1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 00:07:18.76 ID:bHpd/iGlO
炬燵少女「何で暗い顔をしてるかって?」
炬燵少女「いえ、別に」フッ
炬燵少女「いひゃい!いひゃいれしゅ、やめへくらひゃい!」
炬燵少女「ほっぺが伸びたらどうするんですかー!もう!ヒリヒリします…」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 00:20:37.25 ID:bHpd/iGlO
炬燵少女「顔がむかついたからとか酷い!」
炬燵少女「え?別に何でもないですってば」
炬燵少女「大したことじゃあないです」
炬燵少女「いえ…もう春じゃないですか」
炬燵少女「そろそろ炬燵は用無しの季節かなって…」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 00:29:07.21 ID:bHpd/iGlO
少女「過ぎてしまえばあっという間でしたねぇ」
少女「ええ、ええはい。不法侵入を通り越して不法居候で春を迎えました。ありがとうございました」
少女「これからですか?どうしましょうねえ」
少女「ええ、全くの無計画ですよぅ」
少女「まぁぼちぼち考えます」
少女「あ、ワタシも蜜柑食べます!」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 00:37:13.91 ID:bHpd/iGlO
少女「どうしたんですかニヤニヤして。恐いです」
少女「いひゃいれふ」
少女「何ですかこの紙袋?」
少女「いぃー??ゲームですか」
少女「面白いんですか」
少女「パーティーゲーム?パーティーするんですか独りで。寂しい人でいひゃいいひゃいぃ」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 00:44:21.10 ID:bHpd/iGlO
少女「このリモコンを握るんですね」
少女「キャラを作る?へえ~」
少女「あははははははは!似てますねあなたそれ、すごく!」
少女「何ですか褒めてるんですよう。ほほほ」
少女「ワタシも作っていいんですか。ほお、まずは骨格を…」
少女「髪の色は…身長はこれくらいで…できました!」
少女「…何で笑ってるんですか」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 00:57:00.61 ID:bHpd/iGlO
少女「振ればいいんですね」
少女「…っ…っ…っ」ブンブンブンッ
少女「…っ…っ…っふおぉ!?」ヒュンッ バゴン!
少女「おわああ…ご、ごめんなさい!」
少女「…………な、なんとか大丈夫みたいです!壊れてないです使えます!」
少女「え?ストラップ?手首に巻くんでしたか」
少女「次ぶん投げたらお前も同じ目に合わせてやる、みたいな顔でみないでください…」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 01:02:23.51 ID:bHpd/iGlO
少女「もうゲームおしまいですか」
少女「あれ?いつの間にかこんなに時間経ってたんですね」
少女「面白かったです、またやりましょう!」
少女「あの相性ゲームとかまたやりましょうね」
少女「見事に全問不正解とか、逆に面白かったですけど」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 01:07:41.32 ID:bHpd/iGlO
少女「…」モグモグ
少女「あはは」
少女「…」モグモグ
少女「えーそれはない」
少女「…」モグモグ
少女「あ、蜜柑無くなっちゃいました」
少女「テレビ見ながらだとつい食べ過ぎてしまいますよねえ」
少女「え、もう買い置きの蜜柑ないんですかあ!?」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 01:12:58.09 ID:bHpd/iGlO
少女「…」スヤスヤ
少女「ん…あ、おかえりなさい…」
少女「ごはんにします?おふろにします?」
少女「それとも、こ・た・つ?」
少女「え?炬燵?まじですか」
少女「たまにはいいかなって?」
少女「えへへ」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 01:14:11.85 ID:NuNgO0U50
ほぅ
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 01:16:46.69 ID:6AEaQmwE0
こたつがかりはいつですか?
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 01:18:55.40 ID:bHpd/iGlO
少女「炬燵といえば鍋ですが」
少女「ワタシは意外と辛いものもいける口なんですよ。キムチ鍋とか」
少女「最近はトマト鍋とか色々ありますよね」
少女「ああ、おでんもいいですねえ」
少女「それで、今日の夜ご飯は?」
少女「何でもやし炒め!?」
少女「え、金欠?」
少女「ゲーム買ってお金無くなった!?ば、バカっ!!!」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 01:24:18.99 ID:bHpd/iGlO
少女「ええ、はい。バカは言い過ぎでした。ごめんなさい」
少女「でも大丈夫なんですか?生活してけます?」
少女「ご飯ケチれば来月まで何とか?」
少女「…分かりました」
少女「ワタシも協力します!」
少女「はい、蜜柑を我慢します!!!」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 01:30:32.03 ID:5QbcN6O5O
支援
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 01:34:42.80 ID:bHpd/iGlO
少女「炬燵のいいところ」
少女「暖かいこと。これはダントツでいいところです」
少女「そして机としても使えること。暖まりながらご飯食べたりできる訳です。これ一つで!何て便利!」
少女「そしてそして…これは個人的に声を大にして言いたいいいところ」
少女「炬燵で食べる蜜柑は最高!!!」
少女「一週間我慢したあとの蜜柑だとさらにおいひいですっ!」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 01:39:04.57 ID:bHpd/iGlO
ヴーヴーッ
少女「?ああ、電話ですか」
少女「あの人今お風呂なんですが」
ヴーヴーッ
少女「長いですねえ。大事な要件とかでしょうか」
少女「出てもいいんですかね」
少女「ここを押すのかな?」ピッ
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 01:45:46.38 ID:bHpd/iGlO
『遅い!』
少女「へっ?」ビクッ
『あとで電話するって言ったじゃんか!何してたわけ?待たせるとか酷くない?最低。最悪だし。だいたいアンタさぁ』
少女「え、あの、えと」
『あ?あれ、アタシ番号違えた?』
少女「いえ、あの、あの人は今」
『何、妹とかいたっけ?聞いてないし。まあイイや。で、アイツは?』
少女「………」
『おーい聞こえてる?なぁ?おい、アイツは』ブチッ
ツーツーツー
少女「…………なにいまの」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 02:04:55.85 ID:bHpd/iGlO
少女「ああ、さっぱりしましたか」
少女「あ、さっき携帯が鳴ってましたよ
少女「女の人からでした」
少女「気が強い方がお好きなんですねえ」
少女「何のことって…」
少女「え、全く知らない番号?じゃあ本当に間違い電話だったのかあ」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 02:23:38.38 ID:bHpd/iGlO
少女「てっきり彼女からかと思っちゃいましたよう」
少女「まあそんなわけないですよねえ。ほほほ」
少女「え?」
少女「またまたぁ」
少女「え?マジなんですか?」
少女「告白されたんですか!?」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 02:39:46.08 ID:bHpd/iGlO
少女「どっどどど、どちら様から…?」
少女「学校の後輩の方が…」
少女「そうですか…」
少女「何ていうか…」
少女「おめでとうございます!」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 02:43:30.48 ID:bHpd/iGlO
少女「え、まだお返事してないんですか!?」
少女「考えさせて欲しいって保留した?」
少女「はぁ…ヘタレが」
少女「ほ、ほんとおのことじゃあないですかあ!」
少女「あなたは、その人のことが好きなんですか?」
少女「じゃあ嫌いなんですか?」
少女「自分に素直になって、ありのままを伝えればいいんじゃあないですか?」
少女「がんばってください」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 02:45:38.84 ID:bHpd/iGlO
少女「おかえりなさい」
少女「で、どうでしたか?」
少女「…………」
少女「おめでとうございます!!!」
少女「人生初の彼女じゃないですか!」
少女「え、なんで知ってるかって?見れば分かりますよねえ」
少女「なに落ち込んでるんですかあ?」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 02:48:00.51 ID:bHpd/iGlO
少女「なんだかワタシまで嬉しくなりますねえ」
少女「いやーおめでたいですねえ」
少女「デートとか行くんですかあ?」ニヤニヤ
少女「ほお、映画ですか。ベタですね!」
少女「いひゃり」
少女「楽しんできてください!えへへ」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 02:52:09.00 ID:bHpd/iGlO
少女「おかえりなさあい」
少女「うわあニヤニヤしてる…」
少女「楽しかったみたいですねえ」
少女「え、お土産ですかあ?ケーキ!やったあーありがとうございます!」
少女「ご機嫌ですねえ」
少女「手を繋いだと」
少女「自分から頑張ったと」
少女「すごいじゃないですかあ。見直しました」
少女「あなたらしくて安心しました。いや、深い意味は無いですよ」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 03:03:47.21 ID:bHpd/iGlO
少女「ふあぁ…おふぁよおごぜえましゅ…おひゃやいでしね」
少女「おでかけでしかあ…?」
少女「でえとですかあ?あ、バイトですかあ」
少女「はあい。いってらっしゃあい。ふあぁ…」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 03:09:39.31 ID:bHpd/iGlO
少女「お帰りなさい」
少女「雪見大福!わあああああああい!」
少女「幸せのお裾分けってヤツですか?彼女さんと上手くいってるみたいですねえ」
少女「幸せオーラが漏れ出てますよ」
少女「これでワタシも安心です」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 03:12:34.95 ID:bHpd/iGlO
少女「今度のデートは決まってるんですかあ?」
少女「はいはい。え?」
少女「お家?」
少女「この家ですか?」
少女「………はあそうですか」
少女「ではワタシは」
少女「え、居ても問題ないって?」
少女「いもうと?」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 03:20:44.28 ID:bHpd/iGlO
少女「ワタシ妹ってことになってるんですか」
少女「だから大丈夫だと」
少女「はは、あなたって面白いですね」
少女「あはは。えへへへ」
少女「ありがとうございます。何か、嬉しいです」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 03:22:15.95 ID:bHpd/iGlO
少女「おでかけですか」
少女「ああ、彼女さんを迎えに行くんですね」
少女「お気をつけて」
少女「行ってらっしゃい」
少女「お幸せに」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 03:27:53.42 ID:bHpd/iGlO
彼女ができた。
人生で一番幸せなのが今なんじゃないかというくらい、彼女とは上手くいっている。
そして、あの炬燵好きの居候が消えた。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 03:37:18.21 ID:bHpd/iGlO
彼女を初めて家に招いたあの日、帰ってきたら炬燵の中はもぬけの殻だった。
書き置きも挨拶もなく、突然すぎる別れだった。
今になって思う。
あれは、座敷童とかそういうものだったんじゃないかと。
生意気で怠惰な、幸せを分け与えてくれる不思議な存在。
その対価が蜜柑なら、安いもんだよな。
まあ、そんなの考えすぎだろうけれど。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 03:41:15.86 ID:bHpd/iGlO
「ただいまー…っと」
すっかり口癖になってるな。
でも、こんなちょっと肌寒いような日には思うんだ。
炬燵に丸まってるアイツが、顔だけひょこりだして「おかえりなさい」って出迎えてくれるんじゃないかってー…
炬燵少女「あ、おかえりなさあい」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 03:45:29.79 ID:bHpd/iGlO
「………………………」
少女「今日は冷えますねえ」
「………………………」
少女「あっ!それ、その右手の袋の中!蜜柑ですね!」
「………………………」
少女「やっぱり流石、気がききますねえ!」
「………………………」
少女「なんですかあ、黙って近づいてきひゃいひひゃはひれしゅふゅゆ」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 03:48:48.40 ID:bHpd/iGlO
少女「いやあ実はですね」
少女「もうそろそろ、これくらいの気温なら大丈夫かなあと思ったんですが」
少女「最近また肌寒い日が続いたじゃあないですかあ」
少女「そしたら炬燵恋しくなるじゃあないですかあ」
少女「それで、何となあくここを覗いてみたら…」
少女「まだ炬燵が出てるじゃないですかあ!そりゃあ入るっきゃないでしょう」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 03:53:23.81 ID:bHpd/iGlO
少女「わかってますよう!不法侵入ごめんなさい!でも、警察はダメ!」
少女「…あれ?違う?」
少女「なんでちょっと笑ってるんですかあ?」
少女「いいことあったんですかあ?」
少女「え、蜜柑?食べたいです!」
少女「やったあ!ありがとうございます!」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 04:02:26.19 ID:bHpd/iGlO
「ただいまー」
炬燵少女「おかえりなさーい!」
「お土産」
炬燵少女「雪見大福!」
「蜜柑もあるぞ」
炬燵少女「やったああ!ありがとうございます!」
「炬燵で食うか」
炬燵少女「はあい!」
炬燵少女「おいしいですねえ。幸せです」
「そうだな」
炬燵少女「えへへへー」
おわり
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 04:02:57.48 ID:bHpd/iGlO
オワタ
ワタシ、ネル
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/24(日) 04:03:20.14 ID:9XJZAr180
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