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イカロス「はじめてのいえで みかくにんせいぶつへん」

1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 13:36:41.31 ID:94fvRy1x0
智樹「うわああああ! 寝過ごしたー!」

イカロス「マスター、おはようございます」

智樹「おはよう! …ってもう昼だ!」

イカロス「慌ててどうなさいましたか?」

智樹「今日先輩に呼ばれてんだよ! 俺もう行くから、昼飯いらない!」

イカロス「あの…今日のお夕飯はどうしましょうか?」

智樹「今日は寒いから鍋がいいな。その辺にメモあるからそれ見て買ってきて! それじゃあ!」

イカロス「いってらっしゃいませ…」


3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 13:38:27.90 ID:9pAYehj00
そらおとSSとは珍しいな
続けたまえ

5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 13:39:52.64 ID:94fvRy1x0
イカロス「メモ…メモ…」

見つからない。近くにあるはずだけど…。
あっちこっち探してみたけど、なかなか見つからず時間がかかってしまった。

イカロス「あとは…」

探してないのはマスターの部屋だけだ。
ないとは思うけど、念のため探してみることにした。

イカロス「ない…」

やはり見つからなかった。このままでは買い物に行けない。
そうなれば、またマスターに怒られてしまう…。

イカロス「あ…」

そういえば、この間そはらさんから料理の本を貸してもらった事を思い出した。
その本にはいろいろな料理の材料や作り方が載っていた。
参考になればいいのだけれど…。
確か置く場所に困り、マスターの部屋の押入れにこっそり入れておいていたはず。

7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 13:43:34.10 ID:94fvRy1x0
ガラッ バサバサッ!

前よりも本の量が増えている…。

イカロス「あ…これ…」

大量の本の中から、メモらしき紙を見つけた。
これで買い物に行ける。

イカロス「こん…どーむ、おなほー…る…?」

メモには見たことのない材料が書かれていた。
グラムや本数などの単位が書いていないため、どれくらい買えばいいのか分からない。

イカロス「そはらさんに聞けば分かるかもしれない」

メモとお財布をカバンに入れ、そはらさんの家に行くことにした。

8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 13:47:05.00 ID:94fvRy1x0
ぴんぽーん ぴんぽーん ぴぴぴぴぴんぽーん

留守のようだ。メモを探すのに時間がかかってしまったため、あまり余裕がない。
すぐに行かないといけないが、材料がよく分からない…。

智樹(いいかイカロス。買い物してる時に分からないことがあれば、すぐにお店の人に聞くんだぞ)

…そうだ、お店の人にメモを見せればきっと分かるはず。
量は…少し余裕をもって多めに買うようにしておくことにする。
時間がないため、マッハ24でお店に向かった。

9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 13:50:47.47 ID:94fvRy1x0
イカロス「…やっと着いた」

お店の前で止まるつもりが、よく分からない場所についてしまい空見町に戻るのに時間がかかってしまった。

店主「いらっしゃいイカロスちゃん!」

イカロス「あの…これをください…」

店主「ん? どれどれ…」

メモを渡したが、しばらく反応がない。
心拍数、体温が上昇、汗をかいているが特に異常は見当たらない。

イカロス「あの…」

店主「え?…あ、あぁ。これは何かの冗談かい? イカロスちゃんも人が悪いなあ、アハハハ…」

イカロス「材料のメモです。マスターに頼まれて買いに来たのですが…」

10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 13:54:31.77 ID:94fvRy1x0
店主「材料? 智坊が? ……うちの店には売ってないよ」

イカロス「どこに売っていますか?」

店主「え!?」

お店の人が言うには、隣町のあだるとしょっぷという所にあるようだ。
なぜ料理の材料を買うのに隣町まで行かなければ手に入らないのか…。
釈然としないけれど、とりあえず行くことにした。



店主「…なんだったんだ今のは?」

おばちゃん「あら? どうかしたの?」

店主「…実は」

11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 13:59:41.80 ID:94fvRy1x0
美香子「あら~、あれはイカロスちゃんじゃない。あんなに急いでどうしたのかしら?」

店主「全く対応に困ったよ。いろんなお客さん見てきたけど、あんなこと聞かれたのは初めてだよ」

おばちゃん「全く…イカロスちゃんにそんなもの買いに行かせるなんてねえ?」

おっさん「けしからん! 最近の若者は実にけしからん!」

美香子(何か面白そうな話をしているわねえ)

美香子「あの~、そのお話し詳しく聞かせてくださいませんか?」

12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:03:59.31 ID:94fvRy1x0




守形「…で、ここがこうで」

智樹「全然わからん…」

美香子「ふふふ…桜井君、あなたまた面白いことしてるわねえ」

守形「美香子…」

智樹「面白いことって?」

美香子「とぼけても無駄よ。今夜はお楽しみね~」

智樹「はあ? 一体何のことですか?」

美香子「会長はこれから忙しくなるからもう行くわね。じゃあね~」

智樹「何だったんだ?」

守形「……」

14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:08:04.41 ID:94fvRy1x0
イカロス「ここがあだるとしょっぷ…」

中に入ると、本やよく分からない箱などいろいろ売っていた。
先ほどから他のお客さんが私をジロジロ見ていた。
動力炉から違和感を感じる。早く出たほうがいいような…そんな気がする。

イカロス「あの…これを探しているのですが」

お会計を済ませ、素早く店を出た。これで材料は一通り揃った。
…それにしても、いつもよりかなりお金が掛かった。
きっとおいしい料理ができるはず。それでマスターが喜ぶ。
早くマスターの喜ぶ顔が見たい…。

15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:13:02.59 ID:94fvRy1x0




ニンフ「あ~、おいしかった!」

そはら「ここのパフェすごくおいしいね! 今度はイカロスさんとアストレアさんも一緒に連れてこようか」

ニンフ「デルタはやめといたほうがいいかもね。お会計が大変なことになりそうだし」

そはら「だったらトモちゃんも連れて行って、トモちゃんに払わせておけばいいんじゃない?」

ニンフ「あはは! それ名案!」

美香子「あら~、あなたたち」

そはら「あ、会長。お買い物ですか?」

美香子「いいえ、…ねえ、さっき商店街で面白いこと聞いちゃったんだけど…」

ニンフ「何? 面白いことって?」

美香子「うふふ…実はねえ…」

16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:16:38.12 ID:94fvRy1x0
智樹side

智樹「ああ、腹減った~」

今頃イカロスは飯を準備して待っててくれてるだろうし、寄り道しないで早めに帰るとするか。
イカロスはちゃんと買い物できたんだろうな?
最近は1人でも買い物できるようになったし、メモがあるから心配ないとは思うけど…。
あれ? そういえばメモどこに置いてたっけ?
いや、そもそもメモなんて用意してたか…?

智樹「ま、心配することもないか…ん?」

なんかさっきから、周りの人が俺を白い目で見てるような…。
気のせい…だよな…。

17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:19:30.21 ID:94fvRy1x0
アストレア「お腹すいた~」

智樹「よ! また飯に困ってんのか」

アストレア「うっさい、バーカ!」

智樹「そうかそうか。そういや今日の飯かなり豪勢なんだよな~」

アストレア「え?」

智樹「でも、バカ呼ばわりされたんじゃ、誘いたくもなくなるよな~」

アストレア「う~…。あっ、そうだ。いい情報があるんだよね~」

智樹「何だよ、いい情報って?」

アストレア「知りたければ、私にご飯を食べさせなさい!」

こいつ…。

18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:23:24.42 ID:94fvRy1x0
智樹「どうせ、たいしたことないんだろ」

アストレア「そんなことないよ! ししょーから聞いたことなんだから!」

智樹「会長から…」

守形(美香子のやつに気を付けたほうがいい。あれは何か企んでいるぞ)

智樹「…何を聞いたんだよ?」

アストレア「イカロス先輩が…えーっと、なんだっけ?」

智樹「イカロスが何かしたのかよ?」

アストレア「んー、何を買ったんだっけ? よく分からないものを買ったってししょーがいろんな人に話しをしてた」

あー、先輩。本当に何か企んでますね、これは。
さっきから俺をじろじろ見てる人たちも、イカロスの買い物と関係してんのか?
もう訳が分からん!! いつの間にか、また俺の平和が崩れてしまったみたいだ…。

19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:27:11.22 ID:94fvRy1x0
智樹「ただいま」

アストレア「おっ邪魔しまーす!!」

イカロス「お帰りなさいませ、マスター。いらっしゃい、アストレア…」

智樹「先輩、お腹すきましたー!」

イカロス「ご飯の用意は出来てるわ」

智樹「そうか、じゃあさっそ…」

何だこれは…。鍋のなかに如何わしい物がたくさんぐつぐつ煮えているんですが…。

アストレア「うわあ! おいしそう!」

どこがだよ!! 見たところ、オナホールやらディルド等々。
そして、ドロドロしてそうな感じのスープはもしかしてローショ…いやもう考えたくない。
こんな闇鍋は…いや、鍋ですらないな。さすがに変態という名の紳士である俺もどん引きだ…。

智樹「おいイカロス…これは何だ?」

イカロス「今夜のおかずです…」

20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:31:05.43 ID:94fvRy1x0
イカロスside

結局マスターに怒られ、げんこつのお仕置きをされてしまった。
やはり材料ではなく、あれらが何だったのかまでは教えてはくれなかった。
大急ぎで材料を買いに行って、早く家に戻った。

イカロス「あ…そはらさん、ニンフ」

マスターが床にひれ伏している。そはらさんからいつもの制裁をくらったのだろうか。
私のせいでまたマスターに迷惑をかけてしまった…。

そはら「イカロスさん! いくらトモちゃんの命令でもあんなもの買ってきちゃだめよ!」

イカロス「はい…気を付けます…」

智樹「ちょっと待て! 俺はそんな命令なんてしてねえ!」

そはら「嘘おっしゃい! ちゃんと会長から聞いたんだからね!」

智樹「何を聞いたか知らないが誤解だ! 俺の話しを聞いてくれー!!」

アストレア「これ柔らかいのに、噛みきれない…」 モグモグ

ニンフ「それおいしいの?」

21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:34:01.51 ID:J7VNZp/Ii
そらおとのキャラは総じて安産型

22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:35:07.33 ID:94fvRy1x0




イカロス「あの…マスター…」

智樹「ん?」

イカロス「すみませんでした。私のせいでまたマスターにご迷惑をおかけしました」 しゅん…

智樹「いや、もういいよ。お前に悪気ないのは分かってるし、そもそも俺がうっかりしてたのが原因だしな」

イカロス「ですが…」

智樹「さっきは怒鳴ったうえにげんこつして悪かったよ」 なでなで

なぜマスターが謝るんだろう? 落ち度は私にあるのに…。
なぜ頭をなでるのだろう? さっき叩いたことを気にしているからだろうか…。
なぜ動力炉が温かいのだろう? 分からない…。
分からないことばかりだけど、マスターが私を大切にしてくれていることだけは分かる。
私も…マスターを大切にしたい…。

24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:38:34.41 ID:94fvRy1x0
智樹side

そはら「…おはようトモちゃん」

智樹「おはよう…」

気まずい。昨日の誤解を解いたつもりだが、まだどこか疑ってんのかもしれない。

そはら「トモちゃん…」

智樹「は、はい! なんでしょう?」

そはら「昨日のあれ、ちゃんと捨てたんでしょうね?」

智樹「もちろんだよ」

昨日の晩、そはらから例のブツたちを捨てるように言われていた。
でも勿体ないから、せっかくだし押入れに隠しておくことにした。

そはら「…本当に?」

智樹「本当だって」

そはら「…分かった。じゃあ、そろそろ学校に行こう」

ぷっ…バカめ…。

25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:42:52.80 ID:94fvRy1x0
イカロス「そはらさん…」

そはら「どうしたの?」

イカロス「この間お借りした料理の本を返そうと思いまして」

そはら「ああ、あれね」

イカロス「その…一緒に探してほしくて…」

そはら「え? なくしちゃったの?」

イカロス「いえ、ちょっとちらかってる場所に置いてて、一緒に探したほうがすぐに見つかるかと思ったので…」

そはら「うん、分かった。トモちゃん、ちょっと待ってて」

智樹「早くしろよ」

27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:46:13.13 ID:94fvRy1x0
2人は二階に上がっていった。さて、戻ってくるまでの間どうしようか…。

ニンフ「ねえ、トモキ…」

智樹「ん?」

ニンフ「結局昨日のあれ何だったの?」

智樹「お子様には関係ありません!」

ニンフ「むぅ! エンジェロイドにお子様も大人もないもん!」

智樹「とにかくだ! あれの話しは終わり!」

ニンフ「ふん! どうせトモキのことだから、いやらしいことに使うつもりだったんでしょうけど」

トモキ「ぐ…鋭い…」

ドサドサッ…

智樹「ん?」

28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:51:34.65 ID:94fvRy1x0
上から大きい物音が聞こえたが…イカロスのやつまた何かしたか?

智樹「……!!」

なんだこのプレッシャーは!?

そはら「と~も~ちゃ~ん…」

プレッシャーの正体はこいつだったか。

そはら「これ何かな~?」

あれはイカロスが買ってきた相棒じゃないか!?
なぜそはらがあれを…?

イカロス「マスター…その…」

ああ…そういえば、イカロスの料理の本は俺の押入れにおいてて、それがきっかけで昨日の事件が起こったんだ。
その本を探しに行った2人が、俺のエロ本とともに相棒を見つけて今ここ…という訳か。抜かった。

29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:55:10.62 ID:94fvRy1x0
そはら「さっき捨てたって言ったよね…?」

智樹「あー…ごめん! 捨てるの忘れてた!」

そはら「やっぱり嘘だったんだ…。覚悟はできてるんだよね…?」

智樹「待てって! 本当は、今学校行くとき捨てようと思ってたんだよ!」

智樹「それで…とりあえず押入れに保管してたわけだ」

そはら「…ふーん、まあいいよ。ゴミ袋貸して。私が捨てておくから」

智樹「いいって! 俺がちゃんと捨てとくから」

そはら「そっか。じゃあ任せるね」

智樹「おう! 後は俺に任せておけよ」

そはら「……」

智樹「……」

30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 14:58:15.67 ID:94fvRy1x0
イカロスside

智樹「おおー、いてえ…」

そはら「ふん!」

ニンフ「あんたたちのやりとりはいつ見ても飽きないわね」

イカロス「……」

また私のせいでまたマスターに迷惑を…。
マスターのそばにいたらまた私は…。

智樹「どうしたイカロス? 元気なさそうだな」

イカロス「いえ、何でもありません…」

迷惑をかけたうえに、心配までさせてはいけない。
なるべく普段通りにしておこう。



男生徒「聞いた? C組の桜井がさあ…」

男生徒「自分で買いに行けよwww」

女生徒「やっぱり最低…」

智樹「なぜ昨日のことが、もうこんなに広まってるんだ…」

31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:02:06.71 ID:94fvRy1x0
美香子「あら~、おはよう~」

智樹「やっぱりあんたが原因か!」

美香子「私は、昨日の面白い話しをちょっとだけ教えただけよ~」

智樹「そのちょっとだけで、なんで学校中の噂になってんだー!!」

守形「美香子、お前というやつは…」

ニンフ「別にいいじゃない。評価0から下がることなんてないんだから」

アストレア「ぷすすっ、バーカ!」

智樹「うるせーぞお前ら!」

竹原「桜井、後で職員室に来なさい」

智樹「そんな…」

イカロス「……」

やっぱり…私はマスターのそばにいないほうがいいんじゃ…?
私ではマスターを大切にすることが出来ない…。

32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:06:20.52 ID:94fvRy1x0
智樹side





アストレア「お腹がすきましたー!!」

ニンフ「そればっかりね…」

そはら「確かにお腹すいたね。みんなでお昼ご飯食べよ!」

智樹「あれ? イカロスは?」

そはら「さっきまでいたと思ったけど、どこに行ったんだろう」

智樹「そのうち戻ってくるだろう。先に食べてようぜ」

結局イカロスは教室には戻らず、放課後の部室にも姿を現さなかった。

33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:10:59.73 ID:94fvRy1x0
智樹「イカロス!」

くそ! 家にもいないのか!
一体どこ行ったんだ? まさかあいつの身に何かあったんじゃ…。

そはら「どう? イカロスさんいた?」

智樹「いや…」

アストレア「ニンフ先輩、見つかりそうですか?」

ニンフ「難しいわね。アルファーのステルス機能は万全だから」

守形「とにかく手分けをして探したほうがよさそうだな」

美香子「そうね…」

智樹「ん、これ…。……!」 ダッ!

そはら「と、トモちゃん!?」

守形「置き手紙…?」

美香子「なんて書いてあるの?」

守形「……今までお世話になりました、イカロス」

34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:15:13.72 ID:94fvRy1x0
町中を探し回ったが、未だに見つからない。
一体どこ行っちまったんだよ…。イカロス……。

――

智樹「よーし! 次はあっち行こうぜ!」

友達A「なあ智樹、今日はこの辺にしようよ。今日だって、怪我した人でたんだからさ…」

智樹「ちぇー、じゃあいいや。また明日な!」

友達B「…ねえ、もうあいつに関わるのやめようよ。振り回されるのはたくさんだ!」

友達C「ああ、そうだな…」

35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:19:10.21 ID:94fvRy1x0
智樹「おーい、今日も山の方に冒険に行こうぜ!」

友達A「あ、俺パス」

友達B「俺も…」

智樹「……何だよ、あいつら。最近付き合い悪いな」


友達D「昨日のクリスマスパーティー楽しかったな!」

友達E「Aのやつがさあ…」

智樹「……」

――

……イカロスが急にいなくなるから、昔のこと思い出しちまったじゃねえか…。
何でいなくなるんだよ。お前までいなくならないでくれよ、イカロス……。

37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:22:26.50 ID:94fvRy1x0
すっかり暗くなっちまった。
…この夜空を見てるとあいつが降ってきた日を思い出す。

智樹「あ…桜の木…」

そうだ、まだあそこを探してなかった。




イカロス「……マスター」

智樹「何やってんだよ、ここで。まったく、心配させやがって」

イカロス「!」

智樹「待てって! なんで逃げようとするんだよ!」

38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:25:12.84 ID:94fvRy1x0
イカロス「私は…マスターの傍にいてはいけません」

智樹「な…何でだよ?」

イカロス「傍にいれば、またマスターに迷惑をかけてしまう。傷つけてしまう」

イカロス「マスターは私を大切にしてくれてるのに、私ではマスターを大切にすることができない…」

智樹「はあ…」

それで家出したと…。まったくお前というやつは。

智樹「確かに傷ついたよ。突然いなくなったから、お前にまで見捨てられたのかと思ったよ」

イカロス「! 違います…」

智樹「前にも言っただろ? お前と一緒にいたいって」

智樹「だいたいお前が思ってるほど、俺は迷惑だなんて思ってねえよ。」

イカロス「ですが…このままでは私はマスターを大切にできません」

39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:28:24.64 ID:94fvRy1x0
智樹「大切にできてるよ」

イカロス「え…?」

智樹「お前は俺のために、いつも一生懸命に考えてくれてるじゃん。大切に想われてるんだって」

イカロス「でも、ただ想うだけではいずれまた…」

智樹「…駄目なのかよ? 想うだけじゃ」

イカロス「!」

智樹「こうやってさ、俺のことを想ってくれる人がいるのってすげえ幸せなことだと思う」

智樹「そりゃあ、ただ考えていたり、想っているだけじゃ駄目なことだってあるけどさ……。でも…俺はいいと思う」

智樹「だからさ、お前が苦しむことなんてないんだ。それに……俺はお前がいない方が苦しい」

40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:31:09.32 ID:94fvRy1x0
イカロス「マス…タ…」

智樹「帰ろう。な?」

イカロス「はい…マスター…」

美香子「あら~、ニンフちゃんに続いて、イカロスちゃんまで泣かせるなんて本当に鬼畜ねえ~」

守形「探したぞ、智樹、イカロス」

智樹「げえ!? いつからここに!?」

美香子「何やってんだよ、ここで。まったく、心配させやがって…のあたりかしらね~」

智樹「最初からかよ!! いたなら隠れなくていいだろ!!」

守形「イカロスに声をかけようとしたら、お前がちょうど出てきてな。任せてみようと思ったわけだ。」

智樹「どういうわけだよ…。」

そはら「もう、心配したんだよイカロスさん」

イカロス「すみませんでした…。もう大丈夫です」

41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:33:09.54 ID:94fvRy1x0
アストレア「安心したらお腹すいたー!!」

智樹「そうだな、皆で何か食べに行くか」

イカロス「……あの、マスター」

智樹「どうした?」

イカロス「迷惑をかけたお詫びに…その…」

智樹「ん? 何だよ?」

イカロス「私を食べてください…」

智樹「……今なんと?」

イカロス「私を食べてください」

智樹「うわああああ! 聞こえてるから言わんでくれー!!」

そはら「……」

ニンフ「……」

美香子「あら~、また修羅場になりそうな予感がするわね~♪」

42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:35:27.34 ID:94fvRy1x0
イカロス「以前、マスターの本に生クリームを塗っている女の人のページを見まして…」

イカロス「それで…こういうのが好きなんだと分かり、いつかやろうと思っていました」

智樹「いやあ、確かに嫌いではないけど…」

そはら「……トモちゃんの」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

智樹「ちょ、ちょっと待って!」

そはら「バカーーーーー!!!」

智樹「ぎゃああああああああああああ!!」

ニンフ「私も加勢するわ!」

アストレア「よく分かんないけど、私も!!」

43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:38:04.14 ID:94fvRy1x0
イカロス「……また迷惑を」

守形「いいんじゃないのか?」

イカロス「守形先輩…」

守形「あいつは平和が一番と言ってはいるが、こうやって騒いではしゃぐ日常もまんざらではないだろう」

イカロス「……はい」

智樹「お助けをー! イ、イカロス…助けてくれー!!」

イカロス「はい、マスター…」 タタタ…

守形「……やはり心配するほどのことではなかったか」

美香子「それはどうかしらね~。顔には出てないけど私にはお見通しよ~」

守形「何か根拠があるのか?」

美香子「顔を見ればわかるわよ。私たち長い付き合いでしょ、英くん?」

守形「……」

45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:41:13.83 ID:94fvRy1x0
ニンフ「さ、トモキはほっといて皆でご飯食べに行こう!」

アストレア「おー!!」

智樹「おい待て! この縄をほどけ!!」

そはら「エッチな智ちゃんはここで反省しなさい!」

美香子「さあ、レッツゴ~」

智樹「おい…冗談だろ!? この薄情者どもー!!」

イカロス「……」 するする…

智樹「おお! サンキュー、イカロス!」

イカロス「いえ…」

イカロス「私はマスターと一緒にいたいですから…」

46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:45:09.00 ID:94fvRy1x0
智樹「……なあ、イカロス」

イカロス「何でしょうか?」

智樹「もう2度と勝手にいなくなるなよ…」

イカロス「はい、マスター。私もマスターから離れたくありません」

智樹「約束だからな」

イカロス「はい…マスター…」


美香子「ふふふ…仲睦まじいわね~」 ジー

守形「……もう何も言うまい」

47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:47:46.60 ID:94fvRy1x0




智樹「さあ、飯にしようぜ」

アストレア「いっただきまーす!!」

ニンフ「…あれ? テレビが映らない…。これじゃ昼ドラ見れないじゃない!」

そはら「どうしたんだろ…故障?」

智樹「あっ、映っ…ん?」


智樹『お前と一緒にいたい……俺はお前がいない方が苦しい』

イカロス『マス…タ…。はい、もうマスターから離れません』

48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:50:04.88 ID:94fvRy1x0
智樹「ブー!!! なんだこれはーーー!?」

男生徒「これって智樹とイカロスちゃん!!」

女生徒「え、何々?」

ざわ…   ざわ…

イカロス『私を食べ…』

智樹「うわーーーーー!! わーーーわーーーー!!!」  ブツッ

智樹「はあはあ…。危なかった…」

智樹「どうせ会長のしわざだろ! 文句言いに行ってやる!」

イカロス「あ…マスター、私も行きます」

そはら「……最近のイカロスさん、前よりもトモちゃんにくっついてる感じがする」

ニンフ「しかも手繋いでるし……」

50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:53:28.03 ID:94fvRy1x0
智樹「あのさ…イカロス」

イカロス「何でしょうか?」

智樹「学校で手を繋ぐのはやめないか? 周りの人が見てる…」

ああ…もう完全に勘違いされたな。さようなら…俺の平和よ…。

イカロス「……嫌です」

イカロス「もう離れないって約束しましたから…」

……これでいいのかもしれない、毎日トラブル続きでも。
いや、本当はとっくの前から思っていたんだ。こんな日々がいいって…。

智樹「…分かった。行こう、イカロス」

イカロス「はい…マスター…」

気のせいかもしれないけど、今イカロスが笑ったような…そんな気がした。





51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 15:54:58.70 ID:94fvRy1x0
最後まで見てくれてどうもありがとうございました
早く3期始まらないかな…

52 忍法帖【Lv=8,xxxP】 :2012/05/08(火) 16:04:19.47 ID:opUy6lA90
三期あるのか?

もし3期あったら4期もでるな

53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/05/08(火) 16:27:43.63 ID:EDfwF5WWi
3は既に公式発表されてたような

そらのおとしもの (14) (カドカワコミックスAエース)
水無月 すう
角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-03-19)
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  1. 774@いんばりあん [ 2012/05/09 16:54 ]
  2. イカロス可愛いよイカロス
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