HEADLINE

スポンサーサイト

--/--/-- --:-- | CM(-) | スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

あずさ「夢の中へ」

2013/01/15 20:30 | CM(0) | アイドルマスター SS
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 06:53:58.25 ID:L1GSU8GWO
「あっ。おはようございます、あずささん」

ゆっくりと目を開けると、見慣れた天井
そしてプロデューサーさん

えぇっとぉ、私…

「最近忙しかったですからね。疲れてたんでしょう」

事務所のソファーで眠ってしまっていたみたい





2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 06:55:13.63 ID:FDAb3yR40
フフッフゥー♪ フフッフゥー♪


4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 06:57:33.49 ID:L1GSU8GWO
「隣にいて下さったんですか?」

「ずっといたワケではないですけど…心配だったんで」

「…夢を見ていました」

「どんな夢?」

「おかしな夢です」

「夢なんてどれもおかしなもんですよ」

そう…
とってもおかしな夢だった


6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 07:00:42.36 ID:L1GSU8GWO
「私は迷子になっていました」

「夢の中でも?」

「…」

「あ、すいません…」

「最初は律子さんや竜宮小町のメンバーといたのですけれど…」

「はぐれたんですか?」

「いいえ。私が逃げ出したんです」




8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 07:05:56.37 ID:L1GSU8GWO
ライブに向かう車の中

最初は四人で楽しくお喋りしていたのだけれど…

いつの間にか車は雪原の上を走っていました

「どこの雪原ですか?」

「地名までは…でも、地面にはたくさん穴が空いていました」

「穴?」

「はい。律子さんは"また雪歩の仕業ね"って」


10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 07:11:10.70 ID:L1GSU8GWO
「…雪歩はそういうキャラなんですね。あずささんの中では」

「夢の話ですから」

「はい。夢の話です」

「それから…」

その中でもとりわけ大きな穴に車が落ちてしまって…

高さは20メートルくらいかしら?

みんな無事だったけれど、車は壊れてしまいました

「無事で何より」

「はい。何よりでした」


14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 07:17:05.54 ID:L1GSU8GWO
律子さんは慌てていました

どうしよう、ライブに間に合わない、って

「小町の三人は?」

「亜美ちゃんは何度もジャンプしてました。だけど、穴の一番上には10㎝くらい届かなくて…」

「すごいジャンプ力ですね」

「伊織ちゃんはどこかに電話をかけていました。なぜか公衆電話で。おウチかしら?」

「助けを呼ぼうとしたのかな?」

「えぇ、たぶん」


15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 07:22:08.72 ID:L1GSU8GWO
私は…

何もせずに空を見上げていました

ライブに行きたく無かったから…

青空には白いウロコ雲がゆっくりと流れていました

そのうち雪が落ちてきて、穴の中にどんどん積もっていって…

「穴から出れたんですね?」

「はい。何とか」


19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 07:26:14.01 ID:L1GSU8GWO
「なんでライブに行きたくなかったんですか?」

「自分でもわかりません…」

「疲れてたのかな?」

「いえ…ある人と会う約束をしていたから」

「誰です?」

「…内緒です」

「はぁ…」


20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 07:30:58.23 ID:L1GSU8GWO
律子さんは走ろうと言い出しました

亜美ちゃんは雲に乗ろう、って

伊織ちゃんは…雪ダルマを作っていました

「三者三様ですね」

「えぇ。そして…」

私は一人で歩き出していました
早く行かないとある人との待ち合わせの時間に間に合わないから、早足で




22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 07:35:43.86 ID:L1GSU8GWO
「そして迷子になった、と」

「はい。途中に美希ちゃんがいたのですけれど、ぐっすり眠っていて」

「起こしました?」

「…お尻を蹴って」

「…あずささん、そういう願望が?」

「ありません!」

何回か蹴ったのだけれど、起きてくれなくて…
だから、前髪を蝶々結びにしてその場を後にしました

「…けっこう酷いですね」

「ゆ、夢の中ですから」


23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 07:42:56.53 ID:L1GSU8GWO
しばらく歩いていると、春香ちゃんが手招きしているのが見えました
大きなゴミ箱の上に立っていて、なぜか体操服を着ていました

私が近づくと、春香ちゃんはニッコリと微笑んで言いました

呼んだだけです、って

「それはムカつきますね」

「でしょう?私、さすがに腹が立ってしまって」

「どうしたんです?また蹴ったとか?」

「…リボンの代わりに赤い靴下を巻きました」

「ずいぶんと地味な報復ですね」



25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 07:46:47.50 ID:L1GSU8GWO
またしばらく歩いていると、砂浜に出ました
海はとっても綺麗で、波は穏やか

「誰かいました?」

「沖の方で響ちゃんが泳いでいました」

「それで?」

「楽しそうだなぁ、って」

「それで?」

「それだけです」

「あぁ…そうですか」




27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 07:52:40.61 ID:L1GSU8GWO
砂浜はどこまでも続いていて…

私がどれだけ進んでも、尽きることはありませんでした
そして沖では、響ちゃんが泳いでいました

「…声かけましょうよ」

「楽しそうだったから…邪魔をしてはいけないと思って」

「…なるほど」

そのうちに辺りは暗くなってきて…
月明かりだけが頼りになりまし

「ちなみに響は?」

「もう見えませんでした」


28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 07:58:56.23 ID:L1GSU8GWO
その月から、何かが飛んでくるのが見えました
じっと目を凝らすと、貴音ちゃんでした

「格好いい登場の仕方ですね」

「でも、体操服姿でした」

「いや、服装はどうでも…」

貴音ちゃんは私の前に降り立ち、こう言いました

わたくし、もう少しで兎になるところでした

「…月の?」

「えぇ、おそらく」

「そのあと貴音は?」

「どこかに飛んで行ってしまいました」


29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 08:03:37.00 ID:L1GSU8GWO
さらに歩いていると、やっと砂浜が尽きました

「良かったですね」

「はい。でも…」

「何かあったんですか?」

「小さな街に出たのですけれど…」

「けれど?」

「真ちゃんに…その…ナンパされてしまいました」

「…その真は女の子なんですか?」

「もちろんです。白いワンピースを着ていましたから。それがとっても似合っていました」


31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 08:08:24.63 ID:L1GSU8GWO
真ちゃんは言いました

お姉さん、いま何時ですか?

「それ、ナンパですか?」

「以前、同じような感じでナンパされたことがあったので…」

「えっ?真に?」

「いえ、知らない男性にです」

「なるほど。それで、どうしたんですか?」

「事務所を通して下さい、って」

「そんなことで事務所を通されても困るんですけど」

「夢ですから」


32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 08:12:33.98 ID:L1GSU8GWO
街の中を歩いていると、小さな喫茶店が見えました
とても可愛らしい喫茶店

お腹が空いていたので、入ってみることにしました

「けっこう余裕ありますね」

「喫茶店が可愛いかったんです、とても!」

「あぁ、そうですか…」

中にはテーブルが一つしかなくて…
そこにやよいちゃんが座っていました


33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 08:19:12.88 ID:L1GSU8GWO
「やよいは何て?」

「あずささん、豚の角煮でいいですかぁ?って」

「なかなか渋いですね」

私は頷きました
だけど…
出てきたのは豚足でした

「さらに渋いですね」

「でも美味しかったんですよ?」

「それは良かった」

私はお金を払おうとしたのですけれど、やよいちゃんが

ここは私が

って

「奢ってくれたんですか?」

「はい」


35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 08:23:26.85 ID:L1GSU8GWO
私はやよいちゃんにお礼を言って喫茶店を出ました

「よく考えたら、可愛い喫茶店で豚足なんですよね?」

「…」

「…まぁ、夢の中ですからね」

喫茶店から出ると雨が降っていました
傘を持たずに雨の中を歩いていると、千早ちゃんに声をかけられました

あずささん、風邪を引きますよ?

って

「…それだけですか?」

「はい、それだけです」




36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 08:28:14.00 ID:L1GSU8GWO
「あ、そうそう」

「何です?」

千早ちゃんはこう聞いてきました

あずささん、春香を見ませんでしたか?

「何て答えたんですか?」

「…見てない、って」

「えっ?見ましたよね?」

「だって…春香ちゃんには腹が立っていたから」

「…夢の中でも怒りは持続するんですね」

「…そうみたいです」


38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 08:35:17.62 ID:L1GSU8GWO
そのまま雨の中を歩いていると、街の外に出ました

そこはまた雪原でした

穴がいくつも空いていて

あぁ、戻ってきてしまったんだ、って思いました

あの人には会えないんだな、って

俯いて涙ぐんでいると、真美ちゃんの声がしました

「真美だって分かったんですか?亜美と同じような声なのに」

「真美だよー、って」

「真美のクセに親切ですね」




39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 08:41:06.03 ID:L1GSU8GWO
真美ちゃんは私の方に走り寄ってくるなり、雪玉をぶつけてきました
とても硬い雪玉でした

それから言いました

あずさお姉ちゃん、ここで何してんの?

「ぶつけてから聞いたんですか?」

「まぁ、真美ちゃんですから」

「…納得することにします」

私は事情を説明しました
すると真美ちゃんは

真美についてきて

って言ってくれました


40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 08:42:29.06 ID:47MIPwRRO
行ってみたいと思いませんか うふっふ~


41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 08:45:01.81 ID:L1GSU8GWO
私は言われるがまま、真美ちゃんの後を歩きました

しばらく歩くと、急に視界が暗くなりました

穴に落ちてしまったんです

浅い穴でしたけど、足を挫いてしまったみたいで立ち上がれません…

「真美は?」

「もういなくなっていました」

「まぁ、真美ですからね」

「えぇ、真美ちゃんですから」


44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 08:48:46.15 ID:L1GSU8GWO
穴の中で立ち上がることもできずに、私は泣いていました

すると、上から私を呼ぶ声がしたんです

…あの人の声でした

あずささん、大丈夫ですか?

そう言って、私に向かって手を差し出してくれました

その手を握ると、まるで本当に手を握られているような感覚でした

「…はい」




45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 08:52:00.60 ID:L1GSU8GWO
その人は穴から私を引き上げてくれました

そして

遅いから迎えにきました。迷子になってたんですか?

そう言って、優しく笑ってくれました

手を繋いだままで

「…繋いだままで、ですか」

「はい。温かい手でした。本当に繋いでいるみたいに」

「…はい」


46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 08:56:58.26 ID:L1GSU8GWO
「そこで目が覚めたんです」

「ホントにおかしな夢ですね」

「えぇ、本当に」

「…あの」

「どうしました、プロデューサーさん?」

「手は、温かかったんですよね?」

「…はい。とっても」

「えっと、俺、その…」

「…はい」


48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 09:03:56.36 ID:L1GSU8GWO
「手をですね…ホントに…」

「…プロデューサーさん?」

「はい!」

「…もう少し眠っても構いませんか?」

「…またおかしな夢を見てしまうかもしれませんよ?」

「そのときは…またあの人が手を握ってくれると思います、きっと」

「…はい、きっと」

ソファーに横になり、ゆっくりと目を閉じた
今度は私から迎えにいこう
迷子になっても、必ずあの人のいる場所に

だからもう一度、夢の中へ…

右手に温もりを感じながら



お し ま い


50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 09:05:03.25 ID:L1GSU8GWO
おしまい

あずささんは天女

読み返してきますぅ


51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 09:06:01.06 ID:UHyodueG0
あずささんマジ女神


52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 09:15:56.29 ID:1WAIXDJ00
つかんだのが手じゃなくて胸なら・・・


58 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 09:53:30.12 ID:AB3lPbHQ0
おつ


61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/09(木) 10:25:01.58 ID:gbOeI33J0
いいかんじだな。乙


転載元

あずさ「夢の中へ」

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328738038/









関連記事
2013/01/15 20:30 | CM(0) | アイドルマスター SS
    コメント一覧
コメントの投稿










管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

インバリアントへようこそ
インバリアント -SSまとめサイト-
管理人:こばりあんと



  • About
  • 記事一覧
  • Twitter
  • まとめ依頼
  • ランダム SS
カテゴリ
アーカイブス

2018年 02月 (25)
2018年 01月 (7)
2017年 12月 (3)
2017年 11月 (22)
2017年 10月 (11)
2017年 09月 (2)
2017年 08月 (161)
2017年 07月 (180)
2017年 06月 (139)
2017年 05月 (311)
2017年 04月 (157)
2016年 02月 (1)
2015年 12月 (1)
2015年 05月 (261)
2015年 04月 (295)
2015年 03月 (305)
2015年 02月 (259)
2015年 01月 (283)
2014年 12月 (275)
2014年 11月 (287)
2014年 10月 (285)
2014年 09月 (262)
2014年 08月 (264)
2014年 07月 (262)
2014年 06月 (223)
2014年 05月 (218)
2014年 04月 (209)
2014年 03月 (185)
2014年 02月 (172)
2014年 01月 (191)
2013年 12月 (184)
2013年 11月 (183)
2013年 10月 (180)
2013年 09月 (153)
2013年 08月 (141)
2013年 07月 (154)
2013年 06月 (146)
2013年 05月 (152)
2013年 04月 (148)
2013年 03月 (130)
2013年 02月 (111)
2013年 01月 (123)
2012年 12月 (127)
2012年 11月 (120)
2012年 10月 (127)
2012年 09月 (117)
2012年 08月 (120)
2012年 07月 (122)
2012年 06月 (116)
2012年 05月 (122)
2012年 04月 (121)
2012年 03月 (123)
2012年 02月 (116)
2012年 01月 (122)
2011年 12月 (118)
2011年 11月 (113)
2011年 10月 (119)
2011年 09月 (110)
2011年 08月 (118)
2011年 07月 (118)
2011年 06月 (118)
2011年 05月 (123)
2011年 04月 (124)
2011年 03月 (117)
2011年 02月 (95)
2011年 01月 (109)
2010年 12月 (119)
2010年 11月 (110)
2010年 10月 (120)
2010年 09月 (74)
2010年 08月 (87)
2010年 07月 (113)
2010年 06月 (72)
2010年 05月 (67)
2010年 04月 (3)

SS検索
Ads
最新記事
Ads2
人気SSランキング