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美琴「やぁ、キョン」

2011/04/30 20:49 | CM(0) | ハルヒ SS
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 08:56:59.66 ID:3j++R3QrP
 
美琴「入っていいかい?」

キョン「……どなた様で?」

 美琴「親友の顔を見忘れるとは、キミもつれないな」
 
 黒子「(ボソッ)…佐々木さん、今そう言っても彼には通じないのです。

    ‥あの、SOS団のビラを見て、ここなら相談に乗ってもらえると思って来ました。

    ええと、あたし達は……」

 上条「左から白井、御坂、それから俺は上条と言います」

2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 08:57:46.86 ID:/2vxseMH0
脳内再生不可能でした


4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 08:59:11.90 ID:3j++R3QrP

キョン「どうも、わざわざ。でも君はともかく、お嬢さん方は見たとこ中学生だろ…?

    それはちょっと……」

ハルヒ「受けた!」ガタッ

キョン「なっ!?」

ハルヒ「その相談、乗ったわ!中学生が教師や北高の生徒の目をかいくぐって、
   
    この部室にたどり着いただけでも価値があるじゃない!

    ほら、キョン!お客さんの通せんぼしてんじゃないわよ、入れたげなさい!」

5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:01:41.83 ID:3j++R3QrP
キョン「団長席で退屈そうにあぐらをかいていたはずのハルヒが椅子の上に立ち上がり、

    新星誕生のような輝きを放つ瞳と人差し指をまっすぐこちらに向けていた。

    部室内を見回すと、膝の上に置いた分厚い量子力学だか何だかの原書から視線を上げた長門、

    各団員に手ずから二番茶を淹れなおそうとしていた朝比奈さん、

    そして最後に、誰でもその裏をかんぐりたくなるようないかにもな笑顔を浮かべた古泉と目が合い、

    恐らくそのうちの一人を除き皆が暗黙の内に悟ったのである。

    ハルヒの嬉々とした表情が、反比例してこれから起きるであろう厄介事の深刻度合を示すものだってな。

    朝比奈さんだけが、目下のところ新しい茶葉を急須に入れ替え三人分追加された茶碗に湯を注ぐことに忙しくしていた。」

 美琴「上条くん、先にどうぞ」

 上条「失礼しま……痛ツッ」ピキューイ

 長門「!}

 上条(この部屋に入ったとたん右手が何かを壊した……この部室はいったい……?)

ハルヒ「ほら、キョン!椅子くらい用意しなさいよ!」

7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:02:40.85 ID:4gdf7S6P0
>>5
キョン喋りすぎワロタwwww

8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:03:43.46 ID:3j++R3QrP

バタバタ


ハルヒ「……上条くん、まず事の経緯を説明してくれる?」

 上条「御坂美琴と白井黒子、そして俺の三人は気がつくと学園都市外のとある場所に放り込まれていた。

    それだけじゃない。御坂と白井はそれぞれ自分が佐々木、橘京子だと告げる。

    御坂、一体お前は何を言ってるんだ?

    御坂と白井がここにいるなら、佐々木と橘京子はどこに行ったんだ?

    何が起こってるか分からないけど、必ず元に戻してやる!」ポーポッポーポーポッポー

ハルヒ「(TAKE1)なるほど、とりあえずクロスSSだっていうのは分かったわ…

    (TAKE2)なるほど、とりあえず物語が交差して始まっちゃったってのは分かったわ…
    
    (TAKE3)なるほど、とりあえずその御坂さんの中身が佐々木さん、

        白井さんの中身が橘さんになっちゃった、てのは分かったわ…ところで」

ハルヒ「‥あなた、本当に佐々木さんなの?」

10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:06:26.71 ID:3j++R3QrP

 美琴「ええ。佐々木です」

ハルヒ「…。キョン、どう思う?」

キョン「口調や身振りなんかは確かに似てるな」

ハルヒ「ふーん。(トントントントン)…まあいいでしょ、似てないこともないし」

 上条(それでいいんでせうか……。というより大丈夫なのか?

    この人のところに来ればなんとかなるかも、と二人とも言ってたけど)

みくる「お茶ですー」スッ

 上条「あ、ありがとうご」

 長門「!!」ダッ

パァン! ゴタッ ビシャ みくる「キャッ!」

11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:08:46.64 ID:3j++R3QrP

ハルヒ「有希!?」
 
 上条「ひっ!?い一体俺が何を……?」

 長門「あなたに言っておく」

 長門「今後指一本たりとも朝比奈みくるに触れることはわたしが許さない」

みくる「ほへ?長門さん?」

ハルヒ「……!」ガタッ

ハルヒ「いつかこの日が来ると分かってたわ…すべてはこのあたしが!二人を引き合わせた時から」

 上条「え?え?」

13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:10:50.55 ID:3j++R3QrP

キョン「長門…」

 古泉「(ボソッ)誤解されてますね。もっともその方が都合がいいのではありますが」

キョン「(ヒソヒソ)急に近づくなっ。どういう意味だ古泉」

 古泉「(ヒソヒソ)急に部室の空気がさっぱりした感じがしませんか。正確には上条くんが入ってきた瞬間から」

キョン「(ヒソヒソ)いや分からんがそれがどうした?」

 古泉「(ヒソヒソ)元々この部室には長門さんと朝比奈さん、そして僕を含めた三勢力の縮図とも言うべき、

    一種独特の力場が、部室に詰め込まれるように渦巻いていたのです。

    それが、彼の入室と共に跡形もなく打ち消されてしまったのですよ」

15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:13:03.79 ID:3j++R3QrP

キョン「(ヒソヒソ)つまり何だって言うんだ」

 古泉「(ヒソヒソ)僕にも詳しくは分かりませんが、少なくとも彼には何か、異能の力を打ち消す力があるようです。

    どの範囲にまでそれが及ぶかまでははっきりしなくても、やはり身体的な接触は避けたほうが賢明であると言えます」

キョン「なるほど…特にそうなると朝比奈さんは困りそうだからな。

    待て、長門は大丈夫だったのか?」

ハルヒ「キョン!あたしはその聞こえるか聞こえないかくらいの、

    でも相手に相手の事を話題にしてる位は気づいてるよな、というスタンスを取りつつ、

    なおかつ陰口叩いてるような卑怯さが大っ嫌いなの!

    陰口叩くなら正々堂々、地獄の鍋釜みたいな本人の絶対聞こえない場所で叩きなさい!」

16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:14:43.20 ID:VlJyzRL00
じゃあ有希、上条に触られたら消滅やん

17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:15:15.39 ID:3j++R3QrP

キョン「おい待て、ハルヒ、俺達は」

ハルヒ「俺達はって、大体そんなに距離を近………」

ハルヒ「…………」


ピロロロ

 古泉「すみません、電話が」

ハルヒ「出ないで」

18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:17:52.31 ID:3j++R3QrP

 古泉「あの、バイト先からの」

ハルヒ「古泉くん。そしてキョン?」

 上条(わたくしはせめて朝比奈さんの手から長門さんにはたき落され床に転がってる湯呑を

    机の上に戻して差し上げることさえ許されないのでせうか)タラタラ

ハルヒ「団員達のプライベートにまで口を挟むほど、ぁたしは度量は小さくないつもりよ。

    でも今言ったように堂々としていてほしいのよ。ね、隠すことはないわ大丈夫だから」

ピロロロ…


19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:19:56.99 ID:3j++R3QrP

 古泉「…では副団長としてではなく、あなたの、そして彼の友人として一つの真実を告げましょう」

ハルヒ「‥いいわ」

 古泉「実は僕と彼は……」

ハルヒ「ええ」

 古泉「あなたが撮影し、彼によって消去されたはずの朝比奈さんの悩殺写真集を拝見していたのです!!」パンパカパーン

キョン「何が友人だーーっ!」

みくる「こ、古泉くん、キョンくん……」プルプル

20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:22:14.53 ID:3j++R3QrP

ハルヒ「古泉くん!このアホキョン、エロキョンっ!!」クワッ

ハルヒ「何てこと…何て我が団員にあるまじきコソコソと…

    いえ、最も許せないのは団長として把握できなかったあたしの未熟さ…」クラクラヨロ

 黒子「(ヒソ)自分が撮影したことについては触れないのかしらね」

 美琴「いや、涼宮さんにとって、これはそういう問題じゃないの。

    どんな行動するにしろ、後ろ暗い気持ちを持ってちゃいけない、てことでしょ」

21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:24:55.74 ID:3j++R3QrP

 黒子「さ、佐々木さん、そんな大きな声で…」

ハルヒ「そうなのよ!あたし達が何をしようと、お天道さまは見てるのよ!」ギリ

 美琴「それにしてももったいない。なるほど、同じお茶でも淹れる人が違うとこんなに美味しいんだねえ」フー、フー

ハルヒ「みくるちゃん!」

みくる「はい‥」

ハルヒ「すまなかったわ。団長の解任、最悪の場合は団の解散も含めて、

    この件が片付いたら、緊急ミーティングを開くから。

    だからお願い。この件についてはあなたも全力を尽くしてちょうだい」

みくる「分かりました…」

22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:26:57.23 ID:3j++R3QrP

ハルヒ「あんた達も聞いて。これが最後の活動になるかもしれない。だから必ず解決する。

    SOS団の名にかけて御坂さんと佐々木さん、白井さんと橘さんを元に戻してあげるのよ!」

 長門「…」コクリ

 古泉「はい」

キョン「ハルヒ‥」

ハルヒ「キョン。‥男なら背中で見せなさい」スッ スタスタ


 長門「……」ジーッ

 古泉「…?」

 古泉「(ニコッ)」

 長門「……(……嘘も方便…)」


23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:29:06.17 ID:3j++R3QrP

ハルヒ「さて、と」ドシッ

ハルヒ「随分とおまたせしたわ。ええと、どこまで聞いたのかしら?」

 美琴「涼宮さん。ありがとう」

ハルヒ「(ニッ)礼を言うのはまだ早いわよ。…そう言えばあなた達、どうやってこの部室まで来たの?

    佐々木さん達も上条くんも、ここら辺の学校の制服じゃないし、相当目立ってたはずだけど」

 黒子「それは……」

 上条「俺はちょっと苦労しましたけど。この二人は白井の『空間移動』で敷地の外から来客用玄関を経由してパパッと…」

ハルヒ「空間移動……?」ピクッ

24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:32:51.99 ID:3j++R3QrP
>>16
考えた限りでは、触れられている間は情報操作能力等使えない、ということはあるでしょうが、
既に構成された肉体にまでは及ばないのではないかと

29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:45:48.94 ID:3j++R3QrP

 黒子「ええ。失礼ながら、白井さんの力を勝手に使ったのです」

ハルヒ「それってどういうの?ちょっと見せてくれない?」ピクピクッ

 黒子「あまりやりたくないわ。白井さんに悪いし、それに頭の中に見た事もない数字や記号が物凄い速さで浮かんで、

    やけに高揚した気分になるの。あまり好きじゃない感覚です」

 美琴「橘さん、気持は分かるけど、わたし達の話を信じてくれた涼宮さんに応えてくれないかな。お願い」

 黒子「(フゥーッ)佐々木さんがそう言うなら…。……」スッ

デュン

ハルヒ「う動いたっ。湯呑が動いた!あたし今まばたきしなかったわっ。ね、ほら!」

30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:47:55.34 ID:3j++R3QrP

ハルヒ「ついに!ついに!あたしの目の前に超能力者が現れたのよ!」ガタッ

ハルヒ「(ジーン…)。長かった……。(グッ)

    よもやSOS団が崩れさるか否かという正にこの時に……やはり最大のピンチとチャンスは同時に訪れるのよ」

ハルヒ「ふ、ふふ……燃えてきたわ……待ってらっしゃい、御坂さん、白井さん!そして上条くんに佐々木さん、橘さん!

    任せて、成功はこのあたしが保証するわ!

    キョン、何してんの、前祝いよ!下の自販機でジュース買ってきなさい、人数分!」

31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:50:26.69 ID:3j++R3QrP

キョン「朝比奈さんが淹れてくれたお茶があるじゃねーか」

ハルヒ「あ~~っ何!? あんた今ほっこりしたい心境にあるわけ? 探し求めていた人たちをようやく見つけ出したのよ!

    この状況で景気づけに乾杯したくないっていうんなら、清流のある峻険な山奥の庵にでも引っこんで世の中を諦観して暮らすか、

    自分の精神構造を疑ったほうがいいわ!」

キョン「大体、買い物袋も無いのに8人分の缶ジュースなぞ運んでこれるか」

ハルヒ「もどかしい!あたしも特別に行ってあげるわよ!さあ、来なさいっ」タッ

キョン「ぐおっ。お前、さっきの悲壮な決意はどこ行ったんだ」グイグイ

バタン

ドコニイキモシナイワヨ マストトウォントガ…

32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:52:28.14 ID:3j++R3QrP

 上条「あのー、あの人、自販機壊したりはしませんよね、まさかな…」

みくる「?」

 古泉「ちょっとすみません。バイト先に休む旨連絡しておきます。…もしもし」

 長門「……今のうちに、何があなた達に起こったか、何故こういうことになったのか、説明しておきたい」

 上条「え?」

 長門「事の発端は『超能力者に会いたい』という涼宮ハルヒの願い」

33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:54:50.11 ID:3j++R3QrP
 上条「なんでまた超能力者になんか会いたいって思ったんだ?」

 長門「それは恐らく…………分からない」㍉

 上条「そうだよ。超能力者に会いたいってのなら、学園都市の見学会に訪れるか、自分がそこの学生になれば済む話だろ」

 長門「失礼した。前提となる箇所が抜け落ちていた。まず、ここはあなたにとって異世界。

    つまり、あなたの言う『学園都市』はこの世界には存在しない。あなたのいた世界では超能力者が存在するのが当たり前でも、

    この世界では大半の人間が存在しないと認識している」

 上条「ここが……異世界?」

34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:57:22.81 ID:3j++R3QrP

 古泉「ええ。上条くん、あなたや御坂さん達には、僕も超能力者の端くれとしてお詫びします。

    僕の力不足が今回の事態を招く一因になったのかもしれませんから」

みくる「古泉……泣くな…!」

 古泉「そんなこと言われたら本当に泣きそうになるじゃないかー。

    …ともあれ、意識的にであれ無意識的にであれ、涼宮さんの欲求が満たされるか心が他のところへ向かされることが無い限りは、

    困ったことが起きるのは避けようがありませんから」

 黒子「あたしも今回ばかりは古泉さん側の組織にお頼りするよりほかなかったのです。

    まさかあたしや佐々木さんが涼宮さんがらみに巻き込まれるとは思わなかったけど」

 美琴「でもこちらの世界で巻き込まれたのが、橘さんとわたしだったのは不幸中の幸いね。

    全く何も知らない人たちだったら、途方に暮れるしかなかっただろうから」

 上条「待て…待ってくれ! 話がさっぱり呑み込めねえ!アンタ達は何を知ってるんだ」

 古泉「涼宮さんには願望を実現する能力がある」

35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 09:58:58.51 ID:3j++R3QrP

 上条「願望を実現する能力……?」

長門「意識的にしろ無意識的にしろ周囲の環境情報に働きかけ、彼女の願ったとおりにしてしまう力。

    今回の場合、『超能力者に会いたい』と願ったことで本来ならこの世界の幾人かが、

    たとえば白井黒子のような瞬間移動能力など、超能力を使えるようになるはずだった」

 古泉「しかし…涼宮さんは心のどこかで悟ってしまっているのですよ。

    この世界に目の前で超能力の証明をしてくれるような…願った通りの者などいないのだと。

    それならばと、あなた方異世界の人にまで彼女の力が及んでしまったのです」

36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:01:37.13 ID:3j++R3QrP

 上条「それで御坂や白井、俺がこっちの世界に引きずりこまれちまったってのか」

 長門「そう(コク)。彼女達は涼宮ハルヒの求める、

    同性で年齢が近く、分かりやすい超能力を獲得しているなど、幾つかの条件を満たしていたものと思われる」

 上条「それじゃ俺は?」

 長門「あなたは消失つながり。そして、御坂、白井の両名の身体に佐々木、橘の人格が宿っているのと同様に、

    恐らく佐々木、橘の身体に御坂、白井の人格が宿っているものと推測する」

 古泉「結果として、学園都市側の世界とこちら側の世界との間で、2vs2の人格と身体の交差が起こってしまったんでしょう。

    仮説ではありますが、涼宮さんの中に、異世界の人間をその居場所から無理に引きずり出すことにためらいが働いたのかもしれません。

    しかしそのためらいが仇になって、佐々木さんと橘さんを巻き込んだ人格入れ替えへと事態をかえってこじらせてしまった」

37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:03:29.15 ID:3j++R3QrP

 上条「入れ替えの相手がなぜ、佐々木さんと橘さんなんだ?」

 長門「見て分かる通り。世界に三人くらいはいる身体的特徴の似ている人間という点に理由があると思われる」

 上条「確かに…。それで御坂達は、つまり佐々木さん達の体は学園都市にいるのか?」

 長門「恐らくそう」

 上条「なるほど、大体分かったぜ。しかし、そもそも涼宮さんは超能力者に会ってどうしたかったんだ?」

38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:04:51.97 ID:izqLnU/N0
なぜ上やんは打ち消せなかったのかなんて野暮なことは言うまいて

支援

39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:05:27.54 ID:3j++R3QrP

 古泉「確か『一緒に遊び、世界を大いに盛り上げる』のが目的だったかと」

 上条「世界を盛り上げる……! そのために願望実現能力を使ってるのか?」ピクッ

 古泉「フフッ。彼女の無意識の内に現実に起こってしまうし、その変化の中に僕らが含まれてしまう場合など、

    下手すると気づくことさえ無かったりするんですよ」

 上条(変化に気づかないだと……!)

 古泉「長門さん、今回は例外的に、彼らが異世界から来たことを涼宮さんに教えた方が良いと思うのですが。

    御坂さんや佐々木さん達の人格入れ替えをまず直し、上条くんも帰すためにもやはり、皆で学園都市側の世界に行くことが望ましい。

    涼宮さんにこちらの世界に超能力者が普通にいると認識してもらっては、後々困ったことが起こりかねませんし」

 上条(前に似たようなことがあった……そうだ、アウレオルスや、大覇星祭の時の『使徒十字』だ。

    この世界の、古泉さん達は涼宮ハルヒに洗脳されているのか……?)

41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:08:26.62 ID:3j++R3QrP

 長門「わたしは構わない」

みくる「みんなで学園都市というところへ行くんですか……?」

 古泉「ええ。その方法についてですが……」

バァンッ

ハルヒ「たっだいまーーっ!適当にみつくろって買ってきたわよっ」

キョン「4缶でも結構持ちづらいな…」

 上条「おい、……涼宮ハルヒ」

42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:11:00.26 ID:3j++R3QrP

ハルヒ「ん、どしたの、上条くん」

 上条「今すぐ御坂達を元に戻せ!!」

ハルヒ「え?戻すわよ、絶対。そう依頼されたんだから。これから――」

 上条「とぼけるなっ!御坂や白井のような能力者と一緒に遊ぶ?それから世界を大いに盛り上げることが目的だって?

    テメェ一人のエゴで相手の了解を得ることもなしに人を巻き込んでるんじゃねえ!!」

ハルヒ「……(ニヤリ)。そう、知ってしまったのね……。(スタ スタ スタ ゴトン)あなたの言いたいことは分かるわ……。

    しかしあたしの目の前で白井さんの超能力をばらしてしまったのが運の尽きね。

    あなたの口ぶりだと御坂さんも相当凄い超能力者なのかしら」チラ

 美琴「涼宮さん?」

43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:12:25.97 ID:B5YDxVLpi
上条さんはいつもウザいな

44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:12:37.50 ID:3j++R3QrP

ハルヒ「あたしは確かに御坂さん達を元に戻してあげると言った……。

    でも超能力者と分かった人たちを易々と元の場所へ帰してあげるとは言ってないわ……」

キョン「いや、ニュアンス的にそこまで含んでるだろ」

ハルヒ「あんたは黙ってなさい。…どうしようかしら、御坂さん、とってもきれいな子ねえ。

    彼女に似合いそうな可愛い服を色々着替えさせてみようかしら」

 美琴「涼宮さん?」

 上条「ぐっ(俺が白井の能力をばらしたりしなければ……)……」

45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:14:29.38 ID:3j++R3QrP

みくる(……涼宮さんがとても悪い顔になってますぅ……)

キョン(こいつは自分に真正面から刃向かってくる奴が大好きだからな…)

ハルヒ「みくるちゃん、そこのコスプレ衣装から…」

 上条「俺は何でもしてやる!だから御坂と白井は無事に元の場所まで返してくれ!」

ハルヒ「殊勝なことだこと」

 上条「それから今後一切、学園都市から能力者を呼び出したりしないでくれ!」

ハルヒ「それは出来ない相談ね。超能力者を見つけ出すことはこのSOS団の根幹となる目的なんだもの。

    ふふ…そう、学園都市まで行けば超能力者に会えるのね」

46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:16:26.64 ID:3j++R3QrP

 上条「……自分のやってることに疑問を持ったりしねえのか」ユラリ

ハルヒ「上条くん……あたしは欲望を前にイエスと言える女なのよ」

 上条「ふざ…けるんじゃ…ねえ!!」

 上条「無能力者の俺に言えた義理じゃねえけど、御坂や白井のような能力者は、

    特に御坂は超能力者になるまで、俺なんかには想像もできないほど相当な努力を積んできたはずだ」

 上条「何かを犠牲にすることもあったはずだ、時には人知れず唇を噛み締める時だってあっただろう」

 上条「それでも歯を食い縛って…いつか自分の力が人の為に役に立つはずだと信じて振り切って前に進み続けたはずなんだよ」

 上条「『世界を大いに盛り上げる』ってのがどんなに素晴らしい…人の幸せを約束するものだとお前が言ったところで、

    超能力者を遊び目的で呼び出すような奴に重みなんかこれっぽっちもねえんだよ!!」

47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:18:21.75 ID:3j++R3QrP

ハルヒ「いつあたしが人の幸せを約束すると言ったの?いい?超能力者を見つけ出すことの意味は……、

    超能力者たちといっしょに遊ぶことが、断っ然、面白いからよ!」

 上条「ナメてるんじゃねえっ!お前一人の慰みの為に御坂の今まで積み上げてきたものを踏みにじることは俺が許さない!」

ハルヒ「上条くん、あなたは御坂さんとその周りの世界を守ると言うのね……、

    ならば、あたしはあなたの前に何度でも立ち塞がってみせるわ!」フハハハ…

48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:20:14.14 ID:3j++R3QrP

 上条「涼宮ハルヒ……!」ギリ

 上条「いいぜ、てめえが何でも思い通りに出来るってなら」ギュッ…

 上条「まずは、そのふざけた幻想をぶち殺す!!」ダッ

キョン「ま、待て!ハルヒ、上条!」

 上条「うおおおおおおおおおおおおおっ!!」

ハルヒ「たあああああああああああああっ!!」

キョン「全然。聞いてねえええええええっ」

ゴガッ!!

49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:22:29.40 ID:3j++R3QrP


 上条「っくっ……!」ググ…

ハルヒ「うぬうう……!」ミシミシ…


 古泉「上条くんの渾身の右拳を」

みくる「額で受け止めただと……」

ハルヒ「いいパンチだった…。でも」フラ 

 上条「……今ので俺の右拳は使い物にならねえ」ダラリ

 上条「(ハッ)御坂!御坂は元に戻ったか!?」バッ

 美琴「……ごめん、上条くん」

 長門「涼宮ハルヒの力が大きすぎる」

 上条「……効かねえのか…!」

50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:24:21.73 ID:3j++R3QrP

ハルヒ「いえ、かなり効いたわよ。

    上条くん、あなたの真っ直ぐな所、気に入ったわ。どう、うちの団に入らない?」スイ

 上条「俺は真っ直ぐでも、お前の仲間になるつもりもさらっさら無え。

    ……ただ、てめえ一人のワガママで歪めていいほど、御坂の世界は安いものじゃねえんだよ!!」ダッ

ハルヒ「フッ…!」ドッ

ッッガシィッ!!

ググググッググウ…

ハルヒ「(ニヤリ)やはりね。こうなれば最後に立っていた方が勝者となるのよ…!」グググゥ…ッ

 上条「端っから自分の敷いたレールの上にしか人を当てはめられない奴が…勝負を語ってんじゃねえぞっ…!」グググィ…ッ

51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:26:30.35 ID:3j++R3QrP

キョン「お前ら、落ち着けっ。ハルヒ、いい加減にしろ!」

ハルヒ「黙ってなさいキョン。あたしは今宿敵に出会えた気がするの」ニィ

 美琴「大変、机をどかさなきゃ。橘さん、そっち持って」ヨイショ

キョン「佐々木も何助長してんだよっと!」

 美琴「キョン。勘違いしないでくれたまえ」ピタ

 美琴「僕達は今、依頼者としてここにキミたちに助けを求めに来ている。

    この諍いを止める者がいるとすれば、その役割は僕では無いはずだ」

キョン「くっ……」

グクッ ググググ…

 上条「……御坂…」グググ…





53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:28:55.31 ID:3j++R3QrP

【学園都市

 風紀委員活動第一七七支部付近 路上】


佐々木「@っくしゅっ!」

  橘「お姉様……お体の具合悪いんですの」

佐々木「大丈夫よ。IDも無いんじゃ風邪も引いてらんないわ」

  橘「まったくあの寮監、この女性達の中身がわたくし達だと信じてもらおうと、

    あすなろ園で寮監がボランティア活動を続けていることに感動したお話しをしたら、鬼の形相で部屋から追い出しやがりましたの」

佐々木「黒子の『大圄先生はとっくに結婚なさったのに』という一言が余計だったんでしょ。

    持ち物検査もされず、警備員にも通報されずに叩き出されてかえって幸運だったのかもよ。

    持ち出せたと言っても財布くらいだけど、もしコイン持ってても撃てそうもないし」ピラ

54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:31:07.41 ID:3j++R3QrP

  橘「わたくしも空間移動できませんの。でも何故か目をつぶると、
 
    カエルのマスコット人形達が、メルヘンちっくな街並みを行き交っている世界にわたくしがいますのよ」

佐々木「ちょっと待って。目をつぶると光景が目に浮かぶ、じゃなくてアンタがその世界にいるわけ?」

  橘「ええ。この体の持ち主の能力なのでしょうけど、もっと役に立つ能力を持っていてほしいものですわ。

    お姉様、何ですのそのうらやましさ全開な目線は」ジロ

佐々木「え?ああ~私のこの体の持ち主はどんな能力を持っているのかなーって」

55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:33:07.50 ID:3j++R3QrP

  橘「お会いすることができたらお聞きになればいいんですの。

    わたくしの考えではこういう場合、お姉様の身体にその方の……って、何ということですのぉっ!!

    わたくしを差し置いてお姉様の香ぐわしいお体に侵入するとは……ええいっ許せぬ、行きますわよお姉様…って、

    ウインドウショッピングに興じている場合ではありませんのよ!?」

佐々木「そうじゃなくて。……ねえ、黒子、この人綺麗だと思わない?私より大人な雰囲気だし女性らしくて……」

  橘「何をおっしゃるかと思えば、お言葉とも思えませんの!

    何そのご婦人の年齢ともなればお姉様は嫌でもフェミニンな雰囲気ムンムンになることはこの黒子が請け合いますわよ!

    そしてお姉様の魅力の核心部はそこにあらず!お姉様の剛直な義侠心と温かな優しさはとても余人の、ええ黒子はひしひしと常日頃から――

    もっとも常盤台のエースとしてお嬢さまらしい嗜みを身につけていただくことにやぶさかではございませんけど」

佐々木「…まあ人は人なんだけど、本人に会ってみたいって思ったのよ。

    そういえば黒子、私の体にこの人がどうとか言いかけてたわね」

56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:35:04.24 ID:3j++R3QrP

  橘「あまり口にしたくありませんけど、そのお方とお姉様の、体と心が入れ替わりになったかと思いますの、

    わたくしもこの方と同様に」

佐々木「じゃあ、私達を探せば元に戻る手がかりが見つかるかもしれないわね!」

  橘「ええ。人手は多い方がよいもの。初春と佐天さんに協力を願おうと考えていますの。

    ちょうど今頃の時間に初春と、最近多発している監視カメラの盗難のことで支部で待ち合わせていたんですの」

佐々木「監視カメラの盗難?」




58 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:37:12.80 ID:3j++R3QrP

【支部付近路上 

 黒子たちの反対側300メートルの辺り】


 佐天「だーかーらーっ。初春の心配し過ぎなんだって」

 初春「でもお二人の携帯もつながらなかったですし、学校にも登校してきてないって……。

    寮の部屋には怪しげな二人組が勝手に上がりこんでいたとか…」

 佐天「あ、ほら、替え玉置いてったってことは二人で温泉旅行に出掛けてるとか」

 初春「白井さんはともかく、御坂さんに限ってそんなことは絶対ありません!

    それに白井さんだってちょうどこの時間に風紀委員のお仕事で、支部に集合する約束をしてたんですから!」

59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:38:49.00 ID:3j++R3QrP

 佐天「お仕事って、前に言ってたひったくりのやつ?」

 初春「いいえ。でもそちらの方も、警備員が手を焼いているみたいで……」

 佐天「おっかしいねえ~。学園都市でひったくりなんて、セキュリティが張り巡らされてるからすぐ捕まりそうなもんなのに」

 初春「それが全然役に立ってないんです。肝心の監視カメラまで最近盗難が多くて、私と白井さんはそのことで」

 佐天「監視カメラが!?だって、だいたい手が届かない位高い所にあるでしょ?

    何かぶつけて壊すならともかく、どうやって盗むのよ?取っていくときに自分が映ってしまうはずだし」

61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:40:50.19 ID:3j++R3QrP

 初春「ええ。そんなに壊れやすくも、取り外しやすくもできてないはずなんですけどね……。

    資料ではスッパリ切断されて無くなっているように見えるし、白井さんと現場を確認して廻ろうって約束してたのに…」

 佐天「その調査は難航するかもしんないけど、あんたの相棒はちゃんと約束を覚えてるみたいだよ」

 初春「えっ?」

 佐天「ホラ、あの支部の前にいる二人、御坂さんと白井さんじゃない?」

 初春「あっ! し、白井さーーんっ!!御坂さーーん!」タタタタ…

  橘「! 初春ーーっ!佐天さん!」タタタタ…               
                               。  。
 初春「よかったああああ……って、ごめんなさい人違いでした…」λ...厂 

  橘「初春っ!何スルーしていますのっ!?」バッ

 初春「えっ?」キョトン


62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:42:42.44 ID:3j++R3QrP
>>61 すみません ズレました…

63 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:45:05.76 ID:3j++R3QrP
・・・
・・



 佐天「ええーーっ!どんな都市伝説ですか、それ!」

 初春「あなたたちが御坂さんと白井さん!?」

  橘「そうなんですの。どうやらメルヘン夢想少女と入れ替わってしまったみたいなんですのよ」

佐々木「あはは、私はこの綺麗な人と入れ替わってしまったみたい」

 佐天「どう思う、初春……。見た目は確かに似てるよねー」

 初春「佐天さん、そういう問題じゃないです」

 佐天「ん~~、何かあたし達に一発で分かる証拠があればなあ……」

65 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:46:58.13 ID:3j++R3QrP

  橘「証拠……!」タターン

  橘「お姉さま……。背に腹は代えられません、さあ、お心をお決めになって!」トラリラリラリリラルロルロー‥トゥルァーン‥
                                                  ドゥ………ン
佐々木「な、何よ」

  橘「ここは恥を忍んで、わたくしとお姉様の仲を二人の前で証明するのです!さあ、さあ!」チュー

ゴン
  橘「あぅぇ」

佐々木「アンタにはハナっから忍ぶ恥なんてないでしょーが!!」

 佐天「はい、合格でーす」

 初春「白井さんの入ってる方がかわいそう…」

66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:49:07.10 ID:3j++R3QrP

 佐天「で、どうするんですかこれから、お二人とも」

佐々木「まず私達を探そうと思ってるの、この体の人達もきっと自分達を探してるはずだから。

    佐天さん、初春さん、助けてくれない?」

 初春「はい、喜んで!」

 佐天「いいですよ、もちろん!」

佐々木「あの……それから、……」モジモジ

 佐天「ん、どうしました?」

67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:51:16.67 ID:3j++R3QrP

佐々木「この通りだから、寮を追い出されてしまって……。

    迷惑だと思うんだけど、今日中に元に戻れなかったら、二人の所に泊めてもらえないかな、て……///」

  橘「どうかお願いしますの」ペコリ

 佐天「なーんだ、そんなことか。初春のところは春上さんがいるから、お二人ともあたしの部屋来たらどうですか?」

 初春「佐天さん、さり気なくおいしい所を持ってかないで下さい!

    御坂さんだけなら私の部屋で十分お世話できますっ!」

  橘「初春……、貴女の友情の程がいま分かりましてよ」

 佐天「でも初春、三人分の食事の用意できるの?」

 初春「佐天さん、これは聞き捨てなりませんっ。私だって三人分のお料理位できますよ!」

佐々木「ちょっ、ちょっと待って!泊めてもらえるんだったら、掃除や炊事洗濯とかは私達にやらせて!?」

68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:53:21.57 ID:3j++R3QrP

  橘「初春、佐天さん、お二人の心遣い本当に感謝いたしますの……。

    それは今日中に解決できなかった場合に改めてお願いするとして、とりあえず今は予定していた通り、

    風紀委員の仕事を片付けますわよ、初春」

 初春「え?こんな時にですか?」

  橘「と言いましても、盗難に遭った監視カメラの状態確認の手伝いしかできませんけど。

    こうなったからと言って、やりかけていた仕事を放っぽり出してはおけませんもの」

佐々木「私にも手伝わせて。黒子がゲコ太空間に出入りする能力を持っているんだったら、

    きっとこの人達も学園都市の生徒なのよ。監視カメラの場所を廻っているうちに出会えるかもしれないし」

 佐天「それならあたしも手伝います!手分けして廻ればすぐに済みますよ!」

69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:55:19.16 ID:3j++R3QrP

 初春「なんとかして書庫のデータへのアクセス許可が下りればその方達のこともきっと…。

    とにかくこちらを早く終わらせてしまいましょう!じゃ、この学区でのカメラの盗難場所は…」ゴソゴソ

ドンッ
 初春「きゃあっ!」ドタッ

  男「邪魔だっ。どけ!!」ダダダダ…

佐々木「なっ!?」

 女性「ひったくりよーーっ!!捕まえてーーっ!」

 佐天「初春!大丈夫!?」

 初春「アタタ…、私は大丈夫です、白井さんっ早く!!」

佐々木「黒子、行くわよ!佐天さん、初春さんをお願い!!」ダッ

  橘「‥。初春、被害者のケガの有無と警備員への通報お願いしますのっ!!」タッ

70 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:57:46.68 ID:3j++R3QrP


タッタッタッタ…
 
  橘「お姉様、今のわたくし達、能力が使えませんのよ?」タッタッタッ

佐々木「知るか!初春さんを突き飛ばしたヤツを見過ごせるもんですか!」スタタタ…



ピッ

 初春「おケガが無くてよかったです。警備員が間もなく到着するはずですから、この場所で待っていて下さい」

 女性「ええ…、あなた、あの男に突き飛ばされたみたいだけど大丈夫なの?

71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 10:59:43.51 ID:3j++R3QrP

 初春「はい、ありがとうございます。ちょっとびっくりしただけでなんともありませんよ」

 佐天「しまった!初春っ!早く二人を追わないと、御坂さん達携帯持ってないよ!」

 初春「あっ!ダメです…もう姿が見えません」

 佐天「今からでも探そう!!初春、走れる?」タッ

 初春「はい、急ぎましょう!お姉さんはここで待っていて下さい!」タッ

 女性「あっ、あなた達…!」

72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:01:42.85 ID:3j++R3QrP

タッタッタッタ

 佐天「やっぱり大通りを行ったのか路地に入ったのかも分かんないわ…!」ッタッタッ

 初春「この辺りは監視カメラが幾つも盗まれた場所なのに……」タッタッ

 初春「…(ハッ!!)…」ピタ ガサゴソ

 佐天「初春?」

 初春「……。佐天さん、こっちです!」タッ

 佐天「あっちょっと」タッ

73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:04:05.36 ID:3j++R3QrP



タッ

佐々木「くそっ…。見失ったか……!」ハッハッ…

  橘「この路地裏、迷路みたいですの……」ハァハァ…

 初春「御坂さーんっ、白井さぁーんっ!」タッタッタ…

佐々木「初春さん!?大丈夫なの?」

 初春「ハアハァ……ングッ‥nぁ大丈夫です……ハァ、ハァ…お二人にここで、追いつけたってことはやっぱり…、

    はあ、佐天さん、この地図を、白井さんに……ハァハア」ペラ

74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:05:33.28 ID:3j++R3QrP

  橘「どういうことですの?」

 佐天「あたし達、さっきの道からカメラの盗難箇所を辿ってここまで来たんです」ガサ

  橘「!!どうしてこんな簡単なことを……!

    あらかじめ逃走経路上のカメラを外しておいてから犯行に及んでいたんですのね…!」ギリ

佐々木「逆に言えば犯人の行き先を予想できるかもしれないわ。…ほら、ここよ!」ピッ

  橘「そうと分かれば迷路ごっこにつきあう必要はありませんの。いったん大通りに出て回り込みますわよ!」ダッ

佐々木「ようし!」ダッ

 佐天「あたしも行きます!お二人とも携帯持ってないでしょう!?」ダッ

  橘「初春、でかしましたのっ!警備員にこのこと伝えて下さいなっ!!」タッタッタッ…

 初春「ハァ、ハァ、……皆さん気をつけて…」

76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:07:32.50 ID:3j++R3QrP



  男「へへっ…。ここまで来れば…」

  橘「お待ちしておりましたの」

  男「(ギクッ)何だ、何か用か姉ちゃん」ササ

佐々木「とぼけんじゃないわよ、アンタ今隠したバッグ、ひったくったでしょ」ユラ

 佐天「あたし達の友人を突き飛ばした分、高くつくわよ」ザザッ

  男「くっ」ジリッ

  橘「逃がしませんわよ。もっとも、貴方の専用通路を戻った先で警備員が張っているかもしれませんけど」

  男「くそォ!そこ退けよ!お前ら何なんだよ!!」

 初春「風紀委員ですっ!!」ザッ

77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:09:26.65 ID:3j++R3QrP

佐々木「初春さん!」

 初春「ハァハァ…、警備員がこちらへ向かっています。大人しくしてください!」

  男「へっへっへ……そういうわけにはいかねえな」

デュン

佐々木「!?」 

 初春「え?…きゃあああああっ!!」ジタバタ

  男「へっへ…大人しくしろよ」ガシィッ…

 佐天「なっ!?…どうして…一番後ろにいた初春があの男に捕まってるのよ!?」

  橘(空間移動能力者……それも『座標移動』の方式…!?)








78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:11:35.39 ID:3j++R3QrP

【ハルヒ側の世界

 県立北高 文芸部部室】


バシッ スカッ パシッ パンッ タタ

 上条(くっ……!)シュッ

ハルヒ(強い……!)シィッ

ダッ シュッ ガガッ

 古泉「凄まじいばかりの攻防の応酬だ…」

みくる「お二人ともあちこち…」オロオロ

 長門「決定打をどちらも受けていない」

79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:13:34.49 ID:3j++R3QrP

バッ  ~シュタッ ~スタッ

 上条(これじゃ埒が明かない……)ハァハァ…

ハルヒ(ならば……!)ハァハァ…

ジリ…

ハルヒ「‥お互い同じことを考えてるみたいね…」ニィ

 上条「不本意だけどな……!」ニヤリ

ダッ

 古泉「互いの捨て身の一撃がぶつかる!!」

 長門「クロスファイヤー」

80 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:15:40.43 ID:3j++R3QrP


    バキョン

キョン「ごぼぁっ…」グラ…

ハルヒ「ッキョンッッ!?」タッ

みくる「キョンくん!!」 
 
 上条「なっ…!?」

 古泉「これはいけないっ!涼宮さんのドロップキックと上条くんの左ストレートに挟まれてしまった!!」

 上条「キョンさん、なんで……」

キョン「気にするな。俺も痛かったさ」バタン

81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:17:44.87 ID:3j++R3QrP

ハルヒ「キョンッ!!キョン!!どうして…」

キョン「…ハル‥ヒ…は…」

ハルヒ「あたしはここよっ。キョン!」ニギ

キョン「…み……ず………」

ハルヒ「みくるちゃん、水をお願いっ!!さっきのお茶でいいから早く!!」

みくる「は、はいっ」アタフタ

キョン「…………」

ハルヒ「何、何て言ったの!?」ヨセ

キョン「……た…ま…」

82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:19:40.47 ID:3j++R3QrP

 古泉「たま?涼宮さん、何か覚えは…」

ハルヒ「…~~~~~~~っっ!!」カアーーッ

ハルヒ「バカぁっっ!!」バゴォン

キョン「うげばっっ」

みくる「キャーーッ!」ポーン

 古泉「おっと」パシ ビシャ

 長門「濡れた」

83 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:22:13.70 ID:3j++R3QrP

みくる「キョンくん、キョンくん……ダメだよう…!」ユッサユッサ

キョン「朝比奈さんたち、痛いですよ……?」

 古泉「とにかく機関の息がかかった病院へ運びましょう」

 長門「めんどいからここで直す」ピト

キョン(……ハッ)パチ

キョン「ウォッシャー!」パァン 

84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:24:19.48 ID:3j++R3QrP

キョン「おいハルヒ!それから上条!お前らあそこで静かに手を振ってる佐々木たちを見ろっ!

    何回話が脱線してもただ黙って俺達が解決してくれるのを信じて待ってくれてるんだぞ!!

    御坂さん達だってそうだ、今こうしている間にもピンチに遭っているかも分からん。

    世界の命運とかガールフレンドの誇りを賭けて喧嘩するのもいいけどなあ、

    お前らとりあえず利害は一致してるんだろう?解決してから存分にやりあゃあいいじゃねーか」

ハルヒ「そ、それは…///」モゴモゴ   

キョン「ハルヒ!!お前が解決に向けて突っ走らねえ限り俺たち団員はついてけねえんだぜ、頼むよ!!」

 上条「キョンさん…」

キョン「上条も頼む……!頼ってきてくれた先の親玉がこんな奴でお前を騙しちまったも同然だが…、

    ハルヒとの決着は今じゃなくてもいいんだろ?」

85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:26:33.45 ID:3j++R3QrP

 上条「…ああ」

ハルヒ「……ふん、分かったわよ」

キョン「なら二人とも握手、ハイ、シェイクッ!」パシ

ハルヒ「一時休戦ね。……あんた達と一緒に遊ぶこと、あきらめたわけじゃないから」グッ

 上条「……。御坂たちのこと、頼むぜ――くっ!」ピクッ

ハルヒ「…ヒビ入っちゃったかもしれないわね……」

 上条「アンタが心配することじゃねえ。‥いい医者を知ってるから」

ハルヒ「そう。再戦するのは、お互いベストな時にしたいわ」

 上条「決着はつけるとしても…それまではキョンさんと同い年みたいだから涼宮さんと呼ばせてもらうぜ」

ハルヒ「決着がついたらちゃんと団長と呼ぶのよ?」オホン

 上条「一体どこからその自信が湧いてくるんだ?」ポリポリ

86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:28:49.63 ID:3j++R3QrP


キョン「さあさあ、せっかく買ってきたんだ。ぬるくなる前に飲んでくれよ、早いもん勝ち」 

 美琴「……キョン、ありがとう」

キョン「こんなもん、いつもの喫茶店の支払いに比べたら安いもんだぜ」

 美琴「そうじゃない。さっきは出過ぎたことを言った。

    …僕としたことが、キミに八つ当たりしてしまったね。悪かった」
 
 黒子「佐々木さん……」

キョン「いや、お前のおかげで目が覚めたぜ。

    言ってくれてなきゃ、今頃俺達はまだわめき散らしてるだけだったかもしれねえよ。ありがとな、佐々木」

 美琴「…そうかい」

キョン「うむ。(グビグビ…)…そういや長門、俺にはさっぱり分からないんだが、何か解決法に心当たりはあるか?」

 長門「(コク)あなた達のいない間にも、そのことについて話し合っていた。説明する」

87 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:28:59.30 ID:eV+5vczm0
主役格が集まりすぎていらない部分増えてるのと
主役格がいないとはいわないが主役格の動きができない蛇足とも取れてしまう部分で
平坦な話になってる気がするんだが

88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:30:53.62 ID:3j++R3QrP

 ・・・

 長門「……というわけ」

ハルヒ「上条くんっ。何であなた達が異世界人だという極秘事項を黙っていたわけっ!?」キラキラ

 上条「いや、俺もさっき知らされたばっかりで……」

 長門「御坂、白井と佐々木、橘を元に戻すためには、まず互いの身体を引き合わせる必要がある」

 古泉「そのためには学園都市まで行って、御坂さん達…つまり佐々木さん達を探さなければなりません。

    早いほうがいいですね。いつまでも彼女たちがそこに留まっているとは限りませんから。

    この場の皆さんには、学園都市に行って手分けしての捜索をお願います」

 長門「異世界移動の時期を早めた方がいいもう一つの理由は、

    時間の経過とともに彼らの身体がこの世界に来たときに生じた、異次空間内の波紋が収まってしまうから」

89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:34:12.62 ID:3j++R3QrP

キョン「収まっちまうとなんかまずいのか?」

 長門「我々がルートとして使うことが困難になる。来た道を戻ることが一番確実」

ハルヒ「ねえ、学園都市ってどんなところなのっ?」

 上条「……他の場所より二十年は科学技術が進歩してるって話だけどな」

 長門「今のところ二つの世界をつなぐ唯一の場所」

ハルヒ「凄いわ!!それってあなた達が未来人……でもないか。

    いいえ構わない、それだけで十分あちこちに不思議が転がってそうな所じゃない!」

 長門「完全に収束するとその空間にすら侵入が難しい」

ハルヒ「ひょっとしたら宇宙人にだって出会えるかもしれないわ!!」

 長門「お前なんかもう知らん」

91 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:38:00.12 ID:3j++R3QrP



十五分後……


ハルヒ「ねえ有希、本当にあたしが悪かったわ。せっかく説明してくれてたのにおしゃべりしてしまって。

    この通り謝るから、ね、お願い、機嫌を直して?頼むから無言で高速読書に集中するのはやめて><」

 長門「…………………………」ペラッ

 黒子「長門さん、お願いなのです。ね、発売日にガールズトークアドベンチャーゲームの初回限定版、買ってあげるから」

 長門「通常版でいい。遠くにありて想うもの」パタン

 黒子「無理しなくていいのよ。お好きなんでしょう?」

 長門「……(コクリ)。…貴重な時間を無駄にした」スック

93 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:41:06.26 ID:3j++R3QrP

キョン「橘……かたじけない…」

 黒子「いいのです、あたし達が頼んでるんだから。その代わり、ちゃんと元に戻してくれなければ困るわ」

キョン「わかった、必ず……。長門、異世界にはどうやって行けばいいんだ?」

 長門「白井黒子の空間移動能力を借りる。ただしそれだけでは次空を超えることはできない。

    具体的には瞬間移動の発動と同時に我々の身体を音速の三倍に加速する必要がある」

キョン「何だそりゃ。自衛隊に入隊して戦闘機のパイロットに志願しろって言うのか?」

 長門「できないことはない。しかし自然界のエネルギーの利用を推奨する」

キョン「つまり何だ」

 長門「雷」

95 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:42:56.88 ID:3j++R3QrP

キョン「今日は快晴だぞ。天気がこっちの都合で変わるのもまずいらしいし、過去に行って近くの時計台に落雷するのを待ってる時間もねえ。

    一体どうすりゃ……」ガリガリ

 上条「御坂なら、つまり今の佐々木さんならできるかもしれない」

 美琴「御坂さんの能力なの?」

 上条「ああ。御坂は学園都市に七人しかいない超能力者の一人で、電気や磁気を操る電撃使いの中じゃトップのはずだ。

    落雷はもちろん、そんな回りくどいことしなくても直接コインを音速の三倍以上で打ち出せるぜ」

 黒子「佐々木さん、あたしに白井さんの能力を使うことが出来たのだから、あなたにもきっと出来るのです」

96 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:45:21.06 ID:3j++R3QrP

 美琴「…分かった」

キョン「ところで長門、さっきの『発動と同時に』ってとこだが、タイミングがずれるとどうなるんだ?」

 長門「色々とまずいことになる」

 美琴「うん。少なくともぶっつけ本番じゃできない。確かポケットに…(ジャラ)このメダルでまず試させてくれない?」

 長門「そう。明日に向かって撃って」

 美琴「明日はどっち?」

 長門「彼」ピッ

 上条「ちょっと待った!上条さんは音速の三倍なんて片手で捕まえたりできませんからっ!!」

98 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:47:26.72 ID:3j++R3QrP

長門「大丈夫。あなた自身が自覚しているかどうか分からないが、

    あなたは周りの状況や相手の動作から兆候を読み取り事前に攻撃の軌跡を察知し回避できる」

 上条「右手を動かす速さを無視した説明で論破してんじゃねえ!いや、そうじゃないはずだ。

    最初は俺も怖いものは怖かったけど、確かに俺は助けたい人のために絶対諦めたりはしなかった。

    かなりやばいことも何度もあったけど、でも俺はいままでこの右手一つと、多少のケンカ強さと、一すじの奇跡だけで戦ってこれたんだよ!

    敗北することの方がむしろ当然だった状態を笑顔でいてほしい奴がそういられるように願って、たまたま状況の逆転を重ねてきただけだ。

    お前はそんな現実を見たことがないかもしれない。

    ラノベじゃアメコミのヒーローみたいに単純じゃいかないかもしれない。
    
    だけどお前が信じたのはそんな世界じゃなかったのか?そんな奇跡が起こりえる世界、それだけでいいじゃないか!!
     
    そこを多少つつかれたぐらいで、信じるのをやめてもっともらしい論理を後から考える、

    そんなのはリアリティでも何でもねえ、ご都合主義ですらねえ、批判に配慮しても人の心は揺さぶれねえ、ただの説明だ!!」

99 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:49:36.60 ID:3j++R3QrP

 上条「設定にしかこだわれねえってんなら、まずはその幻想をぶち殺す!!」
 
 長門「でも超電磁砲の方で止めてたじゃん」

 上条「あれはたまたま!つーか御坂が俺の右手に当たるように狙っててくれたの!」

 長門「ノロけなくていいから」

 美琴「長門さん。わたしもやめた方がいいと思う」

 長門「しょうがない。わたしに向けて撃って」スッ

 上条「ダメ、絶対!!」

 美琴「行きまーす」ヂヂガッ

ドヴォシュッ!!!


 長門「初速994m/s。本番ではもう少し強めに」ジュウ…

 美琴「はい、了解」

100 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:51:37.63 ID:3j++R3QrP

 上条「な、長門さん…、手から煙が……」

ハルヒ「ふっふっふ、有希の動体視力をなめてもらっちゃ困るわよ」

 長門「皆、手をつないで輪になって」

 古泉「いよいよですね」

 黒子「御坂さんや白井さんってどんな人なのかしら」

 美琴「会うのが楽しみね」

みくる「早く助けたいです…」

キョン(タイミングがずれるとどうなるんだ……)

 上条「そうだ。…俺は外れたほうがいいかもしれない」

101 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:52:45.25 ID:3j++R3QrP

 長門「あなたが涼宮ハルヒと手をつないでいれば問題ないはず。来たのだから戻れる」

 上条「……そうか」

ハルヒ「さあ、いざ学園都市へ!!」

 長門「(コク)10カウント取る」

美琴・黒子「OK!」 
 
 長門「ツナードドイクベ」

美琴・黒子「!!」

ズビャアアアアアアアアアンンンッッッ!!!


   

 


102 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:54:48.24 ID:3j++R3QrP

【再び初春たち】
 

  男「へっへっ…。お前、風紀委員なんだろう?能力を使って俺の腕をどけてみろよ」

 初春「ぐっ…」ギュウ…

  男「やっぱりな。お前らそこまで汗だくになって俺を追いかけてきたってのに、

    どうせ何の取り柄もない無能力者か低能力者だろう?ただのガキどもが能力者に逆らってんじゃねえよ!」

 佐天「……!」ギリ

佐々木「どうかしら?せっかく与えられた能力をつまらない犯罪にしか使えない人に言われたくないけど」

  男「何だと…!?」

佐々木「風紀委員の子を人質にするとアンタに対する警備員の心証に響くわよ。

    どう、私が代わりになったげよか?ほら、武器とか持ってないわよ」ヒラヒラ

103 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:56:56.59 ID:3j++R3QrP

 初春「御坂さん、駄目です…!」フルフル  

  男「へっへ、面白いこと言うじゃねえか……でも俺は大人しい女が好みでな」 

  橘(…この男、能力を笠に着た正に下衆野郎ですの。

    と言っても結標ほど自在に能力を操れるわけではなさそうですわね。

    初春とは言え人一人の重量を移動させられるのはあなどれませんけど……、
    
    座標移動ならわざわざひったくらずとも遠くから手元に引き寄せれば済むはず。
    
    恐らく自分からごく近い範囲の物体しか捕捉できないんですのね。

    それならばこの男から距離を取りながら監視カメラに映る場所までおびき出すのが得策なのですけど)…チラ


104 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 11:58:19.74 ID:3j++R3QrP

 初春「白井さんっ。私がこの男を捕まえていますから早く皆さんと警備員をここまで誘導して下さい!」

  橘(一体どっちが捕まってるんですの……)

  男「余計なこと言うんじゃねえこのガキッ!!」ガッ

 初春「うぐっっ……!」ギュウ

  橘「……ったく」クルリ スタスタ

佐々木「…黒子?」

105 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:00:20.95 ID:3j++R3QrP

  男「いいのか?お前が逃げてる間に俺はお前の友達と楽しませてもらうぜ?」

  橘「誰が」ガッ
  橘「逃げますの?」ブワッ

  男「ぐっ!ゴミバケツのフタをっ」デュン
                                   ガツッ カラン
タタタッ
  橘「やっぱり貴方、二人同時に移動するのは無理ですのね」

106 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:02:37.53 ID:3j++R3QrP

  男「なめんな、この」キッ
タン
  橘「ふっ!」ギュルッ ダッ
タタタタ
  男「なっ!?急に方向転換を――!」
タタタタ
  男「このおおっ」

佐々木「ほら、無視してんじゃないわよっ!!」ダッ

  男「ハッ」

  橘「っっ!!」ダンッ

  男「しまっ…」
ヅキイッ

  男「ぃぎっ…!」ユル

107 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:04:52.43 ID:3j++R3QrP

 佐天「脇腹にひじ打ちが決まった!」

  橘「初春、離れるんですのっ!」

 初春「!」バッ

  男「このアマァッッ!!」チャッ

  橘「ハッ(ナイフ……!)」

佐々木「黒子!!!」ダッ

ズッ

佐々木「うっ…」

108 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:07:12.23 ID:3j++R3QrP

 初春「御坂さん!!」

  橘「お姉さま!!!」

 佐天「よくもおォォォォっ!!!」ダダダダ

ドボォッ

  男「うごっ…」ヨロ

佐々木「くっ…!!」ジャリッ

佐々木「チェー・サ!!」ビャオッ

バキャッ!

  男「ゲハッ…」グラ…

ドタン








109 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:09:18.14 ID:3j++R3QrP

【学園都市

 とある街かど】


キョン「やっぱりハルヒや上条、それに佐々木たちは近くにいないみたいですね」

みくる「ええ、長門さんや古泉くんも、学園都市に着いたときにはぐれてしまったみたい。

    みんな大丈夫かしら……」

キョン「俺達が無事に来れたんですからきっと他の奴らも大丈夫ですよ。

    携帯が使えないのが痛いけど、ここに留まっていてもしょうがないし。

    目的は外見が佐々木たちの御坂さんたちを探すことで決まってますから、そのうちきっと合流できますよ」

みくる「‥うん。そうだね。頑張ろう、キョンくん!御坂さんたちかぁ……。

    あ、そうだ!あそこで仲良く歩いてる兄妹の、優しそうなお兄さんに聞いてみましょう!」テッテッテ…

キョン「あ、朝比奈さん……?」

110 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:11:36.42 ID:3j++R3QrP



打ち止め「わーーいっ!ってミサカはミサカは久々のあなたとの外出に小さな胸を躍らせてはしゃいでみたり!」トットカ

一方通行「…つかよォ。飯食ったらすぐ帰るからな」カツ カツ  

打ち止め「せっかくの外出なんだからもっと他の場所も遊んで回ろう、

     ってミサカはミサカは控えめにあなたからのデートプランの提示を期待してみる!」 

一方通行「どこが控えめだ馬鹿が。今この瞬間も監視されてンだっつゥ警戒心くらいオマエも持っとけ」

 みくる「あのー、すみませーん」テッテッテ

111 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:13:32.63 ID:3j++R3QrP

一方通行「あン?」

みくる「わたし達、人を探してるんですがお聞きしてもいいですか?」

一方通行「駄目だ。他の通行人に当たれ」

打ち止め「人には親切にするものだってミサカはミサカは身長差を物ともせずあなたに直球説教してみたり!」チョン

一方通行「うるせェクソガキ」

 みくる「知ってるか知ってないかだけでもいいんです、どうかお願いします!」

112 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:15:27.60 ID:3j++R3QrP

一方通行「だから何で俺にそこまで食いついてくるワケ?」

 みくる「…ええと、あのぅ、あなたなら何となく知っていて、教えてくれる気が……」

一方通行「あァ面倒臭せェ。誰なンだよ探してる奴ってのァ?」

 みくる「御坂美琴さんと白井黒子さん…、によく似た人たち何ですけど、あ、でも入れ替わったことを考えると、

     御坂さんたちのいるはずの場所に本人も行ったはずだから、ええと……」

一方通行「…常盤台中学へ行って、また知ってそうな奴に聞くんだな」

 みくる「あっ。と常盤台中学ってどこですか?」

一方通行「携帯の地図調べて行きゃいいだろォがッ」

113 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:18:07.15 ID:3j++R3QrP

 みくる「それがあたし達のは使えなくて……」

一方通行「~~~~~ッッ!!(ゴソッピッピッピ…)ホラ見ろ!!

     今オマエらが立ってンのがここだッ!(ピッピッピ)でこの印の場所にあるッ」

打ち止め「でもこの人たちは『学舎の園』に入れないかも、ってミサカはミサカはささやかな懸念を述べてみる」

一方通行「うッせェンだよオマエはァッ!!そンなのテメエらで何とかすることだろォがッ!」

 みくる「はい。…あの、こっちってどっちなんでしょうか…」

一方通行「~~~~~~~~~~ッッッ!!!」

114 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:20:00.24 ID:3j++R3QrP

打ち止め「他のミサカに協力してもらえば顔パスでその人たちも一緒に通してもらえるかも、

     ってミサカはミサカは比較的実現できそうな提案をしてみたりっ」

一方通行「話をややこしくすンなっつの!いいかッ、目の前の通りが東西に伸びてっから…」

打ち止め「あ、通りの向こうをちょうど常盤台の生徒が歩いてる、

     ってミサカはミサカは次善の策を思いついて即行動してみる!」

 みくる「…広い道に出たところで右に曲がって……」

 キョン「…これだけ教えてもらえれば十分だ。時間をとらせてすまんな。お嬢さんも考えてくれてあり…」

 
キキィーッッ!!

 
 キョン(!!トラックが…)

 みくる(あの子!!)

一方通行「打ちト」カチッ

115 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:22:02.13 ID:3j++R3QrP



ピタ



 キョン「……止まった……?」

一方通行「なンだと……!?」

 みくる「…ッ!女の子は……」

スッ… スタ スタ…

 
 キョン「!!ッ長門ォ!!」

116 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:23:47.66 ID:3j++R3QrP

 みくる「長門さん!」

 運転手「バ、バカヤローッ」ブォッブロロロッ…

  長門「…降ろしても大丈夫?」

打ち止め「……うん。(トッ)ありがとう、あなたは大丈夫?ってミサカはミサカは……」

  長門「どういたしまして。何ともない、ありがとう」

打ち止め「…ミサカのためにごめんなさい、ってミサカはミサカは…」

  長門「あなたは悪くない。信号は青で、横断歩道の上だった。悪いのは運転者のほう」

打ち止め「でもミサカが…」

一方通行「打ち止め、ソイツから離れろ」スタ

117 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:25:56.25 ID:3j++R3QrP

打ち止め「え?何言ってるの、この人は、」

一方通行「打ち止めダーッ!!」

打ち止め「…っ!」ビクッ

  長門「…離れた方がいい」

打ち止め「ダメッ!ミサカが離れたらあなたは…」

  長門「大丈夫。彼もわたしも、誰も傷つかない。さあ」

打ち止め「…………」トボ

118 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:27:15.15 ID:3j++R3QrP

 ザワ ザワ…


  長門「……」

一方通行「なンだ、テメェから言うことはねェのか」

  長門「……特に」

一方通行「」ダンッ

ドゴォオオオオオンッッ!
 

打ち止め「!!!!…ぁっ 」                 

                  キャーッ ウワーッ

スタッ


120 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:29:16.52 ID:3j++R3QrP

 みくる「ひゃあっ長門さんっ!!」

 キョン「今あの坊主何したんだ!?地面が吹き飛んで生きてるみたいに長門目がけて飛んでったぞ!?」

  古泉「長門さんじゃなかったらとても避けられませんでしたね…厄介なことになったな」

 キョン「古泉!長門と一緒だったのか?」

  古泉「ええ。長門さんと話し合って、まずあなたと合流しようということになりましてね。

     ここにたどり着くまでこの街の学生達を幾人か見かけてきましたが、

     彼らはそれぞれ微弱ながら特有の力場を身体から放出しています。

     しかし今彼から発せられているものはケタが幾つか違うほど強力だ。

     それがそのまま超能力の強さの指標になるのだとすれば、彼は恐らく学園都市の中でも抜きん出た使い手ですよ。

     それにしてもなぜいきなり長門さんを攻撃してきたのか分かりませんが」

121 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:31:21.50 ID:3j++R3QrP
 キョン「あの野郎、何を勘違いしてるんだ」タッ

ガッ

 キョン「‥古泉!何するんだ、離せよ」

  古泉「いけません。彼に近づくのは非常に危険です。

     僕ならば正直、神人に一人で向かって行け、と言われる方がまだ納得できるくらいの状況だと言えます」

 キョン「…しかしほっとくわけにはいかんだろが」

  古泉「僕らが行けば話がこじれるだけです。それにかえって長門さんの足手まといになってしまいますよ。

     長門さんが収めてくれるのを待ちましょう」

122 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:34:08.04 ID:GfhiCQ0g0
見てるぜ


123 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:35:15.90 ID:3j++R3QrP


  長門(‥対象の足裏との接触部を起点とした地表にかかる衝撃力及び引力・遠心力、対象への反作用の向きを変更・一致後の合成による、

     射出時における分離部の加速度値、非通常上昇を確認)

一方通行「…どォだ、これでもまだ俺に言うことはねェのか」 

  長門「わたしはあなたの敵ではない」

一方通行「ハッハッ!!面白ェ!今度はWin-Winの関係で行きましょうってかァ?

     うまい設定じゃねェか。俺と打ち止めが離れた時に車で襲わせてよォ、

     ソコをたまたま通りがかって救出できたら命の恩人ってヤツだ。

     ところで今の横っ跳びは脚力だけでできることじゃねェよなァ?」

124:2011/04/30(土) 12:36:39.39 ID:GfhiCQ0g0
長門つよす

126 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:44:46.35 ID:3j++R3QrP

  長門「……」

一方通行「オマエが俺の敵じゃねェっつンなら、なンでここを通りかかったのか言ってみろよ」

  長門「…(チラ)」

 
 キョン「長門……」

  
  長門「それは話さない」

一方通行「言えねェってか。じゃあ、さっきトラックに何をしたンだ?」

127 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:46:11.90 ID:3j++R3QrP

  長門「……」

一方通行「あのガキが助かって感動のあまりスルーしてくれるとでも思ったか?

     横断歩道上の時点であンだけの速度と重量のトラックが、

     1mも進まねェ内に急停止できるほど素敵なブレーキ実装してるなンざ、そんな大ニュース俺が見逃してるワケねェし、

     第一あの勢いで瞬間的に止まっちまったらシートベルトも着けてねェ運転手はフロントガラスからコンニチハだ。
     
     どォせオマエにブチ当たって動かなくなったンだろォが、エネルギー保存の法則っつってよォ、
     
     オマエとクソガキは吹っ飛ンでかねェ、トラックは盛大に顔面ブっつぶれて尺取り虫みてェにケツ上げねェ、

     オマケに運転手は元気よく罵声浴びせて逃げちまったっつゥハッピーな結果には、なりっこねェハズなんだよォッッ!!」

  長門「…各ベクトルごとに合力が0になるように運転手と車体とわたし達にかかる衝撃力、慣性力等を調整した」

一方通行「……ほォら、やっぱり、なァ」ニィ…





128 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:48:23.53 ID:3j++R3QrP

【学園都市

 とあるよく自販機が壊れたことがある公園近くの路上】


 美琴「橘さん、困ったねえ」

 黒子「ええ。御坂さんも白井さんも、ここでは相当有名な方たちみたいですね。

    特に佐々木さんへの同じ制服を着た生徒さんたちの注目が顕著で、なかなか動きづらいのです」

 美琴「どうしよう。何か彼女たちの行き先が分かるような手がかりがあるかもしれないし、学校まで行ってみる?」

 黒子「何て言う中学校かしら。制服からして私立みたいですけど」

 美琴「まずいね。自分の通学先を人に尋ねたりしたら記憶喪失を疑われてしまうもの」

 黒子「では、『自分達によく似た二人を見なかったか』と、同じ学校の生徒さんに尋ねていきませんか?

    そうすれば、いずれ学校の所在地くらいのことは明らかになってくるでしょうし」

129 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:49:51.69 ID:3j++R3QrP

 美琴「うん。ちょうどあそこにいる子に聞いてみようよ」

 黒子「佐々木さん」

 美琴「?」

 黒子「何も男に囲まれてカツアゲされそうな子に近づいていって聞くことはないわ。

    厄介事に巻き込まれている暇はないのです」

 美琴「そうね。でも彼女と目が合ったわ。

    困ったな、この場からわたしが離れてしまったら御坂さんの評判に傷がついてしまうよ」

 黒子「んん……! もうっ! 佐々木さんがそこまで御坂さんに気を遣うことはないのです」

 美琴「まあまあ」

130 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:52:35.33 ID:3j++R3QrP



 男A「オラオラ金出せよ」

 生徒「そんな……」

 男B「お嬢さんだから金持ってんだろ」

 美琴「待ちたまえ君たち」

 生徒「御坂様……」

 男B「何だお前ら」

 男A「ってお前は常盤台の超電磁砲っ!!」

133 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:54:40.99 ID:3j++R3QrP

 美琴「あれ?君も御坂さんを知ってるのかい?」

 男B「人に電気浴びせといて言えるセリフかよ!」

 美琴「これは失礼。それはそうとあなた常盤台中学の生徒さんね?」

 生徒「はい……」

 美琴「ここはわたし達に任せて。あなたは早く行ったほうがいいよ」

134 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:57:33.55 ID:3j++R3QrP

 生徒「‥ありがとうございますっ」ペコッ

タタタ…

 黒子「佐々木さん!」

 美琴「あっ。行っちゃった」

 黒子「お人好しが過ぎるのです。こんなことだから涼宮さんに……」ブツブツ

 美琴「ごめん。学校名は分かったんだから、ね?」

 男A「おい!軽く10×2行くらい無視してんじゃねえよ!」

美琴・黒子「ご協力ありがとうございました」ペコリ

135 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 12:58:52.77 ID:3j++R3QrP

 男A「礼を言いてえのはこっちの方だ!お前のおかげで一週間ほど豆腐の味が分からなかったんだぞ!」

 男B「お前も風紀委員ならもっと早く助けに来いよ!」

 美琴「白井さんってならず者を取り締まるのに忙しくしてるみたいね」

 黒子「御坂さんはとても勇敢な人のようね」

 男B「俺らの前で互いの健闘を称え合うなよ!今日は仕返ししてやる!」

 男A「こんなこともあろうかとゴム手を持ってきたんだぜ!」
 
 黒子「佐々木さん、ここは逃げたほうがいいのです」

 美琴「わたしもそうしたいんだけど、後々御坂さんがつけ込まれてしまうから…」ヂヂガッ


バリバリバリバリッ  ドカーーーン!!

 
 美琴「」

 黒子「」

136 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:01:37.59 ID:3j++R3QrP

 
 男A「やべぇ…。こいつマジで殺る気だっ」

 男B「逃げるぜ!」

ピューッ


 
 美琴「これはいけない。風車を一基壊してしまった」

 黒子「ああ……!慣れないことをするから…」

 …ウワンワンワンワンワンワン

 美琴「何かR2-D2みたいなロボットの群れがこっちに来る」

 黒子「とにかく今度こそ逃げるのですっ」パシ

デュン

138 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:03:34.94 ID:3j++R3QrP

【学園都市

 その路上近くの公園】


  橘「…ひったくり犯は警備員に引き渡しましたけど、この方々は学園都市の生徒さんではなかったことが判明しましたの」

 初春「そうだったんですか…でも御坂さんの傷の手当てが受けられてよかったです」

  橘「たまたまわたくし達を担当した警備員の方の温情によるものですわ。

    事件解決に協力した点を汲んで、ケガの応急処置を取り計らってくれた上、わたくし達の身元について不問に付して下さいましたの。

    ただし、三日以内に学園都市を退去するようにとの条件付きで」

139 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:05:52.44 ID:3j++R3QrP

 佐天「そうですか…。 うん!! なんとかなる! 三日もあれば御坂さんたちを見つけられます!

    あたしも集中して、友達に御坂さんたちを見かけなかったか聞いたり、全力でサポートしますから!」

 初春「私なら監視カメラの映像にひったくり犯の解析を口実にアクセスして佐天さんより早く御坂さんたちを見つけられます!」

 佐天「何を~~っ。あたしの三日坊主パワーなめんなよっ」

  橘「貴女達……。‥お姉様、うつむいている時ではありませんわ、どうか元気を出して下さらないと」

佐々木「……ごめん。‥ありがとう。みんな、本当に、本当に感謝してる。…でも、そうじゃないの」

140 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:08:18.30 ID:3j++R3QrP

 佐天「…御坂さん……?」

佐々木「足が、…足が重かったのよ」

 佐天「……?」

佐々木「走って犯人追いかけてる時も、犯人の顔面にキックする時も。

    当たり前よね。私の体じゃないんだもの。

    この人の体…。この人ね、きっと私と違って、知的で、物静かに過ごすことが好きな、

    大人しいけど女の子らしい、そんな風に歩んできた人だと思うの。

    それこそあんなチンピラとは無縁な生活を、これからも送るはずだったのよ。

    それを私……。勝手にこの人の体に無理をさせて、みんなを危ない目に遭わせて、その上……!」ブルブル

 佐天「……」

142 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:10:28.74 ID:3j++R3QrP

佐々木「医者がこの顔の傷は治っても、学園都市の外の医療技術では一生跡が残るって……。

    私……!! 私どうしたら……っ!!」ポタポタ

  橘「お姉様………」

 佐天「…それが全部御坂さんの責任だと言うのなら、それこそ自分勝手ですよ」

 初春「佐天さん!!」

 佐天「あたしの名前、母がつけてくれたんですけど、こんな由来があるんです」

佐々木「……?」

143 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:12:37.80 ID:3j++R3QrP

 佐天「人は一人で生きていかなければならないから。

    自分の問題に向き合わなければならないとき、泣く日だってあるから。でも、それを一人で抱え込んじゃいけない、

    一人で悩んでるだけじゃきっとますます悪くなるだけだから、
   
    泣きながらでも前に進むために、その涙を見せられるような心から信頼できる友人を作りなさいって。

    ママがそう思って付けたのに、あたし、あんな……」

 初春「……」フルフル

 佐天「(コク)…あたしにとってそんな友達は初春や…御坂さんや白井さんなんです。

    でも御坂さんって自分がどんなに危ない目に遭ってもあたし達を助けてくれるのに、

    自分が問題を抱えて、苦しんでいる時にあたし達に話さないでしょう?」

佐々木「佐天さん……」

144 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:14:24.26 ID:3j++R3QrP

 佐天「あ、ええっと、話してくれって言ってるんじゃないんです。

    むしろ御坂さんのそういう背負っちゃうところあたしは好きというか尊敬してますし……、

    一口に問題と言ったって、種類によって話せる相手が違うことだってあるだろうし…。

    あれ? う~ん、何が言いたいんだあたしは」

 初春「さ、佐天さん!いいことは言い切るのが義務ですっ。自分で消化不良だけはやめてください!」

佐々木「ううん。佐天さんの言いたいこと、何となく分かる。ありがとう。その気持ち、嬉しいよ」

 佐天「あ、それです!あたし嬉しかったんです!」ピッ

佐々木「?」

145 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:16:26.52 ID:3j++R3QrP

 佐天「今回、御坂さん達に困ったことが起きたときに、真っ先にあたしと初春を頼ってくれたでしょう?

    それがあたし、嬉しかったんです!ああ、あたし達も力になれるんだって」

 初春「…そう言えば私も……///」

 佐天「それに、御坂さんも白井さんも、能力が使えなくなってるのにやることが変わらないっていうか…。

    ホントに無茶ですよ、いくら相手が一人だからって、女の子だけでひったくり犯を追いかけるって」

  橘「佐天さん、わたくし一応お姉様をお止めしたんですのよ?

    それを初春さんを突き飛ばした奴を許せないからと、まったく向こう見ずにもほどというものがありますの」

146 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:18:11.56 ID:3j++R3QrP

佐々木「ええ…、そうよね……」

 佐天「でも、そんな御坂さんに気がついたら付いていってたんです、あたしも。

    初春を助けるために犯人と渡り合ったり、白井さんを助けるために体を張ったり、

    いつもの御坂さんとちっとも変わらないでいてくれた。

    だからあたし、前に御坂さんが言った『レベルなんてどうでもいい』って、その通りなんだって思えます」

佐々木「佐天さん……」

 佐天「と に か く! そのケガの責任が御坂さんにあるって言うんだったら、

    御坂さんが走り出すのを止めずに付いていったあたしだって責任があるんです!あたしも背負うんです、いいですね!?」ビッ

佐々木「……」タジタジ

148 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:20:27.83 ID:3j++R3QrP

 初春「私も、そもそも風紀委員として御坂さんを事件に巻き込んだことこそが、そのお怪我の一番大きな責任です!!」

佐々木「佐天さん、初春さん……。…でもね、黒子の言うとおりなのよ。私は…」

  橘「ま、しかし佐天さんのお言葉のおかげで誰かさんの心もすこしは救われますわ…」

 佐天「誰かさん?」

佐々木「あ、ととにかくここで立ち止まっててもこの人に会わなきゃ始まらないものねっ。早く…」

バリバリバリバリッ  ドカーーーン!!


 初春「キャッ!」

 佐天「な、何!?」

151 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:22:26.79 ID:3j++R3QrP

  橘「風車が…雷撃の槍で破壊された……?」

佐々木「ど、どうしよう……私ついに越えてはならない一線を……」ガーン

  橘「お落ち着いて下さいましお姉様!!お姉様に限って公共物を無差別に破壊するような行為をなさるはずがありませんのっ!!

    何をしているのです初春!今すぐ支部に戻って書庫のデータに他の電撃使いで怪しい者がいないか調査なさい!!」
 
 初春「はぁ。もしかしたら御坂さんと入れ替わった人がやったんじゃないですか?」

佐々木・橘(ハッ!)ピキーン

152 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:24:29.91 ID:3j++R3QrP

 佐天「初春!あんただてに風紀委員やってないわ、さすが!」

  橘「ええ、きっとそうですわお姉様!あの風車の元へ参りましょうっ。今ならまだ遠くに行ってないはずですの!(ギュッ)」ダッ

佐々木「あ、ちょっと」トット…

 佐天「よしっ」タッ
  
  橘「さあ、突っ込みますわよ!」タタ…

 初春(でもそれって結局…。言わないでおこう…)タッ


パッ

 黒子「ここまで来れば…」スタッ

153 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:24:33.28 ID:YahDq3UKP
サテンサン!

154 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:26:32.37 ID:3j++R3QrP


美琴・佐々木「あ」

  黒子・橘「あ」


 美琴「御坂さん!御坂美琴さんね?」

 黒子「あなたは白井黒子さん!?」

 佐天「初春、やったァ!」
パンッ
 初春「お二人…いや皆さん、会えましたね!

155 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:29:42.25 ID:3j++R3QrP

佐々木「え…どうして……?」

  橘「わたくし達をご存知ですの……?」

 黒子「あなた達を探してはるばる短い旅をして来たのです。

    ところで佐々木さん…いえ御坂さんのその顔のケガは一体……?」

佐々木「‥これは……」

バッ

  橘「全てわたくしがいけないんですの!!」

156 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:32:55.48 ID:3j++R3QrP

佐々木「黒子!?」

 初春「白井さん!?」

  橘「わたくしが暴漢が武器を所持している可能性を考慮に入れずにいたためにお姉さまは、

    お姉さまはわたくしを庇ってこんなことに……っ!

    貴女に謝って許していただける、償えるとは思っておりませんの、

    それでもせめてわたくしがこの身で償えることならば全て、一生をかけて貴女にお詫びさせていただきたいんですの!

    ですからどうかお姉さまを……どうか…!どうかお姉さまを…どうか…どうか……っ!」ボロボロ

 佐天「白井さん…」

佐々木「……」ギリッ…

 美琴「まあまあ、落ち着いて。…御坂さん、何があったのか教えてくれる?」

佐々木「…はい」

157 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:34:57.70 ID:3j++R3QrP


・・・

 美琴「…そう。よかった」

佐々木「…えっ…!?」

 美琴「あ、ごめん‥。御坂さんは痛かったんだよね…。

    でも、命に関わるようなケガじゃなくてよかった」

佐々木「そうじゃなくて、私は貴女の身体で勝手に暴れまわったあげく、……」

 美琴「それを言うならお互いさまだもの。上条くんから聞いたんだけど、

    御坂さんは電気を自在に操れるようになるまで、きっと想像できないくらいの努力を積み重ねてきたんだって。

    それをここへ来るためとはいえ、わたしはあなたに無断で使ったんだから」 

158 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:36:52.06 ID:3j++R3QrP

 黒子「そうそう。白井さん、わたしもあなたに会えたならまずそのことを言わねばと思ってたの。

    とは言え、まずお礼を言わせて下さい。超能力者らしい超能力を使うという貴重な経験ができましたから」

  橘「それこそわたくしも貴女の能力を使って、何やら奇妙な空間に行って戻ってきたりしましたの」

 黒子「あたしの能力で奇妙な空間へ? ひょっとして無人だけれど、平穏で優しい空気がする学園都市なのでは?」

  橘「いいえ。カエ…」

 黒子「あ、違うならいいのです。とにかくあたし達はお互いさまということね」

159 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:38:43.79 ID:3j++R3QrP

佐々木「違うわよ、この顔の傷はもう……」

 美琴「御坂さんの言いたいこと、分かるよ。でも、わたしは嬉しかったの」

 佐天「……!」

佐々木「嬉しかったって…?」

 美琴「ほら、そう言えば御坂さんって橘さんの思った通り勇敢な人だったね」

 黒子「佐々木さん、あちこち話が飛びすぎてるわ。

    …ええ、しかもこういう困ったときに頼れる友達が二人もいるみたいね」

160 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:40:31.16 ID:3j++R3QrP

佐々木「……」

 美琴「わたしは内向的というか、そんな行動的な人間ではないから、

    御坂さんみたいに暴漢を追いかけようとはしなかったと思う。

    罪には問われなくても、むしろそっちの方が人として恥じるべきことなのね。

 それに、その顔の傷は白井さんを守るために負ったものだし」

佐々木「黒子のせいじゃないんです。私が自分の意志で…」

161 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:42:19.80 ID:3j++R3QrP

 美琴「普通ならナイフを見ただけですくみ上がってしまう。

    だけどただの蛮勇だけで飛び込んで致命傷を負ったのでもない。

    恐らく場数を踏んできた人が必要な身のこなしをして、やっとその程度のケガに抑えられるという瞬間だったんでしょう。

    御坂さんの行為は尊敬に値することだし、そのことにわたしの身体が役に立てて嬉しいの。

    その顔の傷は本当の勇気の証しだから」

佐々木「……」

  橘(…この方……! 容姿のみならず根底にあるものがお姉様と似ていますの……!) 

 
 初春「佐天さん、こうして四人が向かい合わせで話していると、不思議な光景ですね…」

 佐天「うん、鏡に映ったっていうか、それよりもいい感じ…。よかった、御坂さんと入れ替わった人がいい人みたいで」

162 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:44:07.88 ID:3j++R3QrP

 
 美琴「ああー、それよりね、わたし、あの風車を壊してしまって……」

 黒子「佐々木さんとしては、男に絡まれてる常盤台の生徒さんに御坂さんが助けを求められているのに応えたくて、

    御坂さんらしく振るまうのに気を使いすぎたというか……でも、あの結果はちょっと……」ハァー

佐々木「あ・あはははっ、だ大丈夫よ! 私もしょっちゅうあの程度のことはやらかしてるから!

    そうそう、全然違和感無いわよーっ。はっはっはっ!!」ワタワタ

  橘「お姉様、顔がひきつってますわよ。

    …とにかく確かに言えるのは、今はわたくし達が元に戻ることが先決ということですわね。

    貴女がたは今回の現象について何かご存じであるとお見受けしましたが」

163 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:45:56.34 ID:3j++R3QrP

 美琴「ええ、ある程度までは。そう言えば自己紹介まだだったね。佐々木です」

 黒子「橘です。入れ替わった御坂さんと白井さんは上条さんからうかがっているのだけど、そちらのお二かたは…」

佐々木「私達の友達で、初春さんに佐天さん。今回のことでずっと助けてくれてたの」

 初春「初春飾利です。よろしくお願いします」ペコリ

 佐天「佐天涙子です。あの、御坂さん達も佐々木さん達も元に戻れるんですか?」

164 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:47:44.96 ID:3j++R3QrP

 美琴「はい。その方法を知ってる人とはぐれてしまったけど、その人と合流すればきっと」

佐々木(他にも今回のことに関わってる人がいるのか。そう言えばアイツも何か絡んでるみたいだけど……)
    
 美琴「それより初春さん…言いにくいんだけど…」

 初春「はい?」

 美琴「初春さんはわたし達といていいの?風車を……」

 初春「ああ、風車のことでしたらその時そばにいた風紀委員に責任がありますから、白井さんにお任せします」ニコッ

  橘「えっわたくしですの!? 初春!!」

 初春「とにかく今は佐々木さんと橘さんが元に戻ることが先決ですよ。あなた方のお話を聞かせて下さい」ニコッ

 黒子「知ってる限りの説明はあたしからしましょう。佐々木さんに任せると寄り道が多くなりそうだから」

 美琴「そうかも。こんなに驚きに満ちたことはないから」

 黒子「では、改めまして……」




165 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:50:54.02 ID:3j++R3QrP

【学園都市 どっか】


ハルヒ「ねえ上条くん、本当にあの子もこの子も超能力者なの!?」ワクワク

 上条「まあほとんどは俺みたいな無能力者か低能力者だけどな」

ハルヒ「それでも確かに超能力は存在するのよ! みなさーん、はじめましてーっ!こんにちはーーっ!!」ブンブン

 上条「うわっ騒ぐな目立つなっ!アンタはここに完ぺきに不法侵入してるんだぞ」

ハルヒ「そうなの?ややこしいわねえ。でも挨拶するのは礼儀でしょ、礼儀」

 上条「インデックスもアンタも変なところに堂々とこだわるなあ……。

    そう言えばアイツ、今頃……」ソワ

 Index“Toma...”

166 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:52:23.16 ID:mUyu6oB2O
佐天△

167 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:52:39.81 ID:3j++R3QrP

 上条「ハッ」

 Index“I'm hungrryyyyy!!”MUNCH !!

 上条「ぎゃああああああああっっっ!!!」ブンブン

ハルヒ「何、学園都市ってバタリアンの巣窟なの?」

Index“Toma. Who is this girl?”

 上条「うぅ……。悪かったインデックス…この人は」

 Index“What!? Why do you say‘sorry’!?”

168 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:54:37.43 ID:3j++R3QrP

 上条「ですからお前をほっぽり出して昼飯の時間になっても連絡もせずこの人とやり合ったりいたしましたことを‥」

 Index“What had you done with her!?”

ハルヒ「ちょい待ち。何か勘違いしてるみたいだけど、あなたが心配してるようなことは無かったわ。

    あたしは涼宮ハルヒ。インデックスっていうのはあなたの…?」

 Index“Yes,my name. Index-Librorum-Prohibitorum.” 
 
ハルヒ「何だか荘厳な響きのする名前ね。 あたしと上条くんとはそうね……。ヒーローとラスボスみたいな関係かしら」

169 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:56:26.67 ID:3j++R3QrP

Index“Do you want to say you are the role of the heroine?”

ハルヒ「逆よ。それはそうと、あなた達同棲してるの?」

 Index“Exactly so. What's the matter?”

ハルヒ「何と、これは由々しき問題ね……。 む!?

    上条くん、今の音が聞こえた!?」

 上条「音って、何が?」

ハルヒ「あなたとあたしの再戦のゴングが打ち鳴らされたのよ!!こんな時に…。しかし即行動あるのみ!」ガバチョッ

ハルヒ「ふははは……!インデックスはもらったーーっ!」ダダダダ…

 Index“Huh?”

170 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 13:58:17.65 ID:3j++R3QrP

 上条「だから何でそうなるんだよ!?」パタパタ…

ハルヒ「決まってるでしょ!?インデックスがヒロインだからよ!」ダダダ…

 上条「再戦は全て片付いてからだって決めたじゃねえか!」パタパタ…

ハルヒ「あたしだって本当はこんな事したくなかった……。

    しかしラスボスはヒーローの元からヒロインをかっさらわなければならないのよ……!」ダダダ…

 上条「くそっ…!走り辛え…。インデックスーッ! 涼宮さんはお前に任せた!」パタ…

 Index“Toma! I may want your help seriously!?”

171 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:00:50.55 ID:3j++R3QrP

上条「大丈夫だーっ! その人多分お前に悪さはしないからーっ!御坂たちを元に戻したら迎えにいく!」

 Index“I surely say this girl keeps taking me away....‘Short Hair’!?

Is ‘Short Hair’more important for you than I!? Toomaaaaaaaa!!”WHIZ-zz...

 
 上条「…インデックスを小脇に抱えて何であんな速さで走れるんだ……。

    でも御坂を探さないと……」クルリ パタ…

 
 

172 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:02:39.62 ID:3j++R3QrP



  


一方通行「ぶっちゃけた話をするとよォ、どォせなら俺のDNAマップを利用して造られた実験動物と一度戦ってみたかったンだよな」ザリ…

  長門「……」     

一方通行「学園都市もあんな口真似しか出来ねェ連中より、最初っからこの能力を持った兵隊が欲しかっただろうによォ…。

     改良に改良を重ねて、忠実で統制のとれたヤツを作り出せるようになったってワケか。……完全なクローンとはいかねェよォだが」

  長門「……あなたのわたしに対する認識に重大な齟齬が生じていると思われる」

173 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:03:14.99 ID:6KzRom5I0
このハルヒは間違いなくハルヒちゃんの方だー!

174 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:04:38.73 ID:3j++R3QrP

一方通行「ならオマエの目的はなンだ?」

  長門「当面は御坂美琴たちを元に戻すことだが、本来の役目は観測とデータの収集」

一方通行「……上等だ。 それはつまり…」ピクピクッ

一方通行「テメェを即行でブっ潰しても構わねェってことだよなァッッ!!」ダンッ!


シーン…


一方通行「!?」

175 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:06:36.25 ID:3j++R3QrP

  長門「…あなたの周りの路面は自転・公転による補正のほかは位置情報を反映されない。

     わたしに関する誤解について話し合いたい」


 キョン「……おい、古泉」

  古泉「ええ。ますます穏やかでなくなってきましたね」

 みくる「あうぅ……。長門さん…」

176 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:08:30.51 ID:3j++R3QrP


一方通行「誤解もナニもよォ…オマエらは要するに打ち止めを手に入れがたいために俺を消したいだけなンだって分かってらァ。

     だが面白ェ…! 本当にオマエの能力と俺の能力が拮抗してンのな。

     言っとくが俺はあの格下みてェにオマエらを慈しむ心はこれっぽちもねェからなァ!?」ギュウ…

バヒュッ!

     ボキャダンッッ!!        ダンッ!  ダゴロゴロゴロゴロゴロ……

 
打ち止め「ぁぁあ…ああぁあ‥あ あ……!」ガクガク 


 キョン「長門おおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!」ダッ


  
  長門「……来てはいけない」ムクッ

178 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:10:47.49 ID:3j++R3QrP


 キョン「!!」

 
  長門「あなたがここに来れば…打ち止めとの約束を守れなくなる」ヨロ…


打ち止め「!!!……ッ」


一方通行「ァあ? …チッ。オマエらもグルだったのか」ギロ


 キョン「この野郎……っ!!(ワナワナ)

     長門っ! 約束って、お前もう、腕がそんなに……っ!!」

180 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:13:46.00 ID:3j++R3QrP


  長門「問題ない。 インターフェイスの再生中……。 再生完了」

一方通行「フン……。『反射』に『ベクトル操作』をぶつけたらどォなるかと思ったンだが…。

     所詮は劣化コピーか。(それにしては俺の再生促進よりペースが異常に速えェのが気になるが…)

     どォだ? 俺も打ち止めにこれ以上スプラッターな場面は見せたくねェし、

     今スグ学園都市から逃げ出して二度と俺達の前に姿を現わさねェっつンなら見逃してやるが」

  長門「あなた達が今後わたしを見かけたくないというのならばその希望には沿いたい。

     しかしSOS団の名にかけて、御坂美琴たちを元に戻すまでは学園都市から離れるわけにはいかない」

一方通行「まァ命令違反は出来ねェようになってンだろォな。‥なら体中の血液を逆流させてやらァ!!」バヒュッ


打ち止め「!!!ぁっ」

 キョン「長」

181 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:16:36.02 ID:3j++R3QrP


バシッ…ィ…


一方通行「…なっ……!?」

  長門「……」

バヒュッ          スタッ


一方通行「なンでだっ!? さっきは……!!」

  長門「対ベクトル操作シールドを体表面に展開させた。……話を聞いて」

一方通行「…今さら聞く話はねェ。……消えろ。‥消えて無くなれェッ!

     俺のDNAを受け継いだ奴なンざこの世に存在していいハズがねェんだよォおおおおおおおっっ!!!!」

バッ

ヒョオオオオ……

182 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:16:40.15 ID:LVpjZexJ0
一方通行おかしくね?

183 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:18:26.47 ID:3j++R3QrP


 みくる「キャッ」バサッ

 キョン「急に風が…!?」

  古泉「四方から彼の頭上に巻き上がっていく……!」

 キョン「何だ!? 空中にエネルギー弾みたいなのが出てきたぞ?」

  古泉「あれは…まさかプラズマ!」


打ち止め「!(他のミサカたち……早く風車を回して! ってミサカはミサカは必死でお願いする!!)」


御坂妹10032号「残念ですが彼の演算を乱すには学園都市内にいる妹達の数が少なすぎます、 とミサカは焦燥とともに事実を報告します」


打ち止め「そんな…」




184 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:20:53.52 ID:3j++R3QrP




 黒子「……というわけなのです」

 佐天「なんか、凄すぎる…異世界、……異世界へと召喚されてしまう御坂さん達も!!」

 初春「その涼宮さんが、御坂さんのような超能力者に会いたいという思ったことがみなさんが入れ替わった原因なんですね。

    それって涼宮さん自身が無敵の超能力者じゃないですか世界の女王様じゃないですか!?」

 黒子「ええ、ご本人に自覚がない分それはもう伸び伸びと……。ですからこんな困ったことばかり起こす涼宮さんよりも…」

 美琴「橘さん」

 黒子「あたしは……。(フゥ)…で、何か聞きたいことがあるでしょうか?」

185 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:22:43.55 ID:3j++R3QrP

佐々木「はい。 ワープしてきた人は皆無事に学園都市に着いたのかしら?」 

 黒子「離れ離れにはなりましたけど、間違いないわ」

佐々木「そう……。よかった」ホッ

  橘「……。その長門さんという方はよほど信頼をおかれてるんですのね。

    その方ならわたくし達を元に戻して下さると?」

 美琴「‥ええ、恐らく」

  橘「なら話が早いですわ。後はみなさんと合流すればいいんですもの。ね、お姉様?」

佐々木「ええ、そうね」

186 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:24:34.20 ID:3j++R3QrP


 黒子(人体に電流を通した上音速の三倍に加速するだなんて本当に出来たわけないわ。

    長門さんがあの瞬間に発生したエネルギーを利用してあたし達をこちらに飛ばしたことも見抜いてらっしゃるのね。

    しかもあたしがそのことに触れないのに追及してこない。

    こちら側に事情があることまで察して下さってる…ありがたい方たちなのです)

  橘(不可解な点が幾つかありますけど、元に戻るのに必要以上のことまで今根掘り葉掘り尋ねることはありませんわ。

    それにしても演算式はわたくし達の脳の記憶に収まっているとはいえ、

    入れ替わったその日に能力を使いこなせるとは、このお二人いったいどんな頭脳の持ち主ですの……?)

187 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:26:38.63 ID:3j++R3QrP


佐々木「佐々木さん、私の携帯貸してもらってもいい?」

 美琴「どうぞ。と言うか…」

佐々木「(クスッ)貴女達の世界から持ってきた携帯は学園都市で使えなくても、アイツにならつながるはずだわ」ピッピ…

初春・佐天「アイツ?」


188 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:28:28.92 ID:3j++R3QrP

                                         
 
 上条(…そうだ。学園都市でなら、今佐々木さんが持ってる御坂の携帯にかかるはずだ。)ピッピ…

 
 『お掛けになった電話は電波の…』

ピッ

 上条「‥くそっ!! 地道に探すしかねえっ!」パタパタ…




佐々木「おかしいな…。アンテナが一本も立たない。ちょっと場所を変えて…」

 初春「あ、あれ何ですか!? ほら、あそこ!」

189 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:30:35.69 ID:3j++R3QrP

佐々木「えっ?………!!!」ハッ

 佐天「わぁーっ 大きな光の球っ!! UFO!?」

  橘「あれは……高電離気体?ですの?」

佐々木「……まさか、アイツ、あの下に……?」

  橘「お姉様、どうしましたの…?」

佐々木「(ハッ)えっ!? べ、別に…」

  橘「…お顔が真っ青ですわよ」

佐々木「な、なんともないわ。大丈夫よ、黒子。ほら、早く長門さんを探しに――」

 美琴「…あの場所で上条くんが危険な目に遭ってるかもしれないのね?」

190 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:32:47.92 ID:3j++R3QrP

佐々木「……!!」ビクッ

 初春(御坂さんとは前からのお知り合いみたいだけど…)

  橘「あの殿方になら、わたくしも命を救われた恩義がありますわ。

    どうか包み隠さずおっしゃって下さいな、あの上空の高電離気体と何か関係が?」

 初春(白井さんの命の恩人?…わけありみたい。ここは静かに…)

 佐天「その上条って人と御坂さんってどういう関係なんですか?」

 初春(言ったーーーーっ!!)ガーン

191 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:34:41.27 ID:3j++R3QrP

  橘「端的に申しますとお姉様の想い人ですわ」

佐々木「くっ、黒子!?」 

 初春(今日の白井さんはよりアグレッシブ!?)

 佐天「‥だったら助けにいかないといけませんね」

佐々木「ちょっと待って!仮にあの場所にアイツがいるとしても、一人で何とかできる…はずよ!私たちが行く必要は…」

 美琴「…差し出がましいんだけど、御坂さん『助けにいかなきゃ!』って顔してたよ」

佐々木「…そんな…私は…!」

192 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:36:32.32 ID:3j++R3QrP

  橘「お姉様がわたくし達を巻き込みたくないという気持ちは皆分かっておりますのよ。ですけど……、

    わたくしあの若造ごときに後れをとっているつもりはございませんの。

    でもお姉様のあの時のようなご様子はもう‥見たくはありませんわ」

佐々木「(ハッ)黒子……!」

  橘「…わたくしはお姉様の露払いですのよ」

佐々木「……でも、今の私は」

193 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:38:22.58 ID:3j++R3QrP

  橘「佐天さんもおっしゃってたじゃありませんか。どこにいようと、何者であろうと、お姉様はお姉様。

    ご自身が信じる道を突き進んで下されば、黒子はどこへであろうとお側についていきますわ」

 初春「白井さん、暴漢を追っかけていった時と180度違うことを言ってるじゃないですか」

  橘「君子は豹変いたしますの」

佐々木「……」チラッ

 美琴「わたしも行く」

 黒子「他に助けを呼ぶ当てが無いのなら、ここは一択なのです」

194 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:40:18.71 ID:3j++R3QrP

 初春「そうですよ!警備員に通報だけして、私たちも上条さんという方があそこにいるかどうか確かめるためにも行きましょう!」

佐々木「警備員は恐らく来ないわ…」

 初春「え?」

佐々木「分かったわ。でも一つだけ聞いて。

    あの高電離体を発生させたのは、恐らく学園都市第一位の超能力者よ」

 佐天「…超能力者…」ゴク…

 初春「第一位…」ゴクリ

  橘「確か、一方通行…能力はベクトルの制御‥ですわね。風力使い・空力使いに出来る可能性はありませんの?」

195 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:43:08.57 ID:3j++R3QrP

佐々木「全ての能力者と手合わせしたわけじゃないから否定はできないわ。あれは一度見たことがあるだけだし」

  橘「お姉様、一方通行と戦ったことがありますの?」

佐々木「………戦ったと言えるようなもんじゃないわ。私には歯が立たない。……高電離気体を発生させるだなんて、

    あんな奥の手を使わせるまで追い詰めることが出来る人間は、私の知ってる限り一人しかいない」

 初春「それが上条さんなんですね……」

  橘「……(あのウワサはやはり。そしてお姉様もその場に…)」

 美琴「もしあの場所にいるのがその二人ならまずいわ。上条くんは今右手の拳を痛めててとても戦えるような状態じゃない」

 佐天「行きましょう、御坂さん」ザッ

196 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:45:11.56 ID:3j++R3QrP

佐々木「佐天さん! アイツはみんなを襲ってこないとは思うけど、あんなもの、落ちてきただけで地面さえ溶けて巻き添…」

  橘「後は現場に着いてからの状況判断ですわ! さあ、早く!」ダッ

 黒子「走りにくいのでお先に失礼するわ」パタパタ…

 美琴「ごめん、先に行くね!」パタパタ…

 初春「私も足が遅いので失礼します!」タッ

佐々木「どうしてみんなそんなに……!」

 佐天「後で抜け駆けのことを詳しく話して下さいね! 御坂さんのおごりで♪」タッ

佐々木「…えっ?ちょっ、待って!?」ダッ



197 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:47:07.19 ID:3j++R3QrP



ビョオオオオ……


打ち止め「長門さん、早く逃げて!! ってミサカはミサカは懇願にも似た呼びかけをしてみたり!」

  長門「(コク)…大丈夫。信じて」

  長門(陽イオン、電子、急増加。電子運動エネルギーの気体分子熱エネルギー化加速。一帯の気温上昇を観測)

 
 キョン「暑い、というか熱いぜ…」タラ

  古泉「あんな高い所にあるというのに……!」

 みくる「長門さん…」


198 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:48:56.55 ID:3j++R3QrP


ダダダ…ッ!

 
 佐々木「(ハァハァッ…)やっぱり……! いや、アイツは…(キョロ)」

  美琴「長門さん!」

  長門「!」

 佐々木「えっ、あの人が長門さんなの?」

  黒子「…涼宮さんと上条さん以外は皆ここにいるようね」
 
 佐々木「…一方通行ッ!!」

一方通行「ァあ?」ビョオオ…

 佐々木「アンタこんな街中で何やってんの、バカじゃないの!?」

一方通行「誰だオマエ…。…格下の仲間か。ほォっとけ。オマエらとやり合う気はねェ」コオォォ…

 佐々木「…くっ……!」

199 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:50:46.39 ID:3j++R3QrP


打ち止め「うう……っ。誰かあの人を止めて……、 ってミサカはミサカは…」

 佐々木「あの子!!どうしてここに…!こんなところにいたらあの子まで……!」

  佐天「きっと逃げ遅れたんだわ!あたし助けに行きます!」タッ  

  初春「ハァハァ…。佐天さん、気をつけて…!」

   橘「女の子を連れて早くここから離れるんですの!

    (あの類人猿ではなかった……。だとすると、第一位をここまで追い詰めたのは長門さんですの?)」

201 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:52:40.73 ID:3j++R3QrP


  美琴「キョン」

 キョン「佐々木か! 御坂さん達と合流できたんだな」

  美琴「ああ。しかし、どうしてこうなったんだ?僕の知る限り、長門さんは好戦的な人物ではないはずだが」

 キョン「俺にもさっぱり分からねーよ!あの野郎、何を勘違いしたのか突然長門を攻撃してきやがったんだ」

  美琴「…著しく景観を損ねるほど激しい戦闘があったようなのに、二人とも無傷だな」

 キョン「長門いわく『誰も傷つかない』らしいけどな、さっきだって……」ギリ

202 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:54:44.27 ID:3j++R3QrP

  美琴「……こちらの世界では長門さんの力が使えないのか」

 キョン「いや、インチキパワーの方は健在のようだぜ」

  美琴「なるほど、そうでもなければ今立っていられないはずだしね。

しかし実際、あのプラズマに対して長門さんは干渉しないようだ」

 キョン「…あいつはあいつで何か考えがあるはずだ」

  美琴「キョン。彼女に相手を傷つけずに封じるように言わないのかい。

     方法は幾らでもあるだろうし、長門さんはキミの言うことなら聞くんだろう?」

 キョン「…長門が誰かとの約束を守りたいって言ってるのに、それに水を差すようなことは俺は言えねえよ。

     本当なら今すぐ『やっちまえ』と叫びたいくらいだがな」ギュウ…

  美琴「かなり不確かなところまで彼女を信じてるんだね。キミらしい優しさだ。

    (クックッ…)だがその選択は命がけだぞ。この場にいる人全てのね」

 キョン「………ああ」

203 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:57:07.37 ID:3j++R3QrP


 佐々木「こちらにアイツの気を引くこともできない。長門さんを……どうしたら……」

  古泉「見ていてあげて下さい」

 佐々木「え?」

  古泉「信じて見ていて下さい。長門さんはきっと何とかします」

  初春「…あなたは……?」

  長門「……経験値上昇中」

204 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:58:03.65 ID:3j++R3QrP


 ハルヒ「さあ、食えっ! もっと食えっ!!」ジャンジャンジャカジャカ…

Index“I eat! I surely eat them!”CHOMP CHOMP CHOMP...

205 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 14:59:07.86 ID:3j++R3QrP


  佐天「あなた、早く逃げないと!足がすくんじゃったの?大丈夫、あたしがおんぶするから…」サッ

打ち止め「違う、違うの、ってミ…」

一方通行「消えて無くなれェェえええええええッ!!!」ブンッ

  
 ゴ…ゴ‥ゴ・ゴ ゴゴゴゴォオ……!

  佐天「あっ熱!!…」ガバッ

打ち止め「ながとさ…!」モガ  

  長門「…………」スッ

206 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:00:48.95 ID:Ykm5ArRW0
インデックスさんまじイングリッシュ

207 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:01:12.15 ID:3j++R3QrP

パアアアアアア…ッ!

パチパチ… パチ… パチ… ……


 佐々木「高電離気体を一瞬で残らず打ち消した……!?」

   橘「いったいどうやって……!!」

  美琴「…キョンの選択は正しかったようだ」

 キョン「いや。あの野郎、さっきから矢継ぎ早に次の手を出してきやがる。まだ分からねえ」

208 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:03:18.99 ID:3j++R3QrP


一方通行「なン…だと!?」

  長門「話を…」

 キョン「長門ぉっ!!」

  長門「(クル)……」

 キョン「そいつも見逃すと言ってたろ!! 御坂さん達は今見つかった!!

     一旦皆で学園都市を離れて、外で御坂さんや佐々木たちを元に戻そう!!」

  長門「……(コク)」スタ…

一方通行「…おい、待て。ベクトル操作での攻撃を全て防いじまうよォな強えェヤツを俺が見逃すと思うか?」ボボボボ…!

  長門「……」ピタ

209 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:05:26.54 ID:3j++R3QrP

 キョン「なっ、てめえ……!!」ギッ

  長門「……危ない。皆、早くこの場から離れて」

 佐々木「何よアレ……!。見たことがないわ」

   橘「まるで翼ですの……」

  古泉「御坂さんに白井さん、それに初春さんに、あそこにいる佐天さん。

     それから佐々木さんと橘さんもです。すぐにここから出来るだけ遠くまで離れて下さい」

  初春「…え?」

210 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:07:17.00 ID:3j++R3QrP

  古泉「僕も気配を感じ取る力だけはこの世界でも使えるようです。今、凄まじい力場が彼の背部に収束、噴射し続けています。

     おまけに長門さんが離れろとおっしゃるのだから、留まれば無事に済むはずがありません。一刻も早く退避をお願いします」

 佐々木「長門さんはどうするのよ!置いてけるワケないでしょう!?」

  古泉「僕らがここに残ります」チラ

 みくる「…」コクッ

 キョン「…」コクッ

  古泉「我々はSOS団員として依頼者の安全を図る義務があります。依頼者として従っていただきたい。

     あなた方を元に戻せなかったことは申し訳ありませんが、ここは科学の粋が集められた街ですから、どなたかきっと応えてくれるはずです」

211 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:09:10.68 ID:3j++R3QrP

  黒子「……白井さん。今長門さんをどこかにテレポートさせたらどうかしら」

   橘「残念ですが裏目に出る可能性が高いんですの。攻撃対象を逃がされたことに逆上して…」

  美琴「僕は残るよ。キミたちを置いていけだなんて言わないだろう、キョン」

 キョン「佐々木、俺たちは同じ団員として、仲間として長門の側にいる、という根拠がある。

     それにお前にはハルヒのことを頼みたい。俺たちがいなくなったらまた変な勢力があいつの周りに湧きそうだからな。

     あいつが元々異世界移動を引き起こしたんだから、ハルヒがいれば元の世界に帰れるはずだが、

     あいつを託せるのは同じような力を持ってるお前しかいない。あっちの世界を守るためにも頼む」

212 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:11:14.52 ID:3j++R3QrP

  美琴「キミは人の動かし方を心得てるね。だが、その手には乗らないよ。

     キミに仲間として側にいる、という根拠があるなら僕にも親友が危機のとき側にいる、という正当な理由があるさ。

     それにここに残ることは必ずしもあきらめたってことと同義じゃない。

     事態が好転するのをただ座して待つと決めただけなのだ。

     人としてこの選択が唯一の正解となる局面はそう多くはないと思うよ。

     第一、キミがいなくなった後の世界に希望などあるものか。…涼宮さんにとってね」

   橘「わたくし達を見くびらないでいただきたいですわ。初春、警備員の到着まで現場を守りますわよ」

  初春「そう言えば遅いですねー。それにしても佐天さん、いつまであそこですったもんだしてるんでしょう…」

213 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:13:18.08 ID:3j++R3QrP


  佐天「だからあなたは早く逃げないと…。あの暴れてる人と知り合いみたいだけど、ここは危険なの!

     お願いだから、あなたが死んだら元も子も無いのよ!?」

打ち止め「イヤッ!! 長門さんが死んじゃう!お願い、誰かあの人を止め…」

  佐天「無理だよ! あの人は御坂さんより強い超能力者なのよ! そんな人間が我を忘れて暴れてるのよ!?

     あの人の横っ面を引っ叩いて正気に戻せるような人なんて、誰も…」

打ち止め「……!」

214 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:15:21.95 ID:3j++R3QrP



一方通行「理事会の犬がァあああああああッ!! 」ヴォオオオオッ

ギュワワワッ

 
 バッ

一方通行「なっ…、オマエ…!!」ギョッ

  長門「……!!」

 佐々木「……!!」


打ち止め「いい加減に目を覚ませ! ってミサカはミサカは長門さんを背にあなたの前に立ちはだかってみる!!」

215 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:18:32.37 ID:3j++R3QrP

一方通行「どォいうつもりだ、打ち止めァッ! ソイツはまたオマエを苦しめようとしている連中の手先だろがッ!」

打ち止め「あなたこそどォいうつもりだ、ってミサカはミサカは即反論してみたりっ。

     長門さんの話も聞かずに自分の敵だって勝手に決めつけて攻撃するな! ってミサカはミサカは怒りを爆発させてみる!」パチ…!

一方通行「オマエは知らねェだけだッ! 自分の味方はそォ都合よく現れたりはしねェッ!!

     ましてや俺と同等の能力を使えるヤツなンざ普通、学園都市にはいねェンだッ!

     分かったらそこを退け、打ち止め! 

     ソイツを今逃がしたら俺との戦闘データを解析して今度こそ俺の手に負えねェヤツが量産されンのは間違いねェ!

     オマエを守れなくなるンだぞォッ!!」

打ち止め「どくもんか、ミサカは長門さんを信じる、ミサカが誰を信じるかはミサカが決める、ってミサカはミサカは声を張り上げてみたりっ!」

216 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:20:35.20 ID:3j++R3QrP


  佐天「……すごい…。あんな小さい子なのに暴れまわってた奴と渡り合ってる…」


一方通行「…オマエがソイツを信じる根拠はなンだ! 命の恩人だからかァッ!」

打ち止め「長門さんはあたたかいからだ、ってミサカはミサカは妥当な表現に頭を悩ませながら浮かんだ最も近い言葉を述べてみる」

一方通行「なッ…。…チッ…。…あたたかいから……だと?」

打ち止め「長門さんはあなたやミサカを苦しめるような人じゃない、ってミサカはミサカは保証してみたり!」

一方通行「ふざけンなクソがァああああああああああッ!!!」バヒュッ

バンッ ジリ…

打ち止め「……っ!!」ビクゥッ

217 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:22:16.23 ID:3j++R3QrP

一方通行「こンなことはオマエに言いたくなかったが、理事会はまだオマエを使って何かしよォと狙ってやがる。

     実現のためにはオマエらみたいに陽の当たる道を歩もォとしているヤツを平気で踏みつぶしても構わねェっつゥ計画なのは間違いねェ。

     オマエがまた連れ去られてソレに利用されるくらいなら、今オマエごとソイツの腹をブチ抜くまでだ。

     もォ一度だけ言う。…そこを退け、打ち止め」


 佐々木「~~っ!!」ダッ
サッ

 佐々木(‥黒子!?)

   橘「…(コクッ)」


打ち止め「…(ブンブンッ)」ポロポロ

218 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:24:18.74 ID:3j++R3QrP

一方通行「……。(これだけ脅しても…。そこまでコイツを信じてるのか。

     …どォする、もォすぐ三十分だ。打ち止めにずっと恨まれても…)」チラ

  長門「……」

一方通行(間近でよく見ると、俺が今まで見たことがねェ目をしてやがる。

     ……クソガキの直感か。

     コイツは敵だったとしても、俺を殺したとしても、いつか自分の意志で打ち止めを助けてやれる奴かもしれねェ…。

     …チッ……クソガキの言葉に毒されたか)

219 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:26:22.43 ID:3j++R3QrP

…カチッ

打ち止め「…え……」

一方通行「帰るぞ。外食はナシだ。…当分ヨミカワンとこのしみったれた飯で我慢しろ」クルリ カツ カツ…


 佐々木「一方通行が離れていく……?」

  初春「あの子の説得で、長門さんも、私達も助かったんですね…」

   橘「…第一位を黙らせるとは将来有望ですわよ、あの子」

  佐天「うそ……あいつを本当に正気に返らせちゃった、あの子……」

  古泉「すごい…。言葉だけでこの場を収めてしまった」

 みくる「なんて勇気…」ウル

  美琴「まったく…、自分があの位の時分に同じ行動が取れただろうか。ねえ、キョン」

 キョン「……」


221 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:28:26.40 ID:3j++R3QrP


打ち止め「……」ポカーン

  長門「ありがとう。あなたはわたしと、この場にいる人々の命の恩人」

打ち止め「(ハッ)えっ!? あ、の違うのミサカが元々右も左も見ずに道を渡ろうとして、

     そこで長門さんがミサカを助けてくれて、それであの人に長門さんが目をつけられて、

     長門さんがあの人に傷つけられて…、ってミサカはミサカは話せば話すほどミサカが原因なんだってあなたに謝りたかったり。

     あのね、本当はミサカはもっと早く別の方法であの人を止められたの、ってミサカはミサカは…」

  長門「交戦に関してはわたしと彼の問題。わたしの伝達の仕方がまずかったのかもしれない。

     それにあなたは必要な時に助けてくれた」

223 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:30:30.98 ID:3j++R3QrP

打ち止め「でも…、長門さんはあんなにケガをして…」ブルッ

  長門「このとおり。わたしは全く負傷していない。

     でも、最後に約束を守れたのはあなたの力によるもの。すまない。そしてそのこともありがとう」そ…

ナデ

打ち止め「どうして……、ってミサカはミサカは長門さんが優しすぎて言葉にならなかったり。

     あの ね、あの人を傷つけないでくれてありがとう、長門さんはきっとその気になれば…、ってミサカはミサカは…」

224 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:32:34.45 ID:3j++R3QrP

  長門「…あなたが彼を慕っていたから」

打ち止め「(ギュッ!)ミサカは長門さんも大好き! ってミサカはミサカは長門さんに抱きついてみたり!

     あのね、あの人も勘違いしてるだけで本当は…」モゴ

  長門「分かっている。あなたを守ろうとしていた。…頼みたいことがある」ナデ

打ち止め「……?」

225 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:34:38.28 ID:3j++R3QrP


一方通行「打ち止めァ!!」


  長門「…そう伝えて。…彼が行く」

打ち止め「…(コクッ)長門さん、また会える? ってミサカはミサカは目を輝かせてたずねてみる!」

  長門「…そう願っている。 さあ、車に気をつけて」

トットカ トットカ…

打ち止め「ばいば~~い! ってミサカはミサカは大きく大きく手を振ってみたり!

     あっ。お姉さんもさっきミサカをかばってくれてありがとう、ってミサカはミサカは感謝してみる!」

  佐天「あ‥どういたしまして。て言うか、あなたこそありがとね」

打ち止め「(ニコッ)」クルッ

トットットッ…

  佐天(可愛い子だったなぁー。御坂さんの小さい頃みたい…。

     ん? ミサカ……御坂…。…まさかね。苗字じゃなくて名前よね)

226 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:36:42.75 ID:3j++R3QrP


 美琴「どうしたんだい? さっきからずっと黙ってるじゃないか」

キョン「自分に怒ってるのさ。結局何も出来なかったからな」

 美琴「何もしなかった、だろう? 

    むしろ、飛び出していってあの杖をついた男に殴りかかりそうになるのを必死に抑えてるように見えたけどね。

    だがそんなことをすれば、長門さんが終始約束を守ろうとしていたあの子の行為を無駄にしてしまう。

    いざという時は後先考えずに行動を取れるキミが、そこまで考えて何もしなかった、てことは僕が知ってるさ」

キョン「……ありがとな、佐々木」


227 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:38:45.87 ID:3j++R3QrP


 長門「皆、大丈夫?」

みくる「長門さんこそ。本当に、お疲れさまです…」

キョン「御坂さんがケガをしてるみたいだがお前ほどじゃないだろう」

 長門「……? この肉体の損傷箇所はすべて回復した」

キョン「お前は…、自分で気づいてないかもしれないけどそうやって自分に負担をかけ続けて…。

    それに甘えてきた俺もだが…」

 古泉「お取り込み中悪いのですが。 入れ替わった皆さんが揃った今、元に戻すことを優先させた方が良いと思います。

    …長門さんも一息つきたいところを申し訳ありませんが……」


228 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:40:39.23 ID:3j++R3QrP

 長門「わたしは大丈夫。それに、彼女たちを元に戻すこと自体はそんなに難しいことじゃない。

    破壊された建造物、路面等を再構成したら、すぐ行う」スッ

フヮアアア…… サラサラサラサラ…

 佐天「えっ! 何、この光る砂粒みたいなの…!」キョロ

 初春「街並みが…、元に戻っていく……!」

  橘「しかも完璧に……! 何事も無かったかのようですわ!」

佐々木「……人間業じゃない」

229 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:42:28.28 ID:3j++R3QrP

 長門「再構成完了。これでわたしに残された情報操作に可能なエネルギーはほぼ使い果たした」

古泉・キョン・みくる「えっ」

 長門「問題ない。彼女たちを元に戻すこと自体はそんなに難しいことじゃない」

佐々木「…長門さん。あの、その前にお願いしたいことが…」

ウーウーウーッ キキィッ

バタバタ  


警備員『警備員です。通報にあった生徒を器物損壊の容疑で拘束します』


230 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:44:16.69 ID:3j++R3QrP

  橘「なっ…今頃になって何を…」

 初春「白井さん、ここは私に任せて下さい」

警備員「(カチ)あら、あなた達はさっきの…」

 スタ…
 初春「(ペコリ)先ほどはお世話になりました。

    私も今しがた上空に発光体を見かけて通報し、ここに駆けつけました。

    でも、不思議なことに何もなかったんです」

警備員「(クル)そのようね…。イタズラかしら。風車の方で忙しいのに……。あら、あなたは常盤台の御坂美琴さん?」

 美琴「あ、どうも」ニコッ

231 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:46:20.17 ID:3j++R3QrP

警備員「男女の生徒同士が能力を使って街を壊しながらケンカしてるっていう通報だったんだけど。(ジーッ)

    …まあいいわ。あなたも風紀委員の仕事に熱心なのはいいことだけど、あまりその人たちを連れて歩き回らないようにね」

 初春「はい。お気遣いありがとうございます」


ブロロロ…


  橘「助かりましたわ。中々やりますわね、初春」

 初春「てへへ…」

232 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:48:24.35 ID:3j++R3QrP

佐々木「危なかったわ。ありがとう、初春さん。ところで、さっき通報したとき、電話口での感じはどうだった?」

 初春「え?」

佐々木「あ、やけに来るのが遅かったなーっ、と思って…」

 初春「…そう言えば、いつもと違って冷たい感じの応対だったような…。

    こちらの伝える情報をあまり気にも留めないような感じでしたね。同じ通報が幾つも入ってうんざりしてたのかしら」

佐々木「……。(…警備員への通報に回線をジャックしてなりすまし対応していた何者かがいるのかもしれない。

    今の警備員の人は何も知らないようだった。初春さんの言うように、多くの通行人からの通報は受け流しておいて、

    長門さんと一方通行の決着が着く頃合いに、時間差を置いて一般人を装って警備員に通報し、長門さんと一方通行…、

    ううん、きっと一方通行が去って、残った長門さんだけを警備員が『回収』するように仕向けたんだわ…。

    拘束してしまえば、どんな名目でも付けて身柄を研究機関に移させることが出来るから。学園都市はそれ位やりかねない)」

233 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:50:58.58 ID:3j++R3QrP

  橘「お姉様、どうしましたの」

佐々木「え?ううん、別に」

  橘「やはり風車のことを気に病んでいるのではなくて? 

    あの警備員もお姉様…もとい佐々木さんを訝しむような目で見ていましたし」

 美琴「……本当に何とお詫びしたら」

佐々木「ち、違う!違うのよ」

  橘「ご心配は要りませんわ! 他力本願ではありますが、長門さんに頼めばさっきのように…」

 長門「すまない。風車を直すには情報操作能力が不足している。

    この世界では統合思念体とのリンクが切れているためエネルギー切れの状態」

  橘「えっ」

 長門「問題ない。あなた方を元に戻すこと自体はそんなに難しいことじゃない」


234 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:53:02.74 ID:3j++R3QrP

佐々木「……その能力って、この怪我を、傷跡を残さずに治すことも無理かな…」

 長門「それは可能」

佐々木「よかった…! 治して下さい、お願いします!」ペコリッ 

  橘「お姉様……」

 美琴「御坂さん。そのことはもう…」

 黒子「佐々木さん。ここは皆のためにもそのほうがいいのです」

 美琴「……。‥お願いします、長門さん」ペコ

 長門「了解した」スッ ピト


235 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:54:51.81 ID:3j++R3QrP

スゥ…
 
佐々木「……」パリ…

  橘「‥治ってますわ、お姉さま!! 信じられませんのっ!!」ダキッ

佐々木「黒子…うぅ…っ! よかった…長門さん、ありがとぅ……」ダー

 佐天「初春ぅー! よかった本当によかったよぉーーっ!」ギュッ…

 初春「…奇跡です……。御坂さん、よかった…」ポロポロ

236 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:56:41.56 ID:3j++R3QrP

 
 美琴「…わたしが思ってた以上に彼女達の心の重荷になってたのね……」

 黒子「とてもいい子たち…。それに相手が佐々木さんだからこそ、より一層喜んでる面もあるわ。

    あなたの価値にご自身がもっともっと気づくべきなのです」キラ

 美琴「…橘さんも、ごめんね。長門さん、ありがとう」

 長門「……そう。…あなた方を元に戻したい」


237 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 15:58:30.25 ID:3j++R3QrP

  橘「ああそう言えば。…いざとなると不思議と名残惜しいものですわね…」フッ

佐々木「戻れると分かると貴重な経験だったと思うわね。…いったいどうやって?」

 長門「入れ替わった者同士で向かい合わせに立って」

  橘「こうですの?」

 美琴「?」

佐々木「アンタの相手は橘さんでしょーが!」


238 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:00:03.58 ID:3j++R3QrP

 パタ スタ … 

 黒子「…で、どうするの?」

 長門「こうする」

ゴン ゴン

 黒子「イタタ…。何をなさいますの!?…って、あら…」サッサッ

 美琴「うん。戻ったわね」

  橘「戻ったのです」

佐々木「長門さん、ありがとう」

 長門「どういたしまして」

 古泉「ハハッ、実に分かりやすい、定番の戻り方ですね」

キョン「ベタすぎて突っ込む気にもなれん」

240 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:01:36.61 ID:3j++R3QrP


 上条「おーーいっ!」パタパタ…

キョン「ん、上条か」
 
 上条「ハァハァ…やっと見つけたぜ!…ん、何ですかこの空気は。

    あっ、佐々木さん、御坂たちが見つかったのか!!」

 美琴「…今頃ぉ……、」プルプル…ッ ヂガッ…

241 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:03:11.39 ID:3j++R3QrP

 上条「へ?」

 美琴「来るのが遅いのよアンタはーーっっ!!」スパアンッ!!

 上条「イテーッ! 御坂か!? そんな物で人の頭殴るなんてどんな漫才だーーっ!」

 美琴「めっ…、どんな発想してんのよアンタは!」カァーッ       

 黒子「あぁ…、確かに戻ってきましたわ…」ヒタ

 佐天「み、御坂さんてあんな理不尽なキレ方する人だったっけ…」

 初春「元々ここに上条さんがいないように願ってきたはずなんですけど…」

242 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:05:07.36 ID:3j++R3QrP

佐々木「御坂さん、あまり上条くんを怒らないであげて。

    向こうの世界でもずっと自分のことは顧みず御坂さんのために行動してたんだから」

 美琴「そ、そんなこと急に言われても…分かってるけど…///」

 上条「ま、とにかく無事にみんな元に戻れたんだな。よかったよかった」

 黒子「元に戻すと言えば…。長門さん、さっきの風車の件ですけど、エネルギー源があればなんとかなりますの?

    たとえば電気のような」

 長門「情報操作中、持続的に供給できれば」


243 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:06:41.13 ID:3j++R3QrP

 黒子「でしたら電源はこちらでご用意しますわ。どうかお願いいたしますの。ね、お姉さま」

 美琴「え?」

佐々木「長門さん、御坂さん。本当に申し訳ないけどお願いします」ペコッ

 美琴「え?」




244 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:08:15.39 ID:3j++R3QrP

 黒子「……というわけで風車の近くまで参りましたけど、困りましたわね…警備員が詰めかけていますわ。

    風車の側で長門さんの力を使ったら大騒ぎになりますし……」

 長門「ここからでも問題ない。わたしと手をつないで通電してほしい」

 美琴「(ギュッ)…本当にいいの?行くわよ」

 長門「(コクッ)……」スッ

 美琴「………………」

 長門「………………」

 上条「何やってんだ、御坂。早くやれよ」

 美琴「うっさい、話しかけるな!! やってるわよ全力で……っ!

    何コレ……力がどんどん吸い取られていくみたい……っ」

 長門「がんばって。もうすぐ」

245 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:10:05.85 ID:3j++R3QrP

フワー サラサラサラ… ウォーッ ワーッ

 長門「…完了した」

 黒子「やりましたわ、お姉さま!すっかり元通りに」

佐々木「御坂さん、ごめんね。ありがとう…。…大丈夫?」

 美琴「ハァッ…ハァッ……大丈夫よぉ…。ハァッ……。

    私と黒子で、佐々木さん達を元の世界に、送ってあげないといけないんだから…これくらい…ハァッ…」

 黒子「お姉様。送って差し上げた後、わたくし達も戻ってこないといけないんですのよ」

 美琴「……!」ヨロ

 佐天「御坂さん!」ガッ

 初春「大丈夫ですか!?」

 美琴「はは…ありがと。大丈夫、大丈夫」

246 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:11:54.77 ID:3j++R3QrP

キョン「こりゃ無理させるわけにはいかねえな…」

 古泉「しかし早く戻らないと、次元を超えるのはさらに困難になる…弱りましたね」

みくる「長門さん、あたしの‥時間跳躍の方法は利用できませんか…?」

 長門「似て非なるもの。この状況では不適」

みくる「やっぱり、駄目かぁ…」シュン

 長門「我々の『帰り道』なら、先ほどの場所に既に確保した。今はカムフラージュしてある」

古泉・みくる・キョン「え!?」

247 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:13:59.03 ID:3j++R3QrP



打ち止め「あっ!長門さんがあなたに『ありがとう』って伝えてって言ってた、

     ってミサカはミサカは危うく忘れそうだったことに内心焦りながら話してみたり!」

一方通行「ァあ? あの女、変な性癖の持ち主じゃねェだろォな」

ガツッ

一方通行「ぐォッ…オマエ脛を……!」

打ち止め「あなたも敵じゃないと認めたんだったら謝罪と感謝の気持ちを長門さんに伝えたらどう?

ってミサカはミサカは至極真っ当な意見を言ってみる!」

一方通行「別に認めたワケじゃねェよただ敵でもヤツはソレなりに人格があるヤツだと言えるだけだろがよォ!!」

打ち止め「それを認めたって言うのだ!! ってミサカはミサカは…」



248 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:15:52.47 ID:3j++R3QrP


 美琴「…じゃあ、高電離気体を打ち消したんじゃなくその『帰り道』を開くエネルギーに変換したってコト…?」

 長門「そう」

 黒子(学園都市最強の超能力者との偶発的に起こった戦闘のさ中にそんな布石を打っておくとはこの方…)

佐々木「……やはりキョンは正しかったようだ。残る問題は…」

キョン「ハルヒだ。上条、お前、一緒じゃなかったのか?」

 上条「途中まではな。…だが突然謎のメッセージを残してインデックスをさらっていっちまった」

キョン「どうして張本人のあいつが自ら蚊帳を突き破ってどっかに行っちまうんだ!?」

249 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:17:53.29 ID:3j++R3QrP

 古泉「いえ。涼宮さんには張本人という自覚はありませんが、今回の依頼には相当の覚悟で臨まれていましたから…。

    きっと已むに已まれぬ事情があったのでしょう」

キョン「どんな事情があればインデックスさん?をさらうことにつながるのか教えてくれ、古泉」

 上条「そう言えば去り際にラスボスがどうとか言ってたような…」

キョン「ラスボス…? いや、駄目だ。あいつの思考を常識でトレースしようとするだけ無駄だからな。

    くそ…、早く戻らなきゃいけねえってのにどこにいるんだハルヒ……」ガリガリ

 長門「場所なら分かる。こっち」



250 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:19:27.24 ID:3j++R3QrP


 上条「ってどうして俺の部屋がラスボスの根城になってるワケ!?」

Index“Hush! Haruhi is sleeping.”

ハルヒ「すーっ…すーっ…」

キョン「何でこいつが膝枕されて安らかに寝てるんだ……」

みくる「キョ、キョンくんフライパンを台所に戻して!」

 上条「あれ、片手鍋も洗ってある…?昨日、みそ汁全部食ったはずだけどな」

252 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:21:01.28 ID:3j++R3QrP

 佐天「ふーん、わりあいキレイにしてますね」

 黒子「…しかし殺風景ですわ。心を潤す要素が見当たりませんの」

 古泉「白井さん、男の一人暮らしなんてそういうものですよ」

 黒子「一人暮らし、ねぇ…」ズイ

 美琴「ちょっと黒子、押さないで狭いんだから」

 上条「人の家に大挙して押しかけて来ておいてなんだ!
 
    佐々木さんと橘さんみたいに玄関前で待ってるという遠慮を知らないのか!」

 佐天「それはまあ…」チラ

 初春「ですねー」ニコッ

 上条「…こんな大勢来たってもてなしなんか…」ガチャ

カラーン

 上条「…か、空だ 冷蔵庫が…!」


253 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:22:47.54 ID:3j++R3QrP

 上条「そういえば食器が全部台所で乾かし中なんておかしいんだよ!!どういうことなのインデックス!?」

Index“It was so tasty.I guarantee Haruhi is a good cook.”

上条「仕送りまであと一週間もあるんだぞ…」ヨロ

 長門「…あなたの力を貸してほしい」

 黒子「え、わたくしの? 手を握ればよろしいんですの?」

 長門「(コク)先ほどのように、あなたの能力を発動させ続けてほしい」

 黒子「了解ですの」グッ


254 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:24:30.94 ID:3j++R3QrP

シュシュシュン ドッ

キョン「うおっ。冷蔵庫が食材で一杯になったぞ!」

 長門「…協力に感謝する」

 黒子「(フゥッ…フゥッ…)これしきのこと、長門さんのして下さったことに比べれば。

    この殿方にも世話になりましたもの」フラ…

 上条「うぅ…、長門さん、白井、すまねぇ…」

 長門「元々我々の側に責任がある」

255 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:24:35.80 ID:zJiiH+gW0
支援

256 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:26:04.13 ID:3j++R3QrP

キョン「しかしどうやったんだ?この中の物…」

 長門「近隣のスーパーから調達した。代金は我々団員の財布から均等にレジに納めてある」

キョン「あ、ホントだ!札が減ってる!」

 古泉「そうですね。我々からの気持ちということで、ここは一つお納め下さい」

 上条「そんな…。でもホントにありがたく頂きます」

みくる「じゃあ…そろそろお別れだね、上条くん…」スッ

 長門「右手は駄目」


257 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:27:59.62 ID:3j++R3QrP

みくる「あっ…。そのケガ…」チラ

 長門「(フリフリ)すまない。医療による治癒に任せるしかない」

みくる「……」シュン

 上条「心配してくれてありがとう、朝比奈さん。ははっ、大丈夫だって。こんなの慣れっこさ。

    いつも世話になってるいいお医者さんがいるから。

    …それにまあホラ、個人的なケンカで負った怪我だからさ。…えっと……」

Index“Toma. You should respond to the girl's approach at such time.”

 上条「あ、じゃ、左手で…」サッ

258 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:29:32.82 ID:3j++R3QrP

ギュッ

みくる「じゃあ、元気でね」ニコッ

 上条「ああ、皆さんも」


ガチャッ ゾロゾロ…

佐々木「どうだった…おや」

キョン「ああ。寝てたよ。…恥ずかしいからあまり見るな」ユッサ

佐々木「いや、キョン。キミ以外に涼宮さんを背負うに適した人はいないと思うね」

  橘「…さっさと帰るのです」

259 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:31:19.33 ID:3j++R3QrP

キョン「じゃあな上条…」

 上条「本当に送ってかなくていいのか?」

キョン「ああ、ここで十分だ。なんつーか、世話になったな…色々」

 上条「それを言うなら俺のほうこそ…、キョンさん、朝比奈さん、古泉さん。

    それに長門さん…みんな、佐々木さんや御坂たちを元に戻すために力を尽くしてくれてありがとう」

キョン「俺に関しては何もしてないさ。…ああ、しかしこいつもな…」ユッサ

 上条「ああ、自分の口で言うほど悪い人じゃない。そうじゃなきゃ、周りにアンタたちみたいな人が集まるわけがないからな」


260 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:32:52.28 ID:3j++R3QrP

キョン「(ホッ)分かっててくれたか。

    ……俺が思うに、超能力者としてのお前たちとしてよりも、人間としてのお前たちに魅力を感じてる部分が大きいんだ、こいつは。

    これに関しても俺は例外かも知らんが、ハルヒが人を集めるときにハズレを引くことはない」

 上条「謙遜することないさ。…確かにそうだな、今こうしてこの人の周りに俺達みんながいる。

    その誰一人でもいなければ、今ここにみんなはいなかったはずだろ?

    涼宮さんは人の幸せを保証しないと自分で言ってたけど、そんなこと誰だって保証できることじゃない。

    でもこの人は人の幸せを本当は願ってる側の人のはずだし、みんなが出会って、いい方向に進むよう各々が努力する機会を作ってくれた。

    それが涼宮さんの力だったんじゃないか?」


261 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:34:26.40 ID:3j++R3QrP

 古泉「凄い理解力をお持ちですね。どなたかにも見習っていただきたいものです」

キョン「買いかぶるとひどい目に遭うぞ、上条!……でもとにかく…」

 上条「このまま別れたっきりってのは寂しいな。…御坂はどうだ? 涼宮さんとはもう会いたくないか?」

 美琴「会いたいも会いたくないもどんな人かも知らないのに分からないわよ。

    まあ、佐々木さんと橘さんに会えたきっかけを作ってくれたし、

    会いたいって涼宮さんが言うのなら私のほうは構わないし、それに佐々木さん達に…(チラ)」


262 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:35:59.40 ID:3j++R3QrP

 黒子「ええ(コクリ)」

 初春「今度はこちらから…」

 佐天「佐々木さんの側の世界にお邪魔したいですし!」

キョン「その様子じゃもう友達になったみたいだな」

佐々木「うん。それも得難い友達だよ」

 古泉「こちらも大歓迎しますよ。そちらのシスターさんも…」

Index“I'm Index.”

 古泉「インデックスさんも上条さんも是非気が向いた時に遊びにいらして下さい。

    我々の学び舎は山の中腹と言ってよいほど自然に恵まれた場所に位置していますから、
 
    周りの散策等、こことはまた違った趣があると思います」

263 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:38:02.99 ID:3j++R3QrP

キョン「う~~ん、しかしハルヒがまた御坂さんや白井さん達に超能力を見せろとか言わんだろうか…」

 古泉「その懸念はもっともです。何と言っても長年探しあぐねていた憧れに突き当たったのですから。

    ですからあなたや僕らが言い含めておかないといけませんね…」

 Index“But I feel a pity for Haruhi if she misses her dream.”

ハルヒ「すーっ…すーっ…」 

 佐天「それもそうね…」

 上条「いったい何で悩んでるんだ? 涼宮さんが超能力を見たいって言うのなら、また学園都市に来ればいいじゃないか。

    俺は御坂たちのことも考えずに、あちらの世界で能力者を引きずり回すことには反対ってだけで、

    学園都市ってのは元々超能力開発の成果を世の中の人々に役立てたりするための場所だろ?

    大覇星祭は終わっちまったばかりだけど見学者を招いての行事は随時行われてるはずだし、なんだったら調べておくけど?」

265 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:40:06.61 ID:3j++R3QrP

キョン「‥上条…。そう言ってくれるのか…」

 上条「もちろん俺やインデックスもまたそちらに邪魔するつもりだぜ。このケガが治る頃には…」

 古泉「涼宮さんとの決着ですか」

 上条「ああ。今言ったことを涼宮さんが守ってくれる限りは俺はもう別にいいんだけど、涼宮さんの意見を聞いたわけじゃないからな。

    なんとなく『それはそれ、これはこれ』と言いそうな人だと思うんだ」

 古泉「いやはや…、拳を交えた者同士にしか分からないこともあるんでしょうね。

    しかし彼のように体を張ってお二人を止めなかった僕が言うのは心苦しいのですが、涼宮さんは何と言っても女の子ですからね…。

    出来るなら格闘以外での決着はつけられないでしょうか」

266 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:41:42.76 ID:3j++R3QrP

キョン「そうだ、この際チーム対抗のスポーツ大会でも開こうぜ」

 古泉「いかがでしょう」

 上条「ああ、その方がずっといいよ。涼宮さん次第だけど」

キョン「こいつのモットーには反してないと思うぜ」

みくる「せっかくこうして皆さんと出会えたんだから、親睦を深めたいものね。

    鶴屋さんも呼びましょう! 楽しそう…」

268 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:43:16.71 ID:3j++R3QrP

 美琴「場所とか日にちとかの設定はそちらに頼んでいいのかしら?」

 古泉「はい。お任せ下さい。我々の今度のミーティングの議題に挙げましょう」

 美琴「お願いするわ。初春さん、佐天さん、あちらの世界って楽しみね」ニコッ

 初春「そうですね。科学技術とか違ったりするんでしょうか」

 佐天「ふふ、まさか本当に異世界があるなんて。そこに行けるなんて…あーっ、楽しみ!」

 黒子(お姉様の喰いつき方そしてあの笑顔……。まさか長門さんの技を見て闘争心に火が付いてしまったのでは…。

    ご自重あそばせお姉様いったいどんなスポーツを想像なさってますの!?)

269 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:45:05.61 ID:3j++R3QrP

キョン「そういえばハルヒ、団長やめるとか団を解散するとか言ってなかったか?」

 古泉「こうして皆さんが元に戻ったという成果があるのですし、僕らで説得しましょう。

    やはりSOS団の団長は涼宮さんをおいて他にいませんよ」

 
 長門「(ボソ)古泉一樹はあなたのメイドコスプレ姿を撮影した画像を閲覧していない」

みくる「えっ‥そうなんですか。…もぅ、キョンくん!」


270 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:46:45.04 ID:3j++R3QrP

  
  橘「おしゃべりはその位にして、早くまず元の世界に戻らなければ始まらないわ」

 長門「そろそろさっきの場所に戻ったほうがいい」

 黒子「わたくし達も『帰り道』までお送りさせて下さいな」

 佐天「白井さんと御坂さん、大丈夫ですか。さっきので疲れてるんじゃ…」

美琴「ううん、私はだいぶ回復したから歩いて送ってくくらい平気よ。黒子は?」

 黒子「わたくしも。それに佐々木さんをお送りしたいですもの…ねえ?」

 初春「あ、そうですね」

佐天「佐々木さん、行きましょう!」タッ


271 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:48:42.01 ID:3j++R3QrP

佐々木「う、うん?ちょっと待って。上条くん、ありがとう。

    最初に上条くんが落ち着いててくれたの大きかったよ。またね」

  橘「そうね、超能力が使えることを教えてくれたりね。では彼女たちが待ってるから先に失礼するわ」

 上条「ああ、気をつけて」


キョン「俺達もそろそろだ。じゃあな、上条。大事にな」

 上条「ありがとう。じゃ」

Index“Say hello to Haruhi.I hope to see her again.”

キョン「ああ。こいつもきっとあんたに会うのを楽しみにしてるぞ」ユッサ

 古泉「…改まるとあなたには言葉がありませんね。感謝の限り…。では」

みくる「次に会うのを楽しみにしてます。またね」

 長門「また」

272 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:50:46.93 ID:3j++R3QrP



佐々木「ここを訪れたときから思ってたんだけど素敵な街ね、学園都市って。…夕日がきれい」

  橘「景観の設計をよくされてるのね。近代的な街並みと緑が調和していて」

 美琴「色々と退屈しないわよ、この街は。

    景色に関心があるんだったら朝日が山並みから顔を出すのを見られるような高台があるし。

    言ってくれたら今度来てくれたときどこにでも案内するわ」

 佐天「そうだ!ああ、でも今からふれあい広場寄ってる時間ありませんよね~っ」


273 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:52:19.28 ID:3j++R3QrP

 美琴「クレープ屋さん?」

 初春「それなら、今度春上さんも誘ってみんなで行きましょう!

    でもパスティッチェリア・マニカーニのケーキをお二人にお土産に持って帰ってほしかったなあ。

    はぁ……、残念」

 黒子「ではわたくしがひとっ飛びして…」

佐々木「ありがとう。でもみんなのお薦めは次ここに、見学者として来るときの楽しみにとっておきたいわ。

    それに今日は皆さんお疲れだろうし、どうかゆっくり休んでね」

 黒子「…楽しみを後にとっておくと、不意に横からかっさらわれることもありますのよ」

佐々木「?」

274 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:53:52.66 ID:3j++R3QrP

 黒子「佐々木さん。単刀直入に伺いますけど、貴女あのキョンと呼ばれている御仁のことを好いていらっしゃるのでは?」

佐々木「えっ…?///」

 佐天「あ、可愛い! やっぱり!今の顔キョンさんが見たらイチコロですよ!」

佐々木「ちょっ、ちょっと何の話を…」

 初春「お二人でお話ししてるところ、とってもお似合いでしたよ」

佐々木「初春さんまでそんな…、それに彼は涼宮さんと…。橘さん、何とか言って!」

  橘「ああ、分かって下さる!? そんなこと言ってくれるのはあなた方だけなのです」

佐々木「……」

276 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:55:26.38 ID:3j++R3QrP

 黒子「あの二人、わたくしの見る限りではまだそのような仲ではありませんわ。

    たとえ状況が不利でも引いてはならぬ時がありますのよ。

    わたくし達が総力を挙げて佐々木さんを応援いたしますわ!

    今度のスポーツ大会に向けて作戦を練っておきますの!」

佐々木「……」チラ

 美琴「そ、そうよ、あきらめないで頑張らなきゃダメよ!!」グッ

 黒子「ほら、そうこう言ってる間に想われ人が参りましたわよ!」

佐々木「……!」クルッ


キョン「帰るぞォ、佐々木」








277 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 16:58:54.09 ID:3j++R3QrP
以上です。
読んでくださってありがとうございました。支援、コメ、指摘レスすべてメチャクチャ嬉しかったです。
ギクシャクした投下態度で申し訳ありません。
もし、午前中から読んでくださっている方、大変お疲れ様でした。
遅れましたが返せるレスをしていこうと思います。


279 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 17:04:16.81 ID:GfhiCQ0g0
おつかれ
インデックスって英語話すの?

280 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 17:04:28.60 ID:3j++R3QrP
>>16
まだいらっしゃるか分かりませんが、これ一つスレが立てられる位の疑問ですよね…
書いてる途中自分でも「?」と思いましたが、情報体でできていると言ったら、
教室の椅子でもキョンたち人間でも情報連結でできていると言える、と思うのですがいかがでしょうか?

281 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 17:07:24.18 ID:3j++R3QrP
>>279
ありがとうございます。お疲れさまです。
インデックスさんが英語しゃべって上条さんが日本語で返して、
二人とも意思疎通できてたら素敵だなーと、思ってそうしました。

282 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 17:07:41.66 ID:W4FyPdJo0
まだ途中だけどこれはなんなの?ウケねらいのぎゃぐなの?

283 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 17:08:39.93 ID:jUxMApH1O
おつかれさん

続きは書くの?書くなら全力で応援する

284 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 17:11:22.96 ID:3j++R3QrP
>>282
ありがとうございます。もはやスルー狙いかもしれません

285 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 17:14:20.31 ID:3j++R3QrP
>>283
ありがとうございます。嬉しいのですが>>1にはここまでが限界です…。
どなたか書いて下さるなら…

286 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 17:15:02.33 ID:eV+5vczm0
おつおつ

287 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 17:17:55.41 ID:U+HYTtjW0
おつ
たのしめたよw

288 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 17:24:11.81 ID:3j++R3QrP
>>286
ありがとうございます…
>>87
読みにくい点すみません。あれもこれもと思って冗長になってたと思います
ご指摘ありがとうございます。

289 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 17:25:59.09 ID:3j++R3QrP
>>287
ありがとうございます 嬉しいです

290 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 17:28:11.81 ID:bkUjOhWt0
すげぇな
8割が>>1の書き込みじゃねーかwww

291 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/30(土) 17:36:18.43 ID:b0IsI8VS0
おつ
はやくスポーツ大会編を書きなさいよ

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2011/04/30 20:49 | CM(0) | ハルヒ SS
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