1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 00:43:46.34 ID:XSmy0UdK0
兎娘「それじゃあ、バトンタッチです」
竜娘「宇宙……間違えた、辰年キターーー!!!」
兎娘「……て、テンション高いですね」
竜娘「あ、あんたまだいたの? ほら、時代遅れのウサ耳ちゃんはさっさと爆死しなさいよ!」
兎娘「ちょ、ひ、ひどいです!」
竜娘「そういえば、干支って何すればいいんだっけ?」
兎娘「んー、とりあえず、1年間日本を見守っていればいいんですよ。あとは悪い人にばちを与えたり……」
竜娘「めんどくさい! 決めた! 人間界に行って養ってもらう!」
兎娘「ななな、何を言ってるんですか!!? また神様に怒られますよ!!?」
竜娘「直接悪人を退治に行くようなものだからさ! それに生で仮面ライダー見たいし。じゃあね!」
兎娘「仮面ライダーって、にわかなくせに!!! ……行っちゃった……あー、神様になんていえば……! それに人間界の管理室をあけるわけにもいかないし!!!」
兎娘「竜ちゃんのバカー!」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 00:45:34.63 ID:QTtQSGrj0
蛇娘「どうせ私なんてなりそこないですよ」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 00:48:29.45 ID:XSmy0UdK0
竜娘「さて、人間界に到着したのはいいけど……空気がわるい。排気ガスって奴の影響か……」
竜娘「まいったなぁ……あまりのくささに鼻が曲がって……あれ?」くんくん……
竜娘「いいにおい……」
竜娘「あっちの明るいほうからだ!」
お祭り
男「今年は一人で年越しか……」
男「あ、おじさん。焼きそば1つください」
おじさん「あいよ!」
男「あまりの寂しさに初詣に来たけど……カップルばっかり! リア充爆発しろ!!!」
竜娘「それちょうだい!」
おじさん「ん、お譲ちゃん。お金はあるのかい?」
男(何だ、あの子……コスプレ?)
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 00:52:06.18 ID:XSmy0UdK0
竜娘「ない!」
おじさん「なら後でお母さんと一緒に来るんだね。わかったかい?」
竜娘「……むぅー、罰当たりだぞー!」
竜娘「もういいや、そこの人! それ頂戴!」
男「え、俺?」
竜娘「ね、おねがい!」
男「……いやいや、そこのおじさんも言ってたけど、お母さんに頼んで……」
竜娘「……私に逆らうんだ……」
男「いや、逆らうとかじゃなくて……」
竜娘「もういいよ、人間……さぁ、お前の罪を数えろ!」
男(仮面ライダーダ○ルだ!!? 女の子もやっぱりライダー見るのか……。そこまでロリっ子じゃないけど)
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 00:55:20.69 ID:XSmy0UdK0
竜娘「サイクロン!」ぶわっ!
男「え……?」
男(た、竜巻!!? って、俺の焼きそばが!)
竜娘「ゲットッ! じゃあ、ありがとうねー」
男「……ななな……!!?」
竜娘「うんまーい♪」
竜娘「初めて食べるけど、このやきそばって奴、おいしい!」
竜娘「前にテレビで見たことあったけど、こんなにおいしいものだったなんて……やっぱり人間界は最高!」
虎娘「何が人間界は最高! だよ?」
竜娘「!!?」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:01:01.32 ID:XSmy0UdK0
虎娘「まったく、初日から干支の仕事をサボるなんて信じられないよ。神様、めちゃくちゃ怒ってたよ」
竜娘「こ、こわくねーし! 私のプトティラコンボよりも弱いし!!!」
虎娘「いや、明らか神様のほうが強いから。それに人間から焼きそばまで奪うなんて……多分ただじゃすまないと思うよ」
竜娘「な、なんだとー!?」
虎娘「そんなリアクションとっても許してもらえないよ。とにかく一度神界に帰るよ。僕だって疲れてるんだから」
竜娘「ま、まだ帰りたくなーい!」
虎娘「却下! 即、強制送還します」ぴかー!
竜娘「いーやーだー」ぴかー!
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:06:41.09 ID:XSmy0UdK0
神「おまえ、その姿で人間界へ行ったのか?」
竜娘「……」正座
神「おまけに兎に干支の仕事を押し付けて」
竜娘「い、いや、その、人間界だと仮面ライダーが」
神「馬鹿なことを言っているでない!!!」
竜娘「ひっ!」
神「おまけのおまけに人間の食べ物まで奪ったそうだな」
竜娘「と、虎めっ! 告げ口を……」
神「黙りなさい!!!」
竜娘「ひうっ!!?」
神「罰としてお前には人間界でさっきの男の願いを3つ叶えなければいけない呪いをかける!」
竜娘「なんじゃそりゃ!!?」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:09:43.24 ID:XSmy0UdK0
神「仮に年内に呪いを解けなかった場合……」
竜娘「ば、場合……?」
神「次から辰年は猫年にする」
竜娘「!!?」
神「じゃあ、いってこい!」
竜娘「きゃあああああ!!!? おちるうううう!!!?」おとしあなー
鼠娘「……あの、神様」
神「なに?」
鼠娘「実は楽しんでません?」
神「ばれた?」
鼠娘「はい、長い付き合いですから」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:13:31.99 ID:XSmy0UdK0
竜娘「いてて……人間だったら死んでるよ、これ……」
男「な、何だ、今の音……!?」
竜娘「うわ、思ったより早く遭遇した。神様の仕業か……」
男「お前は! さっきのコスプレ少女!!?」
竜娘「コスプレじゃない! 正装だ!」
男「……」
竜娘(イタイ子を見る目で見られてる……)
竜娘「う、嘘じゃないよ! ほら、角だってちゃんと生えてるんだから!」
男「……最近のカツラはよく出来てるなー」
竜娘「カツラじゃないよ!!!」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:16:01.32 ID:Xr4xV+uN0
>竜娘「カツラじゃないよ!!!」
ペロペロ(^ω^)
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:19:07.48 ID:XSmy0UdK0
竜娘「……ってわけなの! 早く願いを3つ言いなさい!」
男「そんな急に言われても……それに君が竜の神様なんてとても信じられないし」
竜娘「さっきのサイクロンメモr……じゃなくて、風を操作する力とかで信じてくれないの!?」
男「まぁ、そりゃ……たしかに……」
竜娘「ってことで、願いはよ!」
男(なんかうざい……)
男(とはいえ、何をお願いするか……)
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:24:28.62 ID:XSmy0UdK0
男「よし、一つ目。俺の部屋の掃除をして」
竜娘「わかった! じゃあ、早速君の家に案内して!」
男「おう、こっちだ」
男の家
竜娘「汚っ!!?」
男「一人暮らしだと大掃除が面倒くさくて」
竜娘「……どれだけ時間をかけさせるつもりなのよ……」
男「出来るだけ長く」
竜娘「鬼畜!!!」
男「食べ物の恨みは恐ろしいのさ。本音を言うと次の願いを考えるまでの時間稼ぎだけど」
竜娘「あー、もう早く帰りたーい!!!」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:27:00.41 ID:XSmy0UdK0
数時間後
竜娘「お、おわった……」
男「お疲れ様」
竜娘「ふ、2つ目の願いは?」
男「そうだな、最近一人暮らしが寂しいから……しばらく一緒に暮らしてくれないか?」
竜娘「」
男「明らかにいやそうな顔をするな!」
竜娘「なに!? 私の体目当てなの!!!? だだだ、だめよ! まだ初めてなんだから!!!!」
男「つるぺたに興味ないし」
竜娘「」
男(漫画みたいに真っ白になってる……)
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:27:54.86 ID:H9hbsqmA0
俺「3つめは永久に俺と暮らすことだ」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:30:57.05 ID:XSmy0UdK0
竜娘「……じゃあ、日曜日の8時から私にテレビのリモコンの主導権を握らせると言う契約で」
男「あぁ、いいぞ」
竜娘「契約完了だ!」
男「……」
竜娘「あれ、イマジンって知らない?」
男「とにかく、そろそろ寝るぞ。日の出は見なくてもいいし」
竜娘「あの、布団は?」
男「そういえば忘れてた。ほれ、すこし埃っぽいかもしれないけどこれ使え」ぼふっ
竜娘「すこしってレベルじゃなーい!!!」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:34:09.11 ID:XSmy0UdK0
竜娘「……んん……もう朝かぁ……」
男「起きたか。神って朝に弱いんだな」
竜娘「神って言うか、私が朝に弱いの……寒いの苦手だし……」
男「まぁいいや、ほれ、これでも食ってろ」
竜娘「! お餅!? 一度食べてみたかったの!」
男「よくかんで食べろよ。のどに詰まったら死ぬぞ」
竜娘「はーい!」にょ~ん
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:37:04.64 ID:XSmy0UdK0
男「なぁ、すこし気になることがあるんだけど」
竜娘「なに?」
男「その角って……取れる?」
竜娘「取れないよ。と言うか、私の角をなんだと思ってるのさ?」
男「コスプレ」
竜娘「だから、コスプレじゃないってば!」
竜娘「それに、龍騎には角、生えてないでしょ!」
男「ごめん、よく知らない……」
竜娘「じゃあDVD買ってきなさい! 今すぐに!」
男「せめてレンタルにしてくれ!!!」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:40:26.08 ID:XSmy0UdK0
竜娘「っ!!? こ、これは……いったい……」
竜娘「確か、この上に座っている姿を見たことがある、でもこれじゃあ……くっ、時間がないのに……」
竜娘「どうすれば……っ……ま、まずい、時間が……」
竜娘(竜神と呼ばれた私も、どうやら、ここまでかな……)
竜娘「……もう……げんか……」
男「さっきからトイレで何してるの?」
竜娘「こ、このトイレ使い方がわからない! 漏れる!!!」
男「……ふた開けて座るだけだよ」
竜娘「! これ開くの!!?」
男「そこに驚く人をはじめてみたよ」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:43:20.71 ID:XSmy0UdK0
男「そういえば、角以外に竜っぽいところってあるの?」
竜娘「っ!!?」
男「なんでそんなに驚いてるのさ?」
竜娘「……み、見たいの?」
男「なぜ顔を赤くする?」
竜娘「そ、その……す、すごく短いけど、尻尾が……」ぬぎぬぎ……
男「いや、脱がんでいい……っていうか、見せようとするな」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:44:38.23 ID:XSmy0UdK0
竜娘「おせち、おいしい!」
男「やっぱスーパーの御節だよな」
竜娘「そういえば、すこし前に御節の事件ってあったよね」
男「……」
竜娘「あれ?」
男「……被害者なんだ、俺」
竜娘「……ごめん」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 01:59:18.38 ID:XSmy0UdK0
竜娘「なるほどなるほど、これが柚子湯ってやつかー」
竜娘「これで広ければ最高なんだけどなぁ」
竜娘「まぁ、文句を言ってもお風呂が広くなるわけじゃないし、ゆっくり漬かっていようかなー」
竜娘「~~~♪」
竜娘「柚子はいい香りだし、体はすべすべになるし」
竜娘「お風呂さいこー!!!」
男「……もう3時間も入りっぱなしだぞ……」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 02:08:29.50 ID:XSmy0UdK0
ぴかっ! ……ごろごろごろ!
竜娘「なななななに!!?」
男「この時期に雷か、珍しい」
竜娘「すすす、すごく怖いんだけど!!!」ぎゅーっ
男「抱きつくな」
竜娘「だだだ、だってー」
男「とりあえず、発言の最初の文字を3回リピートするのをやめろ」
竜娘「わざとじゃないもん!」
ぴかっ!!!
竜娘「ひゃあっ!!?」
男(反応が面白い)
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 02:11:10.85 ID:XSmy0UdK0
男「そういえば、洗濯物の中に下着がないんだけど」
竜娘「下着? あぁ、パンツね。はいてないよ」
男「ぶっ!!? 今、軽く重大発表をしなかったか?」
竜娘「だって、神様に「着物を着るなら下着ははくな」って命令されてるし」
男「もしかして神様って変態?」
竜娘「さぁ?」
男「そ、それじゃあ、そのミニの着物の下ってまさか……」
竜娘「え、エッチな目で見るなぁ!」まっかっか
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 02:17:14.86 ID:XSmy0UdK0
竜娘「さむい……いくら男と女だからって違う部屋で寝るのはつらい」
竜娘「いや、同じ部屋って言うか、同じ布団で寝たい……男の体、暖かそうだし」
竜娘(そういえば、男の寝室覗いたことなかった……どうなってるんだろう?)こそこそ……
男「ぐー……ぐー……」
竜娘「……寝てる寝てる……ん? 子供用のベッド? ……まぁいいや、一緒に寝よう……」もぞもぞ
男「で、なんでこいつがここにいるんだよ……」
竜娘「すやすや……」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 02:20:15.03 ID:XSmy0UdK0
男「尻尾の付け根が気になる」
竜娘「ま、またその話題!?」
男「よくある設定だと尻尾の付け根って性感帯だけど、竜ちゃんの場合どうなの?」
竜娘「き、聞かないでくれ! それ以上聞くと……あいつが……」
男「いや、あいつって誰だよ」
竜娘「仮面ライダーシン!?」
竜娘「続きはない!」
男「ごまかしてるってことは感じるのか?」
竜娘「……ごめんなさい、この話題はほんとにもうやめてください」土下座
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 02:23:50.25 ID:XSmy0UdK0
竜娘「うまく上がらない……」
男「風に乗せる感じで、こんな風に……」たったったっ……ふわっ!
竜娘「わ、私だって……サイクロン!」ぶわっ!
男「いやいや、それは反則だろ」
竜娘「だ、だって、全然上がらないから……」
男「練習あるのみ!」
竜娘「やったぁ!! ついに成功したよ!」
男「おめでとう!」ぱちぱち
竜娘「ありがとう! ……あ……」
男「……見事に木に突っ込んだな」
竜娘「は、早くとらなきゃっ!」ぐいぐい
男「! そ、そんなに引っ張ると! ……あ」ぷつんっ
竜娘「……」
男「まぁ、その、なんだ……どんまい」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 02:26:54.06 ID:XSmy0UdK0
竜娘「おみくじ作ったけどやる?」
男「いい」
竜娘「即答!!?」
男「残念ながらおみくじは信じない人間なの」
竜娘「私のは百発百中なのに! 見てて!」
竜娘「私の今日の運勢は……大凶!!?」
竜娘「う、うそっ、そんなはず……」どたどたっ
竜娘「って、いたいっ! 小指をタンスの角にぶつけて……す、座ったら急に足をつってっ! ……いたたたた!!!!」
男(何一人で転がりまくってるんだ、こいつは……)汗
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 02:29:30.10 ID:XSmy0UdK0
男「服でも買いに行くか? うちにある服じゃサイズ合わないし」
竜娘「えー、人間の服ってダサいじゃん」
男「選択中にバスタオルしか装備がないんだからしょうがないだろ」
竜娘「これだけで十分だもん!」
男(って言ってたよな、確か)
竜娘「男! こっちもいい! これも買って!!!」
男「あのー、俺のお財布の中身がどんどん消えてるんですけど……」
竜娘「あ、こっちの服もいい!」
男(聞いてねー……)
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 02:34:13.52 ID:XSmy0UdK0
男「……お前の目って、くりくりしてて可愛いよな」
竜娘「!!?」
男「ん、どうした? 顔が赤いぞ?」
竜娘「なななななななんでもない!」
男「そ、そうか? それならいいが……」
竜娘(た、ただの人間を相手になんでこんなに動揺してるのさ、私は!)
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 02:41:12.49 ID:XSmy0UdK0
男「……なぁ、竜ちゃん、3つ目の願いのことだけどさ……」
竜娘「ん、なになに? 決まった?」
男「……人を生き返らせることって……できる?」
竜娘「……え?」
男「……」
竜娘「そ、それは、出来なくは、ないけど……」
男「じゃあ、お願い出来る?」
竜娘「そ、それは……ごめん、できないよ。人を生き返らせるのは、禁止されてるから」
男「……願いは、これだけしかないんだ……頼む!」
竜娘「そ、そんなこと言われても……」
男「……そう、だよな……悪い、忘れてくれ……」
竜娘「……」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 02:44:08.59 ID:XSmy0UdK0
男「焼きそば食うか?」
竜娘「え、う、うん、食べる!」
竜娘(よくわからないけど、いつもどおりに戻ってくれたみたい……よかった)
男「ほれ、特盛りだ!」どんっ!
竜娘「多ッ!!?」
男「賞味期限、切れちゃってたから急いで食わなきゃな」
竜娘「わ、私は賞味期限が切れた食材を処分する装置じゃないよ!!?」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 02:48:19.42 ID:XSmy0UdK0
男「……はぁ……」
竜娘(やっぱり元気なさそう)
竜娘(そうだ、素敵な夢を見せてあげればきっと喜んでくれる!)
男「ぐー……ぐー……」
竜娘(2度目の潜入だね! では早速、男が今、一番したいことを……)すー……
男「……お、んな……」
竜娘(成功したかな?)
男「……女っ!」ぎゅっ!
竜娘「えっ!? ちょ、ちょっと、わ、私、女って名前じゃないよ!?」
男「……」ぎゅうっ
竜娘(ね、寝ぼけてる……と言うか、完全に抱きつれちゃってる……)かぁ……
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 02:51:32.88 ID:XSmy0UdK0
男「好きだ……」ちゅっ
竜娘「~~~っ!!?」
男「……なんで、俺の前から、いなくなって……」さわ……さわっ……
竜娘「ひゃ……い、いや……」ぴくりっ
男「女……」さわっ……
竜娘「いやっ!!!」びゅっ!!!
男「うわっ!!? ……こ、ここは……あれ……」
竜娘「……」
男「……りゅ、竜ちゃん?」
竜娘「……ばか……」だっ……
男「りゅ、竜ちゃん!? ……」
男「……さっきの夢……見たくない、夢だったな……」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 02:54:28.39 ID:XSmy0UdK0
竜娘「……男のバカ……初めてだったのに……それに、別の名前を……ばかばかばかあああ!!!」
竜娘「……ぐすっ」
竜娘「……」
竜娘(女って、誰のことだったんだろう……)
竜娘「……明日、聞いてみよう……」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 02:57:38.51 ID:XSmy0UdK0
男「おはよう」
竜娘「……うん」
男「どうした? 昨日から様子が変だぞ」
竜娘「……女って、誰?」
男「っ!!?」
竜娘「……おしえて?」
男「……死んだ、嫁だよ」
竜娘「……え?」
男「体が弱くて、それなのに、子供を生もうとして……死んだ」
男「それに、子供も、ね」
竜娘「……」
男「……ほんとは、お前に女と俺たちの子供を生き返らせてほしいって頼みたかったんだ……でも、そんなこと出来ないだろ?」
竜娘「……そ、それは……」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 03:01:14.52 ID:XSmy0UdK0
竜娘「……ごめんなさい、すこし、考えさせて……」
男「……」
竜娘「一人暮らしなのに、布団が2つあったり、子供用のベッドがあったのって……そのせいだったんだ……」
竜娘「禁忌を犯せば……男の最後の願いをかなえられる……でも……」
竜娘「……私が禁忌を犯さなきゃいけない義務なんて、ないじゃん……」
竜娘「他の願いをかなえてあげればいいんだから……まだ、時間はたっぷりあるし……」
竜娘「……でも……」
竜娘「……やっぱり、男には……笑顔でいてほしい……」
竜娘「………………」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 03:04:14.14 ID:XSmy0UdK0
男「ただいまー」
女「おかえりあなた。あと、もう少し静かに出来るかしら?」
男「あの子はどうした?」
女「今寝たところよ。だから静かにしてね」
男「あぁ、わかった」にこり
女「ふふ、しあわせね」
男「……そうだな」
女「? どうかしたの?」
男「ん、あぁ、なんか長い夢を見てた気がして……あまりいい夢じゃなかったんだけど……」
女「そうなの? ゆっくり休めばきっと忘れられるわよ」
男「そうだな」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 03:09:38.44 ID:XSmy0UdK0
神「……それで、禁忌を犯したのか」
竜娘「はい」
虎娘「はいって! お前、自分が何をしたのかわかってるのか!!?」
竜娘「人間を生き返らせることは最大の罪……でしょ?」
虎娘「だったら、どうして!!!?」
竜娘「……」
神「……自分の罪がわかっているのなら簡単なことだ。お前に、罰を与える」
竜娘「はい」
神「……死刑だ」
竜娘「……はい」
虎娘「そ、そんな、神様! 竜は人間の願いをかなえただけで……」
神「関係ない。辰年の新たな干支はすでに用意している。それではその魂を……返してもらおう」
竜娘(……あぁ、これで終わりかぁ……最後に、男の笑顔が見たかったな……。ねぇ、男……今、幸せだよね?)
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 03:13:03.76 ID:XSmy0UdK0
……空気? 人間界の空気はやっぱり苦しいなぁ……
……あぁ、光が目に染みる……
……なんだか、懐かしくて、暖かい感覚がする……
……あぁ、これはわたしが……
……一番見たかった光景だ……
男「ほら、お前の妹だぞ」
子供「わぁ、かわいい!」
女「あなた、この子の名前、どうしましょうか?」
男「もう決まってるよ。この子の名前は、辰年生まれだから……」
The End
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 03:13:49.10 ID:XSmy0UdK0
新年早々駄文にお付き合いいただきどうもありがとうございました
初日の出見に行く準備してくる
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 03:14:10.43 ID:+eUo6lnEO
乙
ハッピーエンド最高や
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 03:17:46.35 ID:QDHYKJiE0
うんよかった
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/01(日) 04:01:55.76 ID:QyGwqCga0
遅すぎた…お疲れ様でした。おやすみ。
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