2 :
1 [saga sage]:2014/10/08(水) 23:18:25.31 ID:foJxGmAf0
貴音「……………………赤ェ!!!」
貴音「えっ…………」
貴音「えっえっ…………」
貴音「月……、わっつろん……!?」
貴音「と、兎に角皆にもこの異常事態を報せねば……!!」
3 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:19:17.12 ID:foJxGmAf0
TV『現在、皆既月食をより良い場所で観ようと、多くの方々がこの山に~』
春香「皆既月食だって、凄いよね」
響「自分、沖縄に居た頃は見たことなんて無かったなぁ……」
春香「え、でも皆既月食って年に何回もあるんだよ?」
響「ええぇ、そうなの!?」
春香「もしかして、ずっと気付かなかった……、とか?」
響「い、いや気付かなかったワケない! うん、見たことあるぞ!!」
春香「でも見たこと無かったって言ったよね?」
響「うがっ……!! それは……、そのぅ……」
4 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:19:56.76 ID:foJxGmAf0
貴音「皆は居ますか!?」バァン
響「貴音? どうかしたのか?」
貴音「月!! 月が赤いのです!!!」
春香「あぁ、それは皆既…………」
貴音「怪奇ぃ!? そ、そんな面妖な事が!?」
春香「そ、そうじゃなくて……、皆既げっしょ」
貴音「響!! 響はこの事態をご存知なのですか!?」
響「えっ……、あの……、自分はぁ…………」
貴音「響!!!!」
響「ひぃ知らないぃ!! 知らないです!!!」
5 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:20:39.74 ID:foJxGmAf0
貴音「響も知らない程、となると。 やはり突然起こった現象……」
春香「いやいやいやいや貴音さん待って」
貴音「……はっ!? そういえば春香、春香はなにやら知っている素振りでしたが……」
春香「勿論知ってますよ! あれはですね?」
貴音「………………!!!!」
春香「怪奇げ……、どうかしました?」
貴音「よもや……、春香が月を……!?」
春香「なんで!!!」
貴音「私も響も知らないことを、春香は知っていた。 という事から導き出される答えは……」
春香「…………ふっふっふ」
貴音「やはり!!!!!」
春香「あぁあぁぁ違うんですちょっとノってみようと思っただけで」
6 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:21:35.13 ID:foJxGmAf0
貴音「響!! ここに居ては危険です、早く逃げるのです!!!」
響「え、ちょ」
春香「ま、待っ」
貴音「響、早く!!! 私はプロデューサーの元へ行って参ります!!!」
響「たかっ」
ビュンッッ
響・春香「」ポツーン
7 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:22:36.16 ID:foJxGmAf0
P「………………んー?」
P「……うん」
P「………………あ゛ぁ腰痛ぇ」
P「……よし、取り合えずこっちは一段落っと」
貴音「貴方様貴方様!!!」バァン
P「やたら賑やかなんが来たな……」
貴音「貴方様、空が!! いやさ月が!!!」
P「んー、そういう時もある」
貴音「なんと響も知らなかったようで、やはり異常事態としか!!」
P「異常っちゃ異常だな」
貴音「実は春香が裏で手を引いていたようで」
P「マジか」
8 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:23:18.59 ID:foJxGmAf0
貴音「ですが今は春香よりも、月の問題を解決することが先決!!」
P「どうやって?」
貴音「むぅん…………」
P「むぅんて」
貴音「まずは貴方様、あの月を見てください」
P「んー」カタカタ
貴音「見ての通り赤く濁ってしまい、かつての煌びやかさは失われてしまいました」
P「んー」カタカタ
貴音「あれでは、月に住む兎も餅を搗くことが出来ないでしょう。 ……あぁ餅」
P「んー」カタカタ
貴音「貴方様? 見てますか?」
P「見てる見てる」カタカタ
9 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:24:03.98 ID:foJxGmAf0
貴音「ならば良いのです。 ……あの美しさを取り戻すためには、やはり祈りしか無いと」
P「んー」カタカタ
貴音「祈りが届けば、きっと月を覆う物も晴れるのではないかと」
P「んー」カタカタ
貴音「貴方様?」
P「んー」カタカタ
貴音「見ていられるのですよね?」
P「うん、見てる見てる」カタカタ
貴音「…………そうですか」
P「うん」カタカタ
10 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:25:04.21 ID:foJxGmAf0
貴音「それでですね、祈りをするにしても、その祈りを届けさせるにはといった部分が一番重要かと」
P「んー」カタカタ
貴音「そこで歌を届けようかと。 765プロの皆で歌うことで、月まで歌を届けさせるのです」
P「んー」カタカタ
貴音「…………貴方様」
P「見てる見てる」カタカタ
貴音「………………」
P「んー」カタカタ
貴音「………………………………」
P「んー」カタカタ
貴音「…………………………貴方さ、あな、お前ェ!!!!!」
P「」ビクゥ
11 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:25:40.37 ID:foJxGmAf0
貴音「見ていないでしょう聞いていないでしょう!!!!」
P「い、いやちゃんと」
貴音「では、思い出してください。 私は先程月に何をすれば良いと言いましたか?」
P「………………舞いだっけ?」
貴音「…………ッッ」ブチィ
P「すいません聞いてませんでした何のことだったんでしょうか!!!」
貴音「…………あの月のことです」
P「あの月……?」
貴音「百聞は一見に如かず、こちらに」
P「………………あぁ、そういえば今日か」
貴音「まさかっ、貴方様もご存知で!?」
12 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:26:24.25 ID:foJxGmAf0
P「あぁ、皆既月食だな」
貴音「怪奇……!! やはり……!!!」
P「お前何か勘違いしてないか……? 皆既月食、こんな字な。 それよりも月食の説明か。
月食って言うのは、地球が太陽と月の間に入って影になることを言うんだ」
貴音「…………普通太陽と月の間に、地球はあるのでは……!?」
P「お前小学校の時習わなかった? そこの説明はまたするから今は待ってろ。
まぁ、太陽と月の間に入れば、太陽の光が地球に当たって、影が出来るよな? その影が月に当たるんだ」
貴音「……そのせいで暗く見えると?」
P「まぁ、そんな感じ。 で、地球が太陽を殆ど全部隠しちゃうのが皆既月食って言うんだ。
ちょっとしか影にならない奴は、逆に部分月食って言う」
貴音「………………つまり」
P「別に月はおかしくもなんともないし、明日になればいつも通りになってるよ。
いや、確か月食ってめちゃくちゃ短いんだっけ? あと数時間もすれば元通りかもな」
13 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:27:59.70 ID:foJxGmAf0
貴音「……………………」
P「他に聞きたい事は?」
貴音「……一つだけ」
P「ん」
貴音「………………私の、取り越し苦労だった、と?」
P「……残念ながら、その通りで御座います」
貴音「…………ほーりーしっ!!!」
P「お前なんでそんな無理して英語使おうとすんの?」
14 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:28:59.56 ID:foJxGmAf0
貴音「……少々取り乱してしまいました、お恥ずかしい限り……」
P「そんな事ないさ、貴音のそういう所。 俺は好感が持てる」
貴音「早とちりすることがでしょうか……?」
P「そう卑屈になるな。 お前だけだよ、いつも通りの真っ白い月に戻ることを喜ぶのは」
貴音「…………というと?」
P「皆、毎日月を眺めたりしないくせに、こういう時だけ躍起になって見ようとする。
月の色が変わっただけだぞ? そんなん月に行ってペンキ塗りたくれば済む話だろ。
……何の話だっけ、あぁそうだ。 何が言いたいかと言うと、こういう時だけ月を見る奴よりも、貴音みたいな奴の方が俺は好きだなって話」
貴音「………………」
P「……なんか柄にも無いことくっちゃべっちまったな。 忘れてくれ」
15 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:29:30.39 ID:foJxGmAf0
貴音「………………」
P「…………貴音?」
貴音「……貴方様。 月が綺麗ですね」
P「何だよそれ、さっきまで月がおかしいとかのたまってただろ?」
貴音「…………ふふっ、そうですね」
P「……、なんか隠してないか?」
貴音「ふふ、ふふふっ。 いいえ、何も? ただ月が綺麗だと申しただけの事です」
P「嘘つけ、やたら笑いやがって。 月が綺麗以外にも………………、あ。
お、お前もしかして……」
貴音「ふふっ、とっぷしぃくれっとで御座います♪」
16 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:30:08.58 ID:foJxGmAf0
・ ・ ・ ・ ・
春香「貴音さん、帰ってこないね」
響「プロデューサーが止めてくれてるから大丈夫だろ」
春香「うん、そうなんだけど…………」
響「だけど? どうかしたの?」
春香「一つだけ気になる事があって。 貴音さんについてなんだけど」
響「なになに?」
春香「貴音さんって、月をいっつも見てるよね? そりゃもう、気付いたらってくらい」
響「ん~、そうだなぁ。 言い方悪いけど、暇さえあれば見てるってくらいだよね」
17 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:30:55.36 ID:foJxGmAf0
春香「うん、夜になるといっつも話しかけづらいんだよね。 邪魔しちゃうみたいで。 それでなんだけど……。
なんで貴音さん、皆既月食の事知らなかったのかな?」
響「そりゃ、自分みたいにたまたま知らなかったからとか……」
春香「響ちゃんと違って、ほぼ毎日のペースで月を見てるのに?」
響「あ…………」
春香「さっき貴音さんが来る前に言ったように、月食って年に何回かあるくらいの頻度で起こってるの。
だから、貴音さんが今日初めて見たっていうのは、絶対おかしいと思う」
響「…………何が言いたいんだ?」
春香「もしかして…………」
響「もしかして…………?」
18 :
1 [saga]:2014/10/08(水) 23:32:00.88 ID:foJxGmAf0
春香「ここに来るまで貴音さんは月食の無い、地球とは別の所で月を見てたとか!!!」
響「………………」
春香「……………………」
響「…………………………ぷ」
春香「あっはははは!」
響「あっははっはははは!!」
春香「はぁ、はぁ……」
響「ははは…………」
響・春香「…………まっさかねぇ~」
おしまい
19 :
1 [saga sage]:2014/10/08(水) 23:34:10.75 ID:foJxGmAf0
ここまで読んでいただき、どうも有難う御座いました。
なんとか皆既月食があった日の内に書けました。
書かなきゃ勿体無いと思って書き上げたんですが、かなり既出ネタっぽいですね。
ありがちな感じ、被ってたらごめんなさい。
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/08(水) 23:38:12.64 ID:NVpynbWG0
このようなSSも乙なものです
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (SSL) :2014/10/08(水) 23:41:58.50 ID:p+07IUZh0
おつー
お姫ちんはアホかわいいなぁ!
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/08(水) 23:44:16.57 ID:nNhALMLco
素晴らしい
素晴らしい
転載元
貴音「貴方様、今宵も月が……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1412777803/ メガハウス (2014-04-20)
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とマジレス