1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/17(月) 23:06:19 ID:pm1XaJ+M0
※音楽ネタです。クラシック、ロシア・フィンランド史のどちらにも興味のない人はそっとスレを閉じることをおすすめします。
エイラ(ペテルブルグでは、久々にニパたちに会えて、嬉しかったなぁ・・・)
エイラ「なんだか故郷のスオムスが懐かしくなってきたゾ」
エイラ「・・・久々に談話室でレコードでも聴くカ」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/17(月) 23:12:35 ID:pm1XaJ+M0
~談話室~
カチャ チーーーーーーーーーー.......
--------シベリウス 交響詩「スオムスは目覚める」op.26 --------
エイラ(私達、スオムス人にとって、この曲は第二の国歌のようなもので)
エイラ(聴くたびに、普段は意識していない愛国心が沸き立つのを感じる、そんな曲だ)
エイラ「・・・今度休暇が取れたら、久々にスオムスに帰ってみるカナ」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/17(月) 23:13:08 ID:pm1XaJ+M0
※補足説明
交響詩「スオムスは目覚める」op.26というのは、
こちらの世界でいうところの交響詩「フィンランディア」op.26のことです。
諸事情(ストパン世界にはフィンランドという語が無い等)により、SS内部では改題しています
(一応フィンランディアの原題が「スオミは目覚める"Suomi heraa"」なので全く関係ないところから持ってきたわけではありません)。
ようつべとかにも落ちてるので一度聴いてもらえるとSSの内容がわかりやすいかもしれません。有名な曲なので知ってる人も多いとは思いますが。
実際、国歌に次ぐ愛国歌らしいので、エイラさんスキーは聴いておいて損はないと思います。合唱付きがオススメ。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/17(月) 23:18:46 ID:pm1XaJ+M0
--------冒頭の重苦しい序奏が終わり、金管楽器の連打によって、曲調は緊迫感溢れる激しいものへと変化する--------
エーリカ「あれ、エイラ。何聴いてるのー?」
ゲルト「ふむ、お前がクラシックとは珍しいな」
エイラ「ム、なんだヨ。ワタシだってクラシックぐらい聴くんだからナー」
ゲルト「そうだったのか、ちょっと意外だな」
エイラ「・・・まぁ中でもこの曲は特別なんだケド」
エーリカ「ふーん」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/17(月) 23:24:15 ID:pm1XaJ+M0
ゲルト「なんというか、勇ましい曲だな。私は結構好きだぞ、こういう曲は」
エイラ「分かってないナー、大尉。この曲はこの後のコラール部分がいいんダ。本当に美しい旋律なんダゾ」
ゲルト「む、そういうものなのか」
エイラ「そういうものなんダ」エヘン
エーリカ「うーん、私は綺麗な音楽聴いてるとすぐに眠くなっちゃうからなー」
ゲルト「・・・それはいつもだろう」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/17(月) 23:24:58 ID:pm1XaJ+M0
※補足説明
コラール=賛美歌、及びそれに類似した性格を持つ音楽を指す
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/17(月) 23:30:02 ID:pm1XaJ+M0
--------威圧感のあった短調の旋律がいつの間にか軽快な長調の旋律へと変化し、そしていよいよ祈りのコラールが奏でられる--------
ゲルト「なるほど、確かにこれは美しいな・・・まるで・・・そう、天使に後押しされているみたいだ」
エイラ「そうダロー、ふふん。中尉もそう思うダロ?」チラッ
エーリカ「zzz...」
エイラ「本当に寝やがっタ」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/17(月) 23:31:39 ID:DqF2Lhlv0
ふぅーむ
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/17(月) 23:35:34 ID:pm1XaJ+M0
サーニャ「・・・シベリウスね」スッ
エイラ「わっ、サーニャ!」
ゲルト「おお、サーニャ、居たのか。サーニャはこの曲を知っていたのか?」
サーニャ「・・・はい。ウィーンにいた時に何度か聴く機会がありました」
エーリカ「zzz...」
エイラ「・・・」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/17(月) 23:41:50 ID:pm1XaJ+M0
ゲルト「そうか、流石音楽の都だな。それにしてもエイラ、良かったな。サーニャがお前にとって”特別”な曲を知っていて」
エイラ「あ・・・うン」
ゲルト「?」
エイラ(・・・気まずい)
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/17(月) 23:43:41 ID:SXI/77Zu0
おう、つべのURLが貼られてくSSじゃないのか。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/17(月) 23:47:32 ID:pm1XaJ+M0
--------静かに始まったコラールはだんだんと力強さを増し、輝かしい勝利の旋律と調和しながらフィナーレを迎える--------
エイラ「お・・・終わったみたいダナ。れ、レコード片付けるゾ」アセアセ
ゲルト「どうしたんだ、エイラは。急に様子がおかしくなったが」
エーリカ「zzz...」
サーニャ「・・・」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/17(月) 23:49:56 ID:pm1XaJ+M0
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/17(月) 23:55:24 ID:pm1XaJ+M0
エイラ(スオムスの作曲家、ジャン・シベリウスの代表作、「スオムスは目覚める」)
エイラ(この曲が作曲された当時、まだネウロイは出現しておらず、国と国との、人間同士の戦争が世界各地で行われていた)
エイラ(そんな世界情勢の中スオムスは、帝政オラーシャの属国としての扱いを受けることになる)
エイラ(そんな祖国の状況を憂えたシベリウスが、全てのスオムス人に祖国への愛と帝政オラーシャからの独立を訴えるために作曲したのが)
エイラ(この曲、「スオムスは目覚める」だった)
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:01:07 ID:GLFxrmfh0
エイラ(この曲が世界各国で演奏されるに至ったおかげでスオムスの独立運動は世界中に肯定され)
エイラ(ついには独立を果たしたと言っても過言ではない)
エイラ(だが帝政オラーシャとの間には大きな軋轢が生まれ)
エイラ(オラーシャ皇帝がこの曲を演奏禁止処分にしたのは有名な話だ)
エイラ(だからサーニャのいる前ではなるべく聴かないようにしてたのに・・・)
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:01:26 ID:zPdJJif90
ストライクって、国がどうとか言い出すと一気に重たい話になるよな…
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:06:42 ID:GLFxrmfh0
エイラ「わ、ワタシは部屋に戻るヨ・・・」ガチャ バタン
サーニャ「あっ、エイラ・・・」
ゲルト「なんだ、あいつは。突然おかしくなったと思ったら・・・」
エーリカ「zzz...」
ゲルト「おい、ハルトマン、お前はいい加減起きろ」ペシッ
エーリカ「ふぇ?」
サーニャ「・・・」ギュ
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:08:23 ID:JTyz3KazO
ハルトマン!
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:11:33 ID:GLFxrmfh0
~エイラ・サーニャの部屋~
ガチャ
サーニャ「エイラ・・・」
エイラ「・・・」
サーニャ「あのね・・・エイラ」
エイラ「ごめんナ・・・」
サーニャ「え?」
エイラ「気分悪くさせたロ?あんな、オラーシャを悪者扱いするような曲をかけたりして」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:16:38 ID:GLFxrmfh0
エイラ(そうなのだ)
エイラ(交響詩であるこの曲には粗筋がある)
エイラ(冒頭の重苦しい序奏は、帝政オラーシャよる圧政を)
エイラ(つづく緊迫した激しい旋律は、スオムスと帝政オラーシャとの戦闘を)
エイラ(短調から長調に変わる部分は、形勢がスオムスに好転したことを)
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:22:05 ID:GLFxrmfh0
エイラ(そして終盤のコラールは平和、自由への祈りを)
エイラ(フィナーレはスオムスの勝利を)
エイラ(それぞれ表現しているのだ)
エイラ(ウィーンで音楽を学んでいたサーニャが、それを知らないはずがない)
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:27:14 ID:GLFxrmfh0
エイラ「本当にゴメン。でもこれだけは信じてくレ。私達、スオムス人にとってはあの曲は国歌みたいなものデ・・・」
サーニャ「・・・うん」
エイラ「ただ・・・ただ、スオムスが恋しくなっただけなんダ。他意はなかったんダ・・・」
サーニャ「・・・ううん、そんなことを気にしていたのではないわ」ニコ
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:34:17 ID:GLFxrmfh0
エイラ「え?」
サーニャ「私は、エイラがまだオラーシャのこと、許してくれていないのだと思って」
エイラ「そ、そんなコト・・・」
サーニャ「ううん、オラーシャは確かにスオムスに悪いことをしたわ。だから謝らなくてはいけないのはこちらの方。本当にごめんなさい」
エイラ「そんな!そんな何十年も昔のこと、サーニャには何の関係もナイ!サーニャが謝る必要なんて、何もないじゃないカ」アセアセ
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:39:39 ID:GLFxrmfh0
サーニャ「・・・ふふ、ありがとう。でも、それはエイラだって同じよ。何十年も昔の曲のことじゃない」
エイラ「あ・・・」
サーニャ「だからあんな曲、なんて言っちゃ駄目。スオムスが誇る大作曲家が作った、素晴らしい交響詩であることに間違いはないんだから」ニコ
エイラ「!」
エイラ「・・・うン!」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:44:53 ID:GLFxrmfh0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
エイラ「なァ、サーニャ」
サーニャ「・・・なぁに?」
エイラ「もし、ネウロイが現れなかったらサ、この時代になってもまだ、国同士で、人間同士で争ってたのカナ・・・」
サーニャ「・・・そうかもしれないわね」
エイラ「そしたら、ワタシとサーニャは敵同士だったんだよナ」
サーニャ「・・・」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:51:54 ID:GLFxrmfh0
エイラ「・・・ネウロイに感謝しなくちゃナ。ワタシと、サーニャが出会えたのは、ネウロイのおかげダ」
サーニャ「・・・そうね」
エイラ「だからって手加減はしないけどナ!」
サーニャ「ふふ、もちろん」クスッ
エイラ「・・・サーニャ」
サーニャ「・・・エイラ」
エイラ・サーニャ「「あなたに会えてよかった」」
おわり
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:52:36 ID:JTyz3KazO
乙
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:52:56 ID:oApPxOh40
おつ!
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:54:31 ID:GLFxrmfh0
ここまで読んでくださった方ありがとうございました。
前半はクラシック好きじゃないとちょっとしんどいかもな内容でしたね・・・反省。
いや、一般受けしないことわかってましたけど。
なんか思っていた以上に過度に政治的な内容になってしまってビクビクしてます。
まぁ現実ではロシア、当時から政権2回変わってるし問題ないよね。ない・・・よね?
あと既に「スオムスいらん子中隊めざめる」ってSSがあるんですね・・・紛らわしくてごめんなさい。全然関係ないです。
つい先日にはヤンデレいサーニャ書いてたとは思えないくらい甘々になりました。エイラーニャは至高。
あとちょっと前にSS速報で劇場版の前日譚という設定で サーニャ「エイラとニパさんの仲が良すぎる」というSS書きました。
多分まだ落ちてないと思うのでよろしければ!
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347457890/ 37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 00:54:37 ID:xnPfZ+uh0
イイハナシダナア
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/09/18(火) 01:05:48 ID:fBoNk8jBO
オツダナー
転載元
エイラ「スオムスは目覚める」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1347890779/
たちき ヤマト
角川書店(角川グループパブリッシング) (2013-02-23)
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