1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/05/18(日) 18:52:10.12 ID:cU4l3Y580
ファフナー×艦これのクロスSS。主人公は皆城総士
ファフナー新作アニメ化に浮かれて衝動的に作ってしまった
基本的に書き溜めなしでやっていくので投下間隔が長かったり内容が短かったり話にズレがあるかもです
その代わり更新の頻度は高めに行く予定です
艦これライトユーザーなもんでその辺に関してもご容赦を
基本的にファフナーの機体は出てきません、期待してる方には先に謝っておきます
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1400406720
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 19:02:58.43 ID:cU4l3Y580
――僕は『彼ら』に痛みと存在を教え、そして僕は彼らの“祝福”を……存在と無の循環を知った
「総士!そこにいるんだろ!?総士!!」
僕は一度『彼ら』の側に行く。そして再び存在を作り出す。どれくらいかかるか分からないが、必ず――
「総士いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」
僕はここにいる。いつか必ず、出会うまで――
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 19:24:08.01 ID:cU4l3Y580
―――――――――
~港?~
総士「……ここは?」
総士(どこかの港のようだが……竜宮島とは違うようだ)
総士(僕の肉体は消滅したはずなのに……これは夢?)
総士(それともこれが存在と無の循環なのか……?)
「あなたが新しく着任される司令官ですね?お待ちしてました!」
総士「?君は……」
吹雪「ここの鎮守府であなたの秘書艦を務めさせていただきます特型駆逐艦の一番艦、吹雪です!」
総士「鎮守府……駆逐艦……何の話だ?」
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 20:14:49.00 ID:cU4l3Y580
僕は嘗て彼ら、地球外生命体『フェストゥム』から人々を守る為に戦いを続けてきた
その中でフェストゥムは僕ら人間の、僕らはフェストゥムの“存在”を教え、理解し合った
その果てに、僕の体はフェストゥムと同化し、結晶となってそこからいなくなった
……その筈が、何故か僕はここにいて、体と心を持っている
総士「……第二次世界大戦で使われた日本の艦船の生まれ変わり、という事か」
吹雪「はい、私以外にも沢山の艦娘がいます。前司令官が早くに異動となってしまって、今は私と数人の艦娘だけが残された状態です」
話によると、ここはどうやら日本らしい。僕がいた世界とは違って現存しているようだ
そして今この日本に未知の物体が狙われている。それに対抗する為に彼女ら艦娘がいる。僕は提督となり、艦隊の指揮を執る……
総士「あの時と同じ、か」
吹雪「?」
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 21:02:56.23 ID:cU4l3Y580
―――――――――
吹雪「紹介しますね、こちらがこれから司令官の下で働く皆さんです」
弥生「睦月型駆逐艦三番艦、弥生です……あ、気を使わないでくれていい……です」
夕張「軽巡洋艦の夕張よ!兵装の実験運用やデータの採取も兼ねてるから、何か作りたい時は私を頼って下さいね!」
天龍「天龍型一番艦、天龍だ。奴らをブチのめしたいなら俺を常に前線に入れておくこったな、新入り」
龍田「天龍型二番艦、龍田よ。天龍ちゃんが迷惑かけないようにするのがお仕事なの~」
総士「皆城総士だ。今日からここの提督を務めさせていただく。よろしく頼む」
総士(聞いてはいたが、どれも見た目は人間の女性と変わらないな。僕より幼い子の姿まで……)
天龍「フフフ、怖いか?」
総士「そんな事はない、不思議に見えただけだ」
天龍「んなっ、キッパリ答えんなよ!」
龍田「まぁまぁ落ち着いて、ね?」
吹雪「えっと、それでは施設の案内をしますね!」
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 21:12:33.17 ID:cU4l3Y580
吹雪「ここが工廠です。兵装の開発や、新しい艦娘を建造する際はここを使ってください」
総士「この機械で、君達は生まれるのか?」
吹雪「はい、私や他の皆さんもこうして生まれてきましたから!」
総士(竜宮島の人口子宮による受胎と同じようなもの、か……)
吹雪「こちらはドックです。戦闘で負傷した艦娘達はここで治します」
総士「風呂にしか見えないが……」
吹雪「こ、これでもドックなんです!」
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 21:34:35.17 ID:cU4l3Y580
吹雪「ここが執務室です。今後はこの部屋で様々な仕事をこなしていってください」
総士(僕が真壁指令のようになるのか……唐突過ぎて実感が沸かないな)
吹雪「以上で説明は終わりです。何か分からない事はございますか?」
総士「ここの前任は何故異動になったんだ?」
吹雪「それは……」
――アナタハ、ソコニイマスカ?
総士「この声は!」
吹雪「襲撃!?今までこんな事なかったのに!」
総士「フェストゥムが攻め込んで来たのか!」
吹雪「ふぇす……?とにかく、迎撃しないと!司令官、こちらへ!」ダッ
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 21:42:36.38 ID:cU4l3Y580
――――――――――
総士「これは……『ジークフリード』なのか?」
吹雪「司令官は戦闘の際この装置を使って私達艦隊の指揮を執っています。使い方は……」
総士「説明は不要だ。君は早く皆と迎撃の準備を!」
吹雪「え?は、はい!」ダッ
総士(これが何故この世界に存在するんだ?これを使ってフェストゥムと再び戦えというのか)
総士(僕に、何を見せたいんだ……!)ギリッ
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 21:58:51.89 ID:cU4l3Y580
―――――――――
~鎮守府正面海域~
深海棲艦「……」
天龍「単独で攻めてくるとは、大した度胸じゃねぇか!」
龍田「天龍ちゃん、油断しちゃ駄目よ?」
夕張「何だか色が変じゃない?」
弥生「金色……眩しい色……」
吹雪(何だろう、これまで戦ってきた敵とは違う感じ。まるで心を見透かされてるような……)
深海棲艦「……」
天龍「気味悪いな、とっとと片付けてやっか!砲撃開始!」ドンッ
吹雪「待ってください!まだ司令官の指示が!」
天龍「あぁ?来たばっかのぺーぺーに何が出来……!?」
深海棲艦「……」
天龍「攻撃が、外れた?」
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 22:04:33.57 ID:cU4l3Y580
天龍「クソッ、もう一回!」ドンドンッ
シュルルルルルルルル……
夕張「弾道が敵から逸れていく!?どうして!?」
深海棲艦「アナタハ、ソコニイマスカ?」
ドバッ!
龍田「天龍ちゃん、危ない!」
天龍「うわ!?何だこりゃ、放せ!」ジタバタ
弥生「触手……!?こんな攻撃、知らない……!」
吹雪「天龍さん!」
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 22:20:19.32 ID:cU4l3Y580
天龍「クッ、こんなもんでやられると……!」ギリギリ
深海棲艦・スフィンクス級「アナタハ、ソコニイマスカ?」
天龍「ひっ……!」ゾクッ
ズルズルズル……
龍田「天龍ちゃんが、敵に飲み込まれちゃう!」ドドドド
弥生「天龍さんを……返して!」ドバーン
夕張「もう、何で当たらないのよ!このままじゃ天龍が!」ズドドド
吹雪(司令官、早くしないと天龍さんが……!!)
深海ス級「アナタハ、ソコニイマスカ?」
天龍「やめろ……俺の中に、入って来るなあああああああああああ!!」
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 22:27:01.65 ID:cU4l3Y580
総士『――クロッシング完了!』
ドーーーーーン!!
深海ス級「!?」ブチブチ
夕張「あ、当たった……!」
天龍「う……」ズルッ
龍田「天龍ちゃん!大丈夫!?」ガシッ
天龍「あ、あぁ。何とかな」
弥生「よかった……です」
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/18(日) 22:24:42.50 ID:lEINUFRl0
ファフナー知らないけど俺主人公と同じ名前だったのか・・・
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/18(日) 22:34:52.34 ID:Dt4ZLAxV0
>>14 ファフナーの主人公は真壁一騎ってスーパーなコーディネーターで主婦スキル高いシン・アスカだよ
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/18(日) 22:38:57.64 ID:9W6zyyWw0
>>16 マークデスティニーさんの話はやめて差し上げろ
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/18(日) 22:39:17.18 ID:4tu073GS0
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 22:43:01.56 ID:cU4l3Y580
総士『皆、聞こえるか』
吹雪「司令官!」
総士『あれはフェストゥムといって、あらゆる物体に同化し、消滅する事を目的に行動する』
総士『今あの姿をしているのは、そいつと同化した事によるものだろう。見た目は似ているが、中身は全く別物だ』
総士『そしてフェストゥムは読心能力を持っている。元々人間に対してのみだったが、どうやら艦娘である君達ですら読んでしまうらしい』
夕張「それで攻撃が当たらなかったのね……」
天龍「なら、どうやって倒すんだよ?」
総士『僕がこのジークフリードを使って思考防壁を作る。そうすればフェストゥムの読心能力を防げる』
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 23:06:07.94 ID:cU4l3Y580
深海ス級「アナタハ、ソコニイマスカ?」
弥生「来る……!」
総士『フェストゥムにはコアがある、それを破壊しない限り奴は倒せない!コアは円形のものが殆どだ!』
吹雪「了解です!各艦隊、陣形を立て直しますよ!」
総士『幸い敵は一人だ、落ち着いて対処すれば問題ない。連携を取って撃破するぞ』
天龍「おっしゃあ!さっきの仮、倍にして返してやるぜーー!」ドドドド
龍田「もう、提督の話聞いてた?」
深海ス級「……!」
ズドーーン!
夕張「あんなでも、雷撃は出来るのね!」バッ
弥生「砲雷撃戦、いい?」
吹雪「私だって、やれるんだから!」
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 23:20:41.01 ID:cU4l3Y580
【深海ス級・中破】
深海ス級「……!」ボロボロ
吹雪「司令官!破損した甲板からそれらしきものが!」
総士『よし、一気に畳み掛けろ!』
天龍「おらおらおらーーーーー!!」
龍田「天龍ちゃんを傷つけたんだもの、ただじゃ済まないわよ~?」
夕張「どう、この攻撃は!」
弥生「……撃つ!」
吹雪「いっけーーーーー!!」
ドドドドドドドドドドドドド!!
深海ス級「アナタハ……ソコニイマスカ……?」
【深海ス級・撃沈】
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 23:28:56.98 ID:cU4l3Y580
吹雪「やった!やりましたよ司令官!」
総士『あぁ、よく頑張ってくれた。全員帰還してくれ』
天龍「いてて……ったく、とんでもねぇ奴だったぜ」
龍田「もう、次はあんな事しちゃ駄目よ?」
天龍「俺は今後も一番槍として戦場を駆け抜ける!曲げる気はねぇ!」フンッ
弥生「その前に……入渠……しないと」
夕張「そうよ、大事な兵装が壊れちゃってるじゃない」
天龍「俺の心配はねぇのかよ!」
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/18(日) 23:42:06.99 ID:cU4l3Y580
―――――――――
~ジークフリード内~
総士「ふぅ、何とか使えたみたいだな」
総士(それにしても、あのフェストゥムは何が目的でここへ来た?)
総士(それに、あるはずのない場所にあるジークフリード・システム……そして艦娘という存在)
僕は何故ここにいるのか……僕に何を見せたいのか……。その答えは、あの暁の水平線が教えてくれるのだろうか
いつか帰ると約束した友の下へ、僕は目指せているのだろうか
だが一つだけ確かな事。それは――
総士「僕は……ここにいる」
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/19(月) 20:28:57.29 ID:0d4mc8nG0
―――――――――
~ドック~
天龍「あ~あ、俺だけかよドック入りは。みっともねぇなぁ」ザブーン
――アナタハ、ソコニイマスカ?
天龍「……気持ち悪い奴だったな。今まであんなハッキリ意思疎通してくるような連中じゃなかったはずなんだが」
天龍「フェストゥムだか何だか知らねぇが、次はこうは行かねぇからな……」
龍田「天龍ちゃーん背中流しに来たわよ~」ガララ
天龍「んなっ!別にいらねぇよ!」
龍田「どうせ自分だけボロボロになって落ち込んでたんでしょ?私が慰めてあ~げる~」
天龍「落ち込んでなんかねぇ!帰れ!」
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/19(月) 20:56:54.00 ID:0d4mc8nG0
―――――――――
~執務室~
吹雪「――今回の戦闘による消費資源は以上です」
総士「分かった。下がっていい」
吹雪「では、失礼しました」バタン
総士「……ここの資源の運用も僕が担うのか。提督というより、一国の城主のようだ」
総士(僕はこれからファフナー抜きでフェストゥムと戦わなければならないのか)
総士「やれるだろうか……」
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/19(月) 21:30:54.54 ID:0d4mc8nG0
―――――――――
―――――――――
~翌日・工廠~
夕張「おはようございます提督!」
総士「……この小人のようなのは?」
夕張「あぁ、この子達が主に建造や開発に携わってる……妖精、みたいなものね」
妖精「~~♪」
総士「妖精<エルフ>?君達を作ったのがこの妖精なのか?」
夕張「そういう事ね。ただこの子達は要望に応えてるって訳じゃないの」
夕張「与えられた資源が同じでも建造する度に違う艦船が出来るのよ。不自由かもしれないけど、時にはとんでもない逸材が生まれる事だってあるんだから!」
総士「ある種の博打か……必要なものを簡単に得られないのはこの世界でも同じか」
夕張「?」
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/19(月) 21:51:17.10 ID:0d4mc8nG0
総士(とはいえ、一度やってみなければどんなものかも分からない。実験的にやってみるか)カリカリ
総士「夕張、これだけの資材を提供する。これで艦船一隻と武器を一つ頼む」
夕張「お任せください!皆お仕事よー!」
妖精達「~~~~!!」ピョンピョン
総士(本当に任せて大丈夫か?)
~執務室~
総士「吹雪、この鎮守府はどのくらいの艦隊を保持出来る?」
吹雪「はい、現在は100隻まで保管が可能となっております」
総士(最大100隻、僕の運用次第ではこの全てとクロッシングする可能性もあるのか)
総士(そうなれば、“アレ”もあの時の比ではなくなるな……)
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/19(月) 22:32:27.81 ID:0d4mc8nG0
吹雪「今日はどうされますか?」
総士「そうだな、一度この周辺海域を見て回りたい。僕はまだ知らない事が多い、情報は戦いにおいて全てを左右する重要な要素だ」
吹雪「分かりました。それでは出航の準備に取り掛かります」
総士「油断はするな、現状いつフェストゥムが襲いに来るか分からない」
吹雪「はい……!」
~鎮守府南西海域~
天龍「あのヤロー、どこにいんだぁ?」キョロキョロ
龍田「今日はただの見回りよ~?」
夕張「ちょっと皆速いよー!」
弥生「夕張さん……遅すぎ……です」
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/19(月) 22:53:52.30 ID:0d4mc8nG0
総士(見渡す限りの海……それといくつか島が見える)
総士(もっと遠くへ行ってみたいが、今の戦力では無謀だな)
吹雪「どうですか、司令官?」
総士『もういいぞ、全員帰還してくれ』
天龍「もう帰んのかー!?まだ一戦もしてねぇだろー!?」
総士『言ったはずだ、これは海域の偵察だと。息巻くのは勝手だが、昨日みたく真っ先に捕まってしまっては困る』
天龍「何を~!」ギリギリ
吹雪「司令官の命令です、戻りますよ天龍さん」
ドバァーーーン!!
総士『っ!』
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/19(月) 23:17:31.57 ID:0d4mc8nG0
天龍「奇襲か!?」
夕張「足元から仕掛けてくるなんて、一体いつから!?」
駆逐ス級A「……」
駆逐ス級B「……」
軽巡ス級「……」
総士(昨日と同じタイプが二体に新しいタイプが一体……不意をついて陣形を乱しに来たか!)
総士『まずは隊列を立て直せ!戦力の分断は危険だ!』
軽巡ス級「……サセナイ」ゴォッ
弥生「速い!」
天龍「にゃろう!俺をなめんじゃねぇ!」ドドド
龍田「天龍ちゃん落ち着いて!」
軽巡ス級「……トモニ、コイ」ガシッ
夕張「っ!しまっ……」
ザブンッ!
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/19(月) 23:33:51.12 ID:0d4mc8nG0
吹雪「夕張さんが、海に引きずり込まれました!」
弥生「助けないと……!」
総士『救出は後だ!今は目の前の敵に集中しろ!』
吹雪「でも!」
総士『こんな態勢では全滅もありえる!それだけフェストゥムは脅威だという事だ!』
総士『夕張を助けたいのなら、まずは目前の敵を速やかに撃破しろ!』
総士『僕を信じるんだ、』
吹雪「……分かりました!」
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/19(月) 23:47:07.32 ID:0d4mc8nG0
天龍「同じ轍は踏まねぇぞ!オラオラァ!!」ババババ
駆逐ス級A「……」ブゥン
龍田「あの光は?」
ズギュゥゥゥゥゥゥゥン!!
龍田「っッ!!」
【龍田・中破】
弥生「今のは砲撃、じゃない……!?」
吹雪「あぁ、龍田さんの体が……円形に削り取られて……!」ガクガク
龍田「やって、くれるわねぇ……でも、まだよ。ウフフ」
総士『くっ、ワームスフィアーか……!』
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/20(火) 00:03:39.29 ID:nVvRK2xo0
天龍「龍田ぁ!……畜生があああああああ!」
駆逐ス級B「アナタハ、ソコニイマスカ?」ブォン
弥生「弾道が、見えない……!」
総士『立ち止まるな!あれを回避するには常に動き回るしかない!』
天龍「夜戦なら、夜戦なら負けねぇのに!」
~ジークフリード内~
総士(ファフナーと彼女らでは勝手が違いすぎる。せめてもっと火力のある武器があれば……)ピピッ
【夕張・大破】
総士(……博打に出るしかない、か)
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/20(火) 00:18:28.23 ID:nVvRK2xo0
~工廠~
妖精「~~!」フリフリ
総士「……完成、しているのか」
「あなたが司令官ね?私は伊号型潜水艦の伊168よ。言いにくいならイムヤって呼んでいいわ」
総士「何、潜水艦なのか!」
168「え、えぇそうだけど」
総士「早速だが、君には今すぐ戦線に出てもらいたい。仲間が一人海に引きずり込まれてしまった。助けるには君を頼る以外ない」
168「……分かったわ!水中なら私に任せて!」
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/20(火) 00:26:05.71 ID:nVvRK2xo0
妖精「~~」クイックイッ
総士「武器も出来上がってるのか?」
総士「こ、これは!」
妖精「~~♪」エッヘン
総士「……これなら誰も失わずに済むかもしれない」
総士「168、君の使命は海中に捕らわれた仲間の救出とこれをある者に届ける事だ。僕が君をそこまで案内する」
168「了解!168、出ます!」
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/20(火) 03:23:23.97 ID:iYWEhK+SO
あー…フェストゥムって常に「集中」使ってるようなものだからね。マークデスティニーでもなかなか当たらん。(スパロボ並感)
60 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/20(火) 05:38:07.53 ID:xiCFFRSAO
艦これ的に言えばフラレベル並の回避+常時キラキラに等しい
つらい(確信
63 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/20(火) 12:36:11.43 ID:QlsO4yPr0
俺のエースのビルバインが一撃で落とされた時は目が点になったよ…
67 :
◆oiJy7zIEm6 :2014/05/20(火) 20:00:48.50 ID:nVvRK2xo0
―――――――――
~海中~
ゴボゴボゴボ……
夕張(もう、ダメ……兵装も剥がされて……身動きも取れない)
夕張(提督の……声も、聞こえなくなっちゃった……)
軽巡ス級「オマエモワレワレニナレ。サモナクバ、オマエハエイエンニオマエダ」
夕張(どういう、意味?)
軽巡ス級「“イタミ”ハ“ソンザイ”ヲシラシメ、“ソンザイ”ハ“イタミ”ヲウム」
軽巡ス級「ソシテ“ソンザイ”ト“ム”ガジュンカンシ、“エイエン”ガウマレタ……」ギリギリ
夕張「……ッ!」ミシミシ
軽巡「ワレワレハシッテイル。オマエハイマ“イタミ”ヲカンジテイルト」
夕張(痛いわよ……こんなだから、ちゃんと痛いわよ!)
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/20(火) 20:09:21.87 ID:nVvRK2xo0
軽巡ス級「オマエハ、イツマデソコニイル?」
夕張(いつまで……)
軽巡ス級「ワレワレニナレ。ソウスレバオマエハドコニモイナクナル」
夕張「……」
軽巡ス級「アナタハ、ソコニイマスカ?」
168「ちょっと待ったーーー!!」ギューン
ズドォォーーーーン!!
軽巡ス級「!?」
夕張(潜水、艦……?)
69 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/20(火) 20:21:33.25 ID:nVvRK2xo0
総士『拘束が解けた、今だ!』
168「お任せ!」ガシッ
軽巡ス級「マテ……!」
168「水中で私に追いつけるとでも?それ!」ギューン
~海上~
ザッパーーーン!!
天龍「何だ?」
吹雪「っ!夕張さん!」
夕張「うぅ……」
168「あなた達が仲間ね。ちゃんと取り返して来たわよ」
総士『詳しい説明は後だ、それよりも天龍!お前に新しい武器だ!』
天龍「な、何だこのでっけぇの!」
71 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/20(火) 20:42:46.70 ID:nVvRK2xo0
総士『雷撃槍<ルガーランス>だ。艦隊の中で唯一刀剣を振るうお前なら扱える筈だ』
天龍「何かしらねぇけど、コイツなら奴らを倒せそうだ!」
龍田「本当に大丈夫なの……?」ゼーハー
天龍「あぁ、お前はそこで見てな龍田」
弥生「これは、どういう……?」
駆逐ス級A「……!」ズドドド
駆逐ス級B「……!」ブォン
168「ち、ちょっと!皆私ばっかり狙って来るんだけど!?」
総士(他の二体が攻撃を168に集中させている?周りを気にかけてないように見えるが……)
総士『今がチャンスだ!天龍、ソイツをフェストゥムに叩き込め!』
天龍「おっしゃああああああああ!!」
72 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/20(火) 20:54:48.26 ID:nVvRK2xo0
ズバァッ!
駆逐/ス級A「……ツ!」ドゴォォン
天龍「もう一匹ぃ!」ゴォッ
駆逐×ス級B「ッ!?」ドゴォォン
【駆逐ス級A・撃沈】
【駆逐ス級B・撃沈】
吹雪「すごいです!あの深海棲艦をあっさり!」
天龍「いける、これならいけるぞ!」
ザッパーーーン!!
軽巡ス級「……ヤッテクレル」
73 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/20(火) 21:32:37.50 ID:nVvRK2xo0
総士『あとはアイツだけだ、最後まで油断はするな!』
天龍「分かってるっての!」
総士『龍田は夕張を連れて後方へ、吹雪・弥生・168の三人で敵の注意力を乱せ!一瞬の隙を天龍の一撃で仕留める!』
吹雪「任せてください!」
軽巡ス級「ワレワレニナレ……」
左右と下方からによる砲撃を敵は避けて回り、艦船の雷撃とフェストゥムのワームスフィアーによる波状攻撃で応戦する
爆音が響く度に艦娘一人ひとりの心情がジークフリードにこだました。自信・不安・恐怖・期待・羨望……これはファフナー
乗組員達が感じていたものと何ら変わりない
168「もう、だから何でこっちがやけに狙われるのよー!」
総士『今だ、天龍!ルガーランスを突き刺せ!』
天龍「おらぁぁぁ!!」
ほんの一瞬の隙を見逃さず、ルガーランスはフェストゥムの胴体を貫いた
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/20(火) 21:51:53.94 ID:nVvRK2xo0
軽巡ス級「ッ!」
総士『まだだ、このままレールガンを放つ!』
突き刺さったままの刀身が上下に開き、フェストゥムの体を内側からこじ開けていく
その刃の間から光が生まれ、電気を帯びて収束を始めた
天龍「こいつで……」
やがて光は飽和状態まで達し、一層輝きを増していく
天龍「終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
放たれた閃光はフェストゥムをコアもろとも塵と化し、水平線を駆け抜けていった――
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/20(火) 22:14:52.24 ID:nVvRK2xo0
総士『――戦闘終了、直ちに帰還しろ』
弥生「大丈夫……ですか?」
龍田「私はまだなんとかね~」
夕張「ちょっと……キツイかも」
吹雪「帰ったらドックで傷を癒しましょう」
【戦闘結果・勝利】
吹雪
弥生・・・・小破
龍田・・・・中破
天龍
夕張・・・・大破
伊168
【MVP・天龍】
76 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/20(火) 22:36:17.67 ID:nVvRK2xo0
―――――――――
~鎮守府~
吹雪「ただいま帰還しました」
総士「ご苦労だった。負傷の激しい二人は先に入渠だ」
龍田「は~い、天龍ちゃん、ちょっと待っててね~」
総士(あんな状態でも平然としていられるのか、艦娘というのは)
夕張「すみません提督……ちょっと一人じゃ立って歩けそうにないみたいです」
総士「そうか。吹雪、夕張をドックまで運んでやってくれ」
夕張「あの、提督……お願い出来ませんか?少しお話したい事もあって……」
総士「僕が、か?」
77 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/20(火) 23:00:15.63 ID:nVvRK2xo0
夕張「すみません、提督。手をわずらわせてしまって……」
総士「それで、話したい事とは?」
夕張「……あの時敵に言われたんです。『お前はいつまでそこにいるんだ』って」
夕張「私、何となく理解しちゃったんです。あの深海棲艦達は……元々私達と同じ艦娘だった」
総士「!」
夕張「世界は循環してる……存在と無が永遠に繰り返されて成り立っている。だから昔艦隊だった私が再びこの世界に生まれた」
夕張「何度火を浴びせられ、苦しみの中で死を迎えても、いずれまた軽巡夕張としてこの世界に生み落とされる……ここで私が死んだとしても、ね」
夕張「だって、私はここにいるんだもの」
総士「……君は、ここにいたくないのか」
夕張「分からない……でも存在したくない艦娘がいたから深海棲艦が生まれた。そして私達を同化<循環から開放>する為に襲ってくる。そう思ったの」
総士「……」
78 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/20(火) 23:27:06.86 ID:nVvRK2xo0
夕張「変ねぇ、金色に光る変わった形の深海棲艦が出てからこんな事考えるようになっちゃったみたい」
夕張「提督はあの金色の何を知ってるの?」
総士「……僕達は、まだフェストゥムの事を理解しきれてない。フェストゥムもまた、僕達を理解しきれてない」
総士「ただ、僕はどれだけ苦しい運命が待ち受けていようとも、僕は自分の存在を選ぶ」
夕張「そう、ですか」
総士「……着いたぞ」
夕張「ありがとうございます。あ、いくら提督でも覗いちゃダメですからね?」
総士「そんな事はしない」プイッ
存在と無の循環、生きる事と死ぬ事……それを忘れたくて、彼らは生まれた
僕らがフェストゥムに教えたものを、彼らなりに理解した結果がこれなのだろうか
それに立ち向かうのは、存在と無の循環を知った彼女達
もしかすれば、これらは全てフェストゥムの“葛藤”なのかもしれない
今ここにいる僕も、その“葛藤”の一部だとでも言うのか――
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/21(水) 20:20:02.62 ID:030P+YJE0
==========
ズギュゥゥゥゥゥゥゥン!!
龍田「やって、くれるわねぇ……でも、まだよ。ウフフ」
==========
総士「……平然でいられる訳、ない……か」ズキズキ
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/21(水) 20:44:15.56 ID:030P+YJE0
―――――――――
―――――――――
~翌日・鎮守府~
168「改めて、私が伊号型潜水艦の伊168よ。みんなイムヤって呼んでね!」
吹雪「よろしくです、168ちゃん!」
龍田「それで水着姿なのね~」
天龍「おまけに浮き輪まで持って、遊びじゃねぇんだぞ?」
168「これも立派な艤装なの!それにちゃんと仕事してたでしょ?」
弥生「敵を……引き付けてくれた……。夕張さんも、助けてくれた……」
夕張「何にしろ、昨日はありがとね、168」
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/21(水) 21:18:50.53 ID:030P+YJE0
天龍「おぅ提督!次の出撃はいつだ?早くアレぶっ放したくてウズウズしてんだ」ワクワク
総士「暫くは資源確保の遠征以外の出撃はない」
天龍「な、何でだよ!」
総士「昨日は運よく勝てたようなものだ。168とルガーランスが出来なければ夕張はあそこで死に、更に窮地に立たされていただろう」
総士「あの日の偵察で安全性の高い海域をマークしておいた。そこを中心に資源を獲得し、戦力の増強を試みる」
総士「忘れるな。これは一体でも多くの敵を倒す為じゃない、一人でも多く君達を生かす為の策だ」
天龍「……俺より子供っぽい癖によく言うぜ」
夕張「でも事実、でしょ?」
天龍「へいへい、分かったよ」
97 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/21(水) 21:53:58.84 ID:030P+YJE0
―――――――――
~工廠~
吹雪「司令官、ここにいらしてたんですね」
総士「あぁ、昨日と同じ分量で試している。夕張が言うには毎回違うものが出来ると聞いてるが……」
【装備の開発に失敗しました】
妖精「……」ショボーン
総士「何だ、このダンボールの中身は?」
吹雪「何でしょう?ペンギン?ぬいぐるみ?」
総士「何かに使えそうか?」
吹雪「えっと、私には分かりません……」
総士「……とりあえず、次を見てみよう」
98 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/21(水) 22:34:16.63 ID:030P+YJE0
電「電<いなずま>です。司令官の為に頑張るのです」
雷「雷だよ!よろしくね!」
暁「暁です。子供扱いしちゃダメよ?」
響「響だよ。最後まで生き延びた事から不死鳥の名を持ってるよ」
総士「……これはまた、幼い感じの艦船だな」
吹雪「駆逐艦はそのような傾向にあるみたいですね。重巡洋艦や戦艦になってくると外見は変わってくると思いますよ」
暁「む、子供扱いしないでって言ってるでしょ!」
総士(吹雪や弥生と同じようなものか……)
雷「私達第六駆逐が揃えば敵はいないわ!」
総士「今日から僕が君達の提督だ。共に戦ってくれるか?」
電「もちろんなのす!」
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/21(水) 22:45:47.00 ID:030P+YJE0
~執務室~
雷「うわぁ!広い広ーーい!」ドタドタ
電「大きいのです!綺麗なのです!」
響「ハラショー。これはいいソファだ」
暁「でも何か殺風景よねぇ。もっとオシャレな飾りつけとか……」
吹雪「や、やっぱり中に入れない方がよかったですか?」
総士(不安だ……)
こうして、僕の鎮守府戦力拡大計画は始まった――
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/21(水) 23:15:33.60 ID:030P+YJE0
―――――――――
―――――――――
総士「今日は第六駆逐隊の四人と天龍、龍田の六人で遠征に行ってもらう」
天龍「またかよ!いい加減戦わせろって!」
龍田「はいはい行きましょうね~天龍ちゃん」ガシッ
電「今回もよろしくお願いします、天龍さん!」
天龍「えぇ~!」ズルズル
―――――――――
―――――――――
【完成品】
・レールガン
・プラズマライフル
・スコーピオン
総士(不思議だ、ファフナーの武装をこうも作り出してしまうとは)
夕張「ふふ、どれから試そうかなー?」
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/21(水) 23:29:38.55 ID:030P+YJE0
総士「どうだ、扱えそうか?」
夕張「うん、この小さいのなら駆逐艦の子達も使えると思いますよ」
夕張「私ならもう少し兵装を積めますよ?」
総士「うむ……」
【完成品】
・メデューサ
・サラマンダー
夕張「ど、どんどん乗せてー……」ズッシリ
総士「流石の君でもこの二つは難しいか」
夕張「悔しいけど、この二つはもっと大型の艦に譲るわ」
総士(……まさかとは思ってたが、こんなものまで作れてしまうのか)
・フェンリル
105 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/21(水) 23:34:50.18 ID:CV5psEg9o
もうグノーシスモデルくらいなら作りそうな勢いだ
106 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/21(水) 23:37:57.82 ID:RaDQMTt10
というかもしかしてファフナー規格のサイズですかこれ?
107 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/21(水) 23:38:23.20 ID:kzeF3lm3o
捨て艦がはかどりすぎるやめれ……!
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/21(水) 23:57:09.44 ID:030P+YJE0
―――――――――
―――――――――
~夜・鎮守府正面海域~
弥生「水雷、電磁砲、一斉射!」ズドーン
天龍「へへ、夜の俺は無敵だぜぇ!」ズバァ
総士(駆逐艦と軽巡洋艦は夜の方が力を発揮出来るみたいだ。昼間よりも動きが違う……)
―――――――――
―――――――――
赤城「航空母艦、赤城です。航空機動部隊の主力として提督を支えます」
羽黒「妙高型四番艦、羽黒です。あの……頑張ります!」
扶桑「日本初の独自設計による超弩級戦艦、扶桑です。妹の山城共々、よろしくお願いします」
山城「扶桑お姉さまの妹、山城です。どうせあなたも私の事“欠陥戦艦”とか言うんでしょう……」
吹雪「すごいですねぇ、重巡洋艦に航空母艦、それに戦艦が二人!これでますます強くなれそうですね!」
総士「あぁ、皆の活躍に期待している」
総士(頼もしく見えるが、それと同じくらい不安を感じるのは何だ……?)
111 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/22(木) 00:19:03.12 ID:mSI0P1vn0
―――――――――
―――――――――
~執務室~
総士「何だこの消費量は!?今までの倍以上に膨れ上がっているぞ!?」
吹雪「そ、それが、赤城さんや扶桑姉妹の出撃による消費燃料が半分を占めてまして」
総士「……そうか」
総士(戦いの指揮だけではやっていけない、か。竜宮島の時より責任が問われる役職だ、提督というものは……)
戦力の補強は順調に進み、新たな仲間が増えた事によって鎮守府内も賑わいを見せていった
こうして見れば、彼女らは本当にただの人だ。笑ったり、怒ったり、泣いたり……僕よりも感情を表現出来ている
同時に、彼女らは僕にとってある意味ファフナーに近い存在だとも思った
総士「……」
竜宮島の皆は、今もフェストゥムと戦っているのだろうか。彼女らのように笑い合えているだろうか
友よ、お前はそこにいるか?
僕は今――ここにいる。この世界の仲間と共に――
117 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/22(木) 14:23:37.49 ID:DsQCbO+Xo
ファフナーとはなんと俺得・・・
だが歌詞2番は勘弁!!
118 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/22(木) 16:44:12.32 ID:0BUXe+Kuo
乙
フェストゥムのこと考えると女の子に囲まれた~とか考える余裕がどうしても生まれない。ふしぎ!
119 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/22(木) 17:42:07.92 ID:mQCW3Knjo
この世界では人間は全て同化されて艦娘だけ残っているとか……
123 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/22(木) 20:57:39.15 ID:K8IjoDiM0
乙
資源「わーたーしーいーかーなくちゃー」
124 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/22(木) 21:33:39.85 ID:oZhAVY8h0
最初から海に入れるって事はこのフェストゥム達既に代謝を理解してやがる……!
127 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/23(金) 19:41:32.13 ID:NnDoVcmy0
―――――――――
―――――――――
~南西諸島防衛ライン~
編成
夕張(旗艦)
天龍
龍田
羽黒
山城
扶桑
総士『フェストゥムとはいえ元は艦隊、ソナーには反応する。防衛線という利点を活かし迎撃の姿勢で臨め』
総士『特に天龍、間違っても自分から突っ込むような真似はするな』
天龍「へいへい、ったく小言の多い提督だなーもう」
龍田「提督も天龍ちゃんが心配なのね」
128 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/23(金) 20:21:39.27 ID:NnDoVcmy0
扶桑「この鎮守府に戦艦は私達しかいないみたいね……頑張るわよ」
山城「はい!お姉さまとならどこまでも行けます!」
テンリュウチャーン
オネエサマー
羽黒「こんな時なのにとても賑やかですね」
夕張「そうねー、私だけはしっかり警戒してないと」
羽黒「あ、あの、夕張さんはお姉さんや妹は……」
夕張「残念ながらいないのよねー。あ、でも私が生まれて以来様々な重巡洋艦の元になったから、広い意味で妹はいっぱいいるのかも」
羽黒「そ、そうなんですか……私は、他に三人のお姉ちゃんがいるんですけど、ここにはいないみたいで……ちょっと寂しいなーって」
夕張「じゃあ、私があなたのお姉ちゃんになってもいい?」
羽黒「あ……ありがとうございます!ゆ、夕張お姉……ちゃん///」
129 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/23(金) 20:42:35.90 ID:NnDoVcmy0
―――――――――
~ジークフリード外~
吹雪「何だか楽しそうですね」
総士「遠足じゃないんだ、変に気を緩められては困る」
総士(姉妹、か……)
総士「君にも姉妹はいるのか?」
吹雪「はい、ただ羽黒さんと同じで、この鎮守府にはいないみたいです」
総士「会いたいと思った事は?」
吹雪「あります……けど、会いたくて会えるものじゃありませんし、もしかしたらどこかの鎮守府で頑張ってるのかもしれません」
吹雪「それに辛い別れを経験した人が多いから、再開出来て嬉しいのは当たり前だと思います」
総士(存在と無の循環を経て再び巡り合えた、という事か)
総士(だが言い換えてみれば、これは同じ事の繰り返しとも取れる)
総士(だとすれば、彼女らにとっての無とはすなわち……)
130 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/23(金) 21:10:39.01 ID:NnDoVcmy0
夕張『敵影確認!これは……小型飛行物体が迫ってます!』
総士(あれは、昔いたフェストゥムと似ている?)
総士「直ちに迎撃体勢を取れ!」
吹雪(皆さん、気をつけて……!)
―――――――――
天龍「空からなんて卑怯だぞ!」
扶桑「迎撃するわよ、山城!」
山城「はい!」
ドドドドドドドドドド
龍田「数が多いわねぇ……!」
羽黒「危ない、お姉ちゃん!」
131 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/23(金) 21:29:26.83 ID:NnDoVcmy0
ドゴォォォォォォォォォォォォン!!
夕張「羽黒、私を庇って……!」
羽黒「だ、大丈夫……私は平気……だから」
【羽黒・中破】
【天龍・小破】
天龍「畜生、よくもやってくれやがったな!」
夕張「待って!無闇に出ちゃ駄目って提督に言われてるでしょ!?」
天龍「そりゃそうだが……!」ギリッ
山城「敵の全貌が見えてきました!」
扶桑「あれが、私達の敵……!」
132 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/23(金) 22:06:13.14 ID:NnDoVcmy0
軽母・旧スフィンクス級×4「イタ……」
空母・プレアデス級×1「……ヲ……ドウカヲ……」
戦艦・リヴァイアサン級×1「オイデ、コチラヘ……」
総士(リヴァイアサン型に空襲型多数とプレアデス型……ここでも奴らは戦いを熟知している!)
総士『各員、砲雷撃戦を徹底しろ!あの巨大戦艦は一口で全てを飲み込む!戦線を維持しつつ夜になるのを待て!』
天龍「防戦に徹しろってか!」
夕張「こっちも力を蓄えて来たのよ、そう簡単に負けないわ!」
夕張「さぁ扶桑姉妹のお二人、新兵器の力、見せてやりなさい!」
扶桑「行きます!」
133 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/23(金) 22:36:59.79 ID:NnDoVcmy0
扶桑「二連大口径砲<メドゥーサ>、発射!!」
山城「対深海棲艦用火炎放射器<サラマンダー>、食らいなさい!」
ゴゴォォォォォォォォォォォ
軽母旧ス「!!」
軽母旧ス「!?」
【軽母旧ス×2・撃沈】
夕張「凄い威力ね、敵艦を早くも二機倒したわ」
空母プ級「……イケ」ザワザワ
総士(小型のプレアデスを!)
羽黒「また、空から来ました!」
総士『出来るだけ全て打ち落とせ!それが無理でも被弾だけはするな!』
龍田「注文が多いわねぇ!」ダダダ
天龍「くっそぉ、まどろっこしいぜ!」ダダダ
134 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/23(金) 22:47:04.59 ID:NnDoVcmy0
山城「きゃっ!何これ引っ付いて……離れなさい!」
総士(しまった!)
ドゴーーーーン!
山城「あ……ぅ……」グラッ
扶桑「山城!」
【山城・大破】
羽黒「他にも戦闘機がどんどん来ます!」ドンッドンッ
夕張「日没はまだなの!?」ダダダ
天龍「クソが、もう我慢出来ねぇ!」ダッ
龍田「天龍ちゃん!駄目!」
夕張「提督、天龍と龍田が前に……提督、聞こえますか!?」
135 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/23(金) 22:52:52.51 ID:NnDoVcmy0
―――――――――
~ジークフリード内~
総士「ぐっ……!!」
吹雪「し、司令官!どうしました!?」
総士「だ、大丈夫、だ……それより天龍を引き止めないと」
吹雪「司令官……」
総士(やめろ天龍、このままでは僕はまた誰かを失ってしまう!)
総士(今度こそ、誰も失う事無く生き延びたいんだ……!)
136 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/23(金) 23:06:08.75 ID:NnDoVcmy0
総士「吹雪、弥生と168を連れて彼女らの所へ!」
吹雪「は、はい!」ダッ
総士(間に合ってくれ、手遅れになる前に!)
―――――――――
龍田「戻りなさい!」
天龍「戻ったところで防戦一方になるだけだ!攻めなきゃ……進まなきゃ道は開けねぇんだよ!」
天龍「あの爆弾飛ばしてくる奴さえ叩けば状況は変わる!一撃離脱だ、ルガーランス一振りで決める!」ダッ
総士『天龍!あの巨大フェストゥムがいない、おそらく海中に潜んでいる!まだ間に合う、下がれ!』
天龍「なら、そいつもぶった斬るまでだぁ!」
ザバァーーン!!
戦艦リ級「ヨクキタナ……」
天龍「提督の言う通りだ、ホントに出てきやがった」
137 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/23(金) 23:07:11.47 ID:N85KDo280
まーぶーしーすぎーる朝はー
138 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/23(金) 23:07:37.04 ID:P2yyiufeo
リ級が戦艦だと……
重巡からランクアップしてるのか
139 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/23(金) 23:40:37.99 ID:NnDoVcmy0
天龍「ここまで来きまったんだ、退ける訳ねぇ」チャキッ
総士『何を考えてる、死にたいのか!』
天龍「提督、俺は元々戦いの中で死んでんだ。今更死ぬのは怖くねぇ」
天龍「それに、俺が今臆病風に吹かれたら周りの皆も弱気になっちまう。それじゃダメだろ?」
天龍「天龍とはこういう存在だ、だから俺は天龍としてここにいる!」
総士『……』
天龍「世界水準の名は伊達じゃねぇって事、見せてやるよ!」
戦艦リヴ「サァ、ワレワレトヒトツニ」
女性の風貌をした深海棲艦が片腕を伸ばした。べ厚い手甲が花弁のように開き、巨大な口となって天龍を飲み込まんと迫る
迎え撃つは剣を手に持つ戦士が一人。その名は天龍――仲間という宝物を守る龍<ファフニール>。彼女の目に一切の迷いはなかった
天龍「うおおおおおおおおおおお!!」
己を奮い立たせ、咆哮する。そして眼前に広がる闇へと突き進むべく海を蹴った
140 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/23(金) 23:46:54.33 ID:NnDoVcmy0
だが、そんな勇者の進撃を阻む者がいた――
141 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/23(金) 23:48:59.97 ID:NnDoVcmy0
トン――
「たつ……た?」
「もう、天龍ちゃんはいつも迷惑ばっかりかけるんだから」
「でも、そんな天龍ちゃんだから――」
バクンッ
142 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/23(金) 23:57:14.25 ID:NnDoVcmy0
天龍「……え?」
彼女の無二の友、龍田は笑っていた。フェストゥムに飲まれる最期の一瞬まで――
145 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/24(土) 00:05:08.34 ID://8OV1ox0
乙
オーラロードを開かなきゃ(使命感)
146 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/24(土) 00:33:25.06 ID:pokzjo+G0
お疲れ様
エ・フェラリオはいないのか?チ・フェラリオでもいい!
リーンの沓とかさぁ!
147 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/24(土) 00:34:33.36 ID://8OV1ox0
ミ・ナシロならいるよ
148 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/24(土) 02:16:44.83 ID:4yqeqPvSO
憎しみの力でハイパー化してしまう艦娘たち…
149 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/24(土) 03:30:59.62 ID:zVLyPnMl0
ファフナーを鬱作品の一言で片付けるのはもったいない
150 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/24(土) 04:06:00.49 ID:VkV1GnTao
天龍ちゃんの引き際ミスった上により悪い結果になってこれから5・6話分の間艦隊の空気が最悪になりそうですねぇ・・・
151 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/24(土) 06:29:39.55 ID:Or7hD6YU0
い み ど
な ん う
く な せ
な
る
152 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/24(土) 07:40:48.24 ID:zVLyPnMl0
>>151 馬鹿野郎!どうしてそんなこと書いた!言え!なんでだ!
153 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/24(土) 15:50:05.59 ID:ohOullSR0
154 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/24(土) 21:28:06.36 ID:/QPZJzr00
聖 翔 ど
戦 子 う
士 は せ
に
な
る
159 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 00:45:35.60 ID:2GqLCWI70
戦艦リヴ「マタヒトリ、コノジュバクカラカイホウサレタ」ズルッ
天龍「嘘だろ……龍田」
総士『……龍田とのクロッシングが途絶えた。もう、彼女は……』
天龍「……あ」
天龍「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
総士『落ち着け!心を乱すな!僕の声に耳を傾けろ!』
天龍「野郎、殺す!殺してやる!その首切り落としてバラバラに刻んでやる!!」
戦艦リヴ「オマエモカイホウシテヤロウ」
総士『お前は龍田の思いを無駄にする気か!何故お前を庇ったと思ってる!』
天龍「うるっせぇんだよおおおおおおおおおお!!」
160 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 00:54:12.90 ID:2GqLCWI70
ズガンッ!
天龍「なっ!?」ガクン
弥生「あ、当たった……」
総士『168!天龍を引きずり降ろせ!』
168「り、了解!」ガシッ
天龍「テメェら邪魔すんじゃ……ッ!」
ザブン
168「気持ちは分かるよ、目の前で友達が殺されたんだもん、怒るのは当然……」
168「でも今は耐えるの。仇を討ちたいなら尚更!」
天龍(畜生、チクショウ……!!)
161 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 01:09:02.98 ID:2GqLCWI70
吹雪「皆さん、大丈夫ですか!?」
羽黒「な、何とか耐えてます……」
夕張「空爆が止んだ……やっと夜が来たのね」
山城「ふ、扶桑お姉さま、いますか?」
扶桑「ええ、私はここよ」ギュッ
弥生「戻って来る……」
168「お待たせ、何とか引っ張って来たわよ」ゼーハー
天龍「畜生……殺す……俺が……」ブツブツ
吹雪「天龍さん……」
夕張「この状態じゃ、誰の声も届きそうにないわね」
162 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 01:38:23.27 ID:2GqLCWI70
羽黒「敵が大人しくなりましたね」
夕張「空からの攻撃は見通しのいい日中にしか出来ないからね。夜戦になれば、と思ってたけど……」
総士『駄目だ。今のままでは例え勝てたとしても、更に失うものが増えるだろう』
吹雪「……」
天龍「龍田……龍田ぁ……」
総士『総員に告ぐ、直ちに撤退しろ。これ以上の交戦は許さない』
夕張「聞こえた?皆引き上げるわよ」
羽黒「はい……」
【戦闘結果・戦術的敗北】
夕張(旗艦)
天龍・・・・小破
羽黒・・・・中破
山城・・・・大破
扶桑
龍田・・・・轟沈
163 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 02:29:03.83 ID:2GqLCWI70
―――――――――
―――――――――
~翌日・鎮守府~
天龍「……は?」
総士「聞こえなかったか?お前は当分出撃させないし、遠征にも行かせない。僕が大丈夫だと判断するまでここで待機していろ」
総士「提督である僕の命令を無視し仲間との連携を乱した挙句、大事な艦隊を一機沈めた。自分が一体何をしたのか分かってるのか?」
天龍「分かってる!だから罪滅ぼしに戦うんだろうが!やってやるよ、刺し違えてでも奴の首を撥ねてやるよ!勝利をもたらしてやるよ!」
総士「そんな考えでいる限り、お前は永遠に出さない。また一人誰かを失う事になる」
天龍「くっ……!」
吹雪「天龍さんの気持ちは痛いくらい分かります。でも……」
総士「庇った龍田も龍田だ。後先考えない行動がこんな結果を招いた、自業自得としか言いようがない」
天龍「……っッッ!!」ブチッ
164 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 02:46:15.62 ID:2GqLCWI70
―――――――――
~港~
夕張「龍田、天龍を守ってくれてありがとう。それと助けてあげられなくてごめん……」
電「ひっく、うぅ……」ボロボロ
雷「龍田さぁん……どうしてぇ……」エグッエグッ
響「……っ、くっ……」ポロポロ
暁「うわああああああん!ああああああああん!」ボロボロ
夕張「あなた達、いつも遠征で一緒だったもんね。きっと龍田も喜んでくれてるわ」グスッ
雷「うん……いつも、私達に優しくし、てくれて……色んな事も教え、て、もらったの」ヒグッ
電「電は、何も……返せてま、せん……」ポロポロ
夕張「だったら今はせめて、彼女の為に祈りましょう。安らかに眠ってくださいって……」
響「……うん」グスッ
弥生「夕張さん……大変な事が!」
165 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 03:11:44.49 ID:2GqLCWI70
―――――――――
夕張「な、何をやってるの……!?」
吹雪「やめてください天龍さん!司令官に手を挙げるなんて!」ギュー
山城「正気じゃないわよ、あなた!」ギュー
天龍「コイツは!龍田の事を侮辱しやがった!アイツの死を、自業自得と切り捨てやがったんだ!黙ってられっかぁ!!」ジタバタ
夕張「え?」
天龍「離せコラ!一発じゃ足りねぇ、もっと殴らせろ!」ジタバタ
天龍「スカした面の裏では俺達を道具としか見てなかったんだ!見てろよ、お前らが死んだ時もコイツはまた同じ事を言うぞ!自業自得だってな!」
天龍「なぁそうだろ提督さんよぉ!何か言い返してみろよぉ!」
総士「……僕は、彼女がした事を褒めるつもりはない。お前がしようとしている事もな」
天龍「そうかい、それがアンタの本心かい」
夕張「そんな……そんなの、酷すぎます!」
166 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 03:26:31.09 ID:2GqLCWI70
総士「吹雪、山城、天龍を隔離部屋へ連れて行け。今後の処遇を検討する」
吹雪「は、はい……」
山城「さぁ、行くわよ」
天龍「ハッ、上等だよ!追放でも解体でも何でもしやがれ!こんな所こっちから願い下げだ!」
赤城「大丈夫ですか?口が切れているようなので薬を取って……」
総士「これくらいどうってことない」
夕張「提督……さっき天龍が言ってた事、本当なんですか?」
総士「あぁ。龍田の死は彼女自身の判断でやった事、自業自得以外の何ものでもない」
夕張「提督にとって、私達艦娘は一体何ですか?」
総士「……」
167 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 03:34:13.11 ID:2GqLCWI70
―――――――――
~隔離部屋~
天龍「……」
『あら~、天龍ちゃんったらまた一人で突っ走って。危ないって何度も言ってるでしょ~?』
『そんなに照れなくてもいいのに~、可愛いわねぇ』
『やった!流石天龍ちゃんだわ~、惚れ直しちゃった!』
『でも、そんな天龍ちゃんだから――』
天龍「うぅ……龍田ぁ……」ボロボロ
168 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 03:42:25.02 ID:2GqLCWI70
―――――――――
~執務室~
総士「……」
吹雪「……」
総士「君も、僕が不満か?」
吹雪「わ、私には……分かりません」
総士「何なら秘書艦の任を解いてもいい。これからは僕一人で仕事をする」
吹雪「そんな事したら本当に皆バラバラになってしまいます!それだけは、出来ません!」
総士「……そうか」
吹雪「司令官」
総士「何だ」
吹雪「言葉って、難しいですね」
総士「……」
169 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 03:59:56.62 ID:2GqLCWI70
気付けば、また同じ道を辿っていた。二度と繰り返すまいと、そう誓ったのに……
誰かの為に誰かが死ぬ事を、僕は最も嫌う。残される者達の悲しみをよく知っているから
それを伝えるには、僕は余りにも力不足だ。そのせいで、あの時と同じ状況を作り出してしまった
総士「暫く、一人にしてくれ」
吹雪「……はい」
ただ乗り越えたかった。嘗て出来なかった事を、やろうとしていた
そうすれば償えるのだと自分に言い聞かせながら
総士「……すまない、皆」
僕は、更に深い闇へと沈んでいった――
174 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/25(日) 09:25:25.38 ID:1Pkl5Qgq0
基本的にこの男、不器用すぎるんだよなぁ。
178 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/25(日) 14:34:47.54 ID:BAfYDgCWo
でもこれ最終回後だからまだマシになってるほうなんだよな
180 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 23:08:10.60 ID:2GqLCWI70
――駄目、天龍ちゃんが飲み込まれちゃう!
――このままじゃ間に合わないよ……!
――もう、こうするしかないよね
――よかった。間に合った
――天龍ちゃん、大好きよ
181 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 23:14:44.09 ID:2GqLCWI70
――後悔はないわ。だって天龍ちゃんを守れたんだもん、このまま死んでも……
――いや
――やめて!そんな事言わないで!
――いやぁ!怖い!助けて天龍ちゃん!私が私でなくなっちゃう!
――助けてよ天龍ちゃん!私は……まだ……ココニ……
182 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 23:15:38.09 ID:2GqLCWI70
ワタシハ、モウドコニモイナイ
183 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 23:31:22.37 ID:2GqLCWI70
―――――――――
~深夜・自室~
総士「っ!!」ビクッ
総士(夢……いや、あれは夢じゃない)ムクリ
総士「……まだこんな時間、か」
~港~
弥生「司令官……?」
総士「弥生、か。何をしている」
弥生「すみません、すぐ戻ります」
総士「いや、待て」
弥生「?」
184 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/25(日) 23:41:41.00 ID:2GqLCWI70
総士「……」
弥生「……」
総士「……」
弥生「……あの」
総士「何だ?」
弥生「話がしたいと言ってましたが……」
総士「何を話せばいいか分からなくてな。イラつかせて悪いと思ってる」
弥生「弥生、怒ってなんかないですよ……すみません、表情硬くて」
185 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/26(月) 00:18:16.21 ID:DsKgyi540
総士「そのリボン、いつも持っているのか」
弥生「これ、ですか?これは……昔弥生と一緒に戦った、如月という艦隊のもの……です」
弥生「司令官がここに来る前の戦いで……沈んでしまいました」
総士「……触れない方がよかったか」
弥生「いいんです。弥生、もう十分悲しみましたから……。これからは、如月の思いを背負って、生きていくと決めたんです……」
総士「……」
弥生「だから……天龍さんを余り悪く思わないでほしい、です。今はうんと悲しませてあげてください」
総士「立ち直れると思うか?」
弥生「止まない雨はないと……信じてます」
総士「そうか……」
186 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/26(月) 00:54:32.68 ID:DsKgyi540
総士「君は、今の僕がどう見える」
弥生「え?」
総士「正直に答えてもらって構わない、それに関して怒る事もしない」
弥生「えっと……失礼な言い方ですが、弥生と同じ種類の人だと……思いました」
弥生「皆にああ言ったのも……きっと、何かを伝えるのが苦手だからだと、そう感じました」
弥生「弥生もそういうの苦手で、よく皆に誤解を招いてしまいますから……」
総士「……」
弥生「大丈夫、焦らずゆっくりで。弥生はここにいるよ」
総士「……あ、ありがとう」
187 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/26(月) 01:08:25.96 ID:I5NCdnya0
なんだ天使か
188 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/26(月) 01:10:33.12 ID:DsKgyi540
天龍「ごめんなぁ、龍田ぁ……あの時俺が無茶しなけりゃ……」ヒック
天龍「うぐ……提督の言う事、素直に聞いてりゃお前は今もここに……うぅ」
天龍「お前は悪くねぇ、俺が全部悪いんだ……俺が……お前を死なせたんだ……」グスッ
天龍「俺、もうどうしたらいいかわかんねぇよ龍田ぁ……」
総士「……」
総士(お前だったら、こういう時彼女になんて言葉を掛けてあげるんだ)
総士(僕には、「元気を出せ」などと無責任な言葉をかけるなんて出来ない)
総士(こういう結果を招かない為に僕はいるというのに……)
190 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/26(月) 01:55:58.76 ID:bRePxk1h0
乙
溝口さぁぁぁん! 早く来てくれぇぇぇ!!
192 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/26(月) 05:44:03.20 ID:1K+4UKR10
全員ゴウバインヘルメットを被ればいいんだ!
195 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/26(月) 07:05:01.44 ID:9giJHRZpO
うおおおおおっ!
196 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/26(月) 10:11:38.80 ID:ZDyt8J460
(ゴウバインヘルメットを被った艦娘一同を見て)その格好でのクロッシングは断固拒絶するからな……
197 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/26(月) 14:37:06.82 ID:GbBVp5tWo
ん~・・・でも本編終了後の総士は言葉下手なのは確かだけど自業自得とは言わないような気がするな。
てかファフナーと名がつくと聖戦士登場と濃霧注意報が発令されるのはデフォなのかww
202 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/26(月) 22:54:59.53 ID:DsKgyi540
―――――――――
―――――――――
~三日後・港~
ザワザワ
雷「司令官が話があるって言うから来たけど」
電「皆集まってるのです、何の話なのでしょうか?」
総士「……皆も知っているだろう。この鎮守府の仲間が一人、龍田が友の為に命を張った事を」
総士「彼女は一切の躊躇も後悔もなく、その使命を果たした。最期の一瞬まで、彼女は友に微笑みかけていた」
総士「それだけ友を大切に思っていた龍田の行動は名誉な事だと、立派だと皆は思っているかもしれない」
総士「だが、僕はそう思わない。彼女の取った方法は身勝手で独りよがりな自己満足だけの行動だ」
168「幾らなんでもそんな言い方はないじゃない!」
夕張「落ち着いて、黙って話を聞きなさい」
203 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/26(月) 23:16:17.10 ID:DsKgyi540
総士「何故なら、命を救われた友は三日三晩泣き続けた。自分の不用意な行動が彼女を死に至らしめたと、結果的に友を苦しめている」
総士「その者だけじゃない、ここにいる君達の心にも深い傷を負わせた。僕が何を言いたいか分かるか?自分を犠牲にして誰かを助けるという事は、結局は残された者全てを傷つける愚かな行為だ」
総士「これが褒め称えられてしまったのでは、皆が自分の命を軽んじてしまう。それだけはあってはならない」
吹雪(司令官……)
総士「忘れるな、君達の命は誰かに生かされ、そして誰かを生かしているという事を!自分の命を大事にしない者が、何かを守れると思うな!」
総士「その為にも、僕はより一層力をつける。誰も死ぬ事無く、この戦いを生き抜くべく!」
総士「こんな提督でも、君達はついてきてくれるか……?」
204 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/26(月) 23:43:10.24 ID:DsKgyi540
弥生「弥生は……ついていきます。司令官の思いは、弥生にも伝わりました」
夕張「私もです。初めて提督の本心を聞いた気がしました」
168「さ、最初からそう言ってくれればよかったのに!あれだけじゃ誰だって誤解しちゃうよ!」
赤城「私達の命を重んじる提督の心意気、確かに受け取りました」
電「電も、司令官のお側で働きたいのです!」
ワーワー
吹雪「司令官、改めてよろしくお願いします」
総士「あぁ、こちらこそ」
総士(これで僕は、あの時から変われたんだろうか……)
205 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/27(火) 00:03:22.45 ID:MBZNzqMV0
総士「皆ありがとう。僕が責任を持って、君達を導いてみせる」
総士「……最後に、身を呈して天龍の命を救った龍田の死をここで弔おう。提督として、一人の人間として」
僕らは祈った。安らかな眠りを、そして彼女がいた証をその心に刻むべく
僕は忘れない。これまでの痛みを、そしてここでの痛みも――
―――――――――
~隔離部屋~
総士「……天龍」
天龍「……何だよ」
総士「お前は、どこにいる」
天龍「……」
総士「僕には、どこにもいたくないように見えるぞ」
天龍「……かもしれねぇ」
206 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/27(火) 00:33:09.23 ID:MBZNzqMV0
天龍「最低だよ。散々命令違反したのは俺なのに龍田が死んで、おまけに受けなくてもいい非難まで浴びせて、俺は逆上して暴れまわって空気壊して……」
天龍「もう俺、立ち直れる気がしねぇよ。こんな使えねぇ船、さっさと解体でも何でもしてくれ提督」
総士「……今のお前を見たんじゃ、折角助けた龍田も浮かばれないな」
総士「お前だけに教えてやる。僕は戦闘の指揮を取っている時、お前達が感じる全てを共有している」
天龍「どういう意味だ?」
総士「お前達が戦いの中で思っている事は僕にも伝わっている。そしてお前達が受ける痛みも、僕は同じように感じている」
天龍「俺達の頭ん中いつも覗いてやがったのかよ、悪趣味だなぁ」
天龍「……痛みも受けるって、お前はただの人間だろ?それも全員分をか!?」
総士「そうだ。それもその時だけじゃない、フラッシュバックによって何度もその痛みが蘇ってくるんだ」
総士「だが、こうするしかフェストゥムの読心術を防ぐ手立ては今のところない。勝つにはこうするしかないんだ」
天龍「……」
207 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/27(火) 01:28:32.62 ID:MBZNzqMV0
総士「だから僕は、龍田が今際の際に何を思っていたのかも知っている。知りたいか?」
天龍「……教えてくれ」
総士「彼女はお前を庇った瞬間はとても満足していた。自分の行動に一切の迷いも後悔もないと言っていた」
総士「だがフェストゥムに同化される寸前、彼女は最後の最後にお前に助けを求めていた。彼女はまだ生きたかったんだ、お前と共に」
天龍「何だよそれ……それじゃあ俺はますますどうしようもねぇ奴じゃねぇか」
総士「自己犠牲は美談にとられがちだが、実際はそんな単純なものじゃない。だから僕はあの時龍田の死を自業自得と言ったんだ」
総士「……が、行為は否定しても、その心まで否定するつもりはない」
天龍「……」
総士「お前はこの鎮守府を守る艦娘達の一人、天龍だ。お前を必要としている仲間は沢山いる。龍田がそうだったように」
総士「お前の命はお前だけのものじゃないんだ。お前がいなくなった事によって誰かがいなくなる事だってある」
総士「それでも最後に選ぶのはお前自身だ。例え強いられた運命だとしても、お前は選び直さなければならない」
208 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/27(火) 01:41:08.35 ID:MBZNzqMV0
総士「……その選択すら放棄するというのなら、もうどこにもいたくないのなら、その時は僕が責任を持ってお前を処分する」
天龍「……」
総士「明日、もう一度問う。それまでゆっくり考えるといい」
天龍「龍田……俺は今、どこにいるんだろうな」
210 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/05/27(火) 01:54:34.48 ID:iQngiYh9o
俺はここにいるぞ
でも大量の五十鈴達はもう居ないがな!(牧場主)
211 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/27(火) 03:35:29.71 ID:Xki1LLySO
俺は…俺はここにいるッ!
スパロボいいじゃん…熱くなれて。
俺のマークゼクスとショウ=コハ=ザマは、フル改造して前線で回復役してたよ。
でもなぜか衛は助けられかった…
212 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/27(火) 08:41:37.27 ID:gHOy3xe50
ライフゴォゾンモエアガルイノチガアルカギリ~♪
?「マークディスティニーなら、こういう戦い方も出来る!」
213 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/27(火) 08:45:49.37 ID:yQRG2fKio
乙でしたー
犠牲になる覚悟だけじゃ誰も救われないな
217 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/27(火) 17:03:50.58 ID:AXONzWZ/0
乙
剣司の成長は本当に凄いものだった
219 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/28(水) 10:55:16.96 ID:bP8ln6rHo
劇場版では中盤以降終始泣きっぱだったよ・・・
220 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/30(金) 05:37:32.67 ID:jZWqdWF30
映画はコウヨウで涙腺崩壊した…
222 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/30(金) 21:44:44.92 ID:ZnyAv60m0
―――――――――
~夜・執務室~
総士「……」フゥ
吹雪「どうしたのですか司令官?お疲れ気味ですか?」つお茶
総士「いや、疲れてるわけではない。ただ……」ズズ
吹雪「ただ?」
総士「誰かを励ますというのは難しいと……そう考えてた」
吹雪「あぁ、天龍さんの事ですね。早く立ち直ってくれればいいんですが」
総士「……」ズズ
吹雪「司令官は、私達の事を大事に思ってくれてるんですね。今日の話を聞いた時、とても嬉しかったです」
総士「そうか」
吹雪「初めは何だか気難しい人だなーって思ってました。一度も笑ったところを見た事ありませんし」
総士「悪かったな」
吹雪「お、怒ってます!?す、すみません!」ペコペコ
総士「怒ってなどない、表情が硬いだけだ」
223 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/30(金) 22:10:54.61 ID:ZnyAv60m0
吹雪「あ、今のって弥生さんの口癖ですよね?」
総士「……」
吹雪「こうして司令官と他愛のない話をするのも初めてですね」
総士「そうだな」
吹雪「楽しくないですか……?」シュン
総士「いや、僕はそういう空気に不慣れなだけだ。ましてやこんな状況で提督たる僕が談笑などしている場合ではないだろう」
吹雪「そ、それは違うと思います!たまには笑ったりして息抜きしないと心が持ちませんよ!」
総士「……息抜きなら、もう十分している」
吹雪「え?」
総士「明日は出撃だ。君も帰って体を休めろ」
吹雪「は、はい。では失礼します」
バタン
総士「……難しいな、誰かと付き合うというのは」
224 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/30(金) 22:33:43.02 ID:ZnyAv60m0
―――――――――
~隔離部屋~
天龍「……何だお前ら」
電「あ、あの……」
雷「ここからいなくなるって、本当なの?」
天龍「どこで聞いたんだよその話」
暁「偶然ここを通りかかったら司令官が処分するって……」
響「そんなに悪い事したの?」
天龍「まぁ、悪いっちゃ悪いよな。命令無視しまくった癖に提督ぶん殴ったり……」
天龍「何より、俺の独断のせいで龍田が死んじまったからな……そりゃ重罪だろうな」
電「いなくなるのはいやなのです。龍田さんだけじゃなく天龍さんまでいなくなってしまったら私達は……」ジワ
天龍「お、俺なんかの為に泣くなよ。そいつは龍田に流してやってくれ」
225 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/30(金) 23:19:28.13 ID:ZnyAv60m0
雷「私、司令官を説得しに行ってくる!」ダッ
天龍「やめろ!余計な事しなくていい!」
雷「でもぉ……天龍までいなくなっちゃったら、寂しいよぉ……」ポロポロ
電「そうなのです!私達がここに来たばかりの時、二人はいつも一緒にいてくれたのです!色んな事教えてくれたのです!」
暁「だから今度は私達が天龍を助ける番!龍田だってそうしてほしいに決まってる!」
響「もっと、一緒にいたい……」
天龍「……提督は俺にこう言ったんだ、『お前はどこにいる』って」
雷「どういう事?」
天龍「俺にもよく分からなかった。でも、お前達が会いに来てくれたおかげでその答えが分かった」
226 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/30(金) 23:27:56.50 ID:ZnyAv60m0
響「分かったら、出してくれるの?」
天龍「さぁな、でもいつまでも塞ぎ込んでる俺は天龍じゃない。天龍ってのは世界水準を軽く越えた自信家で馬鹿な戦闘狂だ」
天龍「それとお前らの兄貴分でもある。あぁそうだ、俺は天龍だ」
電「天龍さん?」
天龍「ありがとな。俺、やっとここに戻って来れたよ」
―――――――――
―――――――――
~翌日~
総士「答えは出たか?」
天龍「あぁ、お蔭様でな」
総士(……目の色が変わったな)
総士「なら聞こう、お前はどこにいる?」
227 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/30(金) 23:36:08.66 ID:ZnyAv60m0
天龍「俺はここだ、俺が天龍だ!こんなどうしようもない奴が俺以外にいてたまるか!今までしでかした事も、全てが俺なんだ!」
総士「……そうか」カチャ
ガシャン
天龍「提督?」
総士「ただ今をもって天龍の拘束を解く。改めて、この鎮守府での働きに期待している」
天龍「いいのか?もう出ても……」
総士「早速だがお前には他の艦隊と共に南西諸島への海域奪回戦に参加してもらう」
天龍「……」
総士「いけるか?」
天龍「当たり前だろ!」
228 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/30(金) 23:46:50.51 ID:ZnyAv60m0
―――――――――
~南西海域防衛ライン~
【編成】
吹雪(旗艦)
雷
電
暁
響
天龍(キラ付け状態)
雷「初の戦闘ね、緊張するわ……」
吹雪「大丈夫よ、なんてったってこっちには天龍さんがいますから」
天龍「当ったり前だろ!全部俺に……いや、お前達も頼りにしているぞ」ナデナデ
暁「な、なでなでしないでよ!一人前のレディなんだからね!///」テレテレ
響「言葉の割には嬉しそうだね」
電(いいなー暁ちゃん……)
229 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/31(土) 00:01:20.99 ID:99sjEDhZ0
―――――――――
~鎮守府~
赤城「本当に良かったのですか?まだ彼女達は戦いに慣れてません、いきなりこんな大役を任せても……」
総士「僕自身もどうかしていると思う。これは実践で、しかも命のやり取りをしているんだ」
総士「おまけにあそこは一人が命を落とした場所……それも彼女達が一番慕っていた」
赤城「そんなあの子達をわざわざ戦場に出すなんて……感情的な行動による戦闘への支障を危惧してあのような措置をしたのでは?」
総士「あぁ。でも僕には、これが最良の選択だと確信した」
総士「今の彼女達なら、今の天龍ならこの戦いを任せられる、と」
弥生「大丈夫……きっと」
夕張「えぇ、私もそう思うわ」
総士(天龍、僕は信じているぞ……)
230 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/05/31(土) 00:24:46.84 ID:99sjEDhZ0
―――――――――
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
戦艦リヴ「マタキタカ……」
空母プレ「ドウカヲ……」
駆逐スフ×4「……」
暁「あ、あれが私達の敵……!」
天龍「あの面子なら、俺達でも十分やれるぞ」
電「頑張るのです!」
吹雪「皆さん行きますよ!」
嘗て、一対の龍がその片身を失った
数え切れない痛みを抱えて海底へ沈み行く、その体を救い上げたのは己の存在が残したものだった
そして今、隻眼に光を携えた龍が再び天へと昇る――
233 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/05/31(土) 00:38:00.93 ID:2m5DRQ7j0
乙
龍田(スレイブ型)まだ~?
234 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/31(土) 12:18:10.54 ID:WFxkMKjF0
タッチダウンないですよね(震え声)
238 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/03(火) 19:06:14.84 ID:lNK30Qhi0
空母プレ「イケ……」
ドバババババババババ
吹雪「空襲、来ます!」
天龍「撃ち落そうなんて考えるな!お前らの持ち前は機動力と夜戦での雷撃だ!全部避けろ!」
雷「これ、全部避けられるの!?」
天龍「戦艦すら一発で大破させるモノだ、脆いお前らが食らえばどうなるか言わなくても分かるだろ!」
電「は、はいなのです!」
天龍(それに、提督が言ってた事が本当なら尚更当たる訳にはいかねぇんだ……!)
総士『……』
239 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/03(火) 19:16:50.56 ID:lNK30Qhi0
響「っ、すごい数だね」
ベチャ
暁「きゃっ!主砲に引っ付いて……!」
天龍「それはもう駄目だ、外せ!」ガシッ
ドガンッ!
暁「あ、ありがとう……」
雷「わっ!?」ドンッ
吹雪「雷ちゃん!」
雷「だ、大丈夫!ちょっとかすっただけ!」
240 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/03(火) 19:31:58.43 ID:lNK30Qhi0
戦艦リヴ「ヨソミシテイテイイノカ?」ゴォッ
天龍「テメェは俺がぶっ潰す、だが今はその時じゃねぇ!」ドドド
総士『天龍!』
天龍(分かってるよ、ちょっと足止めするだけだ。心配すんな、あんな無茶はしねぇからよ)
総士(……分かった)
総士『吹雪、第六駆逐隊!天龍が奴を足止めしている間に敵の数を減らせ!あのスフィンクス型なら君達でも十分倒せる!』
総士『だが深入りはするな。あくまで勝負は夜という事を忘れるな』
吹雪「了解です!」
241 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/03(火) 19:39:17.40 ID:lNK30Qhi0
吹雪「皆!砲撃用意!」
雷「まっかせて!」
電「なのです!」
暁「オッケー!」
響「了解」
駆逐スフ×4「……!」ゴォッ
吹雪「撃てー!」
ドドドドドドドドドドド!!
【駆逐スフ×2・撃沈】
【駆逐スフ×2・中破】
吹雪「やりました!」
雷「どんなものよ!」
242 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/03(火) 19:57:31.74 ID:lNK30Qhi0
―――――――――
~夜~
戦艦リヴ
空母プレ
駆逐スフ・中破
駆逐スフ・中破
総士『戦況は優勢だ、最後まで気を抜く事なく勝つぞ。一人も欠ける事無く勝利する事が、死んだ龍田への弔いにもなる』
吹雪「はい……」
天龍「吹雪、あのデカイのは俺に任せてくれ。皆は他の奴らを頼む」
吹雪「大丈夫ですか?」
総士『構わない、ここは天龍を信じよう』
吹雪「分かりました……これより、夜戦に突入します!!」
243 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/03(火) 20:01:06.40 ID:rEiVmnXN0
ナイトヘーレ開門が鳴り止まない!
244 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/03(火) 20:08:52.78 ID:lNK30Qhi0
ドガガガ!
雷「どう?昼間とは全然違うでしょ!」ドドド
駆逐スフA「ッ!」ボゴンッ
暁「龍田の仇、取ってやるんだから!」ドドド
響「これで、終わりだよ」チャキッ
駆逐スフA「……ワレワレハ」
電「!」
ドーーーン!
雷「後はあのクラゲみたいなの被ってる奴だけね!」
空母プレ「……」
245 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/03(火) 20:34:31.22 ID:lNK30Qhi0
総士(この間もそうだったが、ここのプレアデス型は夜になると小型を飛ばせなくなるのか。これも艦娘を理解した結果なのか?)
吹雪「今ならいけます!一斉掃射!」
響「電、どうしたの?」
電「いえ、なんでもないのです」
雷「いっくよー!」
ズドドドドドドドド
空母プレ「……ヲ、……ッヲ」ボコッベコッ
響「効いてるね」ドドド
吹雪「空母型は夜になると無力だからね!」ドドド
暁「昼間のお返しよ!このまま倒してやるんだから!」ドドド
空母「ヲグッ!ナ……ゼ……」ボコンッバコンッ
電「……!」
246 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/03(火) 20:48:41.94 ID:lNK30Qhi0
空母?プレアデス?「ナゼ…ワ、たしハっ……ドコ、にもいナい?」
電「ま、待って欲しいのです!」バッ
雷「ちょっ、何しっ……!」
ドゴンッ!
電「あうっ!」バシャッ
総士『!?』
吹雪「電ちゃん!どうして敵を庇うんですか!?」
電「ご、ごめんなさい!ごめんなさいなのです!だ、だって……」
電「あの敵艦、助けてほしいって……目が言ってたのです!」ポロポロ
暁「こんな時に何言ってるの!」
電「戦いには勝ちたい……でも、それよりも電は!命を助けたいのです!」
電「例え敵だったとしても……助けを求められたら、手を伸ばしたいのです!ごめんなさい、ごめんなさい……うぅ」ポロポロ
雷「電……」
247 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/03(火) 21:04:31.33 ID:lNK30Qhi0
天龍「クソッ!」ズザザザ
戦艦リヴ「ナゼアラガウ?ソンザイニハイタミヲトモナウ……イタミノハテニ“シ”ガオトズレ、イズレマタ“タンジョウ”シ、フタタビイタミヲアジワウ」
戦艦リヴ「イツマデクリカエス?クルシミノレンサカラトキハナトウトシテイルノニ、ナゼソンザイヲエラブ?」
天龍「……存在は何も痛みばっかじゃねぇってのを知ってるからだ」
天龍「お前に龍田を食われた時、心がすげぇ痛かった。一日中泣き喚くくらい痛かったさ。この世から居なくなりたくもなった」
天龍「けどなぁ、俺にはその痛みを分かち合ってくれる奴らがいた!俺の存在を教えてくれた奴がいた!痛みじゃねえ、優しさを感じた!」
天龍「そん時俺はここにいてよかったと、心底思った!だから俺はここにいる事を選ぶ!テメェらみたいに存在を捨ててたまるか!」
総士(天龍……)
戦艦リヴ「マァイイ、オマエモナカマトイッタイニシテヤロウ」グパァ
総士『天龍!何としても、あのフェストゥムを倒すぞ!』
天龍「当然だぁ!」
251 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/04(水) 10:42:55.94 ID:oMGTIM1Mo
存在することの苦しみ、 いなくなることへの恐怖
252 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/04(水) 16:18:33.70 ID:wMn2EeMho
乙
一難去ってまた一難になりそうなフラグが見え隠れするのが怖い
253 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/06/05(木) 04:03:53.93 ID:wEexRJuJ0
永遠の命とは夢であり、そして地獄である
255 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/05(木) 22:16:17.05 ID:G1wsIGFi0
天龍「らぁっ!!」
剣撃と拳撃が交差し、砲撃と崩撃が飛び交う。息もつかぬ攻撃の嵐が水平線を震わせた
相手は戦艦級の深海棲艦にリヴァイアサン型のフェストゥムが同化した強敵。そして彼女の親友を奪った仇だ
対して天龍は軽巡洋艦にルガーランスが一本、如何に一撃を入れるかが勝負の分かれ目だろう
天龍「ちっ!」
天龍の思考は果敢な攻撃とは裏腹に冷静さを保っていた。だが……
天龍「ビクともしねぇのかよ、頑丈な体しやがって」
戦艦リヴ「ムダダ」
火力が低いせいか、砲撃を撃ち込んでも傷つかず、斬撃も弾かれてしまう
256 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/05(木) 22:40:50.59 ID:G1wsIGFi0
総士『装甲が堅いのか、火力不足なのか。こちらの攻撃があまり効いてないみたいだ』
天龍「どうすりゃ攻撃が通る?」
戦艦リヴ「サァ、コチラヘ……」
手甲が花弁のように割れ、天龍目掛け襲いかかった。それを咄嗟に避ける
龍田を飲み込んだあれを目に奥歯を噛み締める。今すぐにでも叩き斬ってやりたいと睨みつけた
その後も攻防が続くが、徐々に押されつつあるのを感じた
総士『もうすぐ仲間が来る、全員でかかれば……』
天龍「それだと今度は誰かが死ぬリスクが上がっちまう。出来ればコイツは俺一人で!」
総士『だとしても、今のままでは勝機がない。今アレに決定打を与えられるのはお前だけだ、お前だけが死んでも駄目なんだぞ』
天龍「分かってる!けど……」
257 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/05(木) 22:53:40.31 ID:G1wsIGFi0
吹雪「天龍さん、加勢に来ました!」
吹雪に連れられ第六駆逐隊の面々が到着した
戦艦リヴ「ミナ、ワレワレトヒトツニナリニキタカ」
雷「アンタを倒しに来たのよ!」
天龍「お前ら……」
天龍の表情には安堵と不安が入り混じっているように見えた
砲撃と雷撃の時雨がフェストゥムに容赦なく降り注ぐ
響「流石戦艦級、これくらいじゃビクともしないね」
暁「でも数を重ねればいつかは!」
258 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/05(木) 23:29:34.36 ID:G1wsIGFi0
総士『僅かだが効いているようだ。このまま反撃の隙を与えるな!』
吹雪「はい!」
更に攻撃を重ね、フェストゥムは防御姿勢のまま後ろへと押されつつあった
天龍(どのタイミングでいけば奴に一撃を決められる?)
ルガーランスを両手に握り、機会を伺う。確実に仕留められるその瞬間を
だが、相手はそんな機会を与えるつもりなどさらさらない
戦艦リヴ「サァイクゾ」
突如、防御を解き艦隊の列へと突進してきた
259 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/05(木) 23:39:24.94 ID:G1wsIGFi0
天龍「しまった!」
突撃を防ごうとするも、戦艦の重量と速度と破壊力に成す術なく天龍は吹き飛ばされた
駆逐艦の彼女らも巻き込まれ、陣形が乱れてしまう
暁「あうぅ……」
電「痛いのです……」
総士『全軍下がれ!一度体勢を立て直すんだ!』
雷「わ、分かってるよぉ」
慄く第六駆逐隊の面々をフェストゥムは見逃さなかった
戦艦リヴ「ワレワレトヒトツニ」
電「ひっ……!」
巨龍の顎が、電を飲み込まんと迫る
260 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/05(木) 23:53:55.08 ID:G1wsIGFi0
総士『まずい、逃げろ電!』
電「あ……あ……」
電は初めて感じる死への恐怖に飲まれ、身動きが取れなくなっていた
天龍「させるかああああああああ!!」
剣を捨て、電を守るべく全速で駆ける
天龍(もう誰一人として俺の前からいなくなるんじゃねぇよ!)
戦艦リヴ「ナルガイイ……」
電は、自分の体が真横へ飛ばされる感覚で正気に戻る
そして……
261 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/05(木) 23:56:18.13 ID:G1wsIGFi0
電「天龍、さ……!」
金色の怪物は、彼女の憧れの人を飲み込んだ――
262 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/06(金) 00:13:40.35 ID:zUK76eEd0
総士『――天龍、聞こえるか』
天龍「あぁ、まだ聞こえるよ」
天龍「ひとしきり抵抗したが、変なのに巻きつかれたままついに身動きがとれなくなっちまったよ」ギチギチ
総士『……』
天龍「剣は外に投げちまったし、頼みの主砲は潰された」
天龍「もう、ここまでなのか……チクショウ」
総士『まだだ、まだお前はそこにいる。お前はまだこうして僕と話をしていられる!だから最後まで存在を捨てるな!』
総士『お前は一人じゃない、僕が最後までついてる!』
天龍「提督……」
263 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/06(金) 00:32:07.22 ID:zUK76eEd0
電「ヒック……天龍さんがぁ……!」
響「返して!」ドドド
雷「やだよ天龍ぅー!」ドドド
吹雪「そんなぁ……」
暁「お願い、返事してー!」
戦艦リヴ「サァ、ツギハ……」
ズバァッ!!
戦艦リヴ「!?」
刹那、敵の右腕の内側から刃が飛び出した
そしてそれは分厚い腕を真一文字に切り裂き、破壊する
264 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/06(金) 00:43:57.98 ID:zUK76eEd0
電「……天龍、さん?」
天龍「おぅ!」
雷「よ、よかったぁ……」
中から飛び出してきたのは天龍だった。それを知って皆は涙を流しながら安堵の息を漏らす
彼女はまだ、ここに残る事が出来たのだ
天龍「……龍田が、俺を助けてくれたんだ」
暁「え?」
天龍の右手には、嘗て龍田が愛用していた槍が握られていた
天龍「アイツの中にコレが残ってたんだ。お蔭で俺はここに戻って来られた……」
死んでからも彼女に助けられるとは……と、自分の不甲斐なさと龍田への感謝の思いが巡った
265 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/06(金) 00:58:26.15 ID:zUK76eEd0
戦艦リヴ「マサカ……シュクフクヲコバムトハ……」
天龍「悪いな、祝福ならもうとっくに貰ってんだよ!」
龍田の槍とルガーランスを手にフェストゥムへと迫る
戦艦リヴ「ナラバモウイチド……」
天龍「そいつを待ってたぜ!」
大きく開かれた左腕の花弁に天龍はルガ-ランスを投げ入れる。その剣は龍の顎を穿ち、貫いた
右腕に続き左腕までも失った敵は最早無防備となっていた
天龍「フフフ、怖いか?」
挑発的な笑みを向ける。だがフェストゥムからの返答はなかった。彼らは恐怖というのを理解出来てないからだ
266 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/06(金) 01:05:47.25 ID:zUK76eEd0
「分からねぇなら教えてやる」
友の形見を握り締め、敵の頭上へと跳ぶ
「それが……」
「生きてるって証だ!!」
万感の思いを込めた一撃は、フェストゥムという“存在”に確かに届いた――
269 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/06/06(金) 02:28:38.43 ID:e6g/GgSb0
このSSが完結するまで……俺はここにいる!!
270 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/06/06(金) 13:09:19.15 ID:zY70yoB+0
乙
い み ど
な ん う
く な せ
な
る
271 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/06(金) 13:38:51.32 ID:f7NC6MGGo
>>270 どうしてそんなことを書いた!言え!
乙ー
272 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/06/06(金) 21:17:38.00 ID:zUK76eEd0
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