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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/04/05(土) 14:16:45.74 ID:7o5w+49n0
「そういえば、そろそろ春香は誕生日ですね」
朝食を取りながら、妻がそんなことを言うので、新聞の日付を改めて見直す。
3月31日。春香の誕生日は4月3日、今週の木曜日に迫っていた。
年度末の忙しさにかまけて、娘の誕生日を忘れかけるとは不覚だった。
「そうだな…もうそんな時期か…」
「ええ、春香。いつの間にかあんなに立派になって」
テレビ欄を見てみれば、いつも765プロのアイドルが、どこかの番組に出ている。
言っている傍から、春香がテレビに出ている。
朝のニュース番組で、喫茶店のリポーターとして春香がテレビに映っている。
自分が病院で抱っこしていたあの赤ん坊が、今テレビで、全国の人達に見られている。
そんな実感の湧かない気持ちを、最初は少し、気味が悪かったと言うか、心配だった。
「ふふっ、どうしたんですか、あなた」
「いや。本当に、俺の娘なのかなぁ、と思って」
「え?」
「こんな立派になって…」
「あら、そうですか?」
「えっ?」
「春香は、間違いなく貴方の娘ですよ」
「そりゃあ、まあ、そうだけど」
こんな出来のいい娘に育つとは、正直…いや、それは言い過ぎだ。
でも、まさかアイドルになるなんて思っても見なかった。
そう妻に言うと、意外そうな顔をされてしまった。
「春香、昔からアイドルにあこがれていた気がしますけど」
「そうなのか?」
「あら、あなた、忘れてるだけでしょ」
「…かなぁ?」
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