1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 15:50:31.84 ID:1aFIcP1o0
一、春
唯「はぁ、今日も良い天気だねぇ」
唯「お茶でも淹れようかね」
曾孫「ひいおばあちゃーん!」
唯「おやおや、よく来たね」
曾孫「えへへ、こんにちは!」
唯「はいこんにちは」
唯「今日はまだ少し寒かったろ、こっちきてあったまり」
曾孫「お邪魔しまーす」
唯「そこでちょっと待ってな、今お茶とお菓子持ってきてあげるからね」
曾孫「うん、ありがとー!」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 15:53:39.84 ID:1aFIcP1o0
曾孫「ズズズッ」
曾孫「おいしい」
唯「そうかいそうかい、お菓子もあるでな」
曾孫「うん、いただきます!」
曾孫「もぐもぐ」
唯「おいしいかい?」
曾孫「うん!」
唯「そうかい。そりゃあよかった」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 15:58:10.21 ID:1aFIcP1o0
唯「そういえばお前さんは来月から小学校だっかの?」
曾孫「そうだよー!えへへ、ランドセルも買ってもらったんだぁ」
唯「そうかいそうかい」
唯「大事にせんといかんよ」
曾孫「うん!大切にするね!」
唯「良い子だ」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:02:26.72 ID:1aFIcP1o0
曾孫「ねえひいおばあちゃん」
曾孫「昔の話をしてよ!」
唯「昔の話かい…いつのことがいい?」
曾孫「いつでもいいよ!」
唯「ふうむ、それなら…」
唯「わたしが高校生のときの話しでもするかねぇ」
曾孫「高校生?」
唯「一番…とは言いきれないけど、それでも私の人生の中でとっても楽しかった時代の話だ」
曾孫「へぇ、聞きたい聞きたい!」
唯「もう70年も前の話だよ―――
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:06:02.43 ID:1aFIcP1o0
―
――
―――
唯「ち、遅刻ー!」
唯「いってきまーす!」
憂「お姉ちゃん、どうして急いでるのかな…?」
タッタッタッタ
唯「ハァ…ハァ…」
唯「あ」
唯「時間間違えたー!」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:08:18.34 ID:1aFIcP1o0
―――
――
―
曾孫「ひいおばあちゃんが時間見間違えてたの?」
唯「そうだよ。あのころのわたしゃドジばっかりしてたからねぇ」
曾孫「へぇ、信じられない!今はこんなにしっかりしてるのにね」
唯「ふふ。でもこの高校生活の中でわたしも成長できたんだよ」
曾孫「ふぅん。ねぇ続きを聞かせて!」
唯「そうだね」
唯「それじゃあ私が部活に入ったときの話だ―――
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:08:50.27 ID:PibO6Sta0
もう泣けてきた
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:09:57.02 ID:KalWxkD/0
曾孫がいるってことは唯は誰かとセクロスして中出しされたのか…
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:10:50.28 ID:1aFIcP1o0
―
――
―――
唯(部活やってないだけでニート……)
唯(うう、ニートはやだよぅ。何か部活に入らなきゃ!)
唯(何か新しいことを始めるんだ)
唯(でも、なんの部活に入ればいいんだろう?)
唯(今まで考えたこともなかったけど……私って本当は何がやりたいのかな……)
唯(わかんないよ……)
唯「……?」
唯「けい…おん…ぶ?」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:12:39.94 ID:1aFIcP1o0
唯(そういえば先生が……)
さわ子『軽い音楽って書くのよ』
唯(って言ってたなあ……)
唯(軽い音楽……)
唯(……)
唯(私にも…できるかも!)
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:15:16.72 ID:1aFIcP1o0
唯「というわけで軽音部室の前まで来ちゃったけど……」
唯「ど、どんなところなんだろう……」
唯「うう、やっぱりやめようかな……」
律「ひょっとして平沢さん?」
唯「ひぃっ!そ、そうですけど!」
律「おお…!」パァァ
バターン
律「みんなぁ!新入部員が来たぞー!」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:18:26.61 ID:1aFIcP1o0
―――
――
―
曾孫「けいおんぶって、何するところなの?」
唯「みんなでね、ギターを弾いたりドラムを叩いて、音楽をやるところだよ」
曾孫「ええ!じゃぁひいおばあちゃんギター弾けるの!?」
唯「そうだよ」
唯「まあ最初は勘違いして、カスタネットをやるもんだと思って入ったんだけどね……」
唯「でも、そこであの子達に会えた」
唯「大切な、大切な、友達」
唯「今はもうみんな逝っちまったけどね……」
唯「残ってるのは私だけさ」
曾孫「ひいおばあちゃんの親友?」
唯「そうさ」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:21:32.76 ID:KalWxkD/0
けいろう!
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:22:29.49 ID:1aFIcP1o0
唯「幼馴染だった和ちゃん、軽音部のりっちゃん、澪ちゃん、ムギちゃん、梓ちゃん……」
唯「みんなみんな、私の親友さ」
唯「お前さんは親友はいるかい?」
曾孫「お隣のエミちゃんは私の親友だよ!」
唯「そうかそうか、そりゃあよかった」
唯「友達は、大事にせんといかんよ」
曾孫「うん!わかったよひいおばあちゃん!」
唯「えらいね」
曾孫「ねぇねぇ、それでそれで?」
唯「軽音部ではね、私のギターのためにみんなでバイトしてくれたり、試験勉強を教えてもらったり」
唯「それからそうだね―――
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:23:18.25 ID:AZqNi0ub0
え、皆死んだ
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:25:05.68 ID:JKhDxvWc0
どーせなら噴火で死んでくれ
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:25:40.38 ID:1aFIcP1o0
―
――
―――
唯「夏だー!」
律「海だー!」
澪「コラー!あんまり羽目はずしすぎるなよー!」
紬「うふふふ」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:26:08.64 ID:WS3ttLPV0
痴呆でもあんのかと思ったらまともでワロタ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:29:25.01 ID:1aFIcP1o0
律「ペロ…ぷわっ!唯、水がしょっぱいぞ!」
唯「しお、しおだよりっちゃん!」
律「お医者さんに行くと、膝の皿にフジツボがびっしり……」
澪「ひぃぃぃ!」
紬「気が付いたら、こんなになっちゃってて……」
唯「砂のお城……」
律「スゲェ……」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:32:27.26 ID:1aFIcP1o0
唯「ふわー、疲れたぁ」
澪「まだまだ、目いっぱい遊ばないとここまで来た意味が……」
澪「ああー!練習!」
律「忘れてたのかよ……」
澪「まったく、これ終わったら練習するからな」
律「わかってるって」
律「じゃあ…花火点火!」
ドーン プシュー
唯「それじゃあ最後の曲」
唯「いっくぜー!」
澪「……!」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:34:37.60 ID:1aFIcP1o0
―――
――
―
曾孫「みんなでお泊りにいったんだね」
唯「うん。本当は練習をしに行ったはずなんだけど…結局ほとんどやらなくてね」
唯「遊んでばっかりだったよ」
曾孫「でもそのあと大事な演奏会があったんでしょ?」
唯「そうだよ。ライブって言うんだけどね」
曾孫「練習しなくて大丈夫だったの?」
唯「うーん、そのときは―――
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:37:09.39 ID:1aFIcP1o0
―
――
―――
唯「うっうっ…ギター弾きながら歌えない……」
律「おいおい……」
さわ子「話は聞かせてもらったわ!」
さわ子「私がみっちり特訓してあげる!ついてきなさい!」
唯「おぉー!」
さわ子「練習させすぎちゃった!」テヘッ
唯「声かれちゃった!」テヘッ
律「うぉーい!」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:39:38.81 ID:1aFIcP1o0
アナウンス「次は、軽音楽部によるバンド演奏です」
澪「あうあう……」ドキドキ
澪(だ、ダメだっ……!)
唯「澪ちゃん!」
唯「みんな、澪ちゃんが頑張って練習してたの、知ってるから!」
律「そうだよ、澪」
紬「澪ちゃん!」
唯「絶対大丈夫だよ!頑張ろう!」
澪「……うん!」
律「1,2,3,4 1,2,3!」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:40:53.88 ID:1aFIcP1o0
~♪
キャーワーキャー
澪「……みんな、ありがとー!」
ワーキャーカワイー
律(これで澪も、恥ずかしがりや克服できそうだな)
澪「ふふっ」
テクテク ビシッ
紬「ああっ!」
ビターン
唯「あぁ、澪ちゃん……!」
澪「へ……」
澪「い……」
澪「いやああああ!!」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:42:00.21 ID:1aFIcP1o0
―――
――
―
曾孫「へえぇ、それじゃあうまくいったんだ!」
唯「うん、まぁ…大体はね」
曾孫「ふぅん、でもなんだかひいおばあちゃんのお話聞いてると……」
曾孫「とっても楽しそうだね!軽音部って」
唯「うん。楽しかったよ」
唯「いつも元気いっぱいで私達を引っ張っていってくれたりっちゃん」
唯「美人でマジメなんだけど、とっても怖がりで恥ずかしがり屋の澪ちゃん」
唯「大人で優しくて、でも少し抜けたところがあるムギちゃん」
唯「みんなでやる軽音部は本当に楽しかった……」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:44:28.91 ID:52TtEgX/0
しわしわ時間思い出した
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:44:52.59 ID:1aFIcP1o0
唯「みんなと過ごし時間は私の宝物だよ」
唯「だからね、お前さんも友達と家族は大切にしないといけないよ」
曾孫「うん!わかったよひいおばあちゃん」
孫「おーい!帰るわよー!」
曾孫「あ、お母さんが迎えに来ちゃった」
曾孫「もう帰らなくちゃ」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:48:17.58 ID:1aFIcP1o0
孫「おばあちゃん、うちの子の相手してくれてありがとうね」
唯「なぁに、年寄りの数少ない楽しみさ」
曾孫「ひいおばあちゃん!お話の続き、また今度聞かせてね!」
唯「ああ、またいつでもおいで」
曾孫「ばいばーい!」
唯「ばいばい」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:50:44.16 ID:DT6RMO9yP
「~じゃ」とか「ワシ」とか言ってる老人は
子供の頃からそう言ってるんだよ
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:51:18.77 ID:/G/Qt6Ic0
>>38
初めて聞いた( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:54:42.57 ID:1aFIcP1o0
二、夏
ミーンミンミンミン
唯「まったく、今年の夏も暑いねぇ……」
曾孫「ひいおばあちゃーん!」
唯「おやおや、よく来たねえ」
唯「外は暑かったろ。こっちきて冷たいお茶でもお飲み」
曾孫「ありがとー!」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 16:56:41.47 ID:1aFIcP1o0
唯「学校はいいのかい?」
曾孫「今日から夏休みだよー」
唯「そうかい。学校は楽しいかい?」
曾孫「うん、楽しいよ!」
曾孫「でも四年生になってだんだん勉強が難しくなってきたよ……」
唯「ふぅん。まあ、お父さんお母さんのために勉強はせんといかんね」
唯「でも、それと同じくらい元気に遊ぶことも大切だ」
曾孫「そうなの?」
唯「そうだよ」
曾孫「わかった!」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:00:12.83 ID:1aFIcP1o0
ミーンミーンミーン
曾孫「うう、セミうるさーい」
唯「これこれ、そんなこと言ったらいかんよ」
唯「セミはね、何年も土の中で過ごして、やっと外に出られたのに一週間しか生きられないんだ」
唯「だから、限りある時間を目いっぱい楽しもうと、一生懸命歌ってるんだよ」
曾孫「歌ってるの?」
唯「そうさ。歌ってるんだ」
唯「たとえ短くても、全力で楽しい時間を過ごせれば後悔はしないからね」
曾孫「ふうん。よくわかんなーい」
唯「そのうちわかるようになるよ」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:04:25.10 ID:1aFIcP1o0
唯「それじゃあ、わたしが目いっぱい楽しんだ時代の話をしてやろうか」
曾孫「高校生のときの話?」
唯「そうだよ」
曾孫「わぁ、聞きたい聞きたい!」
唯「そうさね、それじゃあ新入部員が来たときのことでも話そうか―――
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:07:24.34 ID:1aFIcP1o0
―
――
―――
犬(律)「軽音部でーす、わんわん」
猫(紬)「来てくださいニャー」
鶏(唯)「お菓子もあるよー、コケー」
馬(澪)「軽音部です。興味があったら、是非」
唯「来ないね……」
澪「うん……」
律「よし、こうなったら新歓ライブで挽回だー!」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:09:55.85 ID:1aFIcP1o0
―――
――
―
曾孫「着ぐるみ着てやったの?」
唯「うん。逆効果だったみたいだけどね」
唯「まぁあの時はがむしゃらだったから」
曾孫「へぇー、でもなんだか楽しそう」
曾孫「それで、ライブはどうだったの?」
唯「ライブはね―――
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:13:38.48 ID:1aFIcP1o0
―
――
―――
唯「ねえねえ、ボーカル全部私でいいのー?」
律「そうだなぁ、一曲くらい澪もやれば?」
澪「絶対ヤダ!」
律「大丈夫だって。この前みたいなことは……」
澪「ヤダ!」
唯「ラーメンだけじゃ?」
澪「ヤダ!」
紬「餃子もつかなきゃ?」
澪「ヤダ!」
律「すごい拒絶反応だなー……」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:16:18.68 ID:1aFIcP1o0
―――
――
―
曾孫「澪さんってひと、すごく恥ずかしがりなんだね」
唯「まあトラウマもあったろうしね」
曾孫「虎馬?」
唯「うん。でもね―――
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:20:05.81 ID:1aFIcP1o0
―
――
―――
唯「それでは次の曲、『私の恋はホッチキス』!」
~♪~
澪(出だしのリフ、難しいのに完璧になってる……)
澪(って唯、歌!)
唯(あっ…!)
唯(歌詞忘れたぁー!)
澪「♪~」
唯(へ……)ポカーン
唯(澪ちゃん…!)
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:22:56.73 ID:1aFIcP1o0
―――
――
―
曾孫「へぇー!澪さんが代わりに歌ってくれたんだー!」
唯「そうだよ」
曾孫「すっごく恥ずかしがりだったのに、すごいね!」
唯「そうだね。確かに澪ちゃんは恥ずかしがりだったけど……」
唯「それでも本当にやらなきゃいけないことはやる、とっても強い子だったからね」
曾孫「ふうん」
曾孫「ねえねえ、それで?新しい人は来たの?」
唯「ああ、澪ちゃんのおかげでライブは大成功だったからね」
唯「新入部員が一人だけど、入ってくれたんだ」
曾孫「どんな人、どんな人ー?」
唯「中野梓ちゃん、あの時は“あずにゃん”なんて呼んでたんだけどね―――
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:23:07.92 ID:BfTxPptB0
お婆ちゃんになっても唯はこんな言葉遣いにはならんだろ
どんな戦中世代だよ
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:26:23.52 ID:1aFIcP1o0
―
――
―――
梓「こんにちはー!」
律「お、元気いっぱいだな!」
梓「はい!放課後が待ち遠しかったです」
律「それじゃあ早速……」
梓「練習ですか!?」
律「お茶にするか」
梓「ええっ!?」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:29:35.12 ID:1aFIcP1o0
さわ子「私ミルクティーお願いね」
紬「お菓子もあるわよー」
梓(ここ、軽音部だよね……)
唯「ケーキ食べよう♪」
律「ティータイムがうちの売りだから♪」
梓「そ……」
梓「そんなんじゃダメですー!!」ドーン
澪「うわ、キレた」
梓「みなさんやる気が感じられません!」
梓「ティーセットも撤去してください!」
さわ子「それだけは勘弁してー!」
梓「なんで先生が言うんですか!」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:31:19.45 ID:1aFIcP1o0
―――
――
―
曾孫「梓さんってとってもマジメな人なんだねー」
唯「最初は面食らっちゃったよ」
曾孫「で、でもひいおばあちゃんの部活ってすっごくダラダラだったんでしょ?」
曾孫「大丈夫だったの?」
唯「うん、なんとか部活を気に入ってもらおうと歓迎会なんてしたりしたんだけどね」
唯「どうにも、あの子が思っていた部活と私達の部活にズレがあったみたいで……」
唯「一時期その子、来なくなっちゃったんだ」
曾孫「えっ。それじゃあせっかく来てくれたのに、やめちゃったの…?」
唯「ううん、えっとね―――
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:35:13.46 ID:1aFIcP1o0
―
――
―――
唯「最近あずにゃん来ないね……」
澪「もう、来ないかもな……」
唯「えっ……」
ガチャッ
律「あ、梓!」
律「どうして最近来なかったんだよ?」
梓「……」
梓「……わからなくなって」
梓「どうして軽音部に入ろうとしたのか…新歓ライブであんなに感動したのか……」
梓「わからなくって…!」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:38:44.48 ID:1aFIcP1o0
梓「ヒック……」
唯「あずにゃん……」
律「……」
律「よし、梓のために演奏するか!」
律「そのときの気持ちを、思い出せるようにさ!」
「うんっ!」
澪「梓、この前私がどうして外でバンド組まないか聞いたよな?」
澪「私はさ、やっぱりこのメンバーでバンドするのが楽しいんだよ」
澪「きっとみんなもそうで…だから、良い演奏になるんだと思う」
梓「……!」
澪「さ、一緒にやろう、梓!」
梓「…はい!」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 17:41:49.13 ID:1aFIcP1o0
―――
――
―
曾孫「へぇー、それじゃあ梓さん、入ってくれたんだ!」
唯「うん。あの時は嬉しかったよー、なんせ初めての後輩だったからね」
唯「梓ちゃんは私達の誰よりも音楽に本気だったから」
唯「きっと軽音部で本当に良いのか迷ってたんだと思う」
唯「でも、あの子は良い子だったから……」
唯「なんだかんだで、私達と一緒にいてくれたんだ」
曾孫「ふうん……」
曾孫「あ!もうこんな時間だ!」
曾孫「このあとエミちゃんの家に遊びに行くんだぁ!」
唯「そうかい、そりゃ長々と悪かったねぇ」
唯「年をとるとやたらと昔を思い出しちまってね」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 21:00:07.10 ID:mSxeGDxI0
これ読んでたら俺のお婆ちゃんに曾孫の顔を見せてやれなかった事をなんだか申し訳なく思った
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 21:21:03.98 ID:1aFIcP1o0
曾孫「それじゃあ私もういくね、ひいおばあちゃん」
唯「はい、行ってらっしゃい」
曾孫「……あ、あれ……」
唯「おや、あれはさっきのセミだね」
曾孫「あ…あ…」
曾孫「……セミさん、死んじゃったんだね」
唯「そうだね」
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 21:22:45.13 ID:1aFIcP1o0
曾孫「ねえ、ひいおばあちゃん」
曾孫「死んじゃったひとは、どこにいっちゃうの?」
唯「帰るんだよ」
曾孫「どこに?」
唯「そのひとが、一番帰りたかったところさ」
曾孫「このセミさんも?」
唯「ああ、そうだよ」
唯「きっと、今頃はお空でみんなと仲良く歌ってるよ」
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 21:25:03.81 ID:1aFIcP1o0
すいませんが今日はここまでです
残りの秋と冬もほぼ俺的名場面集ですので、需要なかったら落としてください
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/16(金) 21:25:53.18 ID:lx4Y2UsP0
乙です~
おばあちゃん ひとり せんそうごっこ
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