1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/27(月) 22:04:41.20 ID:2cU9V9/s0
伊織「あらっ、私があんたの家の前にいることに何か問題である?」
P「いや、それはないけどさ」
伊織「だったら別にいいじゃない」
P「でも、なんだってこんな時間に……もう結構な時間だぞ」
P「親御さんも心配するだろ。ほら、送ってやるから帰るぞ」
伊織「いや……」
P「いやって、伊織……」
伊織「あんな所、戻りたくない」
P「家出か……?」
伊織「……」
P「家出だな……」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/27(月) 22:14:01.33 ID:2cU9V9/s0
P(とりあえず、連絡しとかないとまずいよな)
Prrrr…Prrrr…
P「いつもお世話になっています。私、765プロのプロデューサー、Pと申します」
P「あっ、新堂さんですか? 実は……」
P「えぇ、そうなんです。俺の家にいるんですよ。はい、屋敷に帰りたくないと……」
P「えっ、俺が預かる? でも、それって色々と……」
P「出来ないなら、伊織を放っておくって、そんなこと出来るわけないじゃないですか!」
P「わかりました。伊織は今晩、俺が責任もって預からせてもらいます」
Pi……
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/27(月) 22:24:06.13 ID:2cU9V9/s0
伊織「新堂、何だって?」
P「頭を冷やせだってさ」
伊織「そんなのとっくに冷えているわよ! 頭どころか、身体中ね!」
P「こんな時期とはいえ、夜は冷えるからな」
伊織「誰のせいよ、誰の!」
P「伊織が家出しなければ」
伊織「あんたのせいよ! こんなに人を待たせて!」
P「勝手に来ておいて……」
伊織「なにか言った?」
P「いや、何も」
伊織「とにかく、入りましょう。ほら、開けなさいよ」
P「わかったよ……」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/27(月) 22:37:39.89 ID:2cU9V9/s0
P「ポタージュと、クリームスープどっちがいい?」
伊織「ポタージュ……」
P「わかった」
・
・
・
P「はい、どうぞ」
伊織「……」ズズッ
伊織「あまり美味しくないわ」
P「普段、伊織が家で食べているものと比べられてもな。インスタントだからしょうがない」
P「でも、少しは暖まっただろ?」
伊織「うん……」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/27(月) 22:45:44.32 ID:2cU9V9/s0
P「少しは落ち着いたかな?」
伊織「うん……」
P「それじゃあ、伊織……どうして、家出を?」
伊織「……」
P「伊織、焦らなくてもいい、ゆっくりでもいい。でも、わけを話してくれ」
P「俺は伊織のプロデューサーとして、伊織のことをちゃんと知っておきたい」
伊織「……」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/27(月) 22:55:00.16 ID:2cU9V9/s0
伊織「パパにもういいだろって言われたの」
P「伊織のお父さんが?」
伊織「うん。もう十分に人気もでたし満足しただろって、だからもうアイドルは」
P「なるほどな。確かに最近の伊織の人気はすごいよな。テレビをつけて、チャンネルを回せば大抵はどっかで映っているし」
伊織「私、頭きちゃって飛び出したわ。なに、人気がでたからアイドルやめろ?」
伊織「ふざけるんじゃないわよ! 私は遊び感覚でアイドルをやっているわけじゃないのよ!」
伊織「ここに来るまで、どれだけ苦労したか」
P「色々あったからな……」
P「それなのに、そんな風に言われたら、今までの努力とか苦労とか全部否定されているみたいだな」
伊織「まったくよ……」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/27(月) 23:03:39.58 ID:2cU9V9/s0
P「でもさ、伊織のお父さんもお父さんなりの考えがあるんじゃないかな?」
伊織「はぁ!? 子どもを応援するのが、親ってもんでしょ!」
P「でも、親は同時に子どもの将来を考えなきゃいけないと思うんだ。俺の親もうるさかったし」
伊織「……どういうことよ」
P「伊織、アイドルこのままずっと続けられると思うか?」
伊織「当然じゃない!」
P「10年、20年も先も? あずささんや音無さんより歳をくってもか?」
伊織「そ、それは……」
P「俺がズルい質問をしているのは、わかってる。そんな先のことなんて俺だって想像がつかない」
P「でも、これだけは分かっている。ピークを過ぎれば、後は落ちていくだけだ」
P「そうしている間に新しいアイドルが出てくる。そういった中には、とんでもないのがいるかもしれない」
伊織「……」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/27(月) 23:05:54.74 ID:6AS0jWio0
>>27 >P「10年、20年も先も? あずささんや音無さんより歳をくってもか?」
あ?
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/27(月) 23:12:35.05 ID:2cU9V9/s0
P「そいつらに勝てるか、10年先の伊織が?」
伊織「……」
P「俺は負けるとは言えない。でも、勝てるとも自信を持って言えない」
P「それこそ、惨めに負けるかもしれない」
伊織「まどろっこしいわね……つまり、あんたは何が言いたいわけ?」
P「だから、そういう風になってしまうより、今のいい時期でやめて、有終の美を飾る」
P「引き返せる内に、引き返す。それがお父さんの考えなんじゃないかな」
P「俺は伊織のお父さんじゃないから、これは俺の身勝手な予測でしかない」
P「世界有数の水瀬グループの頂点に立つ人だ。あまり考えなしで発言をすると思えないんだよ」
P「伊織自身も、今の考えに思う所はあっただろ?」
伊織「……」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/27(月) 23:16:45.40 ID:IJXr3m/kO
有終の美飾ってPと付き合っちゃえよ
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/27(月) 23:23:34.48 ID:2cU9V9/s0
伊織「引き返せる内に、引き返す……」
伊織「でも、それって妥協じゃない!」
P「そうとも言うな……」
伊織「私、そんなの絶対にいや!」
P「なら、伊織はどうしたい?」
伊織「私、まだまだこんなもじゃない。もっと、今よりずっと上にいけるわよ」
P「本当か?」
伊織「あんた、私を誰だと思っているの。天下の美少女、伊織ちゃんよ!」
P「だったら、それをお父さんに言ってあげな」
伊織「えっ……」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/27(月) 23:36:51.08 ID:2cU9V9/s0
P「伊織がアイドルに対して、それだけの想いがあるならそれを伝えればいい」
P「遊びじゃないって言ってやればいい」
P「そうしたら、お父さんも考えが変わるかもしれない。伊織の言うように、子どもを応援するのが親なんだから」
伊織「……そうね。あんたの言う通り、ちゃんと私の考えや想いを言うべきだったわ」
伊織「不思議ね。さっきまでパパのこと憎くて仕方なかったのに、今はちゃんと話せそう」
伊織「これって、やっぱりあんたが……」
P「どうした、伊織?」
伊織「なっ、なんでもない……///」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/27(月) 23:47:14.98 ID:2cU9V9/s0
P「さて、話もついたし、そろそろ寝るぞ。伊織、寝間着なんてないから私服のままで我慢しろよ」
伊織「はぁ!? 私の服に、あんたのベッドの匂いをしみつかせる気?」
P「いや、でもさ……」
伊織「方法は他にもあるでしょ」
伊織「その……あんたの服を着るとか」
P「……」
P「は?」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 00:04:32.43 ID:vDd5tW6S0
P「伊織……自分が何をいってるのか、わかっているのか?」
伊織「べ、別にやましいことじゃないでしょう?」
伊織「ほらほら、早く服を渡しなさい」
P「わかったよ……」
・
・
・
P「伊織、着替えおわったか……って、なんて恰好してるんだ!」
伊織「なにって、あんたが渡してくれたYシャツを着ているだけじゃない?」
P「ズボンはどうした? 短パンを渡しただろ?」
伊織「あれ、ウエストが違い過ぎて履いてもすぐにずり落ちちゃって、意味がないわよ」
P「……」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 00:06:10.63 ID:fAJUpQ/+0
裸ワイシャツキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 00:12:53.49 ID:vDd5tW6S0
伊織「あんた、目つきがいやらしいわよ」
P「そんなこと言われったて……」
伊織「……!」
伊織「変態!」ギュッ
P「あっ、裾を引っ張るな! 伸びるだろ!」
伊織「だって、見えちゃいそうじゃない!」
P「だから、ズボンを履けっていってるだろ!」
伊織「それが意味がないって言ってるでしょ!」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 00:23:06.96 ID:vDd5tW6S0
P「はぁ……わかったよ」
伊織「最初から、そう言いなさいよね」
P「んじゃあ、俺はさきに寝るぞ。明日には、お前を送ってやらなきゃいけないんだから」
伊織「ちょっと待ちなさいよ!」
P「……」
伊織「んしょっと……」モゾモソ
P「……」
伊織「あったかいわ……」
P「ベッドってそういうものだからな」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 00:30:44.02 ID:vDd5tW6S0
伊織「……ねぇ」
P「んっ……」
伊織「なんで、背を向けて寝ているわけ?」
P「今の伊織は、刺激が強すぎるから」
伊織「掛け布団で私の体は見えないわよ」
P「見える見えないの大したことじゃないよ。見てしまったというのが問題なんだ」
伊織「そんなの、私には関係ないわ」
伊織「だから、こっちを向きなさいよ。んぎぃいいっ!」グィイイッ
P「……」
伊織「んぎぃいいっ!」グィイイッ
P「なんなんだよ……もう」クルッ
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 00:46:31.90 ID:vDd5tW6S0
伊織「いい? あんたが来るのが、遅かったせいで私の体はすっごく冷えちゃったのよ」
P「は、はぁ……」
伊織「あんたには、私の体を温める義務が、責任があるわけだ」
伊織「だから、もっとくっつきなさいよ」
P「……」
伊織「早く!」
P「俺って、甘いんだな」
P「このくらいでいいか?」
伊織「もっと……ぴったりくっつけるくらいに」
P「これくらいか?」
伊織「うん……そのくらい」
伊織「……」ギュッ
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 00:51:50.96 ID:vDd5tW6S0
P「……」
伊織「すぅ、すぅ……」
P「眠れない……」
P「だって、自分の担当アイドルと寝ているんだぞ?」
P「とても落ち着いてなんかいられない」
P「むしろ、なんで伊織はこんな安心しきった顔でねているんだ?」
伊織「うんっ……」
P「……っ!?」
P「伊織の足が……俺の足に」
伊織「んっ~」
P「抱き枕のつもりかよ」
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 00:59:00.33 ID:vDd5tW6S0
P「……抱き枕か」
P「よいしょっと……」
伊織「すぅ、すぅ……」
P「ええい、ままよ」
P「……」ギュッ
P「あっ、ちょうどいい大きさだ」
P「それに柔らかくて、いいにおいだ」
P「何か……急に眠くなってきたな」
P「……」
P「ぐぅ……」
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 01:06:29.08 ID:vDd5tW6S0
翌朝……
伊織「うんっ……もうこんな時間」
伊織「……っ!」
伊織「な、なんでこいつがここにいるのよ!」
伊織「あれ……私のベッドじゃない」
伊織「あっ……そっか私、こいつの家に泊まったんだ」
P「……」
伊織「それにしても、見れば見るほど締まりのない間抜けな顔ね」
伊織「でも……私はこいつにたくさんほめてもらって、たくさん支えてもらっているのよね」
伊織「私とこいつで、美女と野獣かしら……にひひっ!」
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 01:11:48.87 ID:vDd5tW6S0
伊織「……」
P「……」
伊織「まだ起きてないわよね……つんつん」
P「う~ん……」
伊織「!?」
P「……」
伊織「……」ドキドキ
P「すぅ……」
伊織「ほっ……」
伊織「本当に眠っているみたいね」
伊織「……」
伊織「よしっ!」
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 01:21:28.78 ID:vDd5tW6S0
P「うっ……う~んっ!」
伊織「ようやくお目覚め? いい御身分ね」
P「伊織……おはよう」
伊織「おはようじゃないわよ。さっさと着替えて準備しなさい」
伊織「朝ごはん、簡単だけど作っておいたから」
P「あぁ……ありがとう」
P「んっ?」
伊織「なに、どうかしたの?」
P「いや、唇がなんか濡れているから……どうしたのかと思って。それと、口の中がかすかに甘い香りが」
伊織「!」
P「なんでだろう?」
伊織「さっ、さぁ? 飴でも舐めて、寝たんじゃない」
P「何を焦ってるんだ?」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 01:33:49.30 ID:vDd5tW6S0
伊織「ほらほら、行くわよ、プロデューサー! パパに思いっきりガツンと言ってやるわ!」
P「はいはい、わかってるよ」
伊織「ねぇ、プロデューサー……」
P「どうした?」
伊織「もし私が10年、20年経ってもアイドルやってたら、あんたは私のプロデューサーでいてくれるの?」
P「もちろんだ。伊織のそばが、俺の居場所だよ」
伊織「そ……そう、ならよかった。途中で嫌になって逃げられたら、たまらないしね」
伊織「だったら、これからもずっとずぅ~っと私の面倒を見なさい! 約束よ!」
fin
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 01:35:05.15 ID:Oiwg9gNe0
乙でござった
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 01:37:02.74 ID:TyXjqsZX0
乙
いおりんまた書いてね
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 01:37:09.82 ID:kLNW00AG0
`・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ
>>1さんおつか~れ
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 01:38:22.02 ID:7eIW9W2U0
おつなのー!
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 01:38:48.60 ID:vDd5tW6S0
乙をありがとう。
スレタイを処女膜から声が出てないと書かないで、エロを抜いただけでこうも変わるとわな
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 01:39:11.11 ID:c548aezW0
やはりいおりんはかわいいおつ
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 01:41:01.87 ID:VA3nHasy0
乙
ギリで間に合った
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/08/28(火) 02:01:25.40 ID:JHLzKkOa0
なんだただの天使か
転載元
P「伊織、どうしてここに?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1346072681/
水瀬伊織(CV:釘宮理恵) 双海亜美(CV:下田麻美) 三浦あずさ(CV:たかはし智秋)
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