男さんっ、私は…私は!」
男「何も言うな、牛娘」ダキッ
男「あの牛乳の美味さが、お前の本心なんだな」ギュウ
牛娘「…はい////」ポッ
74 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 23:18:23 ID:LKTGwKWw
女神「うほん!人前…いや、神前で堂々といちゃつくなよ、お前ら」ニヤニヤ
男・牛娘「うわあっ!」
女神「ふふふっ」
女神「あーい、ともあれおめでとう~!」パチパチパチパチ
女神「これで私も至高の牛乳が飲める」
女神「だろう?牛娘」
牛娘「はいっ!」
牛娘「ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした!」
女神「気にすんなって」
75 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 23:20:28 ID:LKTGwKWw
女神「まあ、私は悲恋なんかまっぴらごめんなんだよ」
女神「好き合ってる者同士が、掟やなんやらで引き裂かれるなんか、たまったもんじゃねぇし」
女神「皆が笑って、はい終わり!って方がやっぱり見てて嬉しくなるってもんだろ?」
男「神が掟破りって…」
女神「いいんだよ!うまくこっちで処理するから、てめぇらは安心して存分にいちゃいちゃしてろ」
男・牛娘「////」
76 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 23:23:52 ID:LKTGwKWw
女神「それはさておき、じゃあ牛娘。早速搾れ」
牛娘「はいっ!」ヌギップルン
男「どはう!お、俺の前で!?」
牛娘「とびっきりの神秘の牛乳、搾りますから、はあ」モミンモミン
男「ちょちょちょっと待って!!」
牛娘「え?」
女神「掟から外れるから見ても気にしなくていいんだぜ?」
牛娘「そうですよーぅ」ニコニコ
男「いや、掟とかそういうのじゃなくて!」
男「いくら婚約したとはいえ、ある程度の恥じらいは持ってほしいワケで」
男「そういうのは、もっと、こう…雰囲気が良いときにっていうか…牛娘が大切だからというか…」
77 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 23:25:10 ID:LKTGwKWw
女神「ふむ」
牛娘「そこまで想って下さるなんて…!」
牛娘「恋人の申し出とあっては、なおのこと無下にするワケにはいきませんね」キモノナオシ
牛娘「では前のように、寝室お借りします」タタッ
女神「なるほど、寝室に移動させてこっそり覗きたいワケか。スケベだな」クスクス
男「しませんよ!」
女神「なんだつまんなーい!」
78 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 23:26:33 ID:LKTGwKWw
牛娘「はあんっ、男さんっ男さぁん!」
女神「…」
牛娘「んくぅ…はひっ男さんっ!」
男「…」
牛娘「はあっ、ああぁあぁぅっ!!」
女神「…こりゃ独り身の男にとっちゃあ拷問どころじゃねぇな」
男「わかって頂けましたか?」
女神「…特例にしたから許してくれよ」
男「許すも何もありませんよ」
男「使いの牛娘の幸せを考えてくれるなんて、女神様はいい人ですね」
女神「ふん、私は美味い牛乳がないとどうも調子が上がらんのでな」
男「そういうことにしておきます」
79 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 23:28:40 ID:LKTGwKWw
――
牛娘「お待たせしました」
コト
コト
牛娘「どうぞ」
男・女神「いただきます」
ゴク
男・女神「!!」
男「…前に飲んだ時より、遥かに美味い」
女神「…私のために搾った牛乳より、遥かに美味い」
女神(うーむ、こんなに想い合ってる二人の邪魔をするのは、さすがに少し気が引けるな…)
80 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 23:30:13 ID:LKTGwKWw
女神「…」ゴクゴクゴク
女神「ぷはっ」
女神「男」
男「はい」
女神「牛娘、大切にしてやってくれな」
男「はい、約束します」
女神「牛乳の味、落としたら承知しねぇぞ?」ニッコリ
男「はい」
女神「牛娘」
牛娘「はい」
女神「二人仲良く幸せにな」
牛娘「はいっ!」
81 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 23:32:18 ID:LKTGwKWw
女神「…まあ、美味い牛乳は飲みたいが、二人きりの時間もやるよ」
女神「しばらくは我慢してやるか」ニヤニヤ
牛娘「女神様っ、そのような気遣いなさらなくても!」
女神「いいんだって!」
女神「我慢できなくなったら、ひょっこり顔を出すから…」
女神「それまで、せいぜいいちゃいちゃしとくんだな」ニヤニヤ
牛娘「ありがとうございます////」
82 :
◆loxSgAubwY :2014/06/01(日) 23:32:48 ID:LKTGwKWw
女神「じゃあ、おいとまするよ」
男「色々、ありがとうございました」
男「帰り道、気をつけて」
女神「神に帰り道もくそもねぇよ」
女神「じゃな!」
ドロン
男「わっ!?消えた!」
牛娘「神とは人智に縛られない存在ですから」
83 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/06/01(日) 23:58:53 ID:iTEfvco2
いい上司でよかった
女神さんください
84 :
◆loxSgAubwY :2014/06/02(月) 00:33:05 ID:Pr9oQcdo
男「あ、言い忘れてた」
牛娘「?」
男「おかえり、牛娘」
牛娘「!」
牛娘「…ただいま、男さん!」
男「牛娘」
牛娘「はい」
男「もう一度、言わせてくれ」
男「牛娘が愛しくて愛しくて…」
男「牛娘が居ない間、心に穴が空いたようで…」
85 :
◆loxSgAubwY :2014/06/02(月) 00:37:53 ID:Pr9oQcdo
男「牛娘は、永く一人で居た俺の、俺の心のすき間を埋めてくれたんだ」
男「だから、これからも…ずっと俺の傍に…」
男「俺の嫁になってください!」
牛娘「はいっ…喜んで!」
牛娘「私も、姿を消してからというもの…頭の中は男さんの事ばかりで…」
牛娘「何より、『神秘の牛乳』の味が私の気持ちを証明していました」
牛娘「男さんの優しく思いやりのある心を私は愛しております」
牛娘「私の男さんへの…」
86 :
◆loxSgAubwY :2014/06/02(月) 00:42:28 ID:Pr9oQcdo
牛娘「あなた様への愛は一生変わりません」
ピト
男「牛娘」ギュウ
牛娘「ずっと一緒、ですよ。あなた様」
その後、夫婦になった二人は、いつまでも仲睦まじく幸せに暮らしましたとさ
めでたしめでたし…
……
…
87 :
◆loxSgAubwY :2014/06/02(月) 00:43:09 ID:Pr9oQcdo
88 :
◆loxSgAubwY :2014/06/02(月) 00:44:21 ID:Pr9oQcdo
ドロン
男「わあっ!?」
女神「おっすー!消えたそばから悪いな」
男「めっ女神様っ!?」
女神「言い忘れてたが」
女神「私は『子宝』の神だ」
男「はあ」
女神「その使いと夫婦になるんだ」
女神「万が一にも、子供ができないなんて見過ごせないからな」
女神「牛娘に直接、加護を授けてやる」
89 :
◆loxSgAubwY :2014/06/02(月) 00:46:54 ID:Pr9oQcdo
女神「ウーニャラー、ムーニャラー」ブツブツ
女神「はい、かんりょー!」
男「早っ!?」
女神「男」
男「はい?」
女神「牛娘に、夜に激しくなるように加護っといたから」ニヤリ
牛娘「!」
男「!!」バッ
牛娘「////」ポッ
90 :
◆loxSgAubwY :2014/06/02(月) 00:48:06 ID:Pr9oQcdo
男「ええっと…」タジタジ
男「覚悟、しておきます…」
女神「家族もたくさんできるだろうから、頑張るんだぜ?」
男「は、はい」
牛娘「女神様…露骨過ぎますよぅ////」
女神「はっはっはっ!」
女神「今度こそしばらく二人にしてやるから、じゃあな!」
ドロン
91 :
◆loxSgAubwY :2014/06/02(月) 00:49:25 ID:Pr9oQcdo
男・牛娘「…////」
牛娘「あの…ですね////」モジモジ
男「…大家族もいいな」ニッコリ
牛娘「あ、あなた様…////」
牛娘「で、では、仕事も…夜も頑張ってくださいね?////」
男「ああ!」
92 :
◆loxSgAubwY :2014/06/02(月) 00:50:26 ID:Pr9oQcdo
牛娘「私もしっかりあなた様を支えますから!」エヘン
男「明るくて楽しい家庭にしような」ダキッギュ
牛娘「はい…あなた様となら、きっと」
93 :
◆loxSgAubwY :2014/06/02(月) 00:51:22 ID:Pr9oQcdo
子宝の神の加護を受けた夫婦はたくさんの子供に恵まれ、『家族みんな』でいつまでも仲睦まじく幸せに暮らしましたとさ
あらためて、めでたしめでたし!
94 :
◆loxSgAubwY :2014/06/02(月) 00:54:14 ID:Pr9oQcdo
おわりです
最後までお付き合い頂いた方、ありがとうございました
95 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/06/02(月) 01:12:48 ID:ojto49IM
おつ
96 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/06/02(月) 04:31:17 ID:Zus.5stU
乙!
キャラクターも可愛くて良かったよ!
97 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/06/02(月) 08:21:36 ID:DQZBVEqs
乙
転載元
牛の恩返し
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1401525131/ パーティーフリークGO!GO!
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良くも悪くも