1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 20:59:23.01 ID:8+Xjbhz70
俺は愛する街、風都を守るために戦っている。
愛する街が生み出し、自身を傷つけてしまっている存在と。
しかし・・・・今回の相手はちょっと違っていた。
俺は街を泣かせようとする“外敵”と戦うことになるのだった。
その戦いは、あのちょっと変わった“侵略者”の訪れと共に幕を開けた。
『少女…Ⅰ/イカはインベーダー』
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:01:01.03 ID:8+Xjbhz70
照井「これが昨日一日で押収分のガイアメモリか。」
刃野「ミュージアムが潰れたってのに、相変わらず盛況ですねえ。」
照井「生産されたメモリ自体が消える訳ではないからな。
後は精製不十分のまがい物を作って流したりだとかもあるか。
管理する連中が居なくなって野放しな分、厄介な面もあるな。」
刃野「今や子供も含めて、この街の誰がメモリを持っていてもおかしくない状況ですしね。」
照井「ああ。そうした場合、適合体質なんかも無視していることが多いから、
以前よりもガイアメモリの“毒”にやられるケースが増している。」
刃野「だから、わざわざメモリブレイクせずにこうやって回収してるんですよね、
中毒患者治療の研究用に。面倒ですよね・・・・おっ、こいつはまたレアな。」
照井「まあそれが我々の仕事だからな。」
刃野「あーあ、たまには面倒な仕事は忘れてパーッと海にでも行きたいもんだ、ってな。」
照井「こら、勝手にいじるな。」
刃野「大丈夫ですって、別にコネクタなんかつけてな・・・・」
カチッ \オーシャン!/
・・・・カッ!!
刃野「えっ?」
瞬間、部屋中を閃光が包んだ。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:02:33.24 ID:8+Xjbhz70
亜樹子「今回の一件、いよいよ大詰めだね!」
翔太郎「ああ、後はメモリ使ってる奴をおびき出してとっ捕まえるだけだ。」
フィリップ「かつてのゴキスターに心酔しての摸倣犯か。」
翔太郎「サイト開設だのやり口だの、殆ど全てを踏襲している分、
しっぽを引っ掴むのは楽だったな。」
フィリップ「ただ、詰めを誤らないようにしないとね。」
翔太郎「コックローチは結構やっかいなドーパントだったからな。」
フィリップ「照井竜にも応援を頼んでおこうか。」
翔太郎「そうだな、アクセルトライアルのスピードなら心強い。」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:03:41.75 ID:8+Xjbhz70
コンコン ガチャッ
照井「邪魔するぞ。」
翔太郎「お、丁度いいところに・・・・って、なんじゃその連れてるもんは!」
フィリップ「女の子?」
亜樹子「竜君に隠し子が居ただなんて、私聞いてない!」
照井「違う。」
亜樹子「じゃ、じゃあまさかロリコン!?」
照井「もっと違う、刃野警部が元凶だ。」
暗い顔をした刃野警部が照井の後から入って来た。
刃野「・・・・よう。」
翔太郎「えっ、まさか刃さんのお嬢さん!?」
刃野「まさか、ってどういう意味だよ。」
翔太郎「すいません。でも驚きましたよ。
付き合い長いのに、娘さんが居るなんて言ってくれないんですもん。」
刃野「いや、俺の子じゃない!もっと大変なんだ。
どうしよう翔太郎、俺のせいで地上はお終いだあ!!」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:05:15.05 ID:8+Xjbhz70
翔太郎「はぁ?どういうことなんですか。」
刃野「俺が海の神様の使いを呼び出してしまったんだ!
海の神様の怒りで地上は侵略されてしまうんだ!!」
翔太郎「海の神の使い、ってそいつは今どこに?」
イカ娘「ここに居るでゲソ!」
ふんぞり返ったイカ娘が声も高らかに宣言した。
翔太郎「え、どこどこ?」
イカ娘「目の前に居るじゃなイカ!」
翔太郎「だからどこだよ?」
イカ娘「こら、こっちを見なイカ!!」
翔太郎「刃さん?」
イカ娘「怪訝な顔して無視するのはやめなイカ!」
刃野「ああっ、すいません、すいません。翔太郎、お前も謝れ!」
翔太郎「え、海の使い?こいつが?」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:06:38.26 ID:8+Xjbhz70
イカ娘「海を汚す愚かな人類を侵略するためにやって来た海からの使者、イカ娘でゲソ!!」
翔太郎「お譲ちゃん・・・・この人はね、『騙され上手』だから確かに“面白い”のは分かる。
だがな、大人をからかっちゃあ・・・・(クルッ)・・・・いけないぜ!(ビシッ)」
イカ娘「嘘じゃないでゲソ!」
翔太郎「もうそんな変な喋り方もこんな変な帽子もやめて楽になりな。
君はありのままの自分で居ていいんだぜ。」
イカ娘「あ、こら!私を殺す気か!?これがありのままの私でゲソ!
そもそもお主こそ変な喋り方や帽子じゃなイカ!」
翔太郎「なんだとぉ!このハードボイルドさが分からないのか?」
イカ娘「ハードボイルド・・・・って、何でゲソ?」
フィリップ「ハードボイルドとは『固ゆで卵』の暗喩に由来し、
探偵小説なんかで見受けられる人物の様な・・・・」
亜樹子「フィリップ君スイッチ入れちゃ駄目!!
えーっとね、簡単に言うと『何事にも動じない、強い男の生き様』のことかな。」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:07:53.33 ID:8+Xjbhz70
翔太郎「カッコいいだろう?」
イカ娘「お主のどこがハードボイルドなのでゲソ?」
翔太郎「おい!醸し出すオーラ、立ち居振る舞い、全てがハードボイルドじゃないか。
お前こそ、どう見ても海からの使者じゃなくって単なるコスプレ少女だろうが!」
イカ娘「なっ、撤回しなイカ!」
翔太郎「お前がな!」
亜樹子「もうやめな、翔太郎君。」
照井「子供相手にムキになって張り合っている時点で全然ハードボイルドじゃないぞ。」
フィリップ「まさにハーフボイルド、半熟卵だ。」
イカ娘「ハーフボイルド・・・・それならピッタリじゃなイカ。あっはっは!」
翔太郎「うるせえ!照井、連れ立って俺をからかいに来たのか?」
照井「もちろん違う。今回は探偵への依頼人としてここに来たんだ。
この子の家をフィリップの検索で調べてほしい。」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:08:37.28 ID:8+Xjbhz70
翔太郎「・・・・それって海じゃないのか?」
イカ娘「地上侵略の拠点があるのでゲソ。」
翔太郎「ふうん、迷子か。それなら警察の方が専門なんじゃ。」
イカ娘「迷子じゃないでゲソ!失礼なことをいうのはやめなイカ!」
翔太郎「でも、その拠点が分からないんだろ?」
イカ娘「うっ・・・・そ、それは変な事が起きたせいでゲソ!!」
翔太郎「変な事?」
照井「それも恐らくはガイアメモリ絡みでな。だからここに来たという訳だ。」
翔太郎「分かった・・・・早速状況を聞かせてもらおうか。」
翔太郎がそれまでと打って変わって、厳しい探偵の顔になった。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:09:19.74 ID:8+Xjbhz70
クラーク「困りマシター。」
マーティン「どうシヨウ・・・・。」
ハリス「まずは落ち着いて考えルンダ。」
三人がなにやら騒いでいるところに白詰襟を着た女が入って来た。
「例のものに関して視察に来た。面会時間は15分だ。」
手の中のストップウォッチを見ながら、淡々と告げる。
ハリス「あ、ネオンサン。」
マーティン「それが、アクシデントで・・・・。」
「なら、それを話せ。」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:10:16.85 ID:8+Xjbhz70
クラーク「・・・・という訳なのデース。」
ハリス「そしてこれがターゲットに付けた発信機のデータなのデスガ・・・・。」
マーティン「奇妙なことにGPSで得たデータが世界中の地図と一致しまセン。」
クラーク「サノバビッチ・・・・。」
「・・・・この地形は。」
拡大縮小を繰り返される地図を見た女がつぶやく。
「そうか、分かった。報酬は今まで同様、貴金属類で払う。受け取れ。」
マーティン「いいんデスカ!?」
「後はこちらで処理する。」
マーティン「やりマシター!」
クラーク「今夜は焼肉デース!!」
「では、研究を継続しろ。」
手にしたストップウォッチが丁度15分を示すのを目にし、女は踵を返した。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:10:46.36 ID:GqtLJVyN0
④
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:12:11.91 ID:89r19szt0
うん?
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:13:28.91 ID:8+Xjbhz70
>>13 分かりにくくてすみませんが、
>>9から
>>10で場面が切り替わったということでよろしくお願いします
シンディ「あら、お客さん?珍しい。」
部屋に入って来たシンディが鉢合わせした。
クラーク「その人は我々のスポンサーデス。」
ハリス「成果の視察に来たのサ。」
シンディ「あらそうなの?私はシンディー・・・・。」
だが、女はシンディなど存在しないかのような態度で通り過ぎてしまった。
シンディ「何よ、スポンサーだからって失礼な態度。」
マーティン「まあまあ、彼女は時間に厳しいだけダヨ。」
ハリス「世界を股にかけて活躍しているのダカラネ。」
クラーク「シンディの事は居ないと思って話してませんデシタシネ。
何か用があって戻って来たんデスカ?」
シンディ「そうそう、イカ星人が来てるんですって?」
3バカ「「「・・・・ア。」」」
シンディ「あ、って何よ!?」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:14:39.69 ID:8+Xjbhz70
早苗「イカちゃんに何したのよ!!」
シンディ「ちょっと、勝手に入ると危ないかも、って言ったじゃない。」
早苗「私よりイカちゃんの危機の方が重要よ!
どうせ解剖調査とか言って、イカちゃんを1枚1枚剥ぎ取って・・・・
その真っ白でつるつるな柔肌を・・・・はぁー、はぁーー・・・・!」
シンディ「失礼ね、貴重な個体に解剖なんて野蛮で危険な真似しないわよ。」
栄子(スルー力が高いのか、気付いてないだけなのか・・・・)
クラーク「おや、本日は皆サンお揃いデ。」
早苗「イカちゃんが拉致されたと聞いて駆けつけたのよ!」
ハリス「人聞きが悪いデスネ。」
シンディ「私達は友好が目的だから、誰かさんと違って
イカ星人の意思は尊重しているじゃない。」
早苗「イカちゃんの意思を踏みにじる邪悪な存在が!?許せない!」
栄子(お前だ、お前・・・・こっちは素で気付いてないな)
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:15:22.99 ID:8+Xjbhz70
クラーク「ともかく、我々は同意の下で来てもらったんデスヨ。」
千鶴「すみません、丁度お店の方も休みだし、
いい機会だから見学させてもらおうかと思って。」
ハリス「HAHAHA!構いまセン、宇宙人の素晴らしさを肌で感じて帰ってくだサイ。」
マーティン「おとといきやがれデース。」
栄子「それ意味違う。・・・・で、イカ娘はどこなんだ?」
早苗「そうよ、だから何をしたのよ!」
マーティン「何もしてまセン。」
栄子「でも関与はしてるんだろ?」
ハリス「オーウ・・・・。」
クラーク「何をどう言えばいいノカ・・・・。」
千鶴「あなた達・・・・。」
クラーク「なんデス?」
千鶴「だったら、洗いざらい話しなさい。」
3バカ「「「ハイッ!」」」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:17:03.41 ID:8+Xjbhz70
ハリス「ヨウコソ。」
クラーク「ゆっくりしていってくだサーイ。」
イカ娘「さっさと帰りたいでゲソ。早くその海の力とやらをくれなイカ?」
案内する2人の後を歩くイカ娘は、露骨に警戒を示している。
ハリス「つれないデスネー。」
イカ娘「どうせ長居してもロクでもないことに巻き込まれるだけでゲソ。」
クラーク「これデス。」
イカ娘「これが?おもちゃじゃなイカ?」
その言葉通り、机の上にずらりと並ぶものには何の変哲も無さそうだ。
ハリス「まあ見ていタマエ。」
腕に何かを装着したハリスが、その内の一つを挿し込んだ。
カチッ
\インビジブル!/
イカ娘「ハリスが消えたでゲソ!」
ハリス「どうダイ?“透明”のパワーがこめられたメモリのおかげサ。」
18 :
※入れ忘れたけれど>>17は<<約30分前のお話>> :2011/01/30(日) 21:19:48.74 ID:8+Xjbhz70
イカ娘「いや・・・・もしかしたら今までのが3Dの偽物だったんじゃなイカ?
それで声だけどこかから出しているトリックに違いないでゲソ。」
クラーク「意外と疑り深いですネー。」
イカ娘「お主らの場合、何でもアリだから注意しなくてはならんのでゲソ。」
ハリス「では、触って確かめてみマスカ?」
イカ娘が声のする方へ手を伸ばすと、確かに人間の感触があった。
イカ娘「ほ、本当に触れるじゃなイカ!」
ハリス「HAHAHA、このメモリのおかげで透明化スーツの小型化に成功したヨ。」
イカ娘「すごいでゲソ!ないのにある!!」
ぺたぺた・・・・。
ハリス「オフゥ・・・・そんなところ触らないでくだサイ・・・・。」
イカ娘「確かにこの力があれば・・・・!」
ぐっ!
ハリス「握ってはイケマセーン!」
クラーク「千鶴サンには敵いませんヨ。」
ハリス「フゥ・・・・透明化スーツは通用しませんデシタ。」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:20:52.60 ID:8+Xjbhz70
イカ娘「えっ!?千鶴・・・・やはり恐ろしい女でゲソ。」
ハリス「それにあなたにはもっとピッタリなものがありマース。」
クラーク「なんと“海”の力のメモリなのデス。」
イカ娘「おおっ!私にふさわしいじゃなイカ。
それがあれば地上を洗い流す大津波とか使えるのでゲソか?」
クラーク「それは分かりまセーン。」
ハリス「使用者によって能力の引き出され方は変わるノサ。」
クラーク「メモリを使ってもいいですから、データを取らせてくだサイ。」
イカ娘「データ?」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:21:50.77 ID:8+Xjbhz70
クラーク「我々が受けたバイトみたいなものデース。
メモリのパワーが引き出されている時に、
エネルギーがどうなっているかとかを見たいのデス。」
イカ娘「メモリは自由に使ってもいイカ?」
ハリス「好きに使いタマエ。」
クラーク「極限までパワーを引き出した時のデータが取れれば十分デス。」
イカ娘「じゃあちょっとだけやってみるでゲソ・・・・。」
ハリス「まずはスイッチを押してメモリを起動スル。」
イカ娘「こ、こうでゲソね・・・・。」
マーティン「アレ?・・・・あーっ!イケマセン!!」
ハリス「どうしたンダイ、マーティン?」
マーティン「それはネオンさんに見せるための特別ナ・・・・。」
イカ娘「へっ?」
カチッ!!
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:23:16.96 ID:8+Xjbhz70
<<現在に戻る>>
クラーク「次の瞬間、メモリから発された光とともに彼女は消えてマシタ。」
シンディ「もしかしたら母艦が迎えに来たんじゃない!?」
栄子「今の流れでどうしてそうなるんだよ。
まさか、うちの店みたく消したんじゃないだろうな!」
早苗「イカちゃんが消滅!?」
クラーク「それは大丈夫かと思いマス。」
早苗「無責任なこと言わないでよ!」
クラーク「彼女が使ったメモリに付けておいた探知機の反応がアリマシタ。
おそらくは、近くに居るはずデス。」
千鶴「イカ娘ちゃんが無事という証拠は?」
栄子「居場所が分かるんなら確認できないのか?」
マーティン「アウ・・・・それが、反応のある場所の地形が世界地図と合致しまセン。」
栄子「結局、行方不明なんじゃねーか!」
千鶴「そのメモリってのはあなた達が作ったの?」
クラーク「NO、ネオンさんから提供されマシタ。」
早苗「そのネオンってのは何者なのよ。」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:24:17.57 ID:8+Xjbhz70
マーティン「実は我々もあまり知りませんガ・・・・。
そう言えば、彼女は何か心当たりがあったような・・・・。」
シンディ「さっきの女、ってこの小部屋に入ったアイツよね。」
そう言って扉を開けたが中には誰も居ない。
シンディ「嘘!?出入り口は他に無いし、入った後出て行ってもないのに!」
クラーク「ああ、転送して帰ったんデスヨ。」
シンディ「転送?」
ハリス「彼女は異世界からやって来るんデス。」
カラカラと笑いながら言ってのけた。
栄子「待て!今ありえない言葉が飛び出たろ!?」
クラーク「何がデス?」
栄子「異世界人とかなんだよ!お前らの場合、本当っぽくて怖いわ!!」
ハリス「無論本当サ。」
マーティン「彼女は世界を股に掛けて活躍するエージェントなんダヨ。」
シンディ「あれってそういう意味だったの!?」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:24:59.02 ID:8+Xjbhz70
栄子「宇宙人の時との温度差がすごいな。」
ハリス「まあ、単なるパラレルワールドの地球人だからネ。」
クラーク「差別はいけまセーン。」
マーティン「漫画版とアニメ版、みたいナ?」
栄子「なんでそうあっさりなんだよ!宇宙人並に大ごとだろ!!」
ハリス「ただの異世界人には興味アリマセーン。」
クラーク「超能力者とかクソクラエデース。」
マーティン「未来人は長生きすれば会えマース。」
栄子(なんかムカツク・・・・)
千鶴「本当だとしたら、イカ娘ちゃんの居場所に察しがついたという事は・・・・。」
3バカ「「「ア!!」」」
マーティン「調べてみマス!」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:30:05.55 ID:8+Xjbhz70
マーティン「確かに、ネオンさんの世界の地図だと一致がありマシタ。」
栄子「本当にお前らあっさりだな。」
クラーク「元々情報のやり取りはしてましたシネ。」
早苗「じゃあ、イカちゃんも異世界に居るかもしれないの?」
クラーク「そういうことになりマース。」
シンディ「帰って来られるの?」
クラーク「それはまだ分かりマセン。」
ハリス「仮に異世界に行ってたとシテ、それの原因がメモリかも不明ダシネ。」
マーティン「単純にまたメモリを使えばいいのナラ、自力で帰って来そうなものデスシ。」
早苗「そんな・・・・私は愛するイカちゃんのために何も出来ないの・・・・。」
千鶴「・・・・例の転送装置っていうのは、私達にも使えるのかしら?」
クラーク「え?ハイ、そのはずデスガ・・・・。」
千鶴「なら、私達に出来るのは迎えに行くことだわ。」
クラーク「デモ、あの装置は一方通行なのデス。」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:30:55.18 ID:8+Xjbhz70
マーティン「それと、先程も言ったヨウニ、メモリで帰れるなら帰ってきてるはずデス。
異世界へ迎えに行ったとしても事態が好転するトハ・・・・。」
千鶴「移動時のアクシデントでメモリを失った可能性もあるわ。
それに帰る方法なら、行った先の世界には確実にあるはずよ。」
シンディ「・・・・あ、ネオンって女がここに来る装置!」
マーティン「しかし・・・・正直彼女は協力的ではナイかと・・・・。」
千鶴「大丈夫よ、“穏便に”交渉するから。」
栄子(穏便に、ね・・・・笑顔で言ってる分だけ怖いよ姉貴・・・・)
クラーク「・・・・分かりマシタ。セッティングは任せてくだサイ。」
3人がなにやら機械をいじくり始めた。
早苗「だったら私も行くわ!イカちゃんが寂しい思いをしてるのに待ってなんていられない!」
千鶴「そうね、二人くらいは居た方がいいかも。」
栄子「じゃあ私も!」
千鶴「栄子ちゃんはここで待っていて。」
栄子「なんでだよ?私だってイカ娘を・・・・。」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:34:29.51 ID:8+Xjbhz70
千鶴「こういう時にはね、後方の拠点を守る存在も重要なのよ。
栄子ちゃんのやるゲームでも本拠地を失ったら負けでしょ?」
栄子「残るメンバー・・・・。」
シンディと、そして3バカに目をやる。
栄子「分かった、守りは任せてくれ!立派にアーダンするよ。」
千鶴「あと、もしも長引いたら・・・・私が居ない間の海の家はよろしくね。」
栄子「姉貴・・・・縁起でもないこと言うなよ。すぐに帰って来るって約束してくれよ!」
千鶴「そうね、約束するわ。きっと帰って来る、イカ娘ちゃんと3人で。」
3バカ「「「できまシター!!」」」
栄子「はやっ!!」
クラーク「イカ星人移動時の空間の歪みを追跡し、到着地点を決めマース。」
シンディ「探知機の位置でいいんじゃないの?」
ハリス「それはあくまでもメモリの位置だからネ。
イカ星人くらいの大きさのものなら、もっと痕跡が生じるハズダ。」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:37:22.75 ID:8+Xjbhz70
マーティン「通信機デス。ネオンさんとのやり取りに使う物を応用した小型版デス。」
クラーク「ただ、エネルギー切れの恐れがあるから、使い所に気をつけてクダサイ。」
マーティン「あと、ネオンさんが居るかは分かりまセンガ、
彼女が帰る時の目標ポイントを示す地図デス。」
千鶴「ありがとう。まずはイカ娘ちゃんと、そして一応メモリを見つけるわ。
それで帰れないようだったら・・・・ネオンという人を探して陳情ね。」
栄子(ああ、確かについていかない方がお互いのためかも)
早苗「でも、メモリってどういうのなの?」
クラーク「サンプルをお渡しシマス。」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:38:17.34 ID:8+Xjbhz70
早苗「これ?確かに一見ただのおもちゃみたい。」
栄子「おいおい、こいつも物騒なこと起こさないよな?」
クラーク「それはガワだけ変えたもので、中身はただのレコーダーデス。」
早苗「ふうん・・・・。」
カチッ
\私は宇宙人でゲソ!/
栄子「なんだこりゃ!?」
シンディ「3バカもいいもの作るじゃない!」
栄子「目を輝かすな。」
ハリス「HAHAHA、これぞまさにゲソウィスパーなのサ。」
マーティン「腰も砕けちゃいマース。」
カチッ カチッ カチッ・・・・
\私は宇宙人でゲソ!/ \私は宇宙人でゲソ!/ \私は宇宙人でゲソ!/・・・・
早苗「うふふ・・・・しゃーわせー・・・・(ダラー)」
栄子「早苗、行く前にまず帰って来い。」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:40:42.61 ID:8+Xjbhz70
千鶴「じゃあ行って来るわね。」
シンディ「気をつけてね。」
マーティン「基本的には我々の世界とあまり変わらないはずデス。」
栄子「二人とも、よろしく頼むよ。」
早苗「分かった、栄子の分も頑張ってくるから。」
クラーク「ではチェンジシフト・転送!」
シンディ「・・・・あら?」
栄子「今、何か爆発するような音がしなかったか?」
マーティン「・・・・オゥ、マシンが壊れてマス。」
ハリス「やはり二人乗りがキツかったノカ。」
マーティン「重量オーバーだったりシテネ。」
栄子「お前らー!」
クラーク「待ってくだサイ、信号を見ると転送自体は成功していマス。
使う場面があるか分かりマセンガ、機械もすぐに直しマス。」
シンディ「手伝うわ。」
栄子「ああ、肉体労働だったら私にもやらせてくれ。」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:49:40.96 ID:8+Xjbhz70
<<ふたたび風都>>
翔太郎「なるほど、大体分かった。」
フィリップ「そのメモリ、興味深い。」
亜樹子「何のメモリなの?」
フィリップ「ガイアウィスパー・・・・起動音声は分かるかい?」
イカ娘「確か・・・・『ゾーサン』だったでゲソ。」
翔太郎「はあ?なんだそりゃ、パオーン、パオーンってことか?」
刃野「ははは、翔太郎、なかなか上手いじゃねーか。」
亜樹子「アクションは要らないから。」
イカ娘「こやつは根っからハードボイルドには向いてないでゲソ。」
フィリップ「うーん・・・・そんなメモリ知らないな。」
照井「そもそもエレファントとかになるんじゃないのか、通常。」
フィリップ「それもそうだが、似た響きのメモリにも心当たりが無い。」
亜樹子「もしかして、それがネオンって女に見せる理由?」
翔太郎「特殊なメモリが出来た、ってことか・・・・って、あー!!」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:52:13.09 ID:8+Xjbhz70
照井「どうした?」
翔太郎「もうすぐ13時になっちまうじゃねーか!」
照井「ああ、もう少しで1時だな。昼食まだだったとかか?」
翔太郎「違う。例のゴキスターの猿真似野郎との面会時間だ。」
照井「なに?」
亜樹子「私が偽の依頼人になっておびき出すの。」
フィリップ「その時間が13時、ゴキスターとは違う犯人オリジナルのこだわりさ。
『13時のスナイパー』というコードネームに合わせてね。」
照井「なるほど、一旦そちらに行かねばだな。」
翔太郎「そんでだ、照井にも協力してもらおうと思ってな。」
照井「無論だ。ドーパント事件解決のためだし、何より愛する妻の安全ためだ。」
亜樹子「あーん、もう竜君ったらー!!」
照井「おい、こんなところで・・・・。」
翔太郎「なんか変わったな、照井。結婚するとああなのかねえ。」
フィリップ「ベクトルが変わっただけで熱量自体は変わってない気もするけどね。」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:54:44.47 ID:8+Xjbhz70
刃野「なんだ翔太郎、大捕り物か?」
翔太郎「まあな。」
刃野「俺の役目はいつも通り・・・・。」
翔太郎「ああ、刃さんには探偵事務所の留守を頼む!」
刃野「よっしゃ、任せとけ!」
イカ娘「威張るこっちゃないでゲソ。」
刃野「はっはっは、後方の守りってのも大切なんですよお。」
翔太郎「今回はイカ娘の面倒も頼む。」
イカ娘「私も行くでゲソ。」
翔太郎「馬鹿言うな、危険だぞ。遊びじゃないんだ。」
イカ娘「平気でゲソ。自分の身くらい守れるでゲソ。」
翔太郎「そういう油断する態度が危険なんだよ!」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:55:49.95 ID:8+Xjbhz70
イカ娘「ははーん、分かったでゲソ。」
翔太郎「なんだよ。」
イカ娘「またヘマをしてハーフボイルドっぷりを披露するのが怖いのでゲソね?」
翔太郎「まさか。こう見えても俺は場数を踏んでるんだぜ。」
イカ娘「そ、う、い、う、油断する態度が危険なんじゃなイカ?」
顔も口調も、イカにも小ばかにした感じだ。
翔太郎「ほーう、口だけは達者だな。」
イカ娘「まっ、誰かさんには敵わないんじゃなイカ?
お主がそうまで来るなと言うのなら、
私はここでご立派な武勇伝を待っていてやるでゲソ。」
そんな態度が、あっさりと翔太郎の許容量を上回ったようだ。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 21:56:58.51 ID:8+Xjbhz70
翔太郎「よーし、お前にハードボイルドな探偵のカッコ良さを拝ませてやる。
ついて来やがれ!亜樹子、お守りは頼んだぞ。」
亜樹子「ちょっと、翔太郎君。」
イカ娘「なら、お手並みを拝見してやろうじゃなイカ。」
翔太郎「行くぞ、フィリップ!」
フィリップ「待ってよ、翔太郎。僕が同行するメリットは無いだろ?
むしろリスクが増すだけだ。」
翔太郎「お前が居ないとポーズが決まらないだろうが!」
フィリップ「分かったよ、ついていく。亜樹ちゃん、悪いけどよろしくね。」
亜樹子「はいはい、もうどーんと任せといて。」
フィリップ「やれやれ。沸点が低いのに半熟ってのも妙な話だ。」
亜樹子「なんか、もうイカ娘ちゃんに扱い方を覚えられちゃってるね。」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:03:13.35 ID:8+Xjbhz70
暗いトンネルの中、亜樹子が腕時計に目をやる。
亜樹子「そろそろ時間だけど・・・・。」
イカ娘「こんな暗い所に呼び出して遅れるとは失礼な奴でゲソ。」
亜樹子「駄目よ、お願いするのはこっちなんだから。」
「・・・・用件を聞こう。」
イカ娘「ひっ、何か変なのが居たでゲソ!」
亜樹子「やっつけたい相手が居るんです。」
「誰だ?」
亜樹子「かつてゴキスターを倒した、仮面ライダーって知ってる?」
「知っているとも!あいつらは、風都を守るなどとのたまっていたが、
同じように街を清めようとし、支持を集めたゴキスターを排除した卑怯者だ!」
亜樹子「そのライダー、ダブルっていうんだけど。」
「話せ。俺が倒してやる!」
亜樹子「あなたのルールには違反するけど、情報提供者を2人呼んでるの。」
逆光を背に受けて、二人の男が歩み寄ってくる。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:04:46.32 ID:8+Xjbhz70
「なんだお前達は?」
二人の背後の方へと、亜樹子とイカ娘が回り込んだ。
フィリップ「お望み通り、ゴキスターを倒した仮面ライダーと戦わせてあげるよ。」
\サイクロン!/
翔太郎「ただし、倒されるのはお前の方けどな。」
\ジョーカー!/
「そうか・・・・そこの女・・・・。」
亜樹子「やっつけたいのは、あんたみたいな悪党よ!」
翔太郎・フィリップ「「変身!」」
\サイクロン!/\ジョーカー!/
W「さあ、お前の罪を数えろ!!」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:06:42.38 ID:8+Xjbhz70
翔太郎「決まった・・・・決まり過ぎた。おい、イカ娘、ばっちり見てたか?」
イカ娘「フィリップ、フィリップ、目を開けなイカ!
戦う前から死んではイカんでゲソ!!」
イカ娘は亜樹子に抱かれてぐったりしているフィリップの身体を必死に揺すっていた。
翔太郎「・・・・見てなかったみたいだな。」
フィリップ「ありがとう、イカ娘ちゃん。でも僕は無事だよ。」
イカ娘「へ、フィリップの声?」
亜樹子「あのね、ダブルに変身するとフィリップ君の精神が翔太郎君の身体に宿るの。
ほら、さっき使ってた緑のメモリがダブルの腰のところにあるでしょ?
あれと一緒に移動したのよ。」
イカ娘「ほっ・・・・驚かすのはよさなイカ。」
翔太郎「やれやれ、侵略者気取りなのにとんだ甘ちゃんだな。」
フィリップ「僕はそういうの嫌いじゃないけどね。誰かさんみたいで。」
翔太郎「ほーう、何か言いたげだな。」
フィリップ「別に?何か心当たりでも?」
翔太郎「いーや、ちっとも。」
フィリップ「・・・・そうか、もしかしたら・・・・。」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:08:05.51 ID:8+Xjbhz70
コックローチドーパント「貴様らー!コケにしやがって!!」
W「おっと。」
コックローチドーパントがWに飛び掛かり、矢継ぎ早に攻撃を繰り出した。
翔太郎「こいつ、結構やるじゃねえか。」
フィリップ「スピードに関しては本家のゴキスターと同等、いや、それ以上か?」
翔太郎「だが、パワーは大したことねえ。こっちが有利だ!」
コックローチドーパント「・・・・くっ。」
コックローチドーパントの方も易々倒せる相手ではないと判断したのか、
誰も居ない、反対側の出口へと向かって踵を返す。
照井「お前は俺が逃がさん、変・・・・身!!」
\アクセル!/
待ち伏せていた照井竜が、仮面ライダーアクセルに変身して反対側から迫る。
コックローチドーパント「ちっ・・・・。」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:09:27.89 ID:8+Xjbhz70
翔太郎「ゴキブリ退治なら、棒で叩いて熱消毒かな。」
\ヒート!/\メタルゥ!/
翔太郎「うおぉぉぉぉ!!」
しかし、破壊力はあるが鈍重な攻撃はなかなか当たらない。
翔太郎「ちょこまかしやがって!!」
焦って大振りになったメタルシャフトの一撃をコックローチドーパントがかわす。
そして、そのままWの脇を走り抜けていった。
翔太郎「なっ、壁や天井まで走りやがった!?」
フィリップ「まさにゴキブリだね。」
翔太郎「くそう、あっちには亜樹子達が!待ちやがれ!!」
\サイクロン!/\ジョーカー!/
ダブルが急いで追うものの、対応が遅れたため追い付けない。
亜樹子「こ、こいつ!このスリッパの輝きを恐れぬのならかかって来ーい!!」
フィリップ「亜樹ちゃん、逃げるんだ!!」
亜樹子「駄目よ、フィリップ君の身体は私が守るの!それが私の受けた役目なの!!」
既にコックローチドーパントは亜樹子の眼前に迫っていた。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:10:50.10 ID:8+Xjbhz70
コックローチドーパント「依頼人の偽りや裏切りは許さん!」
イカ娘「亜樹子!どくでゲソ!!」
亜樹子「えっ?」
コックローチドーパント「なんだ小むす・・・・ぐぼっ!?」
思いも寄らぬ、10本の触手の一斉攻撃をまともに喰らい、
数十メートルは吹っ飛んだコックローチドーパントが激しく咳き込む。
亜樹子「な、何よ今の?私聞いてない!!」
イカ娘「人間相手じゃないと、手加減無用で楽でゲソ。」
触手をうねらせながら、イカ娘がふふん、と不敵に笑った。
翔太郎「すげえ・・・・。」
フィリップ「確かにすごいけど、感心している場合じゃない。
この隙に、今度こそ奴を仕留めないと。」
立ち上がったコックローチドーパントが再び亜樹子達の方へと駆けた。
照井「俺の妻に手は出させん!!」
蒼い軌跡が一瞬閃き、コックローチドーパントが再びダブルの方へ吹っ飛んだ。
カチッ \トライアル!マキシマムドライブ!!/
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:12:36.59 ID:8+Xjbhz70
照井「大丈夫か?亜樹子!」
亜樹子「あぁん、私怖かった~でも竜君カッコいい~。」
照井「元気なようで良かった。そっちはどうだ?」
イカ娘「私も、フィリップも大丈夫でゲソ。」
照井「そうか、安心した。」
一方ダブルはコックローチドーパントに苦戦中だった。
翔太郎「くっそう、すばしっこいぜ!」
フィリップ「サイクロンジョーカーの機動力で動きを追い切れないとはね。」
再びコックローチドーパントが逃走を図った。
照井「お前は俺が逃がさんと言っただろう!」
再び、超音速で追い付いたアクセルトライアルが逃走を阻止した。
カチッ \トライアル!マキシマムドライブ!!/
照井「くっ!逃げから守りに入られると時間内に倒し切れん!」
フィリップ「アクセルトライアルでも食い止めるのがやっとだ・・・・。
早めに決定打を入れないと、奴は本格的に逃げに入ってしまうだろう。
あの能力で徹底的に逃げ回られたら、倒すどころか交戦も困難だ。」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:13:33.58 ID:KC8oMT+n0
ルナトリガー使ったれやオラァァァァン
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:13:39.41 ID:8+Xjbhz70
翔太郎「畜生、このままじゃ一撃入れたイカ娘にまた馬鹿にされちまうぜ。」
フィリップ「イカ娘ちゃんの一撃・・・・それだ翔太郎!点や線ではなく、面で攻めるんだ。」
\ルナ!/
翔太郎「・・・・なーるほどな。」
\トリガー!/
フィリップ「一気に行くよ。」
\ルナ!/\トリガー!/
翔太郎「これで決まりだ!!」
\トリガー!/
翔太郎「照井、気をつけろ!」
\トリガー!マキシマムドライブ!!/
W「トリガー・フルバースト!」
トンネル内に満遍なく拡散した、多数の黄色い光弾が辺りを照らす。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:15:09.98 ID:8+Xjbhz70
コックローチドーパント「ぐ?」
照井「今だ!」
コックローチドーパントが振り返り、背後から飛来する攻撃に気を取られた一瞬、
アクセルトライアルがキックを叩き込み、反動を利用してその場を離脱した。
コックローチドーパント「ぎゃぁああ!!」
体勢を崩されたコックローチドーパントがなんとか逃げようとしたものの、
トンネルの一面すら覆うようなエネルギー弾の群れに、なす術もなく倒された。
そして、その身体からガイアメモリが飛び出し、乾いた音を立てて崩れ去った。
翔太郎「これにて一件落着だな。」
フィリップ「ああ。しかし、落ち着いて考えてみれば、小虫退治の基本だったね。」
翔太郎「ハエ叩きみたいなもんだな。」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:16:24.41 ID:8+Xjbhz70
<<????>>
「ドクター、ガイアメモリの回収を頼みたい。」
「ガイアメモリを?開発は永久凍結になったと記憶していますが。」
「事情が変わったのだ。いわゆる“異世界”においてのメモリの作動、
そして、内部の“記憶”による使用者の自我侵略という過去の事例が確認された。」
「なるほど。多数をばら撒けば、進攻時に敵戦力をそのまま自軍の先兵にも出来ると。」
「さらに今回、異世界間を移動可能なメモリが偶発的に生まれた。
それが回収対象であり、これがその所在だ。」
小型の端末に映された、地図と光点を示す。
「ほう・・・・『風都署』ですか。つまり、ライダーを以ってライダーを制す、と。」
「風都におけるガイアメモリ回収、ダブルとアクセルの介入は必至だ。」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:17:11.11 ID:8+Xjbhz70
「確かに。しかし、あなたがご丁寧に説明してくれるとは意外でした。」
「お前は優秀だが、知識欲が満たされないと“実験”を最優先する。
一言話すのと、その時間を惜しむのと、どちらが効率的かの判断だ。」
「心得ました、スポンサーのご意向には最大限お応えしましょう。
ですが、バースはセルメダル絡みでないと運用しにくい・・・・。
そこで“彼”に協力を仰いで迅速な解決を図ろうかと思います。」
ドクターの背後から、それに答える声がした。
「面白そうではあるけど、見返り無しじゃあ動かないよ?」
「構わん。ドクター、交渉は一任する。では時間だ。」
ストップウォッチが所定の時間を示すと、最早無関心かの様に立ち去った。
「やはり相変わらずでしたねえ。」
男は自分の腕に乗せた人形にそう漏らした。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:18:27.18 ID:8+Xjbhz70
<<鳴海探偵事務所>>
刃野「お帰りー、翔太郎。どうだったよ?」
翔太郎「もちろんハードボイルドに一件落着っすよ。
それじゃあフィリップ、イカ娘についての“検索”頼むぜ。」
フィリップ「待ってくれ翔太郎、照井竜が来てからだ。」
翔太郎「ああ、犯人を連行してったっけな。じゃあ報告書でも書いてるわ。」
カタ・・カタカタ・・・・
イカ娘「さっきから翔太郎は何をしているのでゲソ?」
亜樹子「わざわざタイプライター使って報告書を打ってるのよ。
英語で報告書を打つのが翔太郎君の中のハードボイルド像みたいね。」
イカ娘「ふうん、でもなんだか知的なこだわりじゃなイカ。」
翔太郎「ほーお、お前もなかなか分かってきたじゃねーか。」
イカ娘「どれ・・・・。」
イカ娘が仕上がった報告書を覗き込む。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:19:13.18 ID:8+Xjbhz70
イカ娘「・・・・んー、知らん英単語でゲソ。」
翔太郎「ふふん、お前には難しかったかな。」
亜樹子「ローマ字しか書いてないのに得意気ね。」
フィリップ「コンプレックスを晴らせる貴重な機会だからね。」
翔太郎「ローマ字だっていいじゃねえか。
せっかくだからイカ娘に教えてやるか、母音と子音があってだな・・・・。」
亜樹子「調子に乗り出したわね。」
イカ娘「翔太郎、もしかしてお主は英語が書けないのでゲソ?」
翔太郎「う、うるせえ!お前に言われたくねえよ。」
イカ娘「ふっ、甘いんじゃなイカ?どれ、ちょっとそこをどかなイカ。」
翔太郎「おい、何をする気だ?」
イカ娘「まあ見てるがいいでゲソ・・・・はっ!!」
カタカタカタカタタ・・・・
10本の触手が目にも留まらぬスピードでキーを乱打する。
カタタタカタ・・・・ターーーーン!!
イカ娘「ふっ、翻訳完了でゲソ。」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:20:16.79 ID:8+Xjbhz70
翔太郎「どうせいい加減に打っただけだろ・・・・えーと、T・H・・・・ジス・・・・。
・・・・・・・・フィリップ、ちょっと見てくれ。」
亜樹子「情けないわねえ。」
フィリップ「どれどれ?・・・・・・・・ちゃんとした英文になってる!」
亜樹子「うっそー!?」
フィリップ「翔太郎、君がローマ字を駆使して書いた、ローマ字版の報告書を貸してくれ。」
翔太郎「ローマ字、ローマ字、連呼するな。ほれ。」
フィリップ「・・・・やはり!パーフェクトイングリッシュ・・・・完全英語だ!!」
亜樹子「本当に?すごいじゃない!!」
刃野「流石は海の使者ぁ!グローバルなんですねえ。」
イカ娘「はっはっは、もっと褒め讃えなイカ。」
翔太郎「嘘だ、俺は信じねえぞ!グルになって俺をからかってるんだ。」
亜樹子「人聞き悪いわねー。」
フィリップ「観念して現実を受け入れたまえ、翔太郎。」
その時探偵事務所のドアが開けられた。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:21:37.73 ID:8+Xjbhz70
照井「すまない、待たせたか?」
翔太郎「おお照井、いいところに。」
照井「どうした?」
翔太郎「これをちょっとチェックしてくれないか?」
照井「ほう、英語で打ったのか。」
翔太郎「そんでよ、こっちの内容を英訳したとして変なところは無いか?」
亜樹子「ちょっと、翔太郎君。」
翔太郎「いいから黙ってろ。」
照井「ふむ・・・・・・・・いや、これなら非の打ち所が無いと思うぞ。
そんな素振りは見せなかったが、努力してたんだな。まさにハードボイルドな振る舞いじゃないか。」
翔太郎「そんな筈はねえ、細かいところでもいい!」
亜樹子「翔太郎君、必死過ぎ。」
照井「・・・・あ。」
翔太郎「おお!どうした照井?」
照井「ローマ字の下書きの方、日本語の表現がちょっとおかしいぞ。」
翔太郎「変なもん見つけてんじゃねえ!」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:24:06.07 ID:8+Xjbhz70
亜樹子「ねっね、イカ娘ちゃん。もしかしたら会計ソフトとかも使えたりするの?」
ドサドサドサ
フィリップ「帳簿類を目の前に広げつつ聞く辺りが流石だね、亜樹ちゃん。」
イカ娘「うーむ、ソフトはゲームの位しか使えんでゲソ。」
亜樹子「そうなんだー、残念ね。」
イカ娘「でも、ここの数字はおかしくなイカ?」
亜樹子「え、本当?(電卓電卓・・・・ピッピッ・・・・)」
フィリップ「どれ・・・・。(キュッキュッ・・・・)」
翔太郎(えーと、1繰り上がるから・・・・指が足りないじゃねえか・・・・)
刃野(あー、今日もいい天気だなー)
亜樹子「本当だ!」
フィリップ「うん、計算ミスかな。」
翔太郎「・・・・た、たまたまだろ。適当に言ったら丁度違ってただけだろ。」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:25:55.98 ID:8+Xjbhz70
イカ娘「本当はこうなるんじゃなイカ?」
イカ娘が近くの紙に数字を書き出す。
翔太郎「えーと、その数字はだな・・・・。」
亜樹子「合ってる!」
フィリップ「暗算で出されてしまうとはね。」
照井「しかも速い、振り切ってる。」
刃野「流石は海の使者様だあ!!」
翔太郎「で、でも字がなんかふにゃふにゃじゃねーか!」
亜樹子「翔太郎君、うるさい。」
フィリップ「翔太郎。正直見苦しいよ。」
照井「お前は子供か。」
イカ娘「字は苦手だから仕方ないじゃなイカ!
これでも海の中では上手い方なのでゲソ!」
亜樹子「イカ娘ちゃんったら、反応かわいー。
それに対して翔太郎君、0点。ドカーン!って感じ。」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:26:37.45 ID:8+Xjbhz70
照井「もしも事務所で働いてもらえば即戦力だな。」
フィリップ「確かに、彼女は素晴らしいよ!」
亜樹子「現時点で翔太郎君より圧倒的に上ね。」
翔太郎「お前らなあ、言いたい放題言いやがって。」
亜樹子「はぁ・・・・イカ娘ちゃんがダブルになれたら・・・・。」
翔太郎「どうする気だよ!」
フィリップ「ああそうだ。そろそろ“検索”しようか。」
亜樹子「さんせーい。翔太郎君の帰る場所を探し当てよーう!」
翔太郎「だからどうする気だ!!」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:28:14.00 ID:8+Xjbhz70
<<???>>
早苗「はぁ・・・・お金が使えないとこうも不便だなんて・・・・。
乗り物は使えないし、今はまだ平気だけど飲まず食わずだし。」
千鶴「だけど、ダイエ・・・・支払いの段階で困らなかっただけ良かったのかも。」
試しにと、見つけた自販機に入れた硬貨も紙幣もつき返されてしまった。
早苗「歩きだと時間が掛かっちゃいそうですね。」
千鶴「でも探知機の反応のところにイカ娘ちゃんが居るとは限らないし、
探しながら移動した方がいいとは思うの。」
早苗「そうですね。イカちゃん・・・・心細い思いしてるんだろうな。」
自分の辛さよりもイカ娘への気遣いを優先する早苗の言葉に千鶴が微笑む。
千鶴「そうね、急いで探しましょう。」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:29:18.57 ID:8+Xjbhz70
カザリ「風都に居るので邪魔になりそうなのは、ダブルとアクセルって奴か。
バースはともかく、オーズは出しゃばってくるかもしれないし、
やっぱり適当な手駒は欲しいよね。」
歩いていると、何やら探し物をしているような女性二人の後姿が目に入った。
カザリ「うん、試してみるかな。」
そう言ってカザリが手を振るような動きをした。
早苗「・・・・あれ?」
千鶴「どうしたの?」
早苗「いえ、何か当たったような気がして・・・・。」
自分の首筋に触れながら辺りを見回すが、
それらしきものは何も落ちていなかった。
早苗「すいません、やっぱり気のせいみたいです。」
カザリ「ねえねえ、お二人さん。今欲しいものって、無いかな?」
早苗「いきなり何?ナンパか何か?悪いけど今忙しいの。」
『チャラチャラした』という形容が似合いそうな姿に警戒心と不快感をあらわにする。
カザリ「つれないねえ。したい事とかでもいいんだけどさ。」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:31:28.74 ID:8+Xjbhz70
千鶴「私達、人探しをしてるんだけど・・・・。」
カザリ「へえー、どんな感じ?」
早苗「えーっとね、青くて、長くて、うにゅーっとして可愛いの!」
カザリ「何それ、生き物?」
千鶴「頭の触手よ。」
カザリ「頭に触手?メズール・・・・まさかね。」
早苗「何か知ってるの!?」
カザリ「なんでもない。」
今までと違った、明らかに何か隠そうとする様子に早苗が食って掛かった。
早苗「教えてよ!」
カザリ「無理。それに人違いだよ。」
早苗「なんであなたに分かるのよ!!」
千鶴「ちょっと、早苗ちゃん落ち着いて。」
カザリ「だって、今この世に存在してないし。」
早苗「・・・・え?」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:32:45.65 ID:8+Xjbhz70
カザリ「この世の何処にも居なくなっちゃったってこと。」
早苗「あなたが何かしたのね!」
カザリ「一発ぶち込んでやったかな。」
早苗「ぶ、ぶち・・・・?」
カザリ「そんで体の中をかき回して、ほぼ全てを奪ってやった程度。」
早苗「な、月・・・・。」
千鶴「ストップ。・・・・ちょっと落ち着きましょう?」
早苗「あなたは外道よ!腐れ外道だわ!!」
カザリ「えー?欲望に忠実に行動するのが僕らのあるべき姿なんだけど。
それに彼女とつるんでた奴だって、そうなったらつけ狙い始めたし。」
早苗「ひどすぎる・・・・。」
カザリ「んー、でもまあいいんじゃないの。
最後は彼女を慕う奴と一つになれたんだし・・・・それで一緒に消えちゃったけどね。」
早苗「私のイカちゃんが・・・・なんてこと。」
千鶴「だから落ち着いて。どうもイカ娘ちゃんのことじゃあ・・・・。」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:33:53.92 ID:8+Xjbhz70
早苗「・・・・きない。」
千鶴「え?」
早苗「もう我慢できない・・・・私だけのイカちゃんに会いたい。話したい。愛でたい。
触れたい!頬ずりして肌の感触を味わいたい!!・・・・一つに・・・・なりたい・・・・。」
千鶴「ど、どうしたの?いつもと違・・・・いつも以上よ?」
早苗「イカちゃーーーーん!」
千鶴「さ、早苗ちゃん?」
早苗「もしかして、今こうしている間にも誰かがイカちゃんを・・・・!」
千鶴「早苗ちゃん!」
早苗「くん・・・・くんくん・・・・・・・・待ってて、イカちゃん!!」
千鶴「きゃっ!?」
鼻を鳴らしていた早苗が、突然自分の足で走り出していた。
が、その速さは明らかに車をも上回っているという異常な事態だった。
千鶴「・・・・どうしちゃったの?」
カザリ「やれやれ、欲望の暴走ってところか。
あの速さなら能力には期待できそうだけど、扱いづらそうだ。」
ぼやくように言うと、機械じみた獣の様な姿に化身して早苗の後を追った。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:35:30.21 ID:8+Xjbhz70
入れ違いになるように、一人残された千鶴のそばに二人の男が現れた。
一人が傍の自動販売機に飛びついて、大急ぎで硬貨を流し込む。
映司「タカちゃん、さっきの女の子とグリードを追いかけて!!」
そして出てきたものを変形させた、鳥型ロボットを続々と空に放った。
アンク「貴重なセルメダルを無駄遣いするな。」
映司「おいアンク、今の確か・・・・。」
アンク「ああ、カザリだ。」
映司「じゃあやっぱり、あの女の子ヤミーに!」
アンク「そうだろうな。」
千鶴「あなた達、何か知ってるの?」
映司「えーっと、その、詳しくは言えませんけど、あの子はきっと助けます!
アンク、変身するからメダルを。」
アンク「駄目だ、まだ早い。もっとメダルが増えてからだ。」
映司「アンク!お前またそんな事を。」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:36:25.80 ID:8+Xjbhz70
アンク「お前達人間だって、種を埋めたら収穫の時を待つだろう?それと同じだ。
それに、最低限お前が今使った分は回収しないとなあ。」
映司「でも・・・・!」
千鶴「お取り込み中ごめんなさい、もしかしてこれが原因なの?」
アンク「それはセルメダル!おい女、どこにあった?」
千鶴「さっき、あなた達の言うカザリに背後から投げつけられたの。」
アンク「そいつを寄こせ。」
千鶴「そうね・・・・じゃあちょっとゲームでもしない?」
千鶴が握った手の中にメダルを隠す。
アンク「ゲームだと?」
千鶴「このメダルを取れたらあなたにあげる。
でも、取るまでに掛かった時間の分、私の頼みを聞くの。」
アンク「ほう、力ずくの勝負でいいんだな?」
千鶴「構わないわ。」
アンク「馬鹿め、俺は人間相手でも容赦は・・・・んぐぐ。」
左手で千鶴の手首を掴み、右手で手を開かせようとするがビクともしない。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:37:35.26 ID:8+Xjbhz70
アンク「くそう、こいつ比奈と同類か・・・・。」
右手の本性を現し、両手を使って挑んだものの、やはり無駄だった。
千鶴「あら、もうお終い?」
アンク「・・・・う、こ、こいつ・・・・おい映司!これで変身してなんとかしろ!!」
アンクが3枚のメダルを映司に向かって投げた。
映司「サンキュー、アンク。・・・・変身!」
タカァ!トラ!バッタ!!
タ・ト・バ!タトバ、タ・ト・バ!!
映司「よっし、じゃあ行ってくる!」
言うが早いか、先程の自販機にメダルを入れる。
そして、自販機が変形したバイクにまたがって走り出した。
アンク「おいコラ、違う!この女をどうにかしろ!!」
千鶴「それじゃあ、まず話を聞かせて。」
アンク「なんだと?」
千鶴「メダルを取れていない時間の分、協力してもらわないと。」
アンク「さあな。」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:41:40.67 ID:Vco4N5Vu0
千鶴「約束を破るの?」
アンク「下らんゲームなぞ受けた覚えはない。
そもそもあの女に取り憑いたのがどんな奴かは、まだ誰にも分からん。
知りたければ追跡した映司が帰ったら話でも聞くんだな。」
千鶴「ふうん・・・・。」
近くにあった別の自動販売機にメダルを投入し、ボタンを押す。
千鶴「あら、上手くいったわ。」
果たして自販機はバイクに変形した。
千鶴「運転して頂戴。」
アンク「何?」
千鶴「あなた達なら、追跡できるのよね。」
アンク「ああ、しないがな。」
千鶴「してもらわないと困るの。」
アンク「勝手に困ってろ。俺に何の得がある?」
千鶴「あらあら、約束も破るし本当に困ったさんね。」
アンク「ふん、もうメダルも無くなっちまったしな。
約束なんかどっちにしろ無効だ。」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:44:13.84 ID:Vco4N5Vu0
千鶴「そう・・・・じゃあ残ったのは“力ずくの勝負”しかないのね。」
アンク「なんだと?」
千鶴「力ずくで構わないのは、あなただけじゃないのよ・・・・。」
アンク「ふんっ、何の得も無いのにわざわざ相手を・・・・!?」
回れ右したアンクの正面に、千鶴が静かに立っていた。
アンク「なっ?」
振り向くと千鶴の姿は無い。やはり他人の空似とかではないようだ。
アンク「くそっ。」
不意に駆け出す。
アンク「なんだったんだあいつ・・・・。」
千鶴「あら、逃げる気?」
声が聞こえた。声だけは、確認できた。
アンク「お前なんかと関わり合いになる気は無い!」
声がした方と逆に転換して走り続ける。
しばらく走り続けたアンクが壁にもたれかかって止まる。
アンク「くそう、今日は厄日か・・・・。」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:45:34.32 ID:Vco4N5Vu0
千鶴「・・・・ここからが、私のターンよ?」
アンク「げっ!?」
いつの間にいたのか、千鶴が歩み寄って来ていた。アンクは壁を背にしたまま動かない。
アンク(もっとだ・・・・もっと引き付けろ・・・・)
そして、いよいよ千鶴が目前に迫った時。
アンク(今だ!)
アンクが泉刑事の身体を捨てて逃げ出した。
・・・・が。
千鶴「待ちなさい。」
がっしと腕を捉まれ、制止された。
アンク「なっ、なんでこっちを掴む?普通目の前でぐったりした人間に・・・・!」
千鶴「だって、こっちからしか生気が感じられなかったもの。」
アンク(こいつ、本格的にヤベえ!!)
変わらぬ笑顔のまま、握力が加速度的に強まっていった。
千鶴「案内・・・・してくれるわよね?」
満面の笑顔での問い掛けに頷くかのように、手首から先がぶんぶんと動いた。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:48:36.30 ID:Vco4N5Vu0
千鶴「もう少しスピードは出せないのかしら?」
アンク「知るか!重いもん乗っけてるせいかもなあ?」
千鶴「・・・・・・・・。」
アンクは、腰に回された手に一瞬力がこもったのに気付いた。
アンク「ぁ、いや・・・・。」
千鶴「止めて。」
アンク「・・・・。」
千鶴「止めなさい。」
キキッ!!
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:49:20.69 ID:Vco4N5Vu0
千鶴「私はここで降りるわ。」
アンク「ふん、諦めがついたか。(ホッ)
まあ、部外者の一般人が首を突っ込むな、ってことだ。」
千鶴「あなた一人がそのバイクで追いなさい。
それならもっとスピードが出るのよね?」
アンク「はあ?なんで俺がお前の代わりに。」
千鶴「代わりじゃないわ、私はあなたの先導に着いていく。」
アンク「どうやってだ。この辺に乗り物でも置いてあったのか?」
千鶴「いいえ、走って。」
アンク「馬鹿か、このマシンに・・・・。」
千鶴「とっとと行きなさい、時間が無いの。(ギラッ)」
アンク「うっ!・・・・はん、分かった。
だがな、お前が追い付けなくても俺は全速力で行くからな。」
千鶴「分かったわ。」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:50:01.63 ID:Vco4N5Vu0
ブォォォォン・・・・!
アンク「どれ、あの女は・・・・」
ミラーを覗くとさっきまであった千鶴の姿は消えていた。
アンク「はんっ、馬鹿め。だから言ったんだ。
まあいい、これでせいせいして・・・・」
千鶴「無駄口叩いている余裕があるのなら、もっとスピードを出して。」
アンク「何っ!?」
横を見ると千鶴が並走していた。
千鶴「速くしてもらえるかしら?行き先はあなたしか分からないんだから。
あんな事を言っておいて、出来ないとは言わないわよね?(ニコ・・・・)」
アンク「く、くっそぉぉーーー!!」
アンクが千鶴を振り切るように加速した。
千鶴「やれば出来るじゃない。」
アンク(なんだあの・・・・いや、この女!どう考えても比奈なんかよりヤベえぞ!!)
後日、FM WIND WAVE 某番組の都市伝説コーナーに
『般若?幽霊?謎の能面ランナー!!』
の投稿が殺到したのはまた別のお話。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:52:05.16 ID:Vco4N5Vu0
<<鳴海探偵事務所>>
フィリップ「さあ“検索”を始めよう・・・・。」
目を瞑り、両手を広げたフィリップが地球とシンクロする。
イカ娘「な、何が始まるのでゲソ?」
亜樹子「今からフィリップ君が色々と調べてくれるの。
あなたが居た場所に関係する言葉を何でもいいから言ってみて?」
イカ娘「えーと、海の家・・・・。」
フィリップ「キーワードは“海の家”・・・・それだけでは広すぎる、もっと限定して。」
イカ娘「名前は“れもん”でゲソ。」
亜樹子「カタカナ?漢字?あと、働いている人の名前とか分かる?」
イカ娘「ひらがなでゲソ。働いているのは、千鶴、栄子、渚で、
常連客に変なアメリカ人のシンディってのが居るでゲソ。」
フィリップ「なるほど、十分にしぼれて来・・・・・・・・本が無くなった!?」
イカ娘「へ?お主の左手に・・・・。」
翔太郎「当てはまるのが存在しなくなっちまったか。
イカ娘、今言った中で記憶違いしてそうなのは無いか?」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:56:40.05 ID:8+Xjbhz70
イカ娘「うーん・・・・シンディはエセ外人かもしれないでゲソ。」
フィリップ「その“シンディ”という情報を入れる前に該当がゼロだったんだ。」
翔太郎「おいおい、まさか嘘を言ってるんじゃないよな?」
イカ娘「嘘なんか言わないでゲソ!こっちだって・・・・必死なんでゲソ・・・・。」
翔太郎「あ、いや、悪い・・・・ただな、こいつの“検索”で引っ掛からない訳ないんでな。」
フィリップ「これは実に興味深い結果だよ。」
照井「そのつもりは無くても何か勘違いしているのかもしれないな。
だったら、発想を逆転させてみたらどうだ?」
翔太郎「逆転?」
照井「イカ娘について検索するんだ。イカ娘の本を読めばデータが分かるだろう。」
翔太郎「でもよお、“イカ娘”で検索してヒットするとは思えねえぞ?」
フィリップ「確かに。“イカ娘”だけでも本は残らなかった。」
照井「だから、俺達がイカ娘を客観的に見てキーワードを決めるんだ。
それなら目の前の事実だから、誤りや勘違いも入らない筈だ。」
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:58:11.77 ID:8+Xjbhz70
フィリップ「分かった・・・・キーワードは、まず“青い髪”・・・・。」
イカ娘「本当は触手でゲソがね。」
亜樹子「かわいー☆」
刃野「海。」
翔太郎「うざい。」
イカ娘「失礼な奴でゲソね。」
フィリップ「・・・・見つかった、来海え・・・・いや、これは違う。海の家とは無関係だ。
他には無いか・・・・すまないがキーワードを変えてみてくれ。」
刃野「天使のような穢れ無き白い服。」
照井「帽子も白いな。」
翔太郎「よく言えば無邪気で純粋かもな。」
イカ娘「引っ掛かる物言いをする奴でゲソね。」
フィリップ「イン・・・・いやこれは無い。」
亜樹子「何かそれらしいものがあったの?」
フィリップ「不用意に混ぜるな危険と言っておこう。トラブルの種だ。」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 22:59:52.05 ID:8+Xjbhz70
翔太郎「結局、フィリップの“検索”でも手掛かり無しとはな。」
フィリップ「地球の記憶を何万冊と記憶した僕でも分からないんだよ。
これは“検索”からたどり着くのは無理かも。」
翔太郎「となると考えられるのは・・・・。」
ちらりとイカ娘の方を見た。
イカ娘「・・・・・・・・。(ウルウル)」
翔太郎「あ、いや、その!」
不安そうであり、悔しそうでもあるイカ娘と目が合って動揺する。
翔太郎「分かってるよ、別にお前は嘘を言ってねえって!
フィリップの奴も万能じゃなかっただけだって、な!!」
フィリップ「翔太郎、君は僕の“検索”の方は信じてくれないのかい?」
翔太郎「確かに便利だけどよ、意外とアテにならなかったりするんじゃねえの?」
フィリップ「ほう・・・・キーワードを、誰かさんが中学時代に考えた
『風都の漆黒き(くろき)疾風(かぜ)』って異名にしたら
左翔太郎に辿り着く程度の精度はあるけれど?」
翔太郎「おまっ!?」
亜樹子「ぷっ、何それ?」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:00:42.27 ID:8+Xjbhz70
フィリップ「しかも、漆黒で“くろ”、疾風で“かぜ”と読ませている。
三日三晩考えて、名乗る際のポージングも検討したらしい。」
亜樹子「うわぁ、らしいけど・・・・お腹以外にも色々と痛いよ。」
翔太郎「悪かったよ!ただな、実際こいつに関してはヒットしないんだろ?
それじゃあ、嘘の情報を基にしているからだとでも言うのか?」
フィリップ「いいや、それも違う。忘れたのかい、翔太郎。
今まで僕達が、必死で痕跡を消そうとした犯人を、
マークみたいな些細とも言えるキーワードすら基にして、
どれだけ突き止めてきたのか。」
翔太郎「仮に嘘をついたところで、そう簡単にヒット無しには出来ないって事か。
そういや特定の一個人の、出掛ける時の癖なんかまで分かったっけな。」
フィリップ「そう。本人を目の前にし、手馴れた僕らが調べてゼロというのはおかしい。」
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:01:30.79 ID:8+Xjbhz70
照井「なるほど。確かに興味深いと言うか、突き止めないと厄介な問題だな。
“検索”に何かしらの異常が起きているのか、それとも何か穴があるのか。
今後の捜査における“検索”の信頼性にも関わるぞ。」
フィリップ「実は、それには一つの仮説があるんだ。」
翔太郎「何だって!?」
フィリップ「そのために照井竜に頼みごとをしておいた。」
照井「ああ、さっき言われたガイアメモリ探しか。
確かに署に押収した記録と合わないメモリが一つ紛れ込んでいた。」
フィリップ「では、次にそのメモリについて調べよう。」
翔太郎「・・・・って、オイ。だったらさっきの異名云々は要らなかったんじゃないか?
しかも“イカ娘”で引っ掛からない時点で見当ついてたってことだろ。」
フィリップ「いいや、必要だ。言うのにいい機会だし、その方が面白いじゃないか。」
翔太郎「ふざけるなー!俺はちっとも面白くねえぞーー!!」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:03:24.04 ID:8+Xjbhz70
照井「これが見知らぬガイアメモリだ。」
翔太郎「頭文字は・・・・“O”・・・・と“Z”だと?」
亜樹子「二文字書いてある!初めて見た。」
照井「確かに、今までお目にかかった事は無いな。」
フィリップ「僕もだ。で、こいつを起動すると・・・・。」
翔太郎「おい、大丈夫なのか!?」
カチッ
\ゾーシャン!/
翔太郎「ん?」
亜樹子「イカ娘ちゃんの言っていた、ゾーサンってやつ?」
照井「少し違わないか?」
フィリップ「そうみたいだね。ところで、もう一つのメモリを。」
照井「ああ。刃野刑事が作動させたオーシャンメモリだ。」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:03:48.84 ID:TImeA5O2O
まだ読んでないけど淡々と続ける姿勢は評価する
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:05:04.38 ID:8+Xjbhz70
フィリップ「次にこのOZ(オズ)のメモリをイカ娘ちゃんが、
そして同時にオーシャンの方を翔太郎、君が起動させてくれ。」
亜樹子「オズ?」
フィリップ「OとZだからね。」
翔太郎「ZOとかゾウメモリとかでもいいんじゃね?」
フィリップ「それは駄目だ。ZOはゲストに来られない。」
翔太郎「はあ?」
フィリップ「とにかくだ、これを僕の合図で起動させて。はい、イカ娘ちゃんも。」
イカ娘「また変なことにならんでゲソか?」
フィリップ「少なくとも取り返しのつかないことにはならない、筈だ。
それにやってみれば僕の予想が正しいかの確認になる。」
イカ娘「分かったでゲソ。帰るためにもやってみようじゃなイカ。」
フィリップ「うん。それじゃあ二人とも・・・・さん、はい。」
カチッ カチッ
カッ!!
・・・・どさっ
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:05:52.01 ID:8+Xjbhz70
イカ娘「いたた・・・・あの時と大体一緒でゲソ。」
やや高い所から尻餅をつく羽目になったイカ娘がぼやく。
亜樹子「い、今イカ娘ちゃんワープしたよね!?」
照井「ああ。」
フィリップ「やはり。予想通りだ。」
イカ娘「どういうことなのでゲソ、説明してくれなイカ?」
翔太郎「おいこらー!」
イカ娘「お?」
翔太郎「それよりも早く人の顔から降りろ!」
イカ娘の下から声が聞こえた。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:06:52.86 ID:8+Xjbhz70
フィリップ「その前にまだ確認しておきたい。
今度はイカ娘ちゃんと翔太郎でメモリを交換して同じ事をする。」
イカ娘「え、それって翔太郎が頭上から降ってくるんじゃなイカ?」
フィリップ「多分大丈夫。もしもそうなっても、触手でぶっ飛ばしてくれていい。」
イカ娘「それならいいでゲソ。」
翔太郎「よくあるか!せめてキャッチにしろ。」
フィリップ「じゃあメモリを換えて・・・・さん、はい!」
カチッ カチッ
カッ!
・・・・コツン
イカ娘「あ痛っ!」
頭上から降ってきたメモリがイカ娘に命中した。
照井「今度はメモリだけか。」
フィリップ「やはりそうか。」
亜樹子「どういうことなの?」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:07:51.67 ID:8+Xjbhz70
フィリップ「メモリの共鳴による転移だ。僕らがダブルになる時も似たような事は起きるね?」
照井「ソウルメモリの移動か・・・・確かに似ているかもしれん。」
翔太郎「よく分からねえけど、同じメモリを同時に使ったせいってことか?」
フィリップ「半分正解で半分間違いだ。それではメモリを換えた時の説明がつかない。」
翔太郎「持って回った言い方をするなよ。」
フィリップ「さっきのガイアウィスパー、あれは二つのメモリのものが重なったものだ。
一つは“オーシャン”、そしてもう一つは“ゾーン”だ。」
照井「あの瞬間移動能力のメモリか!」
フィリップ「そう。どうやったものか、オズのメモリはそれら二つの合成メモリだったんだ。
そしてその結果、共鳴時に相手のメモリのところへ瞬間移動する作用を得た。」
亜樹子「確かに移動したメモリはオズの方だけだったけど、使った人も移動するかはどうなってるの?」
フィリップ「恐らくは、イカ娘ちゃんが過剰適合者だからだ。
無論、体重や体積の関係かもしれない。それはこれから実験してみよう。」
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:09:16.30 ID:8+Xjbhz70
翔太郎「おい、帰ったぞー!」
イカ娘「はぁ・・・・なんかくたびれたでゲソ・・・・。」
翔太郎「お前、後ろに乗ってただけじゃねーか。」
イカ娘「バイクなんて乗ったこと無いからしんどかったのでゲソ!」
フィリップ「だけど、そのおかげで色々分かった。みんな、ホワイトボードに書き出したから見てくれ。」
_______________________________________________
[実験結果]
・オーシャンのメモリと同時(数秒の範囲)にオズのメモリを起動させると、オズのメモリが移動する
・オズのメモリの使用者がイカ娘ちゃん(過剰適合者?)の場合、使用者も移動
・メモリ自体の距離は離れていても発動する(数キロメートルまでは確認、地球上ならどこでも?)
・イカ娘ちゃんの移動時にある程度近くに居た人間も一緒に移動する
↑ただし、使用者が移動を拒む/抵抗の意思があると近くに居ても除外される(距離や適合率も影響?)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
フィリップ「今のところはこれくらいか。」
亜樹子「なんかデ○ノートみたいだね、竜君。」
照井「その流れでそう呼ぶのはやめてくれ。」
翔太郎「リンゴ食うか、りゅー君?」
照井「俺に質問するな。」
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:10:24.27 ID:8+Xjbhz70
フィリップ「さて、なんか質問はあるかい?」
イカ娘「そのマイペースさが、今はえらく頼もしいじゃなイカ。」
亜樹子「はーい、フィリップせんせーい。」
フィリップ「なんだい?」
亜樹子「なんか刃野さん寝ちゃってるけど、どうする?」
刃野「うーん・・・・海は広いな大きいなー。ううっ・・・・チョーキモチー!」
フィリップ「楽しい夢を見ているみたいだし寝かせてあげよう、留守番で疲れたのかも。
何より、一切影響は無い。」
イカ娘「やさしいようで辛辣な奴でゲソ。」
翔太郎「そういやさ、結局イカ娘はどこから飛んで来たんだ?」
イカ娘「そうでゲソ。帰る方法を教えてくれなイカ?」
フィリップ「それには・・・・・・・・まず“検索”で情報を得られなかったことについて話そう。」
翔太郎「・・・・ああ。」
フィリップの神妙な雰囲気を感じ取り、翔太郎も緊張した様子を見せる。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:12:13.49 ID:8+Xjbhz70
フィリップ「“検索”で情報が得られないのはどういう場合か。
類似のケースとして、ヘブンズトルネードの件は覚えているかい?」
翔太郎「ゴキスターの一件のやつだな。ダンスの技だっけ?」
フィリップ「ああ。稲本弾吾が技自体は考案していたから本としての形はあったものの、
パートナーの星野千鶴が協力しなかったために、情報の実体は存在していなかった。」
イカ娘「・・・・千鶴・・・・。」
亜樹子「あっ、イカ娘ちゃん・・・・大丈夫、何が起きたのか分かればきっと帰れるよ。
海の家の千鶴さんにも、他のみんなにも、また会えるよ。」
イカ娘「・・・・・・・・。」
亜樹子の元気付ける言葉にも、イカ娘の表情は沈んだままだった。
翔太郎「じゃあなんだ、イカ娘のことは地球がまだ記憶していない・・・・未来から来たってことか?」
フィリップ「惜しい。時間差で作動させたメモリが移動しない以上、時間は超えないと考えるべきだ。
超えたのは空間、異世界から移動してしまったと考えるべきだろう。」
翔太郎「おいおいおい、異世界に地球の記憶のガイアメモリがあるってのか?」
フィリップ「メモリが作られたのは、あくまでもこの世界でだろう。
しかし、そのメモリを異世界に持ち込むことは可能だ。
翔太郎、君はスーパーショッカーとの戦いを覚えているかい?」
翔太郎「・・・・あれか。後で調べた時の・・・・確か“死神博士”のメモリだったか?」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:16:07.44 ID:Vco4N5Vu0
フィリップ「そう。異世界に持ち込んだメモリでも、内に秘めた地球の記憶の力は健在なんだ。」
照井「ちょっと待て、じゃあ戻る方法というのは・・・・。」
フィリップ「その逆をすればいいということだ。
つまり、イカ娘ちゃんの居た世界でオーシャンのメモリを起動し、
それと同じタイミングでイカ娘ちゃんがオズのメモリを起動する。」
フィリップはあくまでも淡々と言った。
イカ娘「やっぱり・・・・無理ってことでゲソね。」
亜樹子「イ、イカ娘ちゃん!」
イカ娘「だってそうじゃなイカ!あっちで事情も知らない誰かがたまたま特定のメモリを使ってくれて、
それと同時に私がメモリを使って・・・・これからずっとメモリを使い続けていても帰れるか・・・・。」
告げられた方法によって引導を渡されたイカ娘が声を荒げた。
フィリップ「すまない、今は方法しか分からない。ただ、実現するやり方もきっと考える。」
イカ娘「フィリップが嘘をついてないのは分かるでゲソ。でも・・・・。」
どうせそんなやり方は思いつかない、という言葉はなんとか飲み込んだ。
翔太郎「おいイカ娘、ついて来い!」
イカ娘「・・・・え?どこへでゲソ。」
翔太郎「行き詰った時にはなあ、聞き込みってのが常套手段なんだよ。」
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:17:33.84 ID:Vco4N5Vu0
フィリップ「翔太郎、いくら情報を集めたところで・・・・。」
翔太郎「お前の考えが正しいとは限らないだろうが!
誰かがイカ娘のことを知ってる可能性はあるし、
他の方法のヒントだって見つかるかもしれねーじゃねーか。」
イカ娘「翔太郎・・・・。」
翔太郎「ほれ、行くぞ。」
イカ娘「あ・・・・。」
イカ娘の手を取って、半ば強引に連れ出した。
亜樹子「翔太郎君・・・・。」
フィリップ「異世界へ帰る“他の方法”か・・・・君だって、本当は認めてるんじゃないか・・・・。」
亜樹子「本当にハーフボイルドなんだから。」
フィリップ「だけど、翔太郎が正しいんだろうね。今の僕ならそう思う。」
照井「そうだな、俺達はあいつのそういうところに少なからず救われてきた。」
亜樹子「私達も行こっか。」
フィリップ「・・・・そうだね。」
照井「ああ。」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:19:45.34 ID:Vco4N5Vu0
イカ娘「翔太郎、どういうつもりでゲソ。もう無駄なことは・・・・。」
翔太郎「無駄かどうかは分からねえだろ!いいから一緒に来い。
俺にはな、風都の心強い仲間達が居るんだよ。」
クイーン「あれえ、翔ちゃんその子どうしたのー?」
エリザベス「まさか翔ちゃんの彼女とかー?」
翔太郎「んな訳あるか。依頼人だよ。
ちょっとしたトラブルで、どこから来たか分からねえんだ。
お前ら、こいつに見覚えがあったりしないか?」
エリザベス「えー?」
クイーン「うーん。」
二人がじーっとイカ娘の顔を覗き込む。
クイーン「ねえ、もしかして。」
エリザベス「うん。」
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:22:10.45 ID:Vco4N5Vu0
翔太郎「なんだ!?心当たりあんのか?ちょっとした事でもいい。」
クイーン「この子かわいくなーい?」
翔太郎「かわ・・・・は?」
エリザベス「ねえねえ、一緒にプリクラ撮ろー?」
イカ娘「ちょ、ちょっとお主ら何をする気でゲソ?」
エリザベス「あー、喋り方も面白カワイー。」
クイーン「じゃあちょっと借りるね、翔ちゃん。」
イカ娘「わーーーー!」
翔太郎「・・・・おーい。」
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:23:29.49 ID:Vco4N5Vu0
イカ娘「うぅ、ヒドい目に遭ったでゲソ・・・・。」
翔太郎「またたくさん撮ったもんだな。しかも色んなカッコして。」
イカ娘「あれもお主の言う“心強い仲間”なのでゲソ?」
翔太郎「まあ・・・・そうなんだが・・・・すまねえ。」
イカ娘「いいでゲソ。似たような事でもっと大変な思いをした事だってあるでゲソ。」
翔太郎「お前、意外と苦労してるんだな。」
ウォッチャマン「あっれー。翔ちゃん、その子どったのー?」
翔太郎「あ、ウォッチャマン。えーと、この子に見覚えあったりしないか?」
ウォッチャマン「んー・・・・ちょっと覚えが無いねー。こんな個性的な子見たら忘れないと思うんだけど。」
翔太郎「そうか、ありがとな。」
ウォッチャマン「あ、ちょっと待って。」
翔太郎「ん?」
ウォッチャマン「今までに無いタイプの子をさ、美少女ブログに載せたいんだけどさー。」
イカ娘「もう好きにするがいいじゃなイカーー!」
半ばヤケクソ気味にイカ娘が答えた。
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:27:10.21 ID:Vco4N5Vu0
翔太郎「・・・・お疲れ様。」
イカ娘「翔太郎、あれもお主の・・・・。」
翔太郎「悪い!マジ面目ねえ!!」
翔太郎がペコペコと頭を下げる。
翔太郎「あ、そうだ!まともに食事してないし腹減ったろ。お詫びにラーメンご馳走するぜ!」
イカ娘「今度はまともなとこでゲソね?」
翔太郎「大丈夫だ、味も保証する。」
マスター「へい、お待ち。」
イカ娘「おおー!」
翔太郎「どうだ、見た目からしてスゲエだろ?」
イカ娘「こんな特大のナルト見たことないでゲソ!」
丼の口を覆い尽くし、麺を隠すほどの大きさのナルトにイカ娘が目を丸くする。
翔太郎「驚いたか。美味さにもびっくりするぜ。」
イカ娘「いただきまーす!・・・・・・・・おお、これはなかなかイケるじゃなイカ!!」
翔太郎「だろう?」
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:28:36.57 ID:Vco4N5Vu0
二人がラーメンをすすっていると、新たな客が来た。
サンタ「あらぁ、翔ちゃんでないのー。」
翔太郎「あ、サンタちゃん。」
イカ娘「サンタ!?」
翔太郎「あのさあ、サンタちゃん。この子に見覚えあったり・・・・しないよねえ。」
サンタ「んーーー?うーん、見覚えはないなあ。だけど、きっといい子だからプレゼントをあげよう。」
イカ娘「ありがとうでゲソ!翔太郎、お主まさかサンタクロースと知り合いとはすごいじゃなイカ!!」
翔太郎「え・・・・?ま、まあな。いい子にしていて良かったな。」
イカ娘「さっそく開けてもいイカ?」
サンタ「どうぞどうぞ。気に入ってくれるかな~?」
イカ娘「~♪」
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:30:48.63 ID:Vco4N5Vu0
ガサガサ・・・・
イカ娘「ひいっ!シャシャシャシャ、シャチィ!?」
翔太郎「おい、どうしたイカ娘!・・・・サンタちゃん、これ何?」
サンタ「手作りのイルカのぬいぐるみ。」
翔太郎「え、イルカ?これが?」
大体の形は近いが、イルカの可愛らしいイメージとはおよそかけ離れた、獰猛で凶悪な面構えだった。
サンタ「ペットショップのマスコットをしてた子なんだけど、最近新調してねー。
お古で悪いけど、まあカワイーかなーって。なんか魚介系好きそうな格好してたし。」
翔太郎「ま、まあな・・・・きっと、うれし過ぎてビックリしちゃったのかな。」
イカ娘は未だに放心状態であった。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:34:54.62 ID:Vco4N5Vu0
イカ娘「うう、無様なところを見せてしまったでゲソ・・・・。」
翔太郎「ぬいぐるみの顔が怖かったのか?」
イカ娘「顔というか、海の中における捕食者の脅威がフラッシュバックしたのでゲソ。」
翔太郎「ずいぶんと野生でサバイバルだったんだな。しかし、なんかまた迷惑掛けたみたいで悪いな。」
イカ娘「いや、サンタクロースが悪いのではないでゲソ。
むしろ、陸上の生活に慣れて緩んだ私に喝を入れようとしてくれたのかもしれんでゲソ。」
翔太郎「だけど情報は得られそうにないな・・・・そうだ。イカ娘、腹ごなしがてら散歩するぞ。」
イカ娘「お?」
イカ娘「おおーーっ!!」
翔太郎「どうだ、いいところだろう?」
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:36:25.63 ID:F1Nvn8A7O
シャチって言うからコアメダルかと思った
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:37:23.70 ID:Vco4N5Vu0
翔太郎が案内したのは、海に面した小高い丘。
ベンチや休憩所が設けられ、ちょっとした公園のようなつくりだ。
イカ娘「ここの海も結構きれいじゃなイカ。」
翔太郎「本当は風の街なんだけどな、海もなかなかだと思うぜ。」
イカ娘「でも、きっとこの海もゴミとかで汚されてるのでゲソね。」
翔太郎「・・・・かもな。ただ、この街はエコロジー都市だし、多少はマシな筈だぜ。
街のあちこちに風車があっただろ?あれで街の電気を供給してるんだ。
そんな風に、なるべく自然に負担を与えないように生活してる。
もっとも、海はつながってるし、海で暮らすお前にしたら不十分なんだろうけどな。」
イカ娘「その通りでゲソ。でも、もしも人類みんながそういう風に考えを改めてくれて、
私が侵略なんかしなくてもきれいな海になってくれたら、それが一番とは思うでゲソ。
私が居たところでも、浜辺のゴミ拾いを手伝ってくれる人間は大勢居たでゲソ。」
翔太郎「そうだな。俺もせめて、愛する風都の海だけでもきれいになるように頑張るかな。」
いったん会話が途絶え、二人ともしばらく無言で海を眺めていた。
イカ娘「翔太郎、お主はこの街、風都を愛しているのでゲソね。」
翔太郎「まあな。この街を泣かせないために、俺は探偵をやってるんだ。」
イカ娘「私もそんなものでゲソ。海を愛するから、海を守るために上陸したのでゲソ。」
翔太郎「その気持ち、俺にも分かるぜ。」
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:45:28.82 ID:8+Xjbhz70
イカ娘「風都は本当にいい街でゲソね。人々がみんな楽しそうでゲソ。
お主に話し掛ける仲間達も、明るくて、幸せそうな笑顔をしてたじゃなイカ。」
翔太郎「ああ。」
イカ娘「私は・・・・時折悩むのでゲソ。海の仲間の幸せのため、私は侵略を成功させなくてはいけないけれど、
それによって多くの“善良”と言ってもいい人間の幸せを奪ってしまうんじゃなイカと・・・・。」
翔太郎「イカ娘・・・・。」
イカ娘「翔太郎、お主なら・・・・もしもこの街が脅威に晒されたとしたら、どう決断するでゲソ?」
翔太郎「俺は・・・・俺の信じる道を進むことしか出来ねえ。」
イカ娘「でも、その道を進もうとして誰かを・・・・。」
翔太郎「あったよ、実際。俺の判断ミスで傷つけちまった人達も居たし、結果的に巻き添えにしちまった人達も。
それに、同じように街を愛していたけれど進む道の違いから死に別れた奴だって居る・・・・。」
イカ娘「お主は・・・・ハードボイルドだから辛くないのでゲソ?だったら、私にはきっと無理でゲソ・・・・。」
翔太郎「まさか。俺みたいな甘ちゃんのハーフボイルドが平気な訳ないだろ。
ヤセ我慢してるんだよ。立ち止まっちまったら、そういった人達に顔向けできねえ。
もちろん心底悔やんではいるし、二度とそういう人達を出したくはねえ。
だから俺には、自分の罪を数えて忘れないようにしながら自分の信じる道を進み続けるしか無いんだ。」
翔太郎が懐から風車のマスコットのついたキーホルダーを取り出し、寂しげに眺めた。
イカ娘「それは?」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:48:09.48 ID:8+Xjbhz70
翔太郎「形見だよ。お前の分もこの街を守っていくっていう誓いの証でもある。ほんと、感傷的だよな。」
イカ娘「・・・・すまなかったでゲソ。」
翔太郎「ばーか、変な気を遣うな。さっきも言ったろ、忘れないようにしてるって。
お前が質問したからって古傷をえぐられたって訳でもねえ。」
イカ娘「私も・・・・進み続けることにするでゲソ。まずは、元の世界へ帰ること!
それが無理でも、この世界の海の仲間のためにやれる事をやってやろうじゃなイカ!!」
翔太郎「ああ、それでいいと思うぜ。」
二人が再び海を眺める。
しばらくして、今度は翔太郎が沈黙を破った。
翔太郎「あー・・・・・・・・ありがとな、イカ娘。」
海の方に目をやったまま翔太郎が言った。
イカ娘「え、何がでゲソ?」
翔太郎「今日ドーパントと戦った時、俺が半人前なせいで大事な相棒や亜樹子を危険に晒しちまった。
お前が守ってくれなかったらどうなっていたか・・・・本当にありがとうな。」
イカ娘「こっち見て話さないのは照れてるのでゲソ?」
翔太郎「別にどうでもいいだろ。」
あくまでも目線は変えない。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:50:12.51 ID:F1Nvn8A7O
なんかクロスオーバー(オーズも含む)物なのにW本編見てるみたいだ。
オリジナルの要素も面白いし
書き手の力量を感じる
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:50:44.51 ID:8+Xjbhz70
イカ娘「でも、その方が私も話しやすいでゲソ。
・・・・こっちこそ、あんな風に挑発して発端を作ってすまなかったでゲソ。」
翔太郎「それはそうかもな。ただ、それに乗ったのは俺の未熟さが原因だし、
ああやって懲りとかなきゃいつか同じ様な事をしでかしてたかもしれないしな。
やっぱ感謝しとくぜ。だから、その礼も込みで絶対にお前の依頼は果たしてやる!」
イカ娘「翔太郎・・・・。」
翔太郎「だから俺を、俺達を信じろ。」
イカ娘「そこまで言うのなら・・・・帰るまではお前の事務所で厄介になるでゲソ。
依頼を果たしてくれると言うのなら、問題無いでゲソね?」
翔太郎「まあいいぜ。」
イカ娘「もしも帰れなかったら、お主に代わって所長に君臨して新しい拠点にするでゲソ。」
翔太郎「調子に乗るな。あとな、所長は亜樹子だ。そういう事はあいつに言え。」
イカ娘「え、探偵事務所なのに探偵のお主が下っ端だったのでゲソ?」
翔太郎「うるせえ、色々とあるんだよ。分からないかもしれねえけど、特に金銭関係の問題とか。」
イカ娘「ふっ・・・・それなら分かるでゲソ。借金を背負わされる私も似たようなものじゃなイカ・・・・。」
翔太郎「お前って、本当に意外と苦労してるのな。」
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:53:35.64 ID:8+Xjbhz70
あすか「あー、探偵のおじさん!」
翔太郎「ん?・・・・おー、あすかちゃんか。久し振り、元気してたか?」
あすか「うん。パパは居ないけど・・・・ママがその分一緒に居てくれるし。
ねえ探偵さん、お友達の仮面ライダーは元気?」
翔太郎「ああ。一緒に戦う仮面ライダーの仲間も出来て、今まで以上に頑張ってるみたいだ。」
あすか「そうなんだ、私もうれしい。」
翔太郎「寂しいかもしれないけど、あのお守りを持ってれば、
あすかちゃんのピンチにはきっとお父さんが来てくれるからさ。」
あすか「あすか平気だよ。それと・・・・もうお守りは持ち歩くのやめたんだ。」
翔太郎「え、どうして?」
あすか「仮面ライダーは、あすかだけを助けるんじゃなくて、
街のみんなを助けないとだから。もう・・・・いいんだ。」
翔太郎(この子なりに、何かに気付いてるのかもな・・・・)
あすか「探偵さんはお仕事中?」
翔太郎「ああ、聞き込み中にちょっと休憩してたとこ。」
亜樹子「あーっ、やっと見つけた!」
フィリップ「僕達も一緒に聞き込みするよ。」
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:56:03.12 ID:8+Xjbhz70
翔太郎「ありがとな。・・・・あれ、照井は?」
亜樹子「手分けして探してたの。」
翔太郎「お前な、どうせならフィリップじゃなくダンナの方についててやれよ。」
亜樹子「だって、翔太郎君がドーパントに遭遇でもしたら、フィリップ君いきなり倒れかねないじゃん!」
翔太郎「あー。そうだな、すまねえ。」
フィリップ「ちょっと二人とも!」
口の前で人差し指を立てたフィリップが、珍しく慌て気味で二人を制止した。
翔太郎「あ!」
亜樹子「あっ!」
イカ娘「どうしたのでゲソ?」
亜樹子「えーとね、ちょっといい?」
亜樹子が事態を飲み込めないイカ娘をちょいと引っ張り小声で話す。
亜樹子「あのね、あすかちゃんにはライダーの正体は秘密なの。絶対に!いい?」
イカ娘「うむ、分かったでゲソ。ヒーローのお約束ってやつでゲソね。」
亜樹子「まあそんなもん。」
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:58:15.24 ID:8+Xjbhz70
フィリップ「ところで進展は?」
翔太郎「まだ有力な情報は手に入ってない。」
フィリップ「そうか・・・・知り合いでも見つかればいいんだけどね。」
翔太郎「まあな、でもそうそう都合良く・・・・・・・・ん?」
遥か遠方から、何か声らしきものと走るような音が近づいて来た。
早苗「イカちゃーーーーーん!見つけたーーーーーー!!」
イカ娘「ひいっ!早苗!?」
早苗「やっと会えたのね!もう離さないわーー!!」
イカ娘「ほ、本物じゃなイカーーー!!」
不測の事態に戸惑うイカ娘に早苗が飛びつき、そのまま地面に倒れこんだ。
早苗「イカちゃん、イカちゃん、やっと会えた!良かった無事で。本当に良かったー!!」
イカ娘「今ちょっと無事じゃなくなりつつあるでゲソ・・・・。」
亜樹子「もしかしなくても、知り合い?」
翔太郎「都合良く見つかったな、知り合い。」
フィリップ「彼女の身体能力、なかなか興味深い。」
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/30(日) 23:59:06.55 ID:YgkUJr5HO
なんだこのクロスオーバー・・・
実写のWに二次元のイカちゃんが完璧に脳内再生されとる・・・
そういえばZOってなんでゲストに出せないの?昭和ライダーじゃないから?
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:00:23.09 ID:7kDblE4O0
早苗「さあイカ娘ちゃん、さっそく一つになりましょう。」
イカ娘「や、やめなイカー!!」
早苗「照れちゃって可愛いわあ!それに、この感触もやっぱりいとおしい♪」
触手やヒレでの必死の抵抗も、今の早苗には悦びでしかないようだ。
フィリップ「彼女の思考回路、実に興味深い。」
翔太郎「持つな持つな。」
早苗「あー、幸せだわ。満たされる・・・・・・・・うっ!」
ビクン、と早苗の身体が一瞬強張り崩れ落ちたかと思うと、異形の怪人が重なるように現れた。
亜樹子「な、何よこいつ!?」
フィリップ「こいつはメダルの怪物、ヤミーだ。」
翔太郎「おいおい・・・・イカ娘、あすかちゃんを連れて逃げろ!」
イカ娘「お主達は?」
翔太郎「あの女の子を助けつつ、ここでお前らが逃げる時間を稼ぐ!
いいか、振り向かずにとっととどこかに隠れろ!!」
イカ娘「分かったでゲソ!あすか、ついて来るでゲソ!」
あすかの手を引いたイカ娘が走り去る。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:02:10.12 ID:WdZjuyUW0
翔太郎「やるぞフィリップ。」
フィリップ「ああ。亜樹ちゃん、すまないけれど僕の身体と、
あそこでまだ気を失っている早苗という子の面倒を頼む。」
亜樹子「分かった。」
念のため、翔太郎の身体がフィリップと亜樹子であすかからは隠れるようにする。
翔太郎・フィリップ((変身!))
\サイクロン!/\ジョーカー!/
W「さあ、お前の罪を数えろ!!」
>>104 単純に自分の知識が足りないからです
(言動等をイメージできない)
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:05:09.97 ID:WdZjuyUW0
イカ娘「・・・・ふう、ここまで来ればとりあえず大丈夫なんじゃなイカ?」
あすか「はあ、はあ・・・・お姉ちゃん・・・・もう平気?」
イカ娘「うむ、きっと翔太郎達が頑張ってくれてるのでゲソ。
・・・・あすか、ここからはもう一人でも大丈夫でゲソ?」
あすか「え、うん。お姉ちゃんどうするの?」
イカ娘「私は翔太郎達のところへ戻るでゲソ。」
あすか「あぶないよ、探偵さんもにげろって言っていたし。」
イカ娘「だけど、亜樹子一人でフィリップと早苗の身体を守るのは大変でゲソ。
それに、私だってちょっとしたボディガードくらいなら出来るでゲソ!」
あすか「じゃあ・・・・ここでお別れね。」
イカ娘「すまんでゲソ。それじゃあ、私は行くでゲソ。」
もと来た方に戻っていくイカ娘の姿を、心細そうにあすかが見守っていた。
あすか「・・・・・・・・お父さん・・・・仮面ライダーさん・・・・。」
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:07:17.14 ID:WdZjuyUW0
翔太郎「思ったよりも厄介な相手だな。」
フィリップ「あいつ、見たところユキヒョウのヤミーのようだね。動きも鋭くてそれっぽいし。」
翔太郎「見た目通りに猛獣系統っぽい身体能力だな。しかし、今日の相手は速い奴ばっかりだぜ。」
フィリップ「でも動きの性質は全然違う。野性じみていて、まるでミックみたいだ。」
翔太郎「そうだな、動きが読めねえ・・・・またハエ叩きでいくか。」
\ルナ!/\トリガー!/
\トリガー!マキシマムドライブ!!/
W「トリガー・フルバースト!!」
発射された大量のエネルギー弾がヤミーを包囲し、あらゆる方向から飛び掛る。
翔太郎「食らいやがれ!」
しかし、駆け出したヤミーを追尾する光弾は狙いを外され、ことごとく地面に命中する結果となった。
翔太郎「なんだって!?」
フィリップ「駄目だ、トンネル内と違ってこんな開放された空間では奴を捉えきれない!」
翔太郎「正攻法で行くしかないってか!」
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:10:00.31 ID:WdZjuyUW0
イカ娘「おーい・・・・おーい、翔太郎ー!!」
翔太郎「ん?」
イカ娘「あすかは避難させたでゲソー!」
翔太郎「馬鹿!なんでお前もそのまま避難しなかったんだ!!」
イカ娘「だって、フィリップや早苗や、二人を守る亜樹子が心配じゃなイカ!!」
翔太郎「あーもう!だったらお前は亜樹子のところに居ろ。絶対にこっちの方へ近付くなよ!!」
フィリップ「大丈夫かな・・・・はっ、まずい!来るぞ!」
注意が逸れていた隙に、接近していたヤミーがダブルめがけて突っ込んできた。
翔太郎「メタルでガード・・・・間に合わねえ!」
ドガン!!
翔太郎「・・・・おっ?」
迫っていたヤミーの身体が何者かに突き飛ばされた。
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:12:03.81 ID:WdZjuyUW0
映司「大丈夫ですか?あのヤミー、女の子から生まれたやつですよね?」
フィリップ「ああ、あっちで倒れてる少女が生み出したようだね。」
映司「彼女はすぐに目を覚ますはずです。他に何か被害は?」
フィリップ「特に無い。今のところはね。」
映司「外に出てくれたのなら、後は倒すだけか。良かった~。」
ライドベンダーにまたがったオーズが胸を撫で下ろす。
翔太郎「またまた世話になっちまったようだな、オーズ。」
映司「気にしないでください。それよりも、さっきのたくさん撃つやつ、また出来ます?」
翔太郎「まあ、なんとかな。」
映司「じゃあ俺があのヤミーの気を引きますんでお願いします。助け合いでいきましょう!」
フィリップ「しかし、それでもせいぜい数発当てられるかだ。とても決定打にはならない。
むしろ足止めの間に君の受けるダメージの方が大きいかもしれない。」
映司「かわされてもいいんです。むしろかわさせてください!」
翔太郎「何?」
映司「とどめは俺が引き受けます!」
そこまで言うと、起き上がったヤミーの方へと駆け出した。
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:14:14.19 ID:WdZjuyUW0
フィリップ「なるほど。翔太郎、弾道の制御は僕に任せてくれ。」
翔太郎「ああ、助け合いで決めるぜ。」
\トリガー!マキシマムドライブ!!/
翔太郎「オーズ、いくぜ!」
映司「はいっ!」
光弾の発射に合わせ、ヤミーから距離を取ると、
“スキャニングチャージ!!”
肢をバッタのように変化させ、必殺キックの体勢に入る。
フィリップ「オーズ、君から見て右斜め前方50メートルだ!」
オーズ「了解。とうっ!」
そして、ヤミーが追尾する光弾から身をかわしている隙に、上空へ跳び上がった。
オーズ「せりゃぁぁあーー!!」
そして、フィリップの指示したポイントへとキックを叩き込む。
まさに必殺のタイミングで、誘導されたヤミーが跳びこんで来た。
翔太郎「やった!!」
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:16:36.46 ID:WdZjuyUW0
映司「うわあっ!?」
命中の寸前、横手からの攻撃でオーズが吹っ飛ばされた。
翔太郎「なにぃ!?」
緑の光弾が飛んで来た方を向くと、既に攻撃の主は眼前まで迫っていた。
W「ぐはっ!!」
腹部への一撃を食らったダブルも、オーズ同様に大きく吹き飛ばされる。
翔太郎「てめえか、余計な横槍入れやがって!」
カザリ「えー、オーズもやった助け合いじゃない。
まっ、オーズのも含めて卑怯とは思わないけどね。命懸けの戦いなんだしさ。」
映司「お前・・・・。」
立ち上がった映司にヤミーが追撃を仕掛けてきた。
カザリ「お前はちょっとそいつと遊んでてよ。今興味があるのはガイアメモリの方なんだ。」
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:16:37.77 ID:ysSyOgwW0
なんという俺得
支援せざるをえない
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:18:27.13 ID:WdZjuyUW0
アンク「ハァハァ・・・・カザリ!」
千鶴「イカ娘ちゃん!」
イカ娘「あ・・・・!」
亜樹子「何々、また知り合い?」
ライドベンダーに乗ったアンクと、走ってきた千鶴も到着した。
イカ娘(なんでバイクに乗っていた方が息が荒いのでゲソ?)
カザリ「なんだアンクも来たんだ。これなら“ライダー”を片付けた後のメダル集めも期待できるかな。
しかし、ダブルってオーズと似ているみたいだけど変身はしたままなのか、面倒くさいね。」
右手でかざしたメモリを覗き込む様にしながらそう言った。
フィリップ「!?翔太郎、ルナメモリを取られた!」
翔太郎「さっきか・・・・トリガーの方だけでも無事だったのは不幸中の幸いかも知れねえが、
もう今と同じ手は使えねえって事か。」
フィリップ「ああ。それにあいつはヤミーと違って知性があるようだ。
同じ手を使おうとしても、狙う位置がバレてかわされてしまうだろう。」
翔太郎「どうするよ?」
フィリップ「まずはヤミーと交戦中のオーズを援護する。」
\サイクロン!/\ジョーカー!/
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:21:11.84 ID:WdZjuyUW0
翔太郎「ああ、ヤミーから一気に片付けるぞ!」
何かが唸るような音と共に鳥型のメモリが飛来した。
イカ娘「フィ、フィリップがキャトルミューティレーションされたでゲソ!」
亜樹子「あれUFOの類じゃないから。」
イカ娘「う・・・・私も知らぬ間に宇宙人狂いの知り合いに毒されていたでゲソ。」
亜樹子「あれで翔太郎君とフィリップ君が身も心も一つになるの!」
早苗「イカちゃんと身も心も一つに!!・・・・あれ、ここどこ?あ・・・・イカちゃんが居る!」
亜樹子「あ、目を覚ましたのね。」
イカ娘「最悪の再会でゲソ。」
早苗「良かった、無事だったんだ・・・・うっ、うぅ・・・・。」
イカ娘「な、泣かなくてもいいじゃなイカ!」
早苗「だって・・・・うぅ・・・・。」
千鶴「早苗ちゃん、大変だったわね。ちょっとお休みしてましょうか。」
早苗「はい、ぐすっ・・・・。」
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:25:45.02 ID:ev8aZLyD0
アンク「そうだ、事情は分からんが下手に戦いに巻き込まれないようにしろ。
あのバカはヤミーの宿主にまで気を遣いやがるんでな。」
早苗「え、戦い?・・・・・・・・キャーッ!!」
アンク「ふん、隅っこで大人しく震えてろ。」
早苗「カワイーーー!!どっちも可愛すぎるっ!!」
アンク「・・・・・・・・なんだと?」
早苗「あんな可愛い子達を戦わせるなんてとんでもないわ、止めなきゃ!」
アンク「だからやめろと言ったろ!」
アンクが早苗の肩を掴んで止める。
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:27:39.60 ID:ev8aZLyD0
早苗「あら?何この右手、これもかわいいー!」
アンク「あ、コラ、気安く触るな!!」
早苗「なになに、これって生でくっついてるのスゴーイ!!」
アンク「放しやがれ!」
イカ娘「早苗、よそで迷惑かけるのはよすでゲソ。」
早苗「イカちゃんったら嫉妬しなくてもいいのよ。
だって私はイカちゃん一筋だもの!」
早苗がイカ娘に跳びついた。
イカ娘「だから気安く触るのはやめなイカ!」
即、イカ娘の頭部のヒレで吹き飛ばされる。
早苗「ああ、この感覚・・・・イカちゃんに再会したって実感できるわあ・・・・。」
千鶴「ちょっと、本当に戦いに巻き込まれたら危ないわよ。」
イカ娘「そうでゲソね。まあここは私の鉄壁の守りに任せるがいいじゃなイカ!」
イカ娘が触手をうねらせてスタンバイする。
アンク(こいつら・・・・みんな絶対におかしい)
亜樹子「・・・・さ、さーて!これで後は翔太郎君達があいつらを倒すだけね。」
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:30:35.47 ID:ev8aZLyD0
フィリップを取り込んだエクストリームメモリをWがキャッチした。
\エクストリィィーム!!/
翔太郎「よっしゃあ!早速だがフィリップ、奴の“検索”を頼む。」
フィリップ「・・・・・・・・。」
翔太郎「フィリップ?おい、どうした?」
フィリップ「もうやっているが、全く情報を得られない・・・・。」
翔太郎「なにぃ!?」
フィリップ「あいつも、さっき誕生したばかりで地球の記憶が存在しないんだ・・・・。」
翔太郎「畜生・・・・とにかくやるしかねえ!」
亜樹子「お待ちなさい!」
翔太郎「ん?」
亜樹子「このピンチな局面、まさに今こそ助けが必要な時!!」
翔太郎「危ないの分かってるんなら、照井呼んで大人しくしてろ!」
亜樹子「ふっ、もう連絡済みよ。しかぁし、それだけじゃあないのよ。これを見よー!!」
亜樹子が右手のものを高々と掲げる。
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:32:53.53 ID:ev8aZLyD0
翔太郎「お前、それ俺のロストドライバーだろ!」
亜樹子「はっはっはー、さっきの失態から学んだのよ。
これで華麗に浪花の美少女仮面に変身して、
竜君と“夫婦で一人の仮面ライダー”しちゃうんだから!」
イカ娘「お主も変身を!?」
亜樹子「早苗ちゃんも目を覚ましたし、ガードはイカ娘ちゃんに任せられるしね。」
イカ娘「わ、分かったでゲソ。亜樹子不在中のことは引き受けようじゃなイカ。」
翔太郎「お前、ライダーアレルギーはどうなったんだよ?」
フィリップ「そうだよ。ライダーが災いの種とか難癖付けてたじゃないか。」
亜樹子「マリッジブルーなんてもう振り切ってやったわー!
警察無くしたら強盗無くなるか、っちゅーねん。」
イカ娘「なんかテンションの高さについてけないでゲソ。」
亜樹子「だって現実の世界じゃ初変身だもん。
ふん!見ていて頂戴、私の変身!!」
気合をこめて腰にロストドライバーをセットした。
フィリップ「亜樹ちゃんが本当に・・・・何のメモリを?」
翔太郎「やっぱスカルか?」
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:36:02.78 ID:ev8aZLyD0
亜樹子「・・・・あ!メモリのこと、すっかり忘れてたー!!」
翔太郎「おい!お前はアホか?いや、確実にアホだ!!」
亜樹子「うるさいわねー!
うーんと、メモリメモリ、どこかに落ちてないかな?」
翔太郎「そんな都合良く転がってる訳あるか!
もう大人しく引っ込んでろ、俺達のは貸さねーぞ!!」
亜樹子「そんなー。」
千鶴「あの・・・・。」
亜樹子「ん、あなたは?」
千鶴「ひょっとして、これって使えるのかしら?」
亜樹子「え?これって・・・・ガイアメモリじゃーーん!」
翔太郎「なにぃ?」
千鶴「さっき偶然拾ったの。」
翔太郎「どんな偶然だよ。」
フィリップ「『どうやら、切り札は常に俺の所に来るみたいだぜ(キリッ)』みたいな偶然とか?」
翔太郎「お前は俺のストーカーか。」
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:39:06.26 ID:ev8aZLyD0
亜樹子「試してみる価値は大有りだと思うわ!」
千鶴「そう、良かった。」
亜樹子「じゃあ、はい。これ着けて変身してみて。」
そう言って千鶴の方にロストドライバーを差し出す。
千鶴「私が?あなたが使えば・・・・。」
亜樹子「そのガイアメモリってのはね、相性が良かったり、何らかの意味があって、
使うのにふさわしい人と惹かれあうの。だから、あなたが使った方がいいかな、って。」
翔太郎「おい亜樹子!無関係な人間を巻き込むな!!」
千鶴「・・・・いいえ、試してみる。だって私も無関係じゃないもの。
私はイカ娘ちゃんに戻ってきて欲しくて、そのためにここまで来たの。」
イカ娘「千鶴・・・・!」
千鶴「不安もあるけれど、きっと光輝く絆が私に勇気を、希望と力を与えてくれると思うの。」
亜樹子「あなたが千鶴さんだったのね!じゃあロストドライバーを・・・・こう着けて、っと。」
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:42:22.17 ID:ev8aZLyD0
翔太郎「まあ普通のガイアメモリじゃドライバーに入らないだろ。」
フィリップ「どうやらT2ガイアメモリなのか、形状的には入りそうだ。」
翔太郎「おいおい。でも、どんなメモリでも変身できたっけ?」
フィリップ「さあ?ちょっと興味深いね。」
亜樹子「そう言えば、それって何のメモリか分かる?文字は?」
千鶴「・・・・“J”ね。」
翔太郎「なんだとー!?」
フィリップ「まさか本当に『(キリッ)』札のメモリが?」
翔太郎「その略し方やめろ!」
亜樹子「まずスイッチでメモリを起動して。」
千鶴「こう・・・・かしら?」
\ジャンク!/
千鶴「・・・・。」
\ジャンク!/\ジャンク!/\ジャンク!/
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:43:17.47 ID:ev8aZLyD0
千鶴「・・・・・・・・。」
\ジャン・・グシャッ・・
亜樹子「ブローチみたいにあっさり握り潰したー!」
翔太郎「生身じゃどっちも潰れねーよ・・・・。」
フィリップ「しかも強度アップしてるT2・・・・。」
千鶴「あらぁ、手が滑っちゃったわぁ。」
翔太郎「やっぱ、照井が来るまで俺達とオーズでなんとかしなきゃみたいだな。」
カザリ「あーあ、残念だなあ。僕にも使えるかも、って観察してたのに。」
翔太郎「てめえ!」
カザリ「やっぱりこのメモリ、僕には挿し込めないみたいなんだ。」
翔太郎「そりゃあ、正しいことのために使うもんだからな。返せ!」
アンク「おいダブル!お前はそのままカザリの相手をしてろ。
そいつは800年前から存在するグリードだ、お前の“検索”ってのも有効な筈だ!!」
フィリップ「なるほど、試す価値はある。」
カザリ「やれやれ、やるしかないみたいだね。」
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:47:39.18 ID:ev8aZLyD0
映司「アンク、それよりこっちのフォローも!チーターのメダルくれよ!!」
ヤミーのスピードに翻弄されっ放しで、一方的に攻撃を食らっているオーズが泣き付いた。
アンク「馬鹿言え、高速のヤミーに奪われて、カザリを喜ばせるだけだろうが。自力で何とかしろ!!」
映司「そ、そんなこと言っても。」
アンク「映司、自分がチーターのメダルを使った時のことを思い出してみろ。」
映司「え?えーと・・・・。」
考えるオーズに狙いを定めヤミーが飛び掛った。
映司「・・・・そうか!」
身を翻したオーズが、その一撃を紙一重でかわした。
そして、次に繰り出される攻撃もやはりギリギリで避ける。
映司「分かったよアンク。こいつ、狙いを定めて一跳びで攻撃してくるから・・・・おっと!
方向さえ読めればその線上を外せばいいんだ!・・・・・・・・よっと。
そして、空振りするとその勢いでブレーキに時間を食うから、次の攻撃にも備えられる!!
よっ・・・・今はかわすので精一杯だけど、反撃の糸口も掴めるかも!サンキュー、アンク。」
アンク「ん・・・・ああ、まあな。」
イカ娘「お主、テキトー言ったんじゃなイカ?」
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:50:17.92 ID:ev8aZLyD0
翔太郎「おいフィリップ、どうなってんだ?」
一方ダブルはカザリに苦戦を強いられていた。
カザリの放つ光弾が、まるでルナトリガーの攻撃のように変化していたのだ。
フィリップ「正確には分からないが、発動したメモリのパワーを挿さずに取り込んでいるみたいだ。」
翔太郎「おいおい。やられる立場になると相当やらしいな、これ。」
フィリップ「弾速を凌駕する超スピードか、ダメージをものともしない耐久力が攻略の鍵だね。」
翔太郎「どっちも無い場合は?」
フィリップ「諦めるか、性能ではなく運用で勝負するかだ。」
翔太郎「一拓じゃねーか。」
フィリップ「ただ、なんとか弾道の方は計算できるが、奴まで“検索”する余裕は無いね。」
翔太郎「とにかく力ずくで突っ切る!」
ダブルが駆け出し、数多の光弾をあるいは避け、あるいは盾で防ぎ、あるいは剣での攻撃で潰す。
イカ娘「おお、すごいじゃなイカ!これならあいつまで辿り着けそうでゲソ。」
フィリップ「翔太郎、ちょっと待って!」
翔太郎「ん?・・・・!?」
何かに気付いたダブルが進路を変え、自ら流れ弾に当たりに行った。
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:50:48.03 ID:zh2t3BK40
ナイスな展開じゃないか!
支援
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:53:51.41 ID:WdZjuyUW0
イカ娘「二人とも、どうしたのでゲソ!?」
亜樹子「あ、あれ・・・・!」
亜樹子の指差す方を見て、イカ娘も何があったのかを理解した。
イカ娘「あすか!?なんで戻ってきたでゲソ!」
攻撃を受け止めたダブルのすぐそばに、あすかが立ちすくんでいた。
亜樹子「実はね、あすかちゃんのお父さん死んじゃったけど、
あすかちゃんは仮面ライダーがお父さんだと信じてるの。」
イカ娘「・・・・え?」
亜樹子「さっきは言えなかったけど、だから・・・・心配になって戻ってきちゃったんだと思う。」
イカ娘「それで・・・・正体を秘密にしたり、私にあすかを連れて逃げろと・・・・。」
亜樹子がこっくりと頷く。
カザリ「なんだか知らないけれど、このまま倒させてもらうよ!」
マキシマムドライブに匹敵する量の攻撃が一斉に放たれた。
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:56:33.46 ID:WdZjuyUW0
翔太郎(ご丁寧に散らしてきやがって)
フィリップ(翔太郎、この攻撃から楠原あすかを守る方法が一つだけ見つかった)
翔太郎(それなら俺にも分かるぜ)
フィリップ(多分それだ)
翔太郎(じゃあやるか!)
あすかに覆いかぶさるようにして、自分の身を呈して迫り来る攻撃からかばう。
翔太郎(ぐっ・・・・やっぱりきついな!)
フィリップ(ふふ、予想通りだ。ちゃちな嘘をつくからだよ、翔太郎)
翔太郎(そうだな。だけど、俺はこの嘘をつき通すぜ!)
フィリップ(ああ、僕もさ。手を貸した以上はね)
カザリ「さあ!いつまでもつかな!?」
動けないダブルに対して絶え間の無い攻撃が続いた。
アンク「おい映司!」
映司「分かってる!なんとか助けに・・・・くそぅ、まだかわすので精一杯だなんて!」
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 00:59:25.00 ID:WdZjuyUW0
イカ娘「私の・・・・私のせいじゃなイカ・・・・。」
目の前で繰り広げられる光景に、イカ娘が膝をつく。
イカ娘「私が翔太郎の言った通りにあすかを保護していれば・・・・。」
イカ娘が身を小刻みに震わせる。
亜樹子「イ、イカ娘ちゃん・・・・。」
イカ娘「何も出来ないくせに、自分の力を過信して戻って来なければ・・・・ううっ。」
なんとか慰めようとした亜樹子もかける言葉を失ってしまった。
映司「そうは・・・・そうはさせるか!もうただ見てるだけなんて嫌だ。
手が届くのに手を伸ばさないで、死ぬほど後悔するのは嫌なんだ!」
そう叫んだオーズがヤミーに正対する。
映司「反応できなくても、移動する軌道が分かるのなら・・・・こうだ!!」
突進してくるヤミーに対し、真っ向から体当たりを仕掛けた。
激しい音を立て衝突した両者が吹っ飛び、そのまま地に倒れた。
先に立ち上がったのはオーズだった。
映司「い、今助けに・・・・行・・・・。」
しかし、そのまま崩れ落ちると、もう立ち上がる気配は無かった。
アンク「あの大馬鹿が、あんな事をしたら分かりきった結果だろうが!」
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:02:40.05 ID:WdZjuyUW0
ほぼ同時に、悲しい鳴き声のような音をさせながらエクストリームメモリが飛び去ってしまった。
亜樹子「翔太郎君・・・・フィリップ君?オーズまで・・・・。嘘だよね!」
泣きじゃくるあすかのそばに横たわるダブルもフィリップも、そしてオーズもピクリとも動かなかった。
カザリ「あーあ、思ったよりもあっさり終わっちゃいそうだな。
後は、なんか合体させたってガイアメモリを回収するだけか。」
つまらなそうに言って、手にした端末の表示を見る。
カザリ「あれ?これってここじゃない。・・・・そうか、あいつらがもう回収してたんだ。
じゃあそれを頂いて終了か、拍子抜けだなあ・・・・なんか面白くできないかなあ?」
亜樹子「も、もしかして、あいつオズのメモリ目当て?」
千鶴「オズのメモリ?」
亜樹子「イカ娘ちゃんがこの世界に来る時に使ったメモリなの。無いと帰れなくなっちゃうの!」
千鶴「なるほど、分かったわ。それは渡す訳にはいかないわね。」
早苗「でも、なんかあいつ、探知機の反応を見てるみたいですよ?」
千鶴「ただ逃げるだけじゃ駄目ってことね。」
亜樹子「でも私達じゃあ戦えないし。」
千鶴「まずは時間を稼ぐことだわ。あそこの“ライダー”の方々が目覚めるか、
あなたが呼んだ“ライダー”の到着を待つか。」
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:05:30.92 ID:WdZjuyUW0
早苗「どうやって?」
千鶴「狙いのメモリを囮にするしかないとは思うんだけど・・・・。」
亜樹子「よ、よーし!あんた達の欲しいものはここよ!」
早苗「え、ちょっと!?」
亜樹子「私がこれを持って逃げるわ!だからあなた達は別の方へ逃げて!!」
早苗「あなたは?それに時間稼ぎをするんじゃ。」
亜樹子「大丈夫、こういう事件には慣れてるから。
それにあなた達は依頼人に当たるんだもの、傷つける訳にはいかないの!!」
千鶴「ありがとうございます。だけど、私達も当事者です。
他の方々に負担を掛けてばかりという訳にもいきません。
・・・・イカ娘ちゃん、あなたはどう思う?」
泣き続けていたイカ娘が泣くのをやめた。
イカ娘「私は、私は・・・・。」
未だ動揺したままのイカ娘を千鶴が抱きしめた。
千鶴「落ち着いて。あなたはそんなに弱くないはずよ。」
イカ娘「私は・・・・逃げる訳にはイカんでゲソ。
みんなが傷付いたのは私のせいだけど、それで逃げたら、
亜樹子まで傷付いたりメモリを奪われたりしたら、本当に顔向けできないでゲソ。」
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:08:18.40 ID:WdZjuyUW0
千鶴「それじゃあ、どうする?」
イカ娘「全部終わってからみんなにきっちり謝って、それでお礼を言って帰るでゲソ。」
千鶴「じゃあここが正念場ね。立ちましょう?」
イカ娘「分かったでゲソ!」
千鶴「それじゃあ、ちょっとだけ作戦を打ち合わせましょう。」
亜樹子「わ、分かったわ。」
千鶴「いい?恐らくあいつは私達が完全に退却しようとしなければ本気で潰しには来ない。
だからあいつに本腰を入れさせないのと、
応援に来てくれる人が迷わないように、あまりこの場は離れずに・・・・。」
手短に相談してから、四人が散開した。
カザリ「何か考えたみたいだね。楽しませてくれるのかな?
さあて、あいつらからメモリを取って来な。」
指示を受けたヤミーが四人の方へとゆっくり歩き出した。
アンク「ちっ、あっちが済んだら次の矛先はこっちか。おい映司、起きろ!映司!!」
カザリ「あっさりやっちゃってもつまらないけど、
逃げられそうだったら始末しちゃっていいよ。」
亜樹子(ここまでは読み通りみたいね・・・・)
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:09:46.06 ID:wKhlfidxO
ほほぅ
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:10:33.41 ID:WdZjuyUW0
寄ってきたヤミーが、まず手近に居た早苗に狙いをつけた。
早苗「きゃっ、き、来た!」
そしていよいよ攻撃の間合いに入るかというところで亜樹子が声を張り上げた。
亜樹子「待ちなさーい!お目当てのメモリはこっちよ。残念でしたー!!」
見せびらかすようにメモリを振る。
それに反応したヤミーが今度は亜樹子に迫った。
千鶴「・・・・今よ、亜樹子さん!」
亜樹子「はい、パスッ!!」
ヤミーが投げられたメモリを追いかける。
カザリ「ふうん、そういうのか。でも、そいつのスピードに対してはどうかな?」
その言葉通り、メモリを捕ろうとする千鶴のところに既にヤミーが迫っていた。
早苗「千鶴さん危ない!」
猛スピードでヤミーが飛び掛り、千鶴と交錯した。
カザリ「あらら、終わっちゃったかな?」
が、ヤミーは千鶴を素通りするかのようにそのまま飛んで行き、地面に突っ込んだ。
亜樹子「えっ!?」
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:12:37.18 ID:WdZjuyUW0
千鶴「確かに軌道とタイミングさえ読めれば楽ね。自分の力は殆ど必要無いし。」
そばに落ちていたメモリを拾い、悠然と放る。
千鶴「イカ娘ちゃん。」
バシッ!!
イカ娘(やはり千鶴は恐ろしいでゲソ・・・・これがつながらなかったら、私の首も・・・・)
攻撃された怒りもあるのか、さっきよりも激しい勢いでヤミーが迫ってくる。
イカ娘「な、なるべく引き付けてから・・・・もう限界でゲソ!さ、早苗ェ!
・・・・って、手元が狂ってしまったじゃなイカーーーー!!」
逃げながら、それも緊張した状態で投げたところ、本来の方向から大きくずれてしまった。
イカ娘「もうお終いでゲソ・・・・私もこれまででゲソ・・・・。」
イカ娘が頭を抱えて屈み込む。
早苗「イカちゃん、諦めないで!!」
イカ娘「おおっ、早苗!?」
なんと早苗は既に落下点に入っていた。
亜樹子「あれ?一瞬で百メートル位移動してない?見間違い?」
早苗「イカちゃんからの愛のパスライン!途切れさせはしない!!」
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:14:37.14 ID:WdZjuyUW0
イカ娘「さ、早苗ー!今だけはお主の異常っぷりに感謝するでゲソ。」
早苗「さあ、私のところに飛び込んできて!!」
しかし、両手を広げて迎え入れようとしたメモリが目前で消えた。
早苗「あ、あら?」
亜樹子「ヤミーよ!ヤミーが急に加速して、横から跳びついたの!!」
早苗「そ、そんなあ・・・・あなた、返しなさいよ!」
早苗がヤミーに文句を言う。
イカ娘「馬鹿なことはやめなイカ!」
無論ヤミーは早苗の言うことになどお構い無しで、さらに事態は悪化することになった。
早苗「あーーっ!メモリ飲み込んじゃった!!」
千鶴「仕方ないわ。早苗ちゃん、こっちに!」
早苗「は、はいっ!」
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:16:16.92 ID:WdZjuyUW0
亜樹子「あーもう、メモリ食べちゃうなんて何考えてるのよー!」
イカ娘「何も考えてないんじゃなイカ?」
早苗「いいえ違うわ!」
イカ娘「お?」
早苗「イカ娘ちゃんが投げたメモリを自分だけのものに、
むしろ自分の一部にしたかったのよ!スピードアップしてでも!私には分かる!!」
イカ娘「私にはさっぱり分からんでゲソ。」
早苗「私だって、あれが帰るのに必要でなければ・・・・!」
イカ娘「もう口を開くのはやめとかなイカ?」
カザリ「あーあ、もう君達じゃあ取り返せないね・・・・ゲームオーバーか。
じゃあ、ついでに後片付けもしといてくれる?」
その言葉にヤミーが殺気を放つ。
千鶴「みんなもっと集まって!散らばっていては駄目!!」
映司「待て!」
オーズがヤミーの背後からしがみついた。
アンク「まったく、目覚めるなり行っちまいやがって。
メダルを換えるチャンスもパーだ。」
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:18:36.47 ID:WdZjuyUW0
映司「だって、それで間に合わなくなったら。」
アンク「はんっ、好きに手を伸ばしてろ。だがな、責任持って勝て。」
映司「分かってる!」
アンク「問題はあっちか。」
カザリ「へえ、オーズは復活したんだ。ダブルの方はどうかな?
遊び相手にしてもいいけど・・・・そうだな、後ろのそいつは要らないな。」
あすか「仮面ライダーさん・・・・起きて、起きてぇ・・・・。」
カザリ「バイバイ。」
カザリの手から攻撃が放たれた。
カザリ「・・・・へえ。」
ダブルが立ちはだかって盾になっていた。
翔太郎「待ちやがれ、この子に手出しはさせねえ!」
しかし限界も近いのか、気を吐いたそばから膝をついてしまう。
カザリ「利用はさせてもらったけど、そればっかりだとつまらないんだよね。
だからその子供はもう用済み、むしろ邪魔って訳。」
あすか「もういい、もういいの!
仮面ライダーさん、私のことはいいから、街のみんなのために戦って!!」
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:23:27.98 ID:WdZjuyUW0
カザリ「・・・・だってさ。それとも変身が完全に解けるまで諦めない気?」
翔太郎「ふざけるな、たとえ変身が解けたって諦めねえ。
風都を傷つける奴は・・・・風都を泣かせる奴は!
この町を守るライダーであるこの俺がぜってー許さねえ!!」
よろよろとダブルが立ち上がる。
フィリップ「違うな、翔太郎。僕達二人が、だ。
たとえ今はこの子一人を守るのがやっとでも、
僕達は“二人で一人の仮面ライダー”だ!」
翔太郎「フィリップ・・・・。」
カザリ「もうどうでもいいや、これでトドメだ!」
一発だが、大きめの光弾が撃ち出された。
翔太郎「くっ!!・・・・・・・・お、お前。」
照井「遅くなっておいてすまないが、俺達三人、でもいいか?」
放たれた攻撃を、アクセルトライアルが代わりに受け止めていた。
フィリップ「もちろん、僕は構わない。」
翔太郎「照井・・・・いや、それは違うな。」
フィリップ「どういうことだい?」
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:27:13.75 ID:WdZjuyUW0
翔太郎「俺達三人も・・・・それからあそこでスリッパ振り回して叫んでる亜樹子も、
ウォッチャマンやサンタちゃんみたいな街のみんな、
今は風になっちまった、でもきっとまだこの街を愛している男・・・・
おっかなくても、自分より街を守れと勇気を出したあすかだって・・・・
みんな、みんな愛するもののために戦える“仮面ライダー”なんだ。」
フィリップ「翔太郎・・・・。」
翔太郎「お前達のおかげで気付いたんだ。ライダーに資格なんてねえ。
敵を倒すための力なんてただのおまけだ。
愛する想いとそのために貫ける勇気、それさえあればいい。」
照井「・・・・そうかもな。そして、そういう人々が居るからこそ、
“たまたま”敵を倒す力を持った俺達も最後まで頑張れるんだろう。」
フィリップ「うん、ここで諦める訳にはいかない。」
カザリ「あーあ。アクセルって奴が来ちゃったみたいだし、遊びはお終いかな。」
カザリが掲げた手に今までよりも強大な力が集まっていく。
照井「トライアルの装甲ではそう長くは持たん!
マキシマムドライブで逃げるぞ、立てるか?」
左腕を掴むアクセルトライアルの手をダブルがほどいた。
翔太郎「照井、俺達のことは構わず逃げろ。」
照井「何を言ってるんだ、そんな状態で。」
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:33:41.91 ID:qI+EkLOf0
面白すぎて明日早いのに終わるまで寝れじゃないか
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:33:47.29 ID:ev8aZLyD0
翔太郎「いくらなんでもあすかとフィリップの身体で手一杯だろ。
俺達まで連れてたら、マキシマムドライブでも
さっきみたいに数で攻められていつかやられる。」
照井「しかし、お前達は?」
翔太郎「俺に策がある!早く行け、三人ともやられちまうだろ。」
あすか「あの・・・・。」
心配そうな顔を向けるあすかの頭を、ダブルが無言で撫で、最後にぽんぽんと軽く叩く。
あすか「う・・・・パパ・・・・・・・・ありがとう、仮面ライダー・・・・さん。」
照井「分かった、信じるぞ。・・・・死ぬなよ。」
次の瞬間、アクセルトライアル達の姿が消えた。
カザリ「へえ、策ねえ。どれ、見せてみなよ!」
カザリの腕がダブルへ向けて振りかぶられた。
フィリップ「来るぞ翔太郎、早く君の策を!」
翔太郎「慌てるな、すぐ終わる。」
フィリップ「!?」
ドライバーへと伸びる左手を右手が止めた。
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:36:13.10 ID:ev8aZLyD0
翔太郎「放せフィリップ。間に合わなくなるだろうが。」
フィリップ「翔太郎、君は何を考えている?・・・・まさか!」
翔太郎「変身を解除すれば、お前は無事だ。
亜樹子の持ってきたロストドライバーを使うなり、
残っていたらだけどよ・・・・俺の形見のダブルドライバーで
サイクロンアクセルエクストリームになればきっと勝てる。」
フィリップ「馬鹿なことを言うな!」
翔太郎「いいじゃねえか、復讐のダブルなんかじゃねえ、
俺達三人のエクストリームだぜ。」
フィリップ「まさか、さっき“三人とも”って言ったのは!」
翔太郎「あと・・・・ふうとくんのキーホルダーも貰ってくれるか?
重いもんだけど、託せるとしたらお前しか居ねえ・・・・。」
フィリップ「そんなの・・・・お断りだ!」
カザリ「よく分からないけどさあ・・・・なんか期待しても無駄みたいだね。バイバイ。」
ぶっきらぼうにカザリの腕が振り下ろされた。
翔太郎「フィリップ!手を放せ!!」
フィリップ「いやだ!僕の相棒は君だけだ!!」
座り込んだままのダブル目がけて特大の弾が飛んで行き、そして、炸裂した。
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:40:09.02 ID:ev8aZLyD0
カザリ「あーあ、消えちゃったかあ。やっぱり期待外れだったな。」
爆煙が晴れた後、そこには大きな穴があるだけだった。
照井「貴様!!よくも、よくもあいつらを!!」
怒りで拳がワナワナと震える。
照井「貴様は許さん!貴様に対しては、再び復讐のために戦ってやる!!」
翔太郎「おーい、照井ー!」
照井「なんだ?高い所から声が・・・・まさか、天国から・・・・。」
フィリップ「勝手に殺さないでくれ。ここだよ、ここ。」
照井「お前達!」
イカ娘の触手がダブルを巻き取り、上空へと退避させていた。
イカ娘「カザリとやら。あいにくでゲソが、私の依頼を果たしてもらうまで、
それときっちり詫びを入れるまでは、この二人を死なせる訳にはイカんのでゲソ!!」
翔太郎「お前の熱暴走する癖、まだ直ってなかったんだな。」
フィリップ「気持ちは嬉しい気もするけどね。相手の行動の根っこも愛とかじゃなく欲望だし。」
照井「確かに俺も相変わらずだったな。
だが、お前達を失ってなお『街を守るために戦う』と言えるような出来た人間ではないんでな。」
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:43:08.93 ID:ev8aZLyD0
翔太郎「まったくよお。最後くらいハードボイルドに決まったと思ったのにな。
いつもいつも澄ましてやがるくせに、こんな時ばっかり揃いも揃って・・・・へへ。」
フィリップ「僕もハーフボイルドなんだよ。でも、だからこそ、僕達は“二人で一人の仮面ライダー”になれるんだ!」
翔太郎「・・・・かもな。よーし、いくぜ相棒!!」
フィリップ「ああ!」
カザリ「どうやら“ライダー”が揃っちゃったみたいだけどさ、いいのかな?」
翔太郎「何がだよ?」
カザリ「君達はおネンネしてたりで知らないだろうけどさ、
あのヤミー、世界を移動するための大事なメモリってのを飲み込んじゃったんだよ?」
翔太郎「なんだって!?」
カザリ「あいつを倒せる程の攻撃で、メモリが壊れなきゃいいけどねえ。」
照井「おい、どうする?俺は少し見ただけだが、とても手加減できる相手じゃないぞ。」
フィリップ「まずは、なんとかしてあのヤミーからメモリを・・・・。」
千鶴「待ってください!」
翔太郎「ん?」
千鶴「メモリには構わず倒してください。
食べられてしまった段階で無事かも分からないメモリのために、これ以上傷付かないで欲しいの。」
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:46:06.43 ID:ev8aZLyD0
フィリップ「本当にいいのかい?もう帰れないかもしれないんだよ?」
早苗「私も同じ気持ちよ。私のせいであの怪物が出て来たみたいだし、
そんな怪物を暴れさせる訳にはいかないもの!!」
翔太郎「・・・・イカ娘、お前はどうなんだ?」
イカ娘「もちろん、気にせずやってしまえでゲソ!
そもそも私の失態のせいでメモリどころか多くの命まで失いかけたのだし、
それに何より、私にはハードボイルドな名探偵との約束があるじゃなイカ!!」
翔太郎「ほーう。俺はそんなスゴい探偵知らないけどな。」
フィリップ「イカ娘ちゃん、それならもう下ろしてくれないかな?」
翔太郎「助けられたのには感謝してるけどさ、多分、今の俺達かなり間抜けな姿だぞ。」
イカ娘「まあ待たなイカ。お主達の心意気には私も胸を打たれたでゲソ。
私も全力で援護してやるから、アイツらをやっつけてしまえでゲソ!!」
勢いをつけ、触手でダブルを放り投げた。
イカ娘「あーーーっ!またすっぽ抜けてしまったじゃなイカーーー!!」
翔太郎「おい、どうすんだコレ!!」
フィリップ「高速の上、きりもみ回転だから方向を変えられない!」
カザリ「あーあ、残念だったね。」
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:48:48.66 ID:ev8aZLyD0
翔太郎「今からじゃ、ハードタービュラーも間に合わねえぞ!」
フィリップ「こうなったら、もう腹をくくって常に前向きにいこう。」
\サイクロン!/
翔太郎「どういうことだ?」
\サイクロン!マキシマムドライブ!!/
フィリップ「サイクロンメモリの力を全開にして軌道を制御する!」
翔太郎「なるほどな。よーし、このままの勢いで突っ込むぜ!!」
カザリ「さーて、それじゃあどっちを先に・・・・うん?・・・・なんだって!?」
背後の違和感に振り向いたカザリに動揺が走った。
翔太郎「卑怯じゃないんだよな!」
フィリップ「遠慮無く突っ込ませてもらうよ。」
不意を突かれたカザリは回避行動を取れなかった。
翔太郎「トリプルマキシマム・スピニングダンス!!」
カザリ「まずい!!」
命中する寸前、両者の間にヤミーが入り込んだ。
しかし、間に入ったヤミーをものともせず吹き飛ばすと、そのままカザリも蹴散らした。
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:51:28.96 ID:ev8aZLyD0
アンク「今だ!」
衝撃でカザリがこぼした物を、アンクが抜け目無く回収する。
照井「ああ。今しかない、オーズ!」
カチッ
照井「お前に二度と地は踏ません!!」
ヤミーの落下地点に入ると、マシンガンスパイクを上に向け放つ。
超音速の連続蹴りがヤミーを背後から叩き上げ続ける。
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:54:18.17 ID:ev8aZLyD0
映司「そっか、あれならどんな俊足でも関係無い!」
アンク「翼でも無けりゃあ、脱出は無理だなぁ。」
映司「なんでお前ちょっと得意気なんだよ。」
アンク「うるさい、ボケッと見てないでお前も行け。」
映司「よっし!」
“スキャニングチャージ!!”
照井「9.4秒!!」
渾身の一撃が、ヤミーの身体をひときわ高く持ち上げる。
映司「はっ!」
オーズの身がそれよりも遥か宙高くまで舞った。
照井「絶望・・・・」
映司「せいりゃーーー!!」
矢と化したオーズがヤミーを射抜く。
照井「それがお前の欲望のゴールだ!」
辺り一面にメダルの雨が降り注いだ。
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:57:28.46 ID:ev8aZLyD0
アンク「ちっ、色合いは似ていたがメダルじゃなくメモリか。」
翔太郎「よう、ありがとな。」
アンク「ふん、タダでは渡せないな。メダルと交換だ。」
翔太郎「はぁ?そんなもの持ってねえぞ。」
アンク「だったら、必死こいて集めてくるんだな。」
映司「おいアンク!何言ってるんだ。
それはお前が持っていたって意味無いだろ。」
アンク「だがこいつらにとっては貴重なものだ。
だったら等価交換のフェアトレードといくべきだろ?」
映司「だけどダブルやアクセルと一緒に倒したんだし・・・・。」
アンク「関係無いな。弱肉強食の奪い合いで、俺が勝ったというだけだ!」
千鶴「もらっちゃった、もらっちゃったあ。」
アンク「ん?」
振り向いたアンクが硬直する。
千鶴「落ちてたメダル、ぜーんぶもらっちゃったあ♪」
千鶴の手にしたビニール袋に、散乱していたセルメダルがことごとく収まっていた。
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 01:59:04.79 ID:ev8aZLyD0
アンク「おいお前、それは・・・・!」
千鶴「これがどうしたのかしら?」
アンク「それはお前には・・・・うぐぐ・・・・。」
千鶴「あら?」
アンク「・・・・くそぅ!ほらよ、メモリだ!受け取れ!!」
翔太郎「どうも。そういや、カザリってのはどうしたんだ?」
アンク「どうやら退散したようだ。もうメモリも、メダルも手に入らんだろうしな。」
翔太郎「厄介な野郎を逃がしちまったな。
ヤミーがかばわなきゃ倒せてたかもしれないのにな。」
早苗「違うわ、かばったんじゃない。」
翔太郎「え、どういうことだ?」
早苗「あれは、イカちゃんからの攻撃を受けるという悦びを得に行ったのよ!私には分かる!!」
イカ娘「分かりたくもないでゲソ。」
フィリップ「でも、それで威力が落ちてルナメモリはブレイクせずに済んだのかもしれない。」
翔太郎「プラマイゼロってことか。」
フィリップ「いや、トータルではマイナスかもしれない。」
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:01:14.51 ID:ev8aZLyD0
フィリップの視線の先にはメモリブレイクした残骸があった。
翔太郎「こっちは駄目だったか・・・・すまねえな、イカ娘。」
イカ娘「まあ仕方ないでゲソ。私も勢いで力加減を誤ったかもしれないし・・・・。」
早苗(栄子、清美ちゃん、渚ちゃん、その他・・・・愛の障害は減った・・・・計画通り!!)
フィリップ「ただ、メモリの正体が分かっている以上はなんとか再現できるかもしれない。
母さんの研究成果だとか、ミュージアムの記録とかにもアクセスして。」
翔太郎「また作るのも時間が掛かっちまいそうだな。」
早苗「えー、帰れなかったらどーしよー。(棒)」
千鶴「それなら大丈夫よ。」
早苗「え?」
千鶴「メモリならここにあるもの。」
フィリップ「確かにオズのメモリだ!」
早苗「ど、どうして?」
千鶴「さっき亜樹子さんから受け取って、イカ娘ちゃんに投げる時、
こっちに来る時にメモリの見本としてもらったものと換えておいたの。」
早苗「あ、あれですか!」
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:03:20.77 ID:ev8aZLyD0
亜樹子「そう言えば、それってなんか場所が分かっちゃうみたいだったけど・・・・。」
千鶴「探知機も付け替えておいたから大丈夫よ。」
亜樹子「あの一瞬で!?」
千鶴「ええ、あの時。」
亜樹子「笑顔でサラッと言ってるけど尋常じゃなーい!」
千鶴「ところで、これをどう使えば帰れるんですか?」
亜樹子「ああ、それは・・・・。」
翔太郎「亜樹子、いったん事務所に戻ってから話そうぜ。
あすかちゃんも家に送ってあげた方がいいだろ。」
亜樹子「あ、そうね。じゃあ千鶴さんと早苗ちゃんも事務所の方へ。」
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:05:43.49 ID:ev8aZLyD0
亜樹子「・・・・と、いう訳なのよ。」
千鶴「なるほど、あちらでオーシャンのメモリというのを使ってもらえばいいと。
通信機ならあるので、多分なんとかなると思います。」
亜樹子「やったー!良かったね、イカ娘ちゃん。」
イカ娘「うむ、色々と世話になったでゲソ。」
照井「良かったな。」
フィリップ「異世界か、興味深い。一度くらい行ってみたいものだ。」
亜樹子「もう、フィリップ君ったら・・・・あれ、翔太郎君は?」
照井「なんか黙々とダーツやってるぞ。」
亜樹子「もう、薄情ね!」
フィリップ「別れが辛いんだよ。だから顔を合わせたくないのさ。」
亜樹子「まったく、最後の最後までハーフボイルドなんだから。」
翔太郎(・・・・・・・・うるせえ!)
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:08:28.52 ID:ev8aZLyD0
イカ娘「しょーたろー!」
翔太郎「うっわ!驚かすな。あと空気読め!」
イカ娘「翔太郎、そのダーツって面白そうでゲソ。やらせてくれなイカ?」
翔太郎「お前な、別れ際にそんなどうでもいいこと・・・・。」
イカ娘「どうでもいいことに興じてるのは翔太郎じゃなイカ。」
翔太郎「分かったよ。いいか、こいつを投げるんだが先が尖っていて危ない。
だからこうやって慎重に狙いを付けて・・・・狙いを・・・・。」
イカ娘「ん?」
翔太郎「やっぱお前にダーツはやらせねえ。」
イカ娘「なぜ!?」
翔太郎「暴投でもされたらシャレにならん。」
イカ娘「はうっ!返す言葉が無いでゲソ・・・・。」
翔太郎「ノーコンが直ってたら、今度はやらせてやるよ。」
イカ娘「今度・・・・もしかしたら、ダーツも覚えて翔太郎より上手くなってるかもしれんでゲソよ?」
翔太郎「おもしれえ、そん時は勝負してやるよ。」
イカ娘「ふん、首を洗って待っているがいいでゲソ。」
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:10:45.09 ID:ev8aZLyD0
いよいよ別れの時間がやってきた。
千鶴「もうすぐ打ち合わせの時間よ。」
イカ娘「分かったでゲソ。」
早苗「私達はイカ娘ちゃんに密着していればいいのね!」
イカ娘「ある程度近くなら触れる必要は無いでゲソ。」
早苗「ならスキンシップ自体は問題無いのねー!!」
イカ娘「こら、不安要素を増やすのはやめなイカ!」
千鶴「あと30秒・・29・・28・・・・。」
イカ娘「みんな・・・・お世話になったでゲソ。
私達の世界の海がきれいになったら、ぜひ見に来てくれでゲソ。」
フィリップ「何か行き来する方法を考えておくよ。」
翔太郎「こっちの世界も負けないようにするぜ。」
イカ娘「それじゃあ、さらばでゲソ!」
カチ・・
カッ・・・・
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:12:48.86 ID:ev8aZLyD0
光が消えると、探偵事務所に残ったのは四人だけだった。
亜樹子「行っちゃったんだね。」
翔太郎「ああ。」
フィリップ「無事に帰れたんだ、辛気臭い顔はやめようよ。」
照井「そうだな、喜んでやらないとな。」
翔太郎「頭では分かってるんだけどよ、やっぱハーフボイルドなのかな。
なんか、探偵事務所もガランとしちまった気がして・・・・。」
亜樹子「ふふっ、私もだよ。なんか人が減っちゃった感じ。」
フィリップ「奇遇だね、僕もだ。」
照井「俺もだ。」
翔太郎「・・・・・・・・お?」
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:15:03.46 ID:ev8aZLyD0
栄子「姉貴、早苗、イカ娘!みんな帰ってきたのか!!」
千鶴「ええ、どうやら一人も欠けずにね。」
栄子「良かった・・・・・・・・って、その人誰!?」
イカ娘「え?」
刃野「ん・・・・ここどこ?」
早苗「誰、この人。」
千鶴「減らないけど増えちゃったわね。」
イカ娘「み、幹夫ー!?」
栄子「知ってんのかよ!」
イカ娘「知ってるけど、ここにいる理由は知らんでゲソ!」
刃野「あーあ、まだ夢見てるのかなあ。どうせなら海水浴の夢の方が良かったのに。」
イカ娘「ま、まさか・・・・海に行きたがってたから一緒に来ちゃったでゲソー!?」
帰れるまでの数十日、刃野刑事は海を堪能しつくしたという。
-本編終了-(あとはイカちゃんの手足的なお話が少々)
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:17:13.41 ID:ev8aZLyD0
さーて、次回のイカ娘ちゃんは~?
・イカい王「深海の王者よ、地上に上がりて侵略者たれ!“海からの使者イカ娘”降臨!!」
早苗「ライフで受ける!イカちゃんのアタック全部!!」
・イカ娘「おじいちゃん!」骨のシタリ「!?」
・「お主の望みを言わなイカ、お主の支払うべき代償は・・ 栄子「進学させろぉ!!」
・「海より広い私の心も、ここらが我慢の限界じゃなイカ!」
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:19:12.12 ID:ev8aZLyD0
○本編に載せるほどでもない((略))○
<<カザリとの戦闘決着後>>
映司「そのイカちゃんの触手、すごいね。」
イカ娘「スピード!!パワー!!リーチ!!そしてデリカシー!!
ダブルの2つよりも、オーズの3つよりも多い、4つも兼備しているのでゲソ。」
映司「・・・・デリカシーか。」
イカ娘「まっ、イカの常識ってところでゲソね。」
映司「アンク・・・・イカメダルって無いのかな?」
アンク「はぁ?」
映司「頭部のところにイカメダルをはめれば俺にもデリカシーが。」
アンク「無いな。(二重の意味でな)」
映司「・・・・・・・・アンク、生き物からコアメダルって作れないのかな?ふふ・・・・。」
アンク「欲望をむき出しにするのは結構だが、
せいぜい幽霊の着ける布でイカごっこ出来る程度だろうな。」
千鶴「・・・・・・・・。(にっこり)」
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:21:18.57 ID:ev8aZLyD0
○バカ!バカ!バカ!3バカ、3バカト・リ・オ!!○
知世子「・・・・と、いう訳で今回は海の家フェアをやりまーす。」
比奈「はい。」
アンク「海の家って、味は駄目だが場の雰囲気でごまかすものだろ?」
映司「いや、味で勝負してる店とかもあるんじゃない?」
知世子「そういう雰囲気を味わえない事情のある人へのサービスなのよー。」
アンク「くだらん。所詮まがい物だろ。」
映司「まあまあアンク、お前も試してみたら考えが変わるかもよ。
カキ氷なんてどうだ?アイスみたいなものだし。」
アンク「カキ氷?まあ一度くらい試しておくのもいいか。」
比奈「何にするの?」
アンク「イチゴに練乳、白玉のコンボだ。」
比奈「・・・・本当に知らなかったの?」
しばらくして、注文通りの品が運ばれてくる。
アンク「ほう、なかなか壮観じゃないか。どれ・・・・。」
比奈「ちょっと待ちなさい!」
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:23:29.39 ID:WdZjuyUW0
比奈がカキ氷をちょっと下げる。
アンク「なんだ?早くよこせ。」
比奈「その前に言っておくけれど、アイスとかばかりじゃなくってきちんと食事もしなさい!」
アンク「ほう?」
比奈「今回も大変な目に遭ったみたいだけど、栄養摂ってないとお兄ちゃんの身体が心配よ!」
アンク「嫌だと言ったら?」
比奈「毎日のおやつのアイスは抜き。」
アンク「は・・・・お前、本気で言ってるのか?」
比奈「本気に決まってるでしょ。もう実力行使も辞さないんだから!」
アンク「ほーう。実力行使ねえ、それが。」
比奈「ちょっと、分かったの?」
アンク「はぁ・・・・高望みしていたのかもな。」
比奈「・・・・え?え、映司君!アンクが変!グリードなのに!」
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:24:56.76 ID:WdZjuyUW0
映司「ま、待って比奈ちゃん。・・・・そうだ、きっと鷹と掛けたんだ。」
比奈「そ、そっかー!そうだよねえ、あははは・・・・。」
映司「アンクもたまには冗談くらい言うんだろうね。あはは・・・・。」
アンク(こいつらバカか・・・・まあ、あの女みたいなのよかマシか)
戸惑う二人をよそに、アンクがカキ氷を引き寄せて食べ始める。
アンク「ほう、カキ氷というのもなかなかいけるじゃないか。」
映司「あ、そんなに急いで食べると・・・・。」
アンク「うるさい!俺に指図するな・・・・・・・・うおっ!頭が割れる!?イタタタ・・・・。」
映司「だから言ったのに、お前バカだなー。」
比奈「バカなことでお兄ちゃんの身体にダメージを与えないでよ!」
アンク「だからうるさい!!お前らにバカ扱いされる筋合いは無い!」
知世子(ふふ、3人とも今日も楽しそうでいいねえ)
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:27:34.57 ID:WdZjuyUW0
○翔太郎の妄想日記○ ―もしもイカ娘が有能な秘書だったら―
目の前の英文の報告書を眺めながら、左翔太郎は考えていた。
翔太郎(イカ娘が秘書だったら、結構いい線いってたかもな・・・・
報告書も英語でサクっと仕上げやがるし、計算にも強いみたいだし)
はあ、と大きくため息をつきながら、大きく仰け反って背もたれに身を預けた。
フィリップ「当ててみせようか、イカ娘ちゃんの事を考えてるね?」
翔太郎「まあな。」
フィリップ「寂しいのかい?」
翔太郎「ちげーよ、イカ娘がここで過ごす事になってたとして、秘書やらせたら意外と有能だったんじゃねーかな、ってな。」
フィリップ「確かにね。彼女、事務処理も出来るし、物を運ぶのとかも得意そうだし。」
翔太郎「ただ、ロマンがちょっと足りないかな・・・・。」
フィリップ「なんだかんだで亜樹ちゃんとあまり変わらなくない?」
翔太郎「確かに亜樹子と大差無いかもしれないな。中学生コンビってか?」
フィリップ「それに、そういう方がロマンを感じる人も居るみたいだよ。」
翔太郎「俺はクールな大人の女が好きなんだよ。」
亜樹子「なんか私のスリッパが血を吸いたがっておるわー!」
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:30:00.69 ID:WdZjuyUW0
○刃の可能性/あなたが頼れない○
渚「刃野さんって、お仕事は警察官なんですよね?」
刃野「そうだよ~、こう見えて超常現象捜査課なんてとこに属してるんだぜ。」
渚「超常現象ですか・・・・それってどんな事を?」
刃野「んー、まあ平和を乱す怪人と戦ったりとか?」
渚「あの、そういったプロの視点でイカの人を見るとどんな感じですか?」
刃野「そうさなー、そのままにしておいたら地上の危機だね。
人類を脅かす存在だから、慎重に判断した上できちんと対応しないと。」
渚(国家権力に属していて、イカの人を危険視してくれている!これは・・・・ちょっと希望が出てきた?)
イカ娘「幹夫ー。」
刃野「あ、海の使者様!これが本日の分のエビです!!」
イカ娘「ほうほう。お主の殊勝な心掛けに免じ、地上への裁きの鉄槌を振り下ろすのは一日延ばしてやろうじゃなイカ。」
刃野「寛大な対応、ありがとうございます!(ペコペコ)」
イカ娘「はっはっは、もっと崇めるがいいでゲソ!」
刃野「はいっ!!・・・・・・・・ふうっ、今日もきちんと対応できたぜ!(キラーン)」
渚(もう・・・・駄目かもこの国!!!)
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:32:31.82 ID:WdZjuyUW0
○Sを探せ/イカ娘はそれを我慢できない○
刃野「本日の分のエビです!どうか人類に猶予をください!(ペコペコ)」
イカ娘「良きに計らえでゲソ!もう一日待ってやろうじゃなイカ。」
渚(でも刃野さんのおかげで気は楽になったなあ・・・・。
すっかり刃野さんの方に掛かりきりだから、
私とは仕事上の話くらいしかしないし)
イカ娘「幹夫、共に浜辺のゴミを拾いに行くでゲソ。」
刃野「はい!人類の罪を少しでも償います!」
渚(以前は気付いたら傍に居たり、突然抱きつかれたりで驚かされもしたけど、
今じゃあ、わざわざ寄ってくる方が珍しいくらいだし)
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:33:58.27 ID:WdZjuyUW0
刃野「あ、袋お持ちしますよ。」
イカ娘「うむ、いい心がけじゃなイカ。」
渚(すごい楽しそうだし、私にちょっかい出す必要も無いんだろうな)
イカ娘「栄子ー、ちょっと出かけてくるでゲソ!」
栄子「おう、頑張って来いよ。」
渚(そう言えば、私に絡んでいた時もなんだか楽しそうだったような・・・・)
イカ娘「じゃあ行ってくるでゲソー♪」
渚(うん、私と過ごしていた時にだって確かあんな感じで・・・・)
栄子「あんまりはしゃいで、遅くまで引っ張り回すなよ。」
渚(・・・・・・・・あれ?私、なんか寂しがってる!?)
早苗(ライバル誕生!?)ガタン!!
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:36:17.69 ID:WdZjuyUW0
○Mariaさんじゅうななさい●
栄子「あ。イカ娘、お前が英和辞典使ってたのか。」
イカ娘「すまんでゲソ。
どうせ栄子は勉強しないと思って勝手に持ち出してしまったでゲソ。」
栄子「ほほう・・・・で、お前は何をやってるんだ?」
たける「イカ姉ちゃん、Fで始まる言葉を探してるんだ。」
栄子「F?そりゃまたなんで。」
イカ娘「もしもこの間、千鶴と早苗でダブルになっていたらどうなっていたか、
二人の運命のガイアメモリを考えているのでゲソ。」
栄子「また妙なことを・・・・どれどれ、ちょっと見るぞ。」
早苗 千鶴
C:Crazy J:Junk
H:Hentai M:Muscle
L:Lily T:Terror
F:
X:
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:37:32.14 ID:WdZjuyUW0
イカ娘「あと2つが決まってないのでゲソ。」
栄子「えーと・・・・私にはよく分からないかな。」
イカ娘「まあ、英単語に関しては栄子に期待してないでゲソ。」
千鶴「・・・・じゃあ、Fisherなんてのはどうかしら?」
イカ娘「ち、千鶴!?」
千鶴「漁師なら漁師らしく、魚介類を狩らないとね。
イカ娘ちゃん、ちょっと協力してくれるかしら?」
イカ娘「た、助けてくれなイカーー!!」
たける(Fatとか書いてたら、イカ姉ちゃんのXデーになってたかも・・・・)
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:39:39.70 ID:WdZjuyUW0
○Sな戦慄/侵略者の娘○
(イカ娘「イカは通りすがりの会話内容でゲソ!」)
刃野「いやいや、海からの使者を怒らせたら駄目だってば。
地球が地球が大ピンチ~なんだから。ほら、ゴミはきちんと拾う。」
イカ娘(ほほう、なかなか分かってるじゃなイカ)
刃野「おいおい、あんた自分は大事にしろよ。海からの使者は怖いよ?」
イカ娘(うんうん・・・・)
刃野「そんな事をしたら、海からの使者に八つ裂きにされて
細切れにされて、魚の餌になっちまうよ!」
イカ娘(うん・・・・うん?)
「来たー!地上の破壊者イカ娘だ!!」
「みんな全力で見逃してもらえーー!!」
「えーん、おかあさーーん!」
イカ娘(―― あやつは一体、何をふれて回ったのでゲソ ―― )
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 02:42:33.45 ID:WdZjuyUW0
○還っていったJ/イカ娘には向かない侵略○
○Eでさよなら/この地上に平和のエビ束を○
イカ娘「お主もようやく元の世界へ帰れるのでゲソね。」
刃野「はい。」
イカ娘「翔太郎達によろしく言っておいてくれなイカ?」
刃野「もちろんです!それと、これを!!」
イカ娘「ん、これは随分と大きな・・・・開けるでゲソよ?」
ガサガサ・・・・
イカ娘「こっ、これは!」
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 03:01:14.56 ID:ev8aZLyD0
刃野「一年分のエビです。」
イカ娘「たっぷりあるけど、一年分には少なくなイカ?」
刃野「量が多いと大変なので、その分高級品を用意しました。」
イカ娘「高級品・・・・きっと、こんなの普段の食事じゃありつけないでゲソ。」
刃野「前払いしますからどうか!」
イカ娘「高級品を独り占め・・・・じゅるっ。」
栄子「そういやお前、最近は侵略とか言い出さないな。まあ楽でいいけど。」
イカ娘「侵略は一年間凍結でゲソ。人類は束の間の平和を味わうがいいじゃなイカ。」
栄子「なんで一年間?」
―― 騙され上手の勝利 ――
※これにて全終了です※
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 03:43:29.19 ID:IpwaJ0dZ0
おお、
>>1おつかれさま!
ここまですごいスピンオフ作品を読んだことがないぜ!
脳内再生もきっちりできるし、内容も原作の世界観壊してないし
このスレに出会えて良かったわ!
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 03:46:49.40 ID:Y9wO2gir0
乙
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 04:14:18.45 ID:6LWgl6Ca0
いちおつ!面白かった!
次は是非ともオーズ主体のクロスオーバー作品を書いてくれ!
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 06:56:18.72 ID:ysSyOgwW0
すばらしい!!すばらしいよいちくん!!
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 07:30:05.58 ID:dd9GX0ZoO
これは全力でGJと言わせてもらう
雰囲気とかキャラの使い方とか小ネタとか上手いなぁって思ったわ
イカ娘の方は分からんけど、公式見てからもっかい読み直してみるか
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 07:49:34.90 ID:8g85RX/P0
このSSはいいものだ・・・
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 08:05:09.21 ID:dd9GX0ZoO
>>172 >地球が地球が大ピンチ~
ファイヤーマン!?w
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/31(月) 10:01:37.59 ID:FPcRlEKv0
素晴らしいSSの誕生だ!!
ポニーキャニオン (2011-03-02)
売り上げランキング: 103
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) (2011-01-21)
売り上げランキング: 2392
- 関連記事
-