→
【前編】273 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/06(金) 21:44:34.08 ID:zUK76eEd0
戦艦リヴ「……っ、……!」
天龍「仇は取ったぞ、龍田……」
戦艦リヴ「マタ……イズレ……」
天龍(……ありがとう)
【戦闘結果・勝利】
吹雪(旗艦)
雷
電 ・・・小破
暁 ・・・中破
響
天龍・・・中破
【MVP・天龍】
274 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/06(金) 22:03:08.93 ID:zUK76eEd0
総士『皆、よく頑張った。作戦終了だ、鎮守府に戻ってきてくれ』
吹雪「皆さん帰りましょう、私達の帰る場所へ!」
天龍「おし、凱旋だお前ら!」
ヲ級「……」
天龍「まだいたのかよ!」チャキッ
電「ま、待って欲しいのです!この子、戦う気はないみたいなのです!」
天龍「だとしても危ねぇだろうが」
ヲ級「ヲ……ワタシ。ハ……ドコ?」
総士(フェストゥムが『存在』を求めている?)
天龍「チッ、とっとと失せろよ」
ヲ級「ワタシ、ハ……ドコ?」
吹雪「どうしちゃったんでしょう」
雷「電になついちゃったのかな?」
275 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/06(金) 22:09:38.08 ID:wLthJofSO
やっぱヲ級ちゃんは天使だったか
276 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/06(金) 22:18:36.47 ID:zUK76eEd0
総士『……天龍、そいつを鹵獲しろ』
天龍「ま、マジかよ!?」
総士『そいつはもう皆が知るフェストゥムじゃない。言い換えるなら、そいつはお前になりたがっているんだ』
天龍「はぁ?……よくわかんねぇけど、提督の命令なら従うしかねぇよな」
電「連れて帰るのですか!?」
天龍「なに嬉しそうな顔してんだよ」
電「そ、そんな事はない……のです」
響「早く帰ろうよ」
天龍「だな」
277 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/06(金) 22:33:45.36 ID:zUK76eEd0
―――――――――
~鎮守府~
雷「ただいまー!」
吹雪「約束通り、全員帰って来ました!」
総士「ご苦労だった」
弥生「皆……おかえり」
夕張「よく頑張ったね、皆!今日は間宮さんが来るから先にドックで体を洗ってきなさい!」
雷「やったー!」バタバタ
響「了解、直ちにドックへ急行する」バタバタ
暁「あ、暁はあんな風にはしゃいだりしないわよ!一番傷ついてるから急がなきゃってだけなんだからね!」バタバタ
赤城「皆元気そうでよかったですね」クスッ
総士「あぁ」
278 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/06(金) 23:03:45.23 ID:zUK76eEd0
―――――――――
~港~
電「あなたはどうしてついて来たのですか?電達はあなたを殺そうとしてたのに……」
ヲ級「……」
電「体、傷だらけですね。痛みますか?」
ヲ級「……イタミ?」
電「あ、えぇっと……苦しかったり、不快だったり、そういう気分になってませんか?」アタフタ
ヲ級「クルシイ……フカイ……?」
総士「電、まだここにいたのか」
電「司令官!す、すみません!あの、勝手な事を……!」
総士「そんな慌てなくてもいいだろ」
279 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/06(金) 23:22:15.42 ID:zUK76eEd0
電「この子、どうするんですか?」
総士「……少し、話をしてみたいと思う。すまないが僕一人にしてくれないか」
電「は、はいなのです」
総士「お前はマスター型とは違うのか?」
ヲ級「マスター?」
総士「お前は何故彼女らに縋った?」
ヲ級「……」
総士「お前はもう彼女達を同化しようとは思わないのか?」
ヲ級「……」コクリ
総士「お前は、自分がどこにいるのか知りたいのか?」
ヲ級「……」コクリ
総士「どうしてそう思うようになった?」
ヲ級「……ワカラナイ」
280 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/06(金) 23:47:12.25 ID:zUK76eEd0
ヲ級「ワタシ……ドウシテ、イナクナッタ?」
総士「そうやって考えるお前は、そこにしかいないんじゃないのか」
ヲ級「……」
―――――――――
~夜・鎮守府食堂~
ワイワイ
雷「おいしいねー!」パクパク
響「ハラショー」モグモグ
赤城「流石は間宮さんですね、鮮度も味も抜群です。あ、おかわりお願いします」
羽黒「え、これで何杯目ですか!?」
夕張「出撃した子達以上の食欲ね、赤城さん」
弥生「食べる子は……よく育つ」
夕張「ど、どこ見て言ってんのかしら弥生ちゃ~ん?」
281 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/06(金) 23:54:57.66 ID:zUK76eEd0
総士(天龍がいない?)
吹雪「司令官?」
総士「少し風に当たってくる」
~海辺~
総士「天龍」
天龍「提督か、何か用か?」
総士「いや、姿がなかったから」
天龍「へぇ、俺を心配しに来てくれたってのか。らしくないな」
総士「……そうか」
282 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/07(土) 00:02:57.29 ID:8KJNU74d0
天龍「冗談だよ。……龍田と最後の時間を過ごしてたんだ」
総士「最後の?」
天龍「あぁ。俺と長い付き合いだった龍田はもういないんだ、いつまでも引きずってる訳にはいかねぇ」
天龍「この先もあんな強い奴と戦うんだ、前向いて戦わなきゃ俺がやられちまう。龍田が繋いでくれたこの命、無駄にしねぇ為にもな」
天龍「だからこうして海眺めながら飲んでんだよ」トクトク
総士「……お茶か」
天龍「今馬鹿にしたろ!悪かったな酒飲めなくて!」
総士「一杯、いいか」
天龍「……あぁ」
283 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/07(土) 00:06:57.47 ID:8KJNU74d0
総士「……」
天龍「綺麗な月だな」
総士「あぁ」
天龍「あの月にはうさぎが住んでるらしいぜ」
総士「そうか」
天龍「龍田は、どこに行ったのかな」
総士「……」
天龍「天国だといいな。って、艦隊の俺達に天国も地獄もねぇか」ハハッ
総士「……」
天龍「……」
総士「……」
284 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/07(土) 00:15:15.26 ID:8KJNU74d0
天龍「……何かフォロー入れろよ、辛気臭くなっちまうだろうが」
総士「すまない」
天龍「よく無愛想って言われるだろ」
総士「そんな事はない」
天龍「本当かぁ?」
総士「これでも愛想良く振舞っているつもりだ」
天龍「ふーん」グビッ
総士「……」
天龍「だからすぐ黙るなって!」
総士「会話は、苦手だ」
天龍「だろうな……」
285 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/07(土) 00:27:40.64 ID:8KJNU74d0
天龍「あの、さ……」
総士「?」
天龍「あの時は悪かった。その、殴ったりして」
総士「気にしてない。あの手のは慣れてる」
天龍「それと……あ、ありがと……な」
天龍「提督の言葉があったから俺、その、こうして立ち直れたし」ポリポリ
総士「いつもの調子はどうした」
天龍「なっ!人が折角感謝の言葉をだなぁ……」
総士「でもそっちの方がより好感が持てると、僕は思うぞ」フッ
天龍(あ、笑った……)
286 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/07(土) 00:44:18.92 ID:8KJNU74d0
天龍「さて、そろそろ帰るか」スクッ
総士「もういいのか」
天龍「あぁ、お蔭でスッキリした。それに心配する奴らも出てくる頃だろうしな」
総士「そうか」
天龍「最後にこれだけは言っておく」
天龍「俺はこれからも、提督の下で戦い続ける事を約束するぜ」
総士「……頼りにしている」
天龍「じゃあな、龍田――」
最愛の友に別れを告げ、僕らは皆が待つ故郷へと戻る
その細身の体には二匹の龍の魂が宿るのを、僕は確かに感じた
彼女はもう大丈夫だ。だから君も、どうか安らかに――
290 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/06/07(土) 01:06:41.18 ID:ARkVDyX40
乙
止まれ、マークツヴァイ。そこにはもう、誰もいない……
291 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 09:53:13.60 ID:0tz/MT/8O
乙
デカルト総士か
この世界も月にはフェストゥムのミールがあるのか?
292 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/06/08(日) 23:43:51.23 ID:67+NouYq0
ザルヴァートル艦娘とか出るんだろうか
293 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/06/10(火) 18:15:22.54 ID:JeN+xAMy0
次回予告
デケデケデッ デケデケデッ デデッ
デンデケデケデケ デーンデーンデッ
残された戦力を使い、フェストゥムの悪意に終止符を打とうとする皆城総士
どうせ誰もいなくなる中で、吹雪と夕張が、そして天龍までが戦火に散っていく
戦いの終局に、総士は艦娘達の魂を連れ、竜宮島の扉を叩くが…
機動艦娘ゴウバイン 最終話、『ナカ・チャン』
人は、運営の悪意に逆らえるのか?
294 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/06/10(火) 18:58:18.06 ID:aOX3ya1RO
失望しました、那珂ちゃんのファン辞めます
296 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/11(水) 21:04:08.14 ID:fq+P8Ok2O
アイドルになりたいって言ったせいで洗濯室で働けって言われた那珂ちゃんが管制室に立てこもる話かな?
297 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/11(水) 21:17:11.12 ID:NRMiQbzq0
―――――――――
~工廠~
総士「少しいいか?」
妖精「!」
総士「君達はファフナーの武器を作れるようだが、この世界にファフナーは存在するのか?」
妖精「~~?」キョトン
総士「分からないのか?でも彼女達が持っている武器とは明らかに違う作りだ。ではファフナーが何なのかは知っているか?」
妖精「~~???」フルフル
総士「そうか……」
夕張「提督、何してるんですか?」
総士「いや、ちょっと話を」
298 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/11(水) 21:48:53.19 ID:NRMiQbzq0
夕張「うーん、この子達の技術力は確かに疑問にも感じますけどねぇ」
総士「もしかしたらもっと大きな艦隊を作れるかもしれない。今までより資源を多く使ってみて一度試してみたい」
夕張「大きな艦隊、ですか?」
総士(まさかとは思うが、これでファフナーが作れたりなんて事が……)
金剛「英国で生まれた帰国子女の金剛デース!よろしくお願いしマース!」
夕張「あら、戦艦クラスみたいですよ提督!」
総士「……」ジー
金剛「ホワッツ?」
総士(……そう簡単なものじゃない、か)
299 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/11(水) 22:01:45.21 ID:NRMiQbzq0
夕張「でも提督が言ってた大きい艦隊というのは……」ジー
金剛「ふ、二人してどうしたんデスカ?」オロオロ
夕張「ま、まさか!」
総士「どうした」
夕張「大きい艦隊って、む、胸の話ですか!?」
総士「な、何を言って……」
金剛「Wow!提督ったらそんな目で私の事を見てたんデスネ///」ボイン
夕張「悪かったですね!私が胸部甲板の薄い構造で!」チマー
総士「誤解だ!僕は君達をそんな目で……」
夕張「天龍と最近妙に仲がよかったのもそれが理由だったんですね!提督のスケベ!もう知らない!」ダダダ
総士「ま、待て夕張!話を……」
ワタシダッテ、イツカメロンミタイニナッテヤルー!
総士(……不器用とは言われるが、これも僕が悪いのか?)
300 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/11(水) 22:15:47.02 ID:lk/gaWRwO
実はムッツリだしな。
思春期だからしょうがないけど
301 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/11(水) 22:28:48.81 ID:NRMiQbzq0
金剛「あなたが提督デスネ?私を生んでくれてありがとうございマス!お礼に紅茶はどうデスカ?」
総士「……」
金剛「まずは落ち着いて、それから事情を説明してはどうデスカ?」
総士「そんなものか?」
金剛「ハイ!」
総士(図らずとも、君にも原因があるんだがな……)
―――――――――
~執務室~
金剛「英国仕込みの紅茶デス、味には自信がありマスヨー」コトッ
総士「すまない……」ズズー
金剛「どうデスカ?」
総士(そもそも英国がどんな所かも知らないから違いと言われてもな……)
総士「おいしいぞ」
金剛「ふふ、そうでしょう?」
302 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/11(水) 22:42:10.66 ID:NRMiQbzq0
金剛「ところで提督、さっきの話なんですケド」
総士「?」
金剛「提督って、大きい方が好きなんデスカ?」
総士「だからそれは別の話であって……」ズズー
金剛「……場所と時間を弁えるなら、触ってもいいデスヨ?」
総士「!?」ブホッ
金剛「だ、大丈夫デスカ提督!?」
総士「君は一体何を言って……熱!」
金剛「何か拭くものをお持ちしマス!」
303 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/11(水) 23:00:45.22 ID:NRMiQbzq0
~少し前・執務室前~
夕張「あの時は何か色々動転しちゃったけど、冷静に考えればあの提督がそんな考えで私達を作るなんて考えられないよね」
夕張「思い出すと恥ずかしくなってきた……提督に謝らなきゃ」
トコロデテイトク、サッキノハナシナンデスケド
夕張(金剛さんの声?どうして提督の部屋に……)
「……場所と時間を弁えるなら、触ってもいいデスヨ?」
夕張「!?」
夕張(い、今……触るって……!?)ガタガタ
304 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/11(水) 23:19:59.54 ID:NRMiQbzq0
吹雪「今日も秘書艦として頑張るぞー!って、夕張さん?」
夕張「あ、吹雪ちゃん!今入っちゃダメ!」
吹雪「どうしたんですか?中で何かあったんですか?」
夕張「提督なら今部屋を出たところでここにはいないから……」
ガチャッ
金剛「あ!」
夕張「わっ、見つかった!」
吹雪「初めて見る人ですね。何て名前ですか?」
金剛「あの、拭くものってどこにありますか!?提督が紅茶こぼしちゃったんデス!」
夕張「え?えっと……」
夕張「」
310 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/11(水) 23:41:11.47 ID:NRMiQbzq0
―――――――――
~執務室~
総士「……だから、これは只の勘違いだ。だが説明が不十分だった僕にも非はある、それはすまなかった」
金剛「な、何も提督が謝る事ないデスヨー!」
夕張「そうですよ!勝手に勘違いしたのは私の方ですし!」
吹雪(胸かぁ……私も大きくなれるかな)チンマリ
総士「それよりも、金剛の紹介がまだだろ。皆を呼ぶぞ」
吹雪「はい!」
金剛「皆、これからもよろしくネー!」
天龍「戦艦型かぁ、でも最強の座は渡さねぇぞ?」
扶桑「私達と同じ戦艦ですよ、山城」
山城「何でだろ、数少ない戦艦なのに私達の出番がより一層減るような気がする……」
こうして何とか誤解は解けた。僕も少しは人との付き合い方というのを学ぶべきだな
316 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/12(木) 00:11:32.78 ID:Ru8j/G3y0
総士(こんな浮ついた話をするのも久しぶりな気がする)
僕は竜宮島を守る使命を受けて生まれた。だから何事も島を守る事を優先していた、それが僕の役目だから
大人達に囲まれ戦い続ける日々を過ごす内に、歳相応の振る舞いを忘れていたのかもしれない
総士(君の事をこうして振り返る日が来るなんてな)
でも、僕が僕でいられる時はいつも君がいた。君にだけは何もかもを話せた
だから君がいなくなった時、本当は泣き出したかった。僕の心の拠り所である君の死は、僕にはあまりにも大きかった
それからだろうか、僕は自分の本音をあまり話さなくなったのは
318 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/12(木) 00:26:10.31 ID:Ru8j/G3y0
信頼を取り戻した友にさえ、僕の本心を全て伝える事は出来なかった
僕がたった一つ抱いていた、幼くてとてもありふれた感情……
総士(相談すべきだっただろうか……)
僕が今こうして彼女達に囲まれているのにも、何か意味があるのかもしれない
雷「天龍のってすごいおっきいよねー、どうしたらそんなになるの?」モミモミ
天龍「こら、何しやがる!」
戦い続きで忘れていたが改めて思うと、この環境は僕にとって色々苦労しそうだ――
319 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/12(木) 00:33:27.62 ID:Ru8j/G3y0
―――――――――
~深夜・工廠~
夕張「ねぇ、胸部甲板を厚くする改修って出来ない?」
妖精「……」フルフル
夕張「うーん、同じ軽巡なのにどうして天龍とこうも差があるのよ……」ペタペタ
妖精「!」サッ
夕張「メロンが二つ……」
夕張「すごい!これなら提督もビックリするわ!」ボインボイン
妖精「~~!」パチパチ
夕張「……虚しい」
321 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/06/12(木) 00:44:11.38 ID:4v1a/Koo0
乙
とりあえずシナジェティックスーツはエロいと思う
323 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/12(木) 00:54:42.16 ID:AcCFyzISO
乙(姫)
艦娘で乙姫に近いのは誰だろう…
325 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/06/12(木) 14:54:00.87 ID:FX7Piz210
乙
EXODUSが待ち遠しい
327 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/06/15(日) 00:23:22.22 ID:rJc2eYM+0
総士がこんなことしてる間に一騎はFortuneな心理状態で待ってんだよなあ
328 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/15(日) 00:24:32.48 ID:aC6LpdYO0
あっちもこっちもハーレムみたいなもんなんだからかまへんかまへん
330 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/15(日) 10:59:32.59 ID:+nfHVOqAO
こんなファフナーのクロスがあったのか。珍しいな。
331 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/06/15(日) 15:48:32.15 ID:Nshbki2+0
(名無しのスフィンクス型が核の炎から必死に総士を庇う音)
333 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/17(火) 18:37:03.88 ID:0L+YLhncO
お前は…そこにいるのか?
334 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/17(火) 18:38:37.06 ID:27XZVnOro
帰還しろマークツヴァイ……そこには
335 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/17(火) 18:48:50.49 ID:gMr6ikCV0
―――――――――
~港~
ヲ級「……」
総士「何を見ている」
ヲ級「ソラ」
総士「空?」
ヲ級「ソラハ……ナゼコンナニモアオイ」
ヲ級「コレガ、“ウツクシイ”トイウコトカ?」
総士「……そう感じたのか」
ヲ級「ワタシガ、ソウニンシキシタ?」
総士「……」
336 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/17(火) 19:36:05.80 ID:gMr6ikCV0
総士「単刀直入に聞こう、お前達のミールはどこにある?」
ヲ級「ミール?」
総士「知らない筈はない、お前達がフェストゥムとして存在させた核だ。これまでの行動も、全てミールから情報を送られていたんだろう」
ヲ級「……」
総士「話すつもりはない、か」
ヲ級「……イマハ、ナニモキコエナイ」
ヲ級「ワタシガ“ワレワレ”ダッタトキハ、イツモソレガキコエテイタ」
ヲ級「デモイマハ、モウキコエナイ」
総士(ミールとの接続が絶たれた?つまりは個体として生きる道を得たという証?)
338 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/17(火) 19:57:57.32 ID:gMr6ikCV0
ヲ級「ワタシハ……ヒトリナノカ?」
総士「……あぁ、お前は一人だ。お前はここにしかいない」
ヲ級「コレカラドウスレバイイ?」
総士「生きる目的が分からないなら、探してみるか?彼女達と」
ヲ級「サガス……カンムスタチト?」
総士「そうだ」
ヲ級「……」
339 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/17(火) 20:25:13.42 ID:gMr6ikCV0
―――――――――
【編成】
金剛(旗艦)
扶桑
山城
赤城
羽黒
夕張
金剛「バーニング・ラァァーーーーヴ!!」
ズドォォォォォォォォォォォォォォン!!
金剛「さぁ、まだまだ行くヨ!」
羽黒「金剛さんって昔もかなり大活躍してたって聞いてます」
夕張「にしても気合の入りようが違うわね」
山城「……比べられた気がした」
340 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/17(火) 21:02:38.55 ID:gMr6ikCV0
【戦闘結果:勝利】
金剛(旗艦)
扶桑
山城
赤城・・・小破
羽黒
夕張
【MVP:金剛】
金剛「提督、見ててくれた?これからも目を離しちゃノーだからネ!」
総士『あぁ、君の活躍は見事だ。ただ……その、戦闘中にまで僕を気にかける必要はないと思うぞ』
金剛「What!?どうしてそれを……///」
羽黒「何を慌ててるんでしょう?」
夕張「さぁ?」
341 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/17(火) 21:06:16.33 ID:27XZVnOro
そうだよなぁクロッシング中は筒抜けだよな……
342 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/17(火) 21:34:29.82 ID:gMr6ikCV0
―――――――――
~鎮守府~
吹雪「皆さんお疲れ様です。負傷した赤城さんは先にドックへ向かって下さい」
赤城「では私はお先に失礼しますね」
夕張(赤城さん、風呂長いのよねぇ)
金剛「わ、私も失礼しマス!」ダッ
羽黒「そういえば司令官さんは?」
吹雪「司令官は今港で例の深海棲艦と話をしています」
夕張「何の話だろう?」
343 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/17(火) 21:56:48.14 ID:gMr6ikCV0
―――――――――
~港~
総士「また空を見ているのか」
ヲ級「……」
総士「深海棲艦は元々艦娘だったと聞いているが」
ヲ級「……ソンナキガスル」
ヲ級「ワタシガカツテナントヨバレテイタノカモ、イマデハオモイダセナイ」
ヲ級「タダ、エイエンニツヅククルシミカラノガレタカッタ……ノカモシレナイ」
総士「でも君は、再び存在を選んだ。そうだろ?」
ヲ級「……」
総士「なら、君は君として存在すればいい。艦娘だった自分は忘れて、今ここにいる君でいればいい」
ヲ級「……」
344 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/17(火) 22:20:57.38 ID:gMr6ikCV0
総士「そうなると君に名前が必要だな」
ヲ級「……ヲキュウ、イツカソウヨバレタ」
総士「ヲ級、それが君の名前か。僕は皆城総士、この鎮守府の提督を務めている」
ヲ級「ソウシ……」
総士「いつまでも君をこんなところに置いておく訳にもいかない。鎮守府へ、君の帰る場所へ案内しよう」
――艦娘だった自分は忘れて、今ここにいる君でいればいい。僕が彼女に向けた言葉が胸に残る
僕も、いずれはあそこへ帰る。僕を待ってくれている者達のもとへ
だが、嘗ての自分を忘れ、ここにいる自分を受け入れる道もあるんじゃないか?
そう問われているような気がして――
352 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/21(土) 21:36:58.41 ID:G+HEtr2O0
―――――――――
~鎮守府~
天龍「おい!それ本気で言ってんのかよ!?」
総士「あぁ、鎮守府で彼女の面倒を見る事にする」
ヲ級「……」
吹雪「どうして、ですか?」
総士「昔、似たような存在に出会った事がある。もしかしたらこの戦いの終結に繋がる何かを秘めているかもしれない」
弥生「でも……納得しない人達もいる」
総士「分かっている、だから僕が責任を持って管理する。部屋も執務室にするつもりだ」
金剛「でも提督の身に万が一の事があったら……」
総士「心配ない、僕なら大丈夫だ」
夕張「その根拠は?」
総士「……彼女がここにいるから」
353 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/21(土) 22:00:12.73 ID:G+HEtr2O0
天龍「ホントに大丈夫かよ、コイツは龍田を殺した奴らの仲間だぞ?」ギロッ
ヲ級「……」
総士「確かにそうだ、だが奴らは個としての存在を望まない。そして彼女は存在を得ようとしている」
総士「君達艦船が艦娘として生まれ変わったように、彼女もまた生まれ変わろうとしているんだ」
弥生「生まれ変わる……」
天龍「チッ、分かったよ。なるべく俺の視界に入れないでくれよな」
総士「ありがとう天龍」
ヲ級「……ヲ級、ソウ、ヨバレテイタ」
総士「そうか、お前はヲ級という名前なのか」
ヲ級「チガウノカモシレナイ。デモ、ソウヨバレテイタ」
総士「僕は皆城総士だ。名前は自分という存在の証になる、大事にするんだ」
ヲ級「ワカッタ。ナマエ、ダイジニスル……ソウシ」
金剛(名前呼び、しかも下の名でなんて……私でもした事ないのニ!)
354 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/21(土) 22:19:25.08 ID:G+HEtr2O0
―――――――――
~翌日・オリョール海域~
【編成】
吹雪(旗艦)
弥生
天龍
夕張
羽黒
168
168「……」
吹雪「どうしました?元気ないみたいですが……」
168「あ、ううん!大丈夫!気にしないで!」
吹雪「?」
355 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/21(土) 22:56:08.33 ID:G+HEtr2O0
総士『168、どうした』
168「大丈夫ですよ司令官!早く先へ進まないと!」
総士『大丈夫なら何故怯えている』
168「……」
総士『この場所を知っているのか?』
168「知っているというか……初めて来た感じがしないのよ。何でか知らないけど、すごく居心地が悪いの」
総士『艦船の時の記憶か?』
168「多分違う。でも、ここが嫌な場所だってのは本当よ」
総士『……』
ザパァーーーーーン!!
天龍「来やがったな!」
吹雪「総員、戦闘配備!」
総士『話は後だ、今は目の前の敵に集中しろ!』
168「う、うん!」
356 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/21(土) 23:15:34.91 ID:G+HEtr2O0
ドドドドドド!!
168「うぅー!やっぱり私ばっかり狙われてるー!」
総士『敵は168に気を取られている、今だ!』
羽黒「はい!」
ドゴーーーン!
168「あうぅっ!」
【168・大破】
駆逐スフ「アナタハ、ソコニイマスカ?」
168「こ、来ないでよーー!」
吹雪「させません!」
357 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/21(土) 23:38:43.99 ID:G+HEtr2O0
―――――――――
~鎮守府~
168「はぁ……」
総士「168、入渠していたんじゃないのか?」
168「ちゃんと行ったわよ、だから傷も元通りでしょ?」
総士「そんなに早いものなのか」
168「そう、ただでさえ狙われやすいのに元々耐久ないからすぐボロボロになるし、でもすぐに直るの」
168「きっと、168は“昔”も同じ事を経験してる」
168「特にあのオリョール海域……きっとあそこは“昔”の168が一番辛い思いをした場所なんだと思う」
総士「……艦娘の記憶は、以前の艦娘の記憶まで受け継ぐのか」
168「誰がいたとかその時の心境までは覚えてないよ。ホントにただ、そんな気がするだけ」
総士「……」
359 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/21(土) 23:57:13.43 ID:G+HEtr2O0
168「司令官も“今”の168をそんな風に使おうと思ってる?」
総士「……君のその能力は多くの仲間の命を救える力だ」
総士「だが、それによって君が不幸になるというのなら、戦場から降りてもいい」
総士「戦うに相応しくない者が出ても、それは新たな不幸を招く原因になる」
168「……」
総士「僕は、一人でも多くの命を生かす事を信条に戦っている」
総士「だから君を酷使するような事はしないと約束しよう」
168「……ありがと、司令官」
総士(少しは気の利く事を言えただろうか)
168「うん、その言葉を聞いて安心した!これからも168頑張るからね!」
総士「……」フッ
367 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/26(木) 21:35:38.37 ID:zkQlXIa+0
―――――――――
……――!
誰かが、呼んでいる
――!……―……!
僕を、呼んでいる
応えたいのに、苦しくて声が出ない
……―…――!!
僕を呼ぶのは、誰だ?
もしかして、お前なのか?――
369 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/26(木) 21:46:20.49 ID:zkQlXIa+0
―――――――――
~執務室~
吹雪「――司令官!起きて下さい!」
総士「……!」ハッ
ヲ級「メザメタ」
吹雪「よかった……幾ら呼んでも起きないから心配しました」
総士「僕は一体……」
総士(そうだ、昨日徹夜で書類をまとめていて、そのまま寝てしまったのか)
総士「っ!」ズキッ
吹雪「司令官!?」
総士「大丈夫だ、それより今は何時だ?」
吹雪「現在午前11時です」
総士「寝過ごしたか」
370 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/26(木) 22:21:07.61 ID:zkQlXIa+0
吹雪「体調が優れないようでしたら今日はお休みになられた方が……」
総士「大丈夫だ、それより昨日指定した者達は遠征に行ったのか?」
吹雪「はい、予定ですとあと3時間後の午後2時に帰還します」
総士「そうか……」フゥ
ヲ級「ヘンダゾ」
総士「まさか、僕を気遣っているのか?」
ヲ級「イツモトチガウ、ソウカンジタダケ」
総士「……」
吹雪「そうですよ、今日はしっかり休んでください。事務関係は私がやってきますので」
総士「……少し横になる」
吹雪「……」
372 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/26(木) 22:45:10.43 ID:zkQlXIa+0
―――――――――
~遠征海域~
【編成】
天龍
弥生
電
雷
響
暁
電「今日もいっぱい頑張るのです!」
雷「司令官の為に成果を上げるよー!」
天龍「相変わらず張りきってんなー」
弥生「天龍さん……やる気、出さなきゃ」
天龍「そうは言ってもよー、俺に遠足なんて性に合わねぇんだよなー」
373 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/26(木) 23:05:52.84 ID:zkQlXIa+0
弥生「でも任されたというのは……頼られてる証拠」
天龍「どうせ頼ってくれるなら戦わせてほしいぜ」
弥生「天龍さんは、戦い以外にも優れてる面がある……だから遠征にだって行ける」
天龍「そ、そうか?」
弥生「きっと司令官も、天龍さんを一番頼りにしてる」
天龍「そ、そりゃあ当然だ!俺が一番強いからな、どんな事でもそつなくこなしてみせるっての!」ハハハ
暁「天龍も早く手伝ってよー」
天龍「おう、任せとけ!」
響「いつになくやる気だね」
弥生(上手くいったようです、司令官……)
374 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/26(木) 23:25:44.55 ID:zkQlXIa+0
電「お仕事完了なのです、では帰るのです!」
雷「遠征は帰るまでが遠征なんだよ電ー」
天龍「……ちょっと待て」
暁「?」
弥生「……敵が、来る!」
ドドドドドドドドドドドド
軽巡スフ「ソコニイマスカ……」
軽母「……」
天龍「チッ、これから帰るとこだってのによー。いつものアレ頼むぜ提督!」
響「……?」
天龍「おい、提督?」
375 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/26(木) 23:34:24.56 ID:zkQlXIa+0
―――――――――
~執務室~
吹雪「司令官!遠征に行った艦隊が敵と遭遇しました!」
総士「な……に?」
吹雪「ど、どうしましょう!?」
総士「すぐジークフリードに向か……っ!!」ズキンッ
吹雪「司令官!」
総士(くっ、こんな時にフラッシュバックが!)ガクッ
ヲ級「……」
吹雪(どうしようどうしよう……司令官がいないと戦えないし、でも司令官は今……)オロオロ
ヲ級「バショハドコダ?」
吹雪「え?」
ヲ級「ワタシガタタカウ。ソレガイマデキルサイゼンノホウホウダトオモウ」
吹雪「ヲ級さん……」
総士「行って……くれるのか?」ハァハァ
ヲ級「……」コクッ
377 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/26(木) 23:42:56.54 ID:kIvKLUgY0
乙
次回、自-をきゅう-我
379 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/06/27(金) 01:25:26.29 ID:7tnCHUOJ0
乙
蒼い空が見たいよぉ!
380 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/06/27(金) 06:23:46.72 ID:q+L66pAF0
シャングリラ~♪
381 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/27(金) 08:06:29.23 ID:rGiWLlIAO
乙
このヲ級、鎮守府のミールと同化したりせんだろうな?
383 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/29(日) 22:21:15.76 ID:kUH3UzrK0
――――――――――
天龍「クソッ、チョロチョロ避けやがって!」
軽母旧ス「……アマイ」
ズドドドドドド!!
天龍「がぁっ!チクショウ、提督は何やってんだ!」
暁「た、助けてぇー!」
雷「暁!この、離しなさい!」ドンドン
軽巡スフ「アナタハ、ソコニイマスカ?」
弥生(司令官、早く返事を……!)
384 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/29(日) 22:40:51.69 ID:kUH3UzrK0
ドゴーーーン!
軽巡スフ「!」
天龍「これは、奴らの艦載機?何で味方を……」
響「あれを見て!」
ヲ級「……」
電「ヲ級さん、助けに来てくれたのですか!?」
ヲ級「ソウシハイマタタカエナイ。ダカラワタシガココニキタ」
弥生「どういう、こと?」
軽母旧ス「……」ブゥーン
ヲ級「サガレ、ワタシガアイテヲスル」
385 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/29(日) 22:45:01.70 ID:kUH3UzrK0
バババババババババ!
ブーーーーーン
軽巡スフ「アナタハ、ソコニイマスカ?」
ヲ級「マエハドコニモイナカッタ……」
ヲ級「ダガイマハ、ココニイル」
386 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/29(日) 23:10:38.26 ID:kUH3UzrK0
――――――――――
~寝室~
総士「……」スースー
金剛「提督……」
天龍「おい、大丈夫なのかよ?」
吹雪「今は落ち着いているようですが……」
雷「げ、原因はなんなの?病気とか?」オロオロ
吹雪「私にも分かりません」
天龍(あの時言ってたアレが本当なら……)
吹雪「今は私が付きっきりでやれるだけの事はやろうと思ってます。秘書艦として、少しでも役に立たないと……」
夕張「そう気負わないで、私達も手伝うからさ」
吹雪「ありがとうございます」
387 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/29(日) 23:40:05.95 ID:kUH3UzrK0
総士「……」スースー
吹雪「司令官……私は、秘書艦としてちゃんとやっていけてるんでしょうか」
吹雪「正直、今回の事で自信をなくしてしまいました」
吹雪「与えられた役割はきちんとこなしてきたつもりでしたし、何事も責任を持って取り組んできました」
吹雪「でも司令官が倒れた時、私は何も出来ませんでした。皆さんに的確な指示も出せず、ただオロオロしてました」
吹雪「情けないですよね、戦いでも秘書でも役に立てないなんて……」ジワ
吹雪「私、悔しいです……もっと強くなりたいです……」ポロポロ
総士「……」スースー
388 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/29(日) 23:54:10.90 ID:kUH3UzrK0
吹雪(……私ったらみっともないな。司令官はもっと辛いはずなのに一人で勝手に泣いて)ゴシゴシ
吹雪「手ぬぐい洗いますね」
ヲ級「……」
吹雪「ヲ級、さん」
ヲ級「ソウシトハナシテイタノカ」
吹雪「あ、いえ、その……ちょっと独り言を」ハハハ
ヲ級「……」
吹雪「ヲ級さんはすごいですね、一人で敵を倒してしまうんですから。私なんか司令官の力を借りなきゃ何も出来ないし……」
389 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/30(月) 00:03:01.77 ID:CyeVy1pZ0
ヲ級「オマエハ、イマノオマエガイヤナノカ?」
吹雪「……」
ヲ級「カワリタイノカ?“カンムス”トイウソンザイカラ」
吹雪「……強くなれるなら、皆の役に立てるなら」
ヲ級「……ナラバ、ワタシニツイテコイ」
吹雪「え?」
ヲ級「オマエナラ、“ワレワレ”ヲウケイレラレルカモシレナイナ」
吹雪「……っ」チラッ
総士「……」スースー
吹雪(すみません、司令官)
407 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/08(火) 20:33:53.82 ID:ANIt8vZk0
―――――――――
赤城「あら吹雪さん、どちらへ?」
吹雪「赤城さん。あの、えっと、ヲ級さんが海を見たいそうなので……」
赤城「そう。提督の様子は?」
吹雪「今はぐっすり眠ってます。少し離れますので代わりに看病をお任せしていいですか?」
赤城「いいですよ。それと吹雪さん」
吹雪「はい?」
赤城「貴方は秘書艦として十分働いているわ。だからそんな思い詰める事もありませんよ」
赤城「それに私達もいるんですから。問題解決の為に誰かを頼るのも秘書艦の務めですよ」
吹雪「……はい」
ヲ級「イコウ」
吹雪「では、私はこれで……」スタスタ
赤城「吹雪さん……本当に大丈夫かしら」
408 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/08(火) 21:17:04.23 ID:ANIt8vZk0
―――――――――
~寝室~
金剛「提督ー、お見舞いに来たヨー」
総士「……」スースー
金剛「ぐっすり眠ってますネ、まるで眠り姫デース」
総士「……」スースー
金剛「……」キョロキョロ
金剛「おとぎ話では、眠り姫は王子のキスで目覚めるといいマス」
金剛「だったら、その逆はどうなるんですかネ……」
総士「……」スースー
金剛「……///」ドキドキ
409 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/08(火) 21:36:00.88 ID:ANIt8vZk0
天龍「おぅ提督、生きてるかー」ピシャッ
夕張「静かに開けなさいよね」
金剛「What!?」ドキィッ
天龍「な、なんだよいたのかよ!急に大声出すなって!」
168「あ、金剛さんだ」
弥生「いつから、いたんですか」
金剛「えーっと、さ、さっき来たところダヨ?ちょっと心配で見に来ただけだからネ?」ドキドキ
天龍「ふーん」
夕張(怪しい……)
410 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/08(火) 21:59:16.94 ID:ANIt8vZk0
総士「……」スースー
天龍「まだ寝てんのかよ、呑気だなぁ」
弥生「それだけ、疲れてたんだと思う」
夕張「こういう時くらいゆっくり休ませてあげましょう」
金剛「私達に何か出来る事はないのカナ……」
天龍「極端に言えば、俺達が戦わない事だな」
168「どうして?」
天龍「だって戦いがなきゃ提督もぶっ倒れる事もないだろうし、今よりもっと気楽に過ごせるだろうよ」
天龍「そいつは同時に、俺達の存在そのものを否定する事になるがな」
168「司令官は、168達と一緒にいたくないの?」
弥生「……」
411 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/08(火) 22:05:34.25 ID:ANIt8vZk0
赤城「あら、皆さんも提督の看病に?」
夕張「ま、まぁね」
赤城「皆、提督の事を大事に思ってますのね」
天龍「え?いや、俺は単に早く戦いに行きたいから起こしに来たってだけで……」
弥生「一番最初に誘ったの……天龍さんだよね?」
夕張「もう、素直になりなさいよ」
金剛「勿論ネ!提督を一番大事にしているのは私ですからネ!」フフン
168「む、168も負けてないよ!」
総士「う……」
赤城「提督、お目覚めですか」
金剛「提督ぅ、よかったデース!」
412 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/08(火) 22:20:33.11 ID:ANIt8vZk0
総士「皆して僕を看てくれてたのか」
赤城「そうですよ、特に吹雪さんは付きっきりで提督を看病してたんですから」
天龍「何にせよ、これでやっと戦いに出れるな」
総士「……そういえば吹雪は?」
赤城「吹雪さんなら深海棲艦と海を見に行くと言って出られましたが」
総士「……見て来る」ガバッ
夕張「提督、まだ起きたばっかで……!」
総士(この胸騒ぎ、身に覚えがある!)
413 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/08(火) 22:41:17.25 ID:ANIt8vZk0
―――――――――
~港~
ヲ級「ジュンビハデキタカ」
吹雪「これから、どこへ向かうんですか?」
ヲ級「――“楽園”ダヨ」
総士「吹雪!」
吹雪「司令か……ッ!?」ガシッ
ザブーン!
総士「……何て事だ」
総士(吹雪、お前もそうなのか。お前も探しに行くのか……)
424 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/20(日) 21:13:56.67 ID:mCD66saz0
~水中~
吹雪(く、苦しい……)ゴボボ
ヲ級「モウスコシノシンボウダ」スイー
吹雪(私は、本当に強くなれるのかな……)
吹雪(もう、だめ……息が……)ゴボゴボ
425 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/20(日) 21:47:59.26 ID:mCD66saz0
―――――――――
~鎮守府~
総士「吹雪が、深海棲艦と共に鎮守府を出た」
夕張「えぇ!?そんな、どううして!?」
天龍「チッ、所詮はアイツらと同じ敵だったってのか!」ガンッ
山城「なんて不幸な子」
電「そんな、ヲ級さんが吹雪さんを……」
扶桑「でも待って、“共に鎮守府を出た”というのは?連れ去られたのではないのですか?」
総士「僕には、あれは吹雪自身が望んだ事のように見えたんだ」
雷「どういう意味よ?」
総士「僕には彼女が、何かを探しに行くように見えたんだ」
426 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/20(日) 22:14:41.23 ID:mCD66saz0
弥生「探しに行かなくて、いいんですか?」
総士「勿論捜索はする。その間の秘書艦だが……」
金剛「Hey提督!代わりの秘書艦なら私に任せるネ!」バッ
夕張「え、ちょっと待ってよ!提督、秘書艦なら経験の長い私が適任だと思います!」
天龍「秘書艦ってのは一番強え奴がなるもんだろ?だったら俺が相応しいよなぁ?」
弥生「吹雪さんと同じ駆逐艦の、弥生の方が……」
山城「お姉さま!今こそお姉さまの活躍を見ていただく絶好の機会ですよ!」
扶桑「まぁ、そうかしら……」
ワーワー
総士「赤城を臨時として秘書艦に任命する」
赤城「分かりました。よろしくお願いします、提督」
(((えぇー……)))
427 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/20(日) 22:28:14.17 ID:mCD66saz0
―――――――――
吹雪「……う」パチッ
ヲ級「メガサメタカ」
吹雪「ヲ級さん……ここは?」
ヲ級「ワレワレ“深海棲艦”ノ……ニンゲンデイウ“故郷”ダ」
吹雪「故郷……」
タ級「カンムス……カンムスガイルゾ」ジリジリ
ル級「ヲ級……オマエガツレテキタノカ」ジリジリ
チ級「エモノカ?コイツハイキガヨサソウダ」ジリジリ
吹雪「ひっ!」
ヲ級「マテ、コイツハエモノデハナイ」
428 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/20(日) 23:01:12.29 ID:mCD66saz0
チ級「チガウノカ?カンムスハワレワレヲココニシバリツケル“敵”デハナイカ」
ル級「ヤツラヲヒトリデモオオクシズメナイカギリ、ワレワレハイツマデタッテモ“カエル”コトガデキナイノダゾ」
吹雪「どういう……事?」
ヲ級「オマエハ、ワレワレガドウイウソンザイカヲシラナケレバナラナイ」
ヲ級「ワレワレガナゼ“深海棲艦”トヨバレ、オマエタチカンムスニキバヲムクノカ」
ヲ級「ソシテ、オマエタチヲオソウ“ワレワレニニタソンザイ”ノショウタイヲ……」
435 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/29(火) 21:59:18.82 ID:sGDlo5If0
―――――――――
~鎮守府~
総士「……」
赤城「心配ですか」
総士「……彼女はずっと自分の弱さを憎みながら戦っていた。艦娘としての埋めようのない性能の差に絶望していた」
総士「せめて秘書艦としての務めだけはと、そう思いながら必死について来てくれた」
総士「でも今回の事で、彼女はついに耐え切れなくなったんだ」
総士「どうすれば強くなれるのか、その答えを海の底へ求めた……」
赤城「そこまで吹雪さんの事を分かってたのですね」
総士「初めての経験じゃないからな」
赤城「?」
437 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/29(火) 22:27:43.99 ID:sGDlo5If0
総士「僕には今の彼女を強くさせるような知恵も技術も持ち合わせていない。もしかしたら無闇に探すのはよくないのかもしれない……とさえ思ってしまう」
総士「だが、吹雪の帰りを待つ者がここにはいる。彼女の独断による行動は許されたものじゃない。だから僕は吹雪を見つけ出す」
赤城「……その気持ちを直接伝えるだけでも彼女は今より強くなれると、私は思います」
雷「司令官!あ、あれ!」ガチャッ
総士「っ!あれは……フェストゥム!」
赤城「鎮守府に直接乗り込んで来た!?」
総士「第一艦隊戦闘配備!残りは鎮守府の防衛だ!」
438 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/29(火) 23:07:27.93 ID:sGDlo5If0
―――――――――
―――――
――
沈んだ艦娘はその記憶と魂を洗い流し、再び同じ艦娘として生まれ巡る
しかしその過程で、命を終えた艦娘の強い思念がそれを拒む者が現れた
仕える主との使命を果たす為、生存本能の叫び、それらが理を覆した時、深海に沈んだそれは形を変えて生まれ変わった
それが、“深海棲艦”である
439 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/29(火) 23:28:21.52 ID:sGDlo5If0
次々生まれた彼女らはただ己の望みを果たす為に鎮守府へ向かった。そう、全ての深海棲艦が同じ場所を目指していた
艦娘だった時の記憶が薄れても尚、その奥に息づく本能だけを頼りに、彼女らは帰るべき場所へ向かった
だが、そんな深海の艦隊を待ち受けていたのは……
「敵艦発見!砲雷撃戦用意!」
「また現れたな!鎮守府へは近づかせねぇぞ!」
嘗て友と称した艦娘と、その時の己自身であった
生命の循環を拒んだ彼女らは深海の魔物としての宿命を受け、生まれ変わるはずだった自身は新しい命が担っていた
その時彼女らは悟った。自分達はもうあそこへ帰れないのだと……
440 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/29(火) 23:57:41.53 ID:sGDlo5If0
何度打ち倒され、その身朽ち果てようとも、目を覚ませばまた同じ異形の獣だった
ただ遣り残した事を果たす為だったのに……もう一度あの暖かい場所へ、愛する人のもとへ帰りたかっただけなのに……
永い絶望と悲しみに暮れ、やがて彼女らは誓った。還るんだ、もう一度艦娘として。例え全て忘れ去ろうとも、還るべき場所へ
その為には今存在する艦娘を、生命の循環を奪い取る。そこにいるべきなのは自分だ
これが、艦娘と深海棲艦の果て無き戦いの連鎖である――
441 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/07/30(水) 00:19:55.65 ID:XyHRkVhN0
「や、やめてぇ!離してぇ!」
「オマエハワタシニ、ワタシハオマエニナルノダヨ」
打ち倒し、深海に引きずり込んだ艦娘の全てを奪い取った者は生命の循環を果たし、その艦娘と生まれ変わる
そして奪われた艦娘はその後深海棲艦となり、新たに艦娘を狙う……。これがこの世界の姿、新しい生命の循環
こうして長きに渡る椅子取りゲームは熾烈さを増し、終わりなき輪廻となって生きる者達を飲み込んでいった
そんなある時……
「モウ、ドコニモイタクナイ」
一人の深海棲艦が、循環からの開放を望んだ
449 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/05(火) 21:25:59.98 ID:uwDEcEnW0
幾千にも及ぶ深海の獣の中のたった一匹が、ある時願った。――ここではないどこかへ行きたいと
戦っては勝ち、そして負け、艦娘と深海棲艦を永遠に巡る環から抜け出したい。もうここにいるのに疲れた
そしてそれは現れた。蒼穹から舞い降りたのは金色に光る未知の物体。艦娘とも自分とも違う異形の塊は獣の目の前に降り立つと、透き通る声で問いかけた
「貴方は、そこにいますか?」
獣は確信した。この光こそが、自分をこの永遠から解き放ってくれる存在なのだと。この忌々しい青を荘厳なる金に塗り替えてくれるのだと
やがて獣は答えた
「ワタシハココダ。ココニイル。ダカラココデハナイドコカヘツレテイッテクレ」
約束通り、金色は獣をこの世界から連れ出した。“フェストゥム”という世界へ、あらゆる存在と溶け合った楽園へ――
450 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/05(火) 21:42:05.53 ID:uwDEcEnW0
楽園は獣を祝福した。あらゆる因果から解き放たれた獣にはもう憂いも喜びもない
より多くの存在を“フェストゥム”に……ここがそう、楽園だと伝えるのだ
艦娘にも深海棲艦にも、この祝福を――
幾年を経て一匹の海の獣は黄金に光る姫となり、全てを開放<どうか>するべく世界<フェストゥム>を広げていった――
451 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/05(火) 22:38:02.98 ID:uwDEcEnW0
―――――――――
吹雪「……」
ヲ級「リカイシタカ?ワタシタチノソンザイリユウ、オマエタチノソンザイリユウ、ソシテ“ヤツラ”ノソンザイリユウヲ」
タ級「“ヤツラ”ニヨッテオオクノナカマガノマレタ。カンムスドモハオロカ、ワタシタチスラ……」
吹雪「……」
ル級「オマエハナゼココニキタ。コノセカイヲシッテ、ワタシタチヲシッテ、ドウシタイ?ワタシタチニソノバショヲクレルノカ?」
吹雪「私は、今の弱い自分が嫌で、強くなりたくて……そしたらこの人がここへ連れて来てくれたんです」
吹雪「私は強くなりたいんです!強くなって、皆の居場所を守りたいんです!そして司令官に……認めてもらいたいんです」
タ級「ソノチカラデワタシタチヲコロスノダロウ?コレマデノヨウニ」
吹雪「それは……少し前まではそうでした。でも、あの敵は私達だけでなくあなた達の存在すら消そうとしてると知って、考えは変わりました」
吹雪「私は、鎮守府の皆と……あなた達深海棲艦の居場所を守りたいです!」
452 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/05(火) 22:51:22.22 ID:uwDEcEnW0
チ級「ワタシタチヲマモル、ダト?ワラワセルナ、ワタシタチハオマエタチガイルカギリエイエンニコノクライウミノソコダ。タオスベキテキダ」
吹雪「皆さんの気持ちは分かります……でも今はどちらもフェストゥムに狙われています。でしたら力を合わせて、この苦難を乗り切りましょう!」
吹雪「それにもしかしたら、ヲ級さんのように理解し合える事だってあるかもしれないじゃないですか」
ヲ級「……」
吹雪「もしお互いが戦わなくて済むのなら、きっと皆さんも鎮守府に帰る事だって……」
ル級「タタカウタメニウマレタオマエタチガ、ソノソンザイヲミズカラヒテイスルノカ?」
吹雪「そういうつもりで言ったんじゃ……!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
吹雪「何ですか!?」
453 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/05(火) 23:15:19.18 ID:uwDEcEnW0
戦艦リヴA「サァ、ムカエニキタゾ」
戦艦リヴB「シュクフクヲウケヨ……」
チ級「ミツカッタカ。シツコイヤツラメ」
吹雪(龍田さんを殺したフェストゥムが二体も……!)ゾクッ
ヲ級「ニゲルゾ。オマエデハアレハタオセナイ」
吹雪「でもあの人達は!」
ヲ級「スクナクトモオマエヨリハタタカエル」
吹雪「ここで逃げたら何の為にここへ来たのかわかりません!ヲ級さんはどうしてここへ連れて来たのですか!」
ヲ級「……」
吹雪「私も戦います!ヲ級さん、他の深海棲艦の皆さん、力を貸してください!」
ル級「……フフクダガ、イマハテヲカソウ」
タ級「スコシデモジャマニナルナラコロス」
吹雪「頑張ります!」
460 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/16(土) 23:03:11.36 ID:PMJ3PfCD0
―――――――――
鎮守府近辺海域
【編成】
赤城(旗艦)
金剛
扶桑
山城
羽黒
夕張
総士『深追いはするな、あくまで防衛を最優先しろ!』
赤城「はい!」
重巡スカラベ級「……」
羽黒「見た事のない敵です。まずは!」ドンッ!
バチィッ!
夕張「砲弾が、壁みたいなのに防がれて!」
総士『スカラベ型か!羽黒、横へ避けろ!』
羽黒「あ、でも……!」
461 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/16(土) 23:20:03.38 ID:PMJ3PfCD0
ドゴォォン!!
夕張「うぅ……」ボロッ
【夕張・小破】
羽黒「お姉ちゃん!どうして!」
夕張「いつかのお礼よ。それよりなんで避けなかったの?」
羽黒「だって、私が避けたら鎮守府に当たってしまうかもしれないから……」
夕張「強いのね、羽黒。さぁ、鎮守府を守るわよ!」
山城「あの敵はこちらの攻撃を跳ね返す力を持っているのね。これじゃあ倒しようがないじゃない……」
重巡スカ「……」
総士『こちらの様子を伺っているのか、動きはない。今の内に敵の頭数を減らすぞ!』
金剛「了解デース!提督、私の活躍見せてあげるネー!」
462 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/16(土) 23:52:21.87 ID:PMJ3PfCD0
―――――――――
~深海~
吹雪「くっ、当たらない……!」ドンッ!ドンッ!
ル級「ツカエナイヤツダ、ヒッコンデイロ」ドカッ
戦艦リヴA「ソンザイヲステヨ……」
ヲ級「ワタシハココニイル。ソレヲオビヤカスナラタタカウ」
ドドドドドド!!
吹雪(どうして深海棲艦の攻撃は当たるんですか。司令官がいないと、本当に何も出来ないなんて……!)ギリッ
戦艦リヴB「アキラメヨ、ナニモカモ」
吹雪「諦めて、たまりません!」ドドドド
463 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 00:34:55.04 ID:/I4237sx0
タ級「ハナセ……!」ジタバタ
戦艦リヴA「サァコチラヘ……」
バクンッ!
吹雪「そんな、強すぎる……!」
チ級「マズイゾ、コノママデハコチラガフリニナル」
ル級「コノカンムスヲオトリニスルカ」ガシッ
吹雪「え!?ちょ、ちょっと待ってください!」
ヲ級「……」ブーン
戦艦リヴA「ムッ」ドゴォーン!
ル級「オイ、ナゼコイツヲカバウヨウナマネヲスル」
ヲ級「ソウシガ、カナシムカラダ」
吹雪「司令官……」
464 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 00:45:28.34 ID:/I4237sx0
戦艦リヴB「オマエモ、ヒトツニナロウ」ユラッ
吹雪「っ!ヲ級さん!」バッ
ヲ級「……!」
バクンッ!
チ級「ヤツラモノマレタゾ!」
ル級「クッ……!」
戦艦リヴA「アトハオマエタチダ」
465 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 01:00:22.89 ID:/I4237sx0
―――――――――
~???~
吹雪「ヲ級さん……!」グググ
ヲ級「ソノテヲハナセ。ワタシタチハモウ、コノヨニハソンザイシテイナイ」
吹雪「何を言ってるんですか!私達はまだここに!」
ヲ級「コノ“虚無”ガヤツラ、フェストゥムノ“祝福”ナノダロウ。モウジキスベテキエテナクナル」
ヲ級「ソウシ……スマナイ。フブキヲソウシカラウバッテシマッテ」
吹雪「何か……方法はあるはずです!鎮守府へ帰る方法が、きっと!」
ヲ級「……」
吹雪「司令官はヲ級さんを受け入れました。そしてヲ級さんは司令官と生きる道を選びました。今まで考えもしなかった事が実現したんです!」
吹雪「だから、私は諦めたくありません……ここに、まだ私が……いる、限り!」
466 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 01:19:54.26 ID:/I4237sx0
ヲ級「……ワタシハ、オマエノヨウニナッテミタカッタ。オマエノヨウナココロヲモッテイレバ、キットセカイヲノロワズニイラレタダロウ」
吹雪「私だって、ヲ級さんのように強くて冷静な艦娘になってみたかったです。それに、その胸部装甲とかも……って、何言ってるんでしょうね、私」エヘヘ
ヲ級「ワタシハオマエニ、オマエハワタシニ、イマナラナレルカモナ」
吹雪「え?」
ヲ級「ココハフェストゥムノセカイ。アラユルソンザイガ“同化”シタセカイ。ココナラ、ソノノゾミヲカナエラレルダロウ」
吹雪「……」
音も光もない虚無が包む世界で、二人はそっと手を重ねた
フェストゥムの祝福が彼女らを永遠に取り巻くのを感じながら、目を閉じた
そして――
「ワタシハ、オマエダ。オマエハ、ワタシダ」
「私はあなたです。あなたは……」
467 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 01:21:03.46 ID:/I4237sx0
私です――
468 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 01:29:54.52 ID:/I4237sx0
――――――――――
「!?」
吹雪達を飲み込んだフェストゥムが眼前まで迫ったところでピタリと動きを止めた
「ワ……ワタ……」
やがてフェストゥムは何かに怯えるように震え、うわ言を述べ始める
「ナニガオキテイル?」
「ワカラナイ」
深海棲艦の二人も、ただ目の前の現象に首をかしげていた
469 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 01:40:44.44 ID:/I4237sx0
「ワタシハココダァァァァァァァァァァ!!」
咆哮、絶叫、慟哭、そのどれでもありどれでもない雄叫びが海の底を揺らした
その瞬間、フェストゥムの全身を水晶のような結晶が覆い尽くし、そして砕け散った
「……オマエハ!」
海中を漂う欠片の隙間から、それは見えた
・・
「私達は、ここにいますよ」
その中心に立つ彼女の瞳は、碧を湛えていた――
478 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 19:50:57.10 ID:/I4237sx0
―――――――――
電「敵砲弾、鎮守府工廠直撃なのです!」
総士『第六駆逐隊は消化に当たれ!天龍、弥生、168は資材庫を死守しつつ迎撃!』
天龍「クソッ、空から海から鬱陶しいやつらだ!」ズバァ
168「ドックの方にも敵が!」
総士『……戦力を分断する!扶桑山城で鎮守府本丸を守り、夕張と羽黒でドックの防衛!前線は金剛と赤城の二人で……』
赤城「提督、次の発艦分で艦載機が尽きます!」
金剛「ちょっと大変だけど、提督の為に頑張りマス!」
総士(防衛装置のない鎮守府では彼女らに任せるしかないが、人手が足りなさ過ぎる)
【残存敵艦】
重巡スカラベ級
空母プレアデス級
軽母旧スフィンクス級×3
軽巡スフィンクス級×3
駆逐スフィンクス級×4
479 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 20:13:41.16 ID:/I4237sx0
赤城「最後の攻撃隊、全機発艦!」
金剛「バーニング、ラァーーーーヴ!!」
ドゴォォォォン!!
駆逐スフ「……!」ゴボゴボ
軽母旧ス「ア……ナタハ…――」
赤城「これで攻撃手段はなくなりました。あとはこの身を盾に鎮守府を!」
空母プレ「……」ドバァ
総士『あの軌道、狙いはここか!』
扶桑「させません!」ドゴォン!
山城「敵航空機まで!数が多すぎる!」ドドドド
総士(防ぎきれないか……!)
ズドォォォォォォォォォォォォン!!
480 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 20:24:51.85 ID:/I4237sx0
ブツン…――……
雷「司令官!?司令官聞こえる!?」
天龍「マジかよ……」
金剛「提督!提督ゥ!!返事をしてヨ!!」
赤城「金剛さん気をしっかり!まだ戦いは続いているんです!」
重巡スカ「……」ユラ
扶桑「こちらに向かって来ます!」
山城「でも攻撃したら!」
赤城「この先は……行かせません!」バッ
ガシッ
重巡スカ「……」
赤城「提督には指一本触れさせはしません!」
481 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 20:35:12.51 ID:/I4237sx0
重巡スカ「……」ジジッ
ギリギリギリギリギリギリ
赤城「っぁあアアあぁぁあアああ!!!!」メキメキ
山城「う、腕が捻れて!」
赤城「い、一航戦の誇り……ここで失う、訳に……は……ッ!」メキメキ
扶桑「ッ!」ドンッ!
バチィ!
扶桑「うぅっ!……そんな、どうすれば……」
軽巡スフA「コウキ……」
軽巡スフB「……ウツ」
軽母旧スA「……」
暁「もう、駄目……攻撃も当たらなくなっちゃった」ガクッ
電「うぅ、ヒグッ、嫌なのです!」
天龍「クソッタレがぁ!最後まで諦めねぇぞ!」
483 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 20:44:49.08 ID:/I4237sx0
―――――――――
……――!
僕は、どうしてここにいるんだろう
この世界は、痛みと命を理解したフェストゥムの祝福なのか?
――!――…!!
この戦いそのものが、フェストゥムの葛藤の象徴とでもいうのか
お前達は僕を消したいのか……痛みを忘れたいのか……また、無へと還りたいのか……
―……―…―!
なら、何故艦娘という存在を作り、葛藤という空間を作り出した
悩んでいるのか、フェストゥム……
484 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 20:52:04.78 ID:/I4237sx0
――しれ……か…―…――
僕を呼ぶ声……彼女らの中の誰か、か
し…………かん――!
僕は、彼女達の存在の為に戦っていたんだ。艦娘という命の祝福を……守る為に
指令――かん――!
もし、ここが本当にフェストゥムの内側だとするなら……彼女らの心は、お前達の心でもある
なら僕は――
485 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 20:56:16.53 ID:/I4237sx0
「司令官!今行きます!」
この心を、消させはしない――!
486 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/17(日) 21:32:31.56 ID:/I4237sx0
敵艦隊の群を、一閃の光が貫いた
海から天へと昇るそれに導かれるように、多くのフェストゥムがその中へと溶けていった
「この光は……」
その場にいた全てがその光に魅入られていた。あのフェストゥムさえも
やがて光の線は薄れ、一つの点だけが海面に残った
「あなた……!」
「すみません、私一人が勝手な事をしたばかりに……」
その姿は誰もが知っている。だが明らかに変わっていた。碧を帯びた瞳、白と黒を基調にした制服、左手には杖のような物が握られていた
そして右手の連装砲は生物の口を思わせる装飾がなされ、腕には微かに何かが光っていた
その者はあっけに取られる艦娘達に一言謝ると、力強い声で言った
「吹雪、ただ今帰って参りました!これより戦列に参加します!」
世界がもたらした一つの答え……救世主<サルヴァートル>の誕生である――
490 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/08/17(日) 22:24:30.86 ID:1/1NsDtuo
乙
この総士は戻ってくるの信じてたから5秒待たなくてもよさそう
でも待たせた方が泣ける
491 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/08/17(日) 22:56:04.70 ID:ewxv1IrAO
馬鹿野郎!何でこんなssを書いた!言え!何でだ!!(もっと書いてください)
492 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/08/21(木) 12:25:16.01 ID:3AhBjfm9O
どうせ
みんな
轟沈する
493 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga sage]:2014/08/21(木) 14:27:36.42 ID:nSHlf9WL0
馬鹿野郎! なんでそんな事書いた、言え! 何でだ!!
502 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/08/25(月) 11:08:58.84 ID:xd8Ppz1oO
さて、椅子と机とジュースを用意しないと……
507 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/28(木) 21:31:50.82 ID:Jw/nzcCN0
吹雪「司令官、聞こえますか!?」
金剛「それが、鎮守府に空爆を受けてから通信が……」
吹雪「分かりました、私が見てきます!金剛さんは敵の進軍を食い止めて下さい!」
吹雪「赤城さん!その腕……」
赤城「吹雪さん……戻って、きてくれたのね……」ギリギリ
山城「その格好……深海棲艦なの?」ギギギ
扶桑「見た目はそう見えない事もありませんが、貴方は間違いなく吹雪さんね」ギリギリ
吹雪「離れてください!ソイツは私が!」チャキッ
赤城「貴方には他に優先するべき事が、あるでしょ?」
山城「私達はいいから、早く行きなさい!」
吹雪「……!」ダッ
508 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/28(木) 22:32:21.59 ID:Jw/nzcCN0
―――――――――
~鎮守府・ジークフリード外~
吹雪「司令官!どこですか!」
総士「……うっ」
吹雪「司令官!しっかりしてください!」
総士「……吹雪、なのか」
吹雪「無断で鎮守府を出た事を謝罪します。本当にすみませんでした」
総士「……お前が出て行った事で、皆が苦しい思いをしたんだぞ。それを、分かっているのか?」
吹雪「……」
総士「答えは、見つかったのか」
吹雪「はい。ヲ級さんと……深海棲艦の皆さんと導き出した答えです」
総士「……クロッシングを再開する。五秒待て」
509 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/28(木) 23:02:33.93 ID:Jw/nzcCN0
総士『皆、心配かけた』
金剛「提督!無事だったんですネ!」
雷「司令官!」
弥生「よかった……」
天龍「へっ、ヒヤヒヤさせやがって」
総士『吹雪が帰って来た。彼女の帰る場所はここだった。決して皆を捨てた訳じゃなかった』
総士『皆が身を呈して守ってくれたお蔭だ。だから吹雪、今度はお前が皆の思いに応える番だ』
吹雪「はい」
総士『……吹雪、僕の見ているものが見えるか』
吹雪「……はい、見えます」
総士『行くぞ!』
510 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/28(木) 23:26:11.75 ID:Jw/nzcCN0
吹雪(まずは、赤城さん達を苦しめるあのフェストゥムを!)
重巡スカ「……」
山城「ダメ!ソイツに砲撃を浴びせると……ぐぅッ!?」メキメキ
吹雪「山城さん!」
吹雪(あの黒い壁が赤城さん達の腕を……!)
吹雪「皆から、離れなさい!」ピキピキ
総士『っ!!それは……』
ドッゴォォォォォォォォ!!
重巡スカ「……!」シュー
天龍「何だよ今の……駆逐艦が持つ主砲の威力じゃねぇぞ!」
扶桑「敵が、かなり遠くへ飛ばされました」
総士『そいつは動きが遅い。今の内に他の迎撃に回れ!』
吹雪「はい!」ダッ
赤城「吹雪、さん……」
吹雪「赤城さん、待っててくれてありがとうございます」
511 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/28(木) 23:52:02.92 ID:Jw/nzcCN0
総士(まさか吹雪、お前はファフナー……マークザインになったとでもいうのか?)
『ソウシ』
総士「その声……ヲ級か」
ヲ級『ワタシトフブキハイマ、ヒトツノイノチトナッテソンザイシテイル』
総士「お前が、そうさせたのか」
ヲ級『ワタシトフブキ、タガイガタガイヲノゾンダ。フェストゥムノ“祝福”ノナカ、ソウシノモトヘカエルタメニ』
吹雪『深海棲艦も、ただ鎮守府という故郷へ帰りたかっただけなんです。例え生命の法則に逆らう事だと分かっていても、合いたい人がいたんです……』
吹雪『皆が存在しようとしている。なら、それを脅かすフェストゥムは、何としても倒さなければなりません!』
総士「……」
響『司令官、敵艦載機が来るよ!』
総士「吹雪!」
吹雪『ヲ級さん、力を貸してください』
ヲ級『ワカッタ』
512 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/29(金) 00:19:56.61 ID:ICmq+Ifs0
吹雪の目がより濃く碧に光ると、左手の杖が水晶に包まれていく。そして完全に水晶の塊となったそれを真上へ放り投げた
瞬間、杖は砕け散り、その破片一つ一つがまるで意思を持つように四方八方へ飛んでいく
「何あれ!?」
「ガラス片みたいなのが、敵機を撃墜していきます!」
夕張と羽黒はまるで魔法を見ているようだった。拳大の大きさの水晶が蜂の如く浮遊し航空機を次々貫いていく
それだけに留まらず破片はフェストゥムにも突撃し、軽母型二体の撃破にまで至った
「これであと空母型は一体!」
好機を逃すまいと吹雪は海上後方のプレアデス型へ一気に迫る。これを迎え撃つべくフェストゥムは彼女めがけて小型プレアデスを射出
「!」
あっという間に吹雪の周囲を取り囲むと、その全てが彼女の体中に取り付いた
「吹雪!」
『いや、もしかしたら……』
513 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/29(金) 00:51:41.25 ID:ICmq+Ifs0
蟻塚のような塊が赤く発光する。このまま吹雪と共に爆発するつもりだ
しかし、突如碧の結晶が赤き山を覆いつくし、そして砕け散った
『やはりお前は……』
フェストゥムが命ある者を同化する事によって“無”をもたらすなら、吹雪はフェストゥムという“無”を自分という“存在”の一部として同化させたのだ
「生きたいと願う皆の邪魔は、させません!」
彼女の目に恐怖はない。待っていてくれた者達への感謝、そんな皆に報いたいという決意が、吹雪の進撃を後押しする
それに呼応するかのように、上空の水晶片がプレアデス級の全身を穿った
フェストゥムは何かを訴えようと口を動かすが、それが伝わる事はなく、虚無へと消えて行った
(ムチャヲスル)
「皆頑張ってるんです、これくらい……」
破片が吹雪の左手に集まると、また元の杖に戻った
「あと、もう一息です」
暁の水平線を背に、彼女は今一度鎮守府へ駆ける。勝利を刻むその為に
526 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/09/17(水) 22:57:16.81 ID:Hs3YfZKm0
「これで、最後だ!」
天龍が放つルガーランスの雷撃が軽巡型フェストゥムのコアを貫く。風穴の空いたそれは動きを止め、黒球の中へ消滅した
「これで片付いたか」
「うん、海中にも特に敵の確認はなかったよ」
浮上してきた168も、持ち場の守護を果たしたと胸を撫で下ろした
「にしてもすごいね。吹雪一人で殆ど倒しちゃったよ」
気が付けば、鎮守府を囲んでいたフェストゥムの群はもういなかった。その多くは吹雪の放った水晶の礫で撃破された
第六駆逐隊の懸命な消化活動によって工廠の火災も鎮火しつつあった
絶望的だった状況が、彼女の帰還によって覆ったのだ
「……まだ安心するのは早いよ」
弥生は鎮守府の正面に佇む一体のフェストゥムを睨み付ける
527 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/09/17(水) 23:26:23.21 ID:Hs3YfZKm0
「あぁ、あとはアイツだけだな。でもどうやって……」
「攻撃が弾かれるんじゃ手の打ちようがないじゃない」
「弾くことすら出来ないくらいの火力で押し切っちまえばいいんじゃねぇか?」
「そんな単純に行くものなの?」
「コイツを正面からブチかませば……」
天龍は手に持つルガーランスを見つめる。総合的な戦力でいえば戦艦の金剛や扶桑姉妹の方が優れている。しかしルガーランスから放たれる電磁砲の直線火力の一点では天龍に勝る部分があった
現状、得物に刀剣を使っていた天龍のみが扱える武器となっている。そして彼女の性格上、打って出ようとするのは誰からも明白であった
しかし……
『天龍、お前は行くな』
皆城総士が、天龍の思いを制止した
528 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/09/17(水) 23:46:00.30 ID:Hs3YfZKm0
「何でだよ!アイツに攻撃が通るかもしれねぇのはコイツだけだろ?」
『そうだ。ルガーランスを一番使いこなせるのはお前だ。そして今最も高火力を出せるのもそれしかない』
「じゃあ何で……」
総士は少し間を開けて言う
『吹雪と協力して奴を討つ。今の彼女は手に持った武器の火力を底上げすることが出来る。その力を利用して一撃で倒す!だから吹雪が戻って来るまで待て』
「……そうかよ、分かった。信じてるぜ提督」
ため息をつきつつも、その言葉から総士への信頼を168と弥生は感じていた
「意外と素直じゃない。もっとごねると思ってたけど」
「素直なのは……いい事だと思う」
「う、うるせぇな!俺もそこまで馬鹿じゃねぇよ!」
529 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/09/18(木) 00:30:24.36 ID:p2yj1lvZ0
―――――――――
赤城、扶桑、山城の三人はジリジリと迫るスカラベ型をただ見ていた
「赤城さん、貴方はもう下がっていてください」
「ここは皆の帰る場所です。例え身を呈してでも、守らなければなりません……」
「でも進んで犠牲になるような事は提督が許さないんじゃない?」
「……」
両腕を捻られ、弓を持つ事すら出来なくなった己の無力さを赤城は噛み締めていた
今にも泣き出しそうな表情は痛みから来るものではないのは分かりきっている。戦う使命を持って生まれた彼女が、今戦わねばならない時にそれを果たせない。存在意義を失ったも同然なのだ
「提督の話を聞いたでしょう?吹雪さんが来るまで休んでてください。いざとなれば私と山城で食い止めますから」
「そうよ、少しくらい私達にも活躍させなさい」
「……すみません」
536 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/09/24(水) 20:54:53.55 ID:w7en6UHR0
吹雪は鎮守府へ急ぐ。彼女の帰る場所を侵そうと迫る敵を倒す為に
「あとはあの一体だけ……」
すれ違い様にフェストゥムを睨む。それから殺気や覇気といった類のものは感じなかった
(鎮守府は、私が守ってみせる!)
「お待たせしました!」
予定地点に到着すると、負傷中の赤城と扶桑姉妹の他に天龍もいた
「よぉ。随分雰囲気が変わったじゃねぇか。それにスゲー強くなったみたいだし」
「貴方、本当に艦娘なの?なんていうか、全く違う何かになったような……」
「私の中にはヲ級さんもいますから。私一人の力ではここまで出来ませんよ」
「え?」
吹雪の一言に皆が一瞬動揺した。しかし赤城は彼女にこう答える
「それでも、今ここにいる貴方は吹雪さんじゃない。助けに来てくれてありがとう」
「赤城さん……」
537 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/09/24(水) 21:12:22.99 ID:w7en6UHR0
『吹雪、天龍、指定の位置についたか』
「司令官!私はどうすれば……」
『天龍、ルガーランスを吹雪に持たせてみろ』
「こうか?」
吹雪の背中へ回り、彼女の両手を取って雷撃槍の柄を持たせる
『吹雪、その状態であのフェストゥムに砲撃した時を思い出せ』
「は、はい!」
そっと目を閉じ、集中する。自分は艦娘という兵器である。今掴んでいる槍すら自分の一部であり、手足となって、全てを守る――
「な、なんだこりゃ!?」
碧に光る水晶が二人の手もろとも柄を覆い尽くした
538 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/09/24(水) 22:02:21.57 ID:w7en6UHR0
『それが吹雪の新しい力だ。自分自身を武器と同化する事で本来以上の力を発揮できる。天龍が普段使うものの何倍にもなるだろう』
「同化、か……」
ふと頭によぎった言葉を飲み込む天龍。分かっている、彼女はあそこにいる奴とは違う、自分と同じ艦娘だ
『あのフェストゥムは半端な攻撃では倒せない。この一撃で決着をつけるぞ!』
「はい!天龍さん、お願いします!」
「おぅ!ブチかますぜぇ!」
ルガーランスの砲身に電気が纏う。本来の出力より遥かに大きな光が収束し、そして――
ゴバアァァァァァァァ!!
巨大な光の橋が、フェストゥムを飲み込んだ
539 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/09/24(水) 22:29:24.05 ID:w7en6UHR0
「くぅっ!!」
「うおぉ!?」
想像以上の威力による反動が二人を襲う。その大きすぎる力に制御が難しく、射程がずれそうになるのを必死に堪える
(なんて威力だよ!こんなの俺と吹雪で支えきれるもんじゃねぇ……!)
『フェストゥムを押し返している!もう一息だ!』
フェストゥムは光の束を黒い正方形状の盾でかろうじて凌いでいるも、徐々に押されていっていた
あと一歩のところまで追い詰めている。これを倒せば、鎮守府を守りきれる
(もう少し……堪えて!)
「二人とも、頑張ってください!」
「赤城さん……!」
赤城が、のけぞる天龍を後から抱くようにして支える
「そんな体で危ねぇぞ!」
「二人だけに戦わせたりは、しません。ここには私がいます、私だけじゃない……」
赤城に続けと、扶桑、山城、それに他の艦娘達も次々と集まる
540 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/09/24(水) 23:01:15.77 ID:w7en6UHR0
「never give up!私達が付いてるヨ!」
「皆で鎮守府を守るのです!」
「天龍!吹雪!もっと根性出しなさい!」
「皆さん……」
全ての艦娘達が二人の背中を支える。思いの力が、生きる力が、揺れる光の柱を真っ直ぐに伸ばした
(――ナンドデモエラベ。ココニイルコトヲ、エラビツヅケロ)
これは希望の架橋、明日へ続く道だ。ここにいる事を選んだ者達の、存在の証――
「「ここから……出て行けえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」
互いを遮る黒き虚無は砕け、フェストゥムは大いなるsein<存在>の中へと溶けていった――
541 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/09/24(水) 23:32:21.31 ID:w7en6UHR0
―――――――――
『……フェストゥムの反応は消えた。皆、よくやった』
「やった……やったぁ!!」
星が輝く夜空に歓喜の声が響き渡った。あるものは抱き合い、あるものは涙し、あるものはそこかしこをはしゃぎ回っている
「もう立ち上がる力も湧いてこないです」
「あぁ、ヘトヘトだ」
先の戦いで力を使いきった吹雪と天龍は仰向けで空を見上げていた
「終わったんですね……」
「あぁ、俺達は勝ったんだ。明日もここにいられるんだよ。でも鎮守府がボロボロになったから修理が先かー」
「私は……司令官の説教が待ってるでしょうね」
苦笑いを浮かべながら、ここまでの道程に思いを馳せる
(ヲ級さん。私はこれからもここで頑張ります。いつか平和になった時、深海棲艦の皆とも語り合えるような日が来るまで――)
550 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/10/15(水) 22:19:32.49 ID:Amk8Asra0
―――――――――
あの戦いから二週間、破壊された鎮守府の復興作業も一段落し、暫しの安息が訪れた
彼女達“艦娘”について分からない事はまだ多い。この前の戦いで更に不明な点が増えたとも言える
しかし、いざ接してみると中身は僕が知る人間のそれと殆ど変わらない。嬉しければ笑い、理不尽には怒り、悲しければ涙を流す
もしかしたら提督と呼ばれる僕の方が、この世界にとって異質な存在なのかもしれない
……ここに来て随分経った。なのにここがどこなのかも、皆のもとへ帰る手段も未だ掴めないままでいる。僕はこの現状に時々焦りを感じている
このまま帰れなくなるのではという不安。そしてそれ以上に――
コンコンコン
吹雪「し、失礼します……」ガチャ
総士「来たか、吹雪」
551 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/10/15(水) 22:46:42.61 ID:Amk8Asra0
総士「まずは座ってくれ」
吹雪「は、はい」
総士「戦いに復興作業と忙しなかったが、ようやく時間が出来たな。今日は簡単には帰さないぞ」
吹雪(うぅ、やっぱりあの時勝手に出て行った事、根に持ってたんですね……)
総士「飲み物を用意する、待っていろ」
吹雪(いつもより表情が険しいような……あーどうしようー!)ブルブル
総士(大丈夫だ、この日の為に何度もシミュレートしてきたんだ。今度こそ不器用とは言わせないぞ)
総士「さぁ、話をしようか」
吹雪「は、はいっ」
552 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/10/15(水) 23:36:13.73 ID:Amk8Asra0
―――――――――
~司令室前~
天龍「あれー?何も聞こえねぇなー」
夕張「何やってるのよ扉の前で」
天龍「シッ!提督に気づかれるだろ!」
夕張「……盗み聞きはよくないわよ」
天龍「何だよ、お前だって盗み聞きの一つくらいやったことあんだろ」
夕張(ギクッ)
天龍「それに気にならねぇか?吹雪があんなに強くなった理由」
夕張「それはちょっと、気になるかも」
天龍「俺の勘では絶対何か知ってる筈だぜ。何日も前からアイツを見てブツブツ言ってたんだ、間違いない」
夕張「……こ、今回は見逃してあげるんだから!」
553 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/10/15(水) 23:57:12.25 ID:Amk8Asra0
総士「……」
吹雪「……」
総士(おかしい、反応がよくないぞ。何故そんな気まずそうな顔をするんだ)
吹雪(何だかいつもの司令官じゃない。何て言うか、畳み掛けるように話し掛けて来て、何だか怖い……)
総士(とにかく、これ以上の沈黙は場の空気をより重くするだけだ!何か話題を)
吹雪(そ、そうだ!何でもない話でいいから雰囲気を変えて)
総・吹「「あの」」
吹雪「あ、すみません。司令官の方からどうぞ」
総士「気にするな、そっちから話すといい」
吹雪「はい、えっと……」
総士「……」
総・吹((不器用……か))
554 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/10/16(木) 00:44:24.27 ID:ShIBnZhT0
吹雪「あの、司令官は……今の私を見て、どう思いますか?」
総士「……初めは戸惑った。お前のその力は艦娘としての枠組みを遥かに越えていた」
総士「だが同時に、懐かしさも感じた。お前と同じような事をした奴を、僕は知っている」
吹雪「その人も、答えを探しに?」
総士「あぁ……そしてそいつも帰ってきた。新たな力を身につけて」
総士「吹雪、今のお前は最早以前のお前とは違う。それでも吹雪という存在はここにいると、言い切れるか」
吹雪「はい。私はいつだってここを帰る場所とする司令官の秘書、吹雪です」
吹雪「そして、私を助けてくれたヲ級さんも、ここにいます」
総士「――強くなった、そう僕は思うぞ」
吹雪「えへへ……初めて褒めてもらえました」
555 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/10/16(木) 01:02:30.03 ID:ShIBnZhT0
天龍「何だ、わざわざ盗み聞きする程のもんじゃなかったな」
夕張「そうね、吹雪ちゃんは立派な秘書としての成長を遂げた。そして提督も吹雪ちゃんの事をしっかり見ていた。とてもいい関係じゃない、妬いちゃうくらいに」
天龍「へぇー妬いてんのかー」
夕張「何よ、天龍だって吹雪ちゃんに嫉妬してるんでしょ!色んな意味で!」
弥生「何してるの……早く手伝って」
天龍「あ、いっけねー!すぐに戻らねぇと!」スタコラ
夕張「コラ逃げるなー!」
総士「何だか外が騒がしいな?」
吹雪「そ、そうですか?」
556 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/10/16(木) 01:09:58.66 ID:ShIBnZhT0
―――――――――
~夜・港~
吹雪「司令官、こっちです!」
総士「こんな時間に何だ……?」
パンッ!パンッ!
「「「司令官、お疲れ様!!」」」
総士「……え?」
吹雪「司令官には内緒でずっと準備してたんです。鎮守府修復の機会に日頃の感謝を伝えようって」
総士「感謝だなんて、僕はそこまで大それた……」
557 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/10/16(木) 01:33:30.43 ID:ShIBnZhT0
雷「司令官、困った時はいつでも私を頼ってよね!」
電「あの、いつもありがとうございますなのです」
暁「司令官がレディに優しいのは知ってるんだから!でもたまには厳しくもないとダメよ?」
響「響、これからも頑張るよ」
扶桑「こんな素敵な場所にいれる私は、本当は幸せ者なんじゃないかと思う時があるんです。きっと、気のせいじゃない」
山城「お姉さまと再び巡り会わせてくれた提督には、感謝しない事もないわ」
金剛「提督ゥ!これからも私の活躍、見ていて下さいネー!」
赤城「提督の働きは、鎮守府の誰もが知っています。私達はいつだって貴方が必要である事を、どうか忘れないでください」
168「168を大事にしてくれる司令官なら、どこまでもついていくよ!潜れるのは168だけだしね!」
弥生「……これからも、頑張ります。弥生は、いつでもここにいます」
夕張「新しい兵装を提督と一緒に考えるの、結構楽しかったりするんですよ?これからも知恵をお借りしますね!」
天龍「龍田の時は悪かった。それと……あ、ありがとうな……。あーもう恥ずかしいなぁチクショー!」
558 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/10/16(木) 01:49:37.90 ID:ShIBnZhT0
吹雪「皆、司令官に感謝してるんです。この鎮守府に迎え入れてくれた事、一緒に戦ってくれてた事、全部覚えています!」
総士「……」
吹雪「私からも、司令官に贈ります。私、駆逐艦吹雪は、司令官の秘書艦でいられる事を誇りに思っております!今後もよりよい戦果を司令官にもたらすべく一層邁進していく所存です!」
吹雪「そして私は、そんな司令官が――」
僕はこの現状に時々焦りを感じている
このまま帰れなくなるのではという不安。そしてそれ以上に――帰りたくなくなってしまうのではないかと
彼女達と過ごす日々は決して穏やかとは言い難い。フェストゥムとの戦いは今後も続くだろう。その度に僕は痛みと、誰かを失う恐怖に苛まれる
僕がこの世界へ誘われた理由が、少し分かったような気がする。もしそれが本当なのだとしたら――
総士「皆……ありがとう」
559 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/10/16(木) 01:59:54.17 ID:ShIBnZhT0
――そんな事、今はどうでもいいのかもしれない
これが強いられた運命だというのなら、僕は望んでそれを受け入れよう。それが今の、皆城総士の存在意義
鎮守府提督として、彼女達の存在を守り続けよう。その時が来るまで……
僕はここにいる、一騎
560 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/10/16(木) 02:05:51.49 ID:ShIBnZhT0
これにて完結です。今まで読んでくださった方々、本当にありがとうございました
このSSをきっかけにファフナーまたは艦これに興味を持ってくれたのならば感無量です
冬には両方のアニメが控えてます。これからが待ち遠しい
暫く様子を見たらHTML依頼を出そうと思います。感想なり思いついたネタなり書き込んでいってください
それではまたいつか
あなたは、そこにいますか
561 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/16(木) 02:09:02.97 ID:TBMfMssVO
同化現象に苦しむ吹雪さんなんておらんかったんやね
562 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/10/16(木) 02:11:30.69 ID:uvktCHBW0
乙
前はどこにもいなかった……だが今は、ここにいる!
竜宮島も見方変えてみれば一種の戦艦で艦娘相当の子がいたね
563 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/16(木) 02:21:51.78 ID:eLzrHb9dO
乙です
なんか幸せそうでよかった
島にもちゃんと帰ってこいよ総士
564 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/16(木) 09:02:08.98 ID:xYGdKD3Ro
乙です
565 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/16(木) 11:41:31.58 ID:fGl8jDPbo
_ ィ//////////≧ - 、
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/////////////////////////////// ヽ
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l//////l l _ L _ l/ l/ ⌒ l/ l/l///i.///l お兄ちゃん
l//////l ィfモミミz/ / - ‐ - l/l///l.///l おつかれさまでした
l//////l / ィfモミミz, l///////l
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l////r,八 l:. / / / /////////l
l////ノ- フ- 、 、 _, イ/////////
l/ 7 / フ-、  ̄ r 、-、-、r┐///// l
li \ \ _j-- ___ 「 ヽ ヽ ヽ ヽノ-、////il
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/ / ` __ _ ノ i  ̄ ──  ̄ < /l \
566 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga sage]:2014/10/16(木) 16:19:09.62 ID:rBMvMKC+0
乙です
この後HaEにつながるのかな
567 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/10/16(木) 22:35:50.46 ID:EwafbN+Uo
おつ
まだゼロとHaE見てないんだよな、物凄く見たくなってきたわ
568 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/17(金) 00:56:11.93 ID:eattZWaIO
おつおつ
スパロボUX越しでしか知らんかったが、ファフナーの原作見てみるかね
RoLからHaEまで通しで
569 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/17(金) 02:49:09.26 ID:Mh5BZN7To
乙です。
ファフナーはスパロボでしか知らんかったが見てみるかな
570 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/10/17(金) 23:52:32.42 ID:thP3kNh90
お疲れ様でした。
なんか戦いの果てに総士がミールかマスター型のフェスムゥムになりそう。
571 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/21(火) 21:55:46.21 ID:T6/4lCPLo
乙
嫁さん連れて帰郷とか出来たらステキですね
573 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/22(水) 06:00:23.74 ID:K/03hRgBo
乙でしたー
劇場版の最後でニヒトさんから出てくる100人以上の艦娘・・・
竜宮島の戦力がヤバい
転載元
深海棲艦「アナタハ、ソコニイマスカ?」総士「僕は……」
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