1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:27:42.73 ID:kTa2xo680
京子先輩が死んだ。
そのことを知ったのは京子先輩が死んだ一ヶ月も後だった。
夏休みに入ったばかりで、結衣先輩が私とあかりちゃんと一緒に食事でもしようと言ってきたときに聞かされたのだ。
中学を卒業して、京子先輩が地元の進学校に、結衣先輩が東京の有名私立に行ってしまったので、
ごらく部メンバーは全体的に疎遠になっていた。
あかりちゃんと私は地元の公立に普通に進学したからずっと一緒だったけど、
ふたりだけではごらく部は成立しなかった。当然だけど。
久し振りに会った結衣先輩は、なんだか疲れたようなそうでもないような、
大切な人を失った人特有の表情をしていた。
「なんだか進学先の高校で人間関係がうまくいってなかったらしいんだ。
私と電話してるときは全然いつもどおりだと思ってたんだけど、多分京子、もう私に甘えないようにって頑張り過ぎてたんだと思う」
ショックというよりなんだか頭がぼんやりするような感覚で、全然実感がわかなかった。
京子先輩というビジュアルと死の概念が何一つ一致しなかった。
ぼんやりとした頭で、私は2年前の夏休みを思い出していた。
先輩たちが卒業する年、ごらく部最後の夏休みだ。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:29:24.73 ID:kTa2xo680
※ガチ百合・欝注意
あかりちゃんと結衣先輩は家族旅行だか何かで、
その日、ごらく部部室には私と京子先輩しかいなかった。
夏休みの真ん中、暑いさかりのごらく部部室で、私は畳に寝そべり京子先輩に借りたミラクるんの最新刊を読んでいた。
京子先輩は、ちゃぶ台にかぶりついてなにか一生懸命漫画を描いていた。
その頃の京子先輩はますますもって漫画にのめり込んでいて、
夏と冬のイベントの他に地元の即売会にもいちいち本を出していた。
お互いの声が遠く感じるほどに蝉の声がうるさく響いていた。
じっとりと汗で背中にシャツが張り付くのが気持ち悪かったけど、
つめたい麦茶を飲みながら漫画を読んでいると動く気にもなれなかった。
「京子先輩?」
「なぁに、ちなつちゃん」
「今何描いてるんですかぁ? 夏コムはこの間終わりましたよね」
「うーん、これはね……」
ちょっとためらいながら、オリジナルなんだ、と京子先輩は笑った。
ぽつりぽつりと会話していくうちに、どうやら京子先輩は持ち込み用の漫画を描いているらしい、ということが分かった。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:32:16.76 ID:kTa2xo680
「京子先輩、プロになりたいんですかぁ?」
「うーん、なりたいっていうか、……なれるかもって思うと、やってみたくってさ」
「ふーん……」
そのとき私はお姉ちゃんのことと、茶道のことを思い出していた。
そういえばここ数年で、私は茶道のことなんてすっかり忘れていた。
もうしばらくまともにお茶も立ててない。
別に辞めたくなるような理由があったわけじゃない。
意地を張って続ける理由がないことに気づいただけだ。
私は仰向けになって、漫画の影から京子先輩の顔を覗いてみた。
一生懸命原稿に向かっている表情は、私や結衣先輩やあかりちゃんに向ける表情とどこまでも同じだった。
明るくて、前向きで、人懐っこくてちょっとバカっぽい、変わらずぶれない京子先輩。
その瞬間、私は気づいてしまった。
私がどうしようもなくこの先輩を好きであることに。
それは結衣先輩に対して抱くあこがれのような感情とはぜんぜん違った。
その瞬間京子先輩に感じたのは、もっともっと強くて凶暴な感情だった。
手に入れたい、汚したい、私のものにしたい。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:34:16.63 ID:kTa2xo680
(美人だなぁ……)
改めて見ると、京子先輩はとても美人だった。
髪は長くてさらさら、肌も綺麗で脚もほっそりしていた。
目が大きくてくりくりしているので、ちょっとロリっぽいところも可愛らしかった。
それに比べて私は何一つ特筆すべき点などなかった。
京子先輩は可愛いと言ってくれるけど、今まで告白されたことなんて一度もないし、多分これからもそう無いだろう。
私はだんだん京子先輩が憎らしくなってきた。
優しくて面倒見が良くて、美人で積極的で勉強もできる。
そのくせ私は無愛想だし特技もこれと言ってないただの普通の女子中学生だ。
私は……私は、無性にこの人を泣かせたくなってきたのだ。
惨めに這いつくばって涙でぐしゃぐしゃになる京子先輩を見たくてたまらなくなってきた。
私は女の子をそういうふうにする方法を1つだけ知っていた。
私はおもむろに起き上がると、無防備な京子先輩の肩をつかみ、
畳の上に引き倒した。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:35:45.64 ID:kTa2xo680
小学6年生の時だ。
当時は親もインターネットについてよく知らず、
小学生の私に自由にネットに接続させていた。
たまたまつながってしまったアダルトサイトの動画に、私は目を奪われた。
これまで感じていた体の違和感の正体と目的と役割がはっきりとした実感となって私に流れ込んできた。
小学校で女子だけ別室に集められてみる性教育のスライドなんかより、
はるかに身近なリアルとして私にいろいろなことを理解させた。
それ以来私は親にも友人にも内緒でいろいろなことをしてみた。
倫理や道徳なんかより、自分の体に対する好奇心のほうがはるかに優っていた。
私は女の子の体がどうすればどうなるか、よく知っていた。
ああ、一つ知らないことがあった。
こんなふうにキスをすると、こんなにも気持ちが良かったのだ。
私は京子先輩のお腹に馬乗りになって、肩を両手で抑えて動けないようにしたまま、
先輩の頭を畳に押し付けるようにキスしていた。
漫画を描いていたちゃぶ台が邪魔だったのでおしりで押しのけた。
インクの瓶が転がって畳に黒いシミを作った。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:37:02.83 ID:kTa2xo680
キスをするとき舌を相手の口に入れるらしいということは知っていたが、
実際にどうするのか、これだけはひとりで試せなかった。
が、やってみるとどうということはなかった。
ぬるぬるとした舌同士をこすり合わせるのは思った数倍簡単で、数倍心地良かった。
こんな事なら、あかりちゃんにした時もビビらずに舌を入れておけばよかった。
京子先輩からは海のような花のような汗の香りがした。
長いキスを終えて口を離すと唇の間に糸が引いた。
「ち、ちなつちゃん……? いきなりどうしたの? なんか、変だよ…」
数10センチの近さの京子先輩の顔は、恐怖と混乱で甘えるような変な半笑いになっていた。
目尻にうっすら涙が浮かんでいる。怯えているんだ。私に。
背筋がゾクゾクした。この人をもっと支配したい。苛めたい。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:39:17.56 ID:kTa2xo680
「自分も舌絡めてきたくせに、何言ってるんですか?」
先輩の上からどくとこの人は逃げようとするだろう。逃さない。
私は京子先輩の上で四つん這いのまま体の前後を入れ替えた。
それでも逃げようとしたので、スカートの中に閉じ込めて顔をおしりで押しつぶした。
お腹の辺りをつかんで押し返そうとしてくるが、力が入っていない。
彼女は乱暴ができないんだ。へたれだから。
私はできる。
したい。してやる。
私は彼女のつやつやした脚をまとめて抱え込んで持ち上げた。
制服のスカートがめくれてパンツが見えた。
水色の子どもっぽい綿のパンツだ。
私は興奮してきた。京子先輩の見られたくない部分を見ている。
もっとみてやろう。パンツをつかんで脱がせた。
髪と同じ色の陰毛がうっすら生えた女性器が見えた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:40:56.40 ID:kTa2xo680
「ダメだよちなつちゃん、こんなのもうやめよう……」
おしりの下から声が聞こえる。
京子先輩、あなたは私に狩られたんです。
もう何を言っても無駄ですよ。
私は無言で京子先輩の一番大切なところにキスをした。
「ひえっ! や、やだあぁ……」
京子先輩が情けない声を出すたびに私は興奮した。
この人は普段は鈍感で強靭な心を持っているけど、
人の純粋な悪意や攻撃にめっぽう弱いんだ。
攻めてばかりいるから、攻められることに慣れてない。
先輩のクリトリスを唇で包みながら、ゆっくりと細かく舌で愛撫した。
舌でされるってどんなかんじなんだろう。
私はされたことがないから分からないが、きっとすごく切なくて心地よいはずだった。
一人でする時もここが一番気持ちよかった。
私は股の間に京子先輩のランダムな吐息を感じながら夢中になってそこをなめ回した。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:42:51.84 ID:kTa2xo680
数分立つ頃には、京子先輩のうではぐったりと伸びきり、
くふ、くふと鼻にかかった吐息を漏らすようになっていた。
時折強く吸ってやると腹筋がぴくぴくと動いた。
「先輩、感じてるんですか?」
返事はない。
でも知っている。
今京子先輩は、恥ずかしさと気持よさで心が折れてグズグズになっているんだ。
そうなるように、丁寧に丁寧に、ねっとりと愛撫を重ねたのだ。
私だってこんなにされたらもうあっちこっちグダグダになってしまうだろう。
私は京子先輩が今どんな顔をしているか見たくなって、舐めるのをやめておしりを先輩からどけた。
「うっ……、うう、ちなつちゃん、ひどいよぅ」
京子先輩の顔は上気してピンクに染まり、涙が何すじか頬を流れ落ちていた。
たまらなかった。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:43:21.50 ID:msXdgGyw0
ちな京とは珍しいな
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:43:53.95 ID:oeexoZbZ0
これは素晴らしい
掛け値なしに
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:45:02.69 ID:kTa2xo680
「アハっ! 京子先輩、情けない顔! ……感じていたんじゃないんですか?」
ほら、と指を先輩の股間にあてがうと、ねと、と愛液がまとわりついた。
糸を引くそれを見せつけるように、先輩の汗と涙に濡れた頬から首筋になすりつけた。
耳や鎖骨を舌でなぞってあげると、あごをプルプル震わせて耐えている。
可愛い。
「ちなつちゃん、どうして……?」
無言でキスをした。
好きだから? 嫌いだから? 答えてあげない。
あなたはただ、私の愛撫に心を折られていればいい。
余計な質問をした罰として、太ももの辺りをきゅっとつねってやった。
「むぃぃ!」
すぐさま帰ってくる反応が楽しい。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:47:06.18 ID:kTa2xo680
キスをしながら下着を脱いだ。
私も疼いて仕方なかったのだ。
先輩の腿をまたいでクリトリスをこすりつける。気持ちいい。
指で京子先輩の股間をまさぐると、私とあまり変わらない位置に穴があった。
愛液ですっかり濡れていて、少し力を入れると指がズブズブと沈んでいった。
先輩が目を見開いてんー、んーとうめくが私はキスを続行する。
浅い位置で指を曲げて穴の上の方を探ってみると、なにかザラザラする場所があった。
多分ここは、前私が自分でペンを入れてみたとき、偶然発見した秘密の場所と同じ。
刺激し続けるとどうなるのか分からなくて怖くなってやめたけど、
京子先輩には実験台になってもらおう。
あの京子先輩をエッチの実験台にするなんて、考えただけでもゾクゾクする。
中を傷つけないように、指でゆっくりとこすってあげると、京子先輩が私の下でびくびくと体をよじった。
私は今、京子先輩の一番大事なところに指を突っ込んでいる。
優しく撫でてあげれば先輩は嬌声を上げて悦んだ。
でも私がふっと気を変えて爪を立てれば、きっと京子先輩の女性を一生台無しにできるだろう。
私は京子先輩を完全に支配していた。
自分の意志とは関係なく、息が上がるのを感じた。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:49:42.18 ID:kTa2xo680
指を動かすと、先輩の腿が痙攣し、それが私の股間を刺激する。
動かせば動かすだけ、京子先輩は私の言いなりに私を気持ちよくしてくれた。
快楽がループして、どんどん気持ちよくなって、それでも足りなくて、
私は親指で京子先輩のクリトリスを押しつぶすように愛撫する。
だらしなく口を開けて、声を抑えるのも忘れて、私にされるがままに感じる京子先輩。
なめらかな髪は畳に乱れて、私よりすこし大きなしなやかな体がはしたなくのたうつ。
先輩の指はさっきから、何かを求めるように畳を引っ掻いている。
「もうイくんですか、京子先輩」
京子先輩の舌を吸うのをやめて聞いてみる。
実はもうイきそうなのは私の方なのだが。
「いいですよ……後輩の私の指で、イッちゃうトコ見せてください……」
私は指の動きを早めた。
壊すように。
「ちっ……ちなつちゃ…っ!!」
弓のようにしなっていた先輩の体がひときわ大きく震えて、背中に腕が回される。
先輩の体にギュウっと押し付けられて、その衝撃で私は目の前が真っ白になった。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:51:15.38 ID:kTa2xo680
そのあと、私たちは長い間重なりあったままじっとしていた。
いつの間にか聞こえなくなっていた蝉の声がまた戻ってきて、
汗やそれ以外の体液を吸い込んだ制服がじっとりとしてとにかく暑かった。
でも、私も京子先輩も、離れてしまうとその後どうしていいか分からなくて、
とにかく長い間、そのままじっとしていた。
その内、京子先輩がスヤスヤと寝息を立て始めた。
この暑さでよく眠れるものだと呆れてしまったが、
ズルイ私はそそくさと起き上がり、パンツを履いて逃げるようにうちへと戻った。
その後、京子先輩からあかりちゃんと結衣先輩が戻るまで一週間程部活はお休みする、
という旨のメールが届いた。
京子先輩のくせに意外と器用なことも出来るんだな、と思った。
二人が戻ってからは、私も京子先輩もあの時のことはなかったかのように普通に振舞った。
あの日のことはできるだけ夢だと思うようにしたし、そうしているうちに、
あの日の出来事は本当に夢だったように思えてきたのだった。
当然その後、あの日のようなことは二度とおこらず、
もう一度ふたりきりになることすらなく、京子先輩は卒業していった。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:53:58.25 ID:kTa2xo680
いま、私は京子先輩のお墓の前に立っている。
ちょうどあの日と同じように、うるさいほど蝉が鳴いている。
あの日、京子先輩は何を思ったのだろうか。
私は謝ればよかったのか、それとも好きだと伝えればよかったのか、
でもどちらも現実的でなかったような気がする。
「ねーちなつちゃん、あの時なんであんなコトしたの?」
私は声に出してみた。
「別に、歳納先輩の体には興味なかったです」
「ふーん。私の体以外には興味があったの?」
「いじめたかっただけです」
「どうして?」
「好きだったから……です」
墓前に白い花束をそっと置くと、涙が一つ二つ、そっとこぼれ落ちた。
もしもあの時、私が先輩に好きだと言って、ああいう関係を続けていけば、
京子先輩は自殺しなかっただろうか。
せめて、先輩が自殺してもこんなふうに後悔せずに済んだのだろうか。
私は最近、コスプレをしてイベントにいくようになった。
私がミラクるんに似ているというのはどうやら間違いではなかったらしい。
京子先輩があんなに見たがった私のコスプレで、幸せになってくれる人がいるのは、
多分、とても幸せなことだと私は思う。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:55:55.20 ID:oeexoZbZ0
京子先輩どうして死んじゃったの(´;ω;`)
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:56:00.83 ID:kTa2xo680
Ⅱ
歳納京子が死んだ。
訃報が届いたのは歳納京子が死んだ一週間後だった。
私はさして驚かず、ついに死んでしまったことにしんみりとした寂しさを覚えた。
自殺だったらしい。さもありなんだ。
死ぬ二ヶ月ほど前頃から、歳納京子は私の家によく通ってくるようになった。
うちに来てするのは主に中学の頃の思い出話だった。
私はその話をするたびに、歳納京子に死相が走るような気がしてとても嫌だった。
でも私はその来訪を拒めなかった。
歳納京子がとても「上手」だったからだ。
最初にそういうことがあったのは彼女の命日から数えてちょうど2ヶ月前だ。
よく覚えている。
ジメジメとした雨が降り続く日だった。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:57:48.45 ID:kTa2xo680
「おーい綾乃、いるかい?」
と、脳天気に我が家へと侵入してきた歳納京子に、私は懐かしさとうれしさを覚えた。
七森中を卒業してから、生徒会メンバーとは少しだけ交流があったが、
ごらく部の面々とは少し距離が離れてしまっていたからだ。
「歳納京子じゃない、珍しいわね。なんの用?」
「別にー。遊びに来ただけ」
「ふーん。相変わらず気まぐれなのね。まぁいいわ、上がって。お茶でも出すわ」
「おじゃましまーす」
私は七森中卒業と一緒に、歳納京子も卒業したつもりでいた。
中学の頃の私といえば、歳納京子に勝てないコンプレックスと、それと同じくらいの憧れと、
性に対する恐れや好奇心で、やることなすことめちゃくちゃだった。
歳納京子の名前にすら過剰反応していた。
どうやら私は歳納京子を卒業しきれていなかったようで、
ずかずかと自宅に上がってくる歳納京子を見て、無性にそわそわしていた。
38 :
忍法帖【Lv=23,xxxPT】 【18.9m】
39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 05:59:24.09 ID:kTa2xo680 だから、その時どういう話をしたかはいまいちよく覚えていない。
卒業文集だとか、当時の写真だかをみてとりとめのない話をしていたような気がするが、
ある瞬間に歳納京子にベッドに組み伏せられた時点で、そんな記憶は全て吹き飛んでしまった。
「と、歳納京子、なにを」
「綾乃はこう言うの、イヤ?」
「い、イヤっていうか……普通じゃないわよ」
「私、普通の女の子とはちょっと違うし、いいよね」
反論のひまは与えられなかった。
私の唇は歳納京子の唇で塞がれていた。
その頃の私といえば、セックスやいやらしいものをとにかく陳腐なものとして、
潔癖なまでに遠ざけていた。
一つには千歳という友人のせいでそれらが飽和していたこともあるが、
何より怖かったのだ。
私が歳納京子に感じている感情が、そういう行為と一体化してしまう瞬間が。
だが、それはその時来てしまった。
41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:01:09.54 ID:kTa2xo680 訪れてしまえば、それほど甘美なことはなかった。
舌を吸われ、弄ばれ、優しくなでられたかと思うときつく噛まれたりもした。
私は従順にその動きに従った。
従順であればあるほど、歳納京子の動きはいきいきしたように思えた。
普段は集団の中で仕切り屋的な位置を求められることの多い私は、
服従の快楽にすぐ夢中になった。
歳納京子の言葉に従い、歳納京子を満足させる。
それが快感だった。
服を脱がされ、体中を丁寧に愛撫された。
耳、首筋、鎖骨、肩、腋、最近ちょっと自信がついてきた胸、その先端。
へそ、脇腹、太腿、おしり、膝裏、ふくらはぎ、くるぶし、足の小指。
実際、歳納京子はすごくうまかったんだと思う。
触られる度に声が漏れそうなほど切なくなって、
抵抗するどころか体をよじるのでやっとだった。
指の接触にいちいち反応する私をおもしろがって、歳納京子はケタケタと笑った。
笑っている歳納京子は最高に可愛らしかった。
私はそれが嬉しくて、自分でどんどん感度を上げていった。
44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:02:40.37 ID:kTa2xo680 「感じてるんだ、綾乃」
「う、うん」
「もっとしてほしい?」
「して、もっとしてほしいよぉ」
「京子って呼んでみて」
「きょ、きょうこ」
「京子お願いって」
「きょ、きょうこぉ、お願い、もっといっぱい触って」
私は歳納京子に喜んでもらうためなら、恥もプライドもどこまででも捨てられる自分に驚いていた。
私は私の知らないうちに、心のこんなにもたくさんの部分を、歳納京子に捧げていたのだ。
雨の音が、私達のことを外の世界から隠してくれているようだった。
私はどんどん大胆になった。
歳納京子の指は、的確に私の性感帯を探り当てた。
というより、歳納京子の指の触れた場所が私の性感帯になった。
サラサラとなでられるだけで、頭に火花が散ってびくびくと腰がはねた。
45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:04:35.57 ID:kTa2xo680 「綾乃はエッチだなぁ」
「うん、うん、あやの、えっちだから」
「だからもっときょうこにいっぱい、いっぱいしてほしいのぉ」
うんうん、と頷きながら、歳納京子は裸になって、私の上に覆いかぶさってきた。
ふんわりと、意外と大柄な歳納京子の体が私を包んだ。
つつんだまま、歳納京子は体の細かいところをさわさわと動かして、
ピリピリとした快感で私を追い込んだ。
くうん、くうんと私は子犬のような声で泣いた。
乳首をちろちろと舌で刺激されたり、脇腹を指先でくすぐられたりといった、
全く激しくもなんとも無い、でも長く丁寧な愛撫で、
私は歳納京子に10回ではすまない回数イかされてしまった。
よく分からないけど、歳納京子は一度もいかなかったように見えた。
それ以来、歳納京子はうちに来る度に私の心と体を弄んでは帰っていった。
46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:04:36.83 ID:tsGmjTMxO 成る程ね、京子は加藤鷹だったのか
47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:05:49.97 ID:YcU/8IO/0 ちなつちゃんにへたれ呼ばわりされた京子が強くなって帰って来た!
48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:05:58.52 ID:kTa2xo680 歳納京子はよく、私にいやらしい格好をさせてそれを写真に撮った。
膝立ちになってスカートをまくれ、とか、
四つん這いになっておしりをコッチに向けろ、とか、
言われる度に私は嫌がるふりをしながら嬉々として従った。
歳納京子の視線が、まるで器用な指先のように私の性感帯を目覚めさせていった。
携帯のチープなカメラ音が響く度に、私はじんわり濡れてくるのを感じていた。
やがて服は下着になり、すぐに下着も着させてもらえなくなった。
スッポンポンで恥ずかしい格好をさせられ、写真に撮られるのは耐えがたく恥ずかしかった。
そして、麻薬的な快楽があった。
「綾乃、こんないやらしいカッコで、写真取られて感じちゃうんだ」
「う……感じてないわよ」
「うそだよ、ほら、パンツにシミができちゃってる」
「そ、そんなの、みたらだめよぉ……」
というようなやり取りを、毎回毎回狂ったようにしていた。
歳納京子が私の体のいやらしい部分を見出す度に、私の体は従順にいやらしくなっていった。
この関係は週に二回、ないし三回のペースで二ヶ月ほど続き、
そのあと一週間ほど連絡がぱったり途絶え、歳納京子は死んだ。
50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:07:50.40 ID:kTa2xo680 関係の時に撮った写真は帰り際に全部削除してもらっていたから、
アレが流出する心配はなかった。
でも私は、今はとっておけばよかったと思っている。
もしかしたら、その写真から私としている時の歳納京子の気持ちが読み取れるかもしれない、
と思ったからだ。
私には、ついに歳納京子がなぜ私を抱こうと思ったのか聞けなかった。
あの時彼女が何を考えていて、私に何を求めていたのか知るのが怖かった。
プレイの最中、歳納京子は不意に全くの無表情になる瞬間があった。
私はそれが本当に恐ろしくて、そういう時はますます淫乱な自分を演じて歳納京子の気をひこうとした。
そうすると、彼女が決まってあの笑顔で私に優しい言葉をかけてくれるのだ。
「甘えてた、なぁ……」
七森中時代の写真を見ながら、私はつぶやいた。
私は歳納京子にずっと甘えてばかりだった。
少しは甘えさせてやればよかったと、今なら思う。
写真の笑顔をすっとなぞると、あの脳天気な声が、耳の奥からまだ聞こえるような気がした。
51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:09:53.49 ID:kTa2xo680 Ⅲ
京子ちゃんは、昔から人の感情に晒されやすい女の子だった。
そして鈍感なくせに繊細で、人間としてのバランスが全然取れてない京子ちゃんを見ていて、
私はいつも、ああこの人は、いつかふっといなくなっちゃうんだろうなぁと思っていた。
だから、彼女の自殺は止めようもなかったし、私はそれに対して一切驚かなかった。
京子ちゃんが私の家を訪ねてきたのは、京子ちゃんが自殺するちょうど一週間前だ。
まるで自分の家のように入ってきて、自分の家のように私のベッドに寝ていた。
特に事前の連絡もなく、急なことだったのでお母さんがあたふたしていた。
私も困ったけど、それ以上に驚いた。
京子ちゃんはすごく痩せていた。
私は京子ちゃんと別々の学校に進んだので、その日会ったのは4ヶ月ぶりくらいだったけど、
私の知っている京子ちゃんとは別人みたいだった。
その日から、京子ちゃんは私の部屋に閉じこもって、
ベッドで漫画を読んでいるか寝ているかの2つの状況を行ったり来たりする生活を始めた。
会話はとぎれとぎれで、部屋は窓を閉めきってずっとクーラーがかけられていたから、
蝉の声も聞こえずとても静かだった。
私は、そんな京子ちゃんと話をしたりしなかったりしながら、
隣で漫画を読んだり宿題をしたりして、
夜は京子ちゃんがベッドからどいてくれないので、一緒のベッドで眠った。
52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:12:08.71 ID:kTa2xo680 その日で一週間になったある日、京子ちゃんがベッドから出てきて、私に言った。
「ねぇあかり、私、あなたが世界で一番好き」
私はなんとなくそんな気がしていたので、うん、あかりも京子ちゃんが世界で一番すきだよ、と答えた。
私と京子ちゃんは、昼なのにカーテンの閉まった、でもクーラーの効いた涼しい部屋でキスをした。
とても悪いことをしているような気がした。
唇から、京子ちゃんの命が私に流れ込んでくるようだった。
私は喉を鳴らしてそれを飲み込んだ。
京子ちゃんは、私をベッドに押し倒すと、食いつくような激しい愛撫をぶつけてきた。
乳首をつまみ上げ、唇を吸い、全身にあざのようなキスマークを付けられた。
まるでマーキングをするようだったし、京子ちゃんが生きた証を私の体に刻んでいるようでもあった。
感じて喘ぎ声を上げようとした口に、容赦なくキスが降り、唾液を流し込まれた。
私は全身に京子ちゃんを注ぎ込まれ、半分位京子ちゃんになってしまったような気分を味わった。
それはとても心地よくて、そして悲しかった。
53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:13:27.93 ID:kTa2xo680 行為は昼に始まり、夜中まで続いた。
最後には京子ちゃんはほとんど泣いていた。
「あかり、あかりっ! すき、すきだよ、大すき」
そう言って動いてくる京子ちゃんは、例えようもなく淫靡で美しかった。
行為が終わって休憩しているときに、私のどこが好き、と聞いてみたら、
ぽつりと、おかあさんみたいなとこ、という返事が帰ってきた。
私には京子ちゃんが何を考えているのか、その時にもう全部わかってしまった。
京子ちゃんは、一度も弱音は吐かなかった。
その日の朝に京子ちゃんは帰っていった。
そして死んだ。飛び降り自殺だ。
55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:14:44.93 ID:kTa2xo680 私的には、京子ちゃんは生まれて高校生まで育ったのがまず奇跡のような子だった。
だから、七森中娯楽部は私にとって奇跡の中の奇跡、宝物だ。
だから、死んじゃって悲しかったけど、なんだか桜が散るのを見終えたような、
そんな切ないけど、しかたがないなぁ、みたいな気持ちでいっぱいだった。
私はこれから恋をするだろう。
普通の女の子と同じように、普通の男の子と恋をして、結婚して、普通のこどもを産むだろう。
でも、私は忘れない。
存在感皆無の私を、世界の誰より好きだと言ってくれた女の子がいたこと。
彼女がどれだけ美しくて、気高く、立派で、繊細だったかということ。
京子ちゃん。
あかりは今でも、京子ちゃんのことが世界一好きです。
完
56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:15:45.62 ID:oeexoZbZ0 イイハナシダッタナー
57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:16:13.92 ID:TDM+1hNRi え、終わり?
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:16:25.54 ID:msXdgGyw0 何で死んでしまったんや・・・
60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:17:23.95 ID:tsGmjTMxO
62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:23:28.76 ID:kTa2xo680 京子は進学先でいじめられて、それが原因で死にました。
七森中娯楽部並びに生徒会役員はそれを知る由もありませんでしたが、
あかりにだけは顔を見た瞬間わかりました。
そういうお話でした。
定番の京結を入れなかったのは、京結は猫と飼い主みたいな関係だから、
京子は死ぬ時はまっさきに結衣との連絡を断つだろうなと思った次第です。
63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:26:07.30 ID:kTa2xo680 マイジャスティス
京×結衣 → 猫と飼い主
京×綾乃 → セフレ
京×あかり→ おかあさん
京×ちなつ→ 他人
64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:27:37.29 ID:+SbNJPKm0 >>62 ふむ、綾乃とあかりに会いに行って性的関係を結ぼうとしたのは愛情がほしかったからか?
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:31:37.09 ID:oeexoZbZ0 またこういうの書いて欲しいです
自殺はしなくていいので
66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:32:45.38 ID:kTa2xo680 >>64 そんな感じです。
そして京子に精神のバランスが取れてないことを自覚させたのがちなっちゃんという妄想
ちなっちゃんにレイプされなければ「普通の女の子と違う」とは、京子はきっと思わないよね
67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:33:09.46 ID:YcU/8IO/0 京子を汚したいと思うちなつちゃんの心情に最高に興奮した!
へたれ呼ばわりされちゃう京子ちゃん最高や!
68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:34:40.43 ID:TDM+1hNRi いじめの描写というか、そのへん詳しく掘り下げてほしかった
その辺りの鬱な展開を期待してたのに、あっさり終わっちゃって物足りない
でも楽しめた
もっとエロいのを頼む
70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:39:26.11 ID:0v+RGqSwO 蛸壷屋っぽくするなら結衣と京子が同じ進学校に進む→結衣が京子をいじめる側に加わる→京子の精神崩壊でも良かった
71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/09/02(金) 06:40:43.20 ID:J5FGcpqn0 ゆるゆりのSS初めて読んだ
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