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◆li7/Wegg1c [saga]:2015/04/28(火) 21:03:49.17 ID:oekffFfr0
暗い、暗い海。銀髪の少女は突如その海のど真ん中に立っていた。
そこに灯る光は、ただ赤い炎だけ。
響は辺りを見回した。闇に覆われた海原に、三つの光が見えた。
三つの駆逐艦、いや艦娘が燃え上がり、今にも沈もうとしていた。
「次に生まれてくる時は…平和な世界だといいな…」
優しき少女が静かに来世を願い、倒れる。
「こんなところで沈むの・・・、いやだよぉ・・・」
朗らかな少女が恐怖に狂い泣き叫ぶ。
「・・・どこ……?もう、声が聞こえないわ・・・!」
淑女を目指した少女が無音の絶望に震え、苦しむ。
みんなみんな、どこかへ沈んでゆく。暗い暗い深淵に。
(いや・・・。みんな、いかないで・・・!)
響は手を伸ばした。
でも届かない。
誰にも手は届かない。
みんな静かに、深い闇に沈んでゆく。
まただ。
また自分だけが、生き残ってしまう。
ひとりぼっちになる。
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