1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 03:56:22.80 ID:YJwgyX6y0
鬼「分かってはおるが、こうも嫌われ続けるのは寂しいものじゃ」トボトボ
鬼「どこもかしこも豆をまきおって・・・む?」
鬼「・・・この家は豆をまかぬのか?」
鬼「誰ぞおらぬか」コンコン
キィ
「・・・どちら様で?」
鬼「我は鬼じゃ。気になる事があるゆえ、訪ねて参った」
「販売とかはお断りしてます」
鬼「待たぬか。売るような物なぞ持ってはおらぬ」
「・・・コスプレとかは興味が無いので、うちは結構です。それにインターホンがついt」
鬼「ええい。それより、なぜ豆をまかぬ?鬼なぞ恐るるに足らぬと申すか?我が恐ろしゅう無いと申すか?」
「いえ・・・別に・・・(豆の訪問販売?)」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 03:58:04.18 ID:YJwgyX6y0
鬼「・・・とりあえず本日は節分じゃ、豆をまくが良いぞ」
「鬼、なんですよね?」
鬼「うむ。この角を見るが良い。勿論本物じゃ。触ってみよ」
「・・・」つんつん
鬼「どうじゃ?」
「(特殊メイクじゃなさそう・・・)・・・所で、鬼が豆まきをしろと言うのは矛盾してる様な」
鬼「それもそうじゃのう・・・どこもかしこも豆をまいておる最中、まいておらぬこの家が気になっただけじゃ。少し嬉しゅうてな、フフ」クスクス
「・・・」ドキ
鬼「何はともあれ、豆をまくが良いぞ。邪魔したな、人の子よ」
「・・・」
鬼「ああ、あと、恵方巻は嘘じゃ。あの様な物は人間が人間の都合で後付けしただけでな」
「へぇー」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 03:58:17.48 ID:0OEUd1P20
ひのもとおにこか
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 03:58:58.92 ID:YJwgyX6y0
鬼「鰯の煙が邪を祓うのは本当じゃ」
「ほぉー」
鬼「・・・それと、我は金棒の様な重い物は好かぬ」
「・・・」
鬼「・・・冷えるのぅ」チラ
「・・・ちょっと上がります?」
鬼「何を申しておる。鬼なぞ家に上げるものではない」
「少し、どうぞ?(目が輝いてる・・・)」
鬼「そこまで申すならば仕方無いのう」
「はい」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:00:53.44 ID:YJwgyX6y0
鬼「温かいのぅ」
「コタツは初めてで?」
鬼「知ってはおったが、入るのは初めてじゃ。いつもはこうして陰火をな・・・」ボッ・・・ユラユラ
「・・・何か出てる」
鬼「陰火にあたるか?」
「結構です・・・なんか怖いし」
鬼「ふむ。しかしこのコタツ、何とも言えぬ良き物じゃ」
「お茶でもどうぞ」コトッ
鬼「おお、すまぬな。人の子よ」ズズッ
「人の子、ではなくて名前h」
鬼「これ、我に名を申すでない」
「言ったら・・・」ズズッ
鬼「縛られ喰らわれ地獄逝きじゃ。逝きたくはなかろう?」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:02:05.82 ID:YJwgyX6y0
「じ、地獄・・・」ゴクッ
鬼「ほう?流石に地獄と聞いては強張るか。本来ならば、我を見た時に表情を変えるはずであったがの」
「見た目は怖くないと言うか何と言うか・・・」
鬼「変わり者じゃな」
「豆をまけと言う鬼も変わってる様な」
鬼「それもそうじゃのう。フフ」クスクス
「・・・」ドキ
鬼「如何した?」
「何も・・・」
鬼「そうか」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:03:14.01 ID:YJwgyX6y0
「・・・」ズズッ
鬼「・・・」ズズッ
「ふー」
鬼「ふー」
「ん」
鬼「ん・・・フフ」クスクス
「・・・」ドキ
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:04:25.63 ID:YJwgyX6y0
・・・
「鬼さーん?」
鬼「」スースー
「鬼さーん?」
鬼「」スースー
「鬼もコタツの魔力には負けると・・・」
「角触りますよー?」つんつん
鬼「ん・・・」スースー
「さっきの火の玉と言い・・・本物ぽい・・・」
「ほっぺ触りますよー・・・?」・・・ぷにっ
鬼「んん」フルフル
「っ!」ビクッ
鬼「ん・・・」スースー
「柔らか・・・(起きたかと思った」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:05:22.07 ID:YJwgyX6y0
「安心したらお腹すいたなぁ」グルルキュー
「ご飯作ろう」
トンットンットンットンッ・・・
トントントン・・・
ぺちぺちこねこねぺちぺちこねこね
ぺちこねぺちこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちこね
「晩御飯、ども…。自分みたいに、鬼が寝ている間にハンバーグ作ってる人居ますか?って居ないよね、はは」
ぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちこねぺちこねぺちこねぺちこねぺちぺちこねこね
「今日の鬼さんとの会話。恵方巻は後付けとか、鰯の煙が良いとか。ま、それが普通ですよね」
ぺちこねぺちこねぺちぺちこねこねぺちこねぺちこねぺちぺちこねこねぺちこねぺちこね
「かたや自分はハンバーグをこねながら台所の片隅で呟くんです。玉ねぎは大きめのみじん切りがBEST。歯応えがある?それ、好みね」
鬼「先程から唱えておるのは何かの?」
「っ!」ビクッ
鬼「経の類いではない様じゃが」
「・・・ついつい」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:06:19.87 ID:YJwgyX6y0
鬼「夕食の時間か、長居してしもうたようじゃ。すまぬな」
「いえいえ」
鬼「そろそろ帰るとしy」 グルルキュー
「・・・」
鬼「・・・」
「・・・よかったら夕食も」
鬼「穴があれば入り尽くしたい想いじゃ」
・・・
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:07:13.37 ID:YJwgyX6y0
「ハンバーグと、ポテトサラダと、白菜とベーコンのコンソメスープです」
鬼「はんばぁぐ?ぽてっとさらだ?白菜とべぇこんこんのそめすぅぷとな・・・?」
「いただきまーす」
鬼「面白い。我と戦うつもりか?」
「えっ」カチャ
鬼「フフフフ・・・人の子とは無謀を好む・・・いつかの桃太郎とか申した者の様にのう?」
「鬼さーん?」
鬼「あやつは泣きながら土下座して仕方無く許し・・・」ブツブツ
「話が見えないんですが」
鬼「もっとも、その玩具の様な槍と太刀では我に掠り傷一つ残せぬがのう」
「・・・これはナイフとフォークで、箸のかわりにこうやって」カチャカチャ・・・パクっ
鬼「・・・ほう」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:07:18.37 ID:7oPi7KW10
ぺちこねぺちこね
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:08:23.83 ID:YJwgyX6y0
鬼「箸のかわりにしては物騒な代物じゃの」カチャカチャ
「お口に合うでしょうか」
鬼「・・・ん」モグモグ・・・ゴクッ
「・・・」
鬼「素晴らしい、ここまで美味な夕食は初めてじゃ」
「それは流石にほめすぎな気も」
鬼「謙遜するでない。フフ」クスクス
「・・・」ドキ
鬼「次はこんこんすぅぷをいただくとするかのう」
「コンソメスープです、鬼さん」
鬼「う、うむ」
「実は一番自信があるのはスープで・・・・・・何か?」
鬼「・・・本当に変わった人の子じゃ。鬼をもてなしても良き事なぞ無かろうて」
「不満でも・・・?」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:09:07.55 ID:YJwgyX6y0
鬼「逆じゃ。我は今、満たされておる。怖いくらいにのう?フフ」クスクス
「・・・」
鬼「せっかくの夕食が冷めてしもうては勿体無い。冷める前にいただくとするかの」カチャカチャ
「・・・」
鬼「うむ、美味じゃ。フフ」
「・・・」ポー
鬼「どうした?食べぬのか?」
「あっ、い、いただきまー熱っ!」ガチャン!
鬼「慌てすぎじゃ。拭いてやろうぞ」ズイッ
「・・・」ドキドキドキドキ
鬼「此方を向くが良い」
「はい・・・」
鬼「火傷はしておらぬか?」フキ
「だ、大丈夫です・・・」ドキドキドキドキ
鬼「それは何よりじゃ」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:09:58.12 ID:YJwgyX6y0
・・・
鬼「我は満足じゃ」
「今、お茶を」
鬼「良い。今度は我が茶をな」コトッ
「いただきます」ズズッ
鬼「・・・」ズズッ
「ふー」
鬼「ふー」
「ん」
鬼「ん・・・また、息が合うたのう?フフ」クスクス
「・・・」ドキドキ
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:11:51.39 ID:YJwgyX6y0
鬼「ここに居ると、帰る気が失せていく様じゃ」
「!・・・好きなだけ居ても・・・」
鬼「その様な事では我以外にもつけこまれるぞ?」
「・・・」
鬼「優しき者よ。恋人もさぞ幸せであろう」
「その辺は触れないでいただけると・・・」
鬼「すまぬ」
「いえ」
鬼「・・・もう、我が産まれて何年になるか・・・」
鬼「永き事、忌み嫌われ、追われ、祓われ続けたが・・・初めて、優しさと呼ばれるものに触れた想いじゃ」
「・・・」
鬼「この様に長く人間と話すのは初めてでな」
「意外にも・・・」
鬼「人間から見れば、鬼はただの敵じゃ。己が業とも知らずにの」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:12:43.20 ID:YJwgyX6y0
「?」
鬼「・・・いや、気にせずとも良い。それよりも、じゃ」
「?」
鬼「我も何かしてやらぬとな」
「えーと・・・」
鬼「今、我は気分が良い。遠慮はいらぬ」
「良かったら」
鬼「うむ」
「一晩泊まってもらっても」
鬼「・・・人の子にしては、悪ふざけが過ぎるのう」
「そうじゃなくて・・・節分に出歩いていると、豆をぶつけられたり・・・」
鬼「フフ・・・フフフフ」
「・・・」
鬼「フフフフ、変わり者の中の変わり者じゃ。我を恐れる所か慈しむとはのう」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:13:27.68 ID:YJwgyX6y0
「・・・」
鬼「まぁ、良い。その望み、聞き入れようぞ」
「はい!」
・・・
「お風呂入ります?」
鬼「風呂とな!?」
「・・・是非入って下さい(わかりやすいなぁ」
「軽く説明を」
鬼「至れり尽くせりじゃな」
「で、これはシャワーで、捻るとお湯が・・・」
鬼「ふむ」
「まずはシャンプーで次は・・・」
鬼「ほう」
「これで云々・・・」
鬼「便利なものよ」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:14:52.43 ID:YJwgyX6y0
鬼「もう大丈夫じゃ」
「はい」
鬼「遠慮無く入らせてもらうぞ?」シュル・・・
「ちょっ!」
鬼「如何した?」
「ぬ、脱ぐのは向こうで・・・!」
鬼「良いではないか」
「と、とにかく!」
鬼「?」
鬼「何をあの様に慌てる事が・・・まずはしゃんぷぅから、だったかのう」シュコシュコ・・・ゴシゴシ
鬼「おお・・・泡が出・・・っっ!!」ズキッ
鬼「っく!瞳が痛い!!人の子!人の子よ!!」
「どうかしましたか!?」ガラッ!
鬼「瞳が痛いのじゃ!」
「今すぐお湯を!」キュッ!シャアアアア
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:15:44.42 ID:YJwgyX6y0
「大丈夫ですか?」
鬼「う、うむ。まだ少し痛むが」ズキズキ
「シャンプーは目に染みると言うのを忘れていました」
鬼「そうか、瞳を閉じておれば良いのか」
「はい」
鬼「所でな」
「?」
鬼「濡れたついでじゃ、共に湯を浴びるとせぬか」
「えっ!?と、あっ!裸・・・!」
鬼「それが如何した?」
「その・・・あ、後で入りまーす!」ダッ
鬼「・・・背中くらい流してやろうと思うたのじゃが」
「・・・裸・・・」ドキドキ
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:16:17.29 ID:4yaaKOSBO
うちも豆まきしてないんで鬼さん来てくれ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:17:31.12 ID:YJwgyX6y0
鬼「上がったぞ」
「はーい」
鬼「待たせたのう」
「いえいえ、じゃあ、入ってきま、って服着て下さい!服!」
鬼「あい、分かった。着るゆえ、落ち着け」
・・・
鬼「暇じゃな」
鬼「・・・うぅむ」
・・・
鬼「」スースー
「上がりまし・・・あ」
鬼「」スースー
鬼「」 スースー
「寝てる・・・?」ズイ
鬼「」スースー
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:18:40.58 ID:YJwgyX6y0
「・・・」ぷにぷに
鬼「」スースー
「・・・」ドキドキドキドキ
「・・・今ならいけそうな気が」ドキドキドキドキ
「・・・」ズイッ・・・ツンツン
鬼「」
「・・・(ち、ちょっとなら・・・大丈夫、なはず!」ズイ
鬼「・・・」パチ
「!?」ビクッ
鬼「次の望みは接吻かの?フフ」
「」
鬼「っふ」ちゅうう
「!」
鬼「・・・」ちゅぴ
「」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:19:35.13 ID:YJwgyX6y0
鬼「赤鬼の様に赤くなっておるぞ?」
「・・・恥ずかしくて」
鬼「接吻程度で何を申すか。望むのであれば、我はまぐおうても構わぬぞ?」
「ま、まままぐわい!?それはちょっと、早いと言うか、その!」ドキドキ
鬼「これ、真に受けるでない。我が恥ずかしゅうなる」
「・・・」
鬼「・・・人間と鬼、か」
「・・・」
鬼「仮にじゃ、我が人間であったらば、想うてくれたか?フフ」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:21:42.06 ID:YJwgyX6y0
「・・・」
鬼「我はもう、追われる事に疲れた。その手にならば、かかっても良い」
「な、なんか・・・好きです!」ぎゅう
鬼「・・・それは誠か?我で良いと申すか?」
「鬼でも・・・」
鬼「そうか・・・」
「一緒に居てくだs」
鬼「・・・(いや、ならぬ・・・)愚か者め・・・ククッ、ハハハハ!!」
「?」
鬼「こうも簡単に堕ちるとはのう?フフフフ」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:23:18.56 ID:YJwgyX6y0
「お、鬼さん?」
鬼「単純過ぎて笑いが止まらぬ。ハハハハハ!」
「な・・・」
鬼「名を奪い魂を縛り、喰らい尽くして地獄逝きにしてやろうと思うたが」
鬼「自ら名乗ろうとし、鬼なぞをもてなしたその愚かさに免じ、今回は見逃してやろうぞ。フフ」
「・・・からかっていた、とでも・・・?」
鬼「我を抱き寄せ『好き』と申すなぞ・・・フッ、フフ」
「・・・」
鬼「フフ、ハハハハハ!」
「・・・」ジッ
鬼「流石に怒ったか?フフ」
鬼「まぁ、良い・・・さらばじゃ、人の子よ。愉しき一時であった。フフ・・・」
「待っ・・・!」
鬼「・・・精々達者でな」
「・・・居て欲しかったよ」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:24:01.45 ID:YJwgyX6y0
~翌年~
『鬼はーそとー!』パラパラ
「・・・節分かぁ・・・」
「今年はまこうかな」ガサガサ
「鬼はーそt」
コンコン
「!」ダダッ
『こんちわー!○○新聞でーす!』
「・・・・・・結構でーす・・・(インターホン使わないとか・・・」
「気をとりなおして、と・・・・・・鬼はあああああああ外おおおおおおあああ!!」ガバッ!・・・ブンッ!!
バチバチバチバチッ!!
「ふぅ」
鬼「今年はまくか。良き事じゃ」ズズッ
「え!?」
鬼「如何した?」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:24:45.29 ID:Mv43fVu80
支援
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:24:59.67 ID:YJwgyX6y0
「あ・・・」
鬼「鳩が豆鉄砲を喰ろうた様な顔をしおって」
「お茶・・・じゃなくて鬼さん!」
鬼「豆をまく時は中から外へまかねばならぬ。そうせんt」
「良かった、また会えた」ぎゅ
鬼「・・・鬼に会うて喜ぶ者があるか。放すが良い」
「・・・」ぎゅううう
鬼「痛いぞ?」
「あっ」
鬼「まさか鯖折りされるとはのう・・・斬りかかられるよりは良いが」
「・・・スイマセン・・・でも、どうしてここに」
鬼「・・・限界じゃ」
「えっ」
鬼「一旦は離れたが・・・もう、耐えられぬのじゃ。人の子よ」
「・・・」ドキ
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:25:42.28 ID:YJwgyX6y0
鬼「しかしの、鬼が人間の家に居座ってはならぬ。ましてや想いを抱くなぞ以ての他」
鬼「ゆえに、どうにか離れようとあの時は芝居をうったのじゃが」
「・・・(あれで芝居のつもりだったんだ・・・大根役者」
鬼「ついに参ってしもうた・・・覚なる上はその豆で我を祓うてくれ。鬼が住む家なぞあってはならぬ」
「でも!」
鬼「頼む、この通りじゃ。我がおっては禍が参ろう。それだけは避けねばならんのじゃ」
鬼「我のせいで苦しむ姿は見とうない・・・何よりも辛いのじゃ」
「・・・」
鬼「さぁ、豆を掴み一思いに祓うてくれ・・・頼む」
「・・・鬼はー」ガサッ
鬼「うむ・・・」
「内いいい!!」ブンッ!バチバチバチッ!
鬼「な・・・!?」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:27:10.75 ID:YJwgyX6y0
「福もー」ガサッ
「内いいい!」ブンッ!バチバチバチバチッ!
鬼「!?」
「これで相殺です☆」
鬼「・・・」
「・・・ダメでした?」
鬼「フッ、フフフ・・・」
「・・・」
鬼「アハハハハハ!」
「鬼さーん?」
鬼「その様な事をよくぞ思い付いたものじゃ。フフフフ」ぎゅ
「あっ」
鬼「嗚呼・・・この体温・・・一瞬たりとて忘れた事なぞ無かった・・・」
「・・・」ぎゅう
鬼「もっと強う」きゅ
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:27:49.93 ID:YJwgyX6y0
鬼「この、離れておった一年・・・千年より長う感じたぞ」
「・・・」
鬼「今度は我の番じゃな」
「え?」
鬼「そなたを想うておる。・・・この両の腕の中で、ようやく応えられた・・・。そなたはまだ、我を想うてくれておるか?」きゅ
「・・・」コク
鬼「そうか・・・そうか・・・!」ポロポロ
「じゃあこっちからも」
「・・・」ちゅう
鬼「んむ」ちゅ
「こっちからお返しのキス・・・接吻でした」
鬼「・・・まだ」
「はい?」
鬼「まだ足りぬ。一年の渇き、この程度では満たされぬ」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:28:32.82 ID:YJwgyX6y0
「・・・もう一回でも十回でも何度でも!」ドキドキ
鬼「そうか!では寝床にて我とまぐわうが良い。契りを交わそうぞ。参れ」グイッ
「せっかくの良い雰囲気が台無し、ってそっちの事!?」
鬼「足りぬと申したはずじゃ。覚悟するが良い」
「そういうのは、まだ早いんじゃ・・・」
鬼「善は急げじゃ。手加減せぬからの?」
「心の準備と言うものが・・・」
鬼「放さぬ!許さぬ!聞き入れぬ!」ぎゅう
「どこかで聞いた様な台詞ですね」
鬼「後程、そなたの名も貰うでな?もし浮気なぞしようものなら、地獄逝きと心得よ」
「ひー!」
鬼「それにな?極楽浄土と比ぶれば、地獄の方が我には都合が良い。何時でも地獄へ共に逝ける切り札ともなろう」
「ひ、人でなしー!」
鬼「我は鬼じゃ・・・♪」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:29:18.42 ID:YJwgyX6y0
終わり
とか言う妄想をしながら節分を過ごした
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:30:08.40 ID:EhfFnpfh0
すばらしか、あんたすばらしかよ
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:30:20.28 ID:jZodnL7F0
イイハナシダッタナー
乙
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:31:41.35 ID:4yaaKOSBO
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/07(火) 04:33:23.91 ID:H3so7G9V0
イイハナシダワァ
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