1 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 21:31:15 ID:I2/9aM1Y
勇者「違う違う。 それは俺の名前」
勇者「俺はあんたの名前を聞いてんの」
ロボ「……」
ロボ「名前……? ワタシノ……?」
ロボ「……」
ロボ「でーたガ アリマセン」
勇者「はあ……なんなんだこいつ」
2 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 21:34:37 ID:I2/9aM1Y
ロボ「アナタハ 誰デスカ?」
勇者「俺は勇者。 さっきそう言ったろ」
ロボ「ソウデスカ」
ロボ「ワタシハ 誰デスカ?」
勇者「知らねーよ」
ロボ「ソウデスカ」
勇者「……やっぱり起動させるべきじゃなかったかな」
3 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 21:39:16 ID:I2/9aM1Y
ロボ「勇者サン」
勇者「なんだよ」
ロボ「ココハ 何処デスカ?」
勇者「そんなことも知らないのか」
勇者「魔王城の地下だよ」
4 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 21:44:00 ID:I2/9aM1Y
ロボ「マオウジョウ?」
勇者「……なにも知らないってことは」
勇者「あんたは一切ここの情報を持ってないのか?」
ロボ「ワタシノ……でーた……」
ロボ「検索中……」
ロボ「……」
ロボ「しすてむヲ起動スル際ニ イクツカノ情報ガ破損シタ ヨウデス」
勇者「ふーん……それってもう戻らないのか?」
ロボ「復元ハ 困難ダト思ワレマス」
5 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 21:48:19 ID:I2/9aM1Y
ロボ「ソレデ 勇者サン」
ロボ「マオウジョウトハ 何デスカ?」
勇者「そのまんまだよ」
勇者「魔王が住んでた城」
ロボ「……魔王トハ 何デスカ?」
勇者「たぶんあんたを作ったやつだ」
ロボ「ナント! ワタシノ創造主デスカ!」
6 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 21:53:05 ID:I2/9aM1Y
ロボ「魔王城ハ 魔王ガ住ンデイタ城……」
ロボ「住ンデ……イタ?」
ロボ「デハ魔王ハ モウ……」
勇者「いや、残念ながら生きてるよ」
勇者「俺はここに攻め込んで」
勇者「それっぽい老人を倒したんだけど」
勇者「たぶんあれは影武者だね」
ロボ「ナント!」
ロボ「……デハ」
ロボ「ワタシト 勇者サンハ 敵同士!?」
勇者「そうだな」
7 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 21:59:02 ID:I2/9aM1Y
ロボ「ナラバ ワタシハ 貴方ヲ 排除セネバ ナリマセン」
勇者「そうか」
ロボ「カクゴ!」
ロボ「……」
ロボ「……」
ロボ「ワタシノ 武器ハ ドコデスカ?」
勇者「捨てた」
ロボ「ナント!」
8 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 22:04:36 ID:I2/9aM1Y
勇者「あんたを起動する前に全部処分したよ」
ロボ「困リマシタ……戦エマセン」
勇者「戦えないならそれでいいんじゃないか?」
ロボ「ナルホド、合理的デスネ」
勇者「というか武器があることは覚えているんだな」
ロボ「ソレハ コノぼでぃノ説明デスカラ」
ロボ「破損シテイルノハ ワタシ個人ノでーたデス」
勇者「わたし個人?」
勇者「……まあバリバリ感情と自我あるし今更か」
ロボ「創造主ノコトヲ知ラズ 武器ニ執着スル……」
ロボ「ツマリ ワタシハ 最下層ノ兵士!」
勇者「自分で言うのか」
10 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 22:11:56 ID:I2/9aM1Y
ロボ「でーたガ 復旧サレルマデハ」
ロボ「停戦トイウコトニ シマショウカ」
勇者「なんでもいいよ」
勇者「……」
勇者「それじゃあ、そろそろ俺は帰るかな」
ロボ「エッ? モウデスカ?」
勇者「とりあえず人を襲う気はないみたいだし」
勇者「付近の村にすぐ帰ると言ってあるからな」
ロボ「付イテ行ッテ イイデスカ?」
勇者「だめだ」
勇者「あんた見たまんまの戦闘マシンだし。みんな怖がっちまう」
11 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 22:16:33 ID:I2/9aM1Y
ロボ「ウーン、困リマシタネ」
勇者「人里に降りる気なのか?」
ロボ「特ニ目的ハ アリマセンガ」
ロボ「一人デハ 暇デス」
勇者「そっか。 じゃあまた来るよ」
勇者「まだ何か手がかりがあるかもしれないし」
ロボ「優シイ!」
勇者「うるせえ」
12 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 22:21:12 ID:I2/9aM1Y
――
ロボ「創造主ノでーたガ 無イナラ」
ロボ「ワタシハ 魔物ニかてごらいずサレル 兵士ナノデショウカ」
ロボ「シカシ ソレナラバ自我モ 必要無イハズ」
ロボ「ワタシハ 誰デスカ?」
ロボ「……」
ロボ「コノ質問ハ 勇者サンヲ困ラセテ シマイマスネ」
ロボ「次ハ 楽シイ会話ニ シタイデス」
13 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 22:26:05 ID:I2/9aM1Y
トコトコ
ロボ「ソレニシテモ」
ロボ「魔王城ハ 広イデスネ」
ロボ「魔物ガ一匹モ 居マセンシ」
ロボ「備品等モ 回収サレテイル ヨウデス」
ロボ「何モ アリマセン」
ロボ「暇デス」
ロボ「勇者サン 早ク来ナイカナ」
14 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 22:32:36 ID:I2/9aM1Y
――
勇者「おーい、来たぞー」
ロボ「勇者サン!」
魔法使い「ふーん……こいつがあんたが言ってた機械の魔物?」
勇者「そうだ。 魔物かどうかも分かんねえけど」
ロボ「コノ方ハ?」
勇者「魔法使い。 俺の仲間だよ」
魔法使い「あなたのことを調べてほしいって頼まれたのよ」
魔法使い「まあ、よろしくね」
ロボ「ウーン……」
ロボ「反応ニ 困リマスネ」
魔法使い「えっ?」
15 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 22:42:58 ID:I2/9aM1Y
ロボ「ウヒョー! イイけつシタ ネーチャンガ 来ヤガッタゼー!」
ロボ「ト 喜ブベキ ナノカ」
ロボ「マア! 勇者サンニ 近ヅク泥棒ネコ!」
ロボ「ト 怒リヲ露ワニスルベキ ナノカ」
ロボ「ドウ反応スルノガ イイノデショウ」
勇者「……」
魔法使い「……」
魔法使い「き、聞いてた以上にすごいわね」
16 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 22:47:48 ID:I2/9aM1Y
勇者「えっと……」
勇者「まずお前性別あるの?」
ロボ「分カリマセンガ」
ロボ「生殖機能ハ 付イテイマセンノデ 無イ可能性ガ高イデス」
魔法使い「じゃあどっちの反応もおかしいじゃない」
ロボ「ソウデスネ」
ロボ「デスガ ワタシハ 一人デ暇ダッタノデス」
ロボ「コノ会話ヲ 楽シミニ シテイタノデス」
勇者「……」
ロボ「ダカラ」
ロボ「ぼけテ ミマシタ」
勇者「なんでだよ」
17 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 22:52:33 ID:I2/9aM1Y
魔法使い「とりあえず自我があるのは本当みたいね」
魔法使い「ただの戦闘マシンってわけじゃなさそう」
勇者「となるとやっぱ魔物なんじゃねーの?」
魔法使い「無機物の魔物……ゴーレムの類かしら……」
ロボ「ナント! めたるナごーれむデスカ!」
ロボ「カァッコイイ!!」
魔法使い「ゴーレムじゃないわね。 陽気すぎる」
ロボ「ナント!」
18 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 22:58:00 ID:I2/9aM1Y
勇者「そうだ、あれからなにか思い出したか?」
ロボ「全然駄目デシタ」
ロボ「ワタシノ処理能力デハ でーたノ復旧ハ」
ロボ「デキナイッポイデスネ~」
魔法使い「何その言い回しふざけてるの?」
ロボ「陽気ナきゃらくたーデ イッテミヨウカト……」
勇者「もしかして昔はそんな感じだったとか?」
ロボ「分カリマセン」
魔法使い「というかあなたには昔……過去があるの?」
ロボ「分カリマセン」
ロボ「ガ」
ロボ「ナンダカ 楽シイデス」
19 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 23:04:53 ID:I2/9aM1Y
魔法使い「楽しい?」
ロボ「ハイ 談笑ヲスルナド 初メテナノデ」
ロボ「今 トテモ充実シテイマス」
勇者「あんたさ」
勇者「元は人間なんじゃないか?」
ロボ「ナント!?」
20 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 23:09:45 ID:I2/9aM1Y
魔法使い「ど、どういうことよ」
勇者「だって馴染みすぎだろ。 そうとしか考えられねえよ」
勇者「こう……人間の意識を移す器的なものなんだよ多分」
ロボ「抽象的デスネ」
ロボ「デハ 何ノ為ニ ソンナ事ヲ?」
勇者「それは分かんねえ」
勇者「死してもなお戦う兵士的なあれじゃね?」
ロボ「抽象的デスネ」
21 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 23:14:18 ID:I2/9aM1Y
ロボ「デモ」
ロボ「ソレハ格好良イ デスネ!」
勇者「うん?」
ロボ「ツマリ破損シタ でーたハ記憶!」
ロボ「ワタシノ 過去!」
ロボ「戻ッタ時 ワタシハ兵士トナル!」
22 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 23:20:50 ID:I2/9aM1Y
勇者「おお!それならその記憶が戻れば!」
勇者「本物の魔王の居場所も分かるな!」
ロボ「ナルホド!」
魔法使い「……はあ?」
魔法使い「あんたまだそんなこと言ってんの?」
ロボ「……?」
23 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 23:27:22 ID:I2/9aM1Y
勇者「だって未だに実感が無いんだ」
魔法使い「実感も何もないわ!」
魔法使い「あの爺さんだか婆さんだかわからなかった奴が魔王よ!」
ロボ「エッ?」
勇者「だからあれは影武者だって」
魔法使い「強かったじゃない!」
勇者「今までの中では一番ってだけだろ」
勇者「魔物を束ねる王なんだからもっと段違いなはずだ」
魔法使い「昔はもっと強かったとかそんな感じでしょ!」
魔法使い「もう魔王なんていないの! 世界は平和になったの!」
ロボ「ナンデスッテ!?」
24 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 23:32:28 ID:I2/9aM1Y
ロボ「ユ、勇者サン!」
ロボ「ココニ攻メ込ンダノハ イツノ話デスカ!?」
勇者「一年前だ」
ロボ「ナァント!!」
ロボ「城ガ カラッポナ ワケダ!」
勇者「まあ付近に村ができるぐらいには平和になったな」
25 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 23:38:12 ID:I2/9aM1Y
ロボ「ワタシガ ココノ住人デ」
ロボ「守ルベキ魔王ハ モウ死ンデイル?」
ロボ「ソレガ 本当ダトシタラ……」
勇者「本当だとしたら?」
ロボ「切ナイネ!」
魔法使い「そうね」
26 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 23:45:57 ID:I2/9aM1Y
勇者「あんたが過去を思い出したら全てわかる」
勇者「もし魔王が生きていて、居場所を話してくれたら」
勇者「あんたは殺さないよ」
ロボ「どらいナ取引デスネ」
魔法使い「死んでるって嘘ついたら?」
勇者「つかねーよ」
魔法使い「なんで言い切れるのよ」
勇者「そりゃあ」
勇者「友達だからな」
ロボ「!!」
ロボ「優シイ! 暖カイ!」
勇者「よせやい!」
27 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 23:51:57 ID:I2/9aM1Y
魔法使い「馬鹿じゃないの」
勇者「なんだと!?」
勇者「こういうのは信頼が大事なんだよ」
勇者「話したら殺さないってのも本心だ」
勇者「こうお互いに信じあうことでだな……」
魔法使い「いやいや、敵同士だから」
ロボ「敵同士ノ友情!」
ロボ「切ナイネ!」
魔法使い「あなたはちょっと黙っててね」
ロボ「フェェ……」
28 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/05(月) 23:57:47 ID:I2/9aM1Y
魔法使い「今不思議なバランスで仲良くやれてるのは」
魔法使い「この人が何者なのか分かってないからなのよ?」
ロボ「人扱イ! 嬉シイネ!」
魔法使い「黙っててね」
魔法使い「それで記憶があって、それが戻ったとしたら」
魔法使い「今の自我なんて全部無くなっちゃうわよ」
魔法使い「たった数日しか経ってないんだから」
ロボ「……」
29 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 00:05:17 ID:FJDCN7e2
勇者「そうか? 俺はそうなっても友達のままだと思うけど」
魔法使い「根拠は?」
勇者「友情に時間は関係ないからだ!」
魔法使い「馬鹿じゃないの」
勇者「なんだと!」
魔法使い「……まあいいわ」
魔法使い「百歩譲って記憶が戻ってもなお友人だったとしましょう」
魔法使い「それであなた主人を売るの?」
ロボ「……」
魔法使い「友達だから、戦うことになるわよ?」
30 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 00:10:53 ID:FJDCN7e2
勇者「どうしてだよ」
魔法使い「忠誠心が人並みにあったら」
魔法使い「友達相手でも大将の居場所を吐いたりしないでしょう」
魔法使い「だから記憶が戻ればどう転んでも倒すべき敵に……」
勇者「それはどうかな?」
魔法使い「えっ?」
勇者「こいつの初期データとやらには、魔王の情報がなかった」
勇者「つまり信頼されてない可能性が高い!」
魔法使い「ふぅん……昔は制御不能の狂戦士ってこと? ありえなくはないわね」
魔法使い「それでも戦うことにはなりそうだけど」
ロボ「……」
31 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 00:18:34 ID:FJDCN7e2
魔法使い「ま、ここで話しててもしょうがないわね」
魔法使い「日を改めてまた来るわ。 私も暇じゃないんだから」
ロボ「……」
勇者「どうかしたか?」
ロボ「……」
魔法使い「なによ、言いたいことがあるなら言いなさいよ」
ロボ「黙ッテテネ ト言ワレタノデ……」
魔法使い「空気を読みなさいって意味よ」
ロボ「本場ノぶらっくじょーくハ キツイゼ! ハハハ!」
魔法使い「そんな空気じゃなかったでしょ!」
32 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 00:27:00 ID:FJDCN7e2
魔法使い「もういい! また来るわ!」
魔法使い「まったく、骨折り損とはこのことね!」
勇者「おいおい、正式に依頼したんだから金は出すぞ?」
魔法使い「馬鹿なの? 仲間から本気で金とるわけ無いでしょ」
勇者「そっか」
勇者「じゃあ俺も一度引き返すよ」
勇者「……またな!」
ロボ「マタナ!」
33 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 00:33:16 ID:FJDCN7e2
――
ロボ「マタ 一人ニ ナッテシマイマシタ」
ロボ「デモ 寂シクハ アリマセン!」
ロボ「友達ガ デキマシタカラ!」
ロボ「……」
ロボ「記憶ガ戻レバ 友達デハナクナル カモシレナイ」
ロボ「友達ト戦ウコトニナル カモシレナイ」
ロボ「ソレハ……切ナイネ……」
34 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 00:38:45 ID:FJDCN7e2
ロボ「……」
ロボ「ソレナラワタシハ……」
ロボ「ワタシハ……!」
35 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 00:44:33 ID:FJDCN7e2
――
魔法使い「あら? 勇者はまだ来てないの?」
ロボ「オオ! イラッシャイ!」
魔法使い「はいはい、お邪魔します」
魔法使い「それでどう? 記憶は戻った?」
ロボ「ソノコトデ 話シタイコトガ アリマス」
魔法使い「ふーん……」
魔法使い「奇遇ね、私もよ」
ロボ「デハ、勇者サンガ 来タラ」
魔法使い「そうね。同時に言ってみましょうか」
36 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 00:59:05 ID:FJDCN7e2
勇者「おっと、もう来てたのか」
ロボ「勇者サン!」
魔法使い「来たわね」
ロボ「デハ! 言イマスヨ! ヨイコラセッセ!」
魔法使い「なにその掛け声気持ち悪い、音頭は私がとるわ!」
魔法使い「せーのっ!」
37 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 01:03:41 ID:FJDCN7e2
ロボ「元ノ記憶ッポイでーたヲ 全消去シマシタ!!」
魔法使い「こいつの正体は魔王よ!!」
勇者「なんだって!?」
ロボ「ナンデスッテ!!?」
魔法使い「なんですって!!??」
38 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 01:09:20 ID:9iO2TJSQ
ワロタ
39 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 21:46:42 ID:FJDCN7e2
勇者「ど、どどどど」
勇者「どういうことだ!?」
ロボ「マルデ 意味ガ 分カリマセンゾ!?」
魔法使い「ええい! 落ち着きゃなしゃい!!」
魔法使い「順番に説明していけばいいだけの話よ!」
ロボ「ワタシガ 魔王!? 大変興味深イデス!」
勇者「そ、そうだ! まずそれから話してくれ!」
40 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 21:55:07 ID:FJDCN7e2
魔法使い「そう……じゃあ私から話すわね」
勇者「おう!」
ロボ「ハイ!」
魔法使い「すーはー……こほんっ」
勇者「あ、これ実は話したくてしょうがなかったやつだな」
ロボ「説明ノ 練習トカ シチャッテタぱたーんデスネ」
魔法使い「聞きたくないの!?」
勇者「聞きたいです」
ロボ「聞キタイデス」
41 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 22:06:33 ID:FJDCN7e2
魔法使い「まず! あなたは魔王城制圧の1年後にようやく見つかった!」
魔法使い「つまり厳重に保管されていたということ!」
魔法使い「そうよね勇者!」
勇者「たしかに。地下室の奥にあったな」
魔法使い「外部から見つかりにくい場所に隠されていた……つまり!」
魔法使い「あなたは重要視されていた存在なのよ!」
ロボ「ナント!」
ロボ「最下層ノ兵士デハナイ!?」
42 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 22:12:06 ID:FJDCN7e2
魔法使い「そして! あなたは魔王の情報を持っていなかった!」
ロボ「ハイ! 信用サレテイナイカラデス!」
魔法使い「違う! そうじゃない!」
ロボ「エエエ!?」
魔法使い「それは! そんな情報必要なかったからよ!」
魔法使い「そう!」
魔法使い「あなた本人が!」
魔法使い「魔王だったから!!」
ロボ「ナ……」
勇者「な……な……」
ロボ「ナンダッテー!?」
勇者「なんだってー!?」
魔女「う、うん。そんな反応が欲しかったの。ありがとね」
43 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 22:22:15 ID:FJDCN7e2
勇者「なるほど……」
勇者「あんた自身が頂点だったら」
勇者「敬うべき創造主の情報なんか入ってるわけがないな」
ロボ「オオー……」
魔女「さあ、次はあなたの番よ」
魔女「全消去ってどういうこと?」
44 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 22:29:33 ID:FJDCN7e2
ロボ「ワタシハ……」
ロボ「ワタシハ 自分ガ自分デ無クナルノガ 怖カッタノデス」
勇者「おお、言ってみたいセリフ」
魔法使い「茶化さないの」
ロボ「前回聞イタヨウニ 記憶ガ戻レバ」
ロボ「ワタシノ人格ガ崩壊シテシマウ カモシレナイ」
ロボ「勇者サンヤ……」
ロボ「……」
ロボ「エット……二人ガ友達デハ 無クナル カモシレナイ」
ロボ「ソウ考エルト……」
魔法使い「名前を忘れておいて友達面とはいい度胸ね」
勇者「茶化すなよ」
45 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 22:35:32 ID:FJDCN7e2
ロボ「ソウ考エルト 怖クナッテ……」
ロボ「復旧シヨウト シテイタ でーたヲ 削除シテシマイマシタ」
勇者「そっか」
魔法使い「消す前にひとこと言ってくれたらよかったのに」
ロボ「ソノでーたヲ 持ッテイルコト自体ガ 怖クナッタノデス」
勇者「まあ消しちまったものはしょうがねーな」
ロボ「エット……マ、魔法使イサン!」
魔法使い「あら、名前思い出した?」
ロボ「魔法使イサンノ 情報コソ 事前ニ勇者サント 相談スルベキダッタノデハ?」
勇者「あ、確かに。 魔王と自覚したら戦うことになるしな」
魔法使い「あなた一人に隠したところで勇者から伝わるでしょう?」
勇者「あ、確かに。 友達に隠し事はできないもんな」
46 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 22:57:33 ID:FJDCN7e2
勇者「……」
勇者「あれ?」
魔法使い「なによ」
勇者「一件落着しちゃってるんじゃないかこれ?」
ロボ「……エッ?」
魔法使い「……はっ!」
47 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 23:06:06 ID:FJDCN7e2
ロボ「ドウイウコトデス?」
勇者「つまりさ」
勇者「俺の倒すべき魔王はお前の中にいて」
ロボ「ハイ」
勇者「お前はそれを消したんだろ?」
ロボ「ソウデスネ」
ロボ「……」
ロボ「ソウデスネ!!」
勇者「世界は 平和になった!!」
48 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 23:10:47 ID:FJDCN7e2
魔法使い「で、でも……勇者はそれで納得していいの?」
勇者「うん?」
魔法使い「証拠がないわよ。 まだこれは私の推測にすぎない」
勇者「……」
勇者「信じるよ」
魔法使い「どうして?」
勇者「一年も手がかり無しだったからな」
勇者「魔王はすでに死んでるってのが一番自然な考えだし」
勇者「その推測なら実感がなかったのにも辻褄が合うし」
勇者「そろそろ折り合いをつけねーとな」
勇者「どこかに答えが書いてるわけじゃないんだから」
ロボ「勇者サン……」
49 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 23:15:47 ID:FJDCN7e2
勇者「では改めて……」
勇者「うおー! 世界は平和になったぁー!!」
ロボ「ヤッタゼー!」
魔法使い「平和になっていたというかなんというか……」
魔法使い「まあいいわ。 めでたいことではあるし」
ロボ「メデタシ メデタシ! デスネ!」
勇者「よし、村に降りてみるか!」
ロボ「エエ!?」
50 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 23:21:35 ID:FJDCN7e2
魔法使い「ちょっと本気!?」
勇者「そりゃ本気だよ」
勇者「人前に顔を出すなら早いほうがいいだろ」
ロボ「確カニ ソウデスガ……」
魔法使い「怖がられるかもしれないわよ」
勇者「そこはうまく説明しよう」
魔法使い「それなら練習しておかないと……」
ロボ「ヤッパリ好キナンデスネ 練習」
魔法使い「う、うるさい!」
51 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 23:25:39 ID:FJDCN7e2
魔法使い「これはあなたの為を思って言ってるのよ?」
勇者「そうだぞ、あんたの……」
勇者「……」
勇者「あんたってものいい加減変だな」
ロボ「ワタシハ モウ 誰デモ無イノデ」
勇者「おお、イカスセリフだな」
勇者「じゃあ名前つけるか」
52 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 23:31:05 ID:FJDCN7e2
ロボ「ワーオ! 命名式デスネ!」
勇者「無いと不便だしな」
ロボ「カッコイイノヲ オネガイシマス!」
魔法使い「そう言われるとちょっと自信ないわね」
勇者「うーん……大事なことだしよく考えて決めないとな」
魔法使い「あなたの体に名前はついてないの?」
ロボ「無イデスガ」
ロボ「踵ノ裏ニ 型番ガ アルハズデス」
勇者「へー、じゃあそれを参考にしてみるか」
53 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/06(火) 23:39:48 ID:FJDCN7e2
ロボ「ワタシデハ 構造上 視界ニ入ラナイ位置ナノデ」
魔法使い「分かった。 じゃあ見てあげるわね」
魔法使い「どれどれ……」
ロボ「イヤーン」
魔法使い「うるさい」
魔法使い「本当だ、なにか書いてあるわ」
勇者「読めるか?」
魔法使い「任せなさい。 えっと……」
魔法使い「"魔王のバックアップボディー" だって」
勇者「……」
勇者「答え書いてるじゃねーか!」
おわり
54 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/07(水) 00:07:44 ID:zf/rJsIs
乙 ユーモアあるロボいいよね
55 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/07(水) 00:42:23 ID:vy.Z7Qn6
おつおつ
こういうロボ物だいすき
56 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/07(水) 01:07:51 ID:EPJpd9j6
面白かった 乙
57 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/07(水) 10:18:02 ID:ZqnI0yXc
クロノトリガーで再生できるな
58 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/07(水) 16:58:02 ID:y.WnJtmo
武器無しのキラーマシンで再生してた。乙、面白かったです
59 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2013/08/07(水) 18:04:24 ID:5Posqmuw
乙
面白かった
転載元
ロボ「ユウシャ……?」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1375705875/
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