1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/08(金) 17:49:26.65 ID:mVtrBCR/0
チャラ男「おいおい、見てわかんねえの? お前の女とセックスしてんだよ」
男「そんな」
女「ああんっ、ご、ごめんなさい……でも、この人が」
チャラ男「ちょっと誘ったら、ほいほいまたがってくれたぜ。お前のちんこじゃ満足できないってな!」
男「満足、できない……」
女「ん、ん、ダメ、今は突かないでぇ! 大き過ぎるのぉ!」
チャラ男「だってよ。ほら、いつまで見てるんだ? それとも、これをオカズにますかくか!」
男「くそ……くそっ!」
ダッ ガチャ
チャラ男「根性の無い奴! おら、出すぞっ」
女「出して、種づけしてぇ!」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1407487756
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:49:59.05 ID:mVtrBCR/0
男「うう、俺はなんて惨めなんだ……」
男「円満だと思ってたのに、たかがセックスで、あんな男に!」
男「俺は悪くない、あの女が悪いんだ。セックスが上手くいかないからって、浮気する、あの女が!」
「本当にそうかな?」
男「なんだと!?」
「確かに、浮気は悪だ。それをする彼女さんが悪いんだろう」
「しかし、その彼女さんがもし善人だとすれば、お前さんはきちんとフラれて、結局、今の状況と変わらんだろうなぁ」
男「う、確かに……くそっ、俺はやっぱり惨めだ……!」
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:50:28.42 ID:mVtrBCR/0
「どうせ、ちんこも小さく、それを補う努力もしなかったんだろう」
男「さっきからなんだ!? お前に説教される筋合いはないぞ!」
「その筋合いを、今から作ってやる」
男「なに?」
「見返したいとは思わないか、その彼女を、寝取った男を」
男「見返す……」
「見返したいなら、私について来い。お前を生まれ変わらせてやる」
男「……分かった。あいつらを見返せるなら、俺はなんでもやるよ!」
「いいだろう、すぐに出発だ」
男「分かった、えっと」
「そうか、まだ名乗ってなかったな」
師匠「――私のことは、師匠と呼べ」
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:50:54.85 ID:mVtrBCR/0
男「師匠、ここはいったい……?」
師匠「お前が生まれ変わるには、三つの条件を満たす必要がある」
師匠「その三つをクリアするための、そう、修行場とでも言うかな」
男「近くの山の奥に、こんな場所があったなんて」
師匠「ふっふっふ、都合の良い場所だよ。私はいつも、ここにいる」
男「師匠、俺はなにをすれば?」
師匠「それを知る前に、まず三つの条件を説明しよう」
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:51:22.44 ID:mVtrBCR/0
師匠「三つの条件とは、心、技、体、この三つだ」
男「格闘技で、よく聞く話だ」
師匠「ある種、的を突いているよ。セックスは格闘技だ。人と人、誰しもが行う戦いだ」
師匠「まずは心。これは様々な性的嗜好、プレイ、相手自信を受け入れる器を表している!」
師匠「次に技。これは器に込められたものを満足させる、技術のことだ!」
師匠「最後に体。これは学んだ技術を完全に行うための基盤、己の肉体を指している!」
男「な、なるほど!」
師匠「お前には、そのどれもが足りていない。ゆえに、修行で身に着けるしかない」
男「分かった。どんな修行でも、耐えてみせるよ!」
師匠「よく言ったっ! まずは心の修行『異常嗜好の滝』だ」
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:51:49.89 ID:mVtrBCR/0
男「なんだ、この滝は……流れる水の色が、桃色をしている!」
師匠「その滝は特別な滝でな。どんな効果かは、うたれれば分かる」
師匠「なに、身体に害はない。さあ、修行開始だ!」
男「はい!」
師匠「――害はない。身体にはな」
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:52:18.29 ID:mVtrBCR/0
男「すごい勢いの水だ。痛そうだな……」
男「くっ、ひるむな。あいつらを見返すんだっ」
ザッー!
男「お、重い。しかし、耐えられる!」
男「……おかしい、水の温度を感じない。寒くも暖かくもない」
男「それに、なんだか頭に靄がかかって――う、うわぁあああ!」
男「頭の中に、なんだ!? 幼女、スカトロ、デブ、坊主、なんだ、なんなんだ!?」
男「死体、達磨、信じられない嗜好が、ぐぉおおおお!」
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:52:51.58 ID:mVtrBCR/0
師匠「その滝にうたれる者は、淫猥な妄想に悩まされる」
師匠「しかし、そのどれもが、本人には受け入れられぬ嗜好」
師匠「それゆえに、異常嗜好の滝!」
師匠「身体ではなく、精神を蝕む嗜好の数々……」
師匠「男、耐えられるか!」
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:53:19.20 ID:mVtrBCR/0
男「だ、ダメだ。吐きそう、いや、もう喉まで胃液が昇ってきている」
男「うぐ、ごぼぇ!」
男「吐いても、またすぐに嫌悪感が胃液を押し上げてきやがるっ」
男「な、なんでこんな思いをしなきゃ……」
男「……そうだ、見返すんだ」
男「デブがなんだ、スカトロがなんだ。幼女がどうした、死体がどうした」
男「――俺は彼女を、寝取られたんだぞぉ!」
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:53:49.00 ID:mVtrBCR/0
男「おえっ、げほ、げほっ」
師匠「私が見込んだだけある。あの滝にうたれ、音をあげないとはな」
男「あげないさ、見返すんだ、奴らを」
師匠「ふっ、いいだろう。次は技の修行『木人愛撫』だ!」
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:54:19.99 ID:mVtrBCR/0
木人「……」
男「師匠、この人形はいったい?」
師匠「お前の性技の相手だ」
男「に、人形相手にするのか!」
師匠「これからお前の愛撫を受け止める相手だ。軽んじるなよ」
師匠「お前はこの木人を、愛撫によって満足させなければならない!」
男「人形を満足!? 無茶苦茶だ!」
師匠「そう思うなら、やめてもかまわんぞ」
男「……わかった。やるよ」
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:54:51.41 ID:mVtrBCR/0
男「人形を愛撫といったって、どうすれば」
男「くっ、こうか、それともこう?」
木人「……」
男「くそ、やってる自分が馬鹿みたいだ」
男「彼女みたく、表情で分かれば」
男「――本当に、分かってたのか。演技をしてくれていた、だけじゃないのか」
木人「……」
男「そうか、お前は演技をしてくれないんだな」
男「やってやるさ。お前を満足させてやる!」
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/08/08(金) 17:55:06.91 ID:xAuca2HD0
話が急展開過ぎてついていけるだろうか
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:55:21.93 ID:mVtrBCR/0
師匠「ダメだったようだな」
木人「……」
男「はぁ、はぁ……絶対、満足させてみせるさ」
師匠「その意気や良し! 次の修行は『岩石突き』だ」
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:55:54.13 ID:mVtrBCR/0
師匠「これを見よ」
男「なんて大きな岩だ。俺の身長の三倍はあるぞ」
師匠「お前はこれを、一メートル押し進めるのだ!」
男「……もう三度目だ。驚いたりしない。やってやる!」
師匠「そうか。ではやると良い」
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:56:24.36 ID:mVtrBCR/0
男「うぉおおおお!」
男「――ダメだ、びくともしない」
男「これを動かすには、それこそ重機を使わなくちゃ……」
男「重機のような筋肉をつけろ、ということか」
男「なんて先の長い話だ!」
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:56:51.51 ID:mVtrBCR/0
師匠「修行の意味を、理解できていないな」
師匠「心、技ともに素質があったが、体に関してはどうにも、時間がかかりそうだ」
師匠「男……岩石突き、その意味が分かるかな?」
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:57:24.70 ID:mVtrBCR/0
男「情けない、一ミリも動かせないなんて」
師匠「ふっ、修行はまだ始まったばかりだ。慢心するな」
男「ああ、そうだな」
師匠「明日も、今日の三つの修行を繰り返す。来るか」
男「もちろんだ! ……ただ、大学が終わってからになるんだけど」
師匠「学業をおろそかにさせるつもりはない。しっかりやるといい」
男「わかった。明日も頼むぜ!」
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:57:55.01 ID:mVtrBCR/0
後輩「先輩、サークルやめるって、本当ですか」
男「今日言ったばかりなのに、よく知ってるなぁ」
後輩「なんで先輩がやめるんです? あんなに楽しそうだったのに」
男「色々あったんだよ。それに、今は別のことに夢中なんだ」
後輩「でも、突然過ぎます」
男「悪いな。けど、もう決めちゃったからな」
後輩「そうですか……何をしてるかはしりませんが、頑張ってくださいね」
男「おう、ありがとう」
タッタッタ
後輩「ちぇ……いなくなっちゃうのか、先輩」
後輩「サークルにいる意味、なくなっちゃった」
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:58:25.35 ID:mVtrBCR/0
師匠「来たか」
男「師匠、今日もよろしくお願いします!」
師匠「ん? なんだ、改まって」
男「礼儀はしっかりしようと思いまして」
師匠「そうか。まあ、良い心掛けだ。さっそく始めよう」
男「はい!」
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:59:06.67 ID:mVtrBCR/0
男「ぐぉおおおお! デブもいける、いけるぞぉおおおお!」
男「腐りかけが一番気持ち良いぃいいいい!」
男「幼女だって、女だぁああああ!」
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 17:59:35.04 ID:mVtrBCR/0
男「ここか、ここが気持ちいいのか」
男「それとも、ここ? いや、こっちか」
木人「……っ」
男「ん、お前、反応した……!?」
男「よし、ここか、ここがいいのか!」
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:00:05.49 ID:mVtrBCR/0
男「鍛えるんだ、限界まで」
男「この大岩を難なく動かせるまで、鍛える!」
男「……本当に、そうか。そんな単純なことを、師匠が修行させるのか」
男「もう一度、考えなおそう」
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:00:39.27 ID:mVtrBCR/0
男「今日もありがとうございました!」
師匠「私は機会を与えているだけだ。そう頭を下げるな」
男「その機会が、大事ですから」
師匠「殊勝なことを言う奴だ」
師匠「……お前は、私が見てきた中で、一番覚えが早い」
師匠「体の修行も、なにか気づいたようだしな」
男「ありがとうございます。精進します!」
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:01:08.99 ID:mVtrBCR/0
後輩「先輩、私もサークルをやめました」
男「え、なんで!?」
後輩「それは置いておきましょう。それより、先輩がやめた理由は、彼女さんでしょう?」
男「あー……まあ、それもある」
後輩「ずうずうしい人です。浮気したくせに、自分がやめないなんて」
男「え、なんでそれを!」
後輩「――やっぱりそうだったんですか」
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:01:41.35 ID:mVtrBCR/0
男「か、かまをかけたな!?」
後輩「なら話は早いです。先輩、戻ってきてください。先輩がやめることないです」
後輩「一緒に戻って、それで」
男「……すまない。今は、自分を変えてる途中なんだ」
男「戻るにしても、それを終えてからかな」
後輩「自分を、変える。……そうですか」
男「ああ、気持ちは嬉しい。ありがとな」
後輩「いいですよ。よくわかりませんけど、頑張ってください」
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:02:16.52 ID:mVtrBCR/0
師匠「お前もずいぶん上達した。しかし、これから本当の修行だ」
男「い、今までは偽物だったんですか!」
師匠「はっはっは、そういうことじゃない。だが、偽物だった、と思えるかもしれんな」
師匠「内容は変わらん。今まで通り、修行を続けるといい」
男「は、はあ」
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:02:45.70 ID:mVtrBCR/0
男「なんだ、今までの滝が見せてきた妄想とは、違う……」
男「こ、これは、俺が今、もっとも受け入れがたい、性、なのか!」
女『あぁん、太い、太いのぉ!』
チャラ男『お前の彼女、締りだけは逸品だぜ? 入れてたもんが、小さいからな!』
男「お、おおおお、ぐぉおおおおおお!」
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:03:15.02 ID:mVtrBCR/0
男「く、くっ、分からない」
木人「……」
男「どうしてだ? ここがよかったんじゃないのか!」
男「なぜ反応してくれない!?」
木人「……」
男「くそぉ!」
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:03:51.04 ID:mVtrBCR/0
男「この岩、どうすれば動くんだ……!」
男「心、技の修行も滞っているのに。体もずっと進まない」
男「岩、岩、岩! 動け、動けよっ、ちきしょお!」
男「ちきしょぉおおおお!」
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:04:20.83 ID:mVtrBCR/0
男「師匠、俺は、どうすれば」
師匠「もう一度、修行の意味を考えろ」
男「修行の、意味」
師匠「俺はお前を鍛えているんだ。できないことは、絶対にさせない」
男「できる……そうは思えませんよ!」
師匠「なら、やめろ。これ以上続けても、意味はない」
男「――なんだよ。それが師匠の言葉か! やめてやるさ!」
タッタッタ
師匠「……よくあることだ。嘆くことじゃない」
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:04:56.64 ID:mVtrBCR/0
男「どうせ俺は、彼女を寝取られた男だ。このまま、一人で生きてやる」
後輩「先輩」
男「わ、な、なんだ、後輩か! どうした、こんな所で?」
後輩「失礼ながら、大学が終わってから、先輩をつけていました」
男「なに!? ということは、修行していることを」
後輩「……先輩、あんな馬鹿なことはやめて、私とサークルに戻りましょう」
男「ば、馬鹿なこと?」
後輩「はい。あんなことしても、何もなりませんよ。それよりも、その」
後輩「――私と、付き合ってくれませんか」
男「え」
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:05:35.38 ID:mVtrBCR/0
後輩「ずっと、好きだったんです。今なら、言えます」
後輩「あんな人は忘れて、私と恋人になりましょう? その方がきっと、楽しいですよ」
男「そう、かな」
後輩「そうですよ」
男(確かに、いつまでも見返すために行動するより、忘れた方がいいかもしれない)
男(見返したって、それは自己満足だ。なにも解決したりしない)
男(それより、後輩と付き合って、前向きに生きた方が建設的だ)
後輩「私は、あの人みたく、浮気なんてしませんよ?」
男「浮気」
後輩「そうです。先輩を被害者になんか、絶対にしません」
男「――違う」
後輩「はい?」
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:06:07.35 ID:mVtrBCR/0
男「俺は彼女の性質で被害者になっただけだ」
男「悪いのは彼女だけど、原因は俺だ」
男「俺は見返すためだけじゃなく、俺が生まれ変わるために修行をしていたんだ!」
後輩「あ、あの」
男「すまない、後輩の気持ちには、今は答えられない」
後輩「そんな……」
男「そして、後輩のおかげで、自分を見つめ直せたよ。ありがとう」
後輩「……礼なんて、やめてください。今、失恋したんですから」
男「あ、え、うん、すまん」
後輩「修行でもなんでも、行けばいいんです。先輩の馬鹿!」
タッタッタ
男「自分勝手な奴で、ごめんな。後輩」
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:06:51.83 ID:mVtrBCR/0
男「師匠、すみませんでした。俺にもう一度、チャンスをください!」
師匠「ふっ」
男「師匠?」
師匠「できないと思うならやめろ、私はそう言っただけだ」
師匠「できると思うなら、いくらでも面倒はみるさ」
男「し、師匠!」
師匠「さあ、修行を始めるぞ!」
男「はい、師匠っ!」
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:07:20.25 ID:mVtrBCR/0
彼女『ダメぇ、見ないで!』
チャラ男『何言ってんだ? いつもより濡らしてるくせによぉ!』
彼女『そんな、言わないで』
チャラ男『言ってやるさ、その方が気持ちいいしな』
男「うぐ……受け入れるんだ」
男「許せない気持ちと、性の嗜好は別物だ。それを自覚しろ!」
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:07:52.42 ID:mVtrBCR/0
男「お前は人形だが、木で出来ている」
木人「……」
男「木は生きている。つまり、お前もまた生き物だ」
男「お前は俺の下手くそな愛撫を受け入れてくれる。それに報いる!」
木人「……っ」
男「これが、お前の性感帯か」
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:08:27.12 ID:mVtrBCR/0
男「俺は今まで、岩を押し進めることを考えていた」
男「しかし、そうじゃない。これは『岩突き』だ。押すんじゃない、突くんだ!」
男「腰を引き、渾身の一突きを……上半身から岩に伝えるっ」
男「うぉおおおお!」
ガラッ
男「動いたぁ!」
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:09:02.86 ID:mVtrBCR/0
師匠「どうだ、お嬢さん。あいつは必死だろう」
後輩「なんで、あんな馬鹿みたいなことを」
師匠「そう見えるか。あいつは自分を変えようとしている」
師匠「責任転嫁をしようと思えばできただろう。開き直ることもできただろう」
師匠「それをせずに、あいつは自分を変えると決意した」
師匠「それを馬鹿みたいとは、私は思わないよ」
後輩「……すみませんでした。馬鹿にして」
師匠「言うなら、私じゃないな」
後輩「先輩に、謝ってきます」
タッタッタ
「先輩!」
「え、なんで後輩が!?」
40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:09:34.40 ID:mVtrBCR/0
ザッー!
男「何も、浮かばない」
男「ようやく分かった。性を受け入れることは、相手を受け入れること」
男「それは――揺り籠から墓場まで添い遂げる、その心!」
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:10:04.20 ID:mVtrBCR/0
木人「……っ」
男「今ならわかる、お前の鼓動、生の動き」
男「生を知ること、それは相手の性を知ること」
男「相手の生を真に感じれば、己の手で性を掴める!」
木人「――っ!」
バキッ
男(木人が、砕けた)
男「今までありがとう……最高の相手だったよ」
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:10:34.39 ID:mVtrBCR/0
男「一突きだけじゃない、何度も、何度も」
男「相手を満足させるまで突き続ける、強靭な腰!」
男「今の俺には、それがある。たかが石ころ一つ、俺の腰で押し通してやる!」
ゴロッ ゴロロロロッ!
男「はぁ、はぁ……」
師匠「よくやった。男よ」
男「師匠!」
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:11:02.53 ID:mVtrBCR/0
師匠「三つの条件を、こうも早く満たすとはな」
男「俺なんて、まだまだです」
師匠「謙遜はいい。お前は生まれ変わる条件を満たしたんだ」
男「生まれ変わる、そうえば、そうでしたね」
師匠「修行の締めくくりだ。もちろん、受けるかどうかは、お前次第だ」
男「受けますよ。もう迷うことはありません」
師匠「ふっ、いいだろう。ついて来い!」
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:11:35.00 ID:mVtrBCR/0
師匠「男よ、お前は粗チンだ」
男「……は、はい」
師匠「それを克服するには、一度死ぬしかない」
男「え」
師匠「この先になる洞窟、そこを抜けろ。そうすれば、お前は生まれ変わる」
男「あの、本当に死ぬってことじゃ」
師匠「さあな」
男「師匠」
師匠「行けば分かる。それに言っただろう。お前次第、だと」
男「――わかりました。行ってきます!」
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:12:03.09 ID:mVtrBCR/0
後輩「あれ、師匠さん。先輩はいないんですか」
師匠「あいつなら、最後の修行だ」
後輩「そうですか。どれくらいで戻るんでしょう?」
師匠「分からん。半日はかかるかもしれん」
後輩「今からだと、もう夜になりますよ?」
師匠「私はずっとここにいる。心配はいらん」
後輩「なら、私もいます」
師匠「好きにするといい」
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:12:32.57 ID:mVtrBCR/0
男「暗い……自分の姿が見えないくらいだ」
男「それなのに、普通に歩ける。不思議な洞窟だ」
男「いや、俺は歩いてるのか。それに、今俺は話しているのか」
「なにも見えない。あれ、俺はどこにいる? どこを歩いている?」
(俺はどこだ、どこにいる。それに、これは考えているのか)
体がないみたいだ。まるで自分が、生そのもになったような――
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:13:05.23 ID:mVtrBCR/0
後輩「先輩、まだ帰ってこないんですか」
師匠「見ての通りだ。まだ帰ってこない」
後輩「先輩、先輩……」
師匠「お嬢さん、もう暗くなる。ここは山だ。もう帰った方がいい」
後輩「でも、先輩が」
師匠「あいつも、君が怪我なんかしたら、悲しむだろう」
後輩「……はい。わかりました」
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:13:38.08 ID:mVtrBCR/0
後輩「明日になったら、会えますよね……先輩」
チャラ男「あれ、君一人? こんな夜中に危ないよぉ?」
後輩「はい?」
チャラ男「俺の家近くにあるんだけど、泊まっていく?」
後輩「やめてくれますか。急いでるので」
チャラ男「あ、なら送っていくよ。一人じゃ危ないしさぁ!」
後輩「……私、彼氏がいるので」
チャラ男「彼氏がいるんだ! それならさ、なおさら遊んでいかない?」
後輩「は?」
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:14:10.98 ID:mVtrBCR/0
チャラ男「別の男とすると、すごいんだぜ!? 一回くらい、試してみようよ」
チャラ男「本当、ちょっと前にもしたんだけどさ、彼氏の前で喘ぎまくったんだから」
後輩「あなた、最低ですね」
チャラ男「ん?」
後輩「背徳感がなきゃ、女性に手を出せないんでしょう? 相手にされないでしょう?」
後輩「まともな人からは、付き合いもされない、可哀想な人です」
チャラ男「……はぁ、仕方ないか。じゃあさ」
チャラ男「一回、味わってみよっか」
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:14:44.32 ID:mVtrBCR/0
後輩「離して、離して!」
チャラ男「すぐ終わるからさぁ。あ、いや、そっちが終わらせたくなくなるかも?」
後輩「嫌です、気持ち悪い、離せ!」
チャラ男「はい、はい。もうさ、こっちは準備できてるから」
後輩「嫌、嫌、嫌!」
「後輩!」
ドガッ
チャラ男「ぎゃ」
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:15:39.60 ID:mVtrBCR/0
後輩「先輩……?」
男「おう、大丈夫か!」
後輩「――先輩ぃ!」
男「お、おう……怖かったな」
チャラ男「ちっ、なんだよ、なんでお前がでてくんだ?」
男「俺の台詞だよ」
チャラ男「お前の女も、急に拒否りだすしよぉ。本当、ついてないわ」
男「ああ?」
チャラ男「だからさ、そいつくれよ。どうせお前の短小じゃ、満足させれないだろ?」
男「短小、ね……俺は生まれ変わったんだよ」
チャラ男「は? なんでもいいよ。あ、そうだ、なら前の女、返してやるよ。そいつと交換な」
男「セックスの相手を、物みたく言うんじゃない!」
男「これを見ろぉ!」
デロンッ
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:16:15.43 ID:mVtrBCR/0
チャラ男「ズボン下ろして、みっともないもん見せるんじゃ」
チャラ男「――な、なんだそのでかいの!?」
男「言っただろう。生まれ変わった、と」
男「これでもまだ、短小だの言えるか」
チャラ男「く、くそ、もういいよ。お前の彼女以外にも、軽い奴なんて山ほどいるんだからな!」
タッタッタ
男「ごめんな、後輩。俺を待ってたせいで、怖い目に合わせて」
後輩「いいんです。私が勝手にしたことですから」
後輩「……それより、その、それを」
男「え、あ、す、すまん。すぐしまう!」
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:16:55.26 ID:mVtrBCR/0
チャラ男「ちっ、新しく穴を探すか」
師匠「穴なら、お前にも空いている」
チャラ男「え、だ、誰だよ?」
師匠「私はね、どんな嗜好も受け入れる。それこそ」
師匠「――同性愛もだ」
デロロンッ
チャラ男「ひっ、なんで下を脱いで!? というか、でかすぎ」
「うわぁあああああ!」
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:17:37.78 ID:mVtrBCR/0
男「後輩の家って、近くだっけ? 送るよ」
後輩「ありがとうございます。あの、先輩」
男「ん?」
後輩「もう、返事をもらっても、良いですよね?」
男「あ、ああ」
後輩「お願いします」
男「その、なんだ……ずっと大事にします。俺と、付き合ってください!」
後輩「はい。嬉しいです」
男「はっはっは、いやぁ、照れるな」
後輩「あの、それで、ですね。私たちは、もう恋人ですから……」
男「こ、後輩?」
後輩「さっきの、先輩のを見て、我慢できなくて……」
後輩「今日、家に両親がいないんです。だから……どうですか」
男「えっと……ああ、優しくする」
後輩「ふふっ、お願いしますね。先輩っ」
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:18:30.65 ID:mVtrBCR/0
師匠「――なんだ、二人一緒にくるとは、珍しい」
男「修行のお礼を言いに来たんです。師匠、ありがとうございました!」
師匠「ふっ、いいさ。私は道を示しただけだ」
男「それで、ですね……もう一つ、用が」
師匠「なに?」
男「ほら、後輩」
後輩「……先輩が凄すぎるんです」
師匠「は?」
後輩「先輩が、上手すぎるんです! 私も修行させてください!」
師匠「あー……」
男「その、どうでしょう?」
師匠「まあ、来る物拒まずだ。さあ、修行を始めるぞ!」
おしまい
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) [saga]:2014/08/08(金) 18:20:20.46 ID:mVtrBCR/0
寝取り、あかん。浮気するなら、きちんとフッて、けじめをつけよう!
読んでくれてあざました。依頼出してくる
57 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/08/08(金) 18:20:52.20 ID:e2YtRvRw0
おつおつ!
58 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/08/08(金) 18:24:09.03 ID:EpwFecx8O
乙、イイハナシダナー
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/08/08(金) 18:26:02.49 ID:xAuca2HD0
木人→きびと→kibito→kbtait……?
60 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/08/08(金) 18:28:42.28 ID:HiWnnGlgO
おつ
なんだろう
すごく、普通…だった
61 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/08/08(金) 19:06:10.37 ID:+cppKmBLo
乙
心がほっこりした
62 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/08/10(日) 17:30:20.39 ID:HYJtfwCxo
後輩の修行もみたい
転載元
男「な、なにをしてるんだよ……!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407487756/ 赤石 赫々
KADOKAWA/富士見書房
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