1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 22:32:30.65 ID:tjcLd06M0
ちゃぶ台と座布団があるだけの、狭い部屋。
クロコダイル「妙なところに来ちまった……」ガチャッ…
クロコダイン「ここはいったい……?」ガチャッ…
クロコダイル「…………」
クロコダイン「…………」
クロコダイル「なんだお前は?」
クロコダイン「人に名を尋ねる時は、自分から名乗るのが礼儀ではないか?」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 22:34:12.93 ID:69LRqagFO
ぐわあああああああああああああああああああああ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 22:38:39.83 ID:tjcLd06M0
クロコダイル「クハハハ、まさか畜生に礼儀を説かれるとは……」
クロコダイル「おれも落ちたもんだ……」
クロコダイル「実際のところ、おれはお前なんざに興味はねェ」
クロコダイル「あるのはここがどこで、どうやったら出られるかってことだけだ」
クロコダイル「いきなりわけの分からねェ光に包まれて」
クロコダイル「気づいたらこの部屋に通じるドアの前にいた」
クロコダイル「周囲の壁はなにをどうしようが、壊せやしねェ」
クロコダイル「……で、どうやったら出られる?」
クロコダイル「この場でお前をブチ殺せば出られるのか?」
クロコダイン「そんなことはオレにも分からん」
クロコダイン「オレとて友人と酒盛りをしようとしていたら」
クロコダイン「お前と同じように光に包まれてしまったのだからな」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 22:43:40.79 ID:tjcLd06M0
クロコダイル「つまり、お前にも出る方法は分からねェと」
クロコダイン「ああ」
クロコダイン「期待にそえなくてすまないがな」
クロコダイン「少なくともオレとお前が敵対する意味は、全くないはずだ」
クロコダイル「クハハハハ……!」
クロコダイン「?」
クロコダイル「悪いがおれは、他人を信用するってのができねェ性分でな」
クロコダイル「初対面の奴に腹割って話させるにゃ、やはり“拷問”が一番だ」ヒュルルッ
クロコダイル「砂嵐(サーブルス)」
ビュアアアッ!
クロコダイン「ぐわああああっ!」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 22:44:39.00 ID:kC07hAkt0
クロコダイルって何のキャラだと思ったけどジャンプ系みたいだしワンピースかなんかか
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 22:46:43.48 ID:69LRqagFO
ぐわあああああああああああああああああああああああ
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 22:48:36.24 ID:tjcLd06M0
クロコダイン「グオオッ……!?」ミシミシ…
クロコダイン「なんだ、これは……砂の竜巻!?」ミシミシ…
ビュオアァァ……!
クロコダイル「能力は鍛えれば鍛えるほど強くなる」
クロコダイル「この狭い部屋で使える技は限られるが──」
クロコダイル「数百人はふっ飛ばせる砂嵐を、凝縮してお前にまとわせたんだ」
クロコダイル「こうなったらもう、たとえ巨人だろうが動けやしねェ」
クロコダイル「安心しろ。お前の図体なら死にゃあしねェだろうよ、多分」
クロコダイル「さて、お前が知ってることを洗いざらい吐いてもらおうか」
クロコダイル「これ以上、砂嵐の中で苦痛にもがきたくなきゃな」
クロコダイン「グ、グオオッ……」ググッ…
クロコダイル「!?」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 22:48:58.59 ID:GQ4s6Tkm0
クロコダインに勝ち目がなくてどうしようもないな
雨でも降れば十分勝ち目はあるんだが‥
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 22:51:30.29 ID:pMSNIhcw0
ワニノコ「クロコダインさん水鉄砲を使うワニワニ」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 22:53:42.90 ID:tjcLd06M0
ビュオァァァ……!
クロコダイン「ウオオッ……!」ググ…
クロコダイル「ま、まさか……」
クロコダイン「グフフッ……やるではないか!」
クロコダイン「オレも長く生きているが、こんな技を喰らったのは初めてだ!」
クロコダイン「だがオレとて、いやしくも獣王と呼ばれた身!」
クロコダイン「これしきで音を上げるようなヤワな鍛え方はしておらんわァ!」
クロコダイン「グオオオオッ!」ムキムキッ
ブオァッ!
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 22:55:30.29 ID:UmL5ETxdO
おっさんの頑丈さは半端じゃないからな
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 22:59:46.51 ID:tjcLd06M0
クロコダイル「ぐ……!」
クロコダイル「まさか、馬鹿力だけで砂嵐(サーブルス)を弾き飛ばすとは……」
クロコダイン「いや……なかなかの技だったぞ」ゼェゼェ…
クロコダイン「大魔王バーンが滅びた後も、レベルを上げていなければ」
クロコダイン「オレは今も竜巻の中で、もがいておっただろう」
クロコダイル「ふん……図に乗るなよ」
クロコダイル「動きを封じるのが難しいんなら」
クロコダイル「四肢のどれかでも斬って、大人しくさせりゃあいい」
クロコダイル「砂漠の宝刀(デザート・スパーダ)!」
ザンッ!
クロコダイン「グアアッ……!」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:05:00.85 ID:tjcLd06M0
クロコダイン「グゥゥ……砂に剣のような切れ味を持たせるとは!」シュウゥ…
クロコダイル「なんだと!?」
クロコダイル(直撃したのに、あの程度のダメージとは──)
クロコダイル「不死身か、てめェ……!」ギリッ
クロコダイン「不死身などではない」
クロコダイン「もし不死身であったなら、オレはさっきの竜巻で動けなくなり」
クロコダイン「あるいは今の砂の刃で手か足を失っていただろう」
クロコダイン「人間も怪物(モンスター)も、いずれは死ぬ」
クロコダイン「だからこそ、生けとし生ける者は精一杯、己を高めるのだ!」
クロコダイン「このオレも! これほどの技を持つお前も!」
クロコダイン「そう──閃光のように!」
クロコダイル「わけの分からねェことを……!」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:09:31.01 ID:tjcLd06M0
クロコダイン「オレとて武人のはしくれ!」
クロコダイン「理由のない闘いというのは好まんが」
クロコダイン「闘いを挑まれたなら、全力を以って応えるのみ!」
クロコダイン「ぬおおおおっ!」ムキムキ…
クロコダイン「グオオオオッ!」ボンッ
クロコダイル(腕の太さが、倍加した!?)
クロコダイル(なにをするつもりだ、このワニ!?)
クロコダイン「平和な世でも磨き続けたオレの得意技だ!」
クロコダイン「獣王会心撃ッ!」
ギュオオオオオッ!
クロコダイル「!?」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:13:46.30 ID:tjcLd06M0
クロコダイル「ちいっ!」サラサラ…
ズオォォォンッ!
クロコダイル「くぅっ……!」サラサラ…
クロコダイル(砂化せずまともに喰らってたら、ヤバかったかもな……!)
クロコダイン「むっ!?」
クロコダイン(砂嵐や砂刃を作るだけでなく、自らも砂と化すことができるのか!)
クロコダイン「どうやら、ただの人間ではないようだな!」
クロコダイル「口をきくワニがなにほざいてやがる……」サラ…
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:16:13.54 ID:69LRqagFO
ぐわあああああああああああああああああああああああ
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:17:53.00 ID:tjcLd06M0
クロコダイン「獣王会心撃では、自在に砂となれるお前には効果が薄いようだ」
クロコダイン「ならば!」
クロコダイン「格闘による直接攻撃あるのみ!」
クロコダイル「バカが……」
クロコダイル「なにをどうやったら、そんな結論に至るか理解できねェ」
クロコダイル「てめェ、よく頭が悪いっていわれねェか?」
クロコダイン「おお、よく分かったな! いわれるどころか、自覚すらしている!」
クロコダイル「救えねェなァ……」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:22:38.94 ID:tjcLd06M0
クロコダイン「いくぞぉっ!」
クロコダイル「フン、俺は自然(ロギア)系能力者……」
クロコダイル「馬鹿力じゃおれを殴れやしねェよ」サラサラ…
ブオンッ! ブウンッ! ブオンッ!
クロコダイン(くっ……まるで手応えがない!)
クロコダイン「ならばッ!」ブンッ
クロコダイル「何度もいわせんな……。馬鹿力じゃおれを殴ぺ」
ドゴォッ!
クロコダイル「ぐおっ……!?」ドザァッ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:27:45.10 ID:tjcLd06M0
クロコダイル「な、なぜだ……!? なんで殴れた!?」
クロコダイル「てめェからは“覇気”を感じなかったぞ!」
クロコダイン「覇気?」
クロコダイン「なんのことか分からんが、オレの拳には“闘気”がこもっている!」
クロコダイン「正直なところ拳が通じるのか不安だったが」
クロコダイン「闘気が通った拳であれば、どうにか通じるようだな!」
クロコダイル「闘気……!?」
クロコダイル(馬鹿力に加え、遠距離攻撃、覇気に似た攻撃手段も備えてやがる!)
クロコダイル(やれやれ……腰をすえてかからにゃならねェらしい……)
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:29:47.32 ID:DhHXfiz/0
仮に一撃でももらったのならその時点でクロコダイル死んでるだろ
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:31:53.60 ID:tjcLd06M0
クロコダイル「いいだろう、ワニ野郎……」
クロコダイル「砂の能力の真髄……“乾き”の恐怖を味わわせてやろう」
クロコダイル「おれの“右手”でな」スッ…
クロコダイン「来い!」チャポン…
クロコダイン(ん、オレの鎧の中になにか入っている……)チャポン…
クロコダイン(こ、これは!? ──そ、そういえば!)
クロコダイン「ちょっと待ってくれ!」
クロコダイル「あァ?」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:37:59.92 ID:tjcLd06M0
クロコダイル「ここまでやり合っておいて、今さら“待った”もねェだろう」
クロコダイン「それはそうなのだが──」
クロコダイン「これ以上闘うと、まちがいなくビンが割れてしまうのでな」
クロコダイル「ビン?」
クロコダイン「ああ」
クロコダイン「今まで無事だったのが不思議なぐらいだ」スッ…
クロコダイン「ここに酒が一本ある」ドンッ
クロコダイン「どうだ、ここらで酒でも飲まんか?」ニカッ
クロコダイル「ふざけてんのか、てめェ……!」
クロコダイル「────!」ハッ
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:38:19.53 ID:69LRqagFO
ぐわあああああああああああああああああああああああ
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:42:54.42 ID:tjcLd06M0
白ひげ『グララララ……!』
白ひげ『そういや、こないだ戦利品でいい酒を手に入れた』
白ひげ『どうだ、ここら辺にして酒でも飲まねェか』
白ひげ『ワニ小僧』ニヤッ
クロコダイル「…………」
クロコダイン(やはり無理か……?)
クロコダイル「ちっ、お前のおかげでイヤな野郎を思い出しちまった……」
クロコダイル「気が削がれた」
クロコダイル「戦闘中断だ」
クロコダイン「おう!」ニヤッ
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:49:37.07 ID:tjcLd06M0
クロコダイン「それにしても、オレたちをここに閉じ込めたヤツは気が利かん!」
クロコダイン「湯のみではなく、グラスを用意してくれればよかったものを!」トクトク…
クロコダイル「何に入れようと酒の味は変わらねェよ」
クロコダイン「グッハッハッハッ! それはそうだな!」トクトク…
クロコダイン「…………」グビッ
クロコダイル「…………」グビッ
クロコダイン「……っぷはぁっ!」
クロコダイル「フン……」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:53:42.65 ID:tjcLd06M0
クロコダイル「てめェがどこのだれかは分からねェが」
クロコダイル「これが安酒だってこたァ分かる」
クロコダイル「どんな国だろうが海だろうが、高い酒の味、安い酒の味ってのは」
クロコダイル「不思議と似通ってくるもんだ」
クロコダイン「口に合わなかったか?」
クロコダイル「……マズイとはいってねェ」
クロコダイン「…………」グビッ
クロコダイル「…………」グビッ
クロコダイン「…………」プハァッ
クロコダイル「…………」フゥ…
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:56:12.38 ID:69LRqagFO
ぐわあああああああああああああああああああああああ
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:57:24.67 ID:bWR72WCU0
SSとぐわああああが交互に投下されてて吹く
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/17(水) 23:57:58.65 ID:44IC86K60
かませコンビ
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:00:20.24 ID:8oJQZUNx0
クロコダイル「ところでお前、なんで酒なんか持っていやがったんだ」
クロコダイン「最初に話しただろう」
クロコダイン「オレは友と酒盛りをするところだった、と」
クロコダイル「そんなもんを、ここで飲んじまっていいのか?」
クロコダイン「あれ以上闘って、飲まずに台無しにするよりはマシだろう?」グビッ
クロコダイル「ちげぇねェ……」グビッ
クロコダイン「…………」
クロコダイン「ところで、オレの名前はクロコダインという」
クロコダイン「元々は魔王軍に属していたが、今は人間のために働いている」
クロコダイン「お前の名前は?」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:06:38.47 ID:EtgEmvqr0
ク、クロコダイールッ!
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:06:59.48 ID:8oJQZUNx0
クロコダイル「……おれの名はクロコダイル。海賊をやってる」
クロコダイン「クロコダイル……おお、オレと名前がずいぶん似ているな!」
クロコダイン「しかし、砂を操る力を持ちながら海賊とは、難儀な道だな」
クロコダイル「うるせェよ」
クロコダイル「ところでお前、さっきから平和な世だの、元は魔王軍だのといってたが」
クロコダイル「今はもう、闘ってはいねェのか」
クロコダイン「ああ、鍛錬は怠っていないがな」
クロコダイル「野心はねェのか」
クロコダイン「野心?」
クロコダイン「あったとも」
クロコダイン「だからこそ、オレはかつてとんでもない過ちを犯した……」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:11:53.18 ID:UWygbMwz0
クロコダインが大活躍するであろう魔界編読みたかったな
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:12:09.91 ID:8oJQZUNx0
クロコダイン「かつてオレは、魔王軍の六大団長の一人に数えられていた」
クロコダイン「人間たちを滅亡させ、武人としての名誉を高めることこそ」
クロコダイン「我が使命だと信じていた!」
クロコダイン「だが、オレは野心ゆえ目先の勝利に心を奪われ──」
クロコダイン「卑劣極まる戦法に走り、“勇者”と呼ばれる少年たちに敗れ去った……」
クロコダイン「そしてオレは彼らの勇気や友情、絆といったものに心を打たれ」
クロコダイン「微力ながら、人間たちの味方につくことにしたのだ」
クロコダイン「やがて激しい闘いの末、大魔王は勇者によって討たれ──」
クロコダイン「今オレは、人間や怪物(モンスター)たちと楽しくやっているよ」
クロコダイル「クッ……」
クロコダイル「クハハハハハハ……!」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:13:42.67 ID:dKNFhJ9c0
>>51 メンツ考えたら100%かませ役なんだよなあ・・・
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:16:55.22 ID:XxcWOO7Q0
オーストラリアからダンディも来るかな
ダンディはルフィの兄貴に似てる
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:17:57.67 ID:P3CUVQwm0
閉じ込め系SS好き
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:18:03.92 ID:8oJQZUNx0
クロコダイル「今の話、聞こえはいいが」
クロコダイル「ようするにガキに負けて、地位も名誉も失って、怖気づき」
クロコダイル「野心を捨てちまったってだけの話だ……!」
クロコダイル「卑劣な戦法? 結構なことじゃねェか」
クロコダイル「およそ強さを誇示して生きる者にとって、勝利はなによりも優先される」
クロコダイル「勝たなきゃなにも始まらねェ……!」
クロコダイル「そんなことをいちいち気にしてるから、てめェは無様に敗れたのさ」
クロコダイル「世界を手中にでも収めようって軍団の一翼を担ってた男が」
クロコダイル「ガキに敗れ、全てを失い、今や酒盛りがせいぜいの楽しみとはな……」
クロコダイル「他人事ながら笑える話だ……!」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:22:49.44 ID:8oJQZUNx0
クロコダイル「クハハハハ……クロコダイン」
クロコダイル「今を楽しくやっている、なんて自分を慰めちゃいるが」
クロコダイル「しょせんお前は、しがない負け犬だ」
クロコダイン「フフッ……なんといわれようとも、オレはそうは思わん」
クロコダイル「なんだと?」
クロコダイン「オレは男の価値というのは──」
クロコダイン「どれだけ過去へのこだわりを捨てられるかで決まると思っている」
クロコダイル「…………」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:23:04.25 ID:sDD9VaIf0
し .ク /
っ .ロ \
か コ /
り .ダ \
し .イ /
ろ .ン丶 ,,ァ--‐,''""'ニ‐、,,___
!/ ̄ ,,iニ7"'''メ、、ヽ,,-‐'´ ミ、`'"、`'i、
∨ ,-‐"゙'‐y'i‐'"i´i゙´゙,i'゙ァ"\;;;;;l_l_ノ ミ-‐''",; _,‐゙'くi,|
/ヽ丶、,_|.::| |::| / / .::_;;::,_〈 ,,゙ミ"゙,/゙r,,゙゙'''o"o'ヽ
/ __,,>Θ'´ '゙""''''"'| 〈 i'´:::く´,|",, /ミ /ミi‐--‐'゙プ/
'"´ | 〈l | く´ `|, /゙,"|,,-'i三 "゙トニ、,/`゙゙‐,
_,-゙i, 〈| \,,|_∠i、,‐/ ゙i、ミ :;',,,'',,' i'
_,-、,,;‐":、 'i;、 `;、  ̄`゙゙'ヽ、 ゙'''‐-'''""`''´
/ii )),::::'; >-、,'、,,________ \
'` ii ,‐ノ::ノ-‐'" ゙´`'´゙"
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:30:31.62 ID:8oJQZUNx0
クロコダイル「まったくてめェみたいのを見てると、“傷”がウズいてしかたねェ!」
クロコダイル「過去へのこだわりを捨てる!?」
クロコダイル「クハハ……捨ててどうなる!」
クロコダイル「捨てようが忘れようが、過去ってのはどうにもならねェもんだ!」
クロコダイル「一度恥を晒せば、死ぬまで笑われ、蔑まれる!」
クロコダイル「過去のこだわりを捨てるなんてのは」
クロコダイル「てめェの“戦歴”から目を逸らす、負け犬の論理……!」
クロコダイル「おれもかつては“力”を欲し、ある国を乗っ取ろうとした……」
クロコダイル「だが、ある小僧どもにしてやられ、全てを失った……!」
クロコダイル「この手で殺すと決めてたジジイも、くたばって勝ち逃げしやがった!」
クロコダイル「一度泥にまみれたヤツは、もう金メダリストにゃなれねェのさ!」
クロコダイル「それが“世界”ってもんだ!」
クロコダイル「過去を捨てようが何しようがな!」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:33:49.13 ID:AtpAxX+c0
↓いつもの画像
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:36:57.25 ID:8oJQZUNx0
クロコダイン「いいじゃないか!」
クロコダイル「!」
クロコダイン「笑われようが、蔑まれようが、泥にまみれようが──」
クロコダイン「恥をとりつくろって、過去の栄光や汚点にとらわれ生きるより……」
クロコダイン「皆に笑われ、泥まみれになりながら己なりの金メダルを目指す!」
クロコダイン「その方がずっと美しい!」
クロコダイン「もしそれが負け犬というのなら、オレは喜んで負け犬の人生を選ぶ!」
クロコダイル「…………!」
クロコダイン「それを気づかせてくれたのが……オレを打ち破った少年たちだ」
クロコダイル(泥まみれで……金メダルを目指す、か)
クロコダイル(一瞬“麦わら”を連想した……バカかおれは)
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:43:40.51 ID:8oJQZUNx0
クロコダイン「それに……なにもオレは野心を捨てたわけではないぞ?」
クロコダイル「ほう?」
クロコダイン「なんたってオレはまだ独り身」
クロコダイン「これから、可愛い嫁を探さねばならんからな!」
クロコダイン「グッハッハッハッハ……!」
クロコダイル「ちっ、真剣に聞いて損した……」
クロコダイン「ハハハ、すまんな。最後の最後で締まらなかったようだ」
クロコダイン「おっと、酒ももうなくなってしまったか」ピチョン…
クロコダイル「フン、もう十分酔った……」
クロコダイル「ワニの戯れ言に耳を傾けちまうぐらいにな」
すると──
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:47:24.85 ID:52rwESzc0
オッサンまだ独男やったんか・・・
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:48:40.41 ID:8oJQZUNx0
ガチャッ……
神「おめでとう」
クロコダイル(ドアが……)
クロコダイン(開いた……)
クロコダイル「……何者だ?」
クロコダイン「お前も、オレたちのように光に包まれてここに来たのか?」
神「私は……神だ」
クロコダイル(コイツが……神?)
クロコダイン(神だと……!?)
神「君たちをこの部屋に呼び寄せた、張本人だ」
神「なお、君たちの世界で語り継がれる神とは“別物”と理解しておいてくれ」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:54:22.60 ID:iskJeZ7Y0
読みにくいわ!
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 00:54:34.01 ID:8oJQZUNx0
神「君ら二人は、もう十分心を通わせ合った」
神「よってこのドアの外にある出口から、それぞれの世界に戻ってよい」
神「なお、この空間では時間は完全停止しているので」
神「不在中の心配などはしなくてよい」
クロコダイル「いきなり出てきて何を抜かすかと思いきや……」
クロコダイル「死にてェらしい……!」シュルル…
クロコダイン「落ちつけ、クロコダイル」
クロコダイン「神よ、いったい何故、我々二人をここに呼び寄せたのだ?」
神「神とは、常に世界に刺激を与える義務がある」
神「よって時折こうやって、全く異なる世界に生きる者二名を選別し」
神「交流させることで、異なる世界同士にわずかながら絆を結ばせるのだ」
クロコダイル「下らねェ……」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 01:00:00.15 ID:8oJQZUNx0
クロコダイル「今すぐにでも、てめェをブチ殺してやりてえが──」
クロコダイル「クロコダインとやり合ったばかりで、しかも酒も入ってる」
クロコダイル「ここは大人しく戻ってやる。命拾いしたな」
クロコダイン「フッ……そうだな」
クロコダイン「オレも久しぶりに、骨のある相手と闘うことができて満足している」
クロコダイン「神よ、ありがとう……!」
神「なに、礼をいわれるようなことではない」
神「互いの世界に戻ったら、二度と会うことはないかもしれんが」
神「君たちがこの部屋で培ったものを、決して忘れないで欲しい」
クロコダイル「……ところで最後に聞いておきたいんだが」
クロコダイル「神、なんでお前はおれら二人を選んだ?」
クロコダイン「そうだな。オレもそれが気になっていた」
神「理由は簡単だ」
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 01:05:40.10 ID:8oJQZUNx0
神「だってさ──」
神「クロコダイルとクロコダインって名前似すぎじゃん!」
クロコダイル「…………」
クロコダイン「…………」
クロコダイル「砂漠の宝刀(デザート・スパーダ)ッ!」ズバァッ
クロコダイン「獣王会心撃ッ!」ギュオオオッ
神「まったく!」
神「いい人生だった!!!」ドン!
神「ぐわああああああーっ!!!」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 01:10:39.35 ID:8oJQZUNx0
クロコダイル「あんなのが神とは……アホらしすぎて言葉もねェ」
クロコダイン「どこかにふっ飛んでいってしまったな」
クロコダイン「ドアも開いたままだし、これで我々はいつでも帰れるのだろうが──」
クロコダイン「どうだクロコダイル、最後に一勝負せんか?」
クロコダイル「勝負?」
クロコダイン「勝っても負けても恨みなし、一発勝負だ」
クロコダイン「どうだ?」
クロコダイル「……いいだろう」
クロコダイル「このまま帰るんじゃ、アホにハメられて酒飲んだってだけだからな」
クロコダイル「ワニを一匹、血祭りに上げるくらいの土産話がねェと締まらねェ」
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 01:16:21.78 ID:8oJQZUNx0
クロコダイン「クロコダイル……」
クロコダイン「最高の技でこい……!」
クロコダイル「クハハハ……安心しろ」
クロコダイル「あいにくおれに、てめェに手加減してやる義理はねェよ」
クロコダイン「フッ……いうではないか! では遠慮無用!」ググ…
クロコダイン「ぬおおおおっ!」ボンッ
クロコダイル「いくぞ」サラサラ…
クロコダイル「砂漠の金剛宝刀(デザート・ラスパーダ)!!!」ゴォアッ
クロコダイン「獣王激烈掌!!!」ギュオアッ
ドォォォンッ!!!
───
──
─
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 01:23:58.78 ID:8oJQZUNx0
その後──
クロコダイン(ここは──元の世界に戻ってこれたのだな)
バダック「クロコダイン! ど、どうしたんじゃ!?」
バダック「急に傷だらけになりおったが、なにかあったのか!?」
クロコダイン(急に傷だらけ……? そうか、あの空間は時間が停止していたのだった)
クロコダイン(じいさんは、オレがいなくなったことを認識していないということか)
クロコダイン「いやなに……骨のある男とちょっと勝負をしただけだよ」
バダック「骨のある男? ダイ君のような男かね?」
クロコダイン「いやダイというよりはむしろ──」
クロコダイン「……ハドラーかな」
バダック「ハドラー!? とんだ悪党じゃな、そいつは!」
クロコダイン「それよりすまん、じいさん」
クロコダイン「オレが持ってきてた酒が、すっからかんになってしまった」
バダック「ああーっ!? 抜け駆けして先に飲みよったな!?」
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 01:29:38.40 ID:8oJQZUNx0
ダズ「ボス、今の一瞬でいきなり負傷して……なにがあったんです? まさか能力者?」
クロコダイル「いや、なんでもねェ。気にするな」
ダズ「分かりました」
ダズ「ところでボス。ボスと“新世界”に入ると大言吐いといて情けねえ話ですが──」
ダズ「おれは先の戦争で、大した武勲も上げられなかった」
ダズ「果たして、この先ボスの足手まといにならずに済むかどうか──」
クロコダイル「ついてこないなら来ねェでいいし、足手まといになったら捨てる」
クロコダイル「それだけのことだ、気にするな」
クロコダイル「それにな……男の価値ってもんは」
クロコダイル「どれだけ過去へのこだわりを捨てられるかで決まるもんだ、ダズ」
ダズ「……ありがとうございます、ボス」
ダズ「でもなんだか今の言葉、なんとなくボスっぽくなかったですね」
クロコダイル(やっぱりいうんじゃなかったぜ……)
───
──
─
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 01:35:35.34 ID:8oJQZUNx0
─
──
───
天使「神様の容体は?」
医者天使「一応神なので、死ぬことはありませんが……」
医者天使「かなりの重傷なので、励ましの言葉でもかけてあげて下さい」
天使「……だからあれ程いったんですよ、神様」
天使「名前が似てるってだけで、人を呼び寄せるのはやめろって」
神「うぅ……天使よ」
天使「はい?」
神「愛してくれて……ありがとう!」
天使「あなたを愛してる人なんて、どこにもいませんよ」
神「ぐわああああああああーっ!!!」
<おわり>
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 01:40:50.57 ID:5BDEzWo00
もつ
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 01:51:35.73 ID:JMQrpiTlO
ぐわああああ乙!
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/07/18(木) 01:54:38.17 ID:52rwESzc0
乙
意外といい取り合わせだった
転載元
クロコダイル「砂嵐(サーブルス)」クロコダイン「ぐわああああ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1374067950/
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