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まどか「この世界はとても美しくて、やさしいんだよの後日談」

2011/06/02 17:14 | CM(4) | まどか☆マギカ SS
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 21:38:13.96 ID:PaZ1gZXh0

まどか「この世界はとても美しくて、やさしいんだよ」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1306747491/

 のちょっとした後日談。

 スレ落ちしてしまったけど、8割ほどできあがってしまったので…。
 せっかくなので、あっさり終わらせる予定であった、ほむまどのデートシーンを増量させます。



3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 21:39:25.15 ID:PaZ1gZXh0


 高層ビルの屋上に、少女が一人座り、イルミネーションに輝く街を眺めている。
 片目の少女。潰れた方は、長い前髪で隠している。

少女「私ってさ、なんで、こんな下らないことをやっているんだろう。いつも、いつもさ…」
少女「嫌い。世の中嫌い。みんな死んじまえ。ワルプルギスの夜が来たときに、滅んじゃえばよかったのさ」
少女「なのに、私が、やっているのは人助け。なんだろうね」

 噛んでいたガムを、ぷぅーっと大きく膨らませる。
 空に、シャンシャンとした音が聞こえてきた。

少女「ん?」

 飛んでいるものを見て、少女のガムがバァンと破裂した。



5 ほむら :2011/05/31(火) 21:42:42.46 ID:PaZ1gZXh0
 夜の街。一年で最高に賑やかな日。

まどか「うわぁ…」

 まどかは空を見上げる。
 雪が、さらさらと降っていた。
 それは手に触れると、静かに消える、ほんの小さな粉雪。

まどか「ホワイトクリスマスだね」

ほむら「うん」

 まどかが吐く息が白い。そして私の吐く息も白い。
 同じマフラー、同じ手袋。お互いに作って、お互いにプレゼントをした。
 作りはぎこちなかったけど、それでも私たちにとって大切なもの。



6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 21:45:25.51 ID:cGTrVBzH0
    , --‐―‐ 、
   /  「ニニニiヽ
   l i| |ノ/ノハノ))!
   | (| | ┰ ┰| |  結婚を申しほむ!
   | ハN、''' - ''ノN
  ノノ /,}| {.介} l_つ
  ((バCく_/_l_j_,ゝリ
       (__j__)  ヽヾ\
          丶____
           \三/   (
              ̄   (⌒
            ⌒Y⌒

7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 21:46:25.41 ID:PaZ1gZXh0
 それにしても、まどかと一緒とはいえ…。


ほむら「帰りたい」

まどか「だーめ」

 さすがクリスマスイブ。
 イルミネーションで美しいとはいえ、足の踏み場もないほど人だらけ。

まどか「サンタさん、いっぱいいるね。一緒に写真撮ってもらおうか?」

ほむら「中身はただの人よ、しかもアルバイト」

まどか「いいのいいの。ほむらちゃんとクリスマスを過ごしたって、記念写真なんだから」
まどか「すみませーん、写真、入ってくれませんかー?」

 二メートルはある大きなサンタクロースに声をかけていた。
 二メートルはある大きなサンタクロースに声をかけていた。

9 ぎゃああああ同じ言葉を二度も! :2011/05/31(火) 21:51:04.85 ID:PaZ1gZXh0

サンタクロース「………」

 私たちをギロリと見る。赤い目が不気味だった。

ほむら「す、すみません。えっと、迷惑なら、いいです」

 私が慌てて謝ると、サンタは顔を戻し、無言で行ってしまった。

まどか「うわ、ちょっと、怖かったかな?」

ほむら「まどか。相手をちゃんとよく見る」

 なんで、選りに選って、ヤクザのようなサンタに声かけるのよ。

まどか「うーん、サンタさんなら、みんな優しいって思ってたんだけど」

ほむら「…だから、中はただの人」


10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 21:54:23.53 ID:PaZ1gZXh0
お姉さん「いきますよー。はい、チーズ」

カシャ。

まどか「てへへ、今度のサンタさんは、ちゃんと撮ってくれたね」

ほむら「ただの、ケーキ売りのアルバイトじゃない」

まどか「でも、正解。クリスマスプレゼントに、アメを貰ったもん」

ほむら「まどかの肩に手を置いてたわ」

まどか「ほむらちゃんの肩にだって、手を置いてたじゃない」

ほむら「あれ、セクハラ。許せない」

まどか「そんな下心のない、いいお兄さんだったよ。ほむらちゃん、良い子だから、ヤキモチやかないの」

ほむら「べ、別に、ヤキモチ、やいて…ない」

まどか「良い子、良い子」

ほむら「まどか、頭なでないで…」

 恥ずかしい…。

12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 21:58:21.41 ID:PaZ1gZXh0
 時間まで、私たちは、店に入ったり、クレープを食べたりして、賑やかな街を歩いていく。

まどか「ジングルベール、ジングルベール、雪が降る~♪」

 歌に合わせて、私と繋がれた手を、振り子のように大きく振っていく。

ほむら「ごきげんね」

まどか「ほむらちゃんとクリスマスデートだもん」

ほむら「いつもデートしている気がするけど」

まどか「クリスマスは特別! 恋人たちの特別な夜なんだよ」

ほむら「私たちって恋人?」

まどか「んーと、親友?」

ほむら「どっちも、しっくりしない気がするわ」

まどか「夫婦とか?」

ほむら「どうかしら。でも、よく、そうからかわれてるものね」

まどか「あはは、さやかちゃんに、この新婚バカップルがーっ! っていっつも突っ込まれてるもんねー」

ほむら「さやかだけでなく、マミにも、杏子にも、先生にも、クラスメイトにも…」

 呆れるぐらい仲が良いからと、色々な人に耳にタコができるほど言われちゃってる。

13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:02:27.48 ID:PaZ1gZXh0
まどか「ママなんて、すでにうちの娘を嫁にやったみたいだって言われたことあるよ」

ほむら「女同士なのに?」

まどか「本気ならば、何も言わない。世間に負けずに、がんばれ、と言われちゃった」

ほむら「なんなのそれ?」

まどか「うーん、よくわかんない」

ほむら「分からないわね」

まどか「ねー」

ほむら「ねー」

 見合わせて、笑い合う。
 こういうなんてことないやりとりが、楽しくてしかたない。
 私にとって貴重な時間。でも、その貴重な時間が、毎日続いている。


14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:05:43.74 ID:PaZ1gZXh0

ほむら「ほんと、夢みたい」

まどか「ほむらちゃんは、いつもそれだなぁ」

ほむら「今でもね。これは私が望んでいる夢の世界で、目を覚めたら、まどかのいない現実に戻るんじゃないかって、思うときがあるの」

まどか「ないない。私はいなくならないよ」

ほむら「そう、思ってもね」

 やっぱり実感沸かない。

ほむら「まどかが、私のこと好きでいてくれるのも、お願いの効果かな?と思うときがあるし…」

 まどかの気持ちを疑ってはいない。でも、そんな不安になる私もいる。
 だめだなぁ、私。ネガティブになってる。


16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:09:18.70 ID:PaZ1gZXh0
まどか「あれ?」

 急に、まどかの足が止まった。

ほむら「どうしたの?」

まどか「今、キュゥべえが見えた気がするんだ」

ほむら「キュゥべえ?」

 ワルプルギスの夜を倒した後、インキュベーターは別れを付けずに私たちの前から姿を見せなくなった。
 彼(でいいのかしら?)には悪いことをしたので、謝りたかったのだけど、それも出来ずじまい。



17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:12:07.87 ID:PaZ1gZXh0

まどか「うん。そこの路地に入っていった気がする」
まどか「いってみよう!」

 まどかは、手を引っ張る。

ほむら「ちょっと、まどか、時間がっ!」

 ただでさえ、のんびり過ごしすぎて、遅れているというのに…。



19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:15:24.68 ID:PaZ1gZXh0
 路地の先は行き止まりだった。
 ビルの壁、ゴミ箱、生ゴミや吐瀉物などの嫌な臭いがあるぐらいで、キュゥべえの姿はない。

まどか「いないなぁ。キュゥべえどこー!」

ほむら「やめよう、まどか。私たちはもう、魔法力ないんだよ。何かあっても、私、まどかを助けられない」

まどか「大丈夫。私がほむらちゃんを、どんな敵からも助けてあげるよ」

ほむら「…もう」

 怖い物知らずなんだから。


20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:18:14.36 ID:PaZ1gZXh0
ほむら「引き返そう、ね?」

まどか「しょうがないか。キュゥべぇに会いたかったんだけどなぁ、残念」

 まどかが、きびすを返したとき、重い足音がした。
 後ろに人がいる。それも大きな。

まどか「サンタクロース…?」

 サンタクロースの格好をした巨大な男の黒いシルエット。
 先ほど、まどかが声をかけた相手だ。
 目は真っ赤に光らせ、獣のように唸っている。まるで、二本足で立ち上がる熊のようだった。

まどか「あの、どうかしましたか? 私たち、そこ通りたいんだけど…」

 まどかが、立ち塞がっているサンタクロースに、おずおずと声をかける。
 そいつの足が一歩。私たちに向かった。

サンタクロース「~~~~~」

 人でない声を発した。

ほむら「まどかっ! こいつは人でないわ!」


21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:22:01.05 ID:PaZ1gZXh0
まどか「え? え? え?」

 サンタクロースは、きょとんとするまどかに突進する。

ほむら「危ない!」

 まどかを抱きしめ、横に逃げる。私たちは地面に倒れ込んだ。
 スレスレだった。サンタクロースはビルの壁に体当たりする。
 コンクリートがぼろぼろと崩れていった。生身の私たちに当たったらひとたまりもない。

まどか「なにっ、なにが起こっているのっ?」

ほむら「分からない。でも、狙われているのは確か。逃げるよっ!」

 もう、私たちは魔法少女ではない。戦うことは不可能。
 私はまどかの手を取り、逃げようとしたとき…。

少女「はぁ、めんどくせぇ」

 私たちの前に、少女がビルの上から落ちてきた。



23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:26:47.68 ID:PaZ1gZXh0
 着地。スカートを揺らしていく。
 顔半分を髪で隠し、大きなカマを持つ少女。
 その格好は…。

まどか「魔法少女!」

 …明らかに魔法少女だ。

少女「悪魔は相手したくないんだよなぁ。グリーフシードすくねぇしさ」

 くちゃくちゃと、ガムを噛む音がする。

少女「そこのねえちゃんら、向こうに行ってな。巻き込まれたって、知んねぇよ?」

 私たちに一瞥すらせず、体勢を取り戻したサンタクロースの正面に立つ。

少女「はぁっ!」

 そいつにカマを振った。



25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:31:02.74 ID:PaZ1gZXh0
 だが、サンタクロースの動きの方が速かった。
 カマを弾いた太い右手が、魔法少女の首を掴む。

少女「がっ!」

 易々と持ち上げられる。

少女「くそったれぇ、てめぇごときに、やられる私じゃねぇんだよ…」

 サンタクロースの周りに、漆黒の闇の円形が広がった。

少女「へっ、勝負は戦場でか、後悔させてやる」

 闇に吸い込まれるように、サンタクロースも、魔法少女の姿もなくなった。
 なにもない。しーん、としている。
 壊れた壁と、少女が噛んでいたガムが落ちているだけ。



26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:37:19.44 ID:PaZ1gZXh0

まどか「あの子、どこ行ったの…?」

QB「悪魔結界だよ」

ほむら「キュゥべえ!」

QB「まどかにほむら。久しぶりだね」

まどか「悪魔結界ってなに? それに、さっきの、魔女じゃなかった。あれはなんなのっ?」

QB「魔女結界と同じさ。さきほどの魔法少女は、結界に連れていかれたんだよ」
QB「悪魔は、力は半減するけど、結界から外に出られてしまうんだ。その代わり、使い魔がいない。一長一短だね」

 さっきの魔法少女は向こうで戦っているということね。無事だといいのだけど。


27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:43:06.85 ID:PaZ1gZXh0
ほむら「悪魔って?」

QB「新種の敵のことさ」
QB「魔法少女に救いの道を与えた影響で、魔女が激減してしまったんだ」
QB「それにより、感情エネルギー摂取が厳しくなり、魔女以外の新たな敵を創造する必要があった」
QB「そのために生み出されたのが、今の悪魔なんだ」

 知らなかった。
 私たちが平和な日常を楽しんでいる間に、魔女以外の敵が現れていたなんて。


28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:46:34.56 ID:PaZ1gZXh0

まどか「そんな…そんなのって…」

QB「しょうがないことだよ」
QB「宇宙はそうやって進化を遂げている。エネルギーが減れば、代わりとなるものを作る。これは当然の摂理なんだ」

まどか「ねぇ。キュゥべえ。もし、もしもだよ、ほむらちゃんが、すべての敵を消し去りたいと望んだなら、その通りになったのかな?」

QB「どうだろうね。それには計り知れない力が必要となる。神にならない限りは無理じゃないかな?」
QB「そんな世界にしたところで、これとは違った、新たな敵が生まれていたはずだ。とはいえ、魔法少女の概念が、かなり変わることになるだろうけどね」
QB「そうそう、暁美ほむらの願いのエネルギーは、ワルプルギスの夜を倒したときに、ぜんぶ使い果たしてしまっている」
QB「今は、なにを望んでも、効果はないよ」

30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:51:08.91 ID:PaZ1gZXh0

ほむら「よかった。なんでも望み通りになったらどうしようって、心配してたの」

 怖いぐらい、幸せが続いているのだから…。

まどか「だから、心配することないって、ずっと言ってるじゃない」
まどか「私は、ほむらちゃんのこと、心から大好きだよ」

ほむら「うん」




32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:54:49.16 ID:PaZ1gZXh0

 漆黒の闇が浮かび上がって、さきほどの魔法少女が出てきた。
 彼女の手にはグリーフシード。倒せたようだ。

少女「はぁ、めんど。毎日、毎日、私はなにをやってんだか。早いとこ、くたばっちまいたい」

まどか「お仕事、お疲れ様っ」

少女「あんたたち、なんで…?」

 目を丸くしている。


33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 22:59:16.81 ID:PaZ1gZXh0
ほむら「私たちは、かつては魔法少女だったの」

まどか「だから、あなたのこと、良く分かるよ」
まどか「この街の平和のために、どれだけ頑張っているか、苦労しているか、泣きたいのを我慢しているか、ぜんぶ」
まどか「それは、私たちが、かつて体験したことだから…」

ほむら「こうして、この街が平和なクリスマスを迎えられるのも、あなたのおかげ」

まどか「いつも、ありがとう」

ほむら「感謝してるわ」

 私たちの純粋な気持ち。

少女「別に、私は、好きでやってんじゃないし、しかたなくだし、ふざけんな」

 照れている。素直じゃなさそうな子だけど、ちょっとは伝わったようだ。


34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:02:37.52 ID:PaZ1gZXh0
少女「ちっ、だから人間はウゼェ。魔法少女はもっとウゼェ。元とくればさらにウゼェ、ウゼェ、ウゼェ、ウゼェばかり、みんなくたばっちまえ」

 居心地悪くなったようで、早足で去っていく。

まどか「この世界は、とてもやさしくて、美しいのっ!」
まどか「きっと救いはある。私たちがそうなったように。だから、希望を捨てずにがんばって!」
まどか「必ず、むくわれる日がやってくるからねっ!」

 遠くなっていく彼女の背中に、まどかは叫んだ。
 魔法少女は、すぐに見えなくなる。

まどか「届いたかな?」

ほむら「きっとね」

 届いてくれたはず。



35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:06:19.33 ID:PaZ1gZXh0

QB「まどかにほむら、それじゃあね」

まどか「バイバイ、キュゥべえ。たまには遊びにきてよ」

QB「気が向いたらね」

 気が向くことなんてない。
 今日のは偶然であって、もう二度と会うことはないのかもしれない。

ほむら「キュゥべえ。あなたのこと、疑っていてごめんなさい」
ほむら「あなたは魔法少女にとって、最高のパートナーよ」

QB「暁美ほむらが礼を言うなんて、今日は雪が降るわけだ」

 そう言い残して、キュゥべえは去っていった。

ほむら「…やっぱり私、キュゥべえのこと、好きになれそうにないわ」

まどか「まぁまぁ、キュゥべえは、私たちのこと助けてくれたんだし」


36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:08:49.27 ID:cGTrVBzH0
ほむらちゃほむほむ

38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送ります :2011/05/31(火) 23:09:19.16 ID:FNNaf1if0
支援

しかしこれ少女の元ネタとかあるのかい?

オリジナルなら是非とも絵がほしいな

39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:10:28.94 ID:PaZ1gZXh0

 まどかは、私の手をそっと握った。

まどか「ねぇ、ほむらちゃん?」

ほむら「なに、まどか?」

まどか「私たち、魔法少女のために、なにかできないかな?」

ほむら「一緒に戦えないからね。できることは限られているよ」

 何も出来ないわけじゃないだろうけど、人間となった私たちには限度がある。

まどか「そっか、しょうがないよね」

ほむら「さっきの子や、新しく誕生する魔法少女たちを、信じていきましょ」

まどか「うん」
まどか「こうして、私とほむらちゃんが楽しいデートできるのも、魔法少女たちに守られているからだもんね」

ほむら「そうね。平和の代償に、彼女たちは過酷な運命と闘っている」

まどか「私は、毎日、毎日、その子たちに感謝しながら暮らしていくよ」

ほむら「私も…」

 すべての魔法少女の結末が、幸福なものでありますように…。


40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:12:26.85 ID:PaZ1gZXh0
>>38
 少女はオリジナルです。特にイメージしたものもないですね。

41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:14:16.41 ID:PaZ1gZXh0
ほむら「って、まどか、時間!」

まどか「え? あ、そうだった!」

 私たちは市民会館に向かう所だった。
 美樹さやかに招待されて、市民オーケストラによる、上条恭介のヴァイオリン演奏会が開かれる。
 曲目は、サラサーテのカルメン幻想曲。さやかがリクエストした曲だった。

ほむら「クラシックって始まったら、入場できなくなるの!」

まどか「ええっ! それじゃあ、急がなくちゃ!」

 手を握ったまま、私たちは会館を目指して、走り出す。
 この先、どんな未来が待っているのか分からない。
 けれど、私は、まどかの手を離すことは絶対にないだろう。
 ずっとずっと、ふたりで、手を取り合って走っていく。


43 少女 :2011/05/31(火) 23:17:58.22 ID:PaZ1gZXh0

少女「サンタを倒したんだ、クリスマスなんて、死んじまえ」

まどか『この世界は、とてもやさしくて、美しいのっ!』
まどか『きっと救いはある。私たちがそうなったように。だから、希望を捨てずにがんばって!』
まどか『必ず、むくわれる日がやってくるからねっ!』

 あの、元魔法少女って女の言葉がずっと耳に付いている。

少女「別に、報われたかねぇんだ。私は殺されるのが本望なんだよ、ほーもー」

 地べたに倒れ込む。

少女「はぁ、なんか嫌、ぜんぶ嫌、私のソウルジェム破壊しよっかなぁ」

 空を見れば、雪がはらはらと降っている。暫くすれば、体が積もりそうだ。

マミ「こんなところで寝てると、風邪ひくわよ」


44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:20:58.30 ID:PaZ1gZXh0

少女「うわ、おせっかいババア、来やがった」

マミ「お姉さんよ」

少女「うるせ、巨乳しかとりえないくせに」

マミ「そんなに、私の胸ってうらやましいのかしら?」

杏子「なんで、こっち見るんだよ?」

マミ「好きなくせに」

杏子「んなもん腹の足しになんないじゃん。アタシは、こっちの方が好きだよ」

 コンビニで買った、肉まんをほおばる。

杏子「おーう、少年。肉まん食うかい?」

少女「わたし、女。肉まん、いらね」


45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:23:48.24 ID:PaZ1gZXh0
杏子「そうか、うめぇのに。マミも食う?」

マミ「クリスマスの料理、食べれなくなるわよ」

杏子「平気だ。マミの食いもんなら、アタシは底なしになるからな」

マミ「あなたも、いきましょ。ご馳走、用意してあるわ」

杏子「ケーキもあるぜ」

少女「いらね」

杏子「拒否権なし。アタシが無理矢理、連れて行ってやる」

少女「なぁ、さっきもだしさ、元魔法少女ってなんでそんなにお節介なわけ?」

マミ「さっき?」



46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:27:57.41 ID:PaZ1gZXh0

少女「悪魔倒してたとき、会ったんだよ、あやしいぐらい仲良い2人」

杏子「つったら、まどかとほむらしかいないな」

マミ「あの子たちも、新たなる魔界の使者の存在を知ったのね」

杏子「アタシらがやっていること聞いたら、絶対、仲間に加わるぜ」
杏子「したら、さやかの奴も、釣られて入ってきそうだな」

マミ「チームマギカエンジェルズ、再結成ね!」

杏子「その名前だけは、絶対に変えてやる」

マミ「あの子たちのクリスマスは、美樹さんとクラシックコンサートだったわね」

杏子「アタシはガラじゃないから断ったけど、マミはそういうの好きそうじゃん。なぜ行かなかったんだ?」

マミ「ほっとけない子がいるから」


47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:30:42.81 ID:PaZ1gZXh0

少女「私のこと? ほっときゃいいじゃん。もう、魔法少女じゃなくなったんだよ? 好き勝手に遊びなよ」

マミ「そう、だから、好き勝手にさせてもらっているわ」
マミ「その一つが、あなたのような魔法少女を助けること」

 巴マミは、聖母のようににっこりと微笑む。

マミ「安心して。あなたは決して、一人ぼっちじゃないのよ」

 やめろよ、泣けるだろ。
 耐えきれず、目をそらすと、雪ウサギのようになったキュゥべえが、こっちを見ている。
 あいつの差し金なのは分かった。まったく、余計なことしやがって。

少女「とても美しくて、やさしい世界、ふざけんな」

 あたたかすぎて、ほんとウザイ。

END


48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:32:16.88 ID:qmYpDFsN0
え、まどほむは









え?

49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:34:11.45 ID:HpoD6/l20
> マミ「あの子たちも、新たなる魔界の使者の存在を知ったのね」


やっぱ厨二病は治らなかったか・・・

51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:38:03.32 ID:PaZ1gZXh0
スレ立てしようか迷ったほど短い話ですけど、つきあってくださりありがとうございます。
今日の昼に唐突に浮かび上がって、一気に書き上げましたので、文章荒くて申し訳ないです。

本編で語れなかったのを補足する、ちょっとしたオマケ程度と思って下さい。

52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:40:35.13 ID:vrNbI+IG0
おつかれちゃん

54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/31(火) 23:54:32.00 ID:mHz0CufvO
イイハナシダ

55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/01(水) 00:00:20.44 ID:Ey4loVrs0
乙です。


関連記事
2011/06/02 17:14 | CM(4) | まどか☆マギカ SS
    コメント一覧
  1. 774@いんばりあん [ 2011/06/02 17:20 ]
  2. やっぱり、戦い自体は続くのか…それでも、救いがあっていいや
  3. 名無し [ 2011/06/02 19:07 ]
  4. つまらんな
    何というかつまらん
    物書きになりたいみたいな文章なんだよな
    けど才能ねーよこいつ
    可哀想だな
  5. 774@いんばりあん [ 2011/06/02 21:00 ]
  6. チ?ム、?鬢コ、ホ、ト、゛、鬢ハ、オ
  7. 774@いんばりあん [ 2011/09/25 00:34 ]
  8. ※2
    どこを縦読みするんです?
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