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イカ娘「最初に言っておくでゲソ!」デネブ「オチはかーなーり、弱い!」

2011/02/28 15:13 | CM(1) | イカ娘 SS
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:33:34.37 ID:FfEKvb1h0
イカ娘「うーん・・・・ちっとも落ちてないじゃなイカー・・・・。」

イカ娘が這いつくばっていたのをやめ立ち上がる。
彼女は今、地上侵略のための資金を稼ぐ活動の真っ最中だった。
具体的には、ごそごそと自動販売機の下を漁っていた。

イカ娘「もしやこれは、私の侵略を妨害しようとする何者かの仕業ではなイカ?」

両手を腰に当て、陰謀論を唱え始める。

イカ娘「・・・・おや?」

デネブ「うーん、無い。無い無い、無い。ここにも無い。・・・・どうしよう。」

ちょうど先程までのイカ娘同様に隙間を探っている者が居た。

イカ娘「お主、何をしているのでゲソ!」

デネブ「わぁっ!!」

2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:35:27.98 ID:FfEKvb1h0
イカ娘「もしやお主が私の邪魔を!?一体何者でゲソ!」

デネブ「わ、私は怪しいものではありません・・・・ただのデネ男です。」

鼻眼鏡で変装したつもりのデネブが慌てて否定する。

イカ娘「どう見ても怪しいでゲソ。」

デネブ「違うんだ、大切なものを失くしてしまって、それを探してるんだ。」

イカ娘「だったら警察に行けばいいんじゃなイカ?」

デネブ「実は・・・・おまわりさんには言えない事情があるんだ。
    ・・・・あ、もちろん悪い事だからとかじゃあない!信じてくれ!」

図体の割りに弱々しい態度で、なんとなくイカ娘もほだされてしまった。

イカ娘「むぅ・・・・確かに悪い奴にも見えんでゲソが・・・・
    まあ いイカ!とりあえず事情をゆっくり聞こうじゃなイカ。
    もしかしたら、何か力になってやれるかもしれんでゲソ。」

デネブ「ああっ、ありがとう!俺の名はデネブ、君は?」

イカ娘「イカ娘でゲソ。」

デネブ「そうかイソ娘ちゃんか、いい名前だな。」

イカ娘「イカ娘でゲソ・・・・。」


4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:36:34.96 ID:Zt36IBG20
これは期待

5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:37:07.05 ID:FfEKvb1h0


とりあえずデネブを『れもん』へと案内している最中のこと。

デネブ「あ、あれ!大変だ!!」

指差す方を見ると、子供達の乗ったボートがオールを失い沖へと流されかけていた。
まだ転覆しそうにはなかったが、乗っている子供達には怯えの色が濃く現れていた。

デネブ「早く助けに行かなきゃ!・・・・急いで準備運動しないと!!おいっちに・・・・。」

イカ娘「・・・・お!?」

そんな様子を浜辺で見ている二人の男が居た。
その意外さに、イカ娘はデネブを放って駆け出した。

悟郎「あーもう、誰か助けに行けよ!」

イカ娘「何してるのでゲソ!お主が行けばいいじゃなイカ!」

悟郎「俺は泳げないんだよ!」

イカ娘「・・・・え!?」

6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:38:23.93 ID:FfEKvb1h0
悟郎「おいカメ、お前泳げるんだから行けよ!」

磯崎「可愛い女の子なら喜んで行くんだけど、緊急じゃないみたいだしさ。
    それに、今の僕らはあんまり目立つことしない方がいいし。
    こういう海水浴場ってライフセイバーってのが居るんでしょ?」

イカ娘「お主らがそのライフセイバーじゃなイカ!!」

磯崎「え・・・・そうなの?女の子ばっかり双眼鏡で見てたからてっきり・・・・。」

イカ娘「そんなカミングアウトどうでもいいでゲソ!どかなイカ!!」

イカ娘がぼっと突っ立っていた磯崎の体を苛立ちもあらわに押しのける。

7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:39:38.59 ID:FfEKvb1h0
磯崎「センパイ、仕方ないから一旦出るしかないみたいだよ?」

悟郎「だな・・・・ってうぉぉっ!?」

悟郎の体から真っ赤な鬼のような姿のものが飛び出てきた。

悟郎「うおぉ・・・・今助けに行くぞーーー!!」

悟郎が猛然と海に駆け込んだ時、イカ娘の触手が子供達をボートごと助けていた。

悟郎「あ・・・・イカ、お前が居たのか!・・・・良かった。」

悟郎がほっと胸を撫で下ろす。

磯崎「そっちの彼、今センパイを追い出した?」

磯崎の体からも青い人型のものが現れていた。
意識を失っているらしい磯崎の体が砂浜にゆっくり倒れた。

モモタロス「分かんねえ!出ようとしていた弾みなのかなんなのか。」

ウラタロス「特異点・・・・じゃないと思うんだけどねえ。」

8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:41:28.00 ID:FfEKvb1h0
イカ娘「良かった・・・・お主ら一体どういうつも・・・・って、そやつらはなんでゲソ!!」

子供達の無事を確認し、振り向いたイカ娘が驚愕の声を上げる。

悟郎「ば、化け物!?落ち着け・・・・俺は浜辺の安全を守る立場なんだ、落ち着け・・・・。」

ウラタロス「やっぱ騒ぎになっちゃうよね。・・・・どうするセンパイ?」

「わあ、おもしろーい。」

「角だ角だー!!」

モモタロス「おいコラ、やめろ!お前ら怒るぞ!!」

「イカのお姉ちゃんの知り合い?」

モモタロス「だから引っ張るんじゃねえ!」

「すごーい!」

ずっこけてたモモタロスは、イカ娘に助けられたばかりの子供達にいじくり倒されていた。

ウラタロス「あらら、意外な大人気。」

9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:43:13.80 ID:FfEKvb1h0
イカ娘「こんな珍妙な連中知らんでゲソ!」

モモタロス「おい、随分とご挨拶じゃねえか!」

悟郎「お、お前!子供から離れろ!危害を加えたら許さんぞ!!」

モモタロス「ふざけんな!どう見ても俺が被害者だろうが!」

悟郎「ひぃっ!」

デネブ「よし、準備完了!・・・・あれ、もしかしてモモタロスにカメタロス?」

ウラタロス「相変わらず鈍すぎだよ、オデブちゃん。
       あと、僕はウラタロス。女の子に間違えて覚えられちゃうでしょ?」

悟郎「また増えた!もうお終いだーー!!」

モモタロス「おっ。オデブじゃねーか!もしかしてこいつとつるんでんのか?」

悟郎「い、磯崎!仇はとってやるからな!!」

ウラタロス「人聞き悪いなあ。彼が驚いた拍子に勝手に気絶しただけ。
       ・・・・仕方ない、大騒ぎになっちゃうからさ、もう一度借りようか?」

モモタロス「だな。おい、お前ちょっと体を借りるぞ。」

悟郎「な、何を・・・・うっ・・・・。」

モモタロスが悟郎に、ウラタロスは磯崎に、再び憑依する。

11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:45:19.92 ID:FfEKvb1h0
U磯崎「で、オデブちゃんはその子を釣り上げたって訳?」

デネブ「いや、ゲソ娘ちゃんは困った俺の力になってくれるって言ってくれて、
     これから彼女のおうちに連れて行ってもらうところなんだ。」

イカ娘「だからイカ娘でゲソ!」

U磯崎「まったくもう。女の子の名前を間違えるなんて失礼だよ。
    よろしくね、イカ娘ちゃん。」

言いながらキザったらしくイカ娘の手を取ろうとしたのを、イカ娘が払いのける。

イカ娘「お主のような薄情者に馴れ馴れしくてもらいたくはないでゲソ!」

U磯崎「もう、誤解だよ。オデブちゃんも話したかもしれないけど事情があるんだよ。
     そのせいであまり人々に干渉できないってだけ。」

イカ娘「女ならどうこうとか言ってたじゃなイカ。」

U磯崎「あーらら。まあ仕方ないか。いずれ分かってもらえるんじゃないかな。」

12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:47:14.54 ID:FfEKvb1h0
M悟郎「おうイカ!事情ってのはオデブの奴と一緒だ。まとめて話をしようぜ。」

イカ娘「お主らみたいな連中とは関わり合いになりたくないでゲソ!
     早く悟郎達の体から出てどこかへ帰るでゲソ!」

M悟郎「帰れたらこんな事しねえよ!」

デネブ「ああっ、ごめんイカ娘ちゃん。こいつらは誤解を招きやすいが悪い奴じゃない。
     心の中じゃ、みんなと仲良くしたいと思っているんだ、俺には分かる!」

M悟郎「おいオデブ、勝手な事・・」

U磯崎「センパイ、ここでこじらせても仕方ないって。
     今唯一信頼を得ているオデブちゃんに任せようよ。嘘も方便って言うでしょ?」

ウラタロスの耳打ちに、モモタロスも口をつぐんで成り行きを見守る。

13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:48:38.45 ID:FfEKvb1h0
デネブ「頼む、あいつらのことは大目に見てやって欲しい。お願いだ!」

デネブが我が事のように恐縮し、深々と頭を下げた。

イカ娘「でも悟郎たちが・・・・。」

デネブ「二人が出て行けば元通りになる。
     本来の姿じゃみんなを驚かしてしまうし、ちょっとだけ許して欲しい。」

イカ娘「・・・・まあ、お主がそうまで言うのならお主に免じて・・・・責任持って面倒見るでゲソよ?」

デネブ「おお、ありがとう、イカ娘ちゃん!」

大喜びのデネブがイカ娘の両手を握ってぶんぶんと降る。

イカ娘「はぁ・・・・じゃあとりあえずみんなで『れもん』へ行くでゲソ。」

しばらく歩いたところでイカ娘がデネブに言った。

イカ娘「・・・・お主も十分びっくりな姿という自覚はあるでゲソか?」

デネブ「え?」

14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:50:40.28 ID:FfEKvb1h0
イカ娘とデネブの後をついて行く二人は口論をしていた。

M悟郎「まったくよう、小僧のせいで面倒なことになっちまったぜ。」

U磯崎「今更リュウタを責めても仕方ないでしょ?」

M悟郎「そういや、お前があいつに“パス”を持たせたんだったな。」

U磯崎「だって、イマジンがうろついてるんなら護身用にあった方がいいじゃない。
    それに、襲われたら襲われたでリュウタなら返り討ちだしね。手間が省ける。」

M悟郎「お前、あいつをエサに釣りしようって考えてたのか?」

U磯崎「違うよ、効率を重視しただけ。リュウタが勝てないようなら僕らだって危ういし。」
     もっとも、普通に紛失するなんて裏目に出るとは思ってなかったけど。」

M悟郎「とんだ効率的だったな。やっぱハナタレ小僧一人で出掛けさせなきゃ良かったんだ。」

U磯崎「まあまあ。まともに海なんて体験してないだろうから、はしゃぐ気持ちも分かるし。」

M悟郎「だからってアイツを野放しにし過ぎだろ。」

U磯崎「仕方ないでしょ、自分は愛理さんと離れて、しかもあのボウヤは一緒だなんて。
     以前みたいに暴走しなくなっただけでも成長したもんだって。」

M悟郎「まったく、尻拭いする方の身になれってんだ!」

イカ娘「・・・・育児方針の違いによる夫婦喧嘩でゲソ?」

デネブ「ケンカするほど仲がいいんだ。俺には分かる!」

15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:52:04.86 ID:FfEKvb1h0
などと話しつつ、もう少しで『れもん』に着く辺りのところで栄子と会った。

栄子「あ!お前・・・・今以上に変なのを増やしやがって・・・・。」

イカ娘「失礼なことを言うのはやめなイカ!」

栄子「違う、今のはお前のことじゃない。・・・・見てみろ。」

栄子が示した方には見慣れぬ物があった。

イカ娘「これは・・・・前に乗った電車ってやつじゃなイカ?なんでこんな所に?」

デネブ「これはデンライナーだ。」

栄子「やっぱり関係者かよ・・・・。」

イカ娘「これじゃあ『れもん』に入れないじゃなイカ。」

栄子「ああ。で、代わりにその車両に入ってみろよ。」

イカ娘「え?・・・・お邪魔するでゲソ。」

オーナー「いらっしゃいませー。」

イカ娘「わあっ!?」

スーツを着こなした、一見すれば紳士にも見えるかも知れない人物が不意打ちで出迎えた。

16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:54:28.15 ID:FfEKvb1h0
オーナー「もう少しでオープンの準備が整うので、少々お待ちくださーい。」

栄子「・・・・という訳で中に入れなかったんだ。」

M悟郎「オープンだぁ?」

オーナー「はい。食堂車を海の家仕様にアレンジしているのです。」

U磯崎「どういうこと?」

オーナー「言うなれば、『クライマックスデリカ・デンライナー食堂いらっしゃいませ』
       ・・・・とでも言ったところでしょうかー。」

M悟郎「おっさん、それが言いたかっただけだろ!」

U磯崎「混ぜ過ぎて分かりづら・・・・。」

デネブ「デリカはお総菜屋さんのことだから、食堂とは違うんじゃあないかな。」

U磯崎「オデブちゃん、そこじゃない。」

オーナー「ではでは、そろそろ準備できましたのでお入りくださーい。」

栄子「えーと、お邪魔します。」

イカ娘「・・・・あっ、千鶴がやっぱ変なのと!」

栄子「なにっ!?」

17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:56:00.05 ID:FfEKvb1h0
イカ娘の指差す方を見ると、黄色っぽい何かと腕相撲していた。
その周りを、紫っぽい何かがはしゃぐようにうろちょろ跳び回っている。

キンタロス「・・・・あかん、姐さんには敵わへん!」

千鶴「うふふ。」

リュウタロス「お姉ちゃん、すごーい!!」

栄子「めっさなじんでる・・・・。」

イカ娘「いつからこうなってたのでゲソ?」

栄子「分からん。私が来たら既に電車がふさいでた。」

千鶴「・・・・あら、二人ともいらっしゃい。」

イカ娘「いらっしゃいと言われても・・・・。」

栄子「とりあえず事情を説明してもらいたいんだけど。」

千鶴「えーとね・・・・ちょっとおとぎ話風味の人達?」

栄子「ちっとも分かんねー!!」

18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:57:15.45 ID:FfEKvb1h0
イカ娘「じゃあ、この電車はなんなのでゲソ?」

ナオミ「はーい、それは私がお答えしちゃいまーす!」

前衛的な服装の女性が会話に割り込んできた。
年の頃は千鶴より若くも、上にも見える。
正確に言えば、千鶴が(略)

ナオミ「ここは、時間を超える電車デンライナーの食堂車でーす!」

栄子「ふうん。」

ナオミ「あら、反応薄い・・・・もしかして信じてません?」

栄子「いや、確かに信じがたい部分はあるけど・・・・最近もう何でもありにも慣れちゃって。」

ナオミ「お若いのに凄い人生なんですね。」

栄子「まあ、それはともかくそんな電車がどうしてここに?」

ハナ「イマジンを追って来たのよ。」

今度は少女も話しに加わる。
こちらは、たけるよりちょっと上かといった見た目だった。

19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 20:59:53.54 ID:FfEKvb1h0
栄子「イマジンって、もしやこいつのことか?」

イカ娘「まさかイカ人とか言う気じゃないでゲソね。」

栄子「いや、お前変なのに追い掛け回されるの得意だし。」

イカ娘「だから、失礼なことを言うのはやめなイカ!」

ハナ「イマジンていうのは、そうね・・・・簡単に言うと過去に移動して悪さする連中ね。
    姿形はバラバラ。正確に言うと、最初にとり憑いた人間の記憶次第で決まるわ。
    大抵はおとぎ話なんかに由来する姿に決まる傾向があるけど。」

栄子「おとぎ話風味ってそれか・・・・って、じゃああいつらがそのイマジン!?」

ハナ「落ち着いて。確かにあいつらもイマジンだけど、悪いイマジンを倒すイマジンなの。」

イカ娘「じゃあ、いいイマジンってことでゲソね。」

ハナ「・・・・・・・・うん。」

栄子(なんだその間は・・・・)

20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:02:04.94 ID:FfEKvb1h0
イカ娘「でもこれじゃあ海の家はどうするのでゲソ?」

千鶴「この食堂車で営業するわ。」

栄子「ここで!?お客さんびっくりしちゃうよ!」

千鶴「まあ特別企画ってことでいいんじゃないかしら。
    多国籍料理フェア『世界の食堂車から』みたいな。」

栄子「海の家の要素消えちゃったよ!?」

イカ娘「この電車をどかしてもらえばいいんじゃなイカ?」

オーナー「いやあ、それがあいにくのマシントラブルで動かせないんですよお。」

イカ娘「え?」

栄子「時間を超えるのにそんなんでいいのか・・・・。」

オーナー「だからこそ、デリケートなので慎重に扱う必要があるのです。」

千鶴「他にもいろいろ事情があるみたいなの。
    で、代わりの場所は使わせてもらえるし、お代も頂いたから引き受けたのよ。」

栄子「まあ話がついているならあーだこーだ言わないけどさ。」

21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:05:21.68 ID:FfEKvb1h0
千鶴「そういう訳だから、とりあえず二人も自己紹介とかしておいたら?」

イカ娘「分かったでゲソ・・・・お主もイマジンだったのでゲソね。」

デネブ「ああ。俺はデネブです、これから仲良くしてね。」

栄子「・・・・相沢栄子、よろしく。」

デネブ「あ、そうだ。お近づきの印にキャンディ、どーぞ。」

ごそごそと服の下から取り出したキャンディを差し出す。

栄子「・・・・これ何?」

デネブ「デネブキャンディだ。」

栄子「いや、そうじゃなくてだな・・・・。」

イカ娘「うむ!これはおいしいじゃなイカ!」

栄子「はやっ!・・・・お前、警戒心とか無いのか?」

イカ娘「デネブはいい奴でゲソ。・・・・正直、あっちの二人は怪しいでゲソが。」

M悟郎「ああん、俺達のことか?」

U磯崎「すっかり嫌われちゃってるね、僕ら。」

22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:07:15.03 ID:FfEKvb1h0
ハナ「とりあえず二人とも自己紹介しなさいよ。」

栄子「え、こいつは悟郎じゃ・・・・。」

千鶴「さっきのとり憑いてるってやつね。」

ハナ「ほら、出て来て自己紹介しなさい。」

M悟郎「知るか。どうせまたすぐ出掛けんだ。」

ハナ「モモタロス、もうとり憑くのはやめなさい!迷惑でしょ!!」

M悟郎「いいだろが、探し物するのに便利なんだから。じゃあな!」

出て行こうとしたモモタロスの目の前で、壁に何かが突き刺さった。

ビィィィン・・・・

どうやら海の家のメニューに使う竹串のようだった。

M悟郎「これはよくないんじゃないか・・・・。」

U磯崎「・・・・僕にはとても出来ない。」

23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:09:10.64 ID:FfEKvb1h0
ハナ「ワガママ言わずに出て来なさい!」

千鶴「照れ屋さんなのかしら。」

デネブ「意外とシャイなんだな、モモタロスは。」

M悟郎「うるせえ、このハナクソ女!あと、オデブも黙ってろ!!」

千鶴「・・・・・・・・。」

千鶴の手が悟郎の肩に掛かった。

M悟郎「あ、おい!何をしやがる!!」

とり憑いたままのモモタロスが無言の千鶴に陰へと引っ張られて行った。
しばらくして。

モモタロス「あわわわ・・・・。あのですね、決してお姉様のことを言ったのでは・・・・。」

腰を抜かしたモモタロスが、詰め寄る千鶴から必死に後ずさりして逃げて来た。

千鶴「『ごめんなさい』は?」

モモタロス「ご、ごめんなさーーーい!!」

千鶴「聞こえないわね。もっと大きな声で。」

モモタロス「ごめんなさーーーーい!!!」

モモタロスが必死に土下座を繰り返した。

24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:09:44.29 ID:5Q0AdhKO0
オウガスレかと思った

25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:11:35.68 ID:FfEKvb1h0
ウラタロス「うわ・・・・先手を打っておこっと。」

ウラタロスが磯崎の体を抜け出した。

モモタロス「嗚呼・・・・記憶を書き換えたい。」

ウラタロス「イマジンにとっては自殺行為じゃないの、それ?
       センパイ、何があったのさ。」

モモタロス「思い出させんじゃねえ!!
        あんなの、必要と分かる日がぜってー来ねえ記憶だ!」

イカ娘「どんな事があったのか想像つくのが嫌でゲソ。」

栄子「そういや、悟郎の奴もショックを受けてるんじゃ・・・・。」

悟郎「ああっ、千鶴さんが俺のために必死に悪魔祓いをしてくれるなんて。感激だぁー!!」

栄子(恋のフィルターって偉大だな・・・・)

26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:13:30.51 ID:FfEKvb1h0
ウラタロス「綺麗な花にはトゲがある、って言うけどさ、お姉さん何者?」

千鶴「あら・・・・いいの?少年向けの世界で語ってもいいの?」

モモタロス「え、遠慮しますぅ!おい、バカガメ!余計なこと言うな!!」

ウラタロス「センパイ、人の陰に隠れるのやめてくれる?」

千鶴「強いて言えば、今はただのコックかしらね。」

ウラタロス(沈黙の・・・・)

オーナー「いやぁ、なかなか素晴らしい厨房担当者さんですなあ。」

ウラタロス「あ、オーナー。」

オーナー「ところで、『例のやつ』お願いできますかぁ?」

ナフキンを装着したオーナーが着席し、空のお皿を自分の前に置く。

千鶴「あら、構いませんよ。」

答えた千鶴が調理スペースに入る。

栄子(だからなんでなじんでるんだ・・・・)

28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:15:14.71 ID:FfEKvb1h0
オーナー「いやあ、千鶴さんは素晴らしいですなあ。
       これならまた別の『新たな戦い』の幕開けもありうる、かもしれません。」

イカ娘「え・・・・ただチャーハン作ってるだけじゃなイカ?」

ウラタロス「恥ずかしい思い出が蘇るからやめて。」

手際よく作られ、宙を舞うチャーハンがもう完成かという時。

イカ娘「き、消えたでゲソ!」

千鶴は何事も無かったかのように次のチャーハンを作り始めた。

栄子「おい。あそこ見てみろ・・・・。」

イカ娘「ん?」

言われた方を見ると、オーナーの手にした皿にほかほかのチャーハンが乗っていた。

イカ娘「さっきまで・・・・。」

栄子「無かった、よなあ?」

モモタロス「何やってんだおめえら!?」

オーナー「こうして仕上げると、チャーハンが空気との摩擦熱でふわっとして、
       おまけに余分な油も振り切れて、とーっても美味しく仕上がるんですよぉ。」

ウラタロス「嘘だよね。」

29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:15:26.71 ID:M8bCLs8EO
デネブ?ゆうとじゃないの?

30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:17:17.03 ID:FfEKvb1h0
湯気の立つチャーハンに、オーナーがご機嫌で旗を3本立てる。

オーナー「まだお皿もありますし、もっと本気で来ていただいてもいいですよ?」

千鶴「でも受け止められずにこぼしちゃったら勿体無いから・・・・ちょっとだけ。」

千鶴がお玉を持った方の腕を振るう。
ほぼ同時に、食事中のオーナーが空いた方の手で動かしたお皿にチャーハンが現れていた。

オーナー「そうですねえ、狙いがそれてこぼしても勿体無いですから・・・・
       この程度で軽ーく流しましょうか。」

千鶴「・・・・あら、じゃあもう少しだけ・・・・。」

オーナー「どうぞどうぞ。いくらでも。」

笑顔の二人の間で静かに火花が散る。

イカ娘「和やかにも見えそうな食事風景がなんかおっかないでゲソ・・・・。」

しばらくそんな事をしていると、オーナーが食べていたチャーハンに立ててあった旗が倒れた。

オーナー「おや・・・・食事は終了です。流石に集中を保てませんでしたか。」

千鶴「痛み分けですね。」

オーナー「はい。今回はここまでということで本題に入りましょうか。」

モモタロス「ようやくかよ。」

31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:19:01.64 ID:FfEKvb1h0
オーナー「どこまで話しましたっけ?」

ウラタロス「僕らがイマジンってことと、ここで営業するって事だけ。」

オーナー「そうでした、そうでした。ウラタロス君たちも頑張ってくださいね。」

ウラタロス「・・・・え?ちょっと待って、今なんて?」

オーナー「ウラタロス君たちが接客するんですよ。」

ウラタロス「えーと、誰かに憑いて?」

オーナー「そのままです。」

ウラタロス「ちょっと待ってよ。流石に無茶でしょ、それ。」

栄子「お客さんドン引きだな・・・・。」

モモタロス「“達”って俺達もやれってか!?」

オーナー「はい。総出でお願いします。」

イカ娘「あまりにカオス過ぎなイカ?」

栄子(お前が・・・・流石に言ってもいいか)

リュウタロス「わぁ、お店だあ!わーい!」

33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:20:40.21 ID:FfEKvb1h0
渚「あれ、ここが『れもん』の入り口?
   ・・・・って、な、なんだか怖い人たちがいっぱい!?」

デンライナーの扉をくぐった瞬間、渚が立ちすくむ。

栄子「ほれ見ろ、あれが一般人の反応だ。」

イカ娘「なんか自分を一般人から外してなイカ?」

栄子「もう諦めた。」

怯える渚の横に、すかさずウラタロスが移動する。

ウラタロス「お嬢さん、心配しないで。こう見えても僕は紳士だから。
       とくに、可愛い女の子には、ね?」

渚「こ、来ないでください!助けて!!」

身を縮こまらせて、必死に拒絶する。

34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:22:48.50 ID:FfEKvb1h0
リュウタロス「お姉ちゃん、どうしたの?僕らが怖いの?」

騒ぐ渚の様子に興味を引かれてか、リュウタロスもやって来た。

渚「や、やめてください!」

リュウタロス「わあ、やっぱ怖いんだー。
         わーいわーい、ぎゃおー。食べちゃうぞー!」

渚「いやぁぁぁ!」

リュウタロス「あはは、おもしろーい!」

渚「助けてー!」

リュウタロス「待て待てー♪うりー、うりうりー!」

逃げ惑う渚を、面白半分にリュウタロスが追い掛け回す。

栄子「いいか、アレが普段のお前の姿だ。」

イカ娘「うぅっ、客観的に見せられるとこっ恥ずかしいでゲソ。」

栄子「止めてやれよ。」

35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:24:50.07 ID:FfEKvb1h0
イカ娘「やいお主、渚にちょっかい出すのはやめなイカ!」

栄子(これをきっかけに少しは二人も打ち解けたり・・・・)

リュウタロス「なんで?」

イカ娘「え、それは・・・・。」

無邪気な疑問に言葉が詰まる。

イカ娘(うかつなことを言ったら自分の首を絞めるじゃなイカ・・・・)

渚(イカの人が私を?・・・・もしやこれは、共通の敵が登場したことによるピッコ□効果!?)

イカ娘「そ、それは・・・・渚は私の獲物だからでゲソ!」

栄子(お約束のこじらせ方しやがった!)

渚(やっぱり味方不在!!)

リュウタロス「じゃあイカちゃんも一緒にやろー?へっへー!」

イカ娘「だからやめるでゲソ!」

千鶴「あんまりお店の中で騒いじゃダメよ?」

リュウタロス「ちぇーっ、お姉ちゃんに怒られちゃったー。はーい。」

リュウタロスも千鶴の言葉には素直に従った。

36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:26:42.73 ID:FfEKvb1h0
栄子「はぁ、今日はお客入らないかもな。」

千鶴「それは構わないわ。さっきも言ったけど“お代”は頂いてあるから。」

栄子「ああ、そういう意味ね。じゃあとりあえず精一杯頑張るか。」

千鶴「それなんだけどね、私達は今日お店をお休みにしようと思うの。」

栄子「えっ、どういうこと?」

オーナー「お店は私達だけで引き受けます。
       その代わり、あなた方には別のことをしていただきたいのです。」

イカ娘「何させる気でゲソ?」

千鶴「探し物よ。」

栄子「探し物ぉ?」

オーナー「これを探して頂きたいのです。」

オーナーが黒いカード入れのようなものを取り出した。

37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:28:41.16 ID:FfEKvb1h0
栄子「それは?」

オーナー「“ライダーパス”、というものです。時の列車に乗車するための乗車パスであり、
       また、このデンライナーの操縦にも使えたりするという代物です。」

栄子「おいおい、超貴重品じゃないの?」

オーナー「はい。」

ハナ「その“パス”があれば“電王”という戦士になれるんだけど、
    それでリュウタロスが出掛ける時に護身用に持って行って落としちゃったの。」

イカ娘「どこで落としたかの心当たりはないのでゲソ?」

ハナ「人目につかないように夜だったのもあって全然分からないって。」

栄子「厄介だな。」

千鶴「だから移動した辺りを人海戦術で探したいんだけど・・・・。」

栄子「確かにあいつらイマジンじゃあ大騒ぎだな。」

38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:31:12.78 ID:FfEKvb1h0
モモタロス「だから俺達が誰かに憑いて探すって言ってんだろうが!」

オーナー「それはなりませーん、モモタロス君。
       あなた方は滞在用の“チケット”を持っていないのですから。」

モモタロス「どうせマシントラブルで停車中じゃねえか。」

オーナー「モモタロス君、時の運行を乱しかねない行為を
       するのであれば・・・・これも辞さないつもりですが。」

厳しい顔つきになったオーナーが、懐の乗車拒否カードをちらつかせた。

モモタロス「ちっ、分かったよ。」

オーナー「それに、この時間の方々にとり憑いても据わりが悪いんじゃありませんか?」

ウラタロス「そう言えば、センパイもさっきからちょこちょこ抜けちゃってるね。
       僕は気絶している人間相手だったからか平気だったけれど。」

オーナー「この辺りでは時間の流れが一定ではないのです。」

ウラタロス「どういうこと?」

オーナー「エンドレス8月だったり、思い出した頃に冬が来たと思えばすぐ夏になったり。
       ・・・・そんなところでしょうか。」

栄子(なんか思い当たる節があるなあ・・・・)

39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:33:40.24 ID:FfEKvb1h0
ウラタロス「個人が“特異点”じゃなくって、この世界が“特異点”みたいな感じってこと?」

オーナー「なかなか理解が早い。」

ハナ「ごめんなさい、迷惑を掛けて。
    本当はその時間の人達との接触はなるべく避けたいんだけど、事情が事情だから。
    万が一イマジンが“パス”を手に入れて過去に戻ったりしたら、この時間もどうなるか・・・・。」

イカ娘「“パス”があれば過去にも戻れる・・・・。過去にさえ戻ってしまえば・・」

イカ娘が悪巧みをする際の顔つきになる。

栄子(久し振りに侵略者の精神が!?まさか姉貴が生まれる前や小さい頃に・・・・)

イカ娘「・・ノリと勢いで壁に穴開ける自分を阻止するでゲソ。」

栄子「やっぱお前はお前だわ。」

安心感と脱力感と共に、ぽんぽんとイカ娘の頭を叩く。

イカ娘「何するでゲソ!」

オーナー「安易に過去を変えたりしない方がいいですよー。
       ちょっとしたことでも時間の流れにどんな影響を与えるか分かりませんし、
       最近は時間警察の取り締まりも厳しくなってきてますからねえー。」

時の運行の管理者としてか、オーナーがやんわり釘を刺す。

40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:36:09.51 ID:FfEKvb1h0
ハナ「私の居た時間も、イマジンの過去改変の犠牲になってしまったの。
    それで・・・・私以外は消えてしまったわ。
    一応ある程度は元に戻せたんだけど、今度は私の体がなんか若返っちゃったし。
    本当はもう少し大人なんだけどね。」

栄子「えっ、そうなの?・・・・もしかして本当は年上とか?」

ハナ「あまり気にしなくてもいいわ。この姿になってから子供扱いされるのも慣れちゃったし。
    それに、お店とかで知らない人から見たら変な感じになっちゃいそうだしね。」

モモタロス「そうそう、こんなコハナクソ女に気を遣う必要は無えよ。」

モモタロスがハナの頭をぽんぽんと叩く。

ハナ「あんたはもう少し気を遣いなさい!!」

モモタロス「ぐぇっ!?」

ハナの鉄拳制裁にモモタロスが崩れ落ちた。

栄子(うちに来たのがイカ娘で良かったのかも・・・・)

41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:38:31.45 ID:FfEKvb1h0
ハナ「あ、そうだ。もしかしたら“パス”を探している時にイマジンが
    “契約”を持ちかけてくるかもしれないけど気をつけてね。」

イカ娘「契約?」

ハナ「イマジンはね、過去に飛ぶ時に“契約”というものを利用するの。
    相手の願いを叶えることで、契約者が強い記憶を持つ時間への扉を開くの。」

栄子「願い事・・・・進級させろとかか。」

イカ娘「しょぼいけどリアルなのがイヤでゲソ。」

ハナ「気をつけた方がいいわよ。イマジンにとって相手の意図はお構いなしだから。
    例えば『進級したい』と言えば学校に殴りこんで力ずくで成績を改ざんするかもしれないし、
    だからと言って『留年したくない』と言えば学校を破壊するかもしれない。」

栄子「なんだよそれ!?」

ハナ「あくまでも過去に飛ぶための手段だからね。
    まあ、その辺はイマジンの性格なんかもあるけれど。」

イカ娘「デネブ、もしお主なら頭の悪い栄子の願いをどう叶えるでゲソ?」

栄子「頭の悪いは余計だ!」

デネブ「そうだなあ・・・・俺はお勉強はあまり得意じゃないから、
     夜食を作ったりお守りを用意したりかなあ・・・・。」

栄子(お前はおかんか・・・・)

42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:43:03.55 ID:FfEKvb1h0
イカ娘「ふうん。じゃあ私が『地上を侵略したい』と願ったら?」

デネブ「悪いことは良くない!他の願いにすべきだ。」

イカ娘「悪いことじゃないでゲソ!海を汚す人類をこらしめ、綺麗な海を取り戻すためでゲソ!!」

デネブ「そのやり方は野蛮すぎだ。誰かを傷付けたら海だって悲しむ!
     ・・・・そうだ、綺麗な海を取り戻すならゴミ拾いをしよう。
     それなら契約なんて関係無しに喜んで協力する!善は急げだ、さあ行こう!!」

イカ娘「結局いつもと同じじゃなイカ・・・・。」

デネブ「イカ娘ちゃん、良かったな。このやり方なら大丈夫だ!!」

勝手に話を進めたデネブがイカ娘の手を引いて出て行った。

栄子「出て行っちゃったよ。」

千鶴「本当に個性豊かね。」

栄子「ああ。・・・・イマジン達でイマジンを退治するのって大変そうだね。」

ハナ「本当は良太郎と侑斗って人間の男もメンバーに居るんだけどね。
    たまには良太郎のお姉さんの愛里さんと水入らずで過ごしてもらおう、
    って二人が途中下車している最中にこんなトラブルが起きちゃったの。」

栄子「ああ、その二人が落ち着いて過ごせるようにって連絡はしないんだ。」

ハナ「そうよ。二人とも責任感があって頑固だから、
    ずっと反対してたのがやっと折れてくれたんだしね。」

43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:44:59.40 ID:FfEKvb1h0
オーナー「今回は“たまたま”マシントラブルで特定の時間に停車中なので、
       二人にも問題が発生していることは伝わりませんしね。幸いでしたー。」

栄子「なるほどね・・・・オーナーってだけあって、なかなかイキなことするんだ。」

オーナー「いーえー、ただの偶然ですよ。」

栄子「そういや、イカ娘が戦力外になっちゃったけど。」

千鶴「予備の“パス”は見ているし、ゴミ拾い中に発見したら回収してくれるんじゃないかしら。」

ハナ「そうね、デネブだって居るし。
    じゃあすみませんけど、私はあいつらの監督するんで“パス”探しはよろしくお願いします。」

千鶴「ええ。あとは私達3人も頑張りましょう。」

渚「数に入ってる!?」

千鶴「あら、ここで待ってる方がいい?リュウタロス君達と一緒に。」

渚「いえ・・・・喜んで探します。」

44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:48:17.09 ID:FfEKvb1h0
栄子「そう言えば、今日は鮎美ちゃんも来るから事情は伝えておかないと。
    引っ込み思案で人見知りなのに、こんなのに出迎えられたらショック受けちゃうよ。」

モモタロス「こんなのとはなんだ!」

ウラタロス「センパイは怖いからね。僕みたいに紳士的に出迎えないと。」

栄子「お前ら含めて全員だ。」

噂をしていたらデンライナーの扉が開いた。

鮎美「あの・・・・こちら『れもん』で・・・・よろしいですか?」

栄子「あ、鮎美ちゃん。今ちょっと厄介な状況だけど・・」

ジーク「これそこの。我が姫君に気安く話しかけるな。」

栄子「変なの来たー!!」

ジーク「降臨・・・・満を持して。」

白い羽根を舞い散らせながら、新たなイマジンが現れた。

45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:48:57.62 ID:i6IqFtISO
デネブ「ガラスのかぼちゃ」

46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:50:41.75 ID:FfEKvb1h0
ハナ「ジーク、あんたどっか消えてたと思ったら何してたのよ!」

ジーク「おお我が姫君。心配せずともこの時間の姫君以外にあなたも我が姫君だ。依然、変わりなく。」

ハナ「うるさい!」

ジーグ「おぐっ!・・・・・・・・ああ、愛が痛い。」

ハナ「愛じゃないわよ!」

栄子「イマジンてロクでもないのばっかか・・・・。」

鮎美「あの・・・・大丈夫ですか?」

ジーク「ああ、我が姫君はなんと心優しい。
     あそこの幸薄そうなチンクシャとは大違いだ。」

栄子「誰が幸薄そうなチンクシャだー!!」

ジーク「感心感心、ちゃんと自覚できているではないか。」

47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:52:37.67 ID:JFyCykiyP
ジークまでww

48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:54:07.57 ID:FfEKvb1h0
栄子「まったく・・・・鮎美ちゃん、こいつどうしたの?」

鮎美「この近くでお会いして・・・・この電車の事について少々教えてもらったり・・・・。」

栄子「ふうん、そうだったんだ。鮎美ちゃん人見知りだから変なのと話すの怖くない?」

ジーク「安心しろ、あそこの有象無象は我が家臣たち。姫に失礼な真似はさせぬ。」

栄子「お前は自覚しろ。」

鮎美「男の方だけど・・・・思ったよりも平気でした。
    なんか・・・・着ぐるみ着用ということで親近感が沸いたんでしょうか・・・・。」

栄子(着ぐるみじゃないよ、って言わない方がいいんだろうな)

千鶴「それじゃあ、鮎美ちゃんにも話したら探しに行きましょう。」

簡単に事情を説明する。

49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:56:49.06 ID:FfEKvb1h0
鮎美「“パス”・・・・ですか。」

ウラタロス「そう。時間を超えて時間を守る為のものだけど、裏を返せば時間を超えた悪事にも使えるってこと。
       悪用するイマジンに狙われたら困るから、探すのにご協力をお願いしているんだ。」

栄子(可愛い女の子相手だと張り切るんだな、こいつ)

鮎美「えーと・・・・お手伝いはしたいんですけど、そのイマジンというのに襲われたら?」

ウラタロス「もしもイマジンが現れたら、気配の察知だけは鋭いセンパイが気付くから大丈夫。」

モモタロス「そんなに褒めんな、照れるじゃねーか。」

ウラタロス「その際は僕らも出て行っていいですよね、オーナー?」

オーナー「仕方ありませんねえ。時の運行を守る上でどちらのリスクが高いかを考えれば。」

50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 21:58:49.13 ID:FfEKvb1h0
ウラタロス「で、今まで調べたところ、今回のイマジンは『七匹の子ヤギ』が元らしいんだ。」

栄子「・・・・ちょっと待て、もしかしてそれって・・・・。」

ウラタロス「うん、全部で7体居る。数が多いからかそんな強くないみたいだけど、
       物語通りってことか隠れるのが得意みたいで手を焼いているんだ。」

千鶴「残りは?」

ウラタロス「まだ7体。」

栄子「遭遇率高そうだな・・・・。」

千鶴「ヤギ風味の姿を見たら逃げた方がいいわね。」

栄子「パス探しもなるべく短時間で終わらせないとだな。
    ・・・・ちょっと危ないけど、頼んでみるか。」

数分後。

早苗「栄子、呼んだ?」

栄子「おお早苗、すまない。」

早苗「いいのよ、ちょうど散歩中だったし。」

51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:02:21.18 ID:FfEKvb1h0
モモタロス「こいつが助っ人か?」

栄子「いや、早苗自体と言うよりは・・」

ガブッ

モモタロス「うおーっ!なんだぁ!?」

早苗「こらアレックス、その癖直しなさい!」

珍しいものを見つけたアレックスが、モモタロスの足に噛み付いていた。

モモタロス「い、い、犬ぅ!!」

早苗「ごめんなさいね。ほら、アレックスも謝りなさい。」

モモタロス「うおっ!?俺は犬が苦手なんだ!!そのワン公を近づけるんじゃねえ!」

アレックス「ワンッ!!」

モモタロス「ひぃぃっ!?」

早苗「なんか・・・・可愛いかも。うふふ・・・・。」

栄子(やっぱりそっち系の反応か)

52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:05:40.41 ID:FfEKvb1h0
早苗「ところでこの人達は?」

栄子「実は・・・・((略))・・・・という訳で協力して欲しいんだ。」

早苗「ああ、アレックスににおいを追わせるのね。最後に触ったのって・・・・。」

リュウタロス「はーい、ぼくぼくー!えへへ、ワンちゃんよろしくぅ♪」

早苗「じゃあちょっと手を出して。」

リュウタロス「はーい。」

その手をアレックスが嗅ぐ。

早苗「分かればいいんだけど・・・・とにかく探してみるね。」

栄子「私も一緒に行くよ。」

千鶴「そうね。単独行動は避けましょう。」

53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:08:19.57 ID:FfEKvb1h0
渚「じゃあ私は鮎美さんと。」

ジーク「それならば私も姫の護衛として同行しよう。」

鮎美「あ・・・・ありがとうございます。」

栄子(それじゃあ意味ねー・・・・けどイカ娘んとこがもっと凄いしいいか)

悟郎「じゃ、じゃあ俺は千鶴さんと!!」

千鶴「悟郎さんはライフセイバーのお仕事があるでしょ?
    悟郎さんは私一人じゃなくってみんなを守る大事な存在だもの。」

悟郎「千鶴さん・・・・分かりました、俺頑張ります!!」

千鶴「そうすると・・・・私は一人ね。」

誰も異論を唱えるものは居なかった。

千鶴「・・・・あら?」

54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:14:13.84 ID:FfEKvb1h0
そして夕方。

栄子「そっちは見つかったか?」

イカ娘「ゴミはいっぱいだったけど、“パス”は無かったでゲソ。」

デネブ「だけど、海は綺麗になって喜んでいる!俺には分かる!!」

栄子(こいつ何しに来てるんだっけ・・・・)

渚「私達のところも見つかりませんでした。」

悟郎「パトロールがてら探したけれど何も。」

磯崎「俺も女の子を探しがてら探したが見つからなかった。」

悟郎「おい!」

栄子「そういやさ、一応は聞くけど店の方はどうだった?」

モモタロス「それがよぉ、予想以上に大入りだったぞコラ!
        この浜の連中、みんなおかしいんじゃないのか!?」

キンタロス「俺達みーんなこどものおもちゃや。」

リュウタロス「楽しかったー♪」

ナオミ「大人の方も結構いらっしゃいましたよ。」

栄子「ああ、ロマンを求めてかな・・・・。」

55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:16:46.26 ID:FfEKvb1h0
ウラタロス「女の子も多ければ楽しかったのに。」

栄子「流石にこの面子じゃなあ・・・・。」

ウラタロス「・・・・で、退屈してて思ったんだけどさ。
       目立つからって代わりに探し物をしてもらうのはともかく、
       今日は臨時休業とかで良かったんじゃないの?」

栄子「・・・・あ。」

オーナー「いやあ、いろいろと事情がございまして。」

一同(それは無い無い!)

千鶴「それに、その方が面白そうでしょ?」

一同(きっとそれだ・・・・)

千鶴「みんな、お疲れ様。疲れたでしょうし、親睦も兼ねて気晴らししない?」

栄子「パーティーとか?」

千鶴「肝試し。」

悟郎「き、肝試しぃー!?」

56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:19:15.42 ID:FfEKvb1h0
千鶴「もう準備はしてあるし、賞品も出るんだけど。」

イカ娘「いくらなんでものんき過ぎなイカ?」

ウラタロス「賞品ねえ、上質な餌でないと釣りは出来ないよ?」

千鶴「うふふ・・・・じゃーん、ゴールに置いてある賞品は“ライダーパス”よ。
    ・・・・あと、副賞に“スタッフとお茶できる券”なんてのもあるけど。」

ほぼ一同「ええーっ!?」

千鶴「準備に時間掛かっちゃったわぁ♪」

モモタロス「何考えてんだおめえ!?」

イカ娘「準備が終わってるって事は、もう“パス”は・・・・。」

千鶴「ゴール地点にあるわ。」

周囲の動揺を楽しむかのような千鶴が、笑顔で答える。

57 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:22:24.51 ID:FfEKvb1h0
モモタロス「けっ、何が面白くて“パス”取りに行くのに夜道を散歩しなきゃならねえんだ。」

千鶴「そう思って、いくらか面白くなるような準備はしてあるわ。」

モモタロス「・・・・なんだと?」

ナオミ「頑張って盛り上げまーす♪」

リュウタロス「僕も脅かし役ー!えへへー、がおー!!」

ハナ「ちょ、ちょっと・・・・危険じゃない?」

オーナー「大丈夫です、私が監督しますから。」

ハナ「オーナーも首謀者側!?」

ウラタロス「となると・・・・これはもうやるしかないみたいだね。」

キンタロス「せやな。それが一番手っ取り早いで。」

58 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:23:27.08 ID:JFyCykiyP
支援!

59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:25:11.73 ID:FfEKvb1h0
栄子「イマジンの脅かし役か。確かに連中のノリでやられたら私らは危険かもな。」

千鶴「あら、それなら大丈夫よ。バランス取るために研究所の方達に応援を頼んだから。」

栄子(なんか間違った方向にバランス調整入った!!)

イカ娘「大丈夫なのでゲソ?」

千鶴「ええ。宇宙人と交流するいい機会だって気合入ってたし、きっと楽しくしてくれるわよ。」

イカ娘「またむやみに宇宙人認定をしてるのでゲソね・・・・。」

栄子「むしろ不安しか増えねえ・・・・。」

千鶴「親睦目的だからあくまでも自由参加だけど、みんなどうする?
    肝試しするのがイヤなら、裏方さんのお手伝いとかでもいいんだけど。
    人手はあった方がありがたいし。」

渚「私は・・・・肝試しの方に頑張って参加します!!人類のために!」

栄子(また変なスイッチ入った!)

悟郎「そうだな、俺もイマジン達が帰ってくれるように肝試しに参加するか。」

栄子「チキンライフセイバーのお前が!?」

悟郎(ふっ、なんとでも言え・・・・副賞のチケットで千鶴さんとお茶するためなら、俺はやれる!)

60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:28:15.05 ID:FfEKvb1h0
モモタロス「俺達は参加するしかねえな。いつまでもこんなところでウダウダしてられっか。」

ウラタロス「オーナー、時の運行を守るって言ってたけど、こんなんでいいの?
       “パス”の扱いとか、デンライナーから出払っちゃうとか、なんか無防備すぎない?」

オーナー「まあまあ、たまにはいいじゃないですか。
       それに“パス”を狙うイマジン、“パス”を手に入れたら次に狙うものは?」

ウラタロス「なるほど・・・・囮のためだったという訳ね。」

モモタロス「どういうことだ?」

ウラタロス「センパイに説明すると時間掛かりそうだし。」

鮎美「あの・・・・どういうことなんですか?」

ウラタロス「待っててね、今手取り足取り腰取りで教えてあげるから。」

モモタロス「おい!」

怒ったモモタロスがウラタロスの肩を掴んで振り向かせる。

ウラタロス「もう・・・・要するに、イマジンは“パス”も欲しいだろうけど、
       あくまでも最終目的はデンライナーだってこと。
       “パス”は車の鍵みたいなものだから、鍵をつけたまま駐車してあったら?」

モモタロス「なるほど、手間が省けるって訳か。」

ウラタロス「そういうこと。隙があれば手を出してみても損は無い。
       もちろん、“パス”は“パス”で狙われるかもしれないけどね。」

61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:31:12.52 ID:FfEKvb1h0
オーナー「しかも、本日はこれだけ目立つように停車しておいたのですから・・・・。」

ウラタロス「撒き餌はバッチリってこと。」

モモタロス「なーるほどな。じゃあ誰かここに残しとけばいい訳だな。」

キンタロス「油断させる必要もあるんなら、一人居れば十分やろ。」

ウラタロス「リュウタは脅かし役らしいし・・・・それ以外の5人から決めないと。」

鮎美「あの、私はここに残ってもいいですか?そういうのちょっと苦手で・・・・。」

栄子「だけど、ここが狙われるかもって・・・・。」

ジーク「案ずるな、姫の護衛は私が居るではないか。」

栄子(それがちょっと不安なんだよ・・・・)

ハナ「大丈夫よ、実力はあるから。予備の“パス”も渡しておくし。」

ウラタロス「それじゃあ、お任せしようか。
       緊急時じゃなきゃ、僕も女の子の護衛のが良かったけど。」

モモタロス「どうせ手羽先がやりたいこと以外じゃ役に立たねえからな。」

62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:34:34.95 ID:FfEKvb1h0
千鶴「あ、そうだわ。分担を決めるのなら救護係は居た方がいいかも。
    介抱もだけど、動けなくなったり気絶したりした人を運んだりとか。」

栄子(それって誰か倒れかねないってこと?)

キンタロス「なら、そいつは俺が引き受けようやないか!」

モモタロス「肝試しなんて付き合いきれないってか?」

キンタロス「いや、以前の肝試しでも俺がコース間違えて失格になったからな。
       同じミスはせえへん!その代わり力仕事なら任しとき!!」

ウラタロス「意外としっかり者だね、キンちゃん。」

モモタロス「じゃあ“パス”回収は俺たちに任せとけ、クマ公。」

キンタロス「ああ、よろしく頼む。」

千鶴「これで一通り決まりかしら。じゃあ、それ以外の人が参加者ってことでいいわね。」

63 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:38:37.99 ID:FfEKvb1h0
一同が会場まで移動した。

千鶴「はい、それじゃあ二人組みを作って。」

栄子「人によってはトラウマワードだね、それ。」

千鶴「そんなに心配しなくても大丈夫よ。
    頃合を見て、特にマッチングしなかった人達でくじ引きしましょう。」

64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:40:20.70 ID:FfEKvb1h0
渚(どうしよう、イカの人やイマジンの人達とは組みたくないし・・・・
  やっぱり頼むなら栄子さんかな)

渚が考えていると、背後から肩をとんとんと叩かれた。

悟郎「あのさ、ペア組んでもらえないかな?」

渚「え、私とですか?」

悟郎「俺怖いの苦手だから、出来れば人間相手と組みたくて・・・・。」

渚「だったら磯崎さんや栄子さんとかは?」

悟郎「いや、磯崎は女の子と組むって言って聞かないし、
    他の奴らは面白がったりで脅かしてくる可能性がありそうだからさ。」

渚「構いませんけど・・・・。」

悟郎「いやー、ありがとう!助かるよ。」

渚「よろしく・・・・お願いします。」

65 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:43:36.19 ID:FfEKvb1h0
デネブ「イカ娘ちゃん、頼みがある。どうか俺と組んで欲しい。」

イカ娘「お主と?」

デネブ「実は俺、お化けとか苦手で・・・・この中だとイカ娘ちゃんなら一番安心できそうだから・・・・。」

イカ娘「確かにイマジンの連中を除けば一番長い付き合いではあるでゲソね。
     だけどお主がお化けを怖がるというのも・・・・はっ!?」

早苗「イカちゃーん!私と組もーーう!!」

イカ娘が返事を渋っていたところに、早苗が猛烈な勢いで迫って来た。

イカ娘(下手にくじ引きになると、早苗と組む可能性がある!)

イカ娘は早苗の申し出が耳に入っていないフリをしてデネブの頼みを承諾した。

イカ娘「デネブよ、お主の申し出を受け入れようじゃなイカ!」

デネブ「ああっ、ありがとうイカ娘ちゃん!!」

早苗「・・・・あー先約か、じゃあ仕方ないか。」

大人しく引き下がった早苗を見て、イカ娘も内心安堵する。

イカ娘(今はお化けより早苗がおっかないでゲソ・・・・)

早苗(イカちゃんと組むと、副賞のチケットのことで揉めちゃいそうだしね)

一方、早苗は早苗で思惑を持って引き下がっていた。

66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:46:36.00 ID:GfOQVPVT0
千鶴「じゃあくじ引きも終わったし、一番のペアから頑張ってね。
   途中でどちらか気絶したり、渡した地図のルートを大きく外れたら失格ね。」

オーナー「イマジンの皆さん、お貸しした予備の“パス”はくれぐれも失くさないように。」

67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:48:50.70 ID:GfOQVPVT0
悟郎「トップバッターか・・・・一番乗りのチャンスだけど、
    まだ誰も通ってない道ってなんかな・・・・。」

渚「やっぱりちょっと怖いですね・・・・悟郎さんは平気なんですか?」

悟郎「いや・・・・俺もうかなり限界。(ガクガク)」

渚「でも参加するって言った時はなんだか勇ましかったですよ?」

悟郎「だって“パス”ってのが無いと帰らないみたいだしさ。怖いんだよ、あいつら。」

渚(でも悟郎さん、イマジンの人達はそんなに怖いのに、
  なんでイカの人とは平気に、ううん、むしろ打ち解けているの?
  なんか『れもん』以外でも親密にしてるみたいだし、
  どちらかと言うと好印象を・・・・もしや、特別な感情を抱いて!?)

悟郎「あとは、一応副賞のチケットもあるからかな。」

渚(やっぱりイカの人目当てで?・・・・・・・・確かめなきゃ!)

悟郎(そう!これさえ乗り切ってチケットをゲットすれば、
    千鶴さんと閉店後のティータイムに一つのカップの乳酸菌飲料だって・・・・)

68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:50:39.03 ID:GfOQVPVT0
渚「あの!!」

悟郎「うひぃぃいっ!?・・・・ど、どうしたの?」

渚「あ、すいません・・・・聞きたいことがあるんです!」

悟郎「何を?」

渚「あの、悟郎さんの気持ちを・・・・。」

悟郎「えっ?」

足を止めた二人が向かい合う。

悟郎「俺の気持ち・・・・?」

渚「あの・・・・教えて欲しいんです。悟郎さんが好きなのはもしかして・・」

力のこもった悟郎の両手が渚の肩に乗った。

渚「え!?」

70 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:53:43.78 ID:GfOQVPVT0
見上げると、目を閉じた悟郎の顔が接近していた。

渚「そ、そんな!心の準備が!!」

渚が目を固く閉じて顔をそらす。
その横を悟郎の顔が素通りし、体ごとばったりと地に着いた。

渚「・・・・・・・・あの・・・・悟郎さん?」

返答は無い。
ついでに微動だにしていない。

渚「ご、悟郎さん!しっかりしてください!!」

倒れた悟郎の首筋にはコンニャクが乗っかっていた。

リュウタロス(やったやったぁ!だいせいこーう!!)

ナオミ(リュウタロスちゃん、それって投げるんじゃないわよ?・・・・むぅ、ちょっと残念かも)

リュウタロス(だってやり方の紙なくしちゃったしぃー)

キンタロス(どれ・・・・そろそろ出て行ってもお邪魔虫にならんかな?)


―――― 悟郎・渚ペア失格 ――――

71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:55:10.32 ID:GfOQVPVT0
栄子「コンニャクで失神って・・・・相変わらずのチキンライフセイバーっぷりだな、オイ。」

悟郎「うるさい、びっくりしたんだよ!
    声は我慢したし、少しは耐えたぞ!!」

栄子「そんなレベルだからだよ。」

渚(なんかチャンスを逃したようなホッとしたような・・・・)

72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 22:57:41.00 ID:GfOQVPVT0
二番手の磯崎とコハナのペアは、しばらく順調に進んでいた。

磯崎(くじの結果は女の“子”か・・・・あと数年先だったら期待できたんだが)

ハナ「どうしたの?行くわよ。」

磯崎(いや、こうなれば速攻で“パス”とやらを持ち帰ってナオミさんにいいところを見せる方向だ!
    それで副賞のチケットを使ってナオミさんと!!)

ハナ「聞いてるの?急ぐわよ!私こういう雰囲気あまり得意じゃないの。」

磯崎「ああ、そうしよう。お兄さんに任せなさい!」

一気に進むべく磯崎がハナを抱き上げる。

ハナ「ちょっと!どこさわってんのよ、このスケベガメ!!」

ごすっ!・・・・・・・・どさ

鈍い音がして磯崎が倒れた。

ハナ「・・・・あ、いっけない!いつもの癖で・・・・ちょっと、起きて!起きて!」

磯崎は完全に沈黙したままだった。


―――― 磯崎・コハナペア失格 ――――

73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:00:11.30 ID:GfOQVPVT0
千鶴「じゃあお次は誇り高き第3ペア、翠のデネブさんとイカ娘ちゃん。」

デネブ「よ、よし!頑張るぞ!!」

イカ娘「お主の強面ならお化けの方が驚くんじゃなイカ?」

デネブ「いやあ、そう?照れるなあ・・・・。」

栄子(多分それ誉められてねー)

74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:03:19.24 ID:gxnr/eP30
ika42tgg
メ・ギイガ・ギ
バクラーケン
スクィッドオルフェノク
スキッドアンデッド
クラーケンイマジン
イカデビル

同じモチーフでも名前や見た目は違ってくる物なんですなー

75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:03:56.66 ID:GfOQVPVT0
-出発後しばらくして-

イカ娘「なんかスローペースじゃなイカ?」

主に、デネブがおっかなびっくり進んでいるためである。

デネブ「イ、イカ娘ちゃん、急ぐあまり置いてかないでね?」

イカ娘「お主が地図を持ってるのに置いてける訳ないじゃなイカ。
     それより、この先はどう進むのでゲソ?」

デネブ「えーと・・・・おかしいなあ、この辺りに目印があるはずなんだけど。」

イカ娘「え、貸してくれなイカ?」

デネブ「はい、どうぞ。・・・・置いてかないでね。」

イカ娘「お、お主・・・・地図を見間違えてるじゃなイカ!」

デネブ「ええっ、嘘っ!?」

イカ娘「嘘じゃないでゲソ。はぁ・・・・こりゃだいぶ戻らなきゃイカんでゲソ。」

デネブ「ああっ、ごめんイカ娘ちゃん!」

イカ娘「仕方ないでゲソ。ただ、帰りは少し早く歩こうじゃなイカ。」

76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:07:17.48 ID:GfOQVPVT0
第4ペア、モモタロス&栄子。

栄子「結構サクサク進むな。仕掛けもいくらかネタバレしてるし。」

モモタロス「所詮は遊びレベルだしな。別にゴールさせないようにしてるんでもねえし。」

栄子「確かに・・・・姉貴が本気で阻止に掛かっていたら今頃・・・・。」

モモタロス「おい!なんだその暗い表情!?」

栄子「あ・・・・すまない。」

モモタロス「うちのオッサンも大概だが、お前のネーチャンも一体なんなんだよ。」

栄子「・・・・・・・・聞きたいか?」

モモタロス「・・・・いや、いい。えーと、それよりもコースはどうだよ?」

栄子「ゴールまでもう少しってところかな。もしかしたらイカ娘たちが着いてる頃かも。」

モモタロス「まあそれならそれでも構わねえけどよ・・・・んっ、あそこに居やがるのは!?」

栄子「どうした!?」


>>74
一番下に笑みこぼしつつ保存させていただいた

77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:10:00.87 ID:GfOQVPVT0
第5ペアにして最終ペア。
ウラタロスと早苗。

早苗「まさかラストになっちゃうなんて。」

ウラタロス「カラーリング的にはセンパイと逆かと思ったんだけどね。
       まあ、誰かが“パス”回収してくれれば楽でいいけど。」

早苗「良くないわよ!そうしたら私の副賞はどうなるのよ!」

ウラタロス(僕にくれる気はないのね・・・・まっ“パス”と半分こってことだろうけど)

早苗「とにかく、前のペアも追い抜かすつもりで急ぎましょう!」

ウラタロス「だったら、早苗ちゃんの体を僕に使わせてくれる?
       僕が憑依した状態でなら、本来以上のスピードが出せるよ。」

早苗「それは駄目!」

ウラタロス「あらら。」

早苗「私の体を自由にしていいのはイカちゃんだけなの!!」

ウラタロス「・・・・僕が言うのもアレだけどさ、そういうこと大声で言わない方がいいよ?」

78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:13:11.06 ID:GfOQVPVT0
──wv─√レ─w─ (キュピーン!)

イカ娘「ひぃっ!?」

デネブ「どうしたイカ娘ちゃん!」

イカ娘「何か悪寒のようなものが・・・・。」

デネブ「ああ、たまにだけど、俺ってよくそう言われるかも。」

イカ娘「・・・・そうじゃなくって、寒気がしたのでゲソ。」

デネブ「えぇっ、もしかしてお化け?それとも夏風邪?」

イカ娘「深く追求したくはないけれど、多分どっちでもないでゲソ・・・・。」

デネブ「そう?大丈夫?」

イカ娘「うむ・・・・とにかく先を急ごうじゃなイカ。」

79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:17:01.94 ID:GfOQVPVT0
リュウタロス(あ、やり方の紙見つかった!
        えーと・・・・竿の先・・・・油・・・・火をつけて・・・・
         竿に取り付けたコンニャクを・・・・顔にくっつける!)

ナオミ(あれ?・・・・リュウタロスちゃん、それ混ぜたら危険!)

リュウタロス(いっけぇー、ファイヤー!!)


ウラタロス(大丈夫かな、ホント)

早苗「うふ、うふふ・・・・副賞で、イカちゃんと・・・・えへへ。」

ウラタロス「・・・・ん?早苗ちゃん、危ない!」

ウラタロスが火のついたコンニャクの接近に気付いた。

早苗「ふふ・・・・待っててねイカちゃん!!」

ウラタロス「なんかオーラ出た!?」

そして、燃え盛るコンニャクはそのオーラに触れるか触れないかというところで消滅した。

早苗「・・・・あら、今何か来た?」

ウラタロス(元々の火が強すぎただけ・・・・だよね?・・・・・・・・いろんな意味で危ないなあ)

80 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:20:44.44 ID:GfOQVPVT0
早苗「・・・・あ、あれ前の組!」

ウラタロス「え、もう追いついたの?」

早苗が指差す方にモモタロスと栄子が居た。

ウラタロス「センパイ、こんなとこでどうしたの?
        しかも女の子とスキンシップなんてうらやましいことしちゃって。」

モモタロスは栄子の背後に隠れるようにひっついていた。

モモタロス「あ、あ、あそこ・・・・ケルベロスだ!」

栄子「アレックスだよ。」

早苗「え?あ、ほんとだ、アレックスが。」

ウラタロス「早苗ちゃんの飼い犬・・・・だよねえ。」

81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:24:40.28 ID:GfOQVPVT0
早苗「スタート地点で待たせておいたはずだけど・・・・どうしたの?」

アレックスが近寄る早苗に吠えかかった。

早苗「わっ、どうしたのよ?」

栄子「それがさっきからそんな様子でさ。
    こいつは怖がって進めないし、様子も変だから早苗を待ってたんだ。」

モモタロス「怖がってねえ!警戒してるだけだ!!」

ウラタロス「一緒だよ、それ。」

82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:25:56.83 ID:JFyCykiyP
>>74
ありがとう保存wwイカ娘ww

83 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:27:35.83 ID:GfOQVPVT0
早苗「どうしたの?おうち帰りたかった?帰る時間が無かったから連れ回しちゃったけど・・・・。」

なだめるように近づいていく早苗に、アレックスはいっそう激しく吠え立てる。

早苗「お願い、落ち着いて。みんなも困ってるでしょ?」

アレックスのそばにまで寄った時、陰から何かが飛び出した。

早苗「えっ?・・・・きゃあっ!」

早苗が倒れた。

栄子「早苗!」

ウラタロス「センパイ、今の・・・・。」

モモタロス「ああ、ヤギ野郎だ!」

84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:31:31.92 ID:GfOQVPVT0
イカ娘「・・・・お?なんか大勢居るじゃなイカ。」

イカ娘とデネブが現れた。

ウラタロス「あれ、なんでそんな方から?」

デネブ「俺が道を間違えた、面目無い!」

イカ娘「一体何を・・・・早苗!?」

栄子「とりあえず、気を失ってるだけみたいだ・・・・。」

ウラタロス「ついさっき、待ち伏せしてたっぽいヤギのイマジンに襲われたんだよ。」

モモタロス「くそぅ、テンパってて気付かなかったぜ!」

ウラタロス「僕も、センパイやオデブちゃん達の気配に埋もれて・・・・。」

デネブ「で、そのイマジンはどこに?」

モモタロスとウラタロスが顔を見合わせて沈黙する。
静寂をアレックスの鳴き声が破った。
アレックスは一つの道を示すように吠え続ける。

85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:37:22.35 ID:FfEKvb1h0
栄子「そうか、きっとアレックスは勘付いてたんだ・・・・。」

モモタロス「すると、この先に逃げやがったってことか。」

栄子「おい・・・・あっちは街の方だぞ!」

デネブ「大変だ、止めないと!」

モモタロス「くそっ、お前の体貸せ!」

栄子「はぁ?なんでだよ。」

モモタロス「このまま街中まで追っかけたら職質されかねねえだろ!」

栄子「意外と冷静だな・・・・。」

栄子が気絶した早苗を見下ろす。

栄子「分かった、使ってもいい。だけどその代わり、絶対に早苗の敵はとってくれ。」

86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:40:17.08 ID:FfEKvb1h0
モモタロス「よーし、分かった。俺に前振りはねえ!早速借りるぜ!!」

栄子「ああ・・・・・・・・んっ!」

ウラタロス「・・・・さて、早苗ちゃんは僕がスタート地点まで運んでいくよ。」

M栄子「俺みたいに憑いちまえばいいだろ。」

ウラタロス「それは出来ない。」

M栄子「ああん?」

ウラタロス「さっき冗談半分で言ったら、絶対イヤって大真面目にに断られちゃってね。
       確かに僕は嘘つきでナンパ大好きだけどさ、女の子の嫌がることはしない主義なんだ。」

M栄子「ほーう、そりゃ結構なこだわりだな。」

ウラタロス「だけど、自分がついていながら目の前で女の子を傷つけたのにも
       ハラワタ煮えくり返っていてね。この落とし前は必ずつける!」

M栄子「ふん。早く来ねえとヤギを丸焼きにできねえぞ?
     なんてったって、俺は最初からクライマックスだからな!」

ウラタロス「分かった、スタート地点のボウヤの身体でも借りて大至急追いかけるよ。」

87 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:43:27.56 ID:FfEKvb1h0
イカ娘「気をつけるでゲソ!」

M栄子「お前に心配されるほどヘナチョコじゃねえよ!」

イカ娘「いや・・・・万が一栄子に怪我でもさせたら千鶴がぶち切れるでゲソ。」

M栄子「う・・・・あ、ありがとな。」

デネブ「よし、俺も一緒に行く!」

M栄子「お前はイカと“パス”の方を取りに行け!」

デネブ「でも・・・・俺が迷わなきゃ早苗ちゃんは襲われなかったかもしれないのに・・・・。」

M栄子「どうせお前じゃ人混みん中のイマジン分からねえだろ!
     カメも戻っちまうし、“パス”回収の方がお前向きなんだよ!」

デネブ「分かった・・・・頑張る。」

M栄子「よしワン公、飼い主の敵を取ってやるから案内しやがれ。・・・・言っとくが噛むなよ?」

それを聞いたアレックスが駆け出す。

M栄子「そいじゃあ、行くぜ!行くぜ!行くぜ!!」

モモタロスもアレックスの後を凄まじい勢いで走って行った。

88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:47:27.71 ID:FfEKvb1h0
ウラタロス「さて、僕も早苗ちゃんを置いたら追いかけますか。」

デネブ「待ってくれ、この先は危険かもしれないからイカ娘ちゃんも一緒に・・・・。」

ウラタロス「オデブちゃん、一人で道間違えない自信ある?」

デネブ「それは・・・・分からない。」

ウラタロス「そういうこと。イカ娘ちゃんと一緒に行くのが一番確実に早いって訳。
       確かに心配でもあるけれど、オデブちゃんが守ってあげなよ。
       僕だって、二人守りながらイマジンと戦うのは厳しいかもしれないしね。」

デネブ「分かった。俺達は急いで“パス”を回収する。」

イカ娘「引き受けたでゲソ!急いで“パス”を取りに行こうじゃなイカ!」



キャーーーーッ!!!

イカ娘とデネブがしばらく進んでいると、絹を裂くような悲鳴が聞こえた。

デネブ「今の、女の人の声だ!」

イカ娘「あれは・・・・シンディでゲソ!!」

デネブ「とにかく急ごう!!」

89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:49:06.26 ID:FfEKvb1h0
二人が走っていくと、物陰でうずくまり震えているシンディを見つけた。(3バカもいるけど)

イカ娘「シンディ!大丈夫でゲソ!?」

シンディ「あ・・・・あ・・・・宇宙人が現れて・・・・。」

デネブ「もしかして、ヤギ風味の!?」

クラーク「ハイ、ヤギ星人でした。」

ハリス「ついに我々は、新たな宇宙人との出逢いを果たしたノサ!」

マーティン「サイコーデシター!」

イカ娘「3バカは黙ってなイカ!シンディ、どこか痛いのでゲソ?」

デネブ「大丈夫?」

シンディ「宇宙人が・・・・。」

デネブ「そいつは、どこに行ったの?」

震える手をシンディが伸ばす。

90 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:49:30.87 ID:EmXyqchT0
支援

91 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:52:38.12 ID:FfEKvb1h0
シンディ「・・・・あれ。」

イカ娘「砂の山?・・・・お城でも作ってたのでゲソ?」

シンディ「3バカが『捕獲アイテム』ってのを使ったら消えちゃって・・・・。」

クラーク「宇宙人用のトレール銃だったノデスガ・・・・。」

ハリス「・・・・ん?クラークくん、ダイヤルが“捕”でなく“殺”に合ってるじゃナイカ。」

クラーク「オゥ、本当デス。漢字を取り入れたら失敗シチャイマシター。」

マーティン「サイテーデース!」

92 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:53:40.83 ID:FfEKvb1h0
シンディ「貴重な宇宙人が・・・・。」

イカ娘(こやつらの方が・・・・よっぽど恐ろしいでゲソ・・・・)

クラーク「目盛りを“捕”に合わせて使エバ・・・・。」

イカ娘「こっちに向けるのはやめなイカ!!」

デネブ「・・・・この砂、やっぱりイマジンみたいだ。
     あれ・・・・中から“パス”が出て来た!」

イカ娘「既に盗られかけてたのでゲソね・・・・まあ結果オーライってやつじゃなイカ。」

デネブ「まだ他にもイマジンが居るかもしれない。
     “パス”は回収したし、みんなでスタート地点に戻ろう!」

イカ娘「うむ、それが良さそうでゲソ。」

93 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/27(日) 23:57:45.11 ID:FfEKvb1h0
一同がデンライナー食堂車(生絞りれもん風味)に揃った。

オーナー「どうやら皆さんの頑張りのおかげで解決したようですね。」

ウラタロス「え、そうなの?」

モモタロス「逃げた奴は俺の必殺技イカ娘バージョンでぶちのめしてやったからな!」

ウラタロス「一体でいいのなら僕も倒したけどね。
       華麗な蹴りを女性陣にお見せしたかったな。」

モモタロス「けっ、見せ場を半分残しておいてやった恩を忘れんなよ?」

ハナ「キンタロスとリュウタロスも遭遇したんだっけ?」

キンタロス「俺も一体やな。コソコソしてる奴だけあって、ちいとも張り合いが無かったわ。」

リュウタロス「僕も一体やっつけたー!へへっ。」

ジーク「私と姫との愛の巣に侵入した不届き者は私が斬り伏せた。やはり一体だが。」

ハナ「何が愛の巣よ。」

イカ娘「で、3バカが一体葬ってしまったでゲソ。」

栄子「あいつら本当とんでもねえな・・・・。」

94 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:00:30.19 ID:ZLWo8FlU0
ハナ「それで全部ね。」

モモタロス「俺、カメ、クマ・・・・・・・・で、倒したのがいち、に、さん、ご、ろく、なな。
       ・・・・ちょうど七匹じゃねえか。」

栄子「3の次は4だ!」

モモタロス「なにぃ!?すると、いち、に、さん、し・・・・・・・・もう一体居るじゃねえか!」

指折り数えたモモタロスが驚愕の声を上げた。

ウラタロス「そうだよ。」

モモタロス「お前ら何のんきしてんだ!」

キンタロス「お前だけや。」

リュウタロス「モモタロスのバーカ、バーカ!」

ハナ「でも、オーナーはもう解決したって・・・・。」

オーナー「はい。もう一体は、“パス”を持ち去った奴です。」

ウラタロス「え、それってオデブちゃん達が言ってた奴でしょ?
       オデブちゃんのって、2体倒してたの?」

デネブ「いや、1体だけ・・・・のはず。」

95 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:02:47.77 ID:ZLWo8FlU0
ハナ「それで全部ね。」

モモタロス「俺、カメ、クマ・・・・・・・・で、倒したのがいち、に、さん、ご、ろく、なな。
       ・・・・ちょうど七匹じゃねえか。」

栄子「3の次は4だ!」

モモタロス「なにぃ!?すると、いち、に、さん、し・・・・・・・・もう一体居るじゃねえか!」

指折り数えたモモタロスが驚愕の声を上げた。

ウラタロス「そうだよ。」

モモタロス「お前ら何のんきしてんだ!」

キンタロス「お前だけや。」

リュウタロス「モモタロスのバーカ、バーカ!」

ハナ「でも、オーナーはもう解決したって・・・・。」

オーナー「はい。もう一体は、“パス”を持ち去った奴です。」

ウラタロス「え、それってオデブちゃん達が言ってた奴でしょ?
       オデブちゃんのって、2体倒してたの?」

デネブ「いや、1体だけ・・・・のはず。」

96 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:04:00.16 ID:ZLWo8FlU0
(>>95でジェミニしてしまいました)


千鶴「皆さんお疲れ様、お飲み物どうぞ。」

オーナー「おや、ありがとうございます。・・・・その前の方です。
       リュウタロス君が紛失した“パス”を持ち去ったイマジンですよぉ。」

ウラタロス「え、それを見つけて来たのって確か・・・・。」

モモタロス「・・・・おい、誰か憑依したか?」

イマジン達が揃って首を横に振る。

モモタロス「だからお前なにもんだあ!?」

千鶴「あらぁ、どうかした?」

モモタロス「いえ、何も。」

一同もそれ以上の追究はやめにした。

オーナー「今回は“パス”の奪還ありがとうございました。」

千鶴「いえ、別にそんな大したことは・・・・。」

一同(やっぱ奪還だったんだ・・・・)

97 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:06:56.06 ID:ZLWo8FlU0
オーナー「さて、ではそろそろ運行再開です。」

デネブ「お別れかあ、なんだか寂しいな。」

イカ娘「仕方ないでゲソ。」

千鶴「そうだわ、副賞のチケットは大丈夫?
    相手が居なくなっちゃったら無効になっちゃうわよ。」

デネブ「そっか。イカ娘ちゃん、アレどうしようか?」

イカ娘「私は別に興味無いでゲソ。お主が好きに使えばいいじゃなイカ。」

デネブ「うーん、好きにかあ・・・・そうだあ!このチケットで、スタッフのみんなで一緒にお茶しよう。」

イカ娘「みんなで?」

デネブ「うん、お別れ前にスタッフのみんなで集まって思い出を作るんだ。」

千鶴「あら、いい使い方かもね。そのチケット、特に人数も限定してなかったし。」

栄子「まあ、最後くらい付き合うよ。」

鮎美「はい。」

渚「・・・・じゃあ、私も。」

98 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:09:51.89 ID:ZLWo8FlU0
ウラタロス「オデブちゃん、いいなあ。大漁じゃない。」

デネブ「みんなも一緒にお茶しよう。誰一人欠けてもいけない大切な“記憶”だ。」

モモタロス「ふん・・・・どうせお前を置いて発車出来ないしな。
       デンライナーが出ないなら、参加したって一緒だからな。」

リュウタロス「わーい!お茶お茶ー!!」

キンタロス「おおきに!」

ナオミ「私、頑張ってコーヒー淹れちゃいますぅ!」

オーナー「では、私も会場として食堂車を提供しましょうか。
       それとイカ娘君、あなたにも“パス”回収でお世話になりました。」

イカ娘「お?」

オーナー「そこで、あなたにもちょっとしたお礼をしたいと思います。」

イカ娘「お礼?」

オーナー「時の列車、デンライナーの真髄の一端をお見せしましょう。」

************************************

99 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:13:14.39 ID:ZLWo8FlU0

************************************

イカ娘「・・・・わぁ!」

オーナー「いかがです?」

車窓からの風景には一面の海。
何の影も無く、海底までも見通せそうな透き通った水。
ただ、陽光の反射だけがキラキラと飾っていた。

イカ娘「はぁ・・・・綺麗でゲソ。あんな海を泳いでみたいでゲソ。」

オーナー「残念ですが、下車することは認められません。」

イカ娘「分かってるでゲソ。でも、本当に綺麗でゲソ・・・・。」

オーナー「そう言えば、あなたは綺麗な海を求めて地上を侵略するんでしたね。」

イカ娘「そうでゲソ。いつか、こんな海を泳げたら・・・・。」

オーナー「なるほど、あなたとっての理想の海という訳ですか。
       ただ、仮に外に出られても泳ぐのはオススメしませんが。」

イカ娘「え?何か危険な捕食者でも居るのでゲソ?」

オーナー「そんなものは居ません。・・・・なにしろ、この海は『母なる海』ではないのです。」

イカ娘「・・・・それって・・・・もしかして・・・・。」

100 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:15:39.05 ID:ZLWo8FlU0
オーナー「綺麗でしょう・・・・なんの混じりっ気も無い、純粋な海ですよ。」

きらきらと静かに輝く水面が、今までとは違った色をたたえたように見えた。

オーナー「あなたが地上侵略して目指す海、このようなものになるんでしょうかね?」

イカ娘「この時間は・・・・いつなのでゲソ?」

オーナー「さあ?時の列車デンライン、走行するのは過去か未来か。
       ただ、この時間も一つの可能性だというのは間違いありませんよ。」

イカ娘「・・・・この海は、私の目指すものではないでゲソ。
     海の仲間も・・・・恩恵を与える相手さえも存在せず・・・・海だけがあっても仕方ないでゲソ。
     そんなの・・・・あまりに悲しくて、寂しすぎるじゃなイカ・・・・・・・・。」

オーナー「それならばそれで良いでしょう。あなたの信じる路線を目指して頑張ってください。」

オーナーがくるりと背を向ける。

オーナー「月並みな表現ですが、あなたの未来には、まだ無限の可能性があるのですから。」

101 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:19:04.93 ID:ZLWo8FlU0
デンライナーが時間の流れの中へと走り去った。

栄子「どうしたイカ娘、ぼーっとして。なんかあったのか?」

しばし考えて込んでいたイカ娘が口を開く。

イカ娘「私は・・・・地上を侵略して、それで・・・・
     きっとみんなみんな幸せにしてみせるでゲソ。」

栄子「お前にゃ地上侵略は無理だな。」

イカ娘「な・・・・空気を読むでゲソ!そこは勇気づけなイカ!」

栄子「ははっ、無理無理。」

栄子がイカ娘の頭をぽんぽんと叩いて走り去る。

イカ娘「あ、こら!栄子ー!!」

イカ娘が栄子を追い掛けた。

栄子(でも・・・・残りなら出来るかもな、お前ならもしかして)


ED『DOUBLE ACTION イカデ○○』

こぼれ落ちるスミのように 誰も千鶴止められない
海を救おうぜ Double-Action!
「私」「俺が」ゴミを拾う必ず~♪
(『お茶会』でナオミ謹製コーヒーを噴くイカ娘たちとかの絵が出つつ)

102 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:20:45.87 ID:ZLWo8FlU0
と、言うわけで本編(?)終了です。
支援を下さった方々ありがとうございました。

イカ、脱線した番外編的な話。

103 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:22:39.05 ID:ZLWo8FlU0
ウラタロス「はーい女の子たち、突発的コーナー『なぜなにタロスズ!』の時間だよー。
       では早速1通目のお葉書、特異点/カイ息子さんから。」

『千鶴ってアレ、どうやってイマジンを倒したの?俺、知りたいって顔してるだろ?』

ウラタロス「葉書で分かるわけないよね、しかも何通も同じ内容送ってくるし。
       ボケ老人?しかも名前からすると野郎だし・・・・あ、イカが回答ね。」

①串を投げます⇒イマジンの動きを拘束します
②飛び掛って手刀で一刀両断します
③敵が消し飛んだ後に『・・・・私の必殺技』とつぶやきます(殺した時だけ)
④死人に鞭打って『ジャンクにしたけどいいわよねぇ?』

ウラタロス「以上、僕の想像。」

モモタロス「想像かよ!」

ジーク「私の要素が盛り込まれておらぬではないか!」

キンタロス「お前、影薄いからな・・・・涙はこれで拭いとき!」

ウラタロス「④の所に翼成分あるじゃん。・・・・真っ黒だけどね、千鶴さんと違って腹以外が。(ボソリ)」

リュウタロス「わーい、鳥さんと一緒だー!」

ウラタロス「ではまた来週ー。お便りお待ちしてまーす。」

※このあと『れもん』ではスッポンスープが特別メニューに加わったとか加わってないとか

104 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:24:47.62 ID:g1dhBFqC0
************************************

脱線:『モモタロスのきゃらそんぐ』 ~本編中のどこかであった出来事~


ナオミ「久し振りのベストフレンドコーヒーどうぞ♪」

タロスズ『うまいっ!』

栄子「どれ私も・・・・(ブーッ!!)」

イカ娘「え、栄子がイカスミごっこを!
     栄子がそこまで私に憧れてたとは・・・・なんか照れるじゃなイカ。
     特別に家来にしてやっても苦しゅうないでゲソよ?」

栄子「違わい!」

イカ娘「じゃあ探偵ごっこでゲソ?」

栄子「違う、コーヒーが激マ・・・・いや、ちょっとムセただけだ。」

106 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:27:01.46 ID:g1dhBFqC0
ハナ「無理しなくてもいいわよ。
    ナオミさんのコーヒーはイマジン受けはいいけど、人間にはね・・・・。」

栄子「ほう・・・・イカ娘に飲ませてみたいな。」

早苗「イカちゃんに飲ませたいだなんて何問題発言してんのよ!」

栄子「お前がな。」

千鶴「味には素直だから栄子ちゃんと同じ感想だと思うけど。」

107 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:27:42.09 ID:Z7sKVDsS0
おお、終わったのか
グダグダ長引くよりもずっといいな


108 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:27:52.58 ID:g1dhBFqC0
ナオミ「ご歓談中すいませーん、カラオケしません?」

ハナ「カラオケ?」

オーナー「・・・・渚のヨーコ、ヨーコハマ、ヨコスカ~♪」

栄子「いつの間にか簡易ステージが!?」

オーナー「せっかくの宴ですからねえ、盛り上げてください。」

ハナ「私は別に歌わなくてもいいわ。」

ナオミ「それでぇ、“アレ”歌おうかと思うんですけど愛理さんの代打をお願いしたいんですぅ。」

ハナ「ああ、“アレ”ね。・・・・まあ大体分かると思うから引き受けるわ。」

ハナがナオミと連れ立ってステージの方へ向かった。

栄子「未来にもカラオケなんてあるんだ・・・・。」

109 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:30:26.61 ID:g1dhBFqC0
デネブ「あ、コーヒー飲んでるの?一緒に甘い物いかが?」

栄子「甘いものってさ・・・・。」

デネブ「デネブキャンディだ。」

栄子「だからそいつはなんなんだよ。」

デネブ「こいつは、甘味はしっかりあるのにCalorie-ZEROで、エキセントリックな未来のお菓子だ。」

栄子(謎が深まった・・・・)

千鶴「・・・・頂こうかしら。」

デネブ「どうぞどうぞ。」

千鶴「・・・・美味しいわね。・・・・・・・・本当にカロリーゼロなの?」

デネブ「極めつけのSugar Cutting Calorie-ZEROだ。」

千鶴「じゃあもっと貰ってもいいかしら?」

デネブ「どうぞどうぞ、お土産にも持ってって。」

デネブの服の下からどさどさとこぼれ落ちてきた。

栄子「ポケットが異次元にでも通じてるのか!?」

110 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:32:28.39 ID:g1dhBFqC0
千鶴「これなら我慢しなくても・・・・。」

栄子(ああ、ダイエットか)

千鶴「むしろ、その分だけ他で・・・・。」

ナオミ「こぼれてく♪」

(Wow×2)

ハナ「砂のように♪」

(Yeah×2)

ナオミ&ハナ『止められなーいわ、Sugar&Milk♪』

千鶴「・・・・(ピク)・・・・。」

ウラタロス(お・・・・当たりがあった?カラオケ好きなのかな?)

千鶴「・・・・やっぱりズルズル緩めるのは良くないわね。誘惑は断たないと。」

栄子(あ、踏みとどまった)

111 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:32:54.64 ID:pUDyMJZbP
昔食べたデネブキャンディーうまかったよ。
また売ってくれないかな

112 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:34:12.00 ID:g1dhBFqC0
ナオミ&ハナ『磯デリシャ~ス♪』

磯崎「まいったな・・・・遠回しなラブコールかよ。」

栄子「んな訳あるか。」

ウラタロス「彼の頭、海水詰まってるの?」

栄子「それは無い、真面目にライフセイバーの仕事してないし。悟郎ならともかくな。」

悟郎「ふふん・・・・・まあ、俺は海を守る使命にこの身を捧げているからな。」

栄子「やっぱ海水かもな。」

ウラタロス(ここは釣り場に向かないかもね・・・・)

とりあえずウラタロスが目をつけたのは千鶴だった。

113 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:36:50.25 ID:g1dhBFqC0
ウラタロス「ねえ千鶴さん、デュエットしてくれない?僕歌苦手なんだ。」

千鶴「私が?」

悟郎「こら、なんで千鶴さんがお前なんかと!」

ウラタロス「カメと鶴って縁起いい組み合わせじゃない。」

モモタロス「なるほど、鶴を釣るってか。」

ウラタロス「センパイ、白けるからやめて。」

千鶴「釣るならエビでイカちゃんが釣れるわよ?」

ウラタロス「僕がしたいのはそういう釣りじゃないの。もっと大人の遊び?」

千鶴「そうねえ、せっかくなら・・・・彼の方がいいかしら。」

キンタロス「・・・・え、俺か?」

千鶴「ええ。」

キンタロス「ほな・・・・。」

千鶴の誘いを受けて二人がステージに向かう。


キンタロス「お前の、お前の、お前のつ~よさ~に、お~れが泣いた~♪」

千鶴「悪い私ね、もう、もうしない~♪」

114 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:39:35.53 ID:g1dhBFqC0
ハナ「・・・・演歌?」

ウラタロス「僕ああいうの無理。他の誰か・・・・お、あの金髪のお姉さんは・・・・。」

シンディ「白鳥星人の羽根はどこから出て来るの!?どれだけ出て来るの!?」

ジーク「これ、ひん剥くな。はしたない/////」

シンディ「すごいわ!ココつついたらいっぱい白いのが出たわ!」

3バカ『我々ニモ全て見せてくだサーイ!』

ジーク「頭が高い!」

ウラタロス(・・・・近寄るのやめとこ)

ウラタロスが周囲を見回す。

ウラタロス「えーと・・・・お嬢さん、僕とデュエットしていただけませんか?」

鮎美「でも・・・・私、歌なんて・・・・。」

ウラタロスが次に釣ろうとしたのは鮎美だった。

ウラタロス「大丈夫、僕も苦手だから丁度いいよ。」

鮎美「あの、その・・・・。」

戸惑う鮎美を促して、ウラタロスがステージに上る。

115 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:41:31.26 ID:g1dhBFqC0
ウラタロス「海を走る稲妻♪いつでも仕掛ける罠!」

鮎美「ぁ・・・・・・・・。」

ウラタロス「・・・・“二つの声”“重なる時”・・・・誰よりも強くなれる!」

鮎美「・・・・・・・・。」

ウラタロス「・・・・『僕が』・・・・『僕が』消してみせる必ず・・・・。」

パチパチ・・


モモタロス「カメ・・・・お前は良く頑張った。」

ウラタロスの肩にぽんと手を置く。

ウラタロス「僕が・・・・歌苦手なのは嘘じゃないのに・・・・。」

栄子「一人デュエットは心身ともにキツイな・・・・。」

早苗「そう?私イメージトレーニングでイカちゃんとのシャドーデュエットするけど。」

栄子「お前と一緒にしてやるな。」

116 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:44:06.73 ID:g1dhBFqC0
鮎美「すみません・・・・きちんとお断りできなくて。
    せめて被り物があれば・・・・。」

リュウタロス「お姉ちゃん、変身したかったの?仮面シンガー?」

鮎美「そこまでは・・・・ただ、顔を隠したりすれば多少は・・・・。」

栄子「前は悟郎達をバックダンサーに従えて歌ってたもんね。」

リュウタロス「ダンサー欲しいの?じゃあ!」

リュウタロスが指を鳴らすと暗示をかけられた悟郎と磯崎が鮎美の背後に控えた。

千鶴「あら・・・・悟郎さん、鮎美ちゃんのために頑張ってね。
    必要は無いかしら・・・・もう“二回目”だものね。」

悟郎「・・・・はっ!戻って来なくてはならない気がした!」

栄子(実質最後通牒だもんな・・・・)

117 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:47:52.72 ID:ZLWo8FlU0
リュウタロス「ちぇー、やっぱ調子悪ーい。」

早苗「ねえねえ、私と一緒に歌わない?」

リュウタロス「わーい。やるやるー!」

早苗「うふふ、可愛い。」

栄子「誰かと似てるから気に入ったのか。」

イカ娘「私はあそこまでお子様じゃないでゲソ!」

栄子(こいつは自覚あるだけマシか・・・・)

118 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:49:45.84 ID:ZLWo8FlU0
早苗「~愛情てんこ盛りモリモリ~♪」

キンタロス「てんこ盛り?クライマックスモードいくで!」

リュウタロス「イカチャン!イカチャン!スゲージャン!!」

早苗「え?え?何か始まっちゃった!?」



モモタロス「心を 強くするー、大事な 言葉とかー」

ウラタロス「かけがえなーい想い出ーをー集めてー」

キンタロス「もう少し、あと少し・・・・」

リュウタロス「届かない星ー空」

タロスズ『諦めたらそこーが終点・・・・さ!』


キンタロス「誰より高く・・・・」

ウラタロス「昨日より高く・・・・」

タロスズ『Climax Jamp!いーじゃん!いーじゃん!スゲーじゃん!?』

119 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:52:20.21 ID:ZLWo8FlU0
千鶴「すごい、息ぴったりだったわ!」

早苗「私の選んだ曲はどこに・・・・?」

千鶴「これは私達も対抗しないと。ということで『みんながれもんを選ぶワケ』!」

栄子「えっ!?」

早苗「さっきは乗っ取られちゃったしリベンジね!」

栄子「でも全員揃わなきゃ・・・・。」

シンディ「再び選ばれし5人の戦士が集う時が来たのね!」

栄子「戻ってきやがった!」

渚「ぶっちゃけありえない・・・・。」

栄子「言いながらマイク持ってる!?
    やってらんないじゃん、って口調だったよね?」

イカ娘「どうせなら、派手に行くでゲソ!!」

栄子「なんだかんだでみんなやる気満々かよ!・・・・やるしかないか。」

120 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 00:55:59.96 ID:ZLWo8FlU0
((ドラマCDで聴いてね))

栄子「ガチでやったぞ・・・・。」

シンディ「マジレッドも真っ青になる音撃だったわね。」

渚「歌はいいですねえ・・・・。」

早苗「ヒトカラの成果も出たし楽しかった~♪またやろうね!新曲用意して!!」

『オー!』

イカ娘(みんな最高にハイでゲソ)

4人の様子を見ていたイカ娘の肩をデネブが叩く。

デネブ「ねえねえ、お別れの記念ってことで俺も歌詞を書いてみたんだけど。
     即興だからだいぶ流用になっちゃったけど。」

イカ娘「お主まで・・・・。」

121 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 01:00:07.65 ID:ZLWo8FlU0
デネブ「使ってもらえる?」

イカ娘「・・・・どれどれ?」


デュアール仕様 マンガ・アニメーション
言っておくかなり かわーいーい!


もう放っておけない 汚いゴミ要らない
そのためだけに見せる 本当の強さ Action-GESO


イカ娘「・・・・なんか、ナルシスト入ってなイカ?」

デネブ「そう?」

栄子「お前、こないだ自分で自分を可愛いって連呼してたよな。」

早苗「可愛さを鼻にかけるイカちゃんも可愛かった~♪もう無限ループじゃない!!」

イカ娘「し、知らんでゲソ!忘れたでゲソ!記憶に無いでゲソ!!」

栄子「自信満々で、怖がる渚ちゃんに可愛いって言わせようとしたり、
    みんな自分を好きになるんだ、みたいな恥ずかしい歌を得意気に歌ってたよな。」

イカ娘「う・・・・違うでゲソ、早苗の用意した歌詞が悪いのでゲソ!気の迷いでゲソ!!」

栄子「自分でも認めてんじゃねーか。」

122 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 01:04:16.38 ID:ZLWo8FlU0
早苗「遠慮しなくても、最高の人材によるプロデュース第2期の準備もできてるよ?」

栄子(ほんと謎のコネクションだな)

早苗「あ、今度は栄子のも用意してあるから。」

栄子「お断りだ。」

デネブ「そりゃスゴイ、映画に何本も出る売れっ子になっちゃったりして。」

栄子「そうそう、アイドル侵略計画とかも言ってたっけな。」

イカ娘「うぅ・・・・。」

123 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 01:08:05.34 ID:ZLWo8FlU0
渚「そう言えば、世界のトップアイドルになるって野望を・・・・。」

イカ娘「それは本気で覚えが無いでゲソ。」

渚「・・・・あ。」(←思い出した)

イカ娘「いくらなんでも、自分が世界のトップアイドルにだなんて、
     そんな恥知らずで身の程知らずで夢見がちな妄想をするほど
     自信過剰でも勘違いでも世間知らずでもないでゲソ。」

渚「う・・・・わぁぁぁん!」

真っ赤な顔で目には涙まで浮かべた渚が走り去る。

イカ娘「え!?」

栄子「おい・・・・お前、渚ちゃんに何したんだよ?」

イカ娘「こっちが聞きたいくらいでゲソ・・・・。」

デネブ「よし、俺も手伝う!
     手当たり次第に『イカ娘ちゃんをよろしく!』って言って回ろう!」

イカ娘「あーあー!もう聞こえないでゲソ!!
    ・・・・あ、せっかくだから景色を見るでゲソ。」

栄子「逃げたか。」


************************************

124 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 01:12:35.48 ID:ZLWo8FlU0

  r'[ニ@ニ]
 / [ ゚◇゚] 最後に言っておく!特にオチは無い!!
  つ>[[@]]<

※加えて言っておく、キャラソンやらドラマCDを聞いていないと置いてけぼりな内容を
  グダグダと続けてすまないと>>1が言っていたがこれで終わりなのでごめん、って


こぼれ落ちるスミのように この海が濁る前に
動き出そうぜ Double-Action!
「イカと」「娘」一つになった可愛さ~♪

二つの声重なる時 綺麗な海蘇る
ずっとずっと Double-Action!
「イカと」「ヒトと」共に歩むキセキが~♪

125 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/28(月) 01:16:26.47 ID:pUDyMJZbP
>>124
いや、マジ乙ww
イカ娘は原作途中とアニメしか知らないけど、面白かったよ

関連記事
2011/02/28 15:13 | CM(1) | イカ娘 SS
    コメント一覧
  1. 774@いんばりあん [ 2011/03/01 01:21 ]
  2. 以前のダブル2作とかシンケンジャー(ディケイド?)みたいに
    戦闘シーンも欲しかった気もするけど、
    イマジン多くてイカちゃんも絡めにくいし仕方なイカ
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