425 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 23:11:37.71 ID:Pl0P1Gk0O
これはもう一つのお話
梓と律はギクシャク&気まずい空気で見事律の逆転優勝となったわけだが……。
律「意義あーり!」
唯「え~あれはどう見ても気まずいよ~?」
澪「そうだぞ律。トンちゃんの餌をやろうとして梓にもうさっきあげましたって突っ込まれるとこなんてもう最高に気まずかったじゃないか」
律「それはわたしが申請用紙を書きに行ってて知らなかったからで……。だからリベンジマッチを要求する!」
唯「リベンジマッチ?」
梓「懲りませんね律先輩は…」
紬「またみんなと触れ合えるのね!」
427 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 23:16:59.15 ID:Pl0P1Gk0O
律「ちっちっち」
指を振りながら甘いぜみたいな仕草を見せる律。
律「このままもう一回普通にやってもつまらないだろ? だから……」
澪「だから……?」
律「他のメンバーを入れてそのメンバーとの得点+今の得点を足して多かったやつが優勝! これでどうだ!?」
唯「お~!」
紬「お~!」
梓「他のメンバーって言っても……誰ですか?」
律「うむ、よくぞ聞いてくれた! わたしは考えたんだ……この五人が知り合いで、尚且つ上手くバランス取れたメンバー……それは!」
唯「それは!?」
律「和! 憂ちゃん! 後、え~と……、すずきさん? 梓の同級生の」
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 23:20:09.24 ID:9m+Vliaq0
この時点で気まずいじゃねーか
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 23:22:43.11 ID:Pl0P1Gk0O
梓「純ですか?」
律「そうそう純ちゃん純ちゃん! その三人を加えてのリベンジマッチだああああ!!!」
澪「ま、待てよ律! そんなの唯が有利に決まってるじゃないか!」
唯「ふぇ?」
梓「確かにそうですね。妹の憂と気まずくなるわけがないし和先輩は幼なじみですし」
律「そう! だからこその異分子……、純ちゃんだ!」
梓「純……可哀想に、異分子扱いされてるよ」
律「唯! 純ちゃんとの親密度は!?」
唯「う~ん……憂とは中学生からの友達らしいけどわたしとはあんまりかなぁ。家にも遊びに来なかったしぃ」
律「聞いたかみんな!!!」
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 23:27:00.51 ID:Pl0P1Gk0O
律「つまり純ちゃんに関しては同じクラスである梓以外はみんな鬼門! だが梓にとって和は鬼門! みんな一人はほとんど絡みのない人がいるこの構図! 完璧だろ!?」
澪「い、言われてみれば確かに……」
紬「あんまり知らない子達とコミュニケーションね!」
梓「和先輩ですか……確かにほとんど喋ったことないかも」
唯「なんだか面白そうだね!」
律「更に!! 特別ジャッジにさ~わ~ちゃ~ん!」
さわ子「話は聞かせてもらってたわ! 気まずさって外で見てる分には最高よねぇ!!」
澪梓「(悪どい……)」
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 23:32:05.90 ID:Pl0P1Gk0O
律「さわちゃんはななななんと1~10ポイントがつけられる特別審査員なので他のみんなが1点でもさわちゃん次第じゃ……!」
さわ子「消し飛ぶわよ~?」
澪「なにこのクイズ番組のおしまいの方の展開……」
梓「よっぽど負けたくなかったんですかね」
唯「悪いけど死守させてもらうよ!」
紬「楽しみね!」
律「明日は祝日で休みだから開催は明後日な! じゃあかいさ~ん」
澪「まて、」
律「…はい?」
澪「練習、しような?」
律「あははは……、当然じゃないですかぁ! 嫌だな~秋山さんは~」
梓「はあ……」
こうして気まずさ選手権! リベンジマッチ!の火蓋は切って落とされた。
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 23:37:51.43 ID:Pl0P1Gk0O
翌日!
律「昨日はああ言ったが……」
やっぱり一番不利なのはどう考えてもわたしだ。
憂ちゃんとはゲームの話で何とかなるとしても……和は昨日のこともあるしその時点で気まずい。
更に更に鈴木……、じゃない純ちゃん!(名字で呼ぶとその時点で気まずい)は一回軽音部に遊びに来たときぐらいしか接点がない……!
律「ならば……作ればいい!」
さっそく携帯を起動、しかし、メールの宛先選択にて手が止まる。
律「純ちゃんのアドレス知ってそうなのは……わたしの知ってる限りじゃ梓ぐらいか。これで梓に聞いたら」
梓『律先輩必死になってやんの~あずプップッ~』
律「ぐぬぬぬ……、中野には聞けん!」
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 23:45:49.38 ID:Pl0P1Gk0O
律「ってことはもう一人の仲良しさんの憂ちゃんに聞くしかないか。しかし憂ちゃんのアドレスも知らない……。唯に聞いてもいいけどな~……やっぱり和に聞こう」
ピポパ……。
律「さて、出掛ける準備するか」
まさかたかだか遊びでここまでするとは思うまい!
だがやるからには勝つ!
それがりっちゃんの心情だぜ!
ピリリリン
律「来た! 何々? あなたで二人目よ。今日憂のアドレス聞いて来たの。だと……?」
律「まさか…わたしの他にも動いてるやつがいると言うのか! こうしてはいられ~ん! サンキュー和っと! 次は憂ちゃんにメールして純ちゃんのアドレスゲットだ!!」
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 23:53:56.34 ID:Pl0P1Gk0O
その少し前、既に行動を開始している人物がいた。
オールしまむらファッションに身を包み、いざ、平沢家へ。
澪「和は同じクラスだったし問題ない。純ちゃんも同じベーシストだからベースの話をしてたら大丈夫。となるとやっぱり問題は憂ちゃんだ」
歩きながら思案する。
澪「憂ちゃんとまともにしゃべったのは正直記憶にないぐらいだからな……。今日でその気まずさを埋めとかなくちゃ」
しかし我ながら今日の自分行動力には驚かされる。
朝、一番気まずくなるであろう憂ちゃんに狙いを定め、和にアドレスと電話番号を聞き、メールよりは電話の方が誘い易いか?っと思い電話したのが数十分前。
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 00:00:08.56 ID:dwcn4XKCO
──
澪「も、もしもし」
『はい、どちら様でしょうか?』
澪「あ、えと……。澪だけど」
『澪? 澪さん?』
澪「うん! 澪だよ!」
『どうしたんですか? お姉ちゃんに何か用事ですか? お姉ちゃんなら二階で寝てますよ。起こして来ましょうか?』
澪「いや、今日は唯じゃなくて憂ちゃんに用事があるんだ!」
『私に……ですか? 澪さんが?』
澪「う、うん」
『どんな用事ですか?』
澪「きょ、今、日一緒に遊びに行かないっ?!」
──
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 00:03:12.61 ID:ZlUS2eCl0
気まずすぎて怖い
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 00:06:54.18 ID:dwcn4XKCO
そうして今に至る。
澪「思い出すだけで火が出そう……」
唯には内緒で遊ぼうなんて……、なんと言うか怪しいとか思われてないだろうか?
澪「いいって言ってくれたし……とりあえず嫌われてはなそうで良かった」
澪「うん! 今日を機に仲良くなるのも良いな!」
仲良くなれるのだろうか……?
澪「胃が痛い……」
澪「って気まずくないようにするために今気まずくなってどうするんだ!」
澪「大丈夫! きっと仲良くなれるさ!」ミョンッ!
子供「ままーあの人変だよ~?」
母親「見ちゃいけません!」
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 00:15:50.18 ID:dwcn4XKCO
──
真鍋和の携帯は朝から大忙しだった。
同級生二人から幼なじみの妹のアドレスやら電話番号やらを聞かれたと思うと次は後輩から遊びましょう!なんてメールが来たのだ。
和「全く軽音部はまた何かやってるのかしら……」
今日も一日勉強をしようと思っていたのだが……。
和「まさか梓ちゃんから誘われるなんて思わなかったわね……。唯とかなら突っぱねるところなんだけど」
訝しげながらも出掛ける準備を進める。
和「後輩とデートね。たまには悪くないかも」
──
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 00:23:57.54 ID:dwcn4XKCO
──
純「ぐがあ……」
純「ずぴぃ~……」
純母「純~! 起きなさ~い! 友達来てるわよ~」
純「……んあ? ともだひ? あへ~そんな約束してたっけ」
純「あ、携帯光ってる。梓かな? も~遊ぶなら昨日の内に言っといてよね!」
急いで準備すまし、玄関に向かう。
純「ごめ~んお待たせ。でも梓も遊ぶなら遊ぶでちゃんと昨日メールしとい……」
律「よっ!」
純「……」
律「……、コホンッ!」
律「どもー」
純「……」
ガチャン
律「閉めないでっ~!」
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 00:31:01.99 ID:dwcn4XKCO
純「なんで律先輩が家の前にいるんですか! 夢かと思って閉めちゃいましたよ!」
律「一応メールはしたんだけど」
純「えっ、あ、ほんとだ。あれ? アドレス教えた覚えが……」
律「まあまあ細かいことは気にしない気にしない!」
純「はあ……、で、何か用事ですか?」
律「遊びに行こうっぜ!」
純「……わたしとですか?」
律「そう」
純「二人で?」
律「そうそう」
純「……何でですかッ!? 全く状況が理解出来ないですけど?!」
律「純ちゃん。わたしは常々純ちゃんと仲良くなりたかったんだよ」
純「ほえっ!?」
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 00:33:54.20 ID:bCPRfOv60
純は適当にしゃべってれば大丈夫そうだけどなw
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 00:50:34.28 ID:dwcn4XKCO
律「いつか部室に来てくれたことがあったろ? え~と、確かわたし達がメイド服来てた時!」
純「は、はい……、ありましたね」
律「その時思ったんだよ。純ちゃんと仲良くなりたいなって……」トオイメ
純「そうなんですか……。でもあれから随分時間が経ってるのに今更過ぎません?」
律「うっ……。い、今までは機会がなかったっていうか~……」
純「はあ……、そうなんですか」
律「まあとにかくいい機会だし遊びに行こうぜ!」
純「あっ、えっ、ちょっと! 律先輩?!」
律が純の肩を抱くとそのまま強引に連れ去って行くのだった。
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 00:57:45.96 ID:VP60mAd2O
憂が会話できない場面が浮かばない
461 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 00:59:04.90 ID:dwcn4XKCO
──
憂「澪さんから遊ぼうなんて……。どうしたんだろう?」
面識はあるものの接点はお姉ちゃんが所属する部活の友達、私にとっては知り合いの先輩でしかない。
憂「でも……、ちょっと楽しみだな」
これをきっかけに仲良くなれるかもしれないと思うと少し心がわくわくした。
憂「準備しなきゃ!」
後掃除と……お姉ちゃんのお昼ごはんも作っとかないと!
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 01:05:49.25 ID:dwcn4XKCO
憂「掃除も終わったし洗濯物も干したしご飯も作ったから後は準備して……」
唯「う~い~ご飯~」
憂「あっお姉ちゃん。おはよう。ご飯出来てるよ~。お昼ご飯だけど」
唯「ん~ん~……」
憂「私はこれからちょっと出掛けるけど、お姉ちゃんは?」
唯「わたしは家でペットモペットの最新巻を読んでるよ~」
憂「じゃあもし4時ぐらいまで私が帰って来なかったら洗濯物お願い」
唯「わかったぁよぉ~」
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 01:56:10.61 ID:dwcn4XKCO
──
澪「まだかな……?」ウロウロ
澪「ついたってメールはしたんだけど……」ウロウロ
ウロウロしながら公園で待つこと5分。
憂「お待たせしました~!」
澪「や、やぁ憂ちゃん」
憂「色々しとくことがあって……待ちましたか?」
澪「ううん。今来たとこだよ(平常心平常心……)」
憂「良かったぁ。でも今日はどうしたんですか? 二人きりで遊びに行こうだなんて」
澪「まあ、それは行きながら説明するよ」
憂「そうですか。わかりました」
澪「憂ちゃんご飯食べた?」
憂「いえ、まだですけど」
澪「そっか。じゃあこれからどこかに食べに行こうよ」
465 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:05:15.46 ID:dwcn4XKCO
憂「あ、あのっ」
澪「ん?」
憂「余計なことかな?って思ったんですけど……作って来たんです」
澪「えっ? お昼ご飯を?」
憂「はい」
澪「…私の為に?」
憂「はい。ご迷惑でしたか?」
澪「ううん! すっごく嬉しいよ!(憂ちゃんいい子だなぁ~)」
憂「良かったぁ。じゃああっちで食べましょう。いいところがあるんです」
澪「うん」
先に歩いて行く憂ちゃんの小さな背中を見ながらつくづく思う。
澪「(良くできた子だなぁ)」
466 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:11:13.09 ID:dwcn4XKCO
──
梓「ちょっと早く来すぎたかな」
12時で駅で待ち合わせてるのだが現時刻は11:45。
辺りを見渡すもまだ和先輩の姿はなかった。
梓「和先輩と二人っきりか……緊張するな」
自分から誘っといて緊張するのも失礼な話だけど緊張するものは仕方ない。
梓「どんなこと話そう…。やっぱり唯先輩のことかな?」
和先輩と共通の話と言えば唯先輩のことぐらいだろうし、他の話はあまり間が持ちそうにない。
梓「あとはなるようになれです!」
和「何がなるようになれなの?」
梓「ひゃいっ!」
467 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:16:04.57 ID:dwcn4XKCO
和「ごめん、びっくりさせちゃったかしら」
梓「い、いえっ! とんでもないです!」
和「? それにしても早いわね。私も早く来たつもりなんだけれど。待たせちゃったかしら?」
梓「私もさっき来たところです! ぜんぜんっ、ぜんぜん大丈夫です!」
和「そう? ならいいんだけど。お昼ご飯は食べた?」
梓「あっ、まっ、まだです」
和「そう。じゃあどこか入りましょうか」
梓「はひ!」
和「そんな緊張しなくていいのよ。唯達と一緒にいる時みたいな感じでさ」
梓「すみません……。こっちから誘っといて気を遣わせてしまって」
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:22:45.78 ID:dwcn4XKCO
和「気にしないで。後輩をエスコートするのは先輩の仕事だもの」
そう言って微笑んでくれる和先輩がとても頼りに見えました。
梓「(軽音部の先輩達とは違って何だか頼りになるなぁ)」
先を歩く和先輩の後ろをまるで雛鳥の様にちょこちょこついて行く私。
梓「(これじゃほんとにどっちが誘ったのかわかんないや)」
でも今は頼りがいのあるこの背中について行くことにした。
心に少しの気まずさを残しながら。
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:26:18.21 ID:ZlUS2eCl0
和ちゃん優しい
470 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:30:17.04 ID:dwcn4XKCO
──
某ハンバーガーショップ
律「ガンガン食べてくれ! 今日は先輩の奢りだ!」
純「はあ、どうも」
ハンバーガーをモソモソ食べながら律の様子を伺う。
純「(この人は何を考えてるんだろう……。いきなり家に来たと思ったら遊ぼうぜ!なんて……)」
律「ぷっはぁ! やっぱりハンバーガーにはコーラだよねん」
純「そうですね…(悪い人じゃないのは梓から大体聞いてるし……、女同士だから危なくはないだろうけど……やっぱり気まずいなぁ)」
奢ってもらったシェイクをチューチューと吸引しながら元気そうに振る舞う律の話を適当に相づちを打ちながらやり過ごす。
472 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:40:11.05 ID:dwcn4XKCO
律「なぁ、純ちゃん」
純「はい?(急に真面目なトーンになった!?)」
律「人と人ってさ、どこから仲が良くなって行くんだろうな……」
純「へ?」
律「わたしは今日純ちゃんと仲良くなりに来たんだ。でもその当人はどこか上の空……!」
純「す、すみません」
律「いや、いいんだ。まあ確かに無理やり仲良くなろうってのが無理な話だもんな。徐々にそうなってければいいなって……、わたしは思ってるから」
純「……(なんだ……いい人じゃん。わたしと仲良くなる為にこんな頑張ってくれるなんて。
梓が律先輩は適当でずぼらでいつも遊んでばっかりとか言うからダメダメな人なのかな?って思ってたのに。拍子抜けした)」
473 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:48:03.46 ID:dwcn4XKCO
純「すみません! 律先輩!」
いきなり立ち上がり、一礼。
律「ふ?」
それを見たハンバーガーをくわえたままの律がそんな空気の抜けた声を出した。
純「わたし律先輩のこと勘違いしてました! わたしの為にこんなに良くしてくれてるのに何か裏があるんじゃないか~? とか疑ったりしてすみません!」
律「えっ? あ~、いいんだよ! 過ぎたことはりっちゃん気にしない!」
純「律先輩……!」
律「ま、まあ座りなさい。目立つから、ね?」
純「あっ! はい!」
律「まあ和解出来たってことで。これからよろしくね、純ちゃん」
純「はい! よろしくお願いします!」
そうして私達は固い握手を交わした。
律「(計画通り)」
その時、律先輩の目がにわかに光った気がしたのは気のせいだろう。
474 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:59:41.26 ID:dwcn4XKCO
──
澪「すっごく美味しかったよ憂ちゃん!」
憂「お粗末様でした」
笑顔でそう答える憂ちゃんが誰よりも可愛くて……。
思わず、
澪「憂ちゃんって可愛いな」
なんて口走ってしまった。
憂「えっ?」
澪「あ、えと、その……。私は一人っ子だから。こんな可愛い妹がいるなんて唯が羨ましいなって」
憂「そうなんですか。私は産まれてからずっとお姉ちゃんが一緒にいたから一人っ子の気持ちはわからないですけど……(澪先輩寂しいのかな?)」
澪「だよね! ごめんなこんな話して。次はどこに行こうかな~」
憂「(もし妹がいたらどうなのかな?みたいな感じで私を呼んだ…とかなら)……澪先輩が良かったら、今日は姉妹になりませんか?(気付いてあげないと!)」
澪「え? ええええええええええええ!!!??」
475 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 03:03:19.53 ID:dwcn4XKCO
このままじゃ選手権行くまでに朝になるから割愛してく
479 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 03:14:03.44 ID:dwcn4XKCO
澪「(気まずさをなくす為に遊びに誘ったら姉妹になっちゃった! じゃない何かとんでもないことに……)」
憂「次はどこにいっこか? お姉ちゃん♪」
澪「私が……お姉ちゃん」
家ではずっと一人で小中学校じゃ律しか友達がいなかった私に……妹!?
憂「映画にする? それとも……澪さん?」
澪「えっ?!」
憂「やっぱり迷惑でしたか…?」
澪「そんなことないよ! ただちょっとびっくりして」
憂「そうですか(良かったぁ。間違ってたら恥ずかしい子だったよぉ)」
澪「じゃ、じゃあ映画に行こっか」
憂「うん! お姉ちゃん」
澪「(何だかよくわかんない展開になったけど……唯が羨ましい!!!)」
481 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 03:20:52.08 ID:dwcn4XKCO
──
和「迷ったわ……」
梓「えええええっ!?」
しばらく歩き、ついて行った挙げ句、開口一番のセリフがそれだった。
和「ごめんなさい。行きたい店があったのだけれど……。また間違っちゃったみたいね」
梓「またって前にも迷ったことがあるんですか?」
和「三回に一回はたどり着けるのだけど……変ね」
梓「それって着かない確率の方が高いんじゃ…」
和「仕方ないわね。そこら辺の喫茶店にでも入りましょうか」
梓「……いえ、和先輩が行こうとした店に行きましょう! せっかくお勧めな店に連れてってくれてたのに途中で諦めるのは勿体無いです!」
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 03:27:56.21 ID:dwcn4XKCO
和「まあお勧めと言えばお勧めなんだけれど……。でもここがどこかすらわからない中でたどり着くなんて……一体その頃には何時になるか」
梓「店の名前は知ってるんですよね?」
和「ええ。シャルディベって名前の喫茶店だったかしら」
梓「じゃあ大丈夫です! ちょっと待っててください!」
和「?」
近くのコンビニへ入ると暇をもて余している店員を掴まえる。
梓「すみません、この近くにシャルディベって言う喫茶店ありませんか?」
店員「あ~ちょっと待ってくださいね(道聞く客ほどウザいもんはねぇわ……)」
店員「こっから真っ直ぐ行って突き当たりを左のその先二つ目の信号を左で見えてくると思いますよ」
梓「そうですか! ありがとうございます!」
店員「い、いや! 店員の義務ッスから!」←今顔見た人の図
490 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 03:34:43.76 ID:dwcn4XKCO
梓「わかりましたよ店の場所! 行きましょう!」
和「コンビニで地図でも買って来たの? 悪いからお金半分払うわ」
梓「え? いや道を聞いて来ただけですけど。そもそも地図に店の名前載ってませんし」
和「コンビニって店の場所まで教えてくれるの? 凄いわね……」
梓「(まさか知らなかった? 和先輩って意外と……)」
和「じゃあ行きましょうか、梓ちゃん」
梓「ああっ! そっちじゃないですよ和先輩! こっちこっち!(和先輩って意外と抜けてる?!)」
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 03:41:09.34 ID:dwcn4XKCO
──
ゲームセンター
律「とぅぅぅりゃあああああ」
純「なんのぉぉぉっ!!!」
律「やるなぁ!? ここまでついて来られたのは純ちゃんが初めてだ!」
純「そっちこそやりますね! 梓なら今頃コースアウトしてますよ!」
今二人がやっているのは、
激突! カーチェイス!
というカーレースもののゲームだ。クリアするまでに何台クラッシュさせられるかという速さよりも悪どさが求められる斬新さが売りらしい。
今はもう残り律カー(黄色のヤン車)と純カー(茶色のジープ)しか残っていない。
クラッシュさせた数も10づつと同数だ。
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 03:49:36.23 ID:dwcn4XKCO
律「クラッシュさせた数も同数なら先にゴールした方が勝ち……ならばわたしは先に行かせてもらう!」
そう言って一層アクセルを強く踏み込む律。
純「速度の遅いヤン車でこの純ジープにかなうとでも思ってるんですか!?」
純もそれにつられる様にアクセルを踏んだ。
律「(かかった!)」
前を行く律カーのブレーキランプが点灯。
純「(こんなところでブレーキ!? 正気ですか!?)」
体が反応し、すぐさまブレーキを踏む純。
律「はっはっは! 悪いな!」
純「しまった!」
律がブレーキをしたのは一瞬だけだが、純は律より長くブレーキをした分減速した為にスピードの立ち上がりの差がそのまま距離となる。
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 03:55:10.39 ID:dwcn4XKCO
律「これが地元テクよ!」
純「地元全く関係ないじゃないですか! でも……!」
純は素早く左のアイテムボタンを押すとジープの後ろからロケットブースターの様なものが出現し、噴射。
律「なにいいいい!?」
純「切り札は最後までとっておくものですよ、先輩!」
グングンと差を詰めてくる純カー。
律「(まずいっ! このままじゃゴールにつく前に抜かれる!)」
純「もらったああ!!!」
律「させええん!!!」
ハンドルをうねる様に左にきると律カーが純カーに激突!
純「なにいいい!?」
そのまま純カーはクラッシュ、しかし律カーも純カーにぶつかられた衝撃で横転、クラッシュとなった。
500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 04:00:33.95 ID:dwcn4XKCO
律「いやー良い勝負だった」
純「どこがですか! どう考えてもさっきのはわたしの勝ちですよ!」
律「純ちゃん、これはクラッシュゲームだ! クラッシュさせたもん勝ちなんだよ!」
純「くっ……! 確かにそうですけど」
律「じゃあ次はあれで勝負しようぜ!」
律が指したのは太鼓の鉄人。
純「どう考えてもドラムやってる律先輩が有利じゃないですか!?」
律「バレたか」
純「じゃああっちにしましょう」
純が指したのはベースマニア。
律「そっちこそ卑怯だぞー!! ベースやってんの知ってんだからな!」
純「なら両方で勝負なら文句ないでしょう!?」
律「望むところだああ!!!」
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 04:06:33.48 ID:dwcn4XKCO
デデデデデデデデッデデデデデデン♪
50コンボー
律「うっひゃっひゃっひゃ」
純「そりゃっそりゃ」
スカッ、スカッ、
ベーベーベーベーベーベーベン♪
COOLッ!
純「たのし~ッ!」
律「え~とこれがこっちで……あーーーッ! 指吊ったあああッ!」
BAD
律「はあ……はあ……」
純「はあ……はあ……」
律「やるな、純ちゃん」
純「律先輩こそ」
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 04:13:09.31 ID:dwcn4XKCO
──
澪「えっと、ここかな」
暗闇の中何とか席までたどり着き一安心。
憂「楽しみだねお姉ちゃん」
澪「そ、そうだね」
自然と振る舞ってくれる憂ちゃんには未だに慣れないけど……。
澪「(お姉ちゃんか……。悪くないかも)」
憂「お姉ちゃんポップコーン食べる?」
澪「う、うんっ!」
澪「(幸せだ~)」
憂「あ、始まるよ~」
私達の選んだ映画、それは。
『わんちゃん大冒険』
タイトル通り可愛いもの系の映画だ。
澪「(憂ちゃんも可愛いの好きなんだな。律だったら痒くなるとか言われそうな映画のタイトルなのに。意外と気が合うのかも)」
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 04:18:54.56 ID:dwcn4XKCO
映画が進むにつれ犬のヌペが段々弱っていく。
憂「ヌペ……」
目頭を押さえながら小さな声で頑張れ! 頑張れ!と呟く憂ちゃんを私は、
澪「(憂ちゃん頑張れ! 頑張れ!)」
と応援していた。
とうとう冒険の半ばに倒れてしまったヌペ。
憂「ああっ」
澪「(ああっ! 憂ちゃんが悲しそうじゃないか! 頑張れヌペ!)」
私の想いが届いたのかヌペは気力を振り絞り、また立ち上がった!
憂「良かった……」
澪「(良かった……憂ちゃんが元気になって)」
507 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 04:23:52.75 ID:dwcn4XKCO
いよいよフィナーレ。
綺麗な湖にたどり着いたヌペ、その畔には優しそうな女の子が立っていた。
優しく微笑む彼女と一緒にヌペは天に登って行く。
そう、この冒険はヌペの夢だったのだ。
街中で捨てられたヌペは最後に幸せな夢を見て天国へ行った……。
憂「ヌペぇ……」
ぐすぐすと泣く憂ちゃん。
澪「憂ちゃん……」
私も一人だったら大泣きだったろう。でも今は、今日だけは姉なのだ、この子の。
ならばしっかりしなくては、そんな想いが私を強くしたのかもしれない。
澪「よしよし」
憂「」グスグス
いつもは見ないスタッフロールをバックに、私はいつまでも憂ちゃんの頭を撫でていた。
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 04:35:20.81 ID:dwcn4XKCO
──
和「ようやくたどり着いたわね……」
梓「何が二つ目の信号を左ですかあの店員! 思いっきり三つ目じゃないですか! 騙されました! 文句言って来てやるです!」
和「まあまあ。ついたんだからいいじゃない。」
梓「和先輩がそう言うなら……」
和「じゃあ入りましょうか」
梓「はい」
ガチャ
梓「……ガチャ?」
ガチャガチャ
和「……」
梓「……」
そこにはこうあった。【本日定休日】
梓「お休み……みたいですね」
和「……」
梓「(ダメだ最高に気まずい)」
和「ちょっと待っててね、梓ちゃん。開けさせて来るから」
そう言って裏口に回ろうとする和先輩を全力で止めに入ったのだった。
511 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 04:38:31.45 ID:k06N4ALz0
和wwww
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 04:42:07.58 ID:dwcn4XKCO
和「はあ……」
結局手短の喫茶店に入った頃にはお昼、と言うよりは夕方、に近い時間帯となっていた。
和先輩の落ち込み具合も日の傾きのと同じ様にどんどん沈んで行っている……、みたい。
梓「和先輩は悪くないです! たまたまお店がお休みだっただけで……」
和「いえ、何回も行ったことがある私が定休日を覚えていないのが悪いのよ…。ごめんね梓ちゃん。お詫びと言うか元々奢るつもりだったけど奢るわ」
梓「そんなっ! 誘ったのは私からですし私が出します!」
和「いーえ、ここは譲れないわ。ここまでしといて奢られたりしたら生徒会の、ううん、全世界の先輩の名折れだわ!」
梓「は、はあ(何か変なところは意地っぱりだなぁ)」
514 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 04:47:13.41 ID:dwcn4XKCO
私はナポリタン、和先輩はミックスサンドを頼みとりあえずは水で空腹を満たす。
和「そう言えばお昼食べてなかったんだよね私達。今梓ちゃんがナポリタン注文してから思い出したわ」
梓「私もです。ケーキセットを頼もうかなって思ったんですが何か違うぞ? お腹減ってるぞ? みたいになって、ああ、そう言えばってなりました」
お互い軽く微笑みながら楽しい会話を続ける。
和「後で頼んでいいわよ。ケーキセット」
梓「はい。お代は自分で出しますけど」
和「なかなか頑固ね梓ちゃんも」
梓「和先輩こそ」
そうしてまた、二人は微笑んだ。
515 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 04:53:27.45 ID:dwcn4XKCO
──
律「ゲーセンの後と言えば」
純「駄菓子屋ですよね!」
律「見よ! このうまー棒の食べ方!」スポーンサクサクサク!
純「なんの! このただ一つの変わらない純の吸引力!」チュルチュルチュル
駄菓子屋のおばあちゃん「二人とも元気でええのう」
純「元気だけが取り柄みたいな人ですから! 律先輩は!」
律「なんだとぉっ!? 純だって同じもんだろうっ!?」
駄菓子ばあちゃん「どれ。仲がいい若者二人にサービスしてやるかのう」
律&純「ありがとうおばあちゃん!」
駄菓子「ほっほっほ」
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 04:59:56.12 ID:dwcn4XKCO
律「は~遊んだ遊んだ」
純「ですね~」
駄菓子屋に設置されているベンチに座りお菓子を食べる二人。
気づけばもう日は随分と傾いており、早いところではそろそろ晩御飯が出てきてもおかしくない時間帯だ。
律「ごめんな、何かこんな遊びばっかりで」
純「いえ、わたしもこういう方が好きなんで。楽しかったです、凄く」
律「そっか」ニシッ
純「(こんなにいい先輩がいるなら軽音部に入っとくんだったなぁ)」
律「また遊ぼうな、純ちゃん」
純「はい、是非! 次は負けませんよ! 太鼓の鉄人」
律「わたしもベースマニア練習しとくよ」
純「……ふっ、ぷははは」
律「ぷっ、つ、あははは」
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 05:06:20.46 ID:dwcn4XKCO
律「家まで送るよ」
純「一人で大丈夫ですよ」
律「だーめ。女の子の一人歩きは危ないんだぞ!」
純「律先輩だって女の子じゃないですか」
律「わたしはドラムで鍛えたこの筋力があるからだいじょーぶ」
純「あはは、じゃあ途中までお願いします」
律「任せとけい!」
純「(本当にいい先輩だな。今度梓が律先輩の悪口言ったら口つねってやるんだから)」ニヤニヤ
律「な~にニヤニヤしてるんだよ純」
純「何でもないですよー」棒読み
律「なんだそれ」ププッ
人と人はどこから仲良くなるんだろう?
律先輩が言ってた言葉だ。今日それがわかるかもって思ったけど、やっぱりわからなかったや。
純「(だってほんとにいつの間にか仲良くなっていたからっ!)」
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 05:15:27.31 ID:dwcn4XKCO
──
憂「さっきはすみませんでした」
澪「いや、いいよ。いい話だったよね」
憂「はい! 犬のヌペがけなげに頑張るところとか凄い可愛かったです! 今度お姉ちゃんとも見ようっと」
澪「……」
憂「あっ、すみません(今は澪さんがお姉ちゃんなのに…)」
澪「唯が羨ましいな。憂ちゃんみたいな可愛くてしっかりした妹がいるなんて」
憂「そんな……私なんて」
澪「……、さて! 次はどこに行こっか? 服でも買いにいく?」
映画の時間は勿論、映画が始まるまでの待ち時間も含めて時刻は結構なものになっていた。
憂「(洗濯物はお姉ちゃんに頼んでるけど大丈夫かな…?)」
522 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 05:23:19.27 ID:dwcn4XKCO
憂「(取り込もうとしてお布団と一緒に落ちたり……)」ソワソワ
澪「憂ちゃん?」
憂「(晩ご飯も作らないとお腹減ったよ~って泣きながらうい~って言ったり……)」ソワッ……ソワッ……
澪「(……そっか)」
澪「帰ろっか、憂ちゃん」
憂「えっ? ま、まだ大丈夫ですよ! それでどこに」
澪「唯が心配なんだろ?」
憂「……はい。お姉ちゃん無理しちゃわないかやっぱり心配で……。こないだ梓ちゃん達と遊んでて遅くなったら私が料理作るよっ!
って意気込んだのはいいけどお鍋が一つご臨終に……」
澪「唯らしいな」
憂「お鍋はいいんですけどお姉ちゃんが心配で……」
澪「(やっぱり本当の姉妹には勝てないな。気まずさを無くすためだけにこれ以上連れ回すのも悪いし、残念だけど姉妹ごっこはここまでにしよう。
本当に残念だけど……ね)」
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 05:24:12.54 ID:8W1spbApO
喫茶店のナポリタンって妙に美味しく感じるよな
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 05:29:02.01 ID:k06N4ALz0
なんか泣いた
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 05:31:25.00 ID:dwcn4XKCO
澪「送るよ」
憂「澪先輩の家逆方向じゃないですか? いいですよ、一人で大丈夫です」
澪「……もうちょっとだけ、もうちょっとだけ姉妹でいたいから。途中まで一緒に帰ろう。憂」
憂「…うんっ! お姉ちゃん!」
夕日を背に隣同士仲良く歩く姿は、どこから見ても仲の良い姉妹そのものだった。
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 05:40:36.37 ID:dwcn4XKCO
──
和「昔唯と砂の橋を作ってね。作ったのはいいのだけれど唯がみじゅが流れてない! とか言い出してさ。でも公園の水道は遠いし水を汲むものもなかったの」
和「それで唯どうしたと思う?」
梓「どうしたんですか?」
和「あの子ったら家からホースを引っ張って来て憂に蛇口開けさせてさ。ホースが道路を横断してたわ」
梓「プッ、唯先輩らしいですね」
和「それで砂場水浸しにして砂の橋も水没した後近くのおばさんに怒られて、唯はその後お母さんにも怒られたらしいわ」
梓「唯先輩のお母さんってすっごく興味あります!」
和「梓達は知らないんだっけ」
梓「はい、いつも留守で」
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 05:47:51.06 ID:dwcn4XKCO
和「唯のお母さんは普通の人よ」
梓「へ~意外です」
和「ただお父さんが……ね。何と言うか……すっごい唯に似てるわ」
梓「唯先輩はお父さん似なんですね……」
和「顔は両方母親に似てるのに性格はしっかり分裂したみたいね」
梓「やっぱり幼なじみは違いますね! 唯先輩の知られざる真実がどんどん明らかになりました!」
和「まあね。付き合いだけは無駄に長いから。……そろそろ出ましょうか。唯の話してたらすっかり遅くなったし」
梓「そうですね。お代わりしまくったせいか店員さんの目もそろそろ痛いですし」
結局お代は仲良く割り勘となり、二人は喫茶店を出た。
カランカラン、アリガトウゴザイヤシターッ!
533 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 05:55:47.62 ID:dwcn4XKCO
和「まだ私は時間大丈夫だけれど……梓ちゃんは?」
梓「私も大丈夫ですけど、今日はもういいです」
和「あら残念」
梓「真面目な受験生をこれ以上連れ回すのも悪いですし」
和「真面目な後輩を連れ回すのはいいのかしら?」
梓「それはいいんじゃないですか? 暇ですから」
和「ふふ、じゃあお言葉に甘えて連れ回したいところだけど今日はやめとくわ。遅くなると弟と妹が心配するしね」
梓「弟さんと妹さんがいるんですか? 初耳です!」
和「その話はまた今度ね、駅まで送るわ」
梓「はい、ありがとうございます」
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 06:06:33.03 ID:dwcn4XKCO
──
駅前
律純「あ」
澪憂「あ」
梓和「あ」
綺麗にあ、が重なった。
律「(やっぱり他のやつらも動いてたか! しかしまさかこの組み合わせとは……)」
澪「(やっぱり唯とムギは動かなかったか。あの二人は自分の醸し出す空気で何とかしちゃうからな。しかしこの組み合わせは……!)」
梓「(律先輩と純が仲良く歩いてるなんて何かありそうだけど信じらんない! 澪先輩と憂はどことなく姉妹っぽいけどこの組み合わせは……)」
律澪梓「(正直気まずい)」
律「(憂ちゃんと澪とか絶対気まずかったろ!! よく遊ぶ気になったなおい!)」
澪「(梓と和が一緒にいるところなんて想像もつかないな……正直。今目の前にいるけど)」
梓「(律先輩と純、律先輩と純ププッ)」
538 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 06:12:28.89 ID:dwcn4XKCO
和「また珍しい組み合わせね」
和は全てわかっているように、
純「梓が和先輩とって……プフ-ッ似合わない似合わない」
純は特に気にした様子もなく、
憂「(みんないつの間にか仲良くなってたんだね~)」
憂はいつも通りに、
そして、三人は
律「(明日覚悟しとけよ?)」バチバチ
澪「(せいぜいがんばって優勝してくれよ? 律ぅ)」バチバチ
梓「(私を忘れてもらっちゃ困りますよ、センパァイ?)」バチバチ
激突する!!!
明日、頂上決戦!!!
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
和、純、憂参戦編
気まずさよ、天高く舞え!
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