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:2015/02/20(金) 00:01:06.58 ID:EfW8IvJ/0
彼女は二酸化ケイ素の大きなカタマリだった。
つま先から零れる砂は珪砂と呼ばれ、彼女の中でも特に透明な左胸は水晶、頬は希少なばら石英(ローズクォーツ)である。
誰もが肘を机に預けて形態を弄る講義を、一番前で聞いていたのが印象に残っている。
黒い髪の隙間から覗く病気の様な白い肌に一目惚れをする。
食べ物はあまり食べたがらなかったが、水はよく飲んだ。
好んでポカリスエットを飲んでいるのはイオン水だから彼女の身体にはいいのだろうと、専門的な知識もないのに一人で合点した。
聞けば何のことはない、味の好みの問題だった。
彼女はまた、ひどく遊び好きであった。
清流のさらさらと流れる渓谷、美しい夕日を水面にたたえた海、虫の歯車の鳴る森、鬱蒼とした魔物の住む廃墟。
彼女と歩いた道は、ひたひたの足跡が綺麗に反射していた。
彼女の石英としての道しるべを大切に写真に収める。
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