1 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:02:44.440 ID:xqlrtcGn0.net
-湖のほとりの温泉旅館-
タプリス(前略、天界のお父さんお母さん)
タプリス(わたしは今、学校の先輩たちと共に)
タプリス(大型連休を利用して、北海道旅行に来ています)
タプリス(あ、北海道というのは、わたしが下界で住んでいる国の最北に位置して――)
タプリス(って、その話は前もしましたよね)
タプリス(たくさんの自然に囲まれた北海道で)
タプリス(いろんな美味しいものを食べながら、素敵な場所を巡りながら)
タプリス(ついに最終目的地である、ここ、湖の温泉街にやってきたのです)
タプリス(と言っても、ただの温泉街ではありません)
タプリス(ここの湖にはなんと……)
タプリス(空に、巨大な円盤が浮いているのです!)
2 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:04:56.136 ID:xqlrtcGn0.net
ガヴリール「私は、ここでずっと温泉に浸かってるわ」
ヴィーネ「えぇ……せっかくここまで来たんだし、街に観光に行きましょうよ」
ガヴリール「どうせこんな小さな街、見るところなんてないだろ」
ヴィーネ「空にあんな円盤が浮かんでるのよ! もっと興味を持ったって……」
ガヴリール「円盤なら、ここからでも見えるしな」
ガヴリール「というかもう、見飽きた」
サターニャ「温泉なんてどこでも入れるのに、ほんとダメ天使ねぇ」
ガヴリール「ほっとけ」
ヴィーネ「それでラフィは?」
ラフィエル「私も、お湯の魔力に逆らえそうにありませんので……」
ヴィーネ「そ、そう……」
タプリス「じゃあ、わたしも……」
サターニャ「あんたは私たちと来なさい、タプリス」
タプリス「えぇ……」
ヴィーネ「タプちゃん、お願い」
ヴィーネ「サターニャと二人きりなんて、どっと疲れるに決まってるもの」
ヴィーネ「私の癒やしになって、ね?」
サターニャ「さらっと、ひどいこと言ってるわね、ヴィネット……」
タプリス「わ、わかりました。わたしも、円盤には興味がありますし」
ヴィーネ「ありがとっ、タプちゃん!」
ガヴリール「じゃあ、悪魔どもに食われんようにな、タプリス」
ヴィーネ「食うかっ!」
タプリス「あははは……いってきます」
3 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:06:58.922 ID:xqlrtcGn0.net
-湖畔の遊歩道-
タプリス「すごいです、石がずらっと敷き詰められてます」
ヴィーネ「ええ、なんか常に、足つぼマッサージを受けてるような感じね」
サターニャ「そうかしら、歩きづらいだけじゃない?」
タプリス「それにしても、まずはどこに行きましょうかね」
ヴィーネ「そうねぇ、観光マップは見ているけど……」
ヴィーネ「円盤の他には……温泉とお土産店くらいしか無いわね」
サターニャ「じゃあ、お土産店に行ってみましょ」
タプリス「賛成です!」
ヴィーネ「お土産店は最後にしたかったんだけど……まぁいっか」
ヴィーネ「どんな品揃えなのか見るだけでも楽しそうだしね」
-湖畔のお土産店-
店員の少女「いらっしゃいませー」
サターニャ「へえ、お店の中、結構広いじゃない」
ヴィーネ「ええ、繁盛しているのかしらね」
タプリス「わっ、見てください。円盤のグッズがこんなに……」
ヴィーネ「円盤まんじゅうに、円盤キーホルダー……」
ヴィーネ「円盤のぬいぐるみなんてのもあるわ」
サターニャ「さすが円盤の街……円盤尽くしじゃない」
タプリス「こう見ると、あの円盤も街の人からは愛されてるんですね」
ヴィーネ「でも、あんな巨大な円盤が空にあって、本当に安全なのかしら……」
4 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:08:56.293 ID:xqlrtcGn0.net
店員の少女「それについては、全く問題ありませんよ」
ヴィーネ「あ、すみません、聞こえてしまいましたか」
店員の少女「いえいえ。どなたでも、そう感じるのは自然だと思いますから」
サターニャ「実際どうなの? 落ちてきたりしないの?」
タプリス「く、胡桃沢先輩、失礼ですよ」
店員の少女「大丈夫ですよ。えっと、ですね……」
店員の少女「あの円盤がこの街に現れてから、もう数年が経ちますけど」
店員の少女「特に実害があったという話は、聞いたことがないですね」
ヴィーネ「そうなんですか」
店員の少女「安全上の問題で、毎年開かれていた」
店員の少女「花火大会がなくなってしまったくらいでしょうか」
サターニャ「まぁ、それが威嚇になってしまったら、まずいわよね」
タプリス「威嚇って、何のことです?」
サターニャ「あの円盤の中には、この星を侵略しようとする宇宙人が乗っていて」
サターニャ「実は、ここを監視している! とかだったりして!」
タプリス「そんなまさか……」
店員の少女「ふふっ、そんな噂も過去にはありましたね」
ヴィーネ「やっぱりあったんだ……」
店員の少女「ですが、私たちのようにお店を営んでいる側としては」
店員の少女「そんな噂も、万々歳ですから」ニコッ
ヴィーネ「あはは、商魂たくましいわね」
5 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:10:56.463 ID:xqlrtcGn0.net
ヴィーネ「それでは、私たちはもう少し、この街をぶらぶらしようと思いますので」
ヴィーネ「帰りにまた寄って、お土産買わせてもらいますね」
店員の少女「わかりました。お話、お付き合い頂き、ありがとうございます」
店員の少女「またのお越しをお待ちしております」ニコッ
-湖畔のお土産店 外-
タプリス「店員さん、とても感じの良い方でしたね」
ヴィーネ「ええ、歳は私たちとそんなに変わらないように見えたのに」
ヴィーネ「あんな風に働いているなんて、すごいと思うわ」
タプリス「そうですね……、って、なんか怪獣のポップがありますよ」
ヴィーネ「ああ、顔を出せる穴が空いてるわね。サターニャ、撮ってあげましょうか?」
サターニャ「ほんと!? って、あんな子供だまし、私がやるわけないでしょ!」
ヴィーネ「今、一瞬、すごく喜んでたじゃない……」
タプリス「これだけ円盤推しなのに、円盤のポップじゃないんですね」
ヴィーネ「さすがに円盤から顔を出すのは、シュールすぎじゃないかしら……」
タプリス「あはは……ですね」
サターニャ「それより、次はどこ行くのよ」
ヴィーネ「そうねぇ、観光マップによると……」
ヴィーネ「街外れに、天文台があるらしいわ。景色が良いみたいだけど」
タプリス「それいいですね! 湖もよく見えるかもしれません」
サターニャ「景色、ねぇ……まぁ、他に行くとこないなら、いいわよ」
ヴィーネ「じゃあ次は、天文台で決定ね」
6 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:12:24.985 ID:xqlrtcGn0.net
-天文台前-
タプリス「はぁ……はぁ……、結構、距離ありましたね」
ヴィーネ「ええ。途中、けもの道に変わったかと思ってびっくりしたけど」
サターニャ「何よ、あんたたち。だらしないわね」
タプリス「さすが胡桃沢先輩ですね。ピンピンしてます」
サターニャ「あんたたちとは、鍛え方が違うのよ」
ヴィーネ「それにしても……ここ、本当に観光名所なのかしら」
ヴィーネ「雑草は生い茂ってるし、建物もぼろぼろだし……」
タプリス「知る人ぞ知る、感じなんですかね」
サターニャ「とりあえず中に入るわよ」
ヴィーネ「ちょっとサターニャ! 危ないわよ!」
タプリス「わ、わたしたちも行きましょう!」
ヴィーネ「ええ」
-天文台-
ヴィーネ「外観ほどじゃないけど、中も人の手が入ってる感じはしないわね……」
タプリス「ホコリまみれで薄暗いですし……、なにか出てきそうで怖いです」
サターニャ「なにかって、何よ。もしかして、お化け?」
ヴィーネ「ひっ、や、やめてよ、サターニャ!」
サターニャ「ヴィネット……もしかして、お化けが怖いの?」
ヴィーネ「そ、そんなはずないじゃない!」
~♪ ~♪ ~♪
ヴィーネ「ひえっ! お、お化け!?」
7 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:13:34.649 ID:xqlrtcGn0.net
サターニャ「上の方から、何か聞こえるわね」
タプリス「これは……鼻歌? ですかね。他に誰かいるんでしょうか」
サターニャ「行ってみるわよ」
ヴィーネ「ちょ、ちょっと、やめましょうよ……」
-天文台 最上階-
青髪の幼女「~♪ ~♪」
タプリス「素敵な曲……って、お、女の子?」
青髪の幼女「……ッ」クルッ
ヴィーネ「ひっ!?」
青髪の幼女「こんにちは」ニコッ
タプリス「あ、えと……こ、こんにちは」
青髪の幼女「おねーさんたち、何かご用?」
タプリス「よ、用と言いますか、えっと……ここには観光で来ていて」
ヴィーネ「か……」
タプリス「か?」
ヴィーネ「かわいいぃぃぃぃっ!!」
タッタッタッ
ヴィーネ「あなた、こんなところで何してるの! 一人? 一人なの!?」
青髪の幼女「わっ、わわっ」
サターニャ「さっきまであんなに怖がってたくせに……」
タプリス「月乃瀬先輩、かわいい子に目がないですからね……」
8 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:14:26.028 ID:xqlrtcGn0.net
青髪の幼女「えっと……ここにはね、流星群を見に来たの」
ヴィーネ「流星群?」
青髪の幼女「うんっ。今日の夜、とってもすごい流星群がここで見られるから」ニコッ
タプリス「それは知りませんでした。で、ですけど、まだお昼ですよね?」
青髪の幼女「待ちきれなくて、もう来ちゃった、えへへ」
ヴィーネ「……ッ」キュン
ぎゅぅ
ヴィーネ「もう! もうもう! かわいすぎる~」スリスリ
青髪の幼女「あわわ……く、苦しいよ」
くぅぅぅ
青髪の幼女「あっ」カァァ
ヴィーネ「あれ。もしかして、お腹すいたの?」
青髪の幼女「……」コクッ
ヴィーネ「じゃあ、私たちとごはんを食べに行きましょう!」
青髪の幼女「ほんと!? 行きたい!」
ヴィーネ「夜までまだ時間はあるし、平気よね?」
青髪の幼女「うんっ!」
タプリス「こんな、かわいらしい子と一緒にごはんだなんて、楽しみですね」
サターニャ「これって、誘拐っていうんじゃないの……」
タプリス「ま、まぁ。地元の子みたいですし、戻ってくれば大丈夫ですよ」
ヴィーネ「さあ、行きましょう!」
青髪の幼女「おー!」
9 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:15:28.318 ID:xqlrtcGn0.net
-喫茶・洋食店-
からんからん
サターニャ「へぇ。結構、雰囲気の良いところじゃない」
青髪の幼女「ここのオムライスが、とってもおいしいの!」
ヴィーネ「地元の子に教えてもらえてよかったわね」
サターニャ「やるじゃない、ちっこいの。褒めてあげるわ!」
青髪の幼女「ソースはね、えーっと、デミグヌフソース! がおすすめだよ!」
サターニャ「何それ、すっごい悪魔的な名前ね! 気に入ったわ!」
ヴィーネ「デミグラス、だと思うわよ……」
――
タプリス「わっ、すごい、おいしそうです! い、いただきます!」
青髪の幼女「ん~、おいし~」モグモグ
タプリス「ふふっ、本当においしそうに食べてますね」
タプリス「あ、口にソース付いてますよ」フキフキ
青髪の幼女「えへへ、ありがとう」
ヴィーネ「……」パシャパシャ
サターニャ「ヴィネットは、ちっこいの撮りすぎ。料理も少しは撮りなさいよ」
ヴィーネ「はっ!? つい手が……」
タプリス「ほら、こっちのも食べてみてください。はい、あーん」
青髪の幼女「あーむっ。ん~、おいしーよー♪」
ヴィーネ「……」パシャパシャ
10 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:16:23.851 ID:xqlrtcGn0.net
サターニャ「本当においしかったわ、大満足ね」
青髪の幼女「えへへ、おなかいっぱい~」
ヴィーネ「私も、いっぱいになったわ」ツヤツヤ
タプリス「月乃瀬先輩は、別の意味で……ですよね」
サターニャ「さてと、次は……って、なんか空が曇ってきたわね」
ヴィーネ「あらほんと。今日の、この地域の予報は、っと……」スッ
ヴィーネ「午後から次第に雲が出てきて、夕方から雨が振り始める、ですって」
青髪の幼女「えっ……そんな……」
タプリス「あ、このままじゃ夜の流星群が……」
ヴィーネ「そうね……雨の確率、夜は100%になっているわ……」
青髪の幼女「……せっかく、せっかく、楽しみにしてたのに」シュン
ヴィーネ「……」
タプリス「……」
サターニャ「……まだ、諦めるのは早いわ」
青髪の幼女「えっ?」
サターニャ「きっと、雨雲なんて吹き飛ばす方法があるはずよ!」
タプリス「それは……」
ヴィーネ「……そうね」
タプリス「つ、月乃瀬先輩?」
ヴィーネ「よく言ったわ、サターニャ。たしかにその通りよ!」
ヴィーネ「みんなで調べてみましょう!」
タプリス「はい、わかりました! 流星群、絶対に見ましょうね!」
青髪の幼女「うんっ!」
11 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:16:55.121 ID:xqlrtcGn0.net
-資料館-
サターニャ「なーはっはっはっ!」
青髪の幼女「なーはっはっはっ!」
タプリス「あはは、すっかりお二人、仲良しさんですね」
ヴィーネ「精神年齢が合うだけじゃないかしら……」
サターニャ「ちっこいの、なかなか筋が良いわね、気に入ったわ!」
サターニャ「この大悪魔であるサタニキア様の、弟子にしてあげてもいいわよ」
青髪の幼女「大悪魔? 弟子?」
ヴィーネ「こらこら、サターニャ。変なこと教えないの」
タプリス「それにここには、晴れ乞い? の方法を見つけに来たんですよ」
サターニャ「そうだったわね、忘れてたわ」
ヴィーネ「まったく……」
――
ヴィーネ「まぁ、定番中の定番といえば、てるてる坊主よね」
サターニャ「でも、あんなので、本当に晴れるの?」
ヴィーネ「そうねぇ……」
サターニャ「どうせなら、小さいのじゃなくて」
サターニャ「どーんと特大サイズを用意したらどうかしら」
タプリス「特大って……」
サターニャ「そうね、中に私たちが入るくらいの!」
タプリス「えぇ……」
ヴィーネ「ああでも。実はてるてる坊主って、元は坊主じゃなくて」
ヴィーネ「実物の女の子が、やってたらしいわよ」
12 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:17:24.297 ID:xqlrtcGn0.net
タプリス「へぇ、そうなんですか。知りませんでした」
青髪の幼女「それ、やりたい!」
ヴィーネ「えっ?」
サターニャ「良い案じゃない。ちょうど、ちっこいのが着てる服もそれっぽいし」
青髪の幼女「やる! それで晴れるならやるよ!」
ヴィーネ「でも、ねぇ?」
サターニャ「ほら、タオル巻いてあげるわ。そして、上から顔を書いて……」
サターニャ「できたわよ!」
青髪の幼女「わー! 前が見えないよー!」
サターニャ「ほら、その場でくるくる踊りなさい!」
青髪の幼女「うんっ! 晴れろー! 絶対晴れろー!」クルクルー
ヴィーネ「……」パシャパシャ
――
青髪の幼女「ぜんぜん晴れない……」クスン
タプリス「よしよし、よく頑張ったね」ナデナデ
ヴィーネ「こうなったら次は……、これよ」
サターニャ「それは……呪文書ね?」
タプリス「そんなの、ここにあるわけ……」
ヴィーネ「よくわかったわね、サターニャ」
タプリス「えぇ……本当なんですか」
青髪の幼女「じゅもん!?」キラキラ
ヴィーネ「でも、少し恥ずかしいから」
ヴィーネ「これはサターニャに、唱えてもらおうかしら」
14 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:20:35.267 ID:xqlrtcGn0.net
サターニャ「……ディール・オブ・ザ・デイ」
青髪の幼女「ごくり……」
サターニャ「サニー・アンド・ブライト」
サターニャ「レット・ザ・レイン・ゴー・アウェイ……」
サターニャ「メイク・ザ・デイ・ブライト!!」
シーンッ
青髪の幼女「おぉ~、かっこいい!」キラキラ
サターニャ「ふっ、決まったわ」
ヴィーネ「カムイ・パパイヤ・アホーイヤ」
サターニャ「誰がアホですって!」
ヴィーネ「いや、これも呪文なのよ、アホーイヤ」
タプリス「アホーイヤ?」
青髪の幼女「アホーイヤ!!」
サターニャ「アホアホ言うなぁ!!」
-資料館の外-
タプリス「呪文もまったく効果ありませんでしたね」
ヴィーネ「サターニャの魔力が足りないせいよ、きっと」
サターニャ「人のせいにするんじゃないわよ!」
青髪の幼女「アホーイヤ!」
タプリス「すっかり気に入ってしまったみたいですね……」
サターニャ「そんなことより、何か他のはないの?」
ヴィーネ「こうなったら、最後の手段よ」
サターニャ「最後の手段、ですって……?」
ヴィーネ「それはね……」
15 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:23:13.735 ID:sR/8Rjwdp.net
駄目だアニメ名が思い出せない教えてくれ
円盤と青髪でEDがいい感じで
16 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:23:41.181 ID:xqlrtcGn0.net
シュッ シュルシュルシュル
サターニャ「……」
ヴィーネ「……」
サターニャ「……で、どうして私は、木と木を擦らされてるのかしら」
ヴィーネ「この国ではあまりないようだけど」
ヴィーネ「木を燃やして、煙を空に上げると、雲が晴れていくおまじないがあるらしいわ」
サターニャ「それは良いけど、なんで摩擦なのよ! 他の道具でいいじゃない!」
ヴィーネ「えっと……気分?」
サターニャ「ああ、もうっ、やれば良いんでしょ!」
シュルシュルシュル
タプリス「す、すごい……煙が出てきました」
青髪の幼女「おぉ~」キラキラ
サターニャ「はぁぁっ! マッハデビルスピィィンッ!!」
モクモクモク
ヴィーネ「このくらいで良いわね。サターニャ、ありがとう」
サターニャ「ぜぇ……ぜぇ……まったく、悪魔使いが荒いんだから」
サターニャ「それにやることが地味なのよ……」
青髪の幼女「でびるすぴん! かっこよかった!」
サターニャ「そ、そう? やっぱり、あんたは見る目があるわね」
青髪の幼女「えへへ」
タプリス「これで晴れるといいですね」
青髪の幼女「うんっ」
18 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:26:37.626 ID:xqlrtcGn0.net
-夕方 湖畔-
ポツ ポツ ポツ
青髪の幼女「あっ……」
サァァァァァ
タプリス「ついに、降ってきちゃいましたね……」
ヴィーネ「とりあえず、あのコンビニで傘を買いましょうか」
-オレンジ色のコンビニ-
サターニャ「へぇ、出来たての唐揚げとかあるじゃない」
サターニャ「ちっこいの、あんたに買ってあげるわ」
青髪の幼女「ほんと!?」
サターニャ「ちょっと待ってなさい」
タプリス「あの胡桃沢先輩が、誰かに奢ってあげるなんて……」
ヴィーネ「ふふっ、よっぽどあの子のことが気に入ったのね」
サターニャ「ほら、食べなさい」
青髪の幼女「ありがとう! はむはむ……」
青髪の幼女「ん~! おいし~!」
サターニャ「そう、よかったわね」
タプリス「それにしても、これからどうしましょう」
ヴィーネ「そうね……とりあえずは、あの天文台に戻りましょうか」
19 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:27:38.004 ID:cm8sKWss0.net
天体のメソッドっていうアニメか
20 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:28:11.716 ID:sR/8Rjwdp.net
天体のメソッド!
21 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:29:20.833 ID:TwfTkYHj0.net
よくわかるなで久弥かよ。
22 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:30:12.781 ID:xqlrtcGn0.net
-夜 天文台 最上階-
ザァァァァァ
タプリス「すっかり暗くなってしまいました……」
ヴィーネ「雨も激しくなってきたみたい」
青髪の幼女「……」
サターニャ「ほら、元気出しなさい」
サターニャ「待ってれば、晴れてくるかもしれないでしょ」
青髪の幼女「でも……」
タプリス「そうですよ、まだ諦めちゃダメです」
ヴィーネ「ええ、私たちも付いてるから」
青髪の幼女「……ううん、もういいの」
タプリス「えっ」
青髪の幼女「おねーさんたち、今日は本当にありがとう」
青髪の幼女「いっぱいいっぱい、ごちそうしてくれて」
青髪の幼女「どれもほんとにおいしかった!」
青髪の幼女「それに、みんなで雲さんを晴らすために」
青髪の幼女「いろいろ考えてくれて、いろいろ試してくれて」
青髪の幼女「ほんとに、ほんとに嬉しかったの」
タプリス「ごめんね、力になれなくて……」
青髪の幼女「ううん、そんなことない。だって……見て?」
青髪の幼女「おねーさん達のおかげでね、こんなに……」
青髪の幼女「ニッコリできるんだから」ニコッ
23 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:32:01.749 ID:J1sN6f1A0.net
イイハナシダナー
25 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:32:49.185 ID:xqlrtcGn0.net
ぎゅぅ
タプリス「……ありがとう」
青髪の幼女「おねーさん?」
タプリス「流星群、次は何年後になるかわからないけど……」
タプリス「今度は見られたら、いいね」
青髪の幼女「……うんっ」
シュンッ
ガヴリール「ふぅ、到着……って、なんだここ、廃墟!?」
ラフィエル「あらあら」
タプリス「えっ、天真先輩に白羽先輩!?」
ガヴリール「お前らが、遅いから迎えに来たんだよ。そろそろ夕飯だし」
ヴィーネ「どうしてこの場所が……」
ラフィエル「うふふ、サターニャさんにセットしたGPS受信機が役に立ちました」
サターニャ「ちょっと! まだ外してなかったの!?」
ヴィーネ「恐ろしい子……」
青髪の幼女「すごい! このおねーさんたち、しゅんって出てきた!」
青髪の幼女「どうやってやったの!?」
ガヴリール「ん? このガキんちょは?」
タプリス「実は……」
26 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:32:54.249 ID:bWSUxfAG0.net
かわいい
27 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:33:47.043 ID:TwfTkYHj0.net
ここでラフィ再びだな(笑)
28 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:35:36.355 ID:xqlrtcGn0.net
ガヴリール「なるほど……今夜、流星群がね」
タプリス「はい。でも、この天気ですから……」
ラフィエル「ガヴちゃん、ガヴちゃん」コソコソ
ガヴリール「なんだ?」
ラフィエル「さっきからこの子に、私たちが飛んできた記憶を消す術を」
ラフィエル「ずっと、かけてるんですけど……」
ガヴリール「お前、マメだな……で?」
ラフィエル「それが、全く効かないみたいなんです」
ガヴリール「はぁ? 効かないってなんだよ」
ラフィエル「恐らくこの子は――」
ガヴリール「……そうか。じゃあ、天界の法には触れてないから良いんじゃないか」
ラフィエル「そうですね、良しとしましょうか」
青髪の幼女「どうしたの? おねーさんたち」
ラフィエル「うふふ、何でもありませんよ」
ラフィエル「それよりも、この街には……」
ラフィエル「なんでも願いごとを叶えてくれる、円盤さんがいるみたいじゃないですか」
サターニャ「えっ、あの円盤、そんなことしてくれるの!?」
青髪の幼女「……えっと、そうなのかなぁ」
ラフィエル「ここは、それにあやかりまして……」
ラフィエル「みなさんでお願いごと、してみませんか?」
29 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:38:34.609 ID:xqlrtcGn0.net
ぎゅっ
サターニャ「こんな、五人で手を繋いで輪になって、何か意味あるの?」
ラフィエル「はい。これで目を瞑って、円盤さんにお願いごとをするんです」
ガヴリール「はぁ……なんで私まで」
ヴィーネ「まぁまぁ、そう言わずに、ね」
ラフィエル「それでは、みなさん。いきますよ」
ラフィエル「……円盤さん、円盤さん、お願いします」
シーン
ガヴリール(……まぁ、とりあえず晴れますように)
ラフィエル(雨雲が、どこかへ飛んでいきますように)
ヴィーネ(雨が止んで、空が晴れますように)
サターニャ(ちっこいの、のために空を晴らしてあげて)
タプリス(……あの子に、流星群を見せてあげてください)
ザァァァァァッ
サァァァッ
ポツポツ ポツ ポツ
青髪の幼女「すごい! すごいすごいすごい!」
青髪の幼女「ほんとに雨が止んじゃった! 空が晴れちゃった!」
ヴィーネ「嘘……信じられない」
サターニャ「ほんとに、雨が止んだっていうの……?」
タプリス「え、円盤さんが……本当に叶えてくれたんですかね」
30 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:41:34.476 ID:xqlrtcGn0.net
青髪の幼女「ありがとう! おねーさんたち、本当にありがとう!」
ラフィエル「うふふ、よかったですね」
ヴィーネ「何はともあれ、ほんとに良かった! これで流星群、見られるわね!」
サターニャ「ほら、ここじゃ見えづらいから、外に出るわよ!」
タプリス「は、はい! それじゃあ、行きましょう?」
青髪の幼女「うんっ」
タッタッタッ
ラフィエル「どうしました? ガヴちゃん」
ガヴリール「……お前、また天界に連絡して、天候変えただろ」
ラフィエル「ふふっ、なんのことでしょう」
ラフィエル「晴れたのはですね……みなさんの願いが、あの円盤に届いたんです」
ラフィエル「見ましたか? あの子たちの笑顔」
ラフィエル「あれはきっと、かけがえの無いものですよ、ガヴちゃん」
ガヴリール「……ったく、茶番につき合わせやがって」
ラフィエル「ほら、私たちも行きましょう」
ラフィエル「次に見ることができるのは、何年先かわかりませんから」
ガヴリール「ああ、わかったよ」
31 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:44:39.053 ID:xqlrtcGn0.net
-夜 天文台前-
ヒュンッ ヒュンヒュンッ
タプリス「すごいです! あんなに星が流れて!」
サターニャ「これはたしかに、すごいわね……」
ヴィーネ「幻想的……」
タプリス「ほら、こちらに来てください。一緒に流星群を見ましょう?」
青髪の幼女「うんっ!」
ぎゅっ
タプリス「綺麗ですね……お星様がお空を走っていきます」
青髪の幼女「ほんとにきらきらしてる、きらきら……きらきら……」
タプリス「ええ……って、あれ、どうかしましたか?」
青髪の幼女「えっ、なんのこと?」
タプリス「いえ、その……涙を、流してますから」
青髪の幼女「え? えっ? うそっ!?」
タプリス「大丈夫ですか?」
青髪の幼女「わかんない……わかんないけど、きっと……」
青髪の幼女「流星群には、特別な思い出があるから、なのかな」
タプリス「そうですか……それを思い出して、しまったんですね」
ぎゅぅ
青髪の幼女「あっ……」
タプリス「だったら我慢せずに、思いきり泣いても、良いんですよ?」
青髪の幼女「……ッ」
タプリス「……ね?」ナデナデ
32 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:47:34.327 ID:xqlrtcGn0.net
青髪の幼女「ぐすっ……ありがとう」
タプリス「落ち着いた?」
青髪の幼女「嬉しいはずなのに、みんなニッコリなのに、泣いちゃうなんて」
青髪の幼女「ちょっと恥ずかしい……」
タプリス「そんなときもありますよ。でも、あなたには」
タプリス「ニッコリな笑顔のほうが、似合ってると思います」
青髪の幼女「えへへ……うんっ」ニコッ
――
ラフィエル「あらあら、こんなに懐かれてしまって」
タプリス「あ、白羽先輩」
ラフィエル「ふふっ、かわいい後輩が取られてしまってみたいで、悲しいです」
ラフィエル「ね? ガヴちゃん」
ガヴリール「なんで私に振るんだよ」
タプリス「あははは……」
ガヴリール「それより、もうだいぶ見ただろ?」
ガヴリール「旅館の夕飯、食べ損ねるし、そろそろ帰るぞ」
タプリス「あ、そうですね……」
ヴィーネ「じゃ、じゃあ、この子も一緒に……」
女の子1「あれ、あの人たちと一緒にいるのって……」
女の子2「ほんとね。見かけない人たちだけど、観光客の方かしら」
青髪の幼女「あ、みんなだ!」
35 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:50:38.591 ID:xqlrtcGn0.net
ヴィーネ「あ、もしかして、この子のご家族の方ですか?」
女の子1「えっと……はい。そんな感じです」
ガヴリール「そうか。じゃあ、ここで引き渡して、お別れだな」
ヴィーネ「寂しいけど、仕方ないわね。ぐすっ……元気でね」
サターニャ「何泣いてるのよ、ヴィネット……」
ヴィーネ「だって……」
サターニャ「ちっこいのだって、これからもこの街にいるんでしょ?」
青髪の幼女「うん、いるよ!」
サターニャ「だったら、また会えるじゃない」
ヴィーネ「……そう、そうよね。その通りだわ」
サターニャ「また流星群ってのが来たら、ここに来てあげるわ!」
サターニャ「感謝しなさい! なーはっはっはっ!」
青髪の幼女「なーはっはっはっ!」
タプリス「……えっと」
青髪の幼女「……ニッコリ、だよ」
タプリス「えっ?」
青髪の幼女「おねーさんも、ニッコリの方が似合ってるから」ニコッ
タプリス「そうですね、わたしがさっき言ったばかりでした」
タプリス「また一緒に、流星群を見ましょうね」ニコッ
青髪の幼女「うんっ! 約束!」
36 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:53:38.447 ID:xqlrtcGn0.net
青髪の幼女「おねーさんたち、今日はありがとうー!」
青髪の幼女「流星群を見せてくれて、ほんとにありがとうー!!」
青髪の幼女「バイバーイ! また会おうねー!!」ブンブンッ
タプリス「はいっ! また会いましょう!」
――
女の子2「なんだか賑やかな人たち、だったわね」
女の子1「……でも、とても良い人たちみたい」
青髪の幼女「うんっ、いっぱいいっぱい、ごちそうになっちゃった」
女の子1「もう……食べ過ぎたりしてない?」
青髪の幼女「えへへ。あ、でも、もうお腹すいてきちゃった」
女の子1「はぁ、そんなことだろうと思って、サンドイッチ持ってきてるから」
女の子1「一緒に食べながら、流星群を見ましょう?」
青髪の幼女「うんっ!」
女の子2「それにしても、今日は100%雨予報だったから、諦めてたのに……」
女の子2「ずいぶんと急に晴れたわね」
女の子1「まぁ、見ることができるんだから、良かったじゃない」
女の子2「そうね」
青髪の幼女「あのおねーさんたちが、雲を晴らしてくれたんだよ!」
女の子1「えっ? そんなことできるわけ……」
青髪の幼女「だからね、恩返ししないと」
女の子2「な、何をする気? って……円盤が!?」
青髪の幼女「ひゅー! どーん!」
青髪の幼女「おねーさんたち、みーんな! ニッコリになーれ!!」
37 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 21:56:37.106 ID:xqlrtcGn0.net
-夜 湖畔 遊歩道-
パァァァァッ
タプリス「う、うそ……円盤が……」
ヴィーネ「輝いてるわね、綺麗だけど……」
サターニャ「なにあれ! なんか花火みたいで綺麗じゃない!」
ガヴリール「おうおう、すごいな」
ガヴリール「あれか? プロジェクションマッピングってやつか?」
ヴィーネ「いや、あんな巨大な円盤にできるはずないでしょ……」
サターニャ「まさか、異星人からの侵略の合図!?」
ガヴリール「んなわけないだろ……」
ラフィエル「タプちゃん、どうしました?」
タプリス「あ、いえ、とても綺麗な光だなって」
ラフィエル「ふふっ、それだけですか?」
タプリス「えっと、自意識過剰かもしれないんですけど……」
タプリス「あの光がなんだか、わたしたちに向けられているような気がして」
ラフィエル「そうですかそうですかぁ」
ラフィエル「……きっと、そうなんだと思いますよ」
タプリス「えっ? し、白羽先輩?」
38 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 22:00:10.391 ID:xqlrtcGn0.net
ラフィエル「あの子と今日一日、何があったのか詳しくは知りませんが」
ラフィエル「かけがえのない、思い出になったんですね」
タプリス「はい。そうですね……そう思います」
ラフィエル「あの光からは、ですね。感謝の気持ちが感じられるんです」
ラフィエル「だからタプちゃんも、それを感じ取ったのではないでしょうか」
タプリス「えっ、それって、まさか……」
タプリス「あの光は、あの子が……?」
ラフィエル「うふふ、どうでしょう」
ガヴリール「ほら、タプリス。旅館に早く帰るぞ、おいしいごはんが待ってる」
タプリス「は、はい!」
タプリス「……」
タプリス「……ッ」クルッ
タプリス「円盤さん! ありがとうございました!」
タプリス「あの子と、わたしの願いを叶えてくれて、本当にありがとうございました!」
パァァァァッ
タプリス(あの子と一緒に見た星々は、一瞬で通り過ぎてしまったけれど)
タプリス(わたしたちに刻まれた大切な思い出は、きっと……)
タプリス(何年経ったとしても、色褪せることはないと信じています)
タプリス「……そうですよね、円盤さん!」ニコッ
おしまい
39 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 22:04:43.681 ID:sR/8Rjwdp.net
オッ!
40 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 22:05:25.772 ID:W1wn8ko1M.net
乙
懐かしいなそらメソ
42 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 22:10:17.013 ID:bWSUxfAG0.net
乙
43 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2017/05/16(火) 22:10:26.965 ID:vk4n07ns0.net
乙
ところで誰か久弥の行方を知らんか?
転載元
ガヴリール「千咲ちゃん、北の大地で流星群を見る」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1494936164/
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