7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/18(月) 22:03:41.21 ID:lPf1LsQi0
「お姉ちゃーん、朝だよー!早く起きないと遅刻しちゃうよー!」
いつもの朝です。
私は朝の弱いお姉ちゃんに、声を掛けます。
それでも起きてこないお姉ちゃんの部屋を覗くと、お姉ちゃんはギー太をぎゅっと
しながら気持ち良さそうに抱いて眠っていました。
私はそっとお姉ちゃんの腕からギー太を抜き取ると、それをギターケースに
仕舞って、言います。
「唯ちゃん、愛してるよ」
私からじゃない。ギー太からの愛のコトバ。
それでもいい。私は言いたかった。お姉ちゃんに、愛してるって。
そしてお姉ちゃんは、ギー太の「コトバ」を聞くと、「ふおお!?」と目を覚まし、
私を見て、私の大好きな笑顔でこう言うのです。
「憂、おはよう」と。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/18(月) 22:10:11.82 ID:lPf1LsQi0
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「ねえ、お姉ちゃん」
「なあに、憂?」
お姉ちゃんは、私を見ると首を傾げました。
私はそんなお姉ちゃんを見て心臓が高鳴るのを隠すため、顔を逸らして
「ううん、なんでもないよ」と答えました。
本当は、私の片手をお姉ちゃんの片手で温めて欲しかった。
いつかの朝のように。
けど、そんなのわがままだってわかっているから、私は何も言いませんでした。
お姉ちゃんと一緒にいること自体が幸せなんだから、と自分に言い聞かせます。
「そ?今日は一段と寒いねえ、憂」
お姉ちゃんは、私の気持ちも知らずにふわりと笑うと、手をすり合わせて歩き始め
ました。せめて学校に行く間だけでも誰よりもお姉ちゃんの近くにいたくて、
私はお姉ちゃんを追いかけると隣に並んで「うん、そうだね、お姉ちゃん」と笑いました。
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