1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 22:44:42.63 ID:Eeo4HAWj0
<事務所で仕事に励む、小鳥が一人>
小鳥「……」カタカタ
小鳥「……」カタカタ
小鳥「……ふー」
小鳥「こんなもんかな?」
小鳥「はー、今週も仕事頑張ったなー…」
小鳥「それじゃあ、書類片付けて上がろうっと…」
小鳥「……」
小鳥(渡せなかったな、今年…)
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 22:49:11.35 ID:Eeo4HAWj0
<思い返すこと、昨日>
小鳥(一応用意はしておいたけど…)
小鳥(どう渡せばよいのやら)
P「おはようございます!」
小鳥「あ、プロデューサーさん。おはようございます!」
P「いやー、今日も寒いですねー」
小鳥「そうですねー…」
小鳥(渡すなら、まだだれも来ていない今しか…!)
小鳥「あの、プロデューサーさん?」
P「はい?なんです?」
TLLLL…
P「あ、すいません、小鳥さん。…はい、もしもし?」
小鳥「……」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 22:53:31.48 ID:Eeo4HAWj0
春香「おはよーございまーす!」
千早「おはようございます。」
響「だからー、そうじゃなくって、枝豆は大豆なんだよ、貴音」
貴音「はて…しかし、納豆は緑色ではありませんよ、響」
響「いやだからそうじゃないんだってばー…あ!おはようございます!」
貴音「おはようございます」
小鳥(プロデューサーさんが電話をしている間に、みんな来てしまった…)
P「はい、よろしくお願いいたします!」
P「ふー。あ、みんなおはよう!」
春香「んっふっふ→?プロデューサーさん?」
P「どうした春香?そのキャラは違うぞ?」
春香「じゃじゃーん!プロデューサーさん、チョコレート!もらってね!」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 22:59:41.04 ID:Eeo4HAWj0
P「おお、ありがとう。どうしたんだ、これ?」
春香「えー?わかってたくせに、とぼけちゃってー」
千早「今日は、バレンタインデーですね」
P「あ、あー…今日ってもう14日だったんだ…」
P「気持ち的に節分ぐらいだった」
春香「しっかりしてくださいよ?改めまして!日頃の感謝を込めて、です!」
千早「私は別に良いと思っていたんですけど、春香がしつこかったので。私からもどうぞ」
響「自分、昨日頑張って手作りしたぞ!でもちょっとたくさん作りすぎたから、皆にも配るんだ!」
貴音「響。では、これは頂いてもいいのですね?」
響「ちょ貴音!全部はダメだって!みんなで分けるの!」
貴音「そうですか…」シュン
響「う…」
響「は、半分くらいなら、いいかもしれないけど…」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:04:45.15 ID:Eeo4HAWj0
小鳥「プロデューサーさん、今日はお菓子に困らなさそうですね?」
P「あはは、からかわないでくださいよ、小鳥さん。」
春香「あれ?小鳥さんからはないの?」
小鳥「…あ、あはは…。ま、まあ私は気にしなくていいんじゃないかな?」
春香「なんですか、それー?あ、響ちゃん、私も食べていい?」
響「いいけど、貴音みたく全部食べちゃダメだぞ?みんなにもわけるんだから!」
春香「私はそんなには食べられないわよ…」
千早「……四条さん、こんな朝からチョコレートを一気に食べたの?」
貴音「美味です」モグモグ
千早(鼻血出ないといいけど…)
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:05:40.48 ID:iINkZCEY0
くいしんぼかわいい
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:10:22.48 ID:Eeo4HAWj0
小鳥(その後、やよいちゃん、あずささん、雪歩ちゃんに亜美真美姉妹…)
小鳥(もちろん美希ちゃんからも特大のチョコレートをゲットしてたプロデューサーさん)
小鳥(今日一日、事務所の中では、一躍大モテのアイドルです)
P「あはは…どうしよう、これ」
小鳥「机の上がチョコレートだらけだなんて、マンガだけかと思ってましたけど」
P「仕事場で鼻血を出さないようにがんばります…」
律子「それに喜んでられるのもつかの間ですよ。来月はきーーーーっちりお返ししないと。ねぇ…?」ニヤニヤ
P「うっ…」
律子「まあ、私はそこらへんの勘定鑑みて、あ・え・て、渡してないだけですから」
律子「あ、でももらうものは喜んでもらいますから。そこは適度に気を使ってくださいね♪」
P「ちゃっかりしすぎだろ…」
律子「ほらほら。モテモテ男演出するのはいいけど、書類とか、チョコレートで汚さないでよね?」
律子「冷蔵庫、空きがあるから適当に使って。さ、仕事仕事!」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:11:28.72 ID:4xNaa9g50
支援
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:15:18.88 ID:Eeo4HAWj0
小鳥(はぁ…すっかりタイミング逃しちゃったな…)
小鳥(まだ、チャンスはあるかな…)
ガチャッ
伊織「ただいまー…って、事務所すごい甘ったるい匂い!」
小鳥「あ、伊織ちゃん。お帰りなさい」
伊織「まったく、今日はどこもかしこもチョコレートね!」
小鳥「あはは…。」
小鳥「そういえば、伊織ちゃんはプロデューサーさんにあげてないわね?」
伊織「はあ?あげないわよ、あげるわけないじゃない」
伊織「そもそも私、バレンタインデーってあまり好きじゃないのよ」
伊織「なんだか下手に出るみたいで。それに、あげるに値する相手もいないしね」
小鳥「さすがね…。」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:21:37.27 ID:Eeo4HAWj0
伊織「でもまあ、好きではないけど、否定はしないわ」
小鳥「え?」
伊織「こういうのがきっかけで、後押しされる女の子もいるってことでしょうし」
伊織「それはそれで、イベントを有効活用してほしいと思うわ」
小鳥「な、なかなかに深いわね、伊織ちゃん」
伊織「有効活用、してほしいと思っているんだけど?」
小鳥「…え?」
伊織「はーーーー。まったく、あんたは…」
伊織「辞めた。おせっかいよね」
小鳥「???」
伊織「でも、そんな微妙な顔して過ごさないほうがいいわよ」
小鳥「び、微妙な顔とは、失敬な」
伊織「それにしても、匂いで胸が焼けそうなくらいねー。やれやれよ。……」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:26:25.94 ID:Eeo4HAWj0
<日も暮れて…>
TLLL…
小鳥「はい、765プロです」
P『あ、お疲れ様です、小鳥さん』
小鳥「プロデューサーさん。お疲れ様です。どうしました?」
P『ちょっと真のほうなんですけど、長引きそうなんですよ。』
小鳥「珍しいですね。何かあったんですか?」
P『それがその…おびただしいほどのチョコレートが…』
小鳥「………」
小鳥(我が事務所の誇るイケメンアイドルの真価が発揮されたか…)
P『今日、事務所には戻ろうと思ってたんですけど、そのまま直帰したいと思ってますので。』
小鳥「…。はい、わかりました」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:31:47.29 ID:Eeo4HAWj0
P『……。小鳥さん、そういえば…』
小鳥「なんですか?」
P『……。いえ、なんでもないです。それじゃ、お疲れ様です!』
小鳥「…?えっと、お疲れ様です!そちら、頑張って下さいね?」
ガチャン…
小鳥(……)
小鳥(プロデューサーさん、本日直帰)
小鳥(小鳥、ゲームオーバー…か。)
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:37:33.23 ID:Eeo4HAWj0
<そして、今に至る>
小鳥(今日もプロデューサーさん、遅いって言ってたな…)
小鳥(でも、もう1日過ぎちゃってるし…。今更渡してもね…)
小鳥(これは、持って帰って、私が食べよう)
小鳥(プロデューサーさん、戻るかもしれないけど、戸締りして帰ろう)
ガチャッ
小鳥(鍵よし、っと)
小鳥(さてと、帰りますか…)
小鳥(はぁ…。せっかくの週末なのに、気分が上向かないなぁ…)
小鳥(ちょっと寄り道して帰ろう)
小鳥(どこか面白いところ、あるかな…)
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:38:53.58 ID:iMdPtGxO0
俺が貰うわ
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:41:29.36 ID:4xNaa9g50
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:43:56.89 ID:Eeo4HAWj0
小鳥(なんだか半分道に迷った感じだけど…)
小鳥(たどり着いたのは、小さいけど、おしゃれなバー)
小鳥(ここで会ったのも何かの縁、ちょっと入ってみよう…)
カランカラン…
小鳥(…ちょっと高そうかも)
バーテンダー「いらっしゃいませ」
小鳥「あ、どうも…」
バーテンダー「カウンター席へどうぞ」
小鳥「はい…」
小鳥(き、緊張するなぁ…)
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:49:58.30 ID:Eeo4HAWj0
小鳥「うわっ…」
小鳥(お酒の名前?だろうけど…全然わからない…)
バーテンダー「いかがなさいますか?」
小鳥「え、えっと…お任せで、お願いしよう、かな?」
バーテンダー「かしこまりました」
小鳥(あ、質問とかはないんだ…。)
バーテンダー「どうぞ」
小鳥「これは…?」
バーテンダー「ピエール・コリンズ。ブランデーベースのカクテルです」
小鳥「へぇ…」
小鳥(レモンがワンポイントか…かわいい)
小鳥(…後味は甘いけど、カクテルにしては結構辛いかな)
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:54:55.78 ID:Eeo4HAWj0
小鳥(週末だけど、客入りはおとなしい)
小鳥(隠れ家って感じがぴったりのお店…たまにはこういうのもいいかも)
小鳥「ふぅ…」
カランカラン…
バーテンダー「いらっしゃいませ」
?「久しぶり、マスター。儲かってる?」
バーテンダー「…見ての通りです」
?「ま、いいんじゃない?これはこれで、マスターのお店らしいわよ」
?「いつものお願いね」
バーテンダー「かしこまりました」
?「……あれ?」
?「小鳥?」
小鳥「え?」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:58:36.94 ID:KsHmKvQv0
/,ィ=-:: ̄ ̄::`ミ、:\
//´:::::::::::::::i::::::::::::::::ヾ、ヽ ピヨキーンこの感じ・・・
//::::::∧::::::::ハ:::::::::ト、::::::ヽ:'.
_____∧,、_ l::{:::、/ レヘ/ uゞ‐┘N::::::::!:|_ ______
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'`'` ̄ |::|:::| ● ● |::::::|::l  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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l:::|、 、_,_, l:::::.;:/
ヽ:::}ト _・ _,..ィ´|:://
`iLf圭)ス_人-w从リ (
,. イr ぅヽ/ヽ、
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/15(金) 23:59:44.62 ID:Eeo4HAWj0
?「随分懐かしい顔に会っちゃったわね」
小鳥「あなたは…日高、舞さん?」
舞「小鳥もこのお店、よく来てたんだ?」
小鳥「いえ…私は今日が初めてで」
舞「なるほどね…。隣、いいかしら?」
小鳥「え、ええ…」
舞「女一人がこんなお店になんて、寂しいじゃない」
小鳥「そ、そんなことは…舞さんだって…」
舞「私は、月何回か来てるのよ。たまにはひとりの時間が欲しくってね」
小鳥「あはは…たまには、か」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 00:02:35.92 ID:4Rq9Odub0
舞「まだ、事務員やってるんだ」
小鳥「まだ、っていわれても…。働かないと、生活できないですから」
舞「もういい年なんだし、早く旦那さん見つけて奥様になればいいのに」
小鳥「そんな簡単には…」
舞「内勤の事務員じゃ、出会いもない?」
舞「ここのマスターとか、どう?」
小鳥「ええ!?」
舞「冗談よ。マスターには素敵な奥様がいるもの。ね?」
バーテンダー「……」
舞「もうちょっと、喋れるといいのにねぇ…。らしいといえばらしいんだけど。」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 00:06:51.64 ID:4Rq9Odub0
小鳥「娘さん、もうだいぶ大きくなったんですよね?」
舞「13歳。中学生よ。笑っちゃうわ。つい最近までよちよち歩いていたのに」
小鳥「もう…そんなに経ったんですね」
舞「時間は平等に、確実に通り過ぎていくってわけね。」
舞「生意気にも、今はアイドルの真似事まで始めてるし。」
小鳥「噂には訊いてます。石川社長の876プロに所属したって」
舞「あの社長も変わり者だからねー。でも、人を見る目はあるから。心配はしていない」
舞「でも、基本的には私も何もしない。きっと、愛も嫌がるだろうし」
舞「子供なんて、親の知らない間に勝手に大人になっていくものなのね」
舞「ちょっと寂しい気もするけど、振り返れば、私もそんな感じだったわ」
小鳥「舞さんは…どうして、あんな急に、アイドル辞めてしまったんです?」
小鳥「もしかしたら、今だって…現役でやっていける実力があるのに」
舞「…面白いことを訊くのね、小鳥」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 00:14:04.38 ID:4Rq9Odub0
舞「ま、今となっては、私にもよくわからないってところも、正直あるわ」
舞「当時の私は、それなりにいろいろ考えていたところはあるけれど」
舞「アイドル時代の私なんて、勢いで生きていたところがあるし」
舞「…でも別に、それだけが人生じゃないでしょ?」
小鳥「私、今でも思うんですけど…あれだけ人気があって、期待もあって」
小鳥「ちょっと勿体ないなって…」
舞「勿体ない?ふふっ、小鳥からそんな言葉が出るなんて…」
舞「マスター!私と小鳥におかわり!」
舞「その言葉、きっちりそのまま、小鳥に返してあげるわ」
小鳥「え?」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 00:18:48.95 ID:4Rq9Odub0
舞「小鳥はなんというか、自分を小さく見すぎてるのよね」
舞「名前が“小鳥”だからかしら」
小鳥「そんなことは…」
舞「私の立場からいうべきではないのかもしれないけど」
舞「人生って、案外うまく回るものなのよ」
小鳥「それは、確かに舞さんの立場から言うことじゃないですね…」
舞「私は私で、苦労してたのよ?」
舞「いろいろあって運が良かったから、いいほうに目立っていたけど」
舞「私なりに努力したし、色々なこと、当時の私なりに、ずっと考えてた」
舞「小鳥は、どうかしら?」
小鳥「……」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 00:23:55.87 ID:4Rq9Odub0
舞「小鳥って、相応のものを兼ね備えているのに」
舞「バッターボックスには、立たないわよね」
小鳥「バッターボックス?」
舞「思い出して、小鳥。あなたのこれまでの人生」
舞「ターニングポイントとなるチャンスは、たくさんあったはず」
舞「チャンスが巡るだけ、それだけでも幸運だというのに」
舞「その勝負の場面に、自ら望んで、真っ向から立ち向かったってこと、ある?」
小鳥「……」
小鳥「…私は、そういうのじゃないから…」
舞「ほら、過小評価」
舞「ま、今日こんなもの持ち歩いている時点で、言わずともがな、よね」
小鳥「あ…!?」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 00:29:21.27 ID:4Rq9Odub0
舞「DEMELのチョコレートか…なかなか通じゃない。私も好きよ」
舞「ちょっと奮発したチョコレート…まさか、売れ残りのセール品を安く買ったわけじゃないでしょう?」
小鳥「……」
舞「小鳥の精神年齢は、うちの愛といい勝負ね…」
舞「どうするつもりだったのよ、これ?」
小鳥「…家に持って帰って、一人で…食べる…」グスッ
舞「わーわーわー、泣くな泣くな!」
舞「よしよし、どうどうどう…」
舞「って、お前小学生か!」
舞「はー…。チョコも気持ちも渡せずに、モヤモヤして一人酒か…よくないなー」
舞「自分の中で溜め込んでないで話しなさいよ。壁に向かって話しかけるよりは効果あるわよ」
舞「多少はおごるから。マスター!追加ね、追加!」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 00:36:25.01 ID:4Rq9Odub0
<小一時間後…>
小鳥「う~ん…う~ん…」
舞「やば…。飲ませすぎたか…」
舞「小鳥?大丈夫?ケロケロしそう??」
小鳥「う~ん…大丈夫…れす…」
舞「この娘、こんなにお酒弱かったかしら。慣れないお酒でもあったのかな」
小鳥「舞さん…なんれ私、こんななんれしょうね……」
舞「…さっきも言ったけど、小鳥は自分から何かしようとしてないじゃない。」
舞「結果は何かをすることで生まれるものであって、何もしなければ当然結果も返らないわよ」
小鳥「れも……。失敗したら辛いじゃないれすか……」
舞「ま、私が思うに、小鳥は失敗という失敗はないんじゃないの?」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 00:38:34.18 ID:Y/f/Pes50
私はもう寝るから完結させておいてくれたまえよ、キミィ
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 00:38:56.98 ID:Pr0+jhi40
小鳥さんかわいいなー
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 00:41:13.41 ID:sWBNDzaA0
小鳥さんって通勤の時の服装どんなだろうか
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 00:43:07.95 ID:4Rq9Odub0
舞「たぶん、小鳥の思っている失敗の類は、小鳥が自分でうやむやしたという失敗」
舞「ここにあるチョコレートがいい証明ね」
舞「失敗とは、これを渡して、こっぴどく断られて、揚句に投げ捨てられるくらいのことを言うのよ」
舞「小鳥はいわば不戦敗よ」
小鳥「そのチョコレート、食べてもいいれすよ……」
舞「こら。そんなこといっていじけないの」
小鳥「私なんて…」
舞「小鳥」
舞「もうそろそろ、自分を信じて、本気出してもいいんじゃないの?」
小鳥「私の本気なんて…」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 00:51:55.96 ID:4Rq9Odub0
舞「いつまでもキャピキャピの生娘じゃいられないでしょ」
舞「無理をした翌日は肌荒れが目立つし、今時期はカサカサ肌だし、お肉の張りも緩くなり…」
小鳥「やめてくらさい…やめて」
舞「いい、小鳥。もっと危機感をもって」
舞「私のほうがちょっと年上だけど、つまるところ、小鳥ももはやアラサー…」
舞「今ここで本気出さなかったら、もう出せる本気もなくなるのよ?」
舞「判断誤って、手遅れの状態から必死になっても、見苦しいだけなの!」
舞「もう後がないの、小鳥!!」
舞「後無小鳥よ!!!」
小鳥「!!!」ガーン
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 00:57:16.34 ID:4Rq9Odub0
小鳥「舞さん…わかりました…後がないのは、これ以上なく、よくわかりました…」
小鳥「でも、具体的に、どうすればいいのか…」
舞「そこまで訊いちゃうのー?精神年齢幼すぎでしょ…」
小鳥「はい…すいません…」
舞「まー、まずは、このチョコレートは、ちゃんと渡しなさい」
舞「一人で開封して食べちゃうとか、許さないから」
舞「事情は説明すること。いいわね」
小鳥「はい…」
舞「大事なのは、最後まで逃げない事。結果を見届けること。目をそらさない事」
舞「それができれば、小鳥に怖いものなんて、絶対に無いのよ」
舞「…昔から、ね」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:01:27.22 ID:4Rq9Odub0
・・・
『日高。音無小鳥って知っているか?』
『音無…?いえ、初めて訊く名前ですが…』
『まだデビューはしていないそうだが…』
『とあるルートから、彼女のデモテープを手に入れたんだ。ちょっと聴いてくれるか』
『はい』
『♪~~~』
『この人は、いったい…』
『不思議だろう?こんな逸材が、世の中には眠っているんだ』
『今は知名度の点で、日高のアドバンテージがあるが、彼女が世に知れたら、間違いなく強力なライバルだ』
『これから、もっと大変になると思うが、ついてこれるか、日高?』
『…はいっ!頑張ります!』
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:08:10.34 ID:4Rq9Odub0
『え?音無小鳥が…オーディションを断念した!?』
『よくわからない。詳しい情報はつかめていないのだが…』
『とある情報筋によると、ほかのオーディションもキャンセルしているらしい』
『一部では、デビュー自体諦めたのではないかという噂もある』
『そんな……。』
『まあ、日高にとってはラッキーだったな。』
『現役のアイドルで、日高の敵になるようなレベルの人間はもはやいない』
『そもそも、音無小鳥自体、今の日高には脅威ではなかったのかもしれないな』
『………』
『これまで、日高には無理させて悪かった。体も大分きついだろう?』
『スケジュールを調整して、万全の態勢で仕事に臨めるようにしていこう』
『日高の魅力は、いまや量ではなく質で勝負できる段階に来ている。最高のものを、ファンに提供しよう。』
『…はい』
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:13:05.07 ID:4Rq9Odub0
『♪~~~~』
(…この人には、私の持っていないものを持っている)
(努力や場数だけでは絶対に得ることのできない、天性の歌声…)
(どうして、こんな恵まれた人がいるのに、私なんかが目立っているのだろう)
(この先、私は何を目指していけばいいんだろう)
(私は…今、何を目指して、どこに向かっているんだろう…?)
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:16:07.89 ID:4Rq9Odub0
『きみが、今を時めくトップアイドル、日高舞君か』
『はじめまして!高木プロデューサー!日高舞です!』
『しゃきっとして、礼儀も正しい。素晴らしい人間性だね。ピンとくるよ!』
『ありがとうございます!』
『音無君も、挨拶したらどうだね?』
『は、はい…』
『え、音無…さん!?』
『おや、知人かね?』
『い、いえ…まさか…私は、初対面です』
『実は、近々独立して事務所を設立しようと思ってね』
『音無君は、事務面でサポートしてくれる予定なのだよ』
『生真面目な仕事をしてくれる娘だからね。事務所も、早く軌道に乗せたいと思っている』
(どうして……)
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:20:23.19 ID:4Rq9Odub0
・・・
舞(不思議な娘ね…)
舞(まるで、出会った頃から、時が止まっているかのよう)
舞(小鳥を見ていると、そんな昔の私も、つい思い出してしまうわ)
小鳥「すー…すー…」
舞「もう限界?ほら、こんなところで寝たら風邪ひくわよ」
小鳥「う~ん…?ここはぁ…?」
舞「ほら、起きる起きる!…もう、これじゃまるで親子ね」
舞「マスター、お愛想ね」
舞「ほら、立てる?小鳥」
小鳥「う~ん…ありがとう、舞さん…」
舞「………。こちらこそ」
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:26:23.18 ID:4Rq9Odub0
小鳥「…なんだか、すっかりフラフラで…もうしわけなれす…」
舞「いいのよ」
舞「話の内容は随分幼稚だったけど、小鳥と久しぶりに話せて、楽しかった」
小鳥「私は…舞さんに説教されて、ちょっと辛かった」
舞「ごめんなさいね。どうも、小鳥みてると、娘見てるみたいでおせっかい焼きたくなっちゃうのよ」
小鳥「…私、もうちょっと、頑張ってみますね」
舞「そうだ。音無小鳥は、今、頑張ることが必要だ!」
舞「違うわね。小鳥はいつも頑張っているから…」
舞「自分を信じることが、必要なのよね」
舞「あまり自分を卑下にするものじゃないわよ。小鳥は、そんな女じゃないんだから」
舞「こんな立派な胸を持っているというのに」モミモミ
小鳥「ピヨォ!?」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:29:30.40 ID:4Rq9Odub0
小鳥「ややや、やめてくらさいよ舞さん!セクハラれすよ!?」
舞「あはは、気にしない気にしない」
小鳥「お嫁にいけなくなっちゃうじゃないれすか……」
舞「だったら、早く行きなさいよ、お嫁に」
舞「母親経験者として、いろいろと教えてあげるから、そこは安心して!」
舞「…ま、13歳でアイドル目指しちゃうような、ひねくれた子供になるかもしれないけどね」
舞「あ、そうだ!せっかくだし、アドレス交換しようよ、小鳥!」
小鳥「あー、いいれすねぇ、いいれすよぉ……」
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:32:30.00 ID:4Rq9Odub0
小鳥「今はやりのすまーとふぉんにしたんれすけどねぇ…」
小鳥「アドレス交換の方法が、よくわからないんれすよ…」
舞「ちょっと貸してくれる?」
ピピピ…
小鳥「はー、舞さんはすごいれすねぇ…こういう機械も使いこなせるんれすか…」
舞「…えーっと、これでいいかな?」
----------------------------
To: プロデューサーさん
件名:小鳥です
夜分遅くにすいません。
大事なお話があるので、
明日、お会いできませんか?
----------------------------
小鳥「!!!!!?????」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:36:17.73 ID:4Rq9Odub0
小鳥「ちょ、ちょちょちょちょ…!!?」
舞「はい、送信ー」
小鳥「ああああ…」
舞「ま、これくらいしないと、小鳥は本気出さないでしょ?」
舞「っていうか、本当に生娘なのねぇ…」
舞「電話帳見回しても、明らかな男性が高木さんとこの人しかいないじゃない」
舞「大丈夫なのかしら…逆に不安だわ」
舞「あれ?もしかして、こっちじゃなくて高木社長の愛人ってこと…?」
小鳥「ち、違いますよ!」
舞「じゃあ、大丈夫じゃない♪あした、頑張ってね?」
小鳥「どどど、どうすれば…」
ヴヴヴ…
小鳥「ひぃ!電話がかかってきた!」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:40:08.85 ID:4Rq9Odub0
小鳥「あれ?知らない番号…」
舞「これは私の番号。アドレスは、今度ショートメールで送るわね」
舞「まー、相手から文句言われたら、私に折り返してもらっていいわよ。」
舞「私から直々に、お話ししてあげるのも満更ではない」
小鳥「もーー!ひどいれすよぉ、舞さんっ!」
ヴヴヴ…
小鳥「また…?」
小鳥「わ、わ、わ…!今度こそプロデューサーさんだ…っ!ど、どうしよう、どうしよう!?」
舞「じゃ、小鳥。また一緒に飲みましょ?次は、いい近況、訊かせてよね!」
小鳥「ま、舞さん!ちょっとーー!!?」
小鳥「で、電話出ないと…」
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:45:25.03 ID:4Rq9Odub0
小鳥「あ、あの!ごめんなさい、プロデューサーさんっ」
小鳥「実は今ちょっと…その…友達と飲んでて、友達が悪ふざけを…」
小鳥「そ、そんなたいそうなことではないんですけど、でもちょっとお話ししたいこともあるかなって…」
小鳥「その……。えっと…。」
小鳥「明日とか、時間、空いてますか…?」
舞(小鳥の魅力…その人に伝わればいいわね)
舞(気持ちが本気だからこそ、不安や失敗を恐れる気持ち、よくわかる)
舞(その気持ちを退路にせず、前向きに走る自分の力に変えて。あとちょっとの勇気だけで十分)
舞(小鳥なら、絶対にできるから…)
<おしまい>
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:45:49.97 ID:otEDFfL/0
最後が読めない
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:49:31.95 ID:tEQvaFfQ0
これは後日談でも良いから書くべきピヨ
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:51:31.09 ID:Hz/joHjxO
ここで終わるあんたの作風好きだ
けど続きはよ
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:52:19.23 ID:XLHafod9O
ピヨコレートを渡すとこが重要なんじゃろ
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:55:06.75 ID:vXKJ1psd0
乙。
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/02/16(土) 01:55:45.02 ID:5m+xhRR90
昨日のスレだと牛乳仕込んだ等身大だったな
転載元
小鳥「チョコ渡しそびれたし、週末だから一人酒」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1360935882/
バンダイナムコゲームス 明音
アスキー・メディアワークス
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金儲けしか頭にないバンナムはやるはずないよなあ。
年齢的に考えて、ピヨピヨ言ってる暇はないぞ
牛乳仕込んだヌードチョコを作るようなな!!