1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:08:10.26 ID:uw5UaCGx0
町中で陽炎揺らせてリズムとってる無機質無気力無責任なビル群に囲まれて
私 平沢憂は39度の記録的且つ壊滅的猛暑と絶賛戦闘継続中
エンジェルフォールもびっくり自信無くして昇天するような滝汗もそのままに
夏休みの通学路を歩いていく
暑い
暑い
セミが喧しい 暑い
暑いセミが喧しい暑い暑い暑いセミが喧しい暑い喧しい暑い暑い喧しい喧しい暑い
暑い暑いミンミンミンミン暑いジージーニンニン暑い暑いギィギィ暑い暑いミーンミンミンあぁ暑い
暑い暑いニーンニンニン暑い暑い暑い暑い
ゲシュタルト崩壊限界突破な脳内をロデオドライヴ必死こいて制御しつつ遠くに見えてくる学校をぎろりと睨む
私がわざわざ夏休み直後にベギラゴンみたいな灼熱地獄の通学路を嫌々歩いているのも
追い払っても引っ叩いても泣かせても崇高なるお姉ちゃんに発情することを頑なにやめようとしない
腐った根性が悪の化身アジ・ダハーカを彷彿とさせる泥棒猫こと中野梓ちゃんの気紛れのせいに他ならない
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:10:28.92 ID:uw5UaCGx0
事の顛末は一週間前
へその緒切った瞬間からお姉ちゃんを愛して崇めて慈しんでいるこの私は当然確実モチのロンに
その日もお姉ちゃんと平凡且つ超幸福な一日を過ごすつもりだったんだけど
極上のケーキに這うゴキブリのような害虫中の大害虫中野梓は一ミリたりとも躊躇せず我が家のチャイムを高々と鳴らした
ぴんぽーん
世界の終末を告げる天使のラッパにも似たその音色を聞いたお姉ちゃんが玄関扉を開けようと部屋から出るのを阻止した私が
換わりにクーラー効いた部屋から出てってアメリカアニメみたくドアが変形する程の勢いで開けてやるんだけど
黙示録の羊 あずにゃんはそんな私を見るなりこう叫んだ
「唯せんぱーい、迎えに来ました!早く買い物に出かけましょう!」
全力でドアをブチ閉める
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:11:59.73 ID:J6U8sSDcO
作者特定出来そうなほど特徴ありますなw
期待
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:15:43.13 ID:uw5UaCGx0
でも泥棒猫が
わざわざソニックブームみたいなキンキン声で遠くまで叫んだもんだからお姉ちゃんは「うん!今行くよー」とか返事して
私の脳内で何かが崩れた
フレンジングフラット 脳細胞がリセットされる奇妙な感覚キモチワルイ
プライベートでショッピング 洋服なんか一緒に買いに行っちゃって
下着売り場の試着室で黒ミサ真っ青な超驚異的淫行乱舞に及ぶ仲にまで発展しているのかと不安で不安で不安になる
勿論何かの間違いで お姉ちゃんからしたら薄汚い野良猫にお情けでソーセージ一切れあげるくらいの感覚だと
私は信じてるんだけど それでもしかし
最近妙に調子に乗った目つきで私を見てくる中野梓のことを考えると
無限地獄最低最悪UnderWorldDreamsなパターンも想定しなければならないわけで
つか待ち合せにしろよ 嫌がらせかよ
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:21:46.17 ID:uw5UaCGx0
めいっぱいおめかししたお姉ちゃんは泥棒猫に連れさられ12時間後に帰宅
久々のお姉ちゃんオーラを深呼吸で肺の中に納めながら
お姉ちゃん汗を舐めたいなあとか下劣な妄想しちゃってほんの少し自己嫌悪
お姉ちゃんが身体に付いてしまった邪悪なゴキブリオーラを取り払う為シャワーに入っている時
私の携帯にメールが届いた
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:22:35.73 ID:uw5UaCGx0
―――――――――――――――――――――
From:ワモンゴキブリ
題名:妹(笑)
今日は唯先輩[絵文字]とジャンボ「絵文字]海水プール[絵文字]で遊んだんだけど
憂は12時間一人[絵文字]で何してたのかな?ねぇ?ねぇねぇ?[絵文字][絵文字][絵文字]
唯先輩[絵文字]ってさ ぶっちゃけもう憂[絵文字]のこと見てないっぽいよ 当り前だけど
そりゃあいつまでも姉妹[絵文字]といちゃついてられないよね
それで本題[絵文字]入るとさ
もう唯先輩[絵文字]は諦めなよ
姉妹[絵文字]でいちゃつくって傍から見たら相当アレ[絵文字][絵文字]だよ?
何より今は私[絵文字]に夢中[絵文字]みたいだし
どうしても手を引けないって言うなら 1週間後の夏休み[絵文字]
学校に来てよ
嫌でも諦めさせてあげるから[絵文字][絵文字][絵文字]
――――――――――――――――――――――
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:26:04.90 ID:PF5lzM5E0
ワモンゴキブリで登録してんのかよwwww
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:27:39.19 ID:uw5UaCGx0
足でペン握って書いたラテン語よりも読み難い糞メールはどうみても挑発で
一瞬千撃瞬獄殺を叩きこむのに十分な必殺技ゲージを私に提供してくれた
そこから一週間 お姉ちゃんとはいつも以上に親しく愛しく慎ましく接するんだけどやっぱりお姉ちゃん可愛い可愛いアイラブユー
回想終わり
お姉ちゃんはまだ 家のふかふかもふもふやわらかベッドでおやすみなさいを夢中で楽しんでいるので
私はそんなすやすや天使を起こすことなく家を出た
帰ったらまず返り血流すシャワーを浴びようとか考えてたら学校に着き迷わず軽音部の部室に赴く
勿論
ドアを思い切り蹴飛ばす
イライラしてたので全力全開ゲージMAX100%で蹴飛ばす
あわよくばぶっ壊れて吹っ飛んでゴキブリに直撃させる勢いで蹴飛ばす
でも
部屋は不気味な程に冷たく静かで落ち着いた空気で満ちていて
そこにぽつんと立つ
中野梓は不気味な程に頬を赤らめて微笑んでいた
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:32:29.52 ID:uw5UaCGx0
ハナカマキリは凶悪凶暴超肉食系昆虫男子にも関わらずその見た目は部屋に飾れるレベルの華っぷりで
経験値稼ぎにもならないバタフリーをひょいひょいひょいひょい喰って見せるんだけど
目の前に立つゴキブリにも似たような習性があるのかもしれない
てか何 その顔
ニヤニヤニヤニヤ 私が嘲笑の意として受け取ろうとしたその瞬間
中野梓は呟いた
「好き」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:34:36.63 ID:0jIm2359O
えっ
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:34:52.49 ID:nxxgV7Bd0
まさかの
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:36:45.24 ID:uw5UaCGx0
「へ?」
「だから 私 好きなんだよ」
「ホウ酸団子が?」
「ううん、憂のことが」
思わずぶちかましそうになる右ストレートをなんとか抑えて
でもやっぱり我慢できなくて左手で快音を響かせるビンタをかます
すぱっちいん
熱でもあるんじゃないのこの子
39度の高熱で
脳味噌やられちゃってるんじゃないのかな
セコンドも両手振りながら褒め称えてくれるようなナイス角度で入ったビンタをものともせず
中野梓は再びこちらを向いて さっきよりも情熱的で情動的で官能的な目つきで
私を見て 呟く
「好き」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:43:18.18 ID:uw5UaCGx0
「何言ってるの?」
「何度も言ってるでしょ。憂の事が・・」
「なんでそうなるの?ドン引きっていうか、お姉ちゃんは?よくわかんないよ梓ちゃん」
「結構前からさ、唯先輩よりも憂の事見てる自分がいて」
「でも憂って妄信通り越して狂信的に先輩に夢中だし」
「とりあえず先輩と憂を離れさせたくて・・ね?」
金の斧も銀の斧も取らずにショボくれた鉄の斧を選ぶ馬鹿の話を聞いたことがあるけど
お姉ちゃんから私に鞍替えする超究武神天元突破な大馬鹿女は初めて見たから吃驚仰天摩訶不思議
そりゃあ勿論お姉ちゃんから手を引くって言うのは賢いし当り前だし懸命だし義務だけど
だからって妹の私にドス黒いヘドロのような好意を向けられても気持ち悪いだけだ
「無理。じゃあね。バイバイ。さよなら梓ちゃん」
勿論断固としてNOサイン さっさと帰って特製お姉ちゃん朝ごはん(兼昼ごはん)を作ってあげよう
「諦めないよ」
私がドアノブに手をかけた瞬間 蚊の断末魔のような声で中野梓は呟いた
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:45:13.48 ID:h6769iiGO
39℃の!とろけそうな日!
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:52:59.02 ID:uw5UaCGx0
――――――――――――――――――――――
それからというものの 彼女は呼んでもないのに毎日家に遊びに来た
闇属性のチャイムが高々と平沢家室内に鳴り響き気分を害しながらドアを開ければ中野梓
あっちで中野梓 こっちで中野梓だ
私がいくら断ってもこの媚びた野良猫は図々しく家に上がり込もうとしてムカついた私が会心のハイキックを
こめかみ辺りにお見舞いしてあげるんだけど
「そういうトコも含めて全部好きだよ」
とかいう半ば宗教めいた台詞を熟れ過ぎたトマトみたいに真っ赤になった顔で言う始末でもう何なの
お姉ちゃんはこの野良猫を(恐らくは憐れみの意志からだが)可愛がってあげているので何とも言えないが
こんなこと続けても私を振り向かせるなんてできっこないのに何してるんだろう
ただこの黒い猫は お姉ちゃんとも遊ぶ
もう好きじゃないんじゃないの?って3連鎖までしかできないぷよぷよに夢中になる中野梓の背中に私は問いかけたかった
好きなものだけに齧り付けばいいっていう
私の考えがおかしいとは部屋の隅に溜まる埃の一粒程にも思わないんだけど
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:54:39.04 ID:2Rk94zWg0
せーので走りだす~♪
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 00:57:10.31 ID:uw5UaCGx0
そんなある日
またしても39度の破滅的な熱気は猛威を奮う
家のアイスと飲み物を全消費しても尚 暑さは容赦なんかしてくれない
勿論イフリート召喚したような灼熱地獄にか弱く可愛いお姉ちゃんが耐えられるはずもなく
私達平沢姉妹はユートピアでありアルカディアであるエデンである市民プールへ出かける気満々だった
ゼウスも本妻認定しちゃうレベルの色気を潜ませるアルティメットお姉ちゃんビキニを拝めるので
テンション高速エレベータで絶賛上昇・・するかと思いきや出発寸前に鳴るチャイムの音がそれを阻止する
ぴんぽーん
案の定玄関に立つのは中野梓ちゃん
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:02:46.47 ID:uw5UaCGx0
お姉ちゃんも優し過ぎるもんだから「あーあずにゃんだー あがっていってよー」なんて言っちゃって
この子は着実に 調子に乗りつつあるようだ
「ねぇ憂、今からプール行くんでしょ?」
なんで知ってんだよ今日朝決めたんだよ
「一緒に行こうよ!ね?」
私は困惑するんだけど主であり神であるお姉ちゃんが許可してしまうので断れない
ああ折角お姉ちゃんの水に濡れた髪とか肌とか爪とか空気存在概念森羅万象が一人占めできるかと思ったのに
なんてことを考えていると 梓ちゃんと目が合った
・・・生意気
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:03:36.96 ID:uw5UaCGx0
――――――――――――――――――――――
中野梓のプールでの振る舞いは媚薬とマタタビとドラッグ全部一緒に呑みこんだ発情期の猫のようで
微塵の凹凸も色気もないある意味奇跡的なその身体を以て必死のセクシャルアピールを試みていた
小学二年生の女子が着るようなピンクの水着は哀しいまで似合っていて 嫌でも視界に入る
「ねぇ憂、あっちでスライダーやろうよ!」
「ほら憂、パスパース」
「唯先輩の水着も可愛いけど、私のも負けてないよね」
世界で一番市民プールを楽しんでるのは絶対的に間違いなくこの中野梓で
そもそもそれはスライダーじゃなくてただの滑り台だし(そりゃあお前の体躯からしたらスライダーかもしんないけど)
みるみる内に日焼けしていく様はまるで昆虫の変態する瞬間を高速カメラで眺めているような不思議な光景だった
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:05:49.77 ID:uw5UaCGx0
そのせいもあってかスペシャルお姉ちゃんビキニを網膜に焼きつける暇は無く
終始梓ちゃんに振り回されて何時の間にか空が茜色カラスが鳴いて門限ギリギリ帰宅の時間だよコンチクショウ
「たのしかったねーあずにゃん」
「そうですね。憂も、楽しかったよね?」
もう知らないよどうでもいいよ
この黒猫の異様なまでの執着心はどこから来るんだろう
簡単にお姉ちゃんから私に乗り換えてよくここまでハマれるもんだ
最近根負けしてきたよ
帰り道
私の脳内は そんな一昨日の晩御飯程にどうでもいい思考でがっぷりと埋まっていた
そして中野梓は 妙に不安そうな顔で空を眺めていた
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:13:41.06 ID:uw5UaCGx0
我が家へ帰宅すると
頭が痛い
頭痛で痛い ズキズキズキ
お姉ちゃんも似たような症状を訴えていてこれは不味いなとシックスセンスで予知した瞬間体温計のアラームが鳴る
39.0
久々にはしゃいだせいかはたまた身体が弱っているのかわからないけれどこれは結構クリティカルで
何故なら今平沢家には私とお姉ちゃんしかいない
私の体調は蟻の糞程に無視していいとして何よりお姉ちゃんが苦しんでしまうのが世界崩壊並に不味い
多少無理してでも看病に勤しなければ
御粥でも作ろうか?いやまずお姉ちゃんをベッドに連れてって官能的な汗ふいて着替えさせてあげて水分補給も忘れずに
その後半分は優しさで出来てる薬を探してお姉ちゃんが飲みやすいようにイチゴ味のゼリーオブラートも一緒に渡さないといけないけど
なにか栄養のあるもの食べた後の方がいいだろうか?いや ダメだ
冷蔵庫は宇宙創世期を彷彿とさせる見事なまでのがんらんどうかつすっからかんの空っぽぷりだ
まず買い物 行けるだろうか てか 行かなきゃいけないんだけど
お姉ちゃんは守らなきゃ お姉ちゃんを護らなきゃ
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:18:11.83 ID:uw5UaCGx0
ぐったりしたお姉ちゃんを背負って部屋へと運ぶ途中に着替えとタオルを取ろうと洗面所へ向かう
この汗びっしょりなまま床に着いたらお姉ちゃんが可哀そうだ嗚呼可哀想可哀想
ごめんねお姉ちゃん無理させちゃって
引き出しから安物の黄色いタオルを取り出し
ふと鏡を見る
そこにいたのは
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:19:00.28 ID:uw5UaCGx0
そこにいたのはまるで人を喰らう鬼のような形相でこちらを見ているそいつはまるで暴慢な鬼のような面で
こちらを睨むそいつはまるで己の欲望に酔いしれる鬼のような視線でこちらを見るそいつはまるで肉親をも
躊躇なく喰らい尽くす鬼のような佇まいでこちらを指すそいつはまるで自分以外を認めない傲慢な鬼のような
瞳でこちらを観るそいつはまるで外へ出るのを恐れている臆病な鬼のような涙を流すそいつはまるで大事な
事に気付かない振りをしながら心の奥底で自分自身を戒める鬼のような汗を流すそいつはまるで自分が
強いと思い込まないと気が済まなくて何かから逃げ続けている鬼のような悲哀を持つそいつはまるで自分の
愛が天も次元も突破するくらいに誰かに届いて実を結んでいるものと勘違いしている鬼のような恥を散らす
そいつはまるで見なきゃよかったと後悔するものに直面する鬼のような愚かさを露呈するそいつはまるで
怒り喚けばそれが意味を持つと盲信する鬼のような未熟さを隠さないそいつはまるで好きでい続けることの
意味と理由を思い出せなくなって狂信するしかなくなった鬼のような虚しさを披露するそいつは
私の姉である
平沢唯の
たった一人の
妹だった
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:20:47.00 ID:uw5UaCGx0
この意味を私は理解した
途端に意識が落ちる
目の前がブラックアウト真っ暗になってゲームオーバーのカウントダウン
Continue? 0
――――――――――――――――――――――
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:25:14.53 ID:uw5UaCGx0
少しずつ広がる視界は眼球の表面にでんぷん糊でもくっ付けたみたいに不鮮明で
なんとか目を凝らすとそこに立つのは黒髪ツインテールが似合う小さな女の子中野梓ちゃん
話を聞くとお姉ちゃんに預けたままだったリップクリームを返してもらいに来たところ
家の様子がコンヒュ喰らったみたいにおかしかったから入ってきたそうだ
私は見事なまでにベッドで寝転んでいて脇を見ると見事なまでに薬と御粥が置かれていて
見事なまでに看病されてしまったようだ
きっとお姉ちゃんの手当てにも手を抜いたりはしないだろう
私と違って 満遍なく好意を振り蒔けるのだ
私と違って 人間らしい人間なのだ
「憂、大丈夫!?」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:29:43.44 ID:uw5UaCGx0
親の今際の際に立ち会うみたいに必死こいた顔で私を観るこの子は
きっと恐らく間違いなく清涼純粋ピュア100%に私が好きで それは素晴らしい事なんだろう
私はお姉ちゃんが大好きだ
それは地球が丸いってのと同じくらい否定しよう無い絶対確実1000%の事実だけども
梓ちゃんのそれとは掛け離れた一種の逃避と引き籠りで
他の全てをシャットダウンする
一番近い存在である姉に依存して 他の好きを拒むんだ
それが良いか悪いかはともかくとして
残念ながら少なくとも今はそこに身を置くことに徹しているので
梓ちゃんとは結ばれない
感謝はしてるけれどね
まぁ今までの非礼は詫びた方がいいかもしれない
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:33:48.67 ID:uw5UaCGx0
39度の女子高生は 中野梓と仲良くなった
ただそれだけしか進展してないけど
数日数週間じゃそんなもんだろう
夏休みが終わる頃には
何かが変わっているかもしれない
だってこの子
マジで毎日通ってくるからね
好き好き大好き超愛してる?
Love Love Love You I Love You?
・・まだわかんない
終わり
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:34:41.16 ID:DiR6TKafP
, ' ¨ ̄ ̄`¨ ‐ 、
/: : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/: : : : : : : : : : : : :/: : : : : : \
/: : : : : : :/: : : : /: /: : : : : : : :|: : ハ
/: : : /: /: : : : /: /: : : :/ : : : :|: : : :',
/: : :./: : /:/: : :.,': /==:./|:/: : /!: : : :.| / / / | _|_ ― // ̄7l l _|_
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V >' ´ ̄\!: : :.| // ミュ ,ムィ: : /! ;
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44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:39:33.32 ID:EmAqupYkO
乙
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 01:39:45.01 ID:J6U8sSDcO
おつにゃん
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 02:56:10.00 ID:cLHJv6s3I
乙よー
この疾走感溢れる文体好きだわwwww
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/11(水) 03:01:09.84 ID:+ySuqfR10
舞城王太郎読みたくなる
舞城 王太郎
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今回も面白かったw
なんか憧れる
だとしたら和ちゃんは指9本詰められたまんまか