214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 07:57:18.90 ID:m5NE27jT0
優花里「西殿、いらっしゃいますか~」トントン
絹代「いらっしゃいませ秋山殿、それに島田殿ではないですか今日はどのような御用で?」
優花里「実は島田殿の好き嫌いの克服にご助力していただけないかと思いまして」
愛里寿「茄子がどうにも苦手で困っている、どうか助けて欲しい」
絹代「それは良いのですが一体どうしてまた?」
愛里寿「この時期にになるとお母様が味噌汁にナスを入れたり煮物の茄子を出したりしてきて・・・あのドロドロの触感と水っぽくて変な匂いがどうしてもダメなんだ」
優花里「茄子はピーマンを抜いて嫌いな野菜ワーストワンになったこともありますからね、美味しいんでありますけどね」
絹代「分かりました、微力ながら協力させていただきます」
愛里寿「ありがとう、助かる」
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 08:00:35.35 ID:m5NE27jT0
優花里「それでは何を作りましょうか」
絹代「まずはあの触感ですね焼き茄子などはどうなのですか?」
愛里寿「あのぶにょっとしてて中からつぶつぶが出てくるのが気持ち悪い」
絹代「そうですか、匂いもダメとなると、まずは茄子のオランダ煮を作りましょう」
優花里「オランダ煮? オランダの料理ですか?」
絹代「洋風という意味でオランダとついているだけで和食ですよ、早速作りましょうか」
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 08:05:17.91 ID:m5NE27jT0
絹代「材料は茄子と濃口醤油、味醂、砂糖、だし汁です」
愛里寿「洋風とは思えない」
優花里「そうでありますね、ただの茄子の煮物であります」
絹代「まずは茄子を縦半分に切って味が染み込みやすいよう切り込みを背中に入れます」スススッ
優花里「綺麗な格子模様ですね」
絹代「そうしたら茄子を乱切りにして水に晒します」
愛里寿「茄子も水に晒すんですか?」
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 08:10:29.07 ID:m5NE27jT0
絹代「茄子はこう見えてもアクの強い野菜なんです、色も変わってしまうので水にさらしてアクを抜くんです」
優花里「あの食べた時の舌が乾く感じはアクのせいだったんですね」
絹代「5分位水に晒したらざるに空けてよく水気を切ってください」
優花里「水が紫色になっているでありますんね、これがアクなんでありますね」
絹代「次は茄子を油であげます、170℃の油で表面に色が付く程度にさっと揚げます、1分くらいですね」
優花里「いい色でありますね」
絹代「揚げあがったら熱湯にさっと潜らせて油抜きをします」
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 08:15:43.14 ID:m5NE27jT0
絹代「次は煮汁の準備ですね、出汁4、醤油、砂糖、味醂を1の割合で混ぜて沸かしてください」
優花里「かなり濃い目の味付けなんですね」
絹代「それは煮込まないからですよ、揚げた茄子を水気を切って煮汁に入れます、一度火を入れてさっと煮たらすぐ火を切ってください」
優花里「もう良いんでありますか?10秒も煮てないでありますよ」
絹代「このまま冷ましながら味を含めたら完成です」
優花里「これで島田殿でも食べられるんですか?」
絹代「では召し上がったください」コトッ
219 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 08:20:19.03 ID:m5NE27jT0
愛里寿「・・・・・」ツンツン
優花里「食べてみてください」
パクッ
愛里寿「柔らかいけど、ドロドロしてない・・・変な匂いもなくなってる」
絹代「煮込み過ぎないことでドロドロになるのを防ぐんです、アク抜きをして油で揚げることで嫌なエグミや食感も良くなるんです」
愛里寿「味もちゃんと染みてる、濃い目の味でご飯も進む」パクパク
優花里「本当でありますね、甘辛い味と茄子の風味それに油でこってりしていて美味しいでありますね」
絹代「油と茄子は相性がいいですからね、もう一品同じような調理法があるので作っておきました」
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 08:26:06.16 ID:m5NE27jT0
絹代「どうぞ、茄子の翡翠煮です」
優花里「翡翠でありますか?」
愛里寿「本当だ、翡翠みたいな綺麗な薄緑色をしている、これも本当に茄子なの?」
絹代「翡翠煮は冬瓜やそら豆などを緑色を残したまま綺麗に煮る調理法ですね」
優花里「どうやって作るんでありますか?」
絹代「これも油で揚げて味を含めるんですが、皮を剥いてから揚げるんです」
221 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 08:32:27.28 ID:m5NE27jT0
優花里「なるほどだから緑色なんですね」
絹代「皮を剥いた茄子を今回は縦に半分にします、そして今度は食べやすいように横に半分に」
優花里「結構大きく切るんですね」
絹代「この後の揚げ方はさっきと同じですね、今度は煮汁を作ります、今回は白しょうゆを使った八方だしに浸します」
優花里「八方だしですかそれに白しょうゆというのもあまり聞き慣れませんね?」
222 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 08:41:09.62 ID:m5NE27jT0
絹代「だし汁:味醂:しょうゆを8:1:1で混ぜた煮物用の出汁ですね、これを使えば大抵の野菜は美味しい煮物に出来ますよ」
絹代「甘めが好きな人は砂糖を落としたり、濃い目が好きな人は醤油を増やしてください」
愛里寿「白しょうゆっていうのは?」
絹代「三河地方で作られる小麦割合の多い醤油ですね、色が透明な琥珀色なので食材の色を損なわずに煮ることができるんです」
絹代「最近は白だしというのが商店でも売ってますが、これは白しょうゆに出汁などを添加したものですね。これを薄めてあげれば八方だしになりますよ」
優花里「いろいろな醤油があるんでありますね」
絹代「それから今回は茄子は煮ません。煮立てた、だし汁を冷ましておいてください」
223 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 08:45:36.13 ID:m5NE27jT0
愛里寿「煮物なのに煮ないの?」
絹代「油抜きをしてしっかりと水気を切った茄子をタッパーに並べて冷やした出汁を注ぎます。そうしたらキッチンペーパーに包んだ鰹節を一緒に入れて冷蔵庫で一晩寝かせます」
優花里「冷たい煮物なんですね」
絹代「はい、暑い夏にピッタリですよ、それでは盛りつけましょう。今日は江戸切子の小鉢に盛りましょう」
優花里「青い色がとても涼しげですね」
愛里寿「綺麗なお皿」ナデナデ
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 08:51:14.95 ID:m5NE27jT0
絹代「小鉢に盛り付けて汁を張ります、最後に糸がきとしょうがを盛りつけて完成です」
優花里「これは綺麗な料理ですね、夏の夜にピッタリですね」
絹代「では召し上がり下し」
愛里寿「パクッ・・・これも茄子じゃないみたい、とろっとしててカツオの香りがいい」
優花里「皮がないぶん更に食べやすいですね、あの皮だけ口に残ったりする感じがなくていいでありますね」
愛里寿「あの皮がビローンって出てくる感じが嫌いだったけど、これなら食べれる」パクパク
225 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 08:56:03.20 ID:m5NE27jT0
絹代「こんな食べ方も出来ますよ、茄子を薄切りにして翡翠煮を作るんです。それを寿司の要領で握ってしょうがと糸がきを盛り付けます」
優花里「茄子のお寿司でありますか美味しそうでありますね」パクッ
優花里「んん~とろっと茄子が口の中で溶けたであります」
愛里寿「美味しい、茄子じゃないみたい」
優花里「本当でありますね、まるでエンガワを食べているみたいであります」
絹代「鰹節を効かせた出汁で漬けるので魚の風味がするんです」
愛里寿「美味しい、これなら茄子も食べられる」
226 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 08:59:13.00 ID:m5NE27jT0
絹代「喜んでいただけて何よりです」
愛里寿「知波単は料理も美味しいから、知波単に転校しようかな」モグモグ
絹代「そうしていただけると私も嬉しいであります」
・・・・「「待ったぁ~」」
優花里「誰ですかね?」
アンチョビ「愛里寿を料理で誘惑しようなんて、そうはいかないぞ。ナス料理ならこのアンチョビを忘れないでくれ」
愛里寿「あっこの前の臭い人だ」
優花里「アンチョビ殿どうしたんでありますか?」
227 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 09:03:07.60 ID:m5NE27jT0
アンチョビ「愛里寿を料理で籠絡しようなんてそうはいかないぞ」スリスリ
アンチョビ「このアンチョビも参戦させてもらう」
優花里「そんな勝負をしていたわけではないんでありますが・・・」
アンチョビ「まずはこれだ、茄子のグリルバルサミコソース掛け」
優花里「薄切りの茄子をグリルで焼いたんですね。格子状の焼き目が美味しそうであります」
絹代「この香りはにんにくとローズマリーですね。いい香りです」クンクン
愛里寿「にんにく臭い・・・」
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 09:06:35.32 ID:m5NE27jT0
アンチョビ「ま~ま~まずは食べてくれ」
愛里寿「パクッ」
優花里「美味しいですねこの茄子、柔らかくてふわふわです」
愛里寿「美味しい、全然臭くないしドロドロじゃない」
絹代「それにこのソースがいいですね、バルサミコ酢の酸味が焼き茄子の甘みを引き締めていて美味しいです」
アンチョビ「そうだろ~そうだろ~これは南フランスの伝統的なアンティパストなんだ」
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 09:11:48.92 ID:m5NE27jT0
絹代「このソースはどうやって作るんですか?」
アンチョビ「オリーブオイルとバルサミコ酢を同量で混ぜ合わせるんだ、そこににんにくと唐辛子、ローズマリーをお好みで混ぜて焼いた茄子と絡めるだけだ」
優花里「簡単なんですね」モグモグ
アンチョビ「焼いたパプリカやかぼちゃでも美味しいんだぞ」
優花里「それにしても美味しいくて大きな茄子ですね。ふわふわな食感で美味しいであります。これは米なすでありますか?」
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 09:21:42.49 ID:m5NE27jT0
アンチョビ「本当はゼブラナスが使いたかったんだが、愛里寿は茄子が嫌いだって聞いたからな。今日は天狗ナスを使ってみたぞ」
優花里「聞いたことのない茄子でありますな」
絹代「愛知県で作られている茄子ですね、ふわふわな食感と薄い皮、たっぷりの水分が特徴で茄子の大トロといったところですね」
アンチョビ「白しょうゆなんて愛知の特産品を使われたらこっちも黙ってられないからな」
優花里「愛知出身のアンチョビ殿らしいですね、でも何で天狗なんですか?」
絹代「天狗の鼻のようなの奇形果が出来やすいからだそうですよ」
アンチョビ「ほらほら!この、ぴょこっと飛び出したとこが天狗の顔みたいだろ」ツンツン
愛里寿「本当だ、茄子から天狗の鼻みたいなのが出てる」
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 09:30:12.97 ID:m5NE27jT0
アンチョビ「次は普通の茄子を使って料理してやろう」
優花里「何を作るんですか?」
アンチョビ「夏野菜のフリットだ」
絹代「フリットってなんですか?」
アンチョビ「イタリア風の天ぷらみたいなとこかな、カリカリふわふわの茄子は美味しいぞ」
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 09:34:24.68 ID:m5NE27jT0
アンチョビ「じゃあ野菜の下ごしらえだな、今日はズッキーニとパプリカ、茄子、かぼちゃを用意したぞ。材料はなんでも良いからな、エビとかいかとか海鮮類でも美味しいぞ」
絹代「本当にてんぷらみたいですね」
アンチョ「問題は衣だ材料はこんな感じだ」
・サモリナ粉・・・・100g
・ビール・・・・・・200cc
・塩・・・・・・・・小さじ1/2
・こしょう・・・・・適量
アンチョビ「後は揚げ油と味付けの塩、レモンとイタリアンパセリだ」
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 09:38:45.96 ID:m5NE27jT0
絹代「サモリナ粉ってなんですか?」
優花里「パスタに使うデュラム小麦の粉ですね。全粒粉で香り高い小麦粉です」
アンチョビ「無かったら薄力粉でも良いぞ。まずは材料をさっくりと混ぜる」
アンチョビ「野菜はくし切りがいいな、茄子とズッキーニは種のところの水っぽいところを切っておくと良いぞ」
絹代「ズッキーニって胡瓜みたいですね」
優花里「ズッキーニは胡瓜じゃなくてかぼちゃの仲間ですよ」
ピキーン
ダージリン「・・・誰かに呼ばれたような気がしましたわ」
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 09:44:07.21 ID:m5NE27jT0
アンチョビ「じゃあ揚げていくぞ、野菜に小麦粉で打ち粉をして衣を付けて揚げるんだ。油の温度は170℃位だな」ジュワアアアアアアアア
優花里「揚がってきましたね」ワクワク
アンチョビ「もう良いかな、揚げあがったら熱々のうちに塩を振るんだ。揚げ物は熱々のうちが華だからな、好みでレモンも振ってくれ」
優花里「ではいただきましょうか」カリッ
愛里寿「外はパリってしてるのに中は柔らかくてトロトロで美味しいわ」パクパク
絹代「洋風の天ぷらもいけますね」カリカリ
優花里「こしょうがスパイシーで美味しいですね、ビールの苦味もいいであります」パウパク
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 09:48:12.86 ID:m5NE27jT0
愛里寿「茄子もズッキーニも甘くて美味しい」
優花里「揚げることで野菜が甘くなっているでありますね」
アンチョビ「ワインもいいけどビールも合うぞ」
絹代「揚げ物にはビールですね、イタリアの麦ジュースもいけますね」グビグビ
優花里「島田殿どうでありますか?茄子もなかなか美味しいでありましょ?」
アンチョビ「アンツィオに来てくれれば毎日でも美味しいものが食べられるぞ」スリスリ
絹代「いえぜひ知波単学園においでください」
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 09:52:17.83 ID:m5NE27jT0
愛里寿「・・・・・・すうううう」スヤスヤ
優花里「ありゃ寝てしまっているでありますよ?」
アンチョビ「ああ、ここに置いておいたビールがなくなってる!!!」
絹代「間違えて飲んでしまったんですね」
優花里「でも良い寝顔でありますね、そっとしておいてあげるであります」
アンチョビ「そうだな、また今度誘いに来るとしよう」
絹代「では我々は食事を続けますか」
優花里「そうでありますね、アンチョビ殿もっと揚げてくださいであります」
アンチョビ「よーし、今度はカタクチイワシのフリットを作ってやろう」ジュワアアアアアアアア
ワイワイ ワイワイワイ
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 09:54:24.78 ID:m5NE27jT0
優花里「島田殿の茄子克服編終わりであります」ペコ
絹代「ありがとうございますた」ペコ
アンチョビ「アリーヴェデルチ!!」フリフリ
愛里寿「またね~」ムニャムニャ
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/02(木) 10:26:05.24 ID:5RvFuayE0
やっぱりナスは天ぷらだよな!
あれは最高の料理だ
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/02(木) 14:12:12.49 ID:CPb8wvO4O
劇場版での突撃脳を感じさせないパーフェクトと言っても過言では無い大和撫子な西殿っ!
女子力とかそんなチャチなもんじゃ測れないポテンシャルが……!
246 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 14:20:14.57 ID:m5NE27jT0
典子「バレー部ファイトー!!いっち!に いっち!に」
「「はいキャプテン!! いっち!に いっち!に」」
妙子「流石に砂浜のランニングはきついですね」ハァハァ
あけび「これで良いブロックできそうです」ハァハァ
忍「アタックもレベルアップしますね」ハァハァ
典子「最後ダッシュ行くよ~それ!」ダダダダダ
「「はい!!キャプテン!!」」
典子「もっと足上げろ~根性だ! ギャアッ!!」ズデエエエン
妙子「大丈夫ですかキャプテン?」サスサス
典子「いてててて、なにか埋まっていたぞ」
あけび「見てくださいキャプテン椰子の実ですよ」
忍「これに足を取られたんですね」
247 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 14:23:08.29 ID:m5NE27jT0
典子「これが椰子の実か、本物って初めて見たな」フリフリ パチャパチャ
あけび「水の音がしますね、ココナッツジュースが入ってますよ」
妙子「飲んでみましょうよキャプテン」
典子「そうだな!でも、どうやって割るんだ?」
あけび「まずは皮を剥くんじゃなかったでしたか?」
典子「でもすごく硬いぞこれ」グググググ
忍「石で切れ目を入れてみましょう」ガンガン ギリギリ
248 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 14:25:52.20 ID:m5NE27jT0
典子「おお!切れ目が入ったぞ、ここから剥いて行けばいいんだな、根性!!」グイイイミシミシミシ
あけび「わああ剥けましたよキャプテン」
忍「でも毛むくじゃらの玉になっただけですね」
妙子「やっぱり割らないとダメですね」
典子「じゃあ、あの石壁にぶつけてみるか」ソーレ ガシン バカ
あけび「ああ、割れたけど全部こぼれちゃいました・・・」
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 14:30:05.65 ID:m5NE27jT0
典子「くそおお!!なんだか是が非でも飲みたくなってきたぞ」
アウンさん「あれ?大洗のアヒルさんチームではないですか?」
あけび「あ!!竪琴高校のアウンさん、どうしてこんな所に?」
アウンさん「ここは実家の近くなんです、皆さんこそどうしたんですか?」
典子「バレー部で強化合宿をしてたんですけど、椰子の実を見つけたんですけど、なかなか飲めなくて・・・」
アウンさん「ふふふ、ココナッツは鉈かマチェーテがないと難しいですよ。あっちにお店があるので一緒に飲みに行きましょう」
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 14:37:10.17 ID:m5NE27jT0
典子「そうですね、よーしここで一回休憩にしよう」
あけび「私ココナッツジュース初めてです」ウキウキ
アウンさん「こうやってすっぱりと上を切り取るんです。後はストローを刺してどうぞ」
典子「ちゅううう・・・なんだか不思議な味ですね、甘いんだけど青臭いというか」
妙子「甘いことは甘いんですけど、想像していたほど甘く無いですね」
忍「もっとトロピカルな味を想像してましたね」
アウンさん「でもミネラルがとっても豊富でスポーツドリンク並なんですよ」
典子「そう言えばそんな味だな、試合用に薄めた奴の味がする」ズズズ
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 14:42:29.41 ID:m5NE27jT0
アウンさん「でも、ココナッツはジュースだけじゃないんですよ、その白い果肉のところも食べれるんですよ」
典子「そうだったんですか!? カリカリ ・・・・油っぽいような・・・青臭いというか」
妙子「硬たくて甘いアボカドみたいですね」サクサク
アウンさん「わさび醤油を付けて食べたりする人もいるようですよ」
忍「でもなんだか期待していた味じゃななかったですね・・・」ションボリ
アウンさん「じゃあ今から家に来てください、ココナッツの美味しい食べ方を教えます」
典子「ええ~!?いいんですか?」
アウンさん「はい、折角ですのでココナッツの美味しさを知ってもらいたいですから」
252 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 14:51:09.84 ID:m5NE27jT0
アウンさん「ではまず、この白い果肉を剥がして水と一緒にミキサーに掛けます」
ガアアアアアアアア
典子「真っ白になってきましたね」
アウンさん「本当は摺り下ろすんですけど、大変ですからね、これを鍋で弱火で煮込んでいきます」
あけび「クンクン どこかで嗅いだことのある匂いですね」
アウンさん「これをガーゼで濾せばココナッツミルクの完成です」
忍「そうか、ココナッツミルクの匂いだったんだ」クンクン
アウンさん「これを焼いて食べたりもしますけど今日は料理とデザートを作りましょう」
253 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 15:02:45.11 ID:m5NE27jT0
アウンさん「では、ミャンマーの代表的な料理”オンノカウスエ”を作りましょう、オンノというのがココナッツのことです」
アウンさん「まずは鶏がらスープで鶏肉を煮込みます、この汁が大切なのでとっておいてくださいね」
あけび「アヒルなのににわとりを食べちゃうんですね」クスクス
アウンさん「次はひよこ豆です、ミャンマーではよく食べる豆ですね、乾燥しているものは水に一晩付けて大豆のように柔らかく煮てください。水煮になったものでも良いですよ」
妙子「ひよこまで食べちゃうそうですよキャプテン」クスクス
アウンさん「ひよこ豆をフードプロセッサーですり潰します、竪琴高校では石臼を使って叩いて潰したりしますね」
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 15:13:13.37 ID:m5NE27jT0
アウンさん「次は鶏肉をほぐしておいてください。後はにんにくのみじん切りと生姜のすりおろし、玉ねぎのみじん切りを用意すれば準備完了です」
典子「なんだか全然完成形が想像できないですね」
アウンさん「オンノカウスエは麺料理です、今日は米粉の麺を使います。米粉麺以外にも小麦粉の麺もありますよ」
あけび「ココナッツと麺なんて想像できない味付けですね」
アウンさん「鍋で香辛料を炒めます、今日は唐辛子を少なめにしておきますね」ファサアア
忍「・・・十分多くないですか?」
255 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 15:18:25.99 ID:m5NE27jT0
アウンさん「じゃあ材料を炒めていきますね、この油っけが大事です」
典子「ラーメンも油が大切だからですね」
アウンさん「炒めれたらここに鶏がらスープとココナッツミルクを入れてナンプラーと塩で味をつけます」
あけび「本当にココナッツミルクが入っているんですね」
アウンさん「ひと煮立ちしたらスープは完成です。後は麺をゆでましょう。付け合せにライムとパクチーを用意しました」
アウンさん「茹でた麺にスープをかければ完成です」
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 15:22:47.50 ID:m5NE27jT0
典子「よーしみんな席につくぞ」
「「はーい!!」」
アウンさん「さあどうぞオンノカウスエです」コト
「「いっただきまーす」」ズルルル
典子「んんん~美味しいですね!! 甘いかと思ったらピリ辛で美味しいです」
あけび「ものすごく辛いんですけど、ココナッツが辛味を抑えてくれてるんですね」ツルツル
忍「鶏がらだしとにんにくの風味が聴いたラーメンみたいですね、米粉麺もつるつるしていてスルスル入っていきますね」
257 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 15:30:50.32 ID:m5NE27jT0
妙子「ひよこ豆のコクがいいですね、パクチーとライムを絞ると味が引き締まって面白いですね」ツルツル
典子「ツルツル、モチモチの麺とほぐした鶏肉を一緒に食べるのも良いな、ほんのり甘いくてまろやかなスープが絡まって美味しい」ズルズル
忍「試合の帰りに良さそうですねキャプテン」
あけび「いくらでも食べられちゃいそうですね、たっぷりのパクチーもさわやかで女の子ウケしそうな味ですね」
アウンさん「あまり食べ慣れない味ですけど、魚醤とお米、豆、塩、鶏の組み合わせなんですんなり食べれると思いますよ」
典子「ふ~美味しかったです」
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 15:48:07.79 ID:m5NE27jT0
アウンさん「デザートも作っておきました、竪琴高校特製のタピオカ入りココナッツミルクです」
あけび「わ~美味しそうですね」
アウンさん「中華では椰汁西米露と言ったりしますね。タピオカの原料のキャッサバはミャンマーでも作られてるんです」
アウンさん「材料はこんな感じです、ココナッツミルクは缶でも売っていますし、ココナッツパウダーを水に溶かしても作ることが出来ますよ」
・ココナッツミルク・・・200g
・牛乳・・・・・・・・・200cc
・生クリーム・・・・・・100cc
・砂糖・・・・・・・・・50g
・タピオカ(乾燥)・・・80g
・彩りに好きなフルーツ・適量
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 15:56:02.58 ID:m5NE27jT0
アウンさん「まずは材料をよくまぜ合わせて火にかけます、缶の時はよく缶を振ってくださいね、沸騰させすぎないようにゆっくり火を入れて煮立ったら冷ましてください」
アウンさん「ボールに氷を入れてそこにまたボールを置きます、ミルクを入れて混ぜながら冷ますとココナッツミルクが分離しないでうまくいきますよ」
アウンさん「次はタピオカですねたっぷりのお湯で煮ないとくっ付くので気をつけてください、ざるにあけて水で冷やしながら冷ましてください」
アウンさん「後は2つを混ぜ合わせてフルーツをトッピングしたら完成です。混ぜてから冷やしてしまうとタピオカが水気を全部吸ってしまうので注意してくださいね」
典子「綺麗ですね~いっただきま~す」パクパク
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 16:00:16.79 ID:m5NE27jT0
典子「甘くて美味しい!! タピオカもプルプルツルツルで面白い」
あけび「美味しいですねキャプテン!!」パクパク
アウンさん「今日はいちごとキウイにしてしたけどフルーツはなんでも良いですよ、メロンやマンゴー、スイカなんかでも面白いですよ」
妙子「甘いモノは別腹ですね、おいひいです」パクパク
忍「自家製のココナッツミルクも保存料の変な味がしなくて美味しいです、幾らでもいけちゃいますね」
典子「うまい、もういっぱい」グビグビ
あけび「キャプテン、急いで食べ過ぎですよ」クスクス
アウンさん「まだまだあるのでたくさん召し上がってくださいね」
「「おかわり~!!」」ズイ
261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 16:04:52.64 ID:m5NE27jT0
妙子「おいしかったですね」
典子「ココナッツって色々な食べ方があったんだな」
アウンさん「後はタイカレーには欠かせないですね、クッキーにしたりケーキにしたりもしますよ」
忍「そう言えば白くて細長いトッピング用のココナッツもありましたね」
アウンさん「あれは白い果肉の部分を乾燥させたものですよ。後はナタデココにも使いますね」
典子「ナタデココのココってココナッツのことだったんですか?」
アウンさん「そうですよ、ココナッツを発酵させて作るんです」
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 16:07:43.38 ID:m5NE27jT0
妙子「そうだったんですね、知りませんでした。ナタデココも美味しいですよね」ウズウズ
典子「カレーも食べたいな」
アウンさん「はい!!また何時でも来てください、ごちそうしますよ」ンフフ
あけび「そう言えばキャプテン、バレーボールどうしたんですか?」
典子「あああ!!海辺においてきちゃった、急いで取りに行かないと」ピュウウウウン
263 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 16:09:55.84 ID:m5NE27jT0
あけび「ないですねキャプテン・・・・」
妙子「流されちゃったんですかね?」
忍「ああああ!!キャプテン見てくださいあそこ」
ザザァーーーン ザザァアアアン
典子「ああ、波にさらわれてあんな沖に・・・・・」バチャバチャ
あけび「だめですよキャプテンまだまだ寒くて風邪引いちゃいますよ」グイグイ
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 16:21:15.72 ID:m5NE27jT0
典子「根性出せばなんとかなる」バシャバシャ
妙子「駄目ですキャプテン、あんなに遠くまで行っちゃたら無理ですよ」グイイイイ
典子「ウィルソオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!」ワーワー
典子「いかないでえええ、ウィルソオオオオオオオオオン!!!!」ウウウウウ・・・・
あけび「おーい、ウィルソン・・・大洗へ帰ろう!!!!」グスン
忍「仰~げば~尊し~」グスグス
妙子「うちのボールはウィルソン製じゃありません」モー
ココナッツ編~完~
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/02(木) 17:12:21.90 ID:0UcKutr9O
ウィルソンってキャストアウェイかwwww
あれでもココナッツ食ってたな
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/02(木) 17:50:00.12 ID:x1dfeKSzO
ベトナムもか東南アジアの料理って辛いんだけど凄い爽やかだよねぇ
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/03(金) 08:49:35.71 ID:zWF63Tax0
チーズの続きです
アンチョビ「まだまだだな、アスパラガス。大切なことを忘れているぞ」
アスパラガス「アンチョビ!!どういうことザマス」
アンチョビ「確かにチーズはそのままでも美味しいかもしれない、しかしチーズの真価を知るなら料理しなくてわな」
アンチョビ「次はこのドゥーチェアンチョビが相手ださあ食べてくれ、モッツァレラブファラのカプレーゼだ」ダンッ
優花里「次はアンチョビ殿のようですね」
愛里寿「アンツィオのにんにく臭い人だ・・・」
オレンジペコ「カプレーゼですねイタリアのトマトとチーズを使った前菜ですね」
優花里「明日あたりトニオさんが作ってくれるやつですね」
アンツィオ「さあ食べてくれ」
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/03(金) 08:56:14.06 ID:zWF63Tax0
愛里寿「トマトもチーズもきらい・・・」
アンチョビ「まあまあ、そう言わずに食べてみてくれ」
愛里寿「うん・・・パクッ」モニュモニュ
愛里寿「凄いサッパリしてる・・けどムッチリしてて不思議な触感、チーズの嫌な臭みもない」パクパク
優花里「好評のようですね、ところでブファラとはどういうことですか?」
オレンジペコ「伝統的な水牛乳を使って作ったモッツァレラということですね。本来モッツァレラは水牛を使って作られるんですよ」
優花里「そうだったんですか!!でもこのモッチリとしているのに、焼くとあんなに伸びるのは意外ですよね」
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/03(金) 09:08:46.04 ID:zWF63Tax0
オレンジペコ「これはモッツァレラ独特の製法のお陰ですね、モッツァレラは熱湯を入れて練りあげて作るんです」
優花里「熱湯でありますか?そんなふうに作られていたんでありますか」
オレンジペコ「乳にレンネットと呼ばれる酵素を入れて凝固したものがカード。それをさらに水分を抜いてチーズにするんですが、モッツァレラはカードに熱湯を入れて練りあげるんです。そうすることであのムチッっとした食感が生まれるんです」
アンチョビ「つきたての餅のようになるんだぞ、それを引きちぎって丸めるからモッツァレラと言うんだ」
オレンジペコ「モッツァレラとはちぎるという意味ですからね」
アンチョビ「どうだ愛里寿美味しいだろ」スリスリ
愛里寿「このチーズは全然臭くない、このソースもとっても美味しいしトマトもこれなら食べれる」パクッパクッ
アンチョビ「イタリアで昔から愛されている料理だから、次はメインだパルミジャーノリゾットだ」
オレンジペコ「次はチーズの王様、パルミジャーノ・レッジャーノのようですね」
アンチョビ「P-40を買うために銀行に預けていたのを返してもらったんだ、とっておきのリゾットを作ってやるぞ」
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/03(金) 09:17:04.37 ID:zWF63Tax0
優花里「どういうことですか?」
オレンジペコ「イタリアではパルミジャーノを担保にお金を借りて次のチーズ作りの資金を借りられる銀行があるんです」
優花里「チーズが担保になるんでありますか!?」
オレンジペコ「高級なチーズで一日に作ることの出来る数にも限りが有るんです、そのため熟成を終えたチーズは高価で取引されるんです」
アンチョビ「今日はパルミジャーノをたっぷり使ってリゾットを作ったぞ!!さて仕上げだ」マゼマゼ
優花里「パルミジャーノを半分に切って出来た器でリゾットも混ぜ合わせるんですね、とっても美味しそうです」クンクン
愛里寿「凄ーい!!キャキャ 美味しそう!!」
優花里「島田殿も目の前で作られるリゾットに興味津々のようですね」
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/03(金) 09:22:38.84 ID:zWF63Tax0
アンチョビ「最後に黒胡椒をさっとかけたら完成だ!!」コト
優花里「これは美味しそうですね」
パクッ!!
愛里寿「ん~とっても美味しい、とろっと!こってりしてて美味しい」
優花里「このまったりとした味わいと口に広がる旨味がなんとも言えないですね」
オレンジペコ「加熱することで香りが変化しますからね、チーズの香りが苦手な方は火を通して召し上がるといいですね」
愛里寿「こうするとチーズも美味しいのね」パクパク
276 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/03(金) 09:40:12.14 ID:zWF63Tax0
アンチョビ「最後はドルチェだ今日はカンノーロを用意したぞ」
優花里「カンノーロ? カンノーリではないんですか?」
オレンジペコ「カンノーリは複数形ですね、日本では映画ゴッドファーザーでカンノーリの名で広まったと言われてますね」
アンチョビ「特製のリコッタチーズで作ったクリームにドライフルーツを混ぜたぞ、さあ愛里寿どうぞ」
オレンジペコ「リコッタチーズは再加熱したチーズと言う意味ですね。チーズ作りで出たホエーを再加熱して固めたチーズですね」
パリッ
愛里寿「甘くて美味しい!! 本当にこれチーズなの?」
アンチョビ「そうだぞ、愛里寿のために朝からリコッタチーズを作ったんだ、こっちはカスタードクリームを混ぜたのもあるぞ」
優花里「この油で揚げたパリパリの生地とリコッタチーズのさっぱりとした優しい甘みとドライフルーツがいいですね」
オレンジペコ「こっちのカスタードクリームのも美味しいですね、出来立てのカンノーロは皮がパリパリで美味しいですね」
愛里寿「こんなチーズなら幾らでも食べられちゃう」パクパク
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/03(金) 09:50:28.81 ID:zWF63Tax0
アンチョビ「ハハハッ喜んでくれてよかった、じゃあ私からもお土産だ」ガサッ
愛里寿「なにこれ?」
アンチョビ「ちょっと癖の強いやつかな、愛里寿がチーズが好きになったら食べてくれ」
アンチョビ「まずはロビオラフィア、いちじくの葉っぱに包んで熟成させたチーズだ。山羊乳のコクといちじくの香りと甘みが面白いぞ」
アンチョビ「これはカチョカヴァッロ、ひょうたんみたいな形で面白いだろ。ミルキーでやさいし味が特徴だな。軽く焼いてやるとプリンッ!として美味しいぞ」
アンチョビ「最後はペコリーノロマーノだ、イタリアで最も古いチーズの一つだ。ぴりっとした味と塩気が面白いぞ。ローマの遠征軍が携帯食に持っていたんだ」
優花里「どれも美味しそうですね」
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/03(金) 09:52:22.90 ID:zWF63Tax0
愛里寿「ありがとう、きっと食べれるようになるわ」
アンチョビ「アンツィオに転校してきてくれても良いんだぞ」スリスリ
優花里「イタリアもチーズが豊富ですね」
オレンジペコ「どれも美味しそうなチーズでしたね」
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 09:13:03.63 ID:pnlXhqzP0
オレンジペコ「ダージリン様、今日はどちらに向かわれるんですか?」
ダージリン「今日はあまり気が進みませんが、BC自由学園に向かいますわ」
オレンジペコ「フランス料理の勉強ですね」
ダージリン「本当に、本当に気が進みませんが、これもみほさんのためです」
~BC自由学園艦~
ダージリン「というわけでよろしくお願いしますわ」
アスパラガス「絶対にいやザマス、何で私があなたに協力なんてしなくてはいけないんザマス」
ダージリン「私ではなくみほさんのためですわ」
アスパラガス「それでも嫌ザマス」
ダージリン「そうね、どうせ此処に美味しい料理なんてなかったわね、失礼しました」
ピクッ!
アスパラガス「なんですって!?」
アスパラガス「良いザマス。フランス料理の真髄というものをその脳細胞の1片まで教えこんであげるザマス」
オレンジペコ「うまくいきましたね」ヒソヒソ
ダージリン「扱いやすくて助かりますわ」
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 09:16:57.11 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「それでは何を教えてくれるのかしら?」
アスパラガス「その前に約束して欲しいザマス。一つは私達も忙しい身ですので、かかりっきりというわけにはいきませんザマス」
ダージリン「わかりましたわ、それぐらい構いませんよ」
アスパラガス「もう一つは途中で逃げなさないことザマス、一度始めたらこの厨房を出ることは出来ないザマスよ」
ダージリン「構いませんわ、さあ始めましょ」
アスパラガス「・・・・・フフ」ニヤァ
289 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 09:41:15.19 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「今日はラング・ド・ブフ・ブルギニョンを作るザマス」
ダージリン「ら、らんぐど・・・」
オレンジペコ「ラング・ド・ブフ・ブルギニョン。牛タンの赤ワイン煮込みですね。ラングが舌、ブフが牛、ブルギニョンはブルゴーニュ風ということです」
アスパラガス「ブルゴーニュはなんといってもフランス随意一のワイン産地ザマス、赤ワインで煮込んだ牛タンは最高ざまスよ」
ダージリン「牛タンと言うと焼き肉ぐらいしか食べたことないですね」
アスパラガス「では早速作っていくザマス、まずはフォンドヴォーを作ります」
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 09:48:20.18 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「牛の出汁ですね、それくらいなら知っていますわ」
オレンジペコ「正確には仔牛のフォンですね」
アスパラガス「さあまずは野菜を切るザマス、今日は5㍑ほど作るザマスよ」ドスン
ダージリン「な、何ですのこの野菜の量は・・・・・」ボーゼン
アスパラガス「フォンドボーの材料はこんな感じザマス、これは1㍑用ザマスけど」
・仔牛の骨・・・・・・・2kg
・牛すじ肉・・・・・・・1kg
・人参・・・・・・・・・2本
・玉ねぎ・・・・・・・・2個
・セロリ・・・・・・・・1本
・にんにく・・・・・・・半分
・トマトペースト・・・・1缶
・パセリの茎・・・・・・1束分
・水・・・・・・・・・・4㍑
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 09:52:54.32 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「こんなに多いんですの?」
アスパラガス「たくさん煮込んだほうが美味しいザマス、さあ早く野菜を乱切りにするザマス」
ダージリン「とんでもない量ですね・・・」トントン
ダージリン「手首がつかれましたわ」ハァハァ
アスパラガス「次は肉の処理ザマス、仔牛の骨をオーブンで焼くザマス。170℃で30分ほどじっくりと焦がすんじゃないザマスよ」
ダージリン「10キロの骨なんて・・・・」ググググ
オレンジペコ「がんばってくださいね」
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 09:57:15.20 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「次はすじ肉を炒めるザマス、これも焦がしたら初めからやり直しザマスよ」
ダージリン「お、おもい・・」ジュウウウウウウ
アスパラガス「焼き上がったら肉だけこの鍋に入れるザマス、油は捨てるザマスよ」
ダージリン「大きい鍋ですわね」
オレンジペコ「ダージリン様が入れそうな鍋ですね」
アスパラガス「こびりついた汚れは旨味ザマス、水を掛けてヘラでこそぎ落として鍋に入れなさい」
ダージリン「このままでも美味しそうね」
オレンジペコ「つまみ食いはダメですよ」
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 10:02:30.98 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「野菜も炒めて鍋に入れるザマス、にんにくは炒めないでそのまま半分に切って鍋に入れるザマスよ」
アスパラガス「焼けた骨も鍋に入れるザマス、天板にこびりついたものも水を掛けて刮ぐざます」
ダージリン「随分油が出ますのね」ピチャピチャ
アスパラガス「じっくり焼いて余計な油と水分を出して旨味を凝縮するザマス、後は水を入れて沸騰させるザマスよ」
ズドドドドドド
オレンジペコ「まるでお風呂ですね」
アスパラガス「沸いてきたらアクをとって火を弱めて12時間ほど煮込むザマス」
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 10:07:27.27 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「凄い灰汁と脂ですね・・・」カチャカチャ
アスパラガス「脂も不要なのでしっかり取るザマスよ、火は絶対に沸騰させてはいけないザマス。90℃~95℃を保つために鍋に付きっきりザマスよ」
ダージリン「これを12時間も・・・・ささっペコ、出来上がったものを出してちょうだい」
オレンジペコ「そんなもの無いですよ?」
アスパラガス「しっかり煮こむんザマスよ、沸騰させたらただじゃおかないザマス。私たちは練習があるので失礼するザマス」ガチャン
ダージリン「はっ??」ボーゼン
オレンジペコ「ダージリン様?」ペシペシ
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 10:11:34.92 ID:pnlXhqzP0
~12時間後~
フラフラ カチャカチャ
ダージリン「・・・・灰汁はもうないわね・・・火も大丈夫・・」フラフラ
ガチャン
アスパラガス「ちゃんとやっているザマスね」ハハハッ
ダージリン「アスパラガス・・・・」ギリギリ
アスパラガス「んん、いい出来ざますね」ペロ
ダージリン「当たり前よ、しっかり火の番をしていたんだから・・・・」フラフラ
アスパラガス「ではこれを漉して中身と汁に分けるザマス」
ザパァアアアアアア
オレンジペコ「良い香りですね」クンクン
296 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/04(土) 10:11:41.52 ID:HDwV6Jqh0
12時間煮込みって一流のフランス料理屋のは仕込み専門のがありそうだね
297 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 10:16:33.97 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「さてでは1番フォンが出来たので、次は2番フォンザマス」
ダージリン「は??」ボーーーーー
アスパラガス「今度は今、越した中身と野菜を先ほどの半分ほど足してまた同じ要領で12時間煮込むザマス」
ダージリン「は??」
アスパラガス「さっきとった1番フォンはしっかり冷やして冷蔵庫にしまっておくザマスよ。私たちはまた練習をしてくるザマス、しっかりやっておくザマスよ」ギイイイ
ダージリン「は??」
ギイイイ ガチャアン!!!
298 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 10:21:11.26 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「は??」
オレンジペコ「ダージリン様しっかりしてください」ペシペシ
ダージリン「どどど、どういうことですの?しっかりフォンは取ったじゃないですか?」ユサユサ
オレンジペコ「痛いです止めてくださいダージリン様、今とったのは1番フォン、これから2番フォンを取るんです」
ダージリン「だからどーいうことですの」フサフサ
オレンジペコ「1番フォンでは煮込みが足りなくて旨味がすべて出し切れてないんです。ですがこれ以上はフォンが濃すぎて味が出ないので、もう一度香味野菜を足して水から煮込むんです」
ダージリン「・・・・また・・・12時間・・・・」ガクッ
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 10:26:55.93 ID:pnlXhqzP0
~12時間後~
フラフラ フラフラ カチャカチャ
ダージリン「・・・・・・・・・・・・」カチャカチャ
ギイイイ
アスパラガス「やってるザマスか?」
ダージリン「・・・・・・」ボーーーーー
アスパラガス「だいぶやつれたザマスね」クスクス
アスパラガス「フォンはちゃんとできているようザマスね」ペロッ
アスパラガス「ではこれをまたコシなさい、先ほどの1番フォンと合わせるザマス」
ダージリン「・・・・」ガクガクガク
アスパラガス「混ぜあわせたらもう一度強火に掛けて灰汁を取ったら完成ザマス」
ダージリン「やったああああああああ」ワアアアア
ダージリン「今度は3番フォンなどと言い出すのかとヒヤヒヤしましたわ」
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 10:34:20.56 ID:pnlXhqzP0
オレンジペコ「喜ばれている所申し訳ないですが、まだフォンを作っただけですよ」
アスパラガス「そうざます、料理はこれからザマスよ」
ダージリン「・・・・・・・」ガクッ
アスパラガス「牛タンの赤ワイン煮の材料ザマス」
・牛タン・・・・・1本
・玉ねぎ・・・・・1個
・人参・・・・・・1/2本
・セロリ・・・・・1/2本
・赤ワイン・・・・1本
・トマトソース・・30cc
・フォンドヴォー・適量
302 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 10:39:43.52 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「たっぷり作ったほうが美味しいザマス、今日はこの倍は作りましょう。まずは牛タンの下処理ザマス。表面の薄皮を剥いぐザマスよ」
ダージリン「難しいわね・・・」ビッ ビッ
アスパラガス「お肉屋さんでは皮がすでに剥いてあるのもあるザマスからそっちを買うと良いザマスよ」クスクス
ダージリン「じゃあそっちを買って来なさいよ」ウガーーー
アスパラガス「野菜はまた乱切りザマス、肉と野菜をバットに入れて赤ワインで一晩マリネするザマス」
ダージリン「やっと休める・・・・」ハァ
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 10:46:18.04 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「何言ってるザマス?今からトマトソースを作るザマスよ、フォンドボーの下処理もまだ終わってないザマス」
ダージリン「は????????」
アスパラガス「ホールトマト缶と玉ねぎを煮込むザマス、さあ鍋はこっちザマスよ」ガチャ
ダージリン「ウゥゥゥゥゥゥゥ」ガク
~翌朝~
アスパラガス「では続きをやっていくザマスよ」
ダージリン「ボーーーーーーーー」フラフラ
アスパラガス「マリネを肉と野菜、ワインに分けるザマス、このワインも後で使うからちゃんととっておくザマスよ」
アスパラガス「肉に塩コショウをして小麦粉を振って表面を焼くザマス、焦がすんじゃないザマスよ」
ダージリン「この作業をもう一度なんて絶対嫌よ」ジュウウウウウウウ
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 10:50:57.18 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「次は野菜を炒めるザマス、ワインが染みていて焦げやすいから気をつけるザマスよ」
ジュウウウウウウウウ
アスパラガス「そうしたら、トマトソースを入れるザマス、しっかり炒めて酸味を飛ばすザマス」
ダージリン「あんなにたっぷりあったトマトソースがこんなちょっぴりになってしまうなんて・・・・・」
アスパラガス「次は赤ワインを入れてまた煮こむザマス、ココでもしっかり煮込まないと酸っぱくなるザマスよ」
ダージリン「どのくらい煮込むんですの?」
アスパラガス「半分ぐらいの量になるまでザマス、焦がすちゃダメザマスよ、ちゃんと底をこすってあげるザマス」
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 10:55:38.88 ID:pnlXhqzP0
グツグツ グツグツ
アスパラガス「いい感じザマスね、じゃあ肉を入れるザマス」
ダージリン「この硬い舌が柔らかくなるのかしら?」
アスパラガス「するんザマス。フォンドボーをヒタヒタに注いだら、軽く沸かして弱火で8時間煮込むザマス」
ダージリン「は、8時間」ブクブクブク
アスパラガス「それが終わったら肉を一晩休ませるザンス。その間は休んでいいザマスよ」
アスパラガス「では私たちは練習があるので失礼するザマス」ギイイイイ
オレンジペコ「私も失礼しますね」コソコソ
ダージリン「ペぇぇぇぇぇぇぇぇコぉぉぉぉぉぉぉぉ」ガシッ!!!
オレンジペコ「ヒィィィィィィィ」ガッシリ!!
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 11:00:42.52 ID:pnlXhqzP0
ウトウト
オレンジペコ「・・・・ハッ!!寝てしまうとこでした」ゴシゴシ
ダージリン「ムニャムニャ!!・・・もうフォンは十分ですわ・・・・」スヤスヤ
オレンジペコ「・・・・・・・・」ギュウウウウウ
ツネッ
ダージリン「うううううううう鍋がこびりついてしまいます・・・・・・・」ウーウー
~翌朝~
アスパラガス「いい感じに味が染み込んだザマスね」
ダージリン「ちゃんと火の番をしてましたからね」ツヤツヤ
オレンジペコ「・・・・・・・・・・クッ」
ダージリン「ペコ?」
オレンジペコ「なんでもないですダージリン様」ニコニコ
307 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 11:05:33.34 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「では肉を引き上げるザマス」
ザパアアア
ダージリン「柔らかいですわね」ツンツン
アスパラガス「煮込みたては崩れやすいから注意するザマスよ」
アスパラガス「次は煮汁を漉して煮詰めるザマス、トロッっとするまで煮詰めるザマスよ、今回は牛タンザマスがこれを牛肉で作ればデミグラスソースになるザマス」
ダージリン「へー、これがあのソースだったのね」
アスパラガス「デミグラスのようになるまでしっかり煮詰めるザマスよ、くれぐれも沸かして手を抜いてわいけないザマス」ギイイイ ガチャン
308 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 11:08:36.12 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「どういうことですか?」
オレンジペコ「デミグラスのデミは半分、グラスは煮詰めることを意味しています。半分になってトロトロになるまで煮詰めろということです」
ダージリン「また煮こむんですの・・・・・」ガクッ
オレンジペコ「焦げやすいですから注意してくださいね」コソソソソソ
ダージリン「どこに行く気ですかペコ?」ニコ
オレンジペコ「ヒィィィィィィィィ」ガクガク
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 11:11:57.97 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「いい感じですわね、最近は小麦粉でとろみを付ける時もありますけどやはりこうしてしっかり煮詰めなくてはいけないザマスね」ウンウン
グデエエエエエン
ダージリン「ハァハァ、次はどうしますの?」
アスパラガス「次は料理に使うワインを煮詰めるザマス、酸味が飛んでトロっとするまで煮詰めるザマスよ」
ダージリン「一緒にやればよかったではなかったですか」ギャアアアア
アスパラガス「まだまだ素人と聞いたので、同時には出来ないと思いまして」クスクス
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/04(土) 11:13:21.71 ID:QfRr8PFHO
ペコかわいい
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 11:20:47.99 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「さあ仕上げをするザマスよ。まずは付け合せを作るザマス。このじゃがいもを切っておくザマス」
ダージリン「このじゃがいもね、どうやって切りましょうか?」
オレンジペコ「シチューなどではシャトーに切った、じゃがいもや人参を付け合わせにしますね」
ダージリン「ではそれにしましょう。どうやってやるんですか?」
オレンジペコ「こうやって長細い卵のようなツルッとした感じに切るんですよ」
スイスイ
ダージリン「こうですわね・・・難しいですね」グググ
312 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 11:23:53.88 ID:pnlXhqzP0
はぁはぁ
ダージリン「で、出来ましたは・・・・」ゼエゼエ
アスパラガス「なんザマスこのじゃがいもは?」
ダージリン「付け合せのじゃがいもよ、シャトーにしてみたの綺麗でしょ?」
アスパラガス「何でシャトーなんかにしてるんザマス!!今日のじゃがいもは採れたてで水分が多いザマス、するならジュリエンヌざます」ガシャン
ダージリン「ヒイイイイイ」
アスパラガス「早くするザマス」
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 11:32:09.59 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「ジュリエンヌってなんですの?」
オレンジペコ「千切りのことです、千切りのじゃがいもを油で揚げたジュリエンヌフライにするんではないでしょうか?」
ダージリン「せ・・千切り・・・・このじゃがいも全部ですの・・・・」ハァァァァァ
ダダダダダダ ダダダダダダ
ダージリン「はぁはぁ、やっと終わったわ・・・・・」
アスパラガス「出来たザマスか?」
ダージリン「ええ、やっと終わりましたわ」ハァハァ
アスパラガス「まだまだ太さがまばらですが、まあいいザマス。早速茹でるザマス」
ダージリン「へっ!?揚げるんではないんですの?」
アスパラガス「何言ってるザマス?赤ワイン煮の付け合せと言ったらマッシュポテトに決っているザマス」
ダージリン「で、でもジュリエンヌって言ったじゃない」
アスパラガス「あれはするならジュリエンヌと言う意味ザマス、今日は茹ででピューレにするザマス」
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 11:36:16.46 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「このこのこの!!」ジタバタ
オレンジペコ「ダージリン様止めてください、危ないですよ」グイイイ
アスパラガス「ささ、仕上げをするザマス、まずは牛タンをスライスするザマス、3cmといったところザマスね」
ダージリン「柔らかいですわ・・・」ストン
アスパラガス「これを鍋に入れるザマス」
オレンジペコ「可愛い小さな鍋ですね」
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 11:41:01.98 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「ここに先ほど作ったソースを入れるザマス、50ccくらいザマス」
ダージリン「これっぽっちですの?」
アスパラガス「そうザマス、スプーン一掬いのソースに全力を注ぐ。これがフランス料理の真髄ザマス!!!」
ダージリン「あの苦労が・・・私の4日間が・・・・」ガクガク
アスパラガス「さあ仕上げザマスよ、ここからが本番ザマス、全神経を集中させるザマスよ」
316 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 11:47:33.64 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「まずは塩と胡椒で味付けザマス。酸味がまだ残っているようなら砂糖、風味よくしたいなら先ほど煮詰めた赤ワインで調節するザマス」
ダージリン「難しいんですのね」ペロペロ
アスパラガス「あまり舐めすぎると味がわからなくなるザマスよ、行き詰まったら水を入れてみると良いザマス、ソースが濃すぎるという時もあるザマス」
ダージリン「良い感じになりましたわ」ペロ
アスパラガス「最後にバターを入れてソースと乳化させるザマス。これをバターモンテと言うザマスよ」
アスパラガス「お皿に熱々のマッシュポテトを盛りつけて、牛タンとソースを盛るザマス。最後にクレソンを添えたら完成ザマス」
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 11:51:34.98 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「やっと出来ましたわ、さあ食べましょう」
オレンジペコ「いい匂いです、早く食べましょう」グウウウウウ
ダージリン「いただきますわ」パクリ
ダージリン「柔らかいですわ、こんな柔らかいお肉があったなんて」ポワァァァァァン
オレンジペコ「凄い柔らかいですね、それにこのソースこんな美味しいソースははじめてです」パクパク
ダージリン「ソースがこんなに美味しかったなんて、このソースとポテトだけでもごちそうですわ」パクパク
アスパラガス「これがフランス料理の真髄というものザマス」フフン
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 11:57:26.89 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「ほんとうに美味しいですわ、ありがとうアスパラガス」
アスパラガス「構いませんザマス、こちらも助かりましたから」クスクス
ダージリン「??クイッ それにしてもフランス人は凄いですわね、料理一つにいつもこんなに力を掛けるなんて」パクパク
アスパラガス「そんなわけないザマス、フォンドボーも時間があるときに他の作業と一緒にやりながら作って冷蔵庫で取っておくんザマス」
アスパラガス「デミグラスソースも冷凍して保存するんザマスよ」
ダージリン「今日の残りはどうしたの?」
アスパラガス「もちろんしっかり保存してあるザマス、牛タンもスライスして冷凍しておけば何時でも美味しい赤ワイン煮が食べられるんザマス・・・・あっ」
319 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 12:02:29.32 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「いいのよアスパラガス、こちらも料理を教わったんですもの、お相子ですわ」クスクス
アスパラガス「そうザマスね」ハハハッ・・・・ダラダラ
ダージリン「それにしても美味しい料理ですね、よろしかったらワインを開けてもいいかしら?この料理にとっても合いそうですね」ニコ
アスパラガス「良いザマスよ、赤ワイン煮にはその土地で取れた同じ地方のワインを合わせるのが最高ザマス、セラーから取ってくるザマス」
ダージリン「いいですわ、自分で行きますから。アスパラガスあなたも飲みますか?」
アスパラガス「いや・・この後、練習がまだ残っているから・・・しまった時間が、練習に行ってくるザマス、ゆっくりしていってくれザマス」ダダダダダダ
ダージリン「ええ、そうさせてまらうわ」ニッコリ
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 12:05:11.76 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「今日は本当にありがとうございました、とってもおいしかったですわ」ニコ
アスパラガス「喜んでもらえてよかった良かったザマス、また何時でも相談してくれザマス」
ダージリン「ええ、ではごきげんよう」フリフリ
オレンジペコ「ありがとうございました」ニコニコ
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アスパラガス「ふ~無事終わったザマス、暴れだすんじゃないかとヒヤヒヤしたザマス」フー
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 12:11:18.83 ID:pnlXhqzP0
ボルドー「アスパラガス様、大変です・・・ワインが・・・セラーのワインがなくなっています」ダダダ
アスパラガス「ああ、それならダージリン達にやったんだ」
ボルドー「ち、違うんです。アスパラガス様の専用のセラーが・・・・」
アスパラガス「な、なんすって!?」
ボルドー「秘蔵のジュヴレ・シャンベルタンが・・・白のモンラッシュも何本も・・・」ガタガタ
アスパラガス「どういうことザマス、あいつらなんてものを開けてくれたんザマス」アワアワ
クンクン ペロッ
アスパラガス「・・・これは・・・・・私の楽しみにしていたジュヴレ・シャンベルタン・・・・なんてことザマス」ガックシ
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 12:22:04.01 ID:pnlXhqzP0
オレンジペコ「ふふふ、美味しかったですねダージリン様」ルンルン
ダージリン「ええ、お土産ももらいましたし、来たかいがありましたね」ンフフフフフ
アスパラガス「ああああああああなんてことザマス!!!!!!!!」ギャアアアアアア
BC自由学園編~完~
優花里「ジュヴレ・シャンベルタンはブルゴーニュの王、王者のワインと言われるワインであります。あのナポレオンも愛して遠征先にも必ず持って行ったほどなんですよ」
アッサム「大戦中にドイツの傀儡政権だったBC政府もワインだけは必死に守りましたからね」
優花里「友軍だったイギリス軍に奪われたワインの配送ルートを知らせたりしてましたからね」
アッサム「秘匿していた情報が漏れたのが仇になりましたね」クスクス
331 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 21:26:18.29 ID:pnlXhqzP0
海苔のつまみ編
カエサル「ふ~やっと開放されたな」
エルヴィン「門佐が口を滑らせたからだぞ」
左衛門佐「すまんすまん、でも罪の重さで言えば他の者のほうが重いぞ」
ありょう「まあまあ、喧嘩はやめるぜえよ」
左衛門佐「しかし、少し腹が空いたな」
エルヴィン「半日近く軟禁されて叱責を受けていたからなあ」
おりょう「仕方ない、軽く作ってやるぜよ」
左衛門佐「流石はおりょう、頼りになる」
おりょう「それにしても何もない冷蔵庫ぜよ」ガサゴソ
カエサル「そう言えばお中元でノリを貰ったな、あれは使えないか?」
おりょう「よし、ちょっと待ってるぜよ」
332 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 21:36:56.19 ID:pnlXhqzP0
おりょう「さて、まずは佃煮を作るぜよ。醤油、砂糖、味醂を3:1:1で混ぜてっと、焼き海苔はちぎってふやかしながら煮こむぜよ」
おりょう「あとは調味料を入れて煮詰めれば完成だな」クツクツ
ありょう「さて次はっと、おお、ほうれん草ぜよそれにえのきも、これで磯和えにするぜよ」
おりょう「まずはほうれん草とえのきを切ってさっと茹でる。水に落としてよく絞ってっと」ギュウウウウ
おりょう「めんつゆでも良いけど切らしているから醤油と砂糖でいくぜよ、だしの素をちょっと入れて味を見ながらさっくり混ぜる。こんなもんぜよ、後はもみ海苔をたっぷりと入れて混ぜれば磯和えぜよ」
333 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 21:45:38.43 ID:pnlXhqzP0
おりょう「後はそうぜよねえ、おお、こんな立派な長芋が磯辺焼きにするぜよ」
おりょう「長芋をすりおろしてっと、今日は片栗粉を入れて粘りを強くするぜよ、なければ小麦粉でも大丈夫ぜよ」
おりょう「よーく練ったら海苔で挟んで、フライパンに油を引いて焼くぜよ」ジュウウウウウウウ
おりょう「味付けは醤油でいくか、醤油と砂糖を2:1ここにごま油をひとたらし照りを出すために味醂もちょっと、こいつを流し込んで絡めながら焼きば完成ぜよ」
おりょう「佃煮もいい感じぜよ、半分は茶漬けに、半分は冷奴にするぜよ、叩いた梅と鰹節をたっぷり入れて練るぜよ、後は豆腐に乗せれば。海苔奴ぜよ、好みでネギを掛けるぜよ」パラパラ
おりょう「もう一品ぐらいいくか、あいつら肉か魚を出さないといつも怒るからなあ、よしこの冷凍のまぐろのたたきを使うぜよ」
334 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 21:51:13.24 ID:pnlXhqzP0
おりょう「凍ったまま四角柱に切るぜよ、これにのりを巻いて、天麩羅の衣をくぐらせてさっと表面がカリッとするだけ揚げるぜよ」
おりょう「みんな~出来たぜよ~」
左衛門佐「待ちかねたぞおりょう」ドズン
エルヴィン「うまそうな匂いだな」
カエサル「おお海苔づくしだな」
おりょう「まずこれが磯会えぜよ、ほうれん草とえのきのお浸しにのりが入ったものぜよ」
パクパクパク
左衛門佐「おお、この海苔のお浸しと海苔がお浸しの汁を吸ってヘニャっとなった所が良いな」
カエサル「海苔の香りが本当に磯の香りのようだな」モグモグ
335 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 21:58:12.48 ID:pnlXhqzP0
左衛門佐「おりょう、まだ開けてないお米ジュースがあっただろう、あれを出そう」
エルヴィン「いいな、ライスワインは私も好きだぞ」ガヤガヤ
カエサル「今日は少し冷えるから、燗でいくか」ワイワイ
おりょう「燗を作るのは面倒くさいんだぞまったく、そう言えば錫のタンポがあったはずぜよ、あれなら早いし、楽ぜよ」
エルヴィン「なんだタンポって?」
左衛門佐「取手のついた燗器だな、口が広いから酒も入れやすいし、錫だから熱伝導も良い、味も良くなるそうだぞ」
336 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 22:07:10.63 ID:pnlXhqzP0
おりょう「燗もできたぜよ」トクトクトク
左衛門佐「お米のジュースと磯会えがなんとも言えんな」カーーー
エルヴィン「魚介なんて入ってないのに海を感じるな」パクパク
おりょう「次は海苔奴ぜよ、味は付いているからそのまま食べるぜよ」
カエサル「醤油の代わりに佃煮が乗っているのか パクッ く~この酸味は梅だな、さっぱりしていて豆腐と合うな」
エルヴィン「後から鼻を抜ける海苔とカツオの磯の香りも良いな」パク
左衛門佐「その香りが抜けないうちにこいつをやると」グビ
左衛門佐「んん~たまらんな。おりょうは食べんのか?」
おりょう「こいつが出来たらいくぜよ、叩いたマグロの天ぷらぜよ」
エルヴィン「叩きを海苔で巻いたのか、パクリ んん~中がまだ生の叩きだ」パクパク
左衛門佐「面白いな、表面はパリパリの海苔の天ぷらで中はとろっとしたマグロのミンチなのか」
カエサル「これもお米のジュースが進むな、天つゆもいいが、やはりここは塩だな」パラパラ パクリ
337 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 22:14:47.61 ID:pnlXhqzP0
おりょう「どうぜよ少しは満足したか?」
左衛門佐「ああ、旨い肴に酒文句無しだな」
エルヴィン「んん~だが小腹がすいているな、なにか〆的なものがほしいな」
おりょう「そう言うと思って、茶漬けを用意しておいたぞ、海苔の佃煮茶漬けぜよ」
左衛門佐「なんとも言えない照りだな、紫のような黒のような綺麗な光沢だ」
おりょう「ささ、お茶を掛けるぜよ」
ズズズ ズズ
エルヴィン「ふう~やっぱり〆はこれだな」
カエサル「海苔の佃煮も旨いな」
おりょう「まだ残りが瓶に入れてあるぜよ、また今度食べると良いぜよ」
エルヴィン「トーストにも合うらしいぞ」
おりょう「んん~それは遠慮したいぜよ」
338 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/04(土) 22:21:25.45 ID:pnlXhqzP0
左衛門佐「さて喰った食った、風呂にでも入って寝るとするか」ガタ
カエサル「私はもう少しローマ史を研究しようかな」
エルヴィン「そうか、じゃあ私もドイツ陸軍の防御ドクトリンの変遷を追ってみるかな」
おりょう「まったく・・・少しは片付けも手伝うぜよ、そんなんじゃもう作ってやらんぜよ?」
左衛門佐「お皿は私が洗うぞ」テキペキ
カエサル「ここのお皿は整理して持っていく、その後はすすぎと吹上だな」テキパキ
エルヴィン「お疲れでしたおりょうさん、ささ、肩をおモミしますよ」モミモミ
おりょう「ふふふ、たまにはこういうのも悪くないぜよ」コキコキ
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 05:24:04.50 ID:jiyQcP7E0
カサカサカサ
オレンジペコ「ダージリン様、距離50mほどですね、もう少し近づかれますか?」ヒソヒソ
ダージリン「もう少し近づきますわ、有効射程距離までもう少しです。幸い、向こうもまだ気づいていませんわ」ソソソソ
ダージリン「いきますわよ」カチャ
スゥゥゥゥゥゥ カチリ
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
パーーーーーーーン
バサバサバサ
オレンジペコ「命中ですねダージリン様」
ダージリン「ええ、上手くいきましたわ。ローズヒップ、ゴー!!」
ローズヒップ「了解ですわダージリン様」ダダダダ
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 05:37:21.53 ID:jiyQcP7E0
絹代「それがこの鹿というわけですか」
ダージリン「ええ、鹿撃ちはイギリス紳士の嗜みですわ」
福田「それで本日はそのような出で立ちなのでありますね」
ダージリン「ええ、イギリスの伝統的なハンティングスタイルですのよ」
絹代「ウールのジャケットにニッカーズとアーガイルチェックのハイソックスがよくお似合いですよ」
ダージリン「ありがとうございますわ」
福田「この帽子はホームズが被っているやつでありますね」
オレンジペコ「それは鹿撃ち帽です、銃を使わない時はそうして横の耳あてをリボンで縛って上にあげておくんです」
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 05:40:26.42 ID:jiyQcP7E0
絹代「ところでそうしてまたうちに?」
ダージリン「いつもお世話になっていますから、そのお返しにと思いまして鹿のお裾分けに来たんですの」
絹代「いやあ、それは気を使っていただいてありがとうございます」ペコ
ダージリン「気になさらないで、いつもお世話になっているのはこちらなんですから」
絹代「ありがとうございました、またお返しに伺います」
ダージリン「楽しみにしていますわ、ではごきげんよう」
349 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/05(日) 05:41:27.11 ID:0vwNPIq10
鹿撃ち……またぎか!
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 05:44:47.29 ID:jiyQcP7E0
福田「隊長殿、この肉はどの部分なのでありますか?」
絹代「これは前足、肩肉の部分だな。いつも動く部位だから美味しいぞ」
福田「なるほど、肩肉でありますか、ですが肩肉だと筋が複雑に入っているので煮込み料理しかないでありますか?」
絹代「そんなことはないぞ福田。よし、今日は鹿料理を作ろう」
福田「やったであります」
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 05:52:35.89 ID:jiyQcP7E0
絹代「まずは鹿のローストを作ろう」
福田「ローストというと焼くのでありますか?」
絹代「ああ、ローストベニソンと言って欧州では伝統的な食べ方だそうだ、普通はもも肉でやるが肩でも十分美味しいぞ」
福田「それは楽しみであります」
絹代「まずは下ごしらえだな、今日は肩肉だから筋切りをしよう。ミートソフターがあると簡単だが、ないなら竹串でも出来るぞ」
福田「刃がたくさん付いているでありますね」
絹代「これで筋が切れて柔らかくなるんだ、次は味付けだな、今日はシンプルに塩コショウで行こう」
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 06:00:10.63 ID:jiyQcP7E0
絹代「しっかりと振って揉み込んだら、塊のまま表面をフライパンで焼くぞ」ジュウウウウウウウウ
福田「美味しそうであります」
絹代「こんなものだな、後はこれをジップロックに入れてオリーブオイルとワインを少し、後は匂い消しにしゅうがを入れて空気を抜くんだ」
福田「もう良いんでありますか?全然火が通ってないでありますよ?」
絹代「今日は低温調理で仕上げるぞ、このまま袋ごと茹でるんだ75~80℃で20分煮るぞ」
福田「そんな調理法があったんでありますか?驚きであります」
絹代「柔らかく鹿独特の香りを楽しむ調理法だそうだ、赤い肉は赤く、白い肉は白くというのが欧州の考え方だそうだ」
353 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 06:05:22.56 ID:jiyQcP7E0
福田「鹿肉は赤いので赤身を残して調理するでありますね」
絹代「そうだ、でも野生の鹿は病気が怖いからな、オーブンだと生焼けになることもあるが、その点低温調理なら中までしっかり火が通るからな」
絹代「鹿肉が68℃になるのがベストだな、火加減や時間は大きさによっても変わるから注意するんだぞ」
絹代「よし今日はもう一品作ろう、今度は竜田揚げだ」
福田「鹿の竜田揚げでありますか?」
絹代「ああ、揚げることで臭みも抜けるし、柔らかくなるからな」
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 06:10:07.47 ID:jiyQcP7E0
絹代「今日はこれを使って肉を柔らかくするぞ」
福田「何でありますかこれは?」
絹代「これは塩麹だ!!一口大に肉を切ったらこれを肉に刷り込んで1時間ほど休ませるんだ」
福田「これで肉が柔らかくなるんでありますね」
絹代「下味は醤油と酒、じょうがだな。よく揉み込んでっと」
福田「揚げ油の準備も出来たであります」
絹代「じゃあ、片栗粉をまぶして揚げていくぞ」ジュウウウウ パチパチパチ
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 06:14:53.85 ID:jiyQcP7E0
福田「この醤油が揚がる香りがたまらないであります」クンクン
絹代「よし完成だな、福田みんなを連れて来い」
福田「了解であります!!」ダダダダ
玉田「おお、今日は肉の叩きでありますか、豪勢ですな」
細見「こっちは竜田揚げですな、いい香りでありますな」クンクン
福田「ダージリン殿から鹿肉を頂いたのだります。今日はローストベニエと言う料理であります」
玉田「らうすとべにえか美味そうだな」
356 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 06:19:26.09 ID:jiyQcP7E0
絹代「本来はバルサミコソースやホースラディッシュで食べるんだがな、やはり我々にはこのわさび醤油だろ」
細見「赤い肉にわさびを乗せて醤油で食べる、最高ですな」パクパク
玉田「肉なのに柔らかいんだな」モグモグ
福田「しっかり筋切りをして低温調理で仕上げたからであります」エッヘン
細見「作ったのは西隊長だろ」コツン
福田「痛いであります」グス
絹代「まーまー。ささ、竜田揚げも美味しいぞ、冷めないうちに食べた食べた」サスサス ナデナデ
358 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 06:27:35.86 ID:jiyQcP7E0
玉田「こっちも柔らかいな、醤油の香りも芳ばしくていいな」
細見「だがこの味はなんだろう・・・ふくよかでいて馴染み深いような・・・・」
絹代「それは塩麹の香りだな、肉を柔らかくするために入れたんだ」
細見「なるほど、麹の香りでしたか、旨いでありますな、ごはんにも酒の肴にもピッタリですね」
絹代「ダージリン殿からお土産にとイギリスのビヰルも頂いたぞ、みんなで飲もう」
玉田「竜田揚げの脂とビヰルも絶妙でありますな」グビグビ
絹代「ローストベニエにも合うな、いいものを貰ってしまったな、また何かお返しせねば」コク
細見「うん旨いなこれは。 グビグビ よし福田、何か芸をやれ」ハハハッ
福田「えええ!?自分がでありますか?」
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/05(日) 07:49:05.05 ID:jElCyNAX0
姉の友達から豚肉の塊貰ったことあるが
物凄く油が出てきてびっくりした記憶ある
そして、匂いが凄かった
369 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 17:48:54.90 ID:jiyQcP7E0
チーズ道続き
優花里「いや~皆さん素晴らしいチーズばかりでしたね」
オレンジペコ「どのチーズもとても美味しそうでした」
愛里寿「うん、チーズが好きになれそう」
優花里「これでチーズ大会も終わりでありますね」
まほ「「まったぁぁぁぁ」」
優花里「西住殿のお姉さんであります」
まほ「黒森峰もこの戦い参加させてもらう」
エリカ「王者のチーズというものを見せてあげるわ」
優花里「いえ、チーズの王様はイタリアのパルミジャーノであります」
エリカ「良いのよそんなこと!!黒森峰のチーズだって凄いんだから」
370 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 17:55:33.72 ID:jiyQcP7E0
まほ「まずはこれだ、ドイツのモッツァレラチーズ、ステッペンだ」
優花里「ドイツにもモッツァレラチーズがあったんですね」
オレンジペコ「バイエルンで作られるチーズですね。ドイツは他国のチーズを改良するのが得意なんです」
まほ「今日はステッペンをライ麦パンに載せてトーストしてみた、食べてくれ」カチャ
愛里寿「これ本当にモッツァレラなの?なんだか見た目が全然違うけど?」
優花里「とりあえず食べてみましょう」ハム
パク ビニョオオオオオン
愛里寿「んん、すごい伸びる」
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 18:03:53.10 ID:jiyQcP7E0
アンチョビ「あの伸び方はまさに焼いたモッツァレラだな。ピザみたいだ」
優花里「美味しいでありますね、このチーズとても滑らかです」
愛里寿「うん、でも、アンチョビの食べさせてくれたのよりちょっぴりしょっぱくて美味しい」
まほ「ステッペンは牛乳で作ったモッツァレラを熟成させたものだ、弾力のあるフレッシュなイタリアのモッツァレラと違って塩気の効いたセミハードチーズだ」
優花里「本当でありますね、焼いてないこちらはカチカチであります」コンコン
オレンジペコ「熟成させたことによる旨味とフレッシュチーズの良いとこどりのようなチーズですね、これを料理に使うだけで一段階上の美味しさになりますよ」
愛里寿「美味しい、酸味のきいたどっしりしたライ麦パンに塩気とコクがすごくあってる」パクパク
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 18:19:36.40 ID:jiyQcP7E0
エリカ「次はこれよ、ちょっぴり大人な味だから気をつけなさい」コト
まほ「ボニファッツだ今日はグリーンペッパー味を用意した」
パクリ
優花里「本当でありますね、ピリリとして美味しいであります」
オレンジペコ「グリーンペッパーが練りこまれたチーズですね、ドイツの伝統あるチーズメーカーの商品でガーリック味なんかもありますよ」
愛里寿「胡椒でぴりっとしてるけど、チーズはすごくクリーミーで美味しい」パクパク
優花里「チーズに練り込むなんてすごい発想でありますね。白カビで熟成されたカマンベールのクリーミでコクのある味がたまらないであります」
エリカ「どう?これが黒森峰の実力よ」フンッ
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 18:27:43.48 ID:jiyQcP7E0
まほ「最後はこれだ、これも少し癖があるから気をつけろ。ババリアブルーだ」コト
優花里「おおこれはブルーチーズでありますね」
愛里寿「臭い・・・」クシクシ
エリカ「ババリアブルーは青カビチーズだけどそれだけじゃないのよ」
優花里「ああ、本当であります!!外側は白カビチーズであります」
オレンジペコ「ババリアブルーはドイツのチーズで青カビ系と白カビ系を合わせたチーズなんですよ」
まほ「青カビチーズはどうしてもきつい酸味や匂いが気になるが、このチーズは白カビの力で青カビの刺激を抑えた入門用のブルーチーズだ」
パク
愛里寿「すごい滑らか、ちょっとピリっとするけど食べやすい」モグモグ
優花里「本当でありますね、青カビ独特の癖がありつつクリーミーで食べやすいであります」
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 18:35:02.02 ID:jiyQcP7E0
まほ「ババリアブルーを作るときに牛乳に生クリームを加えて作るんだ、だから脂肪分も多くクリーミーな味わいなんだ」
愛里寿「青カビチーズってもっときついと思ったけど、これなら食べられる」モグモグ
まほ「こうした入門用チーズから始めればチーズの美味しさも楽しめるようになっていく、これからも楽しんでくれ」
愛里寿「うん、今日はありがとう」
まほ「ふふ、エリカあれを出してくれ」
エリカ「はい隊長!! これは私達からのお土産です」
まほ「ほかの学校がチーズを土産にしていたからな。我々からはチーズに合うデザートワインだ」
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 18:49:03.28 ID:jiyQcP7E0
愛里寿「デザートワイン?」
オレンジペコ「食前酒などに出される甘めのワインですね」
まほ「今日は黒森峰特製のアイスヴァインとトロッケンベーレンアウスレーゼを用意した」
優花里「アイスヴァインは葡萄が成ったまま凍結してしまって出来たワインですね」
オレンジペコ「そうですね、氷点下の中凍ったまま葡萄の果肉を絞ることで糖度が高いことで凍結しない果汁のみが絞り出され、極上の甘さを持ったワインが出来上がるんです」
優花里「トロッケンベーレンアウスレーゼと言うのは?」
オレンジペコ「貴腐ワインのことですね、トロッケンは乾燥、ベーレンはぶどうの身、アウスが選ぶ、レーゼが収穫という意味です」
オレンジペコ「葡萄の身を樹になったままにして完熟させて干しぶどうのようにってから収穫するんです。糖度がとても高く特徴的な貴腐香という香りがする高級ワインですね」
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 18:53:47.37 ID:jiyQcP7E0
エリカ「ワインの王にして王のワインと言われるワインよ!!まさに黒森峰の様なワインね」
まほ「クリーミーなフレッシュチーズには甘口のワインが合うからな、これで楽しんでくれ」
優花里「羨ましいでありますね」タラーーーー
愛里寿「ありがとう、大切に頂くわ」 ギュ
まほ「ああ、楽しんでくれ」 ギュ
優花里「これにて島田殿のチーズ克服大会も閉幕であります」
オレンジペコ「美味しそうなチーズばかりでしたね、私も食べたくなりました」
優花里「では司会進行の秋山優花里と」
オレンジペコ「解説のオレンジペコでした」
優花里「さようなら~」フリフリ
オレンジペコ「さようなら」フリフリ
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/05(日) 18:59:09.53 ID:jiyQcP7E0
~後日~
愛里寿「家出してきた、匿って欲しい」
優花里「どうしたんでありますか一体」
愛里寿「お母様と喧嘩した、もう家には帰りたくない」ボコ ギュウウウ
優花里「一体何があったんでありますか??」
愛里寿「お母様たら私のチーズとワインを全部食べちゃったの・・・・」
優花里「ええ!?あのチーズとワインを全部でありますか?」
愛里寿「大切にとっておいたのに、美味しい美味しいって内緒で食べちゃったの」
~島田家~
千代「愛里寿~ごめんなさい、出てきてちょうだい、お母さん悪かったわ~」オーーーーイ
チーズ道~完~
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/05(日) 21:37:04.52 ID:hIgmIsSOO
千代さんギルティ……
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 11:37:48.26 ID:xO7klNds0
小ネタ~これが私の煎茶道~
パカラパカラパカラ ヒヒィィィン バカッピョーン パカラパカラ
オレンジペコ「お見事ですダージリン様」パチパチ
ダージリン「まずまずですわね、次はローズヒップあなたの番よ」ドオドオ
ローズヒップ「いきますわよ、それそれそれ」ビシィビシィ ヒヒィィィン バカラバカラバカラ
ローズヒップ「とうっ!!」ピョオオーーーン カコン ボテ
オレンジペコ「引っかかってしまいましたね」
ダージリン「ローズヒップ、スピードばかり出すことを考えていてはダメですよ」
ローズヒップ「すいませんでございます。なかなかダージリン様のようにはいきませんわ」
絹代「いや~それにしても見事な手綱さばきですね」
ダージリン「あら?西さんどうしてこちらに?」
絹代「アッサム殿からダージリン殿はこちらと伺いまして、先日のお礼にこのようなものをお持ちしました」ガチャ
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 11:44:05.47 ID:xO7klNds0
ダージリン「可愛らしいバックですわね、竹で出来ているのかしら?」
絹代「今日は知波単で新茶が取れましたので、煎茶でもご馳走しようとお持ちしました」
ダージリン「お茶ですか良いですわね。ペコ早速支度をしてください」
絹代「いえいえ、せっかくの陽気ですから今日は野点でもいたしましょう、そう思って用意もしてきました」
ローズヒップ「のだてってなんでございますか?」
オレンジペコ「日本のガーデンティーパーティーですね、そこでお茶とお菓子を頂くんです」
ダージリン「良いですわね、ちょうど乗馬で喉も乾いていたところですの、よろしくおねがいしますわ」
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 12:00:22.07 ID:xO7klNds0
絹代「では準備をさせていただきます。今日は煎茶を用意しました」
ローズヒップ「煎茶とはどういう区別でございますの?」
ダージリン「煎茶は日本茶の一つですわ、所謂緑茶ですね。新芽を摘みとってすぐに熱処理をしますの、そうすることで茶葉の酵素が失活して発酵が止まりますの。ですからみずみずしい茶葉のすっきりとした味わいと旨味を味わえますのよ」
ローズヒップ「流石はダージリン様でございますわ」キラキラ
ダージリン「蒸させた茶葉はその後揉みながら乾燥させるんですの、蒸す時間だ長いほど茶葉から渋みが抜けて色も味も濃くなるのよ」
ダージリン「反対に蒸す時間が短いほどすっきりとした味わいで渋みも濃く香り高いお茶になるんですのよ」
絹代「よくご存知ですね、流石はダージリン殿!!今日は新茶の香りを楽しめる浅蒸し茶を用意しました」
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 12:08:52.44 ID:xO7klNds0
オレンジペコ「現在の煎茶の製法を開発したのがあの永谷園のご先祖様なんですよ」
絹代「なるほどそれは存じませんでした。流石がオレンジペコ殿」
オレンジペコ「ふふふ」ドヤ
ダージリン「・・・ペコ」ムス
オレンジペコ「すいません・・・・」
ローズヒップ「では玉露ですとか抹茶は何でございますの?」
ダージリン「あれはね、栽培法の違いなの。日本茶はね、ほうじ茶も番茶も粉茶も全部同じ茶の樹からできるのよ」
ローズヒップ「そうなんですのね、どう違うんですの?」
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 12:15:53.80 ID:xO7klNds0
ダージリン「玉露と抹茶はほぼ同じ作り方ですわ、茶臼で挽いて粉にするかの違いですわね」
ダージリン「そもそもは蒸して乾燥させるだけでしたの、今では味を良くするために収穫前の20日間ほど茶の樹に黒いシートを被覆して育てたから収穫しますのよ」
ローズヒップ「どうしてそんなことをするんでございますの?」
ダージリン「被覆栽培することで美味しいお茶ができますの」
ローズヒップ「どうしてですの?」
ダージリン「ええっとそれは・・・・・」
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 12:36:07.37 ID:xO7klNds0
オレンジペコ「お茶の旨味成分はアミノ酸のテアニンなんです。地中の窒素化合物を分解吸収してグルタミン酸とエチルアミンからテアニンに生合成し葉に蓄積するんです。これが光合成によってカテキンなどのポリフェノールに誘導されるんです」
オレンジペコ「このカテキンが苦味成分なんですが、カテキンの生合成は光によって促進されます。なので被覆栽培を行うことでテアニンが葉に蓄積しカテキンの少ない茶葉が出来るんです」
オレンジペコ「これによって独特の旨味を持った玉露や抹茶が・・・・」
ローズヒップ「・・・・・・・」ボケー
ダージリン「くぅぅぅぅぅぅ」ギリギリ
オレンジペコ「すいません・・・」ペコ
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/06(月) 12:38:14.43 ID:qBFHCnlUO
ペコちゃん強い
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 12:44:38.52 ID:xO7klNds0
ダージリン「とりあえず、それで美味しいお茶が作れるんですの」
ローズヒップ「では抹茶と粉茶って違うものだったんですのね」
ダージリン「そうよ、粉茶は煎茶を作る際に出た砕けた茶葉ですの。ですから粉茶だから品質が悪いということではないんですのよ」
絹代「粉茶はお茶の色合いが濃く、味も濃いものが出るので寿司屋などでよく用いられますね」
ダージリン「次は番茶ですけど、これは番外の茶という意味ですわ。日本茶も紅茶のように何度も収穫しますの。初めの収穫のお茶が一番茶、その次が二番と続いてその後、茶の樹を伸ばしますの」
ローズヒップ「それを収穫したものということでございますね」
ダージリン「ええそうよ、察しが良いわね」ナデナデ
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 12:51:47.51 ID:xO7klNds0
ダージリン「ですので番茶は他のお茶と違って秋に収穫するんですのよ」
ダージリン「ほうじ茶は漢字で書くと焙茶、つまり煎茶や番茶を炒って焙じたお茶ということです。独特の香ばしさがでて苦味も減るのでスッキリした味わいになりますわ」
ローズヒップ「では昆布茶や玄米茶はなんですの?」
ダージリン「あれは煎茶や番茶に玄米や昆布粉末を混ぜたものです」
ローズヒップ「なるほど流石はダージリン様」
ダージリン「ふふふ」ドヤーン
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 12:57:11.53 ID:xO7klNds0
絹代「ささ、煎茶を楽しみましょう」
ローズヒップ「でも私、お茶の作法なんて知りませんことよ?」
絹代「良いんですよそんなこと、気軽にお茶を愉しめば良いんありますよ。よろしければ一緒に煎れませんか?」
ダージリン「良いですわね、ペコもローズヒップも習いましょ」
絹代「まずは道具ですね! 急須と茶碗があれば問題無いですよ、他にも煎茶道では様々な道具を使いますがお茶を楽しむならこれだけあれば十分です」
ダージリン「今日は随分器具が多いんですのね」
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 13:02:30.46 ID:xO7klNds0
絹代「今日は野点ですからね、ポットでも良いんですがここは雰囲気を出すために涼炉とボーフラを用意しました」
オレンジペコ「涼炉は携帯用の湯沸し器ですね、細長い七輪みたいですね」
絹代「今日は炭を入れていますが、最近は電熱式のインテリアにも使えるものも出ているんですよ」
ローズヒップ「ボーフラって蚊の幼虫みたいな名前でございますわ」
絹代「ボーフラは把手のついた土瓶のことですね、流派によって保夫良などの字を当てたりしますね」
オレンジペコ「もともとはポルトガル語だそうですよ」
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 13:10:11.62 ID:xO7klNds0
ダージリン「煎茶を入れる際は金属のやかんや鉄瓶などでは味が悪くなると避けられているのよ」
絹代「そこまで気にしなくても良いんですけどね、今日は急須も宝瓶という把手のないものを用意しました」
ダージリン「玉露などを煎れる際に使われるものですね、把手がなくて平たくて大きな蓋がとってもキュートですわ」
オレンジペコ「紅茶にはない形ですね」
絹代「この宝瓶なら茶こしを使わずにお茶を煎れることができるので野点には便利なんですよ」
オレンジペコ「中にも金属のフィルターがついていないのでお茶の味が損なわれないんですね」
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 13:15:26.46 ID:xO7klNds0
絹代「では淹れていきましょう。まずは温度が大切ですね」
ローズヒップ「どういうことでございますの?」
ダージリン「紅茶では沸騰したお茶で淹れますが、煎茶は80℃程度が良いんですのよ、玉露などではもっと低めの70℃や60℃で淹れますの」
ローズヒップ「難しそうでございますわ」ウーン
絹代「そうでもないですよ、まずは人数分の茶碗を出してそこにお湯を注ぐんです。こうすると茶碗で湯冷ましになって80℃位になります」
オレンジペコ「同時に茶碗を温めるわけですね」
絹代「宝瓶や急須は温めません。ここに茶葉を入れます」ササッ
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 13:24:57.26 ID:xO7klNds0
ダージリン「可愛らしい茶葉入れですわね」
絹代「これは茶壺と言います。抹茶の茶壺と比べて蓋が大きいのが特徴ですね。これは錫で出来たものに漆を塗って装飾したものです」
オレンジペコ「錫でできたものが密閉力もあり品質の変化が少ないんですよ」
ローズヒップ「可愛らしいですね、ピカピカでとっても綺麗でございますわ」
絹代「茶葉は一人匙1杯ですね、約5gです。ここに冷ましたお湯を入れて1分ほど蒸らします」
ローズヒップ「ずいぶん早いんですのね」
ダージリン「紅茶や中国茶と比べると随分早いですね」
絹代「そうですね、これも採れたての茶葉を発酵させないで淹れる日本茶の特徴ですね」
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 13:30:17.94 ID:xO7klNds0
絹代「では、お茶を湯のみ入れます。少しずつ各茶碗に入れて周り味が同じになるようにします」
絹代「最後の一滴までしっかりお茶を出してくださいね。これができていないと2煎目の味が悪くなります」チョロチョロ
ダージリン「最後の一滴まで出しきるのは紅茶と同じですわね」
オレンジペコ「紅茶では最後の一滴をゴールデンドロップと言ったりしますね」
絹代「ささ、準備ができました。今日はお茶菓子も持ってきました。落雁と紫陽花です」
ローズヒップ「らくがん?紫陽花は花でございますか?」
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 13:35:57.06 ID:xO7klNds0
絹代「落雁は米粉と砂糖を練り合わせて乾燥させたものです、紫陽花は和菓子の主菓子の一種ですよ」コト
ローズヒップ「わ~綺麗ですわ、本当に紫陽花みたいでございます」キラキラ
ダージリン「本当ですわね、透明な色とりどりの寒天が表面に付いているんですのね」
オレンジペコ「この落雁も可愛らしいですね、知波単とグロリアーナの校章になっているんですね」
絹代「落雁はこうして木枠で押し固めて作るんです、だからこうして好きな形が作れるんですよ、ささお試しください」
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 13:41:34.14 ID:xO7klNds0
パクッ
ローズヒップ「ホロリと口の中で崩れてあっという間に溶けてなくなっていきますわ」ホワアアアン
ダージリン「和三盆のすっきりした甘さが良いですわね。ほろりと儚く溶けていきますわ」
オレンジペコ「口の中に残らずスーッと消えていくのでお茶にピッタリですね」
ローズヒップ「このお茶も最高でございますわ、日本茶も美味しいですわね」
ダージリン「すっきりとした味わいと甘みと渋みのバランスがいいですね」
オレンジペコ「この紫陽花もとっても美味しいですね、甘すぎずお茶を引き立てる甘さです」
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 13:51:09.46 ID:xO7klNds0
絹代「では2煎目を淹れますね、次は沸騰した100℃のお湯でを淹れます」チョロチョロ
絹代「一度蒸らして茶葉が開いているので、直ぐに飲めますよ」チャチャ
コクンッ!
ダージリン「1煎目よりも味がはっきりして香りが強く出ていますね」
ローズヒップ「爽やかで美味しいでございますわ」ググウウウ
ダージリン「旨味成分のテアニンは淹れるたびに少なくなりますが、苦味成分はあまり変化がないのですからね。淹れるたびに変わる味わいも日本茶の特徴ですわ」
オレンジペコ「美味しいですね、新茶の苦味がお菓子と合いますね」
絹代「3煎くらい出せますが、やはり一番旨味があるのは1煎目ですね。2煎目は爽やかな香りとスッキリした味わいを、3煎目は苦味を楽しむことが出来ます」
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/06(月) 13:58:53.58 ID:xO7klNds0
ローズヒップ「日本茶も美味しいでございますね」
絹代「喜んでいただけて良かったです、次は是非、知波単の茶室で抹茶でもいかがですか?」
ダージリン「いいですわね、それでしたらグロリアーナのティーパーティーにも是非いらしてくださいね」
絹代「本当でありますか!!紅茶というのを飲んでみたかったんであります」
ダージリン「美味しい紅茶を淹れて差し上げますわ」フフッ
絹代「楽しみにしているであります」
オレンジペコ「これが私の煎茶道、今日はこの辺りで失礼します。次回もよろしくおねがいしますね」フリフリ
煎茶道~完~
ローズヒップ「お代わりおねがいしますわ~」
ダージリン「ローズヒップ、キチンとしなさい」フフ
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 18:08:44.08 ID:uvgf9k/I0
~アンツィオ~
アンチョビ「それがこのワインってことか」ツンツン
ペパロニ「美味そうですねアンチョビ姐さん」ダラダラ
ダージリン「ええ、アスパラガスが快く譲ってくれましたの、今日はこのワインに合うような魚料理を教えてもらえるかしら?もちろんこのワインも一緒に飲みましょ」
アンチョビ「そういうことならこの、アンチョビに任せておけ!!最高のイタリアンを教えてやろう」
ダージリン「よろしくお願いしますわ。今日は何を作りますの?」
アンチョビ「そうだな、シーフードのパスタを2種類とピッツァにしよう」
ペパロニ「アンチョビ姐さんのピッツァですか、楽しみっすね~」
427 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 18:19:56.30 ID:uvgf9k/I0
アンチョビ「まずはペスカトーレを作るぞ、魚介とトマトを使ったパスタだ。ペスカトーレってのは漁師風って意味だ。魚介なら何でもいいが、今日は旬のスルメイカとあさり、エビを使って作るぞ」
ダージリン「あのトマトと貝のスパゲッティですね、楽しみです」
アンチョビ「パスタだパスタ!! 今日は確かにスパゲッティーニを使うが、スパゲッティは麺の種類、ペスカトーレにはどんなパスタを使っても美味しく出来るんだ」
ダージリン「どういうことですの?」
オレンジペコ「スパゲッティーニは麺の種類のことですよ。1.6mm程度の太さの麺のことです、麺の太さや形で名前が変わるんです」
アンチョビ「そうだ、パスタってのが麺料理全般を表す言葉だな。ラザニアなんかもパスタになるんだ」
ダージリン「なるほどそうでしたのね、では早速作りましょう」
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 18:24:03.66 ID:uvgf9k/I0
アンチョビ「じゃあ材料だ、今日は2種類パスタを作るから2人前にしておこう。ペスカトーレってのは、日本で言えばアラ汁みたいなものだな、魚介類ならなんでも良いぞ」
・イカ・・・・・・・・1杯
・エビ・・・・・・・・100g
・あさり・・・・・・・200g
・トマト・・・・・・・1個
・にんにく・・・・・・1欠
・白ワイン・・・・・・50cc
・スパゲッティーニ・・180g
アンチョビ「今日はこんな感じだな、ムール貝なんかを入れたりすると豪華に見えるな」
ダージリン「随分簡単ですのね」
429 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 18:29:15.20 ID:uvgf9k/I0
アンチョビ「あくまでもメインは新鮮な魚介類だからな、その魚介類から出た旨味とトマトお旨味ををパスタに絡めるんだ」
アンチョビ「まずはにんにくを包丁で芽を取って潰すぞ」バンッ
アンチョビ「イカは皮を剥いて輪切りに、トマトは皮を向いておくんだ」
アンチョビ「次にフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れる。先に火をつけたらダメだぞ」
ダージリン「あらそうでしたの?」カチッ
アンチョビ「熱いオリーブオイルだと香りが出る前に焦げちゃうからな、じっくり炒めて香りと味を出すんだ」
ダージリン「いい香りがしてきましたわ」クンクン
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 18:35:28.07 ID:uvgf9k/I0
アンチョビ「じゃあパスタを茹でるぞ、鍋にたっぷりのお湯を沸かして塩を入れる」ドサ
ダージリン「もう茹でますの?ずいぶん早いんですね」
アンチョビ「このパスタを茹でる間にソースを作るんだ、テキパキやらないと時間がなくなるぞ」パンパン
ダージリン「は、はいですわ」カチャカチャ
アンチョビ「にんにくに焦げ目がついてきたらもう出していいぞ、魚介を炒めていくんだ。汁気が出てきたらさっと白ワインを振って更に炒める」
ダージリン「味付けはしないんですの?」
アンチョビ「味付けはこのパスタの茹で汁でするんだ、だから最後に味をみて足りないようなら塩を入れればいい」
431 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 18:41:05.84 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「あさりが開いてきましたね」ジュウウウウ
アンチョビ「じゃあここにトマトだな、手でつぶしながら入れればいいぞ。しっかり切ってもいいぞ」
ダージリン「大胆ですわね」グニュウウウ
アンチョビ「軽く煮込んでスープにしっかり旨味を出すんだぞ」
ダージリン「パスタもそろそろ時間ですわ」
アンチョビ「じゃあ少しパスタの茹で汁も入れてスープを薄めるんだ、味をみて足りなそうなら塩を振る」
ダージリン「じゃあパスタを入れますね」ジュウウウ
アンチョビ「後は軽く鍋を振ってスープを絡めるぞ。皿に盛りつけてパセリを振ったら完成だ」
432 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 18:46:52.40 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「簡単ですのね、すぐ出来てしまいましたわ」
アンチョビ「簡単だがソースにはたっぷり旨味が出ているからな、次はカジキマグロを使ったパスタだ」
ダージリン「イタリアンでもマグロを食べるんですのね」
アンチョビ「ステーキにしたり色々な食べ方があるぞ。今日はシチリア風のオリーブとケイパーを使ったパスタだ」
ダージリン「ケイパー?ですか」
オレンジペコ「イタリア語ではカッペリにですね。ケイパーと言う花の蕾を酢漬けや塩漬けにしたものです」
アンチョビ「塩漬けのほうが塩抜きしたり面倒だが香りが良いんだ、酢漬けならそのまま使えるぞ」
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 18:52:37.31 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「あらこのパスタ穴が開いていますわね」ジイイ
アンチョビ「これはシチリア発祥のブカティーニだ。パスタの中まで味が染み込むからソースとの相性がいいんだ」
ダージリン「へ~色々な種類があるんですのね」フヨンフヨン
アンチョビ「じゃあ材料だ、今日はトマトをそのまま使うがトマトソースを使ったりもするな」
・カジキマグロ・・・・・・・2切れ
・トマト・・・・・・・・・・2個
・ケイパー・・・・・・・・・大さじ1
・にんにく・・・・・・・・・1欠
・オリーブの実・・・・・・・6個
・松の実・・・・・・・・・・大さじ1
・ブカティーニ・・・・・・・180g
434 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 18:58:49.39 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「これがオリーブですのね、黒いオリーブなんですね」
アンチョビ「黒いオリーブと言うより完熟したオリーブが黒いんだ。若いオリーブはまだ緑色なんだぞ」
ダージリン「そうでしたの、てっきり種類が違うんだと思っていましたわ」
アンチョビ「オリーブは種が入ってるから潰して種を出すんだ」プニュ
ダージリン「梅干しみたいですわ」プニュ
アンチョビ「まずはカジキを一口大に切って塩コショウをするんだ」
ダージリン「キメが細かくて美味しそうですわね」
435 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 19:02:53.48 ID:uvgf9k/I0
アンチョビ「じゃあさっきの要領でにんにくを炒めるんだ。今度は煮詰めて濃いソースにするからパスタはまだいいぞ」
ダージリン「焦げ目がついて匂いが十分出ましたわ」
アンチョビ「じゃあ、にんにくを取り出してトマトを潰して淹れる、塩を少しして煮詰めてトマトソースにするんだ」
グツグツグツ
ダージリン「こんなものですの?」
アンチョビ「じゃあカジキを入れて炒め煮にするぞ、仕上げにケイパーと松の実を入れたらソースは完成だ」
436 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 19:07:37.82 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「これも簡単ですね、美味しそうな匂いですわ」
アンチョビ「じゃあパスタを茹でたら絡めていくぞ、煮詰まりすぎていたらここで茹で汁を入れるんだ、味をみたらパスタを入れて絡める」
ダージリン「よっ!よっ!よっ!」グルグル
アンチョビ「これにもパセリを振るぞ、これで完成だ」
ダージリン「美味しそうですね、さっきのよりもトロミがあって絡まっていますのね」
アンチョビ「トマトを煮詰めたからな、酸味が飛んで甘みがいけてくるぞ」
アンチョビ「じゃあ次はピッツァだな、ペパロニが準備してくれていつはずだ」
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 19:15:00.57 ID:uvgf9k/I0
ペパロニ「姐さん生地と釜の準備出来てるっすよ」
オレンジペコ「ダージリン様、生地を作っておきました」
ダージリン「釜も石窯ですのね、大きいですわ」
アンチョビ「伝統的なナポリピッツァといえるのは釜で薪を燃料にして作るものだけだからな、うちではちゃんと釜で焼いて作るんだ」
オレンジペコ「イタリアには伝統的特産品保証という認定があってナポリピッツァ協会の規定にピザの大きさから焼き上がりの高さまで細かく指定されているんですよ」
ペパロニ「今日は家庭でもできるように材料を変えてるけどな」
438 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 19:21:12.09 ID:uvgf9k/I0
ペパロニ「これがピッツァの皮の材料だ。今日は4枚分だぜ」
オレンジペコ「ナポリではピザは一人一枚ですからね、ナイフとフォークで食べるんです」
アンチョビ「テイクアウトのピッツァには認定がおりないからな、一人まるまる一枚提供の形が基本だ」
・強力粉・・・・・250g
・薄力粉・・・・・250g
・ドライイースト・大さじ1
・ぬるま湯・・・・300cc
・砂糖・・・・・・1つまみ
・塩・・・・・・・小さじ1
・オリーブオイル・大さじ1
ペパロニ「砂糖は発酵を助けるためだな、甘くするわけじゃないから指で1つまみ入れてくれ」
439 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 19:27:13.26 ID:uvgf9k/I0
ペパロニ「まずは粉をふるいにかけておく、ボールにお湯と他の材料を入れてイーストを作っておく」
ペパロニ「後は。ふるいにかけた粉にイーストを混ぜあわせて菜箸でよく混ぜる」カチャカチャ
オレンジペコ「いきなり手でもいいですけど、手にへばりついて大変ですからね」
ペパロニ「まとまってきたら今度は手で捏ねる。打ち粉を振った台に移したら端の方から畳み込むようにこねていく」グイグイグイ
オレンジペコ「お上手ですね」
ペパロニ「次は二つ折りにしては押し出すように伸ばす。これを上手くやらないと上手く発酵しないぞ」グイグイグイ
ペパロニ「ボールに移して十字に表面に切り込みを淹れる。後は30分~1時間発酵させたら生地の完成だ」
440 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 19:32:52.64 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「これがピザ生地ですのね、つやつやのお餅みたいですね。パン生地みたいですわ」
アンチョビ「じゃあ伸ばしていくぞ、四等分にして残りは袋に入れておく。こうしておくと生地が乾かないぞ」
オレンジペコ「料理にかけては繊細なんですね」ボソッ
ダージリン「ペコ!!」
オレンジペコ「すいません」
ペパロニ「?? じゃあ伸ばせ、こうやって両手に移しながら叩いて伸ばす」パンッパンッ
ペパロニ「時々こうやって投げて遠心力で伸ばすんだ」ヒューン
ダージリン「おお、凄いですわ」
ペパロニ「へへへっ!!」ニコニコ
アンチョビ「こらペパロニ!! いきなり素人にそんなこと教えたら危ないだろ」
アンチョビ「こうやって台に乗せて指で伸ばすだけで良いからな」グイグイ
441 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 19:37:21.41 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「でもあれもやってみたいですわね」ジイイイイイ
オレンジペコ「ダメですよダージリン様、どうせ滑って落とすに決まっています」
アンチョビ「今日はマルゲリータにしよう。市販のピザソースでいいぞ」
ペパロニ「伸ばした生地にたっぷりソースを塗る。モッツァレラチーズはケチケチしな~い。バジルの葉を散らしたらオリーブオイルをまわしかける」
ダージリン「綺麗な彩りですね」
アンチョビ「イタリアの国旗を表して作られたからな。さてピッツァを焼くぞ、オーブンなら250℃くらいだ」
442 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 19:46:19.77 ID:uvgf9k/I0
ペパロニ「釜で焼いたピッツァは旨いっすよ。生地はカリッとふわっとチーズはトロトロっすよ」
アンチョビ「じゃあ全部出来たな、早速食事にしよう」
ダージリン「まずはペスカトーレですわね」パクリ
ダージリン「んん~海の味がしますわ」
オレンジペコ「美味しいですね、トマトの酸味と魚介の旨味が溶け出したスープがパスタとよく絡んでますね」
アンチョビ「そうだろ~そうだろ~、トマトを使わせたらイタリアに敵うものはいないぞ」フフン
ペパロニ「このワイン旨いっすね~」グビグビ
アンチョビ「ああペパロニ、私も楽しみにしてたんだぞ、そんなに飲むな~」
ダージリン「シーフードの香りと白ワインも合いますね」クイ
443 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 19:51:50.75 ID:uvgf9k/I0
オレンジペコ「次はカジキのパスタですね」
ダージリン「新鮮なカジキがふわっと柔らかで濃厚なトマトソースと合いますわね」パクパク
オレンジペコ「トマトとカジキってこんなに合うものなんですね」パクパク
アンチョビ「カジキはトマトソースとのステーキにしても美味しいぞ」パクパク
ペパロニ「いや~姐さんの作るパスタは最高っすね」ガツガツ
アンチョビ「こらペパロニ、そんなに独り占めするな」
ダージリン「このブカティーニでしたかしら?穴の空いたパスタにソースが良く絡まりますわね」パクパク
アンチョビ「形によって味わいが変わるだろ!!これがパスタの面白いところだな」
ペパロニ「姐さ~んピッツァも早くしないと冷めちゃいますよ」カブリ
444 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 19:56:28.20 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「ピザをナイフとフォークで食べるんですのね」カチャカチャ
アンチョビ「こうやって切って巻くと刺しやすくなるぞ」クルクル
オレンジペコ「モッツァレラがトロトロですね、見ただけで美味しそうです」
ダージリン「パリッとした皮が美味しいですわね」モグモグ
オレンジペコ「大きいですけどペロリといけちゃいますね」モグモグ
ペパロニ「いや~このチーズとサラミの組み合わせが最高っすね」モグモグ
アンチョビ「そうそうチーズとさら・・・・サラミ?? ああ、ペパロニ!お前自分だけかってにサラミを追加して焼いてるじゃないか」
ペパロニ「旨いっすよ姐さん、ワインともバッチリっす」グイ
445 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 20:18:02.85 ID:uvgf9k/I0
アンチョビ「ああ、ワインもこんなに開けて、私だってまだちょっとしか飲んでないんだぞ~」
ペパロニ「いや~旨かったスよ姐さん」ニコニコ
ダージリン「気に入ってくれてようでよかったですわ。場所はわかっているのでアッサムに頼んで、また何時でも獲ってきてあげます」クイ
アンチョビ「獲ってきて??」ハテッ?
オレンジペコ「なんでもないです」ハハハッ・・・
アンチョビ「じゃあ最後はドルチェだ、今日はパンナコッタだぞ」
446 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/07(火) 20:27:30.90 ID:uvgf9k/I0
ペパロニ「これも旨いっすね最高っすよアンチョビ姐さん」パクパク
ダージリン「生クリームのコクとフルーツの酸味が良いですわね」パク
オレンジペコ「パンナコッタは生クリームを煮たと言う意味ですからね、プリンと違ってゼラチンで固めるんですよ」
ダージリン「プリンとは違ったこの食感とコクがいいですね」
アンチョビ「どうだこれがアンツィオの実力だ!! 今度はリゾットにするか?手打ちのパスタも教えてやるぞ」
ダージリン「良いですわね!!しばらくここに住み込もうかしら」ニコニコ
オレンジペコ「ダメですよダージリン様、作ってもらってばかりでは。みほさんのために料理を覚えるのではなかったんですか?
ダージリン「そうですわね、次はみほさんに私の手料理を食べてもらいましょう」
アンチョビ「おお!!それは良いな。頑張ってくれよ、応援してるからな」ギュ
ダージリン「ええ、ありがとうアンチョビ」ギュ
449 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 21:08:27.47 ID:Fm0FZa7uO
ナイフとフォークは初めて知った
懐に余裕ができたらイタリアン食べに行こうそうしよう
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