1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:08:18.76 ID:PXmhu0qN0
神奈川・藤沢――ジャパン――
新江ノ島水族館……
依頼人「お待ちしておりましたMr.デューク東郷。こんなところに呼び出して申し訳ありません」
ゴルゴ「……なぜここを場所に選んだ?」
依頼人「観光地なら外国人がいても目立ちませんし、ここから由比ガ浜までそう遠くありません。
それに…皆イルカショーに夢中です。我々の声も姿も、誰にも気づかれないでしょう」
ゴルゴ「……要件を聞こう」
依頼人「はい。ただ……まずはあなたに何とも信じがたい話をしなければなりません……」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:11:13.60 ID:h1UARkplO
あんな眼光鋭い男が水族館にいたら泣くわ
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:12:01.11 ID:PXmhu0qN0
規制解けてたのか…
フィクションです地名、人名等は実際のモノとは関係ありません
ゴルゴ「……イカ娘?」
依頼人「はい。我々はそう呼んで……いや、本人自らそう名乗った、という情報があります。
あまりにも非現実的で、信じがたいことですが……彼女は人間ではありません。
ひと月ほど前に相模湾から上陸した……奇妙な……一言では説明できないのですが……」
ゴルゴ「……『海からの使者』、か」
依頼人「?……あの生物についてなにかご存知なのですか?」
ゴルゴ「いや……話を続けろ」
依頼人「は、はい…こちらのメモリーに、イカ娘について我々が知り得る全ての記録が入っています。」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:14:05.39 ID:PXmhu0qN0
依頼人「お願いです!我々の願いを聞き入れてもらえないでしょうか…?」
ゴルゴ「……一つ聞くが、なぜ俺に依頼する?それだけの額があれば、俺以外の優秀な兵士を、
何人でも雇うことができるだろう」
依頼人「イカの娘の存在を話したところで、誰がよろこんで仕事を引き受けてくれるでしょうか?
気が狂った依頼人のもとで働きたがる傭兵など、そう多くはいないでしょう。
我々はあなたなら資料の中身ではなく、私の誠意で判断してくれるはずだ、と思ったのです。
どうかお願いします!我々の言葉は、調査は、すべて真実です!」
ゴルゴ「……その娘がどんな人間だろうと、どんな生物だろうと、俺の仕事には関係のないことだ…
入金が確認でき次第、仕事に取り掛かろう……」
依頼人「おお!本当ですか!ありがとうございます、Mr.デューク東郷!」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:15:57.88 ID:PXmhu0qN0
数日後、鎌倉・由比ガ浜……
海の家れもん……
栄子 「おいイカ娘!遊んでないでお前も皿洗い手伝え!」
イカ娘「今忙しいでゲソ~!」
栄子 「砂遊びのどこが忙しいんだよ!姉貴、何とか言ってよ」
千鶴 「イカ娘ちゃん!片づけ早く終わればエビフライも早く食べれるわよ~」
イカ娘「エビ!?すぐやるでゲソ!」
栄子 「ったく…あ、いらっしゃーい」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:16:05.36 ID:ghKP7pqh0
ところで何の仕事をするんだゴルゴは?
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:17:19.36 ID:PXmhu0qN0
栄子 「お客さんすみません、今日はもう閉店しちゃって、また明日…」
ゴルゴ「……バイトの募集を見て、きた…」
栄子 「えっ、バイト?
(バイトするような顔でも体格でもねえ!どう見ても軍人かヤの付く人だろ!)」
ゴルゴ「……職を失ってこのあたりに越してきたが、まだ定職がない…
新しい仕事が見つかるまで、この店でバイトがしたい……」
栄子 「そ、そうですか!お気の毒に…あ、姉貴!」
千鶴 「履歴書はあるかしら?」ニコッ
栄子 「ええ!?」
ゴルゴ「ああ、持ってきた……」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:19:01.42 ID:PXmhu0qN0
千鶴 「……デューク東郷、35歳、アメリカの○○大学を卒業、特技は語学」
イカ娘「だったらシンディや3バカの知り合いじゃなイカ?」
栄子 「あいつらは確かMITだろ?それに同じ大学だとしても必ず知り合いってわけじゃねーから」
ゴルゴ「……シンディ?」
栄子 「ああ、この辺でくだらん研究してる変態たちのことだよ」
ゴルゴ「(データにあった米国地球外生命体対策調査研究所の四人、か…)」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:21:29.72 ID:PXmhu0qN0
千鶴 「……じゃあ東郷さん、いきなりだけど、明日から来れるかしら?」
栄子 「(えっ!?採用しちゃうのかよ!?)」
ゴルゴ「わかった…なにか準備するものはあるか?」
千鶴 「とくにないけど、これ持って帰ってちょうだい!制服のれもんTシャツよ!」
ゴルゴ「……わかった。これを着て仕事をしよう…」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:22:05.24 ID:32sFjUh20
初期のゴルゴ喋りまくり&恋愛シーン多くてワロス
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:23:07.43 ID:PXmhu0qN0
同日夜、相沢家……
栄子 「おい姉貴正気か!?あの人絶対ヤバイ人だって!」
千鶴 「栄子ちゃん、人を見かけで判断しちゃダメでしょう?」
イカ娘「そうでゲソ!見かけどおり恐ろしくて強いのは、世界で私一人だけでゲソ!」
栄子 「お前のその根拠のない自身はどっからくるんだよ…
…まあそれにしてもなんでウチでバイトなんだ?あの人ならもっと合うバイトありそうだけど」
千鶴 「理由はどうであれ、この忙しい時期に来てくれたのはありがたいわ。それに……」
イカ娘「それに?」
千鶴 「……ううん、ただこのお店にも男手が欲しいな、って思ったの」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:24:06.75 ID:xyAzdwsxO
ゴルゴ35歳なのか・・・・
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:24:11.08 ID:PXmhu0qN0
翌日、海の家れもん……
栄子 「(いかつい風貌に似合わず、時間ぴったりに来てくれたのはありがたいが…)」
千鶴 「(言えない…!)」
栄子 「(Tシャツが少しも似合ってないだなんて絶対言えない……!)」
イカ娘「はーっはっは!東郷、お主Tシャツ全然似合ってないじゃなイカ!あーっはっは!」
栄子 「ぷっ、おいイカ娘!」ゴツン
イカ娘「痛いでゲソ!栄子もニヤついてるのに私だけぶたれるなんてズルイでゲソ!」
ゴルゴ「……」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:25:18.91 ID:PXmhu0qN0
千鶴 「東郷さん、ラーメンは3番、ビールは5番テーブルにお願い!」
ゴルゴ「わかった…」
栄子 「(Tシャツも仕事も似合ってないけど、なんかオーラがあるな…
動きに無駄がないというかなんというか…ほんとに初めての海の家バイトか?)」
イカ娘「東郷!はやく2番テーブルを片づけなイカ!」
栄子 「お前も働け!」
ゴルゴ「……」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:26:49.26 ID:PXmhu0qN0
悟郎 「おーっすイカ!エビチャーハン一つ…って誰だあんた!?」
ゴルゴ「了解した…」
イカ娘「あれ?悟郎の友達じゃないんでゲソか?」
悟郎 「そのマッチョはみんな俺の友達みたいな考え方やめろ!」
千鶴 「うちの新人のバイトさんよ、よく働いてくれて本当に助かるわ」
悟郎 「そ、そうですか!(クソッ、千鶴さんに評価されてる…羨ましい)」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:28:07.22 ID:PXmhu0qN0
営業時間終了
栄子 「ふー、終わった!おつかれさーん!」
イカ娘「早く帰って風呂に入るでゲソ!」
千鶴 「みんなお疲れ様。東郷さんも、初めてにしては上出来よ!もうあがっていいわ」
ゴルゴ「……わかった」
イカ娘「まったく東郷は無口な男でゲソ!」
栄子 「そういうお前は仕事中口ばっか動かしてないで手を動かせ!」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:29:28.99 ID:PXmhu0qN0
相沢家への帰路……
イカ娘「早く帰って風呂に入ってご飯食べてたけると遊ぶでゲソ!」
千鶴 「……」
栄子 「どうしたんだ?姉貴」
千鶴 「ううん、なんでもないわ!
(やっぱり何日か前から、この道で誰かの視線を感じる……嫌な予感がするわ)」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:30:35.83 ID:PXmhu0qN0
翌日、海の家れもん……
渚 「あ、あなたが新人さんですか…?…よろしくお願いします」
ゴルゴ「東郷だ……」
渚 「(私もこの人ぐらいの風格があれば、イカの人になめられないのかな…)」
早苗 「新人だかなんだか知らないけど、イカちゃんに手出したら許さないんだから!」
栄子 「ハイハイわかったわかった、今日も忙しいんだからどっかお前は行ってろ!」
ゴルゴ「……」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:32:43.86 ID:PXmhu0qN0
栄子 「まったく今日は忙しいな……ん?」
DQN1 「ねーねーいいじゃん、どうせ一人なんでしょ?」
DQN2 「そうだよ、この後俺たちと遊ぼうぜ?」
女性客「や、やめてください!」
栄子 「おい、あんたら!ナンパやるならよそで…っておい東郷さん!?」
ゴルゴ「……」
DQN1 「ああーん?なんだテメー」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:34:18.30 ID:rfwIBzIV0
ゴルゴのあの風貌を見て「あぁん?」とかつっかかれるDQNすげえ
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:34:43.69 ID:PXmhu0qN0
DQN1 「何見てんだコラ、店員だからって調子乗ってんじゃねーぞ」
ゴルゴ「……」ギロリ
DQN1 「なんだその眼はよ~?ああーん?ぶん殴られてーのかコラ」
DQN2 「おい……かっ、帰るぞ!」
DQN1 「……は?ってオイ!待てよ!」
栄子 「(すげえ……睨んだだけでナンパ男どもを撃退しやがった…!)」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:36:39.87 ID:PXmhu0qN0
DQN1 「待てよ!ビビって逃げやがって、テメーらしくねえじゃねえか」
DQN2 「あいつの眼…見なかったのかよ?やべーよあれは……人殺しの眼だ」
イカ娘「すごいでゲソ!睨んだだけで敵を追い払うだなんて、最強じゃなイカ!
私にもその能力を教えなイカ!そうすれば…」チラッ
早苗 「どうしてこっちを見るのイカちゃん!ひどい!」
女性客「すみません、ありがとうございます…!」
ゴルゴ「……俺は自分の仕事をしたまでだ」
イカ娘「私も東郷みたいに強くなりたいでゲソ!」
ゴルゴ「……」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:38:58.73 ID:PXmhu0qN0
営業時間終了
千鶴 「東郷さん、この後少し仕事の話があるんだけどいいかしら?」
ゴルゴ「……いいだろう」
千鶴 「みんなは先にあがってていいわよ!」
イカ娘「もしかして千鶴、さっきの眼力を東郷に教わるつもりでゲソね?!私も…」
千鶴 「イカ娘ちゃん、先にあがってていいわよ」
イカ娘「ううっ!わかったでゲソ……」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:40:19.02 ID:PXmhu0qN0
千鶴 「みんなちゃんと帰ったわね……」
ゴルゴ「……仕事の話ではないようだな」
千鶴 「……
あなたがここに来る何日か前から、私たちは誰かに監視されてる」
ゴルゴ「……」
千鶴 「……あなたが普通の人じゃないことは最初から何となくわかってる。
顔つき、体つき、体の傷、身のこなし方、そして……その目付き」
ゴルゴ「……」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:40:55.36 ID:h1UARkplO
眼力なら千鶴は既に持ってるじゃなイカ
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:42:22.68 ID:PXmhu0qN0
千鶴 「目的は……イカ娘ちゃんでしょう?」
ゴルゴ「……」
千鶴 「あなたがなぜここに来たかは聞かない。よく働いてくれてるし、
あなたが『ただのバイト』でいる限りいつまでもここにいてくれて構わない。だけど……
どんな理由であろうとも、私の家族に手を出したら――ただじゃおかないから」
ゴルゴ「……」
千鶴 「……もう帰っていいわ、お仕事、お疲れ様」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:45:11.59 ID:PXmhu0qN0
同日夜、相沢家付近……
ゴルゴ「(相沢家の周囲は住宅地で人目もあり、銃声は必ず誰かに聞かれる。
玄関付近や庭、そしておそらく室内にも、監視カメラがセットされていて警備は万全。
そして何よりも相沢家の長女、千鶴……
彼女が相沢家にいる限りは、家に侵入することは不可能だろう……だとすれば
……イカ娘がれもんにいて、かつ千鶴や客の目が彼女から離れたとき、か……?)」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:51:48.31 ID:ICc0IFRu0
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 18:59:16.79 ID:kokWR+fw0
なかなかおもしろいじゃない
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 19:44:49.29 ID:PXmhu0qN0
翌日、海の家れもん……
シンディ 「ハーイ、イカ星人!」ギュッ
イカ娘「離すでゲソ~!私は宇宙人なんかじゃないでゲソ!」
シンディ 「いいえ、あなたは宇宙人よ!今日も研究所に来て…と言いたいところなんだけど」
イカ娘「なんでゲソ?」
シンディ 「3バカが研究所にずーっとこもりっぱなしなのよ。なんか花火作りをまかせられたらしくて」
栄子 「え、花火ってもしかして、来週の海上花火大会のやつか?」
シンディ 「ええ、そうみたい。花火の技術を対宇宙生物用兵器に転用できる、とか言っちゃってバカみたい」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 19:46:18.25 ID:PXmhu0qN0
ゴルゴ「!……花火大会?」
栄子 「ああ、毎年この時期になるとこの海岸では花火大会があるんだよ。」
イカ娘「花火楽しみでゲソ!東郷は花火好きでゲソか?」
ゴルゴ「……少し興味はある」
栄子 「(あるのかよ!この人は顔に似合わない行動をとる人だな)」
イカ娘「じゃあ一緒に見ようじゃなイカ!
私は今度の花火大会が楽しみだから、こんなキツいバイトも頑張れるのでゲソ……」
ゴルゴ「……」
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 19:49:12.16 ID:PXmhu0qN0
翌日、由比ガ浜近辺・米国地球外生命体対策調査研究所……
ハリス「オーウ、この研究所にお客様とは珍しいデス!」
クラーク 「何の用デスカ?」
ゴルゴ「……作ってもらいたいものがある」
マーティン 「申し訳ありまセーン、僕たちは対宇宙生物…いえ、今度の花火大会の花火を作るのに忙しいのデースデース」
ゴルゴ「その花火に関することだ……5万ドル出す」
3バカ「ワァット!?」
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 19:52:19.21 ID:PXmhu0qN0
ゴルゴ「通常の花火より数倍音の大きい、連続した破裂音のする花火を作ってほしい……」
ハリス「技術としては別に大したことないのデスガ…」
クラーク 「一体なんのためにですカ?」
ゴルゴ「……5万ドルの額は、余計なことを聞かないことが条件だ…
毎秒10回の音を10秒間ほど持続できるものを作ってほしい」
ハリス「(そんな簡単な花火を作るだけで)」
クラーク 「(5万ドルももらえるだなんて)」
マーティン 「(こんなに美味しいことはナーイ!)」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 19:53:08.07 ID:Bu/H8t5K0
何となく全角半角の区別の理由がわかる気がする
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 19:54:12.08 ID:VrwqNpPo0
こいつらデイブ役かwwwww
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 19:55:37.57 ID:PXmhu0qN0
ゴルゴ「それから、その花火を花火大会の一番初めに打ち上げるよう運営に取り計らってくれ……」
ハリス「わかりました!」
クラーク 「あなたの言われたとおりの!」
マーティン 「最高の花火を作りマース!」
3バカ「イヤッフー!!!」
ゴルゴ「……」
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:00:29.52 ID:PXmhu0qN0
翌週、花火大会当日……
千鶴 「あら、もう閉店の時間ね!」
イカ娘「早く片付けて、ここから花火を見ようじゃなイカ!」
栄子 「だな、さっさと片付け始めるか!」
イカ娘「花火楽しみでゲソ!」
ゴルゴ「……」
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:01:50.99 ID:PXmhu0qN0
栄子 「片づけ終了!花火まであと30分か、なかなかいいタイミングで終わったな!
イカ娘、たける呼んできてくれ!」
イカ娘「わかったでゲソ!東郷もここで花火みるんでゲソね?」
ゴルゴ「ああ……ここで見物させてもらおう」
渚 「(へー…この人顔に似合わず花火好きなのかな、意外)」
千鶴 「……」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:03:58.15 ID:PXmhu0qN0
午後7時55分、花火開始5分前……
たける「もうすぐ始まるね、イカ姉ちゃん!」
イカ娘「たーまやー、でゲソー!」
栄子 「言うタイミング違うだろ!っていうかどこで覚えたんだ…
…あれ?そういえば東郷さんは?」
渚 「そういえば先ほどから見かけませんね」
千鶴 「(!……いなくなった!?)」
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:07:30.41 ID:PXmhu0qN0
千鶴 「(彼から目を離すべきじゃなかった…!)」
イカ娘「カウントダウン開始でゲソ~!」
千鶴 「(……嫌な予感がする)」
イカ娘「5!4!」
千鶴 「(もし彼が…本当にイカ娘ちゃんを狙っているとしたら)」
イカ娘「3!」
千鶴 「(花火……爆発音……)」
イカ娘「2!」
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:09:15.76 ID:PXmhu0qN0
千鶴 「!……まさか」
イカ娘「1!」
ヒュー……
千鶴 「イカ娘ちゃん!伏せて!」
イカ娘「うわっ!?」
パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ……
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:13:49.55 ID:PXmhu0qN0
午後9時、花火大会終了……
イカ娘「うーん!今回の花火はすごかったでゲソ!」
栄子 「だな、珍しく3バカが役に立ったな!
ただ最初の方の花火の音がでかすぎて、まだ耳がジンジンするよ」
イカ娘「それにしても千鶴、なんでさっきは私を押し倒したりしたのでゲソ?」
千鶴 「ごめんねイカ娘ちゃん、なんでもないの!
(花火の音に合わせて銃でも撃ってくるかと思ったけど、別に何もなかった
…それに、途中ですぐに東郷さんも帰ってきたし……なんか恥ずかしいわ)」
イカ娘「東郷!花火はどうだったでゲソ?」
ゴルゴ「ああ、楽しませてもらった……」
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:16:02.86 ID:PXmhu0qN0
イカ娘「たける!花火も終わったことだし、家に帰って遊ぶでゲソ!」
たける「うん、イカ姉ちゃん!(ちょっと眠いけど……)」
千鶴 「……東郷さん」
ゴルゴ「何だ……?」
千鶴 「……あなた
……いえ……何でもないわ」
ゴルゴ「……そうか」
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:20:11.86 ID:PXmhu0qN0
翌日、湘南新聞朝刊
「由比ガ浜沖で男性の銃殺遺体発見」
午後10時30分頃、由比ガ浜沖200㍍ほどを航行していた漁船の乗組員が、海上に浮いている
男性の遺体を発見し、110番通報した。
男性の頭部には銃のようなもので撃たれた跡があり、神奈川県警は殺人事件とみて捜査を始めた。
また同日午後11時頃には、付近で軍用ライフルとみられる銃を搭載した無人の小型プレジャーボートが
発見されており、県警はこの事件との関連性を調べている。
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:22:31.45 ID:A5bhEnXYO
デーン
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:22:33.11 ID:PXmhu0qN0
十日前
新江ノ島水族館……
依頼人「この奇妙な生き物の存在は我々の組織だけでなく、全世界にとっての
貴重な存在なのです。あなたには、イカ娘を魔の手から守ってほしいのです!」
ゴルゴ「……他をあたるんだな。俺はボディーガードの仕事など、引き受けるつもりはない……」
依頼人「言葉を間違えたようです、申し訳ございません……あなたへの依頼は、
イカ娘を殺そうとする暗殺者の排除、です……」
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:22:47.69 ID:DtruZDilO
悟郎…
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:24:42.96 ID:PXmhu0qN0
依頼人「誰が暗殺者を雇ったのかは分かっています。それは、我々の組織の裏切り者の男です。
裏切り者の処理は我々で行いました。しかし、暗殺者の正体がいまだに分からないのです。
暗殺者の人数は一人ということ、すでにこの国に来ているということ、そして
あなたほどではないにしてもかなりの狙撃の技術を持っている、ということ以外に我々は
何一つ情報をつかめていないのです。」
ゴルゴ「……」
依頼人「顔も形も分からない暗殺者を殺せるのは、Mr.デューク東郷、あなたしかいないのです!」
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:25:25.11 ID:PXmhu0qN0
依頼人「お願いです!我々の願いを聞き入れてもらえないでしょうか…?」
ゴルゴ「一つ聞くが、なぜ俺に依頼する?お前の言う額があれば、俺以外の優秀な兵士を、
何人でも雇うことができるだろう」
依頼人「イカの娘の存在を話したところで、誰がよろこんで仕事を引き受けてくれるでしょうか?
気が狂った依頼人のもとで働きたがる傭兵など、そう多くはいないでしょう。
我々はあなたなら資料の中身ではなく、私の誠意で判断してくれるはずだ、と思ったのです。
どうかお願いします!我々の言葉は、調査は、すべて真実です!」
ゴルゴ「……その娘がどんな人間だろうと、どんな生物だろうと、俺の仕事には関係のないことだ…
入金が確認でき次第、仕事に取り掛かろう……」
依頼人「おお!本当ですか!ありがとうございます、Mr.デューク東郷!」
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:28:57.28 ID:PXmhu0qN0
花火大会翌日、海の家れもん……
イカ娘「閉店でゲソ!」
ゴルゴ「千鶴……この後、仕事の話をしたい」
千鶴 「!……あら、わかったわ。ちょうど私もあなたに聞きたいことがあるの
……じゃあ、今日の片付けが終わったら話しましょう」
ゴルゴ「……」
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:29:10.79 ID:DDREKJTyP
ゴルゴっぽくないけど俺は好きだな
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:30:35.92 ID:PXmhu0qN0
数十分後……
千鶴 「今朝の新聞は読んだかしら、東郷さん?」
ゴルゴ「……」
千鶴 「……あの男の人を殺したのはあなたね?」
ゴルゴ「……」
千鶴 「先週あなたに、私たちは誰かに監視されてる、って言ったわよね。
今日一日考えてみたの。あの視線はあなたのではなくて、沖合で撃たれて死んでいた、
あの男のものだったんじゃないか、って」
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:31:59.93 ID:PXmhu0qN0
千鶴 「あの男は、沖からイカ娘ちゃんを狙った。
何百mも離れた、しかも揺れる小舟の上から狙うなんて相当な腕みたいね。」
ゴルゴ「……」
千鶴 「これから花火が打ち上がるっていう時にイカ娘ちゃんの方を向いている人なんて、
早苗ちゃんか、それこそイカ娘ちゃんを狙う殺し屋くらいのもの。
あなたは男をすぐに見つけて、男よりも先に、引き金を引いた。
そして、何百mも離れた、揺れる小さな的に、見事命中させた……」
ゴルゴ「……」
千鶴 「男は考えもしなかったでしょうね。自分よりすごいスナイパーが、
まさか海の家でバイトをしていただなんて……」
ゴルゴ「……」
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:33:54.22 ID:PXmhu0qN0
千鶴 「…といってもあなたがここでバイトを始めたのも、きっとイカ娘ちゃんを
あの男から守るためなんでしょうけど……違うかしら?東郷さん」
ゴルゴ「……よくできた作文だな」
千鶴 「ふふ、あなたが何者かはしらないけど、仕事のためにこんなところでバイトできるような
プロ根性だもの、簡単に教えてくれるわけないわよね」
ゴルゴ「で…それをどうする?…警察にでも話すか?」
千鶴 「いえ、そんなつもりはないわ。あなたは私の家族の、命の恩人だもの
……ただ、ちょっと引っかかることがあるの」
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:36:04.72 ID:PXmhu0qN0
千鶴 「研究所の3人に聞いたわ。知らない男が、音の大きい特別な花火の製作を依頼してきたって」
ゴルゴ「!……」
千鶴 「普通の音の花火でも銃声は隠せると思うし、隠せなかったとしても花火の音との違いなんて
普通の人は気づかないわ。(もちろん私なら分かるけど……)
その上あなたならきっと、銃声がばれたとしても簡単に逃げ切れる。
何か絶対に銃声を聞かれたくない理由があったの?」
ゴルゴ「……」
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:38:55.27 ID:PXmhu0qN0
千鶴 「まあ、あなたほどのプロなら、どんな小さな証拠も残らないようにするのかもしれないけど。
……まあ、これ以上私があなたに言いたいことはないわ。
……それより、何か話があるんでしょう?」
ゴルゴ「……明日でれもんのバイトをやめるつもりだ」
千鶴 「……そう」
ゴルゴ「それから……
……あの男が『誰か』よりも引き金を引くのが遅れたのは、
花火大会が始まる直前に、千鶴がイカ娘をすぐに床に伏せさせたから、だろう……」
千鶴 「!……それはお礼の言葉として受け取ってもいいのかしら?」
ゴルゴ「バイト、世話になった……」
千鶴 「フフ、こちらこそ疑ったりしてごめんなさい。バイトも、色々と助かったわ!」
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:40:11.23 ID:PXmhu0qN0
2日後、海の家れもん……
イカ娘「キリッ」
千鶴 「……なあに、イカ娘ちゃん?寝不足か何か?」
イカ娘「そんなんじゃないでゲソ!これは昨日東郷に教えてもらった睨みでゲソ!キリッ!」
千鶴 「……東郷さんに?」
栄子 「ふーん、でもそんなんじゃ敵を追い払うどころか…」
早苗 「あーんイカちゃん!今のもう一回やって!睨んで!私を睨んで!」
イカ娘「ギャー!くるなでゲソ!」
栄子 「ほーらやっぱり早苗を呼び寄せた!」
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:41:36.75 ID:PXmhu0qN0
イカ娘「それにしても、1週間ちょっとでバイトを辞めるなんて、東郷は薄情者でゲソ!」
栄子 「東郷さんは最初からこのバイトは新しい仕事が見つかるまでだ、って言ってただろ?」
イカ娘「むう、そうでゲソが…
(何となく東郷なら千鶴に勝つ方法を知ってる気がしたから聞きたかったでゲソ…)」
渚 「(あの人ならイカの人の恐ろしさに気づいてくれると思ったのに……)」
栄子 「(あの人がいてくれれば客同士のトラブルは100%起こらないんだけどなあ……)」
千鶴 「……」
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:42:45.84 ID:PXmhu0qN0
千鶴 「(あの人がイカ娘ちゃんにああいうことを教えるなんて意外……
!……もしかしてあの人は、イカ娘ちゃんだけには銃声を聞かせたく無かったのかしら
……イカ娘ちゃん、花火大会をとっても楽しみにしていたみたいだし……)」
栄子 「おい姉貴、ボーっとしてるけど大丈夫か?……もしかして東郷さんのこと考えてた?」
悟郎 「!?」ガタッ
千鶴 「え、ええ……そうよ。とってもよく働いてくれたしね、東郷さん!」
悟郎 「……」
栄子 「悟郎のHPが、もう残り少ない!」
千鶴 「(まあいいわ。何を考えていても、何も考えていなくても、
大事な家族を守ってくれたってことには、変わりがないんだから……)」
END
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:44:01.13 ID:2QyqF0u/0
乙
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:44:20.68 ID:PXmhu0qN0
終わりです
ちょっとでも読んでくれた人ありがとうございます
作中で主要キャラ誰も死ななくてサーセン、ゴルゴ誰ともヤらなくてサーセン
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:45:08.80 ID:zgU5vRqOO
中々の良作、大儀であった
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:47:05.06 ID:U8w9tYQh0
イカ娘ちゅっちゅ
乙でゲソ!
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:49:14.89 ID:sWK6xYYv0
千鶴「バイト代の他に……特別報酬受ける気はない……?」シュルッ
ゴルゴ「……」スッ
千鶴「ああ……なんて逞しいの………」ジーッ
みたいな要素も欲しかったなw
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:49:30.23 ID:PXmhu0qN0
読み返してみるとゴルゴ甘すぎですね、千鶴のサポなかったと思うと……
そして3馬鹿の口封じが足りなかった、南三……
あと完全にネタ切れなので、これ以上は書けません
以下ゴルゴかイカ娘を語るスレとしてでも使ってください
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:51:43.70 ID:i6RwWkGXO
余計なことをしなければ
ゴルゴはもっと甘いと言うか
優しいからなぁ
小さいことでも許さないときは
即殺すけど
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 20:55:48.33 ID:h1UARkplO
基本、ゴルゴは子供には優しい
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 21:07:43.64 ID:+X2FbIU1P
>>162 千鶴のサポートがなくても仕事を完遂する自信があったということでしょう。
それに三馬鹿には足がつくような情報は渡していないし問題ないのでは。
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/17(木) 21:17:04.69 ID:S2B2mxAl0
乙でした
さいとう たかを
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っていう流れで無くて良かったw