1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:01:17.64 ID:aSo/KR0h0
男「一人のが気楽なタイプ?」
女「……てか、何? 急に」
男「暇そうだったからさ」
女「ふーん」
男「で、そうなの?」
女「まー……どっちでもいい」
女「で? それだけかい?」
男「それだけ」
女「……変な奴だな」
男「それほどでも」
女「褒めてねえよ」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:03:32.54 ID:aSo/KR0h0
キーンコーン
男「さて帰るかあ」
男「あいつ放課後は何してんのかな…」クル
男「って! もういないし」
男「ねえちょっと」
クラス女「ん、どしたの?」
男「女は? 帰ったの?」
クラス女「うん……? ちょっと前にでてったけど」
男「サンキュ」
クラス女「あ、ちょっと!」
男「なした?」
クラス女「えと……あんま、関わんない方が……」
男「は? なんでよ」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:05:56.98 ID:aSo/KR0h0
クラス女「あの、ね。詳しくはね!? 詳しくは知らないんだけど、
前の学校では、かなりヤンキーだったみたいで……」
男「女がか?」
クラス女「うん……結構皆知ってるよ?」
男「そうだったんか……」
男「でもだからってハブはヒドくないか?」
クラス女「いやね、そういうつもりはないんだけど!
なんか、ちょっと怖いかな~~……、って
あと、誰とも話さないし、そっとしといた方がいいのかな~~、って」
男「ふーん」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:07:36.00 ID:aSo/KR0h0
男「~~♪」
男「お? あれは……」
女「こんなとこにほっぽるなんて、お前の元飼い主はひで~な」
犬「キュゥ~ン」
女「なんかしてやりたいんだが……」
女「餌はダメ、ウチでも飼えないとなりゃあ……」
女「撫でてやるくらいしかできねえんだ……」
女「生まれ変わったら幸せになんな、じゃな」
男「…………」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:10:10.90 ID:aSo/KR0h0
男「おっす」
女「おす」
男「女って、元ヤンだったんだって?」
女「……ったく、それどっから聞いたんだよ」
男「風の噂」
女「……やっぱお前変な奴だな」
男「どういたしまして」
女「あー……ヤンキーか。そうなのかね?」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:12:10.05 ID:aSo/KR0h0
男「髪染めたり?」
女「んー、やってないな」
男「タバコ?」
女「いや、……吸ってねえな」
男「学校サボりまくり?」
女「サボったことはねえ」
男「校舎の窓は?」
女「割ってねえよ」
男「何がヤンキーだよ」
女「なんでアタシに怒るんだよ、わけわかんね」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:15:10.20 ID:aSo/KR0h0
女「あー……でも友達にそーいうの多かった気ぃすんな」
男「へえ?」
女「でな、親父が厳しくてよ」
男「ふうん?」
女「この前バレちまって」
女「『問題起こして退学になるようなやつと友達とは』ってな。
ここに来させられたってわけだ」
男「ははあ」
女「まあ、アタシが元ヤンとか噂される原因はそれなんかな」
男「かね」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:16:40.86 ID:aSo/KR0h0
女「で、聞けたいことは聞けたか?」
男「ああ、サンキュな」
男「あ、それと」
女「ん?」
男「ウチでな、犬飼うことにしたんだ。二匹目の」
女「そりゃよかったな。責任持って育てろよ」
男「当然」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:18:10.95 ID:aSo/KR0h0
クラス女「ちょっと!」ヒソヒソ
男「ん?」
クラス女「やけに話してたじゃない?」
男「ああ」
クラス女「怖くなかった?」
男「意外といい奴だよ」
クラス女「えっ」
男「あんま距離作ってやんな」
クラス女「う、うん……」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:21:05.42 ID:aSo/KR0h0
クラス女「お、女さん」
女「ん?」
クラス女「え、えっと……」
女「何?」
クラス女「へっ!?」ビクッ
女「だから、何って」
クラス女「……ご、ごめんなんでもないっ」ピュー
クラス女「(やっぱり、なんか怖い~……)」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:23:02.29 ID:aSo/KR0h0
男「よー」
女「おう」
男「自分から女子の輪に入っていったりしないの?」
女「あー……どうせ怖がられてるし」
男「俺が思うに、元ヤンなのが怖いんじゃなくて、
表情とかが怖いんじゃない? あと話し方」
女「余計な御世話だ」
男「ほら、それとか。あとお前、立ち位置暗キャラっぽいし」
女「だから余計な御世話だっつーの」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:25:31.71 ID:aSo/KR0h0
女「入ったところで、女の子女の子したやつが多いから、アタシみたいなのは浮くだろ」
男「いやいや、女が思ってるより仲良くできるって」
女「そうか?」
男「そうさ」
男「それに寂しくなったら俺にも話しかけていいんだぞ」
女「ハハ、キモいな」
男「おい」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:27:15.19 ID:aSo/KR0h0
廊下
女「(この前の犬、いなくなってたな……)」
女「(保健所か、拾われたか……後者であってほしいな)」
女「(……ん?)」
クラス女「んしょ、んしょ……う~重い~……」
女「おい、大丈夫か?」
クラス女「はい……え? 女さん!?」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:29:13.00 ID:aSo/KR0h0
女「ぶちまけないうちに寄越しな、それ」
クラス女「で、でも……っ」
女「助けはいらなかったか?」
クラス女「いや! いりますいります! 助けて!」
女「よし、動くな。そのまま……よ、っと」
クラス女「あ、ありがとう!」
女「今度からは友達に手伝ってもらえ、な」
クラス女「はいっ」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:31:17.39 ID:aSo/KR0h0
男「うす」
女「おう」
男「クラス女、助けたんだってな」
女「まあ」
男「自分からはいかないんじゃなかったの?」
女「話が別だろ。困ってたから手伝った。そんだけ」
男「やっぱお前いー奴だな」
女「……そりゃどーも//」フイッ
男「照れてんの?」
女「るさいハゲ」
男「ハゲてないわい」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:40:38.87 ID:eUyC35+Q0
続けてくれ
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 19:58:24.22 ID:aSo/KR0h0
クラス女「さて、学校祭だけど、ウチは出し物何する?」
『劇がいいと思うー』『ありきたりじゃね』
『コントは?』『モノマネとかー』
『合唱は?』
男「お前はやるならどれ?」
女「やる前提なのか? やっぱ」
男「やらない気だったのかよ」
女「目立つのは好きじゃねえからな。喫茶店の裏方とかならいいんじゃね」
男「地ん味~~~」
女「じゃあお前何か言ってみろよ」
男「喫茶店の裏方で」
女「真似すんなよ」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 20:09:12.89 ID:aSo/KR0h0
クラス女「というわけで、劇に決まりました~」
男「あー、いつの間にか決まったぞ」
女「よりによって劇かよ……」
男「ちなみに劇ならどこがいい? ポジション。大木1とか?」
女「裏で幕下ろす人」
男「木より地味なのがあったか」
クラス女「じゃあ姫役やりたい人~?」
『 シーン 』
女「……誰もいねえし」
男「主役は流石に度胸いるんじゃん?」
女「なんで劇にしたんだよ」
クラス女「じゃあキリがないので、くじ引きで~」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 20:14:08.02 ID:aSo/KR0h0
クラス女「はい、女さんっ」
女「はずれを引きゃいいんだもんな……ほい」
クラス女「……赤」
男「……赤だ」
女「……な、なあ、赤って……ハズレじゃ……」
男「ねえよ」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 20:18:29.05 ID:aSo/KR0h0
クラス女「配役はこのようになりました! 各自台本に沿って練習して下さい」
女「はぁ……」
男「災難だったな」
女「……お前はなんで王子に立候補したんだよ」
男「俺なら女もやりやすいかなと思って」
女「ああ……確かに他の奴だとやりにくいかもな……」
男「ま、気楽にやってこう」
女「おう……」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 20:24:03.21 ID:aSo/KR0h0
女「……ただいま」
妹「おかえりー」
ドサッ
女「(……やるからには、中途半端はダメだ、余計ハズい)」
女「(今更文句も言えんし……)」
女「……今日から練習すっかぁ」
妹『お姉ー! 子犬特集ー!』
女「……明日からにすっかぁ」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 20:34:06.28 ID:aSo/KR0h0
女「―――きっと来てくれると、信じていました」
男「おー、様になってる」
女「じゃなくて、次お前のセリフだよ、早く言え」
男「さあ、行(ゆ)きましょう、姫」
女「……かっくいいな」
男「そりゃどうも」
女「この"王子"がな?」
男「……俺、今めっちゃ恥ずかしい」
女「勘違いしやがってこのアホ」
男「ぐ……」
女「……男もだけど……//」ボソ
男「さ、続きやるか、次姫のセリフな」
女「ん。―――」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 20:41:48.81 ID:aSo/KR0h0
女「―――よし、演技は上出来、かな」
女「遂に明日か……」
妹「お姉ー、さっきから何独り言いってたの」ガチャ
女「ああ、じつはかくかくしかじか……」
妹「へえ! お姫様! じゃあちゃんとお化粧してかなきゃね」
女「……やっぱりすんのか」
妹「朝一番目でやるんでしょ? じゃあ、明日の朝、メイクしたげる」
女「お、おう」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 20:49:23.35 ID:aSo/KR0h0
男「ジャ~ン」
クラス女「おお! 似合ってる!」
男「クラス女も似合ってるよ」
クラス女「あは、ありがと」
男「あとは女だが……」
ガラ
女「―――お、はよう……」
クラス女「おは……っ、え!?」
男「……」あんぐり
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 20:55:57.68 ID:aSo/KR0h0
女「……えと……」
クラス女「え!? 女さんだよね!?!?」
男「……み、見違えたな」
女「こーいうヒラヒラした服、苦手なんだけどなぁ……変じゃねえか?」
男「全然。変じゃない」
女「に、……にっ、似合う……か?」
男「似合うよ、すごく」
女「そう……か?//」
男「(ちょっと緊張してるな……俺が)」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 21:01:41.25 ID:aSo/KR0h0
女「―――信じていました。きっと、きてくれると」
男「さあ、行(ゆ)きましょう」
『 ザワザワ…… 』
男「(練習より上手いな……)」
男「姫! やっと会えたのに……」
女「これも運命なのです……王子」
女「せめて最後に……口づけを……」
女「ん……」
男「(寸止め……な)」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 21:06:45.38 ID:aSo/KR0h0
女「……」グッ
男「……っ!?!?」
『 オオッ!! 』『 アレシテルヨナ? 』ザワザワ
男「(ママママジデ!?)」
女「……」
男「……」ドキドキドキ
女「……さようなら……」
男「ぅ、あ……っ」ドクン
女「……っ」タッタッタッ……
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 21:10:17.92 ID:aSo/KR0h0
男「…………」ドキドキドキ
クラス女「王子! セリフセリフっ」
男「…………」ドキドキドキ
『 アレ? 』 『 ドーナルンダ? 』ザワザワ
クラス女「ド忘れしてる!? ナレーション無理矢理締めて!!」
ナレーション『こうして~~~――――』
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 21:14:26.58 ID:aSo/KR0h0
クラス女「皆お疲れー!」
『結構良かったよねー』
『いやー楽しかったな~』
『オーディエンス(?)も盛り上がってたなぁ』
男「…………」
女『……さようなら……』
男「(あんな表情するのか、あいつ……)」
女『ん……』
男「(唇……柔らかかったなあ……)」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 21:19:30.84 ID:aSo/KR0h0
クラス女「男ってば!」
男「ほえい!?」
クラス女「男もお疲れさま! すごいよかった! クライマックスとか!」
男「ああ、あんがと」
『おお! 姫が帰ってきた!』『すごいよかったよー!』
女「……うす」
男「あ……」ドキ
女「……悪かったな」ボソ
男「…………」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 21:24:43.80 ID:aSo/KR0h0
クラス女「じゃあ打ち上げは~~日ね!!」
『あいよー』『っつかれしたー!』
『カラオケいこーカラオケー』
男「……」キョロキョロ
男「まーた先帰りやがった……」
女「(勢いでしちまったな……)」
女「(……引かれてるかな……?)」
「おい、女!」
女「……男?」
男「ハァ……ようやく追いついた」
女「…………」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 21:30:04.44 ID:aSo/KR0h0
男「……なぁ」
女「ん?」
男「アレ、ってさ……」
女「…………悪かったって」
男「なんも悪くない」
女「え?」
男「嬉しかった」
女「そう、か……」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 21:35:07.40 ID:aSo/KR0h0
男「お前、あんな演技上手かったっけ?」
女「さぁ……」
男「すげえ綺麗だったし、女優かなんかかと思ったわ」
女「そうか」
男「うん」
女「……で、それだけか?」
男「……好きだ」
女「……っ」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 21:39:57.21 ID:aSo/KR0h0
男「ずっと気になってて、な」
男「勢いでじゃなくて、今日のはきっかけだっただけで」
女「そ、そ、っか。ふうん。じゃ、アタシ帰、るわ」
男「え? おい」
女「ま、またな」ダッ
男「あ……」
男「……フラれた、のか?」
男「…………」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 21:45:37.44 ID:aSo/KR0h0
女「はぁ、はぁ……」
女「逃げちまったな……」
女「(マジかよ……どうしよ)」
女「(あ、アタシも……男のことは嫌いじゃないし……)」
女「(だからっ、き、キs……したんだし)」
女「(もっというと男のこと、す、すす好k……だけどさ、だけど!)」
女「……すっ、好kとかキsとか言うのハズいんだよ! アホ!」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 21:51:00.51 ID:aSo/KR0h0
女「はぁ~~……」
男『好きだ』
女「~~~~///」
女「あんなセリフ、よく素で言えんなアイツ……」
女「……あれから数日か……ん?」
ドタドタ
女「妹、今日って何曜日?」
妹「土曜でしょ」
女「あ~~~……今日じゃん打ち上げ……もう遅いし、いつもどおりふけるかぁ」
クラス女『MVPなんだから絶対参加ね!』
女『お、おい……』
女「あ~~~……」
女「……しゃーね、行っか」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 21:58:32.26 ID:aSo/KR0h0
女「えー、ここを右か……」
女「んで、三軒目と……お?」
女「あれは……モブ女か? あいつも遅れたのか」
女「……って……」
モブ女「あの、すいませんごめんなさい」
チャラ男「何謝ってんの。一緒に遊ぼうって言ってるだけしょ?」
チャラ男2「あれじゃね? 金ないんじゃね?」
チャラ男「そうなの? 奢ったげるよ?」
モブ女「えと、友人がい、いるので……」
チャラ男「え? ごめんちょっと聞こえなかった」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 22:03:26.78 ID:aSo/KR0h0
女「あー、ワリ。この子、アタシのツレだから」
モブ女「お、女……さん?」
チャラ男2「あ、じゃあ君も一緒に行く?」
チャラ男「よく見りゃ結構可愛いし」
女「るさい、てめぇに言われても嬉しかねぇよ、死ね」
チャラ男「……ねえ誰に口きいてんの?」ガッ
女「……おめぇだよ!!」ドム
チャラ男「おっ!?」
モブ女「……き、金的……」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 22:08:41.34 ID:aSo/KR0h0
チャラ男2「おい、しっかりしろ!」
チャラ男「おあ、あああ……」
チャラ男「くそ! 覚えてろよ!」
女「(ぴったりのセリフだな……)」
モブ女「…………」
女「あ、ワリ……(ちと乱暴だったか)」
モブ女「すっごーい! 女さんて超頼りになる!」
女「へ?」
モブ女「早速皆に言わなきゃ! ね!」
女「お、おい……」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 22:14:15.73 ID:aSo/KR0h0
モブ女「―――で、助かったんだ!」
『それマジか!?』『姫とは思えねーな』
『ってか金的……(泣』ガヤガヤザワザワ
女「あ、お、おう……」
モブ女「ねえ、アド教えてよ!」
女「い、いけど……」
『俺もー』『あたしもー』
女「マジかよ……」
男「俺ももらっていい?」
女「っ」
女「……おう」
男「サンキュ」
男「な? 仲良くできそうじゃない?」
女「え? あ、ああ。うん……」
女「(……直視ができねえ)」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 22:19:33.03 ID:aSo/KR0h0
学校
男「おす」
女「……おう」
男「なんで目逸らすん?」
女「……(お前のせいだろバカ)」
男「あのさー……」
女「ちょ、っと便所」ガタッ
男「あ、ごめん」
男「……便所て」
女「(なんであいつはあんないつも通りなんだよ)」
女「(こっちは気が気でないってのに)」
女「あ~~……また逃げたなアタシ」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 22:25:00.50 ID:aSo/KR0h0
クラス女「おはよー女さん!」
女「おう」
クラス女「最近、男と仲悪いの?」
女「えっ」ドキ
クラス女「いつもはあんなに仲良かったじゃん」
女「そ、そんなには……」
クラス女「えー? よかったでしょ」
女「……そうか?」
クラス女「そうだよ」
クラス女「ケンカでもしちゃった?」
女「あー……そんなトコ、かね」
クラス女「そっかぁ、早く仲直りできればいいね」
女「うん……」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 22:30:36.73 ID:aSo/KR0h0
女「はぁ……」トボトボ
女「アタシのせいなんだけどね……」
女「……はぁ」
女「……またかよ」
モブ女「えちょ、ホントごめんなさい、すいません!」
女「しかも五人いやがる……」
女「(キチーな……)」
チャラ男「……お」
女「ヤメな」
チャラ男「……来ると思ってたぜ」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 22:34:39.83 ID:aSo/KR0h0
男「はぁ……」
男「また逃げられてやんの……」
男「やっぱ俺のせいかね……」
ブブブブブ
男「……モブ女? 電話たぁ珍しい」
モブ女「どっ、どーしよ!!? 男助けて!!」
男「おい、なした? 落ち着け」
男「―――マジか」
モブ女「どうしよう、あたしのせいだ……」
男「いや、モブ女のせいじゃないって」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 22:40:10.11 ID:aSo/KR0h0
男「とにかく、なんとかなる。落ち着いて」
モブ女「ごめんね……グスッ……」
男「どっち行ったかわかる?」
モブ女「――のとこから西……で右に曲がって……そこからわかんないよ……」
男「……了解」
男「いったん切るぞ」
モブ女「……うん、ごめんね! もし会えたら、ごめんねって言ってたって言っといて!」
男「はいはい」ピッ
男「くそ……厄介だな……」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 22:45:10.74 ID:aSo/KR0h0
ブブブブ
男「メールね?」
男「……女」
男「……まれいせいめん?」
男「ったく、初めてのメールがこれかい」
男「とりあえずモブ女に転送しとくか」
パパァー
男「街に来てみたはいいが……くそ、雲をつかむ感じだ……」
男「無事でいろよ……」
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 22:48:38.30 ID:aSo/KR0h0
女「…………」
チャラ男「いやぁ、あっさりつかまっちまって」
男2「どう? 両手両足縛られてる気持ちは?」
男3「口ふさいでんだからいえねーよ」
女「…………」
女「(手は上じゃなくて後ろで縛られたのは助かったな……)」
女「(おかげで携帯に手が届いた)」
男4「この子超良いカラダしてねえ!? しかも可愛いし」
男2「だからこうなってんだって。ブスだったらポイでしょ」
女「…………」
チャラ男「ま、何されるかは、わかってるよな」
男3「もういいの? もういい?」
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 22:51:16.15 ID:aSo/KR0h0
男2「じゃあ……しますか」
女「(はーあ、結局女子が野郎五人相手取るのはムリだったか)」
女「(こーなるのも、あたりめーだわな)」
女「(情けねえなあ……)」
女「(……男……)」
ガン!! ガン!! ガシャ-ン!!
チャラ男「!?」
男「ふぅ……」
男「というわけでね」
男「……助けに来たよ」
女「……!!」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 23:00:39.00 ID:aSo/KR0h0
男2「は? 何? 誰お前? ってか知り合い?」
男3「あーあ、こっちは四人いるんだけどなぁ。タコにされにきたの?」
男「こっちはもっといるぞ?」
『 オトコニツヅケー! 』『 ダイジョブカー? 』
『 カンネンシロー! 』
チャラ男「はあ!? なん……なんで!?」
男「……皆はメールでわかったみたい」
男「○井正面てね」
男「俺は間抜けにも見張りがいたからすぐわかったんだけど」
チャラ男「くっ……」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 23:05:43.67 ID:aSo/KR0h0
『 フザケンナヨー! 』『 ケイサツニツキダスゾー! 』
『 サイテー! 』『 ネエ、アノヒトイケメンジャナイ? 』『 エ、ドレ? 』
男3「に、逃げるぞ!!」
男「あ、おい!」
クラス女「だいじょぶ、一応警察も呼んだし」
男「……そだな」
男「さてと」ベリ
女「……プハっ」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 23:09:22.92 ID:aSo/KR0h0
男「……間に合ってよかったよ」スッ
女「……」
男「……じゃあ」
男「『行(ゆ)きましょう、姫』
女「……っっ」
女「……う、るせぇよ……カッコつけんな……バカぁ……」ボロボロ
男「……違うだろ?」
女「……『信じていました……』」
男「そうこなくっちゃあ」
『 ヒュー 』『 ヨカッター 』パチパチ
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 23:12:51.22 ID:aSo/KR0h0
女「―――ありがとな、皆」
『いいってことよー』『姫だもんなー』
クラス女「はい! 皆さんのおかげで女さんを助けられました!
ありがとう、今日はもう暗いから解散!」
『明日もガッコかぁ』『やべ、宿題!』『あーっ!』
男「……いい奴らだ、ホント」
女「そうだな」
男「……暗いし、送ってくよ。俺たちも帰ろう」
女「……おう」
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 23:19:28.58 ID:aSo/KR0h0
男「そうそう、なんでこーなったん?」
女「かくかくしかじか……」
男「お前らしいや」
女「るせっ」
男「そういうとこも、好きだよ」
女「…………よく平気で言えるな」
男「言えるさ」
女「…………アタシは……」
「おい! こんな時間までなにやってた!!」
女「えっ……、お、親父……」
女父「探したんだぞ! 心配かけやがって……!」
女「あの、聞いて……! ワケが……」
パン!
女「っ……」
男「!」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 23:22:46.04 ID:aSo/KR0h0
女父「聞かん! こんな夜遅くまで男子とふらついてけしからん!
大方……」
男「待って下さい」
女父「何?」
男「女さんは街でトラブルに巻き込まれただけなんです。
僕とは何もやましいことはしていません。本当です。だから……」
女父「だとしても連絡一本すら寄越さないのは許せん。
それとこれは家族の問題だ。君には関係ない」
男「確かにそうです……でも、それが親御さんでも、
目の前で俺の一番大事な人を殴るのは我慢できないんです」
女「男……」
女父「……ほう?」
男「……っ」
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 23:25:59.28 ID:aSo/KR0h0
女「父さん……男は……悪くねえから……」
女「ごめん……アタシが悪かった……」
女父「……わかった。君に免じてこれで終いにしよう」
男「恐れ入ります。……出過ぎたまねをして、申し訳ありませんでした」
女父「……娘を送ってくれて、ありがとう」
女「父さん……」
女父「ほら、帰るぞ」
女「お、おう……」
男「女!」ブンブン
女「男……」
女「……」バイバイ
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 23:32:32.20 ID:aSo/KR0h0
女父「あの男……」
女「父さん、ホントなんだ。あいつとは……」
女父「わかってるさ」
女父「――いい友達を持ったな。」
女「あ、おう!」
女父「あの子なら、お前の彼氏でも俺は文句言わんよ」
女「え……っ」
女父「俺に心配さえかけなければ、どんな奴でもいいんだがな」
女「父さん…………うん」
女「ワリ!」ダッ
女父「あ、おい!?」
女「すぐ戻る!!」
女父「……またあの子に送ってもらうことになりそうだな……」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 23:36:52.03 ID:aSo/KR0h0
女「男!」ハァ,ハァ
男「あれ、帰ったんじゃ……」
女「あ、アタシも……!」
女「お前の事……す、好きだから……」
男「……サンキュ」
男「これで晴れて、お前の王子様になった、ってわけだ」
女「くせえよ、バカ」
男「くさくて悪いかy……っ」
女「ん……っ」
男「…………」
男「い、いきなりキスすんなって……」
女「悪いかよ」
男「……悪くない」
女「正直だな」
男「……//」
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 23:46:11.14 ID:aSo/KR0h0
男「……で、この後どうすんの?」
女「家まで送ってくれ」
男「またかよ? 二度手間じゃん」
女「いいだろ?」
男「……勿論」
男「……それじゃ」
男「行きましょう、女」
女「おうっ。頼りにしてるぜ、王子サマ!」
おわった
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 23:47:20.48 ID:f2fHRB170
乙
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 23:51:47.37 ID:aSo/KR0h0
下手だったけど、結構ノリノリで書いてました。楽しかった!(私は)
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 23:57:15.26 ID:79SbKe4Q0
乙
THEベターだけどこれはこれで・・・だな
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/07(月) 23:58:53.83 ID:kyAVDtzc0
乙!
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/08(火) 00:40:51.70 ID:ElQJzuzy0
乙
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/08(火) 01:13:26.21 ID:vDwkdF7Z0
乙!
竹宮 ゆゆこ
アスキーメディアワークス
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