関連:
男「夜食を作ります」妹「夜食を作りまーす」1158 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/20(水) 23:41:39.79 ID:kXANtC2Zo
『ニチレイ たいやき』
妹「おはようございます」
男「おはようございます」
妹「その後、お加減はいかがでしょうか」
男「お蔭様で絶好調です」
妹「朝ごはん作るから、まってねね」
男「ありがとなー」
妹「まぁ冷凍食品なわけですが」
159 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/20(水) 23:42:06.48 ID:kXANtC2Zo
男「たい焼きか」
妹「イエス! 風邪が治ってオメデタイ!」
男「ありがタイ」
妹「レンジで回すだけですけどね」
男「1分なら直ぐだな」
妹「あいや待たれよ」
男「何だよ」
160 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/20(水) 23:42:38.47 ID:kXANtC2Zo
妹「温めたら、さらにトースターで焼いて皮をパリパリにするんですよ」
男「芸が細かいな」
妹「そして、雪見大福をON!!」
男「またか!」
妹「万能のトッピングですよ」
男「大分偏ってると思うがなぁ」
妹「雪見を乗せて、2分くらいトーストします」
男「お、溶けてきた」
妹「溶けたらOK!」
161 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/11/20(水) 23:43:07.66 ID:kXANtC2Zo
男「じゃあ、頂きます」
妹「いただきまーす」
男「たいやきの部分は、普通にパリパリの皮になってるな」
妹「でも、雪見だいふくが溶けてる部分はバニラが染みこんで、じゅわっとしてるんです」
男「冷たくて熱くて美味い」ハフハフ
妹「真骨頂はここから! あんことバニラの相性が極ウマ!」ハフハフ
男「おぉ、ミルク金時みたいだな」
妹「それの冬版です」
162 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/20(水) 23:43:33.60 ID:kXANtC2Zo
男「パリパリの皮に噛み付くと、溶けたバニラの液体が流れ込んできて、たいやきの中の餡子と混ざり合う」モグモグ
妹「餡子とバニラアイスのミルク分が仲良しなもんだから、全く違和感なく口の中で溶け込んじゃう」
男「雪見だいふくの求肥が熱でとけて、とろりとタイの皮を包み込んでいるのも面白い」
妹「もちゅっとするね!」
男「ハニトー的な何かよりも、こっちのが手軽でいいな」
妹「アレはアレで、別の良さがあるんよ」
男「そういうものなのか」
妹「そういうもなのよ」
163 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/20(水) 23:48:07.38 ID:kXANtC2Zo
男「よし、じゃあ学校に行くか!」
妹「辛かったら無理しちゃ駄目よ」
男「はいはい」
妹「今日はカップメンは止めてね」
男「そうするよ」
妹「どこかの幼馴染には気をつけなね」
男「気を許したことなんか一度も無い」
妹「ならば良し!」
男「行ってきます」
妹「あ、まって。私も一緒に行くから!」
166 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/21(木) 02:38:24.96 ID:b0/3w/LPo
乙
そういや実際に風邪引いたからプリン牛乳飲んだよ
すげーうまかったわびっくりした
167 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/21(木) 09:11:32.97 ID:H7bWW9gAO
あんこ+バニラか。商品化できそう。
168 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/23(土) 08:46:21.69 ID:9AHAxfuYo
厚切りのトーストにちまちまスーパーカップをスプーンですくって乗せて食べるとやばい
169 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/23(土) 09:28:00.02 ID:vtncmRUSO
パン系とアイスってうまいよな シロノワールとか
170 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 00:03:44.03 ID:BbRYGe8Xo
『薬師庵 鴨うどんすき』
キーンコーンカーンコーン
男 「昼だー」
男友 「おー」
男 「……」
男友 「……」
男 「学食でも行くか」
男友 「珍しいな」
男 「妹にカップメンを禁止されてな」
幼馴染「来たよー」
男 「学食行くから、じゃあな」
幼馴染「あいや待たれよ」
男 「うちの妹に、変な言葉遣い教えたのはお前か」
171 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 00:04:12.29 ID:BbRYGe8Xo
幼馴染「妹ちゃんにお願いされて、お昼の準備をしてきたのよ」
男 「何も聞いて無いぞ」
幼馴染「おっかしぃなぁ」
男 「まぁ、準備があるなら貰おうか」
幼馴染「今から作るから待っててね」
男 「準備できないじゃないか」
幼馴染「いやぁ、やっぱり病み上がりだし、温かくて栄養のあるものを食べないと、と思って」
172 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 00:04:44.71 ID:BbRYGe8Xo
男友 「今日は妙にでかい包みを持ってると思ったら、なにそれ」
幼馴染「土鍋」
男 「お前、馬鹿だろ」
男友 「鍋があっても、火が」
幼馴染「カセットコンロもある」
男 「お前、無法者だろ」
男友 「先生に怒られるんじゃ」
幼馴染「校則に自炊禁止って書いて無いし」
173 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 00:05:12.41 ID:BbRYGe8Xo
男 「それで、何の鍋なんだよ」
幼馴染「鴨うどんすき」
男友 「鴨?」
男 「珍しければいいってもんじゃないぞ」
幼馴染「美味しいんだよ?」
男 「俺も、どんべえの鴨だしそばは好きだけどな」
幼馴染「ちゃんと鴨のお肉が入ってるやつだよ」
男友 「パッケージでかっ!」
174 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 00:05:38.79 ID:BbRYGe8Xo
男 「よくスーパーである鍋セットかと思ったら、こんなの見たこと無いぞ」
男友 「本当に鴨うどんすきって書いてある」
男 「こんなの、どこで買って来るんだよ」
幼馴染「普通にスーパーで売ってるよ? 駅前のとことか」
男 「ダイエーでは見たことないぞ」
幼馴染「そっちじゃないほう」
男友 「もう片方って……」
男 「成城石井じゃねぇか!」
175 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 00:06:54.26 ID:BbRYGe8Xo
男友 「あそこで普通に買い物するんだ」
男 「幽霊見た人の話を聞いてる気分だ」
幼馴染「何かおかしいの?」
男 「あそこって、レジで千円札だすと、店員に鼻で笑われるんだろ?」
男友 「ノータイだと入店禁止って聞いたことがある」
幼馴染「そんな変な店じゃないよ。普通のスーパーだよ」
男 「うわぁー、成城石井を普通とか言っちゃってる」
男友 「もしかして、お金持ちだったの?」
男 「忘れてたけど、こいつの家は金持ちだ。家とか犬とか超でかい」
男友 「そうだったんだ。意外な事実」
176 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 00:07:34.32 ID:BbRYGe8Xo
男 「昔、遊びに行ったら、すげぇ美味いお菓子が出てきたな。思い出したら腹が立ってきた」
幼馴染「ええ!?」
男 「お前、今日から石井な」
石井 「何で!? あ、本当に変わってる!?」
男 「気が済んだら戻る」
石井 「うぅ……お鍋、出来たよ」シクシク
男 「いい匂いだけど、鴨肉って別に美味く無いよな」
男友 「前に、なか卯で鴨のそばを食べたけど、肉が固くていまいちだった」
177 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 00:08:16.38 ID:BbRYGe8Xo
石井 「まぁ食べてみてって」
男 「せっかくだからな、頂きます」
石井 「いただきます」
男 「具は、すき焼きと一緒だな。牛肉の代わりに鴨肉が入ってる」ズズズ
男 「うっまっ!! 何だコレ!?」
石井 「鴨すきです」
男 「なか卯と全然違うじゃないか」ハフハフ
男友 「ちょ、ちょっと一口くれ」
石井 「どうぞー」
男友 「うまっ!!」
178 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 00:08:42.25 ID:BbRYGe8Xo
男 「ダシというか、つゆのコクが全然違う。濃厚で、味のなかに煌きがあるような……濃密な旨味だ」
男友 「以前になか卯で食べたの何だったんだ」
石井 「多分、それはアヒルの肉だよ」
男 「は?」
男友 「どういうこと?」
石井 「鴨を家畜化したのがアヒルだから、ファーストフードなんかで安価に出てくるのはアヒルなの」
男 「またまた、石井さんは冗談もお上手だ」
男友 「流石に……ええ? 本当に?」
石井 「豚だって、猪の品種改良でしょ」
男共 「うーん、そう言われると……」
179 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 00:11:14.54 ID:BbRYGe8Xo
男 「ん? じゃあ合鴨って何だ? あれは鴨を家畜化したものじゃないのか?」
石井 「鴨とアヒルの交配種。安い鴨肉よりは、合鴨って書いてある肉のほうが美味しいよ」
男 「マジか……鴨肉なんて気にしたことも無いから、知らんかった……」
男友 「鴨肉以外なら知ってるかのような口ぶりだな」
男 「少しなら知ってるだろう。最近、ニュースでもやってるし。
”売ってる肉は、アメリカ産でも、その後で国内で育てれば、国産と表記していい”とか」
男友 「本当に知ってるのか……」
男 「東京生まれヒップホップ育ちみたいなヤツが、江戸っ子を名乗ってるんだよ」
男友 「でも、スーパーで肉買うことなんかないから、多分あと2,3年は役に立たないわ。その知識」
男 「生粋の国産は、地域名が表記してるからな。覚えとけ」
180 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 00:18:39.37 ID:BbRYGe8Xo
石井 「難しい話は抜きにしても、鴨肉は美味しいんだよねぇ」モグモグ
男 「切り身とは別に、肉団子もあるな」モグモグ
石井 「お団子になると、汁が染みこんでとってもジューシー」ホフホフ
男 「はぁ、中からじわっと染み出してくる鴨肉の脂と汁の旨味が凄い」ハフハフ
石井 「あと、湯葉あるよ。湯葉」フーフー
男 「舌にじんわりと広がる大豆の柔らかな風味。豆乳の油膜の癖に生意気だな」
石井 「プルンッとしてるのに、噛みつくとプツンって歯ごたえがあって、面白いね」
181 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 00:26:10.32 ID:BbRYGe8Xo
男 「野菜も美味いな。シャキシャキのネギに、白菜、きのこと春菊」モグモグ
石井 「うどん入れまーす」
男 「餅も入れてくれ」
石井 「じゃあ、一緒に」
男 「煮えるまでの間に、メインの鴨肉を頂きます」モグ
石井 「頂きます」
男 「ほおぅ……全然、固くない……心地よい、噛み心地」モグモグ
石井 「お団子も美味しいけど、この肉自身の持つ味がしっかり味わえるね」
男 「今まで、舌の味蕾の使ったことの無い部分で感じる味だ」
石井 「人はそれを感動と呼ぶ」
182 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 00:38:35.69 ID:BbRYGe8Xo
男 「もう、うどんいいかな」
石井 「良さそう」
男 「おぅ、これは! 何かピリっとくる感じがするぞ!」
石井 「付属の黒七味を入れました」
男 「山椒か!? 鼻を通り越して目玉から突き抜けそうな辛味だ。でもワサビみたいに後に引かない。
爽やかで刺激的、さっぱりして鋭い衝撃が、あっさりして濃厚な鴨だしの汁に良く合う」チュルチュル
石井 「おうどんも美味しいね」チュルッ
男 「鴨肉と野菜の出汁が存分に染み込んだ汁を、さらに吸い込んだ麺だからな」
石井 「うーん、まさにいいとこ取り」
男 「そして、締めのモチだ」
石井 「とろっとろですな」
183 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 00:45:19.38 ID:BbRYGe8Xo
男 「うどんの比じゃなく、汁を吸い込んでる」ハフハフ
石井 「はぁ、ただえさえ汁まみれなのに、更に汁を飲みつつ一緒に食べると最高ッ」ハフハフ
男 「普通のすき焼きだと、割り下が甘くてとても飲めないが、これはどんどん飲めちゃうな」ズズズ
石井 「あとでのど渇いちゃうよ」ズズズ
男 「病み上がりだからな、水分を取ったほうがいいんだ」モグモグ
石井 「なるほど」モグモグ
男 「ふぅ、美味かった」
石井 「美味しかったでしょ」
男 「いやぁ、鴨肉への偏見を正せた。ありがとうな、石井」
石井 「まだ気がすまないんだ」
185 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 01:43:31.78 ID:InvnSyQ5o
病み上がりってなんかうどん食べたくなるよね
186 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/24(日) 02:38:29.35 ID:h0l9snGSo
また腹が鳴るものを・・・ぐぅ
187 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/25(月) 00:44:20.82 ID:5g1V5KSAO
成城石井はいいもの揃ってるよね…高いけど。
でも同じレベルの他社製品と比べると安い。
188 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/25(月) 07:32:30.51 ID:PiiJHFWhO
上手い
実に上手くて美味そうなSSだわ
長く続けて欲しい
189 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/26(火) 22:45:41.63 ID:PcIskMUHo
『セブンイレブン あらびき牛肉メンチカツ』
妹 「ただいまー」
石井「おかえりー」
妹 「だれ!?」
男 「幼馴染からメガ進化して石井になったんだ」
妹 「あー、流行ってるもんね。メガ進化」
石井「それなら、せめてメガ幼馴染にしてよ」
男 「長いし」
妹 「言いづらいね」
石井「自分で言ってから、無いと思ったけどさ」
190 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/26(火) 22:47:32.72 ID:PcIskMUHo
妹 「そんなことより、何か食べるもの下さい」
男 「今日は石井の奢りだ。セブンイレブンのメンチカツ」
妹 「ヒャホウ! 石井さん最高!」
石井「でしょー」
男 「そういうところを直さないとな」
石井「いきなりダメ出ししないでよ」
妹 「食べてもいいですか?」
石井「いいよー、どんどんお食べ」
191 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/26(火) 22:48:14.26 ID:PcIskMUHo
妹 「いただきまー」
男 「まぁ、待て」
妹 「何でしょう」
男 「いま、暖めるから」
妹 「あ、はい」
石井「この電子レンジって中が回るんだ。面白いね」
男 「お前、帰ってもいいぞ」
妹 「やめたげなよ」
石井「いい子だねー」
妹 「うひひ」
192 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/26(火) 22:48:41.95 ID:PcIskMUHo
男 「その間に、食パンを用意する」
石井「山崎ダブルソフトって書いてある。何がダブルなの?」
妹 「石井さん、消されたくなかったら、触れちゃダメだよ」
石井「う、うん」
男 「いつもの100円のキャベツをパラパラと乗せる」
妹 「メンチカツが暖まったよ」
男 「キャベツの上に乗せて、上からソースをかける」
石井「おいしそうだね」
193 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/26(火) 22:49:07.79 ID:PcIskMUHo
男 「カラシをちょっとつけて、更にキャベツをパラパラ」
妹 「カツサンドですねっ!」
男 「そうだ。最後にパンを乗せて、ぎゅっと押し付ける」
石井「ぎゅっとしていいの?」
妹 「パンと離れると、食べづらいもんね」
男 「そしたら、包丁で4等分」
妹 「よし、いただきまー」
男 「待て」
妹 「なんでしょう」
194 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/26(火) 22:49:45.08 ID:PcIskMUHo
男 「ラップをして、ちょっと蒸らす」
石井「その工程は必要なの?」
男 「当たり前だ! カツサンドのパンが、しっとりしてなかったら、何がしっとりしてるって言うんだ!」
石井「ご、ごめんなさい」
妹 「病み上がりなのに、元気だなこの人」
男 「お茶でも入れるから、座って待ってなさい」
石井「わかったよ」
妹 「はーい」
195 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/26(火) 22:51:26.32 ID:PcIskMUHo
男 「さて、もういいかな」
妹 「では、満を持して」
男 「どうぞ」
妹 「いただきまーす!」
石井「いただきます」
男 「頂きます」
196 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/26(火) 22:51:59.75 ID:PcIskMUHo
妹 「んまーいっ! パンはしっとり、カツがサクサクしてます!」ハフハフ
石井「キャベツのクッションが、口の中をパサパサにさせないね」ハフハフ
男 「濃厚な甘みあるソースが、これでもかと口内を駆け巡るな」ハフハフ
妹 「それに、カラシのアクセント! ピリっとくる! 余計に美味しくなる!」モグモグ
石井「メンチカツの肉汁が、じゅわぁと染み出てきて、パンに吸い込まれていくね」モグモグ
男 「ザクザクした衣に、玉ねぎのシャクシャク感がこの上なく組み合わさる」モグモグ
197 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/26(火) 22:52:54.72 ID:PcIskMUHo
妹 「食感の詰め合わせだね! しっとり、シャッキリ、ザクッザクッ!」
石井「全部の具材がソースに合うのも奇跡的だね。全部ソース味なのに、全然食べ飽きない」
男 「パンに噛み付くと、溢れ出る肉汁から漂う匂いが、一気に鼻腔に抜ける」
妹 「舌に触れて、ビリビリ痺れるような肉の旨味が脳髄まで駆け上がるようだよ!」
石井「止まらない唾液を吸い取るように、口の中に滑り込むパン」
男 「何重にも重なった食感を咀嚼する度に弾けるメンチ! 飛び散る芳香!」
妹 「そして、全てを包み込むソースの優しい甘さ!」
石井「気が付くと、全て飲み込んでしまっている……」
男 「つまり、すげぇ美味い」
198 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/26(火) 22:53:21.41 ID:PcIskMUHo
妹 「ごちそう様でしたー」
男 「ご馳走様でした」
石井 「ご馳走様です」
妹 「はぁ、お茶も美味しい」ズズズ
石井 「そうだねぇ」ズズズ
男 「全く。持つべきものは幼馴染だな」
幼馴染「あ、戻った」
200 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/27(水) 00:34:56.43 ID:PSgbifeco
唾液腺崩壊(´;ω;`)
201 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/27(水) 08:01:48.47 ID:81/vETYbO
幼馴染良かったね
乙
202 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/11/27(水) 11:31:22.23 ID:zgHLdTQOo
夜じゃ無くて昼飯前の方がダメージデカい。
どうしてくれる
203 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 01:21:49.53 ID:nGx4teg6o
『日清のどん兵衛 肉うどん』
男 「晩御飯です」
妹 「あいむはんぐりぃ!」
幼馴染「引き続きお邪魔してます」
男 「はい、今日はコレ」
妹 「カップ麺かぁ」
幼馴染「いつもなの?」
妹 「割とそうです」
男 「いいじゃないか。美味いぞ」
妹 「悪いとは言わないけどさぁ」
204 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 01:22:16.47 ID:nGx4teg6o
幼馴染「たまには普通のご飯たべたら?」
妹 「そうだよ、料理できるって設定なんだから」
男 「なんだよ、設定って」
幼馴染「生まれ持った資質のことだよ」
男 「真面目っぽい答えが来た」
妹 「新要素だね」
205 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 01:22:46.45 ID:nGx4teg6o
男 「じゃあ、お湯も沸いたんで、どん兵衛にイン!」
妹 「そーい!」
幼馴染「普通に入れていいんだよね?」
男 「5分まつ」
妹 「はーい」
男 「その間に、これを温める」
幼馴染「なに、それ?」
206 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 01:23:13.82 ID:nGx4teg6o
男 「松屋の牛皿」
妹 「贅沢だ!」
幼馴染「猛々しいというか、雄々しいというか、野生っぽいというか。そんな匂い」
男 「いちいち引っかかること言うヤツだな」
妹 「育ってきた環境が違うから、否めないんだよ」
男 「お前、セロリ好きか?」
幼馴染「嫌い」
207 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 01:24:14.02 ID:nGx4teg6o
男 「5分経ったから、蓋をはがす」
妹 「はいはーい」ベリベリ
男 「はがしたら、さっきの牛皿を乗っけます」
妹 「おー、ダブル肉うどん」
幼馴染「ほかほかだね」
男 「青ネギを添えて、出来上がり」
妹 「うーん、ネギがいい香り」
男 「では、頂きます」
妹 「いただきまーす」
幼馴染「いただきます」
208 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 01:24:50.08 ID:nGx4teg6o
男 「うまっ! 庶民の味うまっ!」ズズズ
幼馴染「当てつけられてる気がする」ズズ
妹 「甘みのある牛皿のつゆが、うどんのスープと混ざるね」ズズ
男 「あぁ、この牛肉。柔らかく煮込まれた肉と、タマネギのハーモニー」モグモグ
妹 「つゆのしみ込んだ薄切りの牛肉から、お肉の美味しさが絞り出てくるね」モグモグ
男 「朴訥とした飾り気の無い牛肉。その中に凝縮された旨み。国産牛には出せないワイルドで粗野な肉の風味。
そして、それを見事に乗りこなすかのような、洗練された濃い味のつゆ。見事な組み合わせだ」
209 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 01:25:30.80 ID:nGx4teg6o
幼馴染「この濃縮された牛肉の旨みが、素朴なうどんの麺を引き立てるね」チュルル
妹 「しっかりとブレない麺が、牛肉の存在感を支えてるね」
男 「そして、ここに生卵と七味唐辛子を投入だ」
幼馴染「とりゃー」
妹 「とりゃー」
男 「黄身と絡む牛肉! 極上のすき焼きを思わせる舌触り!」ハフハフ
妹 「七味がピリっと辛いけど、これが牛肉にもうどんにもよく合うよ!」ハフハフ
幼馴染「はぁ、白身と混ざりあう、甘めのスープ!」ズズズ
210 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 01:26:02.87 ID:nGx4teg6o
男 「スープの最後の一滴まで、残すことができない」ゴクゴク
妹 「こんなに濃い味のスープ、後で後悔するのに!」ゴクゴク
幼馴染「チープで薄っぺらい味だけど、やめられない、止まらない!」ゴクゴク
男 「ぷはー」
妹 「ふいー」
幼馴染「ほぅー」
男 「御馳走様でした」
妹 「ごちそうさまでしたー」
幼馴染「ごちそうさまでした」
211 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 01:27:15.35 ID:nGx4teg6o
男 「色々言ってた割には完食だな。セレブめ」
妹 「ねー」
幼馴染「セレブじゃねぇし」
男 「嘘つけ。縁日ではしまき食べたことないだろ」
妹 「お好み焼きを食べるタイプだよね、絶対。お好み焼き高いのに」
幼馴染「……はしまきって何?」
男 「マジかよ」
213 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2013/12/03(火) 02:06:51.10 ID:NXB1ylGb0
……大学入ってから初めてはしまき見たんだが(18年間5か所の祭りで全部はしまき無かった)
214 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 03:44:03.59 ID:hzOsca840
はしまき知らない…
216 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 05:31:57.24 ID:y9C3vPzHo
うまそうなんだけど
ジャンク過ぎて食べたいと思えない
217 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 07:20:22.04 ID:X3iqVoo4O
成城石井も、はしまきも知らない……
218 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 07:41:23.12 ID:nAiLVU6Vo
俺「はしまきって何?」
225 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 20:55:08.91 ID:ehM6gTrao
はしまきってあれだろ?手拭いとかで頭をぎゅっと締めて気合い入れるやつだろ?
226 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 23:19:13.97 ID:SF0wf0pgo
『セブンプレミアム たこ焼き』
男 「夜食を作ります」
妹 「はしまきっ」
幼馴染「おおぉ、はしまきっ!」
男 「いや、はしまきは作らない」
幼馴染「えー、なんでー」
妹 「そうだよ、完全に流れはきてたよ。このビッグウェーブに乗りなよ!」
男 「屋台で食え」
227 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 23:19:40.04 ID:SF0wf0pgo
幼馴染「wikiったら、関東ではあんまり売ってないって書いてあったよ」
男 「靖国神社の夏祭りでは屋台が出てるから、それまで待て」
幼馴染「えー、半年以上も先じゃない」
男 「あとは大きい神社なら、正月の屋台に出るかもしれん」
幼馴染「そこで探すかぁ」
妹 「はしまきじゃないなら、なに作るの?」
男 「たません」
幼馴染「また分からない言葉が出てきた」
228 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 23:20:40.13 ID:SF0wf0pgo
男 「セレブめ」
幼馴染「セレブじゃねぇし」
妹 「たませんって何?」
幼馴染「ほら、あんたの親族も知らないじゃないの! この異端者!」
男 「夜食程度の話題で、そこまで顔真っ赤にするなよ」
幼馴染「真っ赤じゃねぇし、ばーかばーか」
妹 「もう、やめたげなよ」
男 「仕方ない」
幼馴染「……………………ばーか」
229 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 23:21:35.17 ID:SF0wf0pgo
幼馴染「で、たませんって何?」
男 「たこせんに、お好み焼きのソースを塗る」
妹 「たこせんって何?」
男 「読んで字の如くだ。大体、細長い楕円形をしてる」
妹 「梅ジャム塗りたいね」
男 「そんで、目玉焼きを焼く」
幼馴染「それをどうするの?」
男 「せんべいを半分に折って、挟んで食べる」
妹 「卵とお煎餅で、たませんだー!」
幼馴染「おおー」
230 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 23:22:01.41 ID:SF0wf0pgo
男 「焼きそばパン用の焼きそばがあれば、それを入れても美味い」
妹 「ニッチな商品で攻めるね」
男 「お好みでチーズやベーコンを入れても良い」
幼馴染「簡易お好み焼きみたいな感じだ」
男 「夜食だし、今日は天かすだけ」
妹 「マヨネーズと青海苔をかけます」
幼馴染「カツブシも」
231 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 23:22:36.61 ID:SF0wf0pgo
男 「では頂きます」
妹 「いただきまーす」
幼馴染「頂きます」
妹 「中が熱いものって、外がパリパリだと余計に美味しく感じるよね」パリパリ
幼馴染「ぐにゅっと中からお好み焼きソースが飛び出すよ」ハフハフ
妹 「この、目玉焼きとソースの相性がバツグンだね!」
幼馴染「パリっとした軽い歯ざわりと、目玉焼きの微かなもっちり感!」
妹 「控えめな食べ応えだけど、それを安っぽく感じさせない!」
幼馴染「あんた、随分静かじゃない」
232 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 23:23:44.41 ID:SF0wf0pgo
男 「俺は、それ食ってないし」
幼馴染「食べてるでしょ、それ」
男 「俺のは、目玉焼きじゃなくて、たこ焼きが挟んである」
幼馴染「……」
妹 「……」
男 「……」
幼馴染「……」
妹 「……」
男 「たこ焼きが挟んである」
233 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 23:25:47.06 ID:SF0wf0pgo
幼馴染「こっ、こっ、この異端者! 鬼畜! 生涯独身!」
妹 「裏切り者! ひどい! ウッカリカサゴ!」
男 「お前等の分もある」
幼馴染「……」
妹 「……」
男 「……」
幼馴染「……」
妹 「……」
男 「お前等の分もある」
234 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 23:26:12.91 ID:SF0wf0pgo
妹 「ひ、ヒャッホウ、オニイチャン、ダイスキー!」
幼馴染「け、結婚して!」
男 「嫌だ」
妹 「なにとぞ、お慈悲を!」
幼馴染「お恵みを!」
男 「仕方ない」
235 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 23:27:56.63 ID:SF0wf0pgo
妹 「ほっほう。たこせんの微かな風味の中に、つぶしたたこ焼きが入っているね」ハフハフ
幼馴染「うーん、目玉焼きも美味しいけど、これもこれでまた」ハフハフ
男 「せんべいをバリっと食い破ると、中にはふわふわのたこ焼きだ。当然、ソースに合わないわけが無い」
妹 「ちゃんと、たこが入ってるね。たことたこのハーモニー!」
幼馴染「っはぁー。このパリパリ、はふはふってのが癖になっちゃうよ!」
男 「たこせんのみりんの風味、かすかなたこの味。
そこから溢れ出すフルーティなお好み焼きソースの甘みと、
強烈に襲い来るたこ焼きのアツアツの生地、青海苔の香り、カツブシの匂い、
マヨネーズのまろやかさに隠された、たこの足から漂う、海鮮の味。てんかすから出る油が、
一体感をさらに高める! 軽めの食感の中で、突如現れるタコの歯ごたえが憎い!」
236 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 23:28:30.21 ID:SF0wf0pgo
妹 「ふぃー、ごちそうさまー」
幼馴染「ご馳走様でした」
男 「お粗末様」
妹 「お客さんが来ると、お兄ちゃんがいつもよりやる気を出すからいいね」
幼馴染「そうなの?」
男 「そんなことないぞ。そんなことより、お前はいつ帰るんだよ」
妹 「あーもう、こんな時間だね」
男 「送っていくから、帰れよ」
幼馴染「学校や家には、もう帰りたくない」
妹 「じゅうごのよーるー」
男 「いや、帰れよ」
238 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/03(火) 23:46:43.54 ID:UicvLKbAO
幼馴染が来ると料理に気合いが入る?…まさかね…
240 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/04(水) 01:27:52.64 ID:Ejzsisb0o
はしまき、たませんでググるじゃん?
画像出るじゃん?
でも近所に売ってないじゃん?
枕を濡らすしかないじゃん……
244 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/05(木) 23:24:37.22 ID:TQ1Oegh0o
『日清焼きそば UFO』
妹 「おはよー」
幼馴染「引き続きお邪魔してます」
男 「結局、泊まって行きやがった」
幼馴染「いいじゃない、別に」
男 「お前なぁ」
幼馴染「一生に一回くらい、お泊り会してみたかったの!」
男 「あ、うん。なんか、ごめん」
245 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/05(木) 23:25:13.07 ID:TQ1Oegh0o
妹 「お腹すいたー」
男 「はいはい、朝飯な。あっさり?」
妹 「がっつり!」
幼馴染「たっぷり!」
男 「二人揃って健康的なことで」
幼馴染「お腹すいて目が覚めたよ!」
妹 「たくさん寝たからね!」
男 「それはお泊り会として正しいのか?」
幼馴染「え、違うの……?」
246 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/05(木) 23:25:40.40 ID:TQ1Oegh0o
男 「えーと、じゃ、朝ごはんを作ります」
幼馴染「リ、リベンジするから!」
男 「お湯を沸かします」
妹 「はい」
男 「お前は、卵割って混ぜてくれ」
幼馴染「はいはい」
男 「取り出しましたるは、日清焼きそばUFO」
妹 「焼きそば!」
幼馴染「ソース味!」
247 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/05(木) 23:26:21.01 ID:TQ1Oegh0o
男 「お湯を入れて、待つ」
妹 「湯切りの準備はバッチリです!」
幼馴染「なかなか、湯切りって難しいね」
男 「湯切りをしたら、ソースやら何やらを混ぜる」
妹 「イエッサー」
幼馴染「相手の目を見て混ぜ混ぜします」
男 「やめてくれ」
妹 「うひひ」
男 「フライパンにゴマ油を引いて、溶き卵を円く入れる」
幼馴染「ナイス玉子焼き」
248 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/05(木) 23:27:35.49 ID:TQ1Oegh0o
男 「卵の上に、とろけるチーズを乗せる」
妹 「焼きそばは?」
男 「卵が固まる前に素早くドーン!」
妹 「ギャアアア!」
幼馴染「クレイジー!」
男 「軽く焦げ目が突いたら、ひっくり返して、程よく焼けたら出来上がり」
幼馴染「円盤みたいになったよ……UFOだけに!」
妹「パリパリに焼けた麺が美味しそうだね」
男 「かぶりついて食べると良い。頂きます」
妹 「いただきまーす」
幼馴染「い、いただきます」
249 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/05(木) 23:28:02.23 ID:TQ1Oegh0o
妹 「カリカリに焼けた玉子焼きの中から、とろけるチーズが溶け出してくるね」ホフホフ
幼馴染「焼きそばのソース味が、チーズと卵に良く合うよ」ハフハフ
男 「UFO独特の香ばしい匂いが、朝の食欲を掻き立てる」ハフハフ
妹 「玉子焼きの焼きそばパンのような、不思議な食感だね」モフモフ
幼馴染「うーん、かぶりついたところから、チーズがとろんと伸びてくるよ」モチモチ
男 「ソースの強いコクが、チーズとの絶妙なバランスをとっている」モグモグ
250 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/05(木) 23:28:28.29 ID:TQ1Oegh0o
妹 「他のカップ焼きそばと比べても、UFOはフルーティな感じがするよね」
幼馴染「焼きそばとして食べるとキャベツと豚肉のボリューム少なめだけど、これだと丁度いいね」
男 「インスタントなのにシャキっとしたキャベツが、控えめながらしっかりと仕事しているな」
妹 「ごちそうさまっ」
幼馴染「ごちそうさまでした」
男 「お粗末様」
251 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/05(木) 23:28:54.38 ID:TQ1Oegh0o
妹 「よし、学校いこっ」
男 「お前は、家に戻る時間あるのか?」
幼馴染「何で?」
男 「いや、服とか昨日のままだろ」
幼馴染「着替え持ってきてるから」
男 「最初から泊まるつもりだったのかよ」
幼馴染「何と、着替えはもう1日分!」
男 「いや、帰れよ」
254 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/09(月) 00:24:55.02 ID:N89A0uwBo
『日清麺職人 坦々麺』
キーンコーンカーンコーン
男 「飯」
男友 「是」
男 「湯」
男友 「了」
幼馴染「入」
男友 「歓」
255 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/09(月) 00:25:29.17 ID:N89A0uwBo
男 「ただいま」
男友 「おかえり」
幼馴染「お邪魔してます」
男 「今日は趣向を変えて坦々麺だ」
幼馴染「寒くなると食べたくなるよね」
男友 「いつものへんてこな組み合わせに比べて、割りとまともだな」
男 「では、頂きます」ベリベリ
256 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/09(月) 00:25:55.62 ID:N89A0uwBo
幼馴染「おぉ、山椒の香りがツンと来るね」
男 「正に鮮烈と言うべき刺激。ダイレクトに胃に届くような匂いだ」
男友 「胡麻の風味もふんわりと漂ってくるな」
男 「白胡麻のマイルドな雰囲気が、嗅覚だけでも十分に伝わってくる」
幼馴染「おぉ、スープが真っ赤だね」
257 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/09(月) 00:26:23.66 ID:N89A0uwBo
男 「見た目は辛そうだが、食べてみるとそこまで辛くない」ズズズ
男友 「ゴマが辛いのを打ち消してくれるんだよな」
男 「ああ、ビリリっとくる山椒の刺激、じんわりと染みこむ白ゴマの甘み、その後でカァッと熱くなる辛味。
たった一口でも、巧妙なアメとムチで味覚を翻弄させてくれる」
幼馴染「ひ、一口ください!」
男 「仕方ない。一口だけな」
258 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/09(月) 00:26:49.36 ID:N89A0uwBo
幼馴染「頂きます」フーフー
男 「他所で人の食べたもの欲しがるなよ。みっともないから」
幼馴染「あんたのだけだから……うん、美味しい。麺がシコシコしてる」
男 「そうだろう、坦々麺の命とも言えるスープが、このストレートな中華麺によく絡むんだ」
259 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/09(月) 00:27:23.04 ID:N89A0uwBo
男共 「坦々麺は、美味しいけど具が欲しくなるんだよな」
男 「そこに抜かりは無い」
幼馴染「また何か足す気だ」
男 「今日は王道だ。ラーメンのスープにご飯を入れて、おじやにする」
男友 「辛くて美味そうだな」
260 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/09(月) 00:27:59.49 ID:N89A0uwBo
男 「そして、使うのはファミリーマートで売ってる”ちりめん山椒”のおにぎりだ」
幼馴染「山椒……まさか」
男 「そう、坦々麺のスープに、この山椒が合わないはずが無い」
男友 「辛すぎないか?」
男 「それがいい。舌の先が痺れるような感覚も坦々麺の魅力の一部なんだ」
幼馴染「早めに一口貰っといてよかったよ」
男 「ごはんをよく混ぜて、スープになじませる」
男友 「うお……山椒があらためて匂ってくる」
261 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/09(月) 00:32:27.88 ID:N89A0uwBo
男 「ふふふ……この香り、たまらん」ズズズ
男 「山椒とゴマに、ちりめんじゃこの食感と歯ごたえが加わっているな」ハフハフ
男 「坦々スープの辛味を、白米がやさしく包み込んで、うまいこと調和してる」モグモグ
男 「はぁ……辛い、暑い、美味い。止まらん」ズズズ
男 「鼻水出てきた……寒いのに、汗もどんどん出てくる」
男 「辛味で口の中の感覚が麻痺してきた、水を飲もう」ゴクゴク
男 「くぅ! この清涼感!」
男 「ああ! 水を飲んだから、また改めて辛い! しかしそれが美味い!」
262 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/09(月) 00:32:58.79 ID:N89A0uwBo
男 「ふぅ、ご馳走様でした」
幼馴染「そういえば、あんたに話がある」
男 「何だよ」
幼馴染「今朝食べたの、オムそばって言う名前があるらしいじゃない」
男 「ん? ああ、そうだな」
幼馴染「てっきり、オリジナルの創作料理かと思ったのに」
男 「オリジナルじゃないと、何か不都合があるのか?」
幼馴染「ないけど。何か喜んでたのが馬鹿みたいでしょ」
男 「何で喜ぶんだ?」
幼馴染「知るか、ばーか」
263 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/09(月) 00:33:24.33 ID:N89A0uwBo
男 「なぁ、なんでだ?」
男友 「俺に聞くなよ」
男 「まぁ、いいか」
幼馴染「よくねぇよ! もっと食いついてよ!」
男 「何だよ。帰ったら話し聞いてやるから、それでいいだろ」
男共 「お前がそういう扱いするから、怒るんじゃないのか?」
幼馴染「……まぁ、家で話きいてくれるならいいけど」
男友 「それで良いんだ」
265 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/09(月) 00:50:38.88 ID:jajp84J00
>>幼馴染「あんたのだけだから……うん、美味しい。麺が シコシコしてる」
麺じゃなくて男がだろ
269 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/10(火) 00:34:42.37 ID:/r6Zh7bJo
>>265 麺がシコシコ…MENがシコシコ…つまり…
273 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/15(日) 02:07:14.85 ID:tVYD3I12o
『セブンイレブン ふっくらジューシーいなり』
男 「私は夜中に突然いなりずしが食べたくなったりするわけです」
妹 「それはもう食欲とかそんな事ではなくて、
ただもう、何だかいなりずしのことで頭が一杯になってしまうわけなんです」
男 「そこで、こうやってセブンイレブンへ」
妹 「こんな自分を私は可愛いと思います」
男 「おかえり」
妹 「ただいま」
274 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/15(日) 02:07:40.35 ID:tVYD3I12o
幼馴染「え、今の何!?」
男 「セブンイレブンでいなり寿司を買って来た報告」
幼馴染「台詞みたいのは何なの!?」
妹 「昔テレビでやってたCMですよ」
幼馴染「あんた達の、そのコミュニケーションは何なの?」
男 「いたって普通だけど?」
妹 「ですけど?」
275 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/15(日) 02:08:06.51 ID:tVYD3I12o
男 「ほら、さっさと食うぞ」
妹 「わーい、いっなりっずし!」
幼馴染「はぁ……何で……もうっ」
男 「お前も食うだろ?」
幼馴染「食べるけどっ!」
男 「じゃあ、電子レンジで温めてくれ」
幼馴染「あっためてから食べるの?」
男 「その間に、フライパンを準備する」
276 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/15(日) 02:08:32.42 ID:tVYD3I12o
幼馴染「いなり寿司は?」
男 「あったまったら、こっちくれ」
妹 「あっちち」
男 「いなりずしを、熱いフライパンに乗せていく」
幼馴染「あ、焼くんだ」
妹 「んー、いい匂いー」
男 「そして、これだけじゃない」
277 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/15(日) 02:09:01.45 ID:tVYD3I12o
妹 「はい、とろけるチーズ」
男 「いなりずしをひっくり返して、これを乗せる」
幼馴染「見る間にとろけていくね」
男 「コゲない程度に焼いたら、出来上がり」
妹 「さぁさ、食べよー」
男 「熱いから、あんまり急ぐなよ」
妹 「はいはーい」
278 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/15(日) 02:09:28.87 ID:tVYD3I12o
幼馴染「いただきます」
男 「頂きます」
妹 「いただきまーす」
幼馴染「焼き目の香ばしい匂いが、口に入れる前から漂ってくるね」
妹 「んー、チーズがとろけるー」ホフホフ
男 「カリっとした油揚げに、とろけたチーズが絡み合う」モグモグ
幼馴染「酢飯とチーズの組み合わせが、意外だけど相性がいいね」ハフハフ
279 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/15(日) 02:10:01.14 ID:tVYD3I12o
妹 「ご飯も一回レンジで温めてるから、チーズと油揚げで二重の包みから
米粒の散弾が口の中ではじけ飛ぶよ!」
男 「ああ、焼いたときに飛んだ油がチーズで補強されて、しっかりとした食感を生み出している」
幼馴染「もうちょっと味が濃くても良いね」
男 「ガッツリ行きたいときは、バターで焼いても美味い」
幼馴染「おおぅ、それは美味しそう」
男 「また次の機会にだな、ご馳走様」
妹 「ごちそうさまー」
幼馴染「ごちそうさまでした」
280 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/15(日) 02:10:28.33 ID:tVYD3I12o
男 「で、なんの話聞けばいいんだ?」
幼馴染「あ、そうだった」
妹 「何の話?」
幼馴染「この男が、結婚の約束までしたのに、私をないがしろにする話」
妹 「え?」
男 「え?」
幼馴染「え?」
男 「何それ、怖い」
282 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/15(日) 03:12:51.87 ID:DvYyj5m7o
おつ
一体どういう状況になったらいなりを焼き、チーズをのせるという発想が出てくるのか
283 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/15(日) 14:50:26.71 ID:ghk2cudNo
幼馴染さんェ・・・
284 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 00:33:47.50 ID:P2WuZtfdo
『吉野家 牛丼』
幼馴染「うわーんうわーん」
妹 「あーあ、泣かした」
男 「泣かれても約束してないしなぁ」
幼馴染「結婚、してくれるって、言ったのにぃ」
妹 「これが、ジャパニーズ シュラバ」ゴクリ
男 「違うからな」
285 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 00:34:26.41 ID:P2WuZtfdo
幼馴染「約束を覚えて無くても良いから、結婚してよぉ」
男 「嫌だよ」
妹 「いいじゃない、結婚しちゃえば」
幼馴染「そうだよ、ここは思い切って!」
男 「簡単に言うなよ」
幼馴染「酷いよぉ、友達も作らないで一途だったのにぃ」
男 「それは、単に作れなかっただけだろ」
幼馴染「うわぁあああん」
妹 「あんまり苛めちゃダメだよ」
286 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 00:34:57.04 ID:P2WuZtfdo
男 「仕方ないな。晩飯食ってけ」
幼馴染「そりゃもう。泊まるつもりですから」ケロッ
男 「やっぱり嘘泣きか、この女」
妹 「お嬢顔なのに、やることが狡すっからいよね」
幼馴染「お嬢顔じゃねぇし」
男 「そこは認めとけよ」
287 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 00:35:30.91 ID:P2WuZtfdo
~
男 「で、晩御飯を買ってきました」
妹 「吉野家!」
幼馴染「ギュウドン!」
男 「お前、牛丼知ってるのか」
幼馴染「薄く切った牛肉とタマネギなどを甘辛く煮込み、丼に盛った飯の上に載せた料理のこと」
男 「あぁ、うん。知識だけな」
288 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 00:36:33.75 ID:P2WuZtfdo
幼馴染「これは、いつもみたいに何か入れないの?」
妹 「お兄ちゃん、吉野家の牛丼の時は何も入れないんだよね」
男 「じゃあ頂きます」
幼馴染「いただきます」
妹 「いただきまーす」
男 「器を持ち上げて、顔の前に持ち上げると漂ってくる香り。
タレの醤油と甘みを味わう前から感じられる」
妹 「それに、ほかほかのご飯の匂いも混ざってるね」
幼馴染「醤油ベースなのに、とても芳醇な香りがするよ」
289 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 00:37:13.39 ID:P2WuZtfdo
男 「よく分かったな、タレを作るときに白ワインを使ってるらしい」
妹 「へぇー。全然分からないや」スンスン
男 「そして、まずは牛肉を一口。薄切りでありながら、確かな食感。口に入れた瞬間にタレの風味が広がる」ハフハフ
妹 「こんなに薄いのに、噛み締めるとお肉の美味しさがぎゅっと出てくるよ!」ハフハフ
幼馴染「それに柔らかい! 煮込んだ肉は固くなりやすいのに、薄さと煮込みのバランスが最高に仕上がってる」ハフハフ
男 「次は、黄金色の玉ねぎだ。酸味辛味はゼロ。
じゅわりとトロける玉ねぎが、口の中で溶けるように消えていく」モグモグ
妹 「玉ねぎなのに、とっても甘いね!」モグモグ
幼馴染「これも煮込みすぎてない、玉ねぎとしての甘みを最大限に引き出すラインを保っているね!」モグモグ
290 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 00:37:39.48 ID:P2WuZtfdo
男 「いよいよ白米だ。タレが染み込んだ白飯を口いっぱいに頬張る。
一口ずつなんて無粋なことはするな。丼に口をつけてかっ込むんだ」ハフハフ
妹 「顔が丼に覆われて、牛丼の香りに顔全体が包まれるね。もう互換の全てが牛丼だよ!」スンスン
幼馴染「タレの甘み、玉ねぎの甘み、そして白ご飯の甘みが合わさって、鼻から流れ込んでくる。
それと同時に、舌の上にも3つが合わさった味が攻め込んできて、肉の旨味も交わって……もう!」モグモグ
男 「ああ、美味ぁい! これが今なら280円!」
妹 「お箸が止まらないよ! 最後まで飽きさせない、複雑で豊かな味だね!」
幼馴染「信じられない! 米粒の一つまで残せない美味しさ!」
291 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 00:38:27.54 ID:P2WuZtfdo
男 「ふぅ、ご馳走様でした」
妹 「ごちそうさまでしたー」
幼馴染「ごちそうさまでした」
男 「つまり、そういうことだ。分かったか?」
幼馴染「え、ゴメン。どういうこと?」
男 「吉野家の牛丼はな、そのままで最高にいい状態になってるんだ。
そこに手を加えるっていうのは、牛丼に対する冒涜なんだよ」
妹 「個人の意見です」
幼馴染「う、うん」
292 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 00:40:45.77 ID:P2WuZtfdo
男 「俺とお前は幼馴染で、結構いい関係だと思うんだ」
幼馴染「……それは、つまり?」
男 「無理に手を加えてしまうより、今の関係を続けたほうが」
幼馴染「うわぁぁあああああああん」
男 「うぉ!」ビクッ
妹 「お兄ちゃん、今のは無いよ」
幼馴染「酷いよぉおおおお、よりによって牛丼に例えて振られたよおおお」
男 「え。ダメなの?」
妹 「私もドンビキですよ。もう刺されても文句言えないね」
293 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 00:40:47.99 ID:pD2hhjMDO
玉子くらいは…入れさせてくれ…
294 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 00:41:21.31 ID:P2WuZtfdo
幼馴染「うわぁああああああん! せめて、もっとまともな理由で振られたかったぁあああ」
男 「おかしいな。美味しんぼだったら、和解してる展開だったろ」
妹 「女心っていうか、人の心が分からない人だよね」
幼馴染「ひぃいいん。どっかその辺で適当な男ひっかけて堕落してやるぅうううう」
男 「あ、おい。待て」
妹 「いっちゃったね。追いかけないの?」
男 「追いかけたら、脈があると思われないか?」
妹 「いいから行ってこいよ! 女の敵!」ゲシッ
男 「いたっ」
295 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 00:42:42.90 ID:P2WuZtfdo
幼馴染「た、ただいま」
男 「お、おぅ。おかえり」
妹 「あれ、はやいね。もう堕落した?」
執事 「こんばんは」
男 「そこらへんで引っ掛けた人?」
幼馴染「」フルフル
妹 「あの、どちら様ですか?」
執事 「執事の石井です」
妹 「執事だ!?」
男 「石井だ!?」
296 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 00:43:13.40 ID:P2WuZtfdo
おやすみなさい
300 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 23:15:35.20 ID:P2WuZtfdo
『草月 黒松』
執事 「お嬢様がお世話になっております」
男 「お前、家でお嬢様って呼ばれてるのかよ」
妹 「リアルお嬢様だ」
幼馴染「やめてよ石井さん、変なキャラ付けしないで。
普段、お嬢様とか呼んでないでしょ」
執事 「こうしておくと、近寄り難い雰囲気が生まれるんです」
幼馴染「そんなもの生まなくても良いよ!」
301 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 23:16:04.77 ID:P2WuZtfdo
男 「もしかしてお前に友達が居ないのは、この人の仕業じゃないのか」
幼馴染「そんなことないよ、石井さん良い人だよ。
面白いDVDとか貸してくれるし」
男 「ああ」
妹 「やっぱり」
執事 「おかしな男が寄ってきても困りますから」
男 「おかしな女になることは想像していなかったんだな」
執事 「ははっ……まさか………そんな…………え?」
妹 「あ、今気づいたんだ」
302 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 23:17:30.63 ID:P2WuZtfdo
男 「その良い人の石井さんが何で?」
幼馴染「私を迎えにきたって」
妹 「あれ、泊まらないんだ」
執事 「無断外泊を誤魔化せるのは1日が限度ですから」
男 「……お前」
幼馴染「無断じゃないよ! ちゃんと断ってから来たよ!」
執事 「勝手に宣言して、勝手に出てきただけですよね」
幼馴染「だって、ダメって言うんだもん」
303 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 23:17:56.17 ID:P2WuZtfdo
執事 「そういうわけで、今日は連れて帰ります。
甘いものですが、苦手でなければ召し上がってください」
妹 「うわぁ、ありがとうございます。
せっかくですから、お茶でも飲んでいってください」
執事 「いいえ、私は迎えに着ただけですから」
男 「そうおっしゃらずに、是非」
妹 「このまま帰したら、オジョウサマに何て言われるか分からないからねー」
執事 「? そこまで、仰られるのでしたら……」
304 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 23:18:30.17 ID:P2WuZtfdo
幼馴染「うぅ、今さっき飛び出したばっかりなのに」
妹 「はいはーい、お茶ですよー」
男 「入れたのは俺だけどな」
執事 「頂きます」
妹 「甘いものも頂きまーす」
幼馴染「あ、これか。美味しいよね」
男 「どこかで見たことあるな」
妹 「ドラ焼き?」
執事 「草月というお店の黒松というお菓子です」
305 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 23:19:03.45 ID:P2WuZtfdo
男 「確か、子供の頃に家に遊びに行ったときに出てきたお菓子だ」
幼馴染「昔からお茶請けの定番だよね」
妹 「お煎餅みたいだね。こげ茶の一色じゃなくて、まだら模様になってる」
男 「そんなに甘くなくて美味いんだ」
幼馴染「いただきます」
妹 「いただきまーす」
男 「頂きます」
306 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 23:19:29.89 ID:P2WuZtfdo
妹 「うわぁっ、すっごいフワフワしてる!」
男 「生地がしっとりで、小ぶりなのに贅沢な舌触りだ。
口を閉じたときに唇に触れる、もちっとした食感がたまらない!」
幼馴染「柔らかい甘さなんだよね」
執事 「苦いお茶に良く合いますね」
妹 「中の餡子は少なめだけど、十分甘いね!」
幼馴染「つぶあんの粒が潰れたりしてないから、舌び上に粒の感触がしっかりと残ってるよね」
男 「咀嚼すると、さらさらと崩れるように餡子が解けて、ふわっとした甘さが広がる」
307 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 23:20:00.59 ID:P2WuZtfdo
妹 「はぁー。すっごい上品な味だね。もう1個!」
男 「しっとりしてるのはハチミツなんだな。それに黒糖の甘さが加わって、
華やかで深みのある甘さを実現しているんだ」
幼馴染「一つ一つが小さいのも心憎いんだよね。もう1個食べたくなっちゃう」
執事 「太りますよ?」
幼馴染「うぐっ」
男 「俺は少し肉がついてても、美味しそうに沢山食べる人が好みだ」
幼馴染「頂きます!」
男 「ほどほどにな」
幼馴染「家まで走って帰る!」
308 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 23:20:28.18 ID:P2WuZtfdo
執事 「あんまり、からかわないでください。根が単純なんですから」
妹 「その気も無いのに、可哀想だよ」
男 「いや、これ食べて思い出したんだけど、確かに結婚の約束してた」
妹 「え?」
幼馴染「え!?」
男 「昔、これ食べたときに、あんまり美味かったんで、毎日食べたいなぁって言ったんだ」
幼馴染「そうそう、お婿に来てくれたら毎日食べられるよって」
妹 「うわぁ、食べ物で釣られてたんだ」
執事 「うわぁ、食べ物で釣ってたんですね」
309 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 23:20:54.75 ID:P2WuZtfdo
男 「結婚するかは別にして、約束を忘れてたのは悪かったよ」
幼馴染「約束はいいから、結婚してよ」
男 「うーん、それはなぁ」
執事 「この黒松というお菓子は、1930年から変わらぬ味を守り続けているそうです」
男 「はい……?」
執事 「しかし、草月は”常に新しいものへの探究心を忘れずに、時代の流れを意識したお菓子作りをしている”
とも謳っています。守るばかりでは、この味は生み出せなかったのですね」
310 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 23:21:21.89 ID:P2WuZtfdo
幼馴染「そう、そうだよ! 今が良いからって変わるのを拒んだら、もっと良いものを逃しちゃうよ!」
男 「うーん、そういう考え方もあるのか……」
妹 「これが、ジャパニーズ クチグルマ」
執事 「……」
妹 「……」
幼馴染「……」
男 「……じゃあ、お友達から」
幼馴染「本当に!? やったー! 一歩前進だ!」
妹 「幼馴染から友達って、前進してるのかな?」
執事 「まぁ、根が単純ですから」
311 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 23:21:48.11 ID:P2WuZtfdo
妹 「ところでお兄ちゃんは、ヘンナムシじゃないんですか?」
執事 「昔から結婚するって言い張っているので、今更ですね。
幼馴染ですし、興信所で調査済みなので、変な虫ではないです」
妹 「おぉ、セレブ怖い」
執事 「一応、お嬢さまですから。ほら、帰りますよ」
幼馴染「うん! 走って帰る!」
執事 「危ないからダメです」
312 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 23:22:13.84 ID:P2WuZtfdo
~
妹「ぐわぁーっと来て、ばぁーっと帰って行ったね」
男「騒がしかった」
妹「楽しそうだったよ」
男「そうか?」
妹「うん」
男「何か暖かいの食べるか」
妹「あ、私が作るよ」
男「何作るんだ?」
妹「チャーシューマヨ餅」
313 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/16(月) 23:22:39.29 ID:P2WuZtfdo
男「甘いもの以外なんて、珍しいな」
妹「ほんの気持ちですよ」
男「?」
妹「お兄ちゃんは、お餅とチャーシュー切って。私はそれを焼くから」
男「はいよ」
妹「じゃあ、夜食を作りまーす」
(おわり)
322 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/17(火) 23:33:50.74 ID:/ZD2Zz9co
妹「切ったチャーシューを焼き網に乗せて、じっくり炙ります」
男「モチも準備いいぞ」
妹「お餅はちょっと火力の強いところに置いて、焼けるのを待ちます」
男「チャーシューの焼ける匂いがたまらんな」
妹「お餅をひっくり返します」
男「チャーシューも頼む」
妹「はーい」
323 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/17(火) 23:34:23.62 ID:/ZD2Zz9co
男「皿、ここに出しておくぞ」
妹「焼けたお餅をお皿にのせまして、醤油をちょろっと」
男「じゅぅっと香ばしい匂い」
妹「さらにチャーシューを乗せて、その上からマヨネをさらさらーっと」
男「細口のじゃないと出過ぎるからな」
妹「最後に刻み海苔をぱらぱらーっと撒いて出来上がり」
男「今日は焦がさなかったな」
妹「私だって、成長するんですよ」
男「頂きます!」
妹「いただきまーす!」
324 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/17(火) 23:35:50.94 ID:/ZD2Zz9co
終わりとか言っておいて済みません。おまけということで。
おやすみなさい。
325 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/18(水) 00:55:56.77 ID:26gk/Ajho
>>324 乙
丼にご飯だばぁ鮭フレークだばぁして、お茶漬けの素さらぁ、お湯だばぁしてかっこんで寝るわ
326 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/18(水) 09:18:18.46 ID:9DKCPFqRo
豊富な夜食知識と丁寧な食事描写実に素晴らしいssだった
327 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/18(水) 23:40:19.50 ID:n096PSEQO
おぉぉぉ乙
素晴らしかった!
更新楽しみにしてたのに
終わってしまうのはとても残念だ
転載元
妹「夜食を作りまーす」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382796846/
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