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ガヴ「あ、この缶コーヒーうめぇ」 マスター「!!?!?!?」

1 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 08:38:52.96 ID:eYw59i7a0

-エンジェル珈琲-

マスター「……さて、天真くん。ここいらで少し休憩をとろうか」

ガヴ「へい……つっても、ずっと休憩してるようなもんでしたけどね」

マスター「うっ……は、ははは。そうかもね。じゃあ裏の控え室に……」

ガヴ「うす」ガサゴソ

マスター「……おや?何だい、その缶は」

ガヴ「あ、これっすか?」




ガヴ「缶コーヒーっす」

マスター「え」




ガヴ「さっきバイト前に買いました」

マスター「え、えええええええええ!?缶コーヒー!?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490312332



2 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 08:41:15.22 ID:eYw59i7a0

ガヴ「そうっす」カシュッ

マスター「な、何故缶コーヒーを?」




ガヴ「いや、なんか飲みたかったんで」

マスター「の、飲みたかったぁ!?」ガーン




ガヴ「駄目っすか?」

マスター「いや、駄目じゃないけど!駄目じゃないんだけどさぁ!!」

マスター(な、何ということだ……よりにもよって、コーヒー喫茶のマスターの目の前で缶コーヒーを飲もうとは……!)ワナワナ


3 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 08:42:56.21 ID:eYw59i7a0

ガヴ「んくっ」ゴクゴク

マスター「……!」ハッ


マスター(そ、そうだ!確か天真君はコーヒーの味が分からなかったはず!以前、私のブレンドコーヒーを飲んだときもよく分からないと言っていたし……)

マスター(だからきっと、缶コーヒーの味だってよく分からない……そうだよね、天真君!)



ガヴ「……」プハッ








ガヴ「あ、この缶コーヒーうめぇ」

マスター(ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!?!?!?!?)ズギャァァァァァアアアアン






4 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 08:44:45.23 ID:eYw59i7a0





ガヴ「……」ゴクゴク

マスター(ええええっ!?嘘っ!今、天真君美味しいって言った!?缶コーヒー美味しいって言っちゃったの!?)

ガヴ「……」ゴクゴク

マスター(き、聞き間違いだよねぇ!?だって天真君はコーヒーの味が分からないんだもんねぇ!?そうだよねぇぇえええ!?)



ガヴ「……」プハッ





ガヴ「うん、やっぱ美味いなこれ。気に入った」

マスター(気に入っちゃったぁぁぁあああああああああああああ!!!)ドギャァァァアン






5 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 08:46:39.75 ID:eYw59i7a0


ガヴ「……あれ。どうしたんすかマスター」

マスター「あ……だ、だいじょぶ……な、何でも、ない……よ」ガクガクガクガク

ガヴ「いや、全然大丈夫に見えませんけど……生まれたての子鹿ですらもうちょいマシに立ちますよ」

マスター「き、気にしないで……ほ、ほら……缶コーヒーを楽しむんだろう?」ガクガク

ガヴ「え?……あ、なるほど」


ガヴ「気にしないでいいっすよ。マスターのコーヒーと、コレは全くの別物なんで」

マスター「そ、そうかい……あ、ありがと……ね」ガクガク








6 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 08:49:16.24 ID:eYw59i7a0

マスター(気にするよぉぉおおおおおおおおおおお!!!だって私、コーヒー喫茶のマスターだもぉぉおおおおおおおん!!!)

マスター(私なんて天真君に一度も「美味しいです」って言われた無いのに!!無いのにぃ!!なんで缶コーヒーなんかにぃぃいいいいいい!!)

マスター(私、缶コーヒーに負けちゃったよぉぉおおおおおおおおおおお!!!)










ガヴ「……あの、マスター。そろそろ休憩終わりじゃないっすかね」

マスター「…………ごめん天真君。先に戻ってて貰えるかな……」チーン

ガヴ「うっす」

ガヴ(マスターってこんなに老けてたっけ)


7 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 08:50:36.55 ID:eYw59i7a0



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



-別の日-

マスター「……ということがあってね」

ヴィーネ「それは….…残念ですね」

ヴィーネ(マスターさん、すごくやつれてる……相当ショックだったのね)


マスター「やっぱり、私のコーヒーは天真君の口には合わないのかなぁ……」ハァ

ヴィーネ「わ、私はマスターさんのコーヒー、とっても美味しいと思いますよ」アセアセ

マスター「ありがとう……月乃瀬君はやっぱり優しい子だね」ニコッ

ヴィーネ「いえ、そんな」


8 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 08:52:12.16 ID:eYw59i7a0


マスター「……実はあの後、色々な種類の缶コーヒーを買って、試しに飲んで見たんだ」

ヴィーネ「え、そうなんですか?」

マスター「うん。実に色々な味があってね。中には信じられないほど甘いものもあったけど……なるほど、確かにこういう味が好きな子も居るのかもしれないなと感じたよ」

ヴィーネ「……」


マスター「人には好みという物があるからね。万人に受け入れられるコーヒーを淹れるというのは、とても難しいことだと思う。……それでも」


マスター「やっぱり、うちの従業員である天真君くらいには、自分のコーヒーを美味しいと言って貰いたい……そう思ってしまうのは、私のエゴなのかな」



ヴィーネ「……」



ヴィーネ「……」ズズッ


9 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 08:53:46.35 ID:eYw59i7a0


ヴィーネ「うん、美味しい」

マスター「……月乃瀬君?」

ヴィーネ「やっぱり、美味しいですよ。このコーヒー」

マスター「……月乃瀬君」

ヴィーネ「私、コーヒーに詳しい訳じゃないですけど、ここのコーヒーの美味しさは本物だと思います。何というか……心がこもっているというか。そんな気がします」


ヴィーネ「確かに、これを苦いと感じてしまう人もいるかもしれません。けど、それと同じくらい……いえ、きっとそれ以上、このコーヒーを美味しいと感じる人がいるはずです」


ヴィーネ「それに、いつかガヴにも、この美味しさが分かるようになるかもしれませんし……」


ヴィーネ「だからその……元気出してください、マスターさん」ニコッ




10 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 08:55:02.50 ID:eYw59i7a0


マスター「……」



マスター「……」プルプル

ヴィーネ「ま、マスターさん?」

マスター「……ありがとう月乃瀬君。君は本当に、天使のような子だ」

ヴィーネ「あ、あはは……悪魔ですけどね」ボソッ

マスター「お陰で目が覚めたよ。どんなに悩んだ所で、私に出来る事は一つしかない……そう」


マスター「天真君が美味しいと言ってくれるその日まで、私が思う最高のコーヒーを淹れ続けることだけだ」

ヴィーネ「マスターさん……!」


11 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 08:56:12.40 ID:eYw59i7a0


マスター「……さあ、月乃瀬君。おかわりはいかがかな?」

ヴィーネ「え?あ、はい!頂きます!」


マスター「ふふふ、待っててね。とびきりのブレンドコーヒーをご馳走するよ」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



-また別の日-

ガヴ「……」カチャ…

マスター「……」


ガヴ「……」ズズッ

マスター「……」


12 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 08:57:25.21 ID:eYw59i7a0


ガヴ「……」

マスター「……ど、どうだい?」







ガヴ「やっぱよく分かんねぇっす」

マスター「駄目かぁ……」ハァ



マスター「で、でも、私はあきらめないよ!今度はもっと美味しいコーヒーを淹れて、天真君に「美味しい」と言わせてみせるからね!」

ガヴ「はぁ……それはまあ、いいんすけど」

マスター「けど?」


13 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 08:59:02.47 ID:eYw59i7a0

ガヴ「マスター、最近妙にやる気っすね。なんかあったんすか?」

マスター「ふふふ。私もマスターだからね。やはり、自分のコーヒーを美味しいと言って貰いたいものなんだよ」

ガヴ「ふーん」


ガヴ「あ、もしかして、この前私がアレ飲んでたせいっすか?」

マスター「えっ!?あ、うん……そうだね。それもあるかな」

ガヴ「なるほど……」

マスター(というかほぼそれなんだけどね!)


ガヴ「……マスター」

マスター「何だい?」

ガヴ「これ、言っとくべきか迷ったんすけど……なんか言っといた方がいい感じなんで、言っときます」


14 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 09:00:17.26 ID:eYw59i7a0

マスター「え?何の話?」

ガヴ「ぶっちゃけ、私も最後に缶捨てるときまで気付かなかったんすけど、あんとき飲んでたやつ……」

















ガヴ「缶コーヒーじゃなくて、缶ココアでした」

マスター「え、えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!?!?!!?」ズギャァァァアアアン


-おしまい-


15 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/24(金) 09:01:14.78 ID:eYw59i7a0
マック○コーヒーを飲んだマスターは何を思うんだろう……

HTML化依頼出してきます



16 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/24(金) 09:04:43.44 ID:eYw59i7a0
過去作です。ギャグ主体ではありませんが、こちらもマスターが出てきますので、よろしければどうぞ

マスター「いらっしゃいませ」 グラサン「……」

http://invariant0.blog.2nt.com/blog-entry-10169.html

グラサン「マスター、いつものを」 マスター「かしこまりました」

http://invariant0.blog.2nt.com/blog-entry-10170.html



17 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/24(金) 09:09:46.79 ID:VY1XwQ1o0
缶コーヒーいいっすねぇ^~

こ↑こ↓のスレッドブックマークするゾ^~




18 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/24(金) 09:11:33.83 ID:MPvf9cmEO
>>17
悔い改めろ


19 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/24(金) 09:32:25.38 ID:Q3cqHjQXO
やヴ天


20 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/24(金) 09:38:39.88 ID:TUXb7gySo
面白い
オチが良かった


21 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/27(月) 05:11:45.82 ID:S1KwahsSo
好き


転載元

ガヴ「あ、この缶コーヒーうめぇ」 マスター「!!?!?!?」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1490312332/





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