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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/09/07(日) 00:03:17.37 ID:2zcbU8jkO
一番最初に出会ったのは、確か放課後。
そう、あのときも、私は櫻子を探していた。
掃除が終わったら一緒に生徒会に行くはずだったのに、あの子がなかなかやってこない。
向日葵「全くどこをほっつき歩いているのかしら……」
あの子の担当掃除箇所を探しに行こうとした途中。
誰もいない、被服室の窓枠に。
その少女の姿はあった。
向日葵(な、何……あの子……?)
器用に窓枠に腰掛けながら、夕方の少し強い風に吹かれて外を眺めている。
さらさらと揺らめく髪、ぱたぱたとなびく制服。その顔は……白い狐のお面に隠れていてわからない。
でも、私はその仮面の奥の顔に心当たりがあった。
というより、それがさっきからずっと私が探していた子の姿と、感覚的に一致しているのだ。
だって私は、その風になびく髪を一番長く隣で見てきたのだから。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1410015797 2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/09/07(日) 00:07:40.60 ID:2zcbU8jkO
向日葵「さ……櫻子!?」
「……!」ぴくっ
少女は私の声に反応して、窓の外にやっていた視線を、身体ごとこちら側へゆっくり向けた。
向日葵「櫻子……櫻子ですわよね? 何やってるんですのこんなところで……」
「…………」
少女は何も応えない。
ゆっくりと窓枠から降りて、こちら側へ少しずつ歩み寄る。
少し怖かった、けど、私は退かない。
だってそのシルエットも、身長も、私の知っている櫻子と全く同じものだったから。
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