310 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:31:26.48 ID:ALf+WMNz0
霞「…」ムッスー… モグモグ…
初雪「…」
白雪「…」
初雪「なんでムクれてる…?」
店主「ああ、いやぁ…実はな」
311 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:32:10.54 ID:ALf+WMNz0
~ピーク時間帯~
深海「おやっさん、ランチはいるよ!」
店主「あいよ!」
霞「こっちも2つ入るわ!」
店主「あいよ~!」
店主「先にこっちの野菜炒めとか持ってってくれる?」
霞「分かったわ」
グゥー…
霞「っ!」
店主「どうした?」
霞「なっなんでもないわ!野菜炒め持っていきます!」
店主「?」
312 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:33:04.71 ID:ALf+WMNz0
しばらくして
店主「はい、ランチお待ち!」
霞「ランチ…」
ググゥー…
霞「っ!!」
店主「?…なんかあった?」
霞「行きます!」
店主「??」
深海「ちょっといいかな?」
店主「?」
深海「あのね…」
313 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:33:47.02 ID:ALf+WMNz0
店主「って事があってな」
初雪「…ほぅ」
霞「何よ…悪い?」
白雪「まぁ、生活リズムが慣れてないから仕方ないんじゃないかな?」
初雪「そうそう」
白雪「焦らずゆっくり慣らしていけばいいんじゃない?」
初雪「そうそう」
霞「…ふっふん!」
初雪「ところで…」
店主「ん?」
初雪「霞の食べてるアレ…何?」
店主「あれか?あれは…ランチ用のハンバーグが残ったから、それを食パンでサンドしたモノ…かな?」
初雪「…メニューにないよ?」
店主「所謂"まかない飯"だよ」
初雪「おお!まかない飯!」キラキラ
店主「目を輝かせるようなものか?」
314 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:34:25.64 ID:ALf+WMNz0
白雪「初雪…またテレビに感化されてるわね…」
初雪「本物初めて見た!」キラキラ
霞「…食べづらい」
店主「まかないって言っても残り物をただサンドしただけだからな」
初雪「それでも簡易ハンバーガー!」キラキラ
白雪「あんま見てると霞がかわいそうだよ」
霞「もういいわ。食べ終わったから」
白雪「ごめんね」
初雪「で、どうだった!」
霞「やけに食いつくわね…私の知ってる初雪はこういうのでも関心を示さないはずなのに…」
初雪「で!」
霞「そりゃ、おいしかったわよ。鎮守府の食堂はまずかったから尚更にね」
白雪「そうなの?」
315 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:35:47.16 ID:ALf+WMNz0
霞「あんた達ね…全部の鎮守府が待遇良いって訳じゃないんだからね」
初雪「え?」
霞「私のいた所は、間宮さんはおろか鳳翔さんも居なかったから、パートのおばちゃんたちが毎日作ってくれる栄養バランスの取れた食事を食べるしかなかったの」
霞「しかも田舎ときたものだから、周りにこういう食堂もなかったしコンビニだってなかったわ」
初雪「…」
店主「どうした?初雪」
初雪「ここの鎮守府でよかった…」プルプル
白雪「泣くほど?」
白雪「備品とかはどうしてたの?」
霞「元明石の人がやってる購買があったから、そこでだいたいのモノは揃ってたわ」
初雪「やっぱりここで良かった…」プルプル
白雪「だから泣くほど!?」
316 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:36:26.53 ID:ALf+WMNz0
店主「鎮守府も色々あるんだな…」
霞「ねぇ、おじさん」
店主「ん?」
霞「ハンバーガーってこんな味なの?」
店主「え?」
初雪「え?」
霞「え?」
白雪「ああ、ひょっとして田舎だったから…」
霞「…」プルプル
店主「ああ、馬鹿にしたわけではなくて!」
白雪「そうっそうだよ!馬鹿にしたわけではなく…」
初雪「…まじかぁ」
317 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:37:31.02 ID:ALf+WMNz0
~数日後の日曜日~
店主「って事があったから、今日は二人で駅前に行ってごらん」
深海「は?」
店主「いや、だから」
深海「いやいや、霞ちゃんがハンバーガー食べたことないって話でしょ?」
店主「うん」
深海「で、今日食べに行くの?」
店主「うん」
深海「おやっさんは?」
店主「俺はこれからラーメン屋のタツの所に行ってくるよ」
深海「おやっさんだけラーメン?」
店主「いやいや、用事があるんだよ。昼飯は自分で適当に何か作って食うから」
深海「ふぅ~ん」
店主「だから頼んだぞ?」
深海「わかった。でも、霞ちゃんハンバーガーでいいのかな?」
店主「ダメだったら他の所連れてってやれ」
深海「分かったよ」
318 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:38:48.90 ID:ALf+WMNz0
駅前のハンバーガーチェーン
霞「…これが」
深海「初めて?」
霞「テレビでは何度か見たことあるわ…」
深海「じゃあ、中に入ろうか」
霞「あっちょっと!」
イラッシャイマセー
店員「店内でお召し上がりですか?」
深海「はい。えっとぉ~何にする?」
霞「まかせるわ…何頼んでいいかわからないし…」
319 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:39:51.39 ID:ALf+WMNz0
深海「じゃあ…(ハッピ○セットは怒るだろうから)ハンバーガーとポテトのМと…飲み物は何にする?」
霞「…ス…スプ○イト」
深海「じゃあそれのМで」
霞「…ってなに?」
深海「え?頼んじゃったよ?」
霞「いや、それでいいんだけど…」
深海「レモンとライムのスカッシュ…炭酸だけどいい?」
霞「…うん」ライム?
店員「ご注文は以上で…」
深海「あっあとフィレ○フィッシュのセット…ポテトのМと野菜生活のМでお願いします!」
店主「はい、かしこまりました」
320 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:40:50.11 ID:ALf+WMNz0
深海「本当に初めてなんだね」
霞「仕方ないじゃない。めったに外出許可なんて下りなかったんだし」
深海「他の鎮守府に行った時とかはどうだったの?」
霞「終わったらすぐに帰ってくるのが普通だったから」
深海「そこまで厳しいんだ」
霞「まぁ、そこも評価してたわけだけど」
深海「そうですかい」
霞「で、これがハンバーガー…写真より貧弱に…」
深海「そこは突っ込んじゃだめ!それも含めてだから」
霞「そういうもの?」
深海「そういうもん」
霞「ふーん…」パクッ
321 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:41:37.94 ID:ALf+WMNz0
深海「どう?」
霞「…」モグモグ
深海「…」パクッ
霞「意外といけるかも」
深海「…」ホッ
霞「このポテトもカリカリしてるし」
深海(揚げたてでよかったぁ~)
霞「…」
深海「どしたの?」
霞「あそこのカップルのポテトなんかかかってる?」
深海「あれじゃない?チョコの奴」
霞「面白いことするのね」
深海「ね、おやっさんは絶対やらないだろうけど」
霞「なんで?」
深海「考え方が少し古いから」
322 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:42:38.21 ID:ALf+WMNz0
~ラーメン龍~
店主「ぶぁっくしょん!」
タツ「ちょちょっと、先輩!スープまで飛ばさないでくださいよ?!」
店主「いや、あの距離までは飛ばないだろ…」
タツ「もう、風邪です?」
店主「…いや、そういう訳じゃないんだろうけど」
タツ「体調管理気を付けてくださいよ?俺たちは」
店主「体が資本!だろ?」
タツ「はい!」
323 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:43:20.74 ID:ALf+WMNz0
??「なぁなぁ、これってどこ置くんだっけ?」
タツ「あっちの棚だ」
??「おっサンキュー!」
店主「しっかし、大淀さんからは聞いてたけど今回の艦娘の一体がお前の所に来るとはな」
タツ「少しばかりはこの店にも"華"が欲しいですからね。野郎ばっかなんで」
店主「華って…なんつうか、まんま元気印の子じゃないか」
タツ「そこにも惚れました!」
??「よせやい照れるぜ」
タツ「手を止めるなよ?」
??「おう!」
324 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:43:55.45 ID:ALf+WMNz0
店主「名前は?」
タツ「こいつの事ですかい?おい、ラン。自己紹介しろ」
ラン「ん?俺かい?俺はラン。『陽向 嵐(ひざし らん)』だ。よろしくな、おっちゃん!」
店主「本当に元気な子だな」
ラン「俺はそれが売りだからな!」
タツ「じゃなきゃウチにはいらないですから!」
タツ・ラン「な?」
ホント良いコンビ。
タツ「確か先輩のとこにも元艦娘が来たんですよね?」
店主「ああ、今度紹介するよ。ただその子と比べると…まだ大人しいかな?」
ある意味元気だけど…
325 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:45:12.93 ID:ALf+WMNz0
霞「っくち!」
深海「あらら、風邪かな?」
霞「鼻がムズかゆかっただけよ。心配ないわ」
深海「いやいや、今日も寒いから油断はできないよ」
霞「それは同意だわ」
深海「あっそうだ。おやっさんに頼んで今日は鍋にしてもらおう!温まるし良いじゃない?」
霞「そうね。悪くないわ」
深海「なら、おやっさんに電話を…」
店主「鍋か?別に構わないぞ」
深海「うひゃあわ!?」ビックゥーー!!
店主「な!?」ビクッ
霞「なんちゅう驚き方してんのよ…」ハァ…
326 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:46:02.35 ID:ALf+WMNz0
深海「いっ居たの?」
店主「今来たところ」
深海「気付いてた?」
霞「ごめん、私の角度からなら…」
深海「…ハズイ」カァー…
店主「で、何鍋にするんだ?」
深海「はい!私に提案が!」
店主「切り替え早いな…で?」
深海「霞ちゃんの歓迎も兼ねて"すき焼き"にしましょう!」
327 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:46:43.39 ID:ALf+WMNz0
店主「どう?」
霞「…すき煮は食べたことあるけど鍋は…」
店主「決定!今夜はすき焼きです!」
深海「では私が買い出しに!」ビシッ
店主「いやいや、みんなで行くぞ。お前さんだけで行かせると、どんな肉を買ってくるかわからんからな」
深海「チッ!」
店主「舌打ち!?」
霞「ホント面白い人たちね」
深海「だから言ったでしょ。私たちに会えたことが良いことだって」
霞「案外言えてるわね」
328 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:47:15.98 ID:ALf+WMNz0
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
329 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:48:13.54 ID:ALf+WMNz0
ドサァッ
足柄「…」
那智「どうした?荷物を落として」
足柄「あっあれ…」プルプル
店主「…」
深海「…」
那智「ああ、店主たちじゃないか」
足柄「そっちじゃないその横の下!」
那智「なんだその横の下って…」
霞「…」
那智「あれは…件の朝潮型か…?」
足柄「ひょっとして…ロリっ子趣味!?」ヨヨヨ…
那智「いや、違うだろ。あの子はあれだろ…最近噂になっている『街角や』の新しい従業員だろ」
足柄「噂?新しい従業員?」
那智「帰ったら青葉に聞け」
足柄「そうするわ!」
那智「惚れた男の情報ぐらい把握しておけよ…全く」ボソッ
足柄「なんか言った?」
那智「いや…なんでも」フッ
330 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:52:35.92 ID:ALf+WMNz0
今回はここまで。
新キャラどんどん増えますよ!
ゆえにプロフィール更新
①:店舗名
②:業種
③:従業員(容姿や性格・その他)
④:常連の艦娘(常連:高い頻度で来る 準常連:低い頻度で来る常連)
⑤:看板メニュー
①ラーメン龍
②中華料理屋
③ 龍浪 龍二
中華料理屋「ラーメン龍」を経営する主人。
体育会系のノリの熱血漢。いつもお客様へ対する情熱は忘れない男。
街角やの店主「梅村」とは大学時代の先輩後輩の関係である。
愛称は「タツ」。
ちなみに店の名前「ラーメン龍」は主人であるタツが、野球のチーム「中○ドラゴンズ」のファンであることからつけられた。
意外に自分の名前からではない。
だから店中にそのグッズが…
陽向 嵐
元艦娘の少女。
解体理由は不明だが、最近発見されたばかりの艦娘ゆえに解体する際、彼女の提督は自殺を懇願してしまうほど悔しがったという。
性格はザ・ポジティブ。
解体処分が決まった時は悔しがったが、いざ終わってみるとあっけらかんとしていた。何故なら相方も…
熱血漢のタツとは相性がいいのかファーストコンタクトの時点で意気投合した。
最近、自分の名前と同じアイドルグループが居ると知ってからは、彼らの出る番組は録画してチェックするのが日課となっている。
④ 常連:正規空母組
準常連:伊勢姉妹・長門姉妹 秋雲
331 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/01/30(土) 02:55:42.86 ID:ALf+WMNz0
⑤の看板メニューが抜けてた…
⑤全メニューの空母盛り
332 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/01/30(土) 03:36:16.58 ID:xyB9JG9Ho
足柄さん。せめて「隠し子!?」とかの方向で驚いてください
>霞「で、これがハンバーガー…写真より貧弱に…」
禁句ぅ!
333 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/01/30(土) 03:42:58.86 ID:DAgcZwcdo
乙
最近近所のマ○ドが立て続けに無くなってきてちと不便だわ
ポテトは上手いしなんだかんだ言って安く食べられるしなぁ
334 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/01/30(土) 03:55:37.47 ID:WZIeG4nEO
乙
街角やのポテトは細長いマックタイプなのか、それとも太くて♂大きい♂ケンタタイプなのか
336 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/01/30(土) 07:53:55.73 ID:iH0VfKTz0
マックの芋は冷めるとクソみたくマズくなるから嫌い、ウチまでそこそこ距離あって基本テイクアウトは冷めるからモスとかのが美味くていいわ、と言うわけでおやっさん餃子定食一つ。
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/01/30(土) 14:08:32.46 ID:h51DjBYpO
ポテトしなしなにふやけたのが好み
食堂の飯は、なぁ……
345 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/01/30(土) 16:02:57.29 ID:Ie6YQnuZ0
正規空母ご用達のラーメン屋か。。。もしかしてラーメン二郎で修行したのか?
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/01/30(土) 16:07:32.20 ID:7IvltplRO
王道を往ってた筈のマ○クスターはいずこへ・・・
367 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:20:32.35 ID:JNzruXVm0
新しい従業員が増えてから早一か月が過ぎようとしている。
最初はどうなるかと思ったが、あの一件が早々に起こったっていうのが功を奏したのかもしれない。
おかげで今では…
霞「ほら、そこまだゴミが落ちてるわよ!」
深海「ひぃ~!」
立派な鬼軍曹と化している…
と言うか、あなたの方が先輩なのに何してるんだよ…かおるさんや。
霞「今までこんなずさんな掃除をしていたわけ!?信じられない!」
深海「ごめんなさぁ~い!!」
店主「…」
まぁ、いい方向に転んでくれればそれでいいんだけどねぇ…
霞「!」ギロッ
店主「え?」
霞「手が止まってる!さっさと手を動かす!開店何時だと思ってるの!」
店主「ごっごめんなさぁ~い!!」
これ目当てに来るお客さんって一体どんな気持ちなんだ?
368 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:21:08.83 ID:JNzruXVm0
~アイドルタイム~
店主「ありゃ!?」
いっけねぇ…すっかり忘れてた!
北上「どうしたの?」
店主「明日のランチの材料が少し足りなくて…」
他は揃ってるんだけどなぁ…
そうだ!
店主「霞ちゃん!」
霞「? 何?」ヒョコ
店主「買い物行って来てくれるかな?お使い」
霞「お使い?」
北上「おっ、ひょっとして噂の?」
霞「噂?」
大井「街角やに新しい従業員さんが増えたって話が私たちの所で広まっててね」
霞「…へぇ」
369 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:21:38.19 ID:JNzruXVm0
北上「初めましてだね。あたし北上」
大井「私は大井よ」
霞「初めまして…美潮 霞です」
北上「ほほう、あんたは美潮って苗字なんだね…おじさんがつけたの?」
店主「俺じゃなくてかおるちゃんだよ」
北上「へぇ~、やるじゃん」
霞「で、お使いって何買ってくればいいの?」
店主「ああ、悪い。コンソメを…顆粒タイプの奴を買ってきてくれる?」
霞「分かったわ」
店主「場所は…」
霞「前にかおると一緒に行ったことあるから大丈夫よ」
店主「なら任せた」
霞「行ってきます」
北上「いてらー」
ガララッ ピシャンッ
370 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:22:18.50 ID:JNzruXVm0
大井「で、あの子どうなんですか?」
店主「どうって?」
北上「噂じゃ、元居た鎮守府でえらい目に遭ったらしいじゃん?」
店主「まぁ…な」
やっぱ噂って広まるのね。
店主「まぁ、あの子なりには苦しんだからな。今はひと山越えたって感じかな…」
店主「ああ、そういや演習で来たんだろ?例の鎮守府から」
大井「それなんですが…」
北上「直前になってメンバー変えてきてさぁ。例の金剛4姉妹来なかったんだよねぇ…」
店主「なに?」
大井「なんでも急な任務が入ったらしくって…」
北上「おかげで相手は駆逐艦オンリー。しかも練度もすべて低レベルと来たもんだ」
店主「なんだそれ?」
大井「改装すら受けていなかったので…正直、気分が悪かったです」
北上「そうじゃないんだよ…一方的にやるって言ってもさぁ…」ハァ
371 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:22:52.21 ID:JNzruXVm0
大井「足柄さんがかなり荒れてましたからね」
店主「足柄さん?」
北上「軍艦時代は同じ部隊だったことがあるからね。その噂聞いた時にかなりやる気出してたんだよ」
大井「自分から志願してましたからね」
北上「そうそう」
大井「でも来ませんでした」
北上「だから…すんっっっっっごい怒ってたよパイセン」
店主「だろうな…」
本当に任務があったか怪しいな…
まぁ、なんにせよこの事はあの子に言わない方がいいな。
北上「ところでさぁ」
店主「?」
北上「コンソメ買ってきて何作るの?」
店主「ああ、明日のランチにね」
北上「なになに美味しいもの?」
大井「北上さん、流石に不味いものは…」
店主「まぁな」
そんなことしたら飲食点としては致命的だな…
372 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:23:21.37 ID:JNzruXVm0
店主「まぁ、明日のランチタイムに来たら答えは自然にわかるな」
北上「何だよぉ~勿体ぶるなぁ…きったねぇぞぉ~!」
店主「いやいや、商売!」
北上「きたない商売?」ンン?
大井「流石にその弄り方は可哀想かと…」
店主「…」
ほれみ。あの大井ちゃんまで気を使ってるじゃねぇか…
大井「今心の中で"あの"って付けませんでした?」ニッコリ
店主「そんなわけがない…」
お願いだから心を読まないで!
北上「まぁ、明日ここに来た誰かに聞けばいいか」
大井「そんなに気になりますか?」
北上「好物だったらショックじゃん?」
店主「その言い回しだと来れなさそうだな」
北上「まぁね。モテる女はつらい!…ってね」ウィンク
大井「キャーーーーーーー!!」
店主「っ!」ビクッ
大井「今のウインクはどんな相手でも心を打ち抜かれてしまいます!流石は北上さん!」
大井「でももうやっちゃダメです!」ガシッ
北上「え?大井っち?」
大井「いいですね?」フンッフンッ
北上「大井っち…鼻息荒い。女の子がそれしちゃだめだよ?ね?」
店主「やれやれ…」
やっぱブレないなぁ…
373 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:24:36.57 ID:JNzruXVm0
ガララッ
霞「ただいまー」
店主「おう、おかえり。ごめんな使っちまって」
霞「私はここの従業員なんだから気にすることなんてないわよ。これでよかった?」ガサガサッ
店主「そうそうそれそれ!ありがとう。お釣りはそのまま上げるよ」
霞「小遣い?」
店主「そんなもんだ」ヨシッ
霞「…」
店主「? どうした?」
霞「何作ってるの?キャベツなんて取り出して」
店主「明日のランチの下ごしらえさ」
霞「昼過ぎにキャベツが大量に来たから何事かと思えば…」
店主「ロールキャベツにしようかと思ってさ」
霞「へぇ」
深海「嫌い?」
霞「わぁっ!?」ビクゥ
深海「あっごめん」
霞「急に後ろから話しかけないでよ!」
深海「ごめんごめん」テヘヘ
374 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:25:05.69 ID:JNzruXVm0
霞「もう、グースカ昼寝してたくせに再起動するの早いんだから…」
深海「実は高血圧!」
霞「それ笑えないわよ。病気か何かじゃない?」
深海「ひどい!冗談で言ったのに!」ガンッ
店主「ほら、早く支度してきな。もうすぐ夜の時間だ」
霞「はーい」
深海「で、ロールキャベツはお嫌い?」
霞「そんなわけないじゃない。私に苦手なものなんてないわ」
深海「言ったね?」フフン
霞「何よ…」
店主「…」
なんつうか。
霞ちゃんが増えてからかおるちゃんが明るくなった気がする。
いや、元々明るい子なんだけど…
従業員が増えたから?
いや、どっちかと言うと姉妹が増えたから…って方が納得いくかな?
なんにせよ、良いことだ。
店主「おっと、仕込み仕込み」
375 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:25:36.98 ID:JNzruXVm0
~翌日 ランチタイム~
ガヤガヤ…
ガララッ
霞「いらっしゃいませ!」
客「一人なんだけど…」
霞「一人…」
深海「あっここ空けるから!…いいよ!」
霞「奥どうぞ」
深海「お水は私が持ってくわ」
霞「よろしく」
店主「ふむ」
なかなか様になったじゃないか。
基本その人間の本質を見抜くには3か月は必要なんて言うけど…元海軍所属は伊達じゃない。
こういう職っていうのはチームワークが大事だから以外に合ってるのかもな。
まぁ、俺が一番心配してるのはかおるちゃんの方で、元々ここで働いていても他の人とホールを担当するって事が無かった。
だから、霞ちゃんの事をうまくフォロー出来るか心配だったけど…
376 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:26:14.82 ID:JNzruXVm0
深海「あ、これあそこのテーブルに」
霞「わかったわ」
スミマセーン!
深海「はーい!そのまま注文取ってきて!」
霞「はーい!」
かおるちゃんも指示出せてるし、霞ちゃんも逆らわずに聞いて行動している。問題なしだ!
深海「注文溜まってるから急いで!」
店主「…はい」
俺が大問題だった。
呑気に二人の成長を満喫してる暇なかった。
っていうか、今日はお客さんの入りが良いな。
外の気温が低くて、温かいものを求めているのかもしれない。
そうなると今日のランチのチョイスは正解だな。
ガララッ
深海「いらっしゃいませ!」
ほらまただ。大繁盛。昼だけでどれだけ売り上げが伸びるか楽しみだ。
377 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:27:02.77 ID:JNzruXVm0
昼の喧騒も少し落ち着いた頃合い。
所謂ピークが過ぎたってころだ。
霞「…」フゥ
深海「ありがとうございましたー!」
深海「ふぅ」
みんなてんでに一息つける時間帯だ。
でも、まだお客さんの波は収まらない。
たまにここからもう一波来るってこともあるから油断はできないな。
深海「はい、今の売り上げ」
店主「ありがと」
よしよし。上出来じゃないか。
個人経営だと少しばかり売り上げが良いだけでも嬉しい。
ガララッ
深海「いらっしゃいませー!」
まだまだ稼げるかな?
378 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:27:40.46 ID:JNzruXVm0
霞「いらっしゃ…あ…」
店主「ん?」
霞ちゃんのテンションが少し下がったような…
時雨「こんにちは、ご主人」
夕立「久しぶりに来たっぽい!」
店主「ああ、いらっしゃい」
時雨たちか。
時雨ちゃんはクリスマスの時に来たけど…夕立ちゃんの方は久々だな。
夕立「あけましておめでとうっぽい?」
店主「いやぁ、もう2月だし言わなくていいんじゃないかな?」
夕立「そうなの?」
たしかに年越えで初めての挨拶だけど…
時雨「夕立、ご主人困ってるから…」
夕立「え?困らせちゃった?!」
店主「そんなことはないけど…久しぶりだね」
夕立「っうん!」
379 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:28:24.50 ID:JNzruXVm0
霞「…」
店主「? どうした霞ちゃん」
霞「え?…あっいや…」
深海「お水私が持ってくわ」
霞「うん…よろしく…」
急にどうしたんだ?
深海「決まったら呼んでね」
時雨「うん」
夕立「夕立はねぇ~…」
店主「霞ちゃんの様子が…」ヒソヒソ
深海「忘れたの?あの子が解体されることになった理由」ヒソヒソ
店主「金剛姉妹にはめられた?」ヒソヒソ
深海「そこまでの経緯!」ヒソヒソ
店主「…ああ!」
深海「もぉ、盗み聞きまでしてて忘れるとか…」ヒソヒソ
忘れてた。時雨ちゃんと一緒の子が加担してたんだっけ…
まぁ、違うって分かってても色々思うことはあるだろうなぁ…
しかし、盗み聞きって…心配してたから聞き耳立てただけなのに…
いや、それが盗み聞きなのか?
380 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:29:16.96 ID:JNzruXVm0
店主「霞ちゃん」
霞「なに?」
店主「休憩行くかい?」
霞「…」
店主「やっぱり…」
霞「大丈夫よ」
店主「本当に?」
霞「大丈夫…かおる」
深海「?」
霞「次は私が行くわ」
店主「!」
ええ!?
店主「でも霞ちゃん」
霞「いつまでも引き摺ってても仕方ないし。それにここの時雨は関係ない」
霞「あっちの時雨だってあの4人に脅されただけだし…」
店主「…」
この子は強いなぁ…
381 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:29:46.13 ID:JNzruXVm0
深海「よし!その意気だ行って来い!」ドンッ
霞「痛いっ!」
店主「…」
…やりすぎ。
夕立「決まったっぽ~い!」
深海「はーい!」
霞「お伺います」
さぁ、どうなるかなぁ…
深海「大丈夫かな?」
店主「え?」
今背中押して励ましたばかりじゃん!?
382 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:30:28.69 ID:JNzruXVm0
時雨「あれ?君は…」
夕立「初めてのお顔…?」
霞「さっ最近入った美潮 霞です。よろしく」
夕立「…もしかして噂になってる?」
時雨「朝潮型の…」
霞「元…だけど」
時雨「元…か」
時雨「君は今の生活が不満かい?」
霞「え?そんなことないわ。あの二人には良くして貰ってるし、この仕事も慣れてきて苦じゃないし…」
霞「何より、いろんな人と話せて楽しいし…」
時雨「なら、いいじゃないか。もう元とか、朝潮型とか、そんなの気にしないで生きていけばいい」
時雨「今の君は『美潮 霞』。それ以上でもそれ以下でもない。正真正銘の『美潮 霞』なんだからさ」
霞「…そうね」カァァァ
夕立「照れてるの?」
霞「そんなことない!」
時雨「にしても素敵な名前だね」
霞「うっうるさいな。早く注文してよね!」
383 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:32:19.80 ID:JNzruXVm0
時雨「ごめんごめん。こうやって歳の近い店員さんと巡り合うのが初めてだったから…ついね」
夕立「悪趣味?」
時雨「え?」
霞「姉妹に言われるって…」
時雨「え?」
夕立「とにかく、夕立お腹空いた!ランチ二つ!」
夕立「で、いいよね!」
時雨「うん」
霞「おじさん、ランチ二つね!」
店主「あいよ」
時雨「まだ僕と同じ子の事恨んでる?」
霞「なんで?」
時雨「だって…」
霞「ふふっ、全く恨んでないわ。やったのはあの4姉妹だし。あの子は利用されただけだもの」
時雨「ありがとう」
霞「なんでアンタが言うのよ」
時雨「代わりにね」フフッ
霞「なにそれ」ハハッ
384 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:32:52.23 ID:JNzruXVm0
深海「ランチ二つ入ったよ」
店主「おう、分かってるって」
和解したようで何より…いや、和解じゃおかしいのか?あの時雨ちゃんじゃないんだし…
まぁ、いい関係になったのはいいことだ。あの子たちは常連だし、この関係を保ってくれれば、こっちとしては言うことは無い。
さて、今日のランチは「ロールキャベツ」をメインに添えたセットだ。
ロールキャベツと聞いてまず思い浮かべるのは何といっても具材を巻いているキャベツではないだろうか。
一旦茹でて柔らかくしたキャベツに具材を巻き付け、スープで煮込む。
一手間どころか正直面倒な料理だ。
だが出来たものは恐ろしくおいしいという、手間をかけた分価値のあるものだ。
元々トルコ料理の「ドルマ」って料理が起源で、あっちではブドウの葉を巻いて煮込むらしい。
ブドウの葉って食えるのか…それは知らなんだ。
それが今じゃ、ブドウの葉がキャベツに変わって、日本の洋食界の定番の一つになってるんだ。巡り合わせとはなかなか面白いもんだよ。
まぁ、正直美味しければブドウの葉だろうが何だろうが関係ない。
そういうのを売るのが俺たちの商売だ!
ウチで作るロールキャベツは一般の家庭とほぼ変わらないもの。
茹でたキャベツに、合いびき肉の具材を巻き付け、スープで煮込む。
ただこのスープをどうするか正直悩む所だ。
ベターなトマトでもいいし、シンプルにコンソメでもいい。
もっと言ってしまえば和風だしでもいけるのがこの料理の特徴。
もっともっと言ってしまえばシチューのようにクリーム仕立てやデミグラス…
いやいや、そうなってくるとキリがないのでやめにしよう。
今日はコンソメだ。せっかく霞ちゃんが買ってきたんだからね…
え?昨日の時点で悩んでないんじゃないかって?もう決まってたんじゃないかって?
…。
さて、ロールキャベツだけっていうのもいいが、ここでもう一品追加するのも味的にも見た目にもサービス的にも良いと思ったのでソーセージを追加!
それに毎度おなじみの「ベーカリーこむぎや」のパンとサラダを付けて完成!
冬にはもってこいのあったかメニューだ。
店主「ランチあがったよ!」
霞「はーい。持ってくわ」
385 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:33:39.52 ID:JNzruXVm0
霞「お待たせしました。ランチのロールキャベツとパンとサラダです」
夕立「待ってました!お腹ぺこぺこー!」
時雨「はしたないよ夕立」
夕立「だってぇー…」
霞「それぐらい気にせず食べさせたら?そこまで気の使うレストランじゃないんだから」
時雨「そうもいかないよ。少しはお行儀よくさせなきゃみんなに笑われちゃうよ」
霞「そうかしら?」
時雨「そうだよ」
霞「なら注意しなくていいの?もう食べてるわよ」
時雨「え?」
夕立「ぽいぽいぽーい!」モグモグ
時雨「ええ!?夕立!」
霞「出してるこっちとしてはそれぐらいの食いっぷりの方が見てて気持ちいのよ」
時雨「そんなものかなぁ?」
霞「そんなもの。ね、おじさん」
店主「え?ああ、そうだな」
急に振ってくるとは…やるなぁ霞ちゃん。
386 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:34:36.28 ID:JNzruXVm0
ただ、この子の言ってることは間違いない。
何も気にせず、自分の食いたいままに食ってもらう。
そして、片付けるときに空っぽになった食器を見た時のやり切った感はすごいからね。
時雨「ロールキャベツなんて久しぶりだな…」
夕立「早く食べなよ時雨!おいしいよ!」バクバクッ
時雨「なんだろう…食べる前から美味しいってわかるのはなぜだろう…」
夕立「それはこの料理がおいしいからだよ!」
時雨「答えになってないよ…夕立」
スッ
時雨「おっこのキャベツ柔らかいね!」
霞「おじさんが前日から仕込んでるんだもの」
時雨「へぇ~…」パクッ
時雨「あっおいしい」
夕立「でしょ!」
387 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:35:23.04 ID:JNzruXVm0
時雨「うん。夕立が一心不乱に食べるのも頷けるよ」ズズッ
時雨「スープの味付けもしっかりしているね。こう寒いとこういう温かいものが進む」
霞「でも、明日から暖かくなるって天気予報で言ってたわよ」
時雨「それでもおいしいよこのロールキャベツ。夏でも食べたいかも」
夕立「うん!これなら毎日食べたい!」
時雨「それは飽きるかな」
霞「だよね」
夕立「夕立は毎日食べたいの!」プクー
時雨「ははっごめんごめん」
霞「…」
時雨「どうしたの?」
霞「なんだか馬鹿みたいに思えて」
時雨「?」
霞「艦娘から人間に代わって、少し荒れたのが…世界にはもっと面白い事が楽しい事があるって思えてきて…」
時雨「だから言ったじゃないか」
時雨「君は"美潮 霞"だって」
霞「くすっ…そうだったわね」
388 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:36:33.57 ID:JNzruXVm0
夕立「おかわり!」
時雨「ええ!?これから長距離遠征があるのにかい!?」
夕立「腹が減っては戦は出来ぬ…っぽい!」
霞「待ってて。おじさん」
店主「パンのおかわりは?」
夕立「サラダも!お願いします!」
時雨「知らないよ?」
夕立「これは夕立の問題っぽい。だから時雨が心配する必要なし!」
時雨「いやいや、最後に降りかかってくるのは僕たち…」
夕立「おいしいものお腹いっぱい食べて負ける戦なんてないよ。時雨」
時雨「もう…腹八分目っていうんだけどなぁ」
霞「はい。おまちどう」
夕立「霞、ありがとう!」
389 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:37:05.22 ID:JNzruXVm0
時雨「あ、そうだ」
霞「?」
時雨「××鎮守府との再演習が決まったんだよ」
霞「え?」
時雨「あれ?聞いてない?」
霞「どういうこと?」
時雨「前にやるって言ってたのは?」
霞「知ってるわ。次の日飲みに来た隼鷹さんたちから聞いたもの」
時雨「それが当日になって主力メンバーが来れないってなって…駆逐艦のメンバーだけが来たんだ」
霞「…」
時雨「でも、それはルール違反だ!って僕たちの提督が怒ってね」
霞「え?」
時雨「××鎮守府への抗議はもちろん、大本営にも連絡してね」
夕立「それで再演習が決まったっぽい」
霞「そう…なんだ」
時雨「でね、秘書艦の叢雲からの伝言なんだけど」
霞「?」
時雨「良かったらその演習見に来ないかって」
霞「え?」
390 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:37:46.35 ID:JNzruXVm0
夕立「ウチの鎮守府でも××鎮守府の話が広がっていてね、少しギャフンと言わせたいって言ってるの」
時雨「答えはすぐじゃなくて良いよ。まだ日程も決まってないから」
夕立「いつかまた大淀さんが来ると思うからその時に伝えてね」
店主「大淀さんは何しに?」
時雨「霞の様子見だよ。他の子たちも見に行くって言ってたから規則何だろうね」
店主「へぇ」
まぁ、問題起こしたら鎮守府の名に傷がつくからだろうな。
霞「じゃあ、その時までに考えておくわ」
時雨「うん。強制ではないからね」
霞「…うん」
複雑な心境だろうな。
時雨「あ、悪いけどご主人たちは連れていけないよ。機密事項もあるから」
夕立「ごめんねー」
店主「いや、いいよ。俺たちが首突っ込むわけにもいかないから」
深海「うん」
これは霞ちゃん本人の問題だからな。
391 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:39:40.93 ID:JNzruXVm0
夕立「ごちそうさまっぽい!」
時雨「本当に食べちゃった…二人前」
夕立「おいしいものは別腹!これで長距離遠征頑張れるぞー!」
夕立「おー!!」
時雨「本当に夕立は元気だね…」
店主「それ抜いたら何が残るのかね?」
深海「さぁ?」
夕立「えいえい…おーーー!!」
ガララッ
時雨「ごちそうさま」
夕立「また来るっぽい~♪」
店主「ありがとうございましたー」
夕立ちゃんってあんなに元気のいい子だったかな?
392 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:40:31.89 ID:JNzruXVm0
霞「…おじさん」
店主「ん?」
霞「さっきの話…」
店主「さっき?…演習の話かい?」
霞「…」コクリッ
霞「…もしその日が来たら、休み…」
店主「いいぞ。行っておいで」
霞「え?」
店主「複雑だとは思うけど…その目でしっかり見てきな」
霞「…ありがとう」
店主「さっ、一通り片づけたら休憩行ってきな」
霞「うん!」
さぁ、俺はまだ一働きだ。
霞ちゃんは金剛4姉妹を…
俺は…
393 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:41:01.35 ID:JNzruXVm0
ガララッ!
深雪「いっちばぁ~ん!」
吹雪「もう、走っていかないでよ!」
白雪「白露ちゃんに怒られるよ…それ」
初雪「…」ゼェーゼェー
吹雪「初雪!?」
初雪「も…だ…」ゼェーゼェー
深雪「だっらしねぇーの」
初雪「むかっ!」カチンッ
今からこの4姉妹を相手に…
深雪「あだだだだだだ!」
初雪「馬鹿ぁ!!」ギューーーッ!
店主「って、いきなり騒がしいなっ!」
394 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:41:29.23 ID:JNzruXVm0
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
温かいメニューも揃えております。
395 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/10(水) 02:42:02.32 ID:JNzruXVm0
初雪「~~~!!」ギューーーッ!
深雪「あでででででっ!!」
白雪「ちょっ初雪!」
吹雪「深雪も謝って!」
店主「…」
比べるのは霞ちゃんに失礼だな!
霞「うるさーーーい!!」
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/10(水) 10:11:12.08 ID:VtctmDOSO
乙です
ロールキャベツの起源がトルコ料理ってのは初めて知ったな
472 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:15:25.69 ID:qXCAKCuY0
深雪「…」
吹雪「…」
本日諸事情により臨時休業といたします
吹雪「今日、平日だよね?」
深雪「ああ」
吹雪「珍しいね」
深雪「…」フラッ
吹雪「深雪?」
深雪「…」スタスタ
吹雪「ちょっ深雪?!」
吹雪「どこいくの?」
473 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:16:24.47 ID:qXCAKCuY0
深雪「今日は平日。普段なら休みではない」
吹雪「そうだね。張り紙に諸事情って書いてあるから、きっと何か用事なのかも…」
深雪「…」ピタッ
吹雪「深雪?…ここって街角やの裏にあるお家…」
深雪「おっちゃんのウチだ!」
吹雪「ええ!?そうなの!?」
ピン…ポーン
吹雪「ちょっなんで押して…」
深雪「そこですかさずダッシュ!」
吹雪「それはダメ」ギュッ
深雪「ぐぅええええええええええ!!」グイーーー
吹雪「もう、そんなことどこで覚えたの?」
深雪「…漫画」
吹雪「帰ったらその漫画貸して」
深雪「おっ読むのか?面白いぜ」
吹雪「私が預かります」
深雪「なんで!?」ガーン!
474 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:17:06.62 ID:qXCAKCuY0
霞「人んちの前で何コント繰り広げてるのよ…」
深雪「おお、霞!」
霞「またアンタ達なの?」
吹雪「ごめんね…」
霞「どうせこの馬鹿が勝手に暴走しただけでしょ?」
深雪「馬鹿ってなんだよ」ピクッ
霞「ピンポンダッシュしようとしてたじゃない」
深雪「むー…」
吹雪「そんな顔するならやらなきゃいいのに…」
霞「で、どうしたの?」
吹雪「ああ、お店に来たら張り紙が貼ってあったから…どうしたのかなって…」
霞「それの事ね」
深雪「おっちゃん風邪?」
霞「違うわ」
吹雪「違うの?」
475 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:18:07.79 ID:qXCAKCuY0
霞「おじさんなら…」
深海「講習会だよ」
深雪「深海姉さん」
深海「いらっしゃい」
吹雪「講習会って?」
霞「食品衛生責任者…だったっけ?」
深海「そうそう。それの再講習で今日はお休み」
吹雪「へぇ~」
深雪「大変だなぁ…そういうのって丸一日なんだろ?」
深海「んーん」
深雪「え?」
霞「2時間よ」
吹雪「たった!?」
深海「昼の2時から4時までなの」
476 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:18:49.95 ID:qXCAKCuY0
深雪「昼は無理だろうけど…夕方出来るじゃん!」
霞「私たちも言ったんだけど…」
店主『もうこの歳になって勉強とかだるいのに…そのあと仕事とかムリ!』
深海「って我儘言っちゃって」アハハ…
深雪「マジで我儘だな!」
吹雪「その辺が個人経営として楽な所なのかな?」アハハ…
深雪「まぁ、でも気持ちわからない訳でもない…」
深雪「私たちだって座学やった後に訓練ってだるいしな」
吹雪「それが私たちの仕事でしょ!」
霞「だからいつまでたっても半人前なのよ…」ハァ、アタマイタイ
477 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:19:27.26 ID:qXCAKCuY0
深海「玄関先で話すのもなんだからあがってく?」
霞「お茶ぐらいなら出すわよ…あと、簡単な甘味ぐらいなら」
深雪「あれ?でもおっちゃん居ないじゃん」
深海「今、霞ちゃんに教えてるのよ」
深雪「マジで!?」
霞「なによ?」
吹雪「ううん、素敵な事だと思うよ!」
霞「おっおだてても安くはしないわよ!」
深雪「金取るの!?」
霞「あんた達次第よ」フフン
478 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:20:12.21 ID:qXCAKCuY0
店主「あーちくしょう…だりぃ…」
この歳で勉強会っていうのも体に堪えるな…
でも、これ受けないと後が面倒だし…
まぁ、別に受講中寝ても問題ないんだろうけど…対して注意とかされなさそうだし。
と言って寝れる空気じゃないんだよなぁ…変にギスギスと言うか張りつめてるっていうか…
店主「…はぁ」
お客さんには悪いけど、今日はゆっくり…
店主「うん?」
??「…」
店の前に誰かいる?
??「お!」
あれ?あの顔…
店主「ああ、ラン君じゃないか」
タツん家で預かってた子だ。思い出した。
479 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:21:10.18 ID:qXCAKCuY0
店主「どうしたよ?こんな所で」
ラン「いやぁ、タツにいがこれお裾分けって」
店主「お裾分け?」
ラン「ああ、ハギの奴が持ってきたんだよ」
ハギ?
ラン「ああ、ハギってのは俺の兄弟であり、無二の親友でもある奴の名前だ」
兄弟で親友?変な言い回しだな。
店主「そのハギって子も艦娘かい?」
ラン「元な」
やっぱか。
店主「って、その袋…うさぎ屋のじゃないか」
ラン「だってハギの奴、そこに居るし」
マジか…
480 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:21:42.54 ID:qXCAKCuY0
店主「権蔵さんも預かったのか…」
ラン「華が増えたって喜んでたな」
店主「何はともあれ、わざわざありがとう」
ラン「どういたしまして」
店主「なんなら寄ってくかい?」
ラン「いいのか?」
店主「ああ、あいにく店は閉めてるが茶ぐらいなら…ちょうどお菓子も手元にあるしな」
ラン「おお!ウチにもあるけど、うさぎ屋のお菓子はいくつ食べても良いからな!上がらせてもらうぜ!」
店主「あと前に言ってたうちに居る子も紹介したいしね」
いい友達になってくれれば良いが。
481 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:22:34.51 ID:qXCAKCuY0
店主「ただいまー」
ラン「お邪魔しまーす!」
ん?靴が多いな…
それにやけに騒がしい…誰か来てる?
深海「おかえり」
店主「おう。誰か来てるの?」
深海「うん。吹雪ちゃんたちが」
店主「え?吹雪たちが?」
深海「店の張り紙見て裏に来ちゃったの」
店主「家の位置が良く分かったな…」
深海「そこは深雪ちゃんの嗅覚?」
その表現がピッタリかもな…
深海「で、その子は?」
店主「ああ、タツん所の…」
ラン「陽向 嵐…です。よろしく…」
深海「私は深海 かおる。よろしくね」
482 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:23:26.89 ID:qXCAKCuY0
店主「…やけにしおらしいじゃないか」
ラン「初対面でぐいぐい行くもんじゃないだろ?」
店主「…俺の時は来てたぞ?」
ラン「…あれ?」
まぁ、この子にもペースがあるんだろ。
店主「玄関で立ち話もなんだ。上がりな」
ラン「お邪魔します」
483 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:24:09.76 ID:qXCAKCuY0
深雪「おっちゃんおかえり~」
吹雪「おかえりなさい」
店主「二人ともいらっしゃい」
吹雪「ごめんなさい。上がっちゃって…」
店主「別に構わないよ。見られて困るものなんて一切ないしね」
深雪「自室でもぉ?」ニタニタ
店主「そこまで行ったらプライバシーの侵害だ」
店主「っておや…二人とも何か食べたの?」
吹雪「はい。霞ちゃんが練習ついでにって…」
店主「霞ちゃんが?」
霞「…まぁ、練習ついでにだから。それ以上の意味なんてないわよ」
店主「なるほど」
484 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:25:05.71 ID:qXCAKCuY0
霞「それより、その子誰よ?」
ラン「俺は…って、ああ!」
霞「何よ…ってアンタ、あの時の!」
深雪「何々知り合い?」
霞「知り合いと言うか…」
ラン「まぁ、何というか…」
吹雪「?」
霞「同じ解体組なのよ。コイツと私は」
ラン「なんだお前。ここに来てたのか…てっきり最初の印象最悪だったから他に回されたと思ったぞ…」
霞「わっ悪かったわね…今思えばあれはまずかったわよ…反省してるし」
吹雪「まぁまぁ、今はこうして店長さんたちとうまく行ってるわけだし。結果がすべてじゃない?」
霞「一理あるわね」
ラン「そういう所じゃねぇの?」ボソッ
霞「なぁにぃか?」
ラン「いんやべっつにぃ~」
485 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:26:01.78 ID:qXCAKCuY0
ラン「まぁ、似た者同士うまくやって行こうぜ」
霞「性格は違うけど…でも、同じ立場の人間が居るっていうのは心強いわ」
ラン「だろ?俺の兄弟も別の店に居るから紹介するぜ」
霞「ハギって呼んでたあの子?」
ラン「そうそう」
深雪「ハギ?」
吹雪「そんな言葉のついた艦娘いたかな?」
深雪「なぁ、えっとぉ…」
ラン「俺か?陽向 嵐。よろしくな深雪」
深雪「おっおう…良く私の名前が分かったな?」
ラン「同じ型のが居たからな。ちなみに吹雪も居たぞ」
吹雪「私そこら中に居るような気が…」
深雪「へぇ…じゃなかった。ランって元の名前って何だったんだ?」
486 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:26:27.36 ID:qXCAKCuY0
ラン「俺か?俺は陽炎型 16番艦の嵐だ」
吹雪「陽炎型…」
深雪「16番艦…」
吹雪・深雪「嵐…」
吹雪「…」
深雪「…」
吹雪・深雪「…うん?」
吹雪「陽炎型!?」
深雪「16番艦!?」
吹雪・深雪「嵐!?」
487 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:27:33.88 ID:qXCAKCuY0
霞「…ってちょっと、それって最近見つかったばかりの艦娘じゃ…」
ラン「ああ、そうだったな」
吹雪「そんなシレッと過去形で…」
深雪「いやいやいやいや、そんな見つかったばかりのレアな奴がなんでもう解体に!?」
ラン「まぁ、あれは俺のミスだったな…つい格好つけて飛び出しちまって…敵の集中砲火を浴びちまったのさ」
吹雪「えぇ…」
ラン「しかもそん時に相棒まで巻き込んじまってさ。いやぁ~参った参ったって」ハハハハッ
吹雪「もしかしてさっき言ってたハギさんって…」
ラン「おう、ハギは元萩風だ」
吹雪・深雪「やっぱりぃ!?」
深雪「そういや、青葉先輩が言ってた…どこかの鎮守府の司令官が自殺騒ぎを起こしたっていうのは…」
ラン「多分うちの話じゃないか?だって俺たち2人の解体処分が決まった時、真っ先に屋上に駆け込んで行って不知火ねえたちに取り押さえられてたもんなぁ」
吹雪「だよねぇ…」
488 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:28:44.33 ID:qXCAKCuY0
深雪「一瞬頭真っ白になるからなぁ、そういう時…」
霞「…ねぇ」
ラン「あん?」
霞「なんでそう平然と話せるの?後悔とかしなかったの?」
ラン「…」
ラン「しない訳ねぇじゃん」
489 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:29:13.53 ID:qXCAKCuY0
ラン「勿論後悔したさ。あんとき無駄に前に出なきゃ、俺はまだ前線に立っていたわけだし。なによりハギや司令に迷惑かけることもなかったからな…」
ラン「でも、いつまでもクヨクヨしてはいられない。過去は過去。今は今だ。過去を振り返ってる暇があるなら、未来を見据えて前進あるのみ!」
ラン「巻き込んだ形にはなったけど、ハギも協力して前に進んで行こうって言ってくれたしな」
ラン「だから今を思いっきり楽しんで、前に進んで行こうって決めたんだ」
霞「今を楽しむ…」
ラン「せっかくいい人たちに出会えたんだ。だから"第二の人生"楽しまなきゃ損だろ?」
ラン「お前はどうなんだ霞。まだ過去に悩んでたりしてるのか?」
霞「私は…」
ラン「もし悩んでいるんなら」
ラン「俺もハギも一緒にその悩みを解決してやる。だから一緒に前に進もうぜ!」
霞「…」
490 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:29:59.60 ID:qXCAKCuY0
ラン「どうした?」
霞「…何でもないわ。ただ、アンタが暑苦しいと思っただけ」
ラン「あら?」
霞「でも…心強いご近所さんが居るっていうのはちょっと良いかもって…」
ラン「だろ?俺もそうだしな!」
霞「…っふん」
深雪「これがツンデレってやつですかね?教授」
吹雪「誰が教授よ」
霞「深雪。今度来店したらあんただけ倍の料金取ってあげるから」
深雪「なんでだよ!?」
店主「と言うかいいのか?もう5時近いぞ」
吹雪「え!?」
深雪「マズイ!」
ラン「何だもうそんな時間か」
深雪「おっちゃん、なんだか騒がしくしてごめんな。また来るから!」
吹雪「ごめんなさい!お邪魔しました!」
深海「忘れ物ない?大丈夫?」
吹雪「大丈夫でぇ~す!」
ラン「気を付けてなぁ~」
491 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:30:40.30 ID:qXCAKCuY0
霞「どっちのお客でも騒がしい奴らね」ヤレヤレ
ラン「でも、来てくれて嬉しいだろ?」
霞「まぁね。お金落とすなら」
ラン「おお、もう商売魂が芽生えてるのかお前」
霞「多少はね」
店主「ラン君もいいのか?あそこ5時再開だろ?」
ラン「ああ、夜は学生さんたちが頑張るから俺は少し遅めに入るんだよ」
店主「そうなのか」
ラン「でも心配するだろうからもう戻るかな?」
店主「ならこれ食べていきな」
ラン「ん?ああ、ハギんとこの団子」
店主「せっかく持ってきてくれたんだ」
492 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:32:37.53 ID:qXCAKCuY0
霞「…」ジーッ
店主「霞ちゃんの分もあるから一緒に食べな」
霞「ホントっ!じゃなかった…」
深海「そこまで言ったらもう遅いよ」フフフッ
霞「…」カァァァ
ラン「おい、この団子うめぇぞ!霞も食ってみろって!」
霞「そりゃあ、うさぎ屋のだし」
ラン「ハギもいいとこに拾ってもらったよな。こんなうめぇもの毎日食えるんだぜ?」
霞「おいしいけど…流石に飽きないかしら」
ラン「うまいものに飽きなんか来ない!タツにいの格言だ」
霞「だれ?」
ラン「俺の雇い主」
深海「なんかいい感じじゃない?」
店主「ああ、あの分じゃいい友達になれそうだ」
霞ちゃんもだいぶ今の生活に慣れてきたって感じだな。
後はあの心のつっかえさえ取り除ければ…
493 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:33:12.53 ID:qXCAKCuY0
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
494 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/02/20(土) 02:34:32.30 ID:qXCAKCuY0
~○○鎮守府 執務室~
大淀「提督」
提督「どうだった?」
大淀「やはりだめです。××鎮守府とは連絡が取れない状態です」
摩耶「怖気づいて逃げ出した…って訳じゃなさそうだな」
叢雲「そうね。やはり、あの噂は本当だったのかしら?」
摩耶「噂?」
提督「あれの事か?」
摩耶「あれって?」
提督「大淀。××鎮守府に監視を送ってくれ」
摩耶「なぁ、だからあれって?」
大淀「分かりました。誰を送りますか?」
叢雲「アイツでいいんじゃない?夜戦忍者」
摩耶「なぁ、誰か教えてくれって」
提督「そうだな。最近夜戦が少ないと大声でぼやいていたからな…」
摩耶「なぁって…」
大淀「ではそのように…」
ガチャ バタンッ
提督「…」
叢雲「気になる?」
提督「まぁな…一応同期だしな」
叢雲「もしあの噂が本当なら…どうして霞を解体に回したのかしら?」
提督「馬鹿なアイツなりの…最後の優しさなのかもな」
叢雲「…意味わかんないわよ」
提督「俺も分からん」
摩耶「なぁ、とりあえず帰っていい?」
提督「え?あっああ(まだ居たのか)」
叢雲「どうぞ(忘れてた)」
摩耶「失礼しました(あれってなんだ?)」
498 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/20(土) 03:09:19.59 ID:EUqq+w29o
乙
摩耶……
509 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:34:30.96 ID:GJmVr2Tf0
ここ最近、この店も色々あってドタバタしていた気がする。
年始からだもんな…おかげで日が経つのが本当に早い。
…それは歳の所為かもしれないが。
先日は自分のワガママ含め一日休んでしまったが、今年は閏年。
一日減ったぐらい変わりはしない。
かと言ってこれ以上サボることもできないので今日も通常営業だ。
店主「これよろしく」
深海「あいよ」
深海「霞ちゃん、窓際のテーブル片づけて。次入るから」
霞「分かったわ」
ガララッ
霞「いらっしゃいませ」
なかなか様になってきたね。…ってなんかこれ毎回言ってるような。
まぁ、何事も問題なければいいよ。
さて、今日はどんなお客様が来店されるのやら。
店主「あがったよ」
霞「はーい」
510 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:35:00.55 ID:GJmVr2Tf0
昼のピークも落ち着き、一人で店を回せるぐらいになると、霞ちゃんとかおるちゃんは休憩に行く。
休憩の取り方はそれぞれだ。
かおるちゃんはだいたい自分の部屋で昼寝。
霞ちゃんはテレビを見たり本を読んだり、何かを食べたり。
二人ともそれぞれ自分なりの休憩をとったりする。
俺はその間一人で店を回すわけだが…
店主「…」
??1「でっち、早く決めるって」
??2「ろーちゃん、でっちじゃなくてゴーヤ。そもそも、ゴーヤもそう"でちでち"言わないでち」
??3「今言った」
??2「っ!いっ今はたまたまでち!」
??4「今も言ったよ?」
??2「そっそんなはずは…ね?イク?」
??5「早く決めるの~でっち」
??2「イクまで!?」
511 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:35:31.82 ID:GJmVr2Tf0
この時間に5人と言う中々な世帯で来店してくれたのはいいが……騒がしい…
何というか、皆セーラー服を着ているがこの辺では見ないものだ。
やはり…"そう"なのだろうか?
??3「ほら早く決めちゃいなよ。ゴーヤだけでしょ食べてないの」
??4「まったく。あんなことするから大淀さんに叱られるんだよ」
??2「だって仕方なんじゃん。任務中、余りにお腹減ったからつい…」
??5「だからって生きたウニ捕まえて食べるとか…イクにはあんまり思いつかないのね」
??2「え?だってウニだよ」
??3「いやいや、だからって獲っちゃ密漁扱いだよ?」
??2「う~…だからこうして鎮守府の食堂閉まるまで怒られたんじゃない~…」
??5「当然の報いなの」
??1「皆でっちをいじめちゃダメ」
??2「ろーちゃーん。今だけはでっち呼びを許すでちよ~」
??1「だからでっちも早く決める」
??2「はい」
512 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:35:59.55 ID:GJmVr2Tf0
鎮守府…やはりそうか。この子たちも艦娘か。
しかし、生きたウニを捕まえるっていうのは潜って獲ったのか?
あれ?艦娘って潜れるのか?いやぁ、普通の状態だったら潜れるだろうけど…任務中って言ってたからその間は…
霞「おじさん」
店主「んお?」
霞「何か作ってくれる?お腹空いちゃった」
店主「ああ、何が良い?作って持ってくよ」
霞「うどんがいいかな?…うん。うどん。」
店主「わかった」
??2「っ!」ピキーン!
??2「…」キョロキョロ
??1「どうしたの?でっち」
??2「前に吹雪ちゃんたちが話してたのを偶々聞いた事があって…」
??3「?」
??2「あった!!お願いします!」
513 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:36:26.61 ID:GJmVr2Tf0
霞「やけに騒がしいお客さんね」
店主「まぁほかにお客さんいないし」
居たら注意してるけど…
店主「はいはい。お待たせしました」
??2「ゴーヤは"味噌煮込みうどん"をお願いします!」
店主「味噌煮込みうどんですね…かしこまりました。少々お時間頂きますのでご了承ください」
??2「はい!」
霞「あら」
店主「?」
霞「あの子たち、潜水艦組じゃない」
店主「潜水艦?」
艦娘だってのは分かったが…潜水艦の艦娘っているのか。
店主「潜水艦の艦娘?」
霞「潜水"艦"だもの」
店主「あ」
な~るほど。なにも軍艦だけじゃないのね。
514 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:37:08.24 ID:GJmVr2Tf0
??3「あれ?あの子…」
??4「やっぱ気になるよね」
霞「なに?」
??3「あなた…朝潮型の霞に似てると思ってさ」
霞「よく言われるわ。名前も一緒だし」
??3「やっぱり?」
霞「あなた達は潜水艦じゃなくて?」
??4「よく気付いたね」
霞「私も一応海軍関係に知り合い居たし」
??3「なるほど」
??1「だったら始めましてついでに自己紹介。ろーちゃんは呂500。ろーちゃんって呼んでって」
??2「ゴーヤは伊58。ゴーヤって呼んで」
??3「伊168.イムヤって呼んで」
??4「はっちゃんは伊8。はっちゃんでいいよ」
??5「最後は伊19のイクなのね!」
515 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:37:42.82 ID:GJmVr2Tf0
霞「みんな…水着じゃないんだ」
168「流石に公衆の面前でそんな痴女じみた事はしないよ…」
58「飽くまで艤装の一部だからね」
任務中は水着なのか…やっぱ潜水艦だからなのかな?
店主「そういえば、他の皆さんのご注文は…」
168「私たちはもう食べてきたんで…」
8「飽くまでこの子の付き添い」
19「でも、イク…なんか食べたくなってきたの」
呂「そうなの?」
19「だってメニュー一杯あるし…」
58「ならゴーヤのを少し分けてあげるよ」
19「ホント?」
58「うん。正直お腹は空いてるけど…すぐ夕飯の時間になるからそのお腹は残しておかないと」
19「なるほど」
516 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:38:10.53 ID:GJmVr2Tf0
168「だったら食べずに夕飯まで待てば…」
58「それは無理。死ぬ!」
8「死にはしないと思うけど…午後は訓練も任務もないし」
58「お腹と背中が…」グギュッルルルル…
168「わかったわかった。それでお願いします」
店主「え?はい」
本当に賑やかなお客さんだ…
店主「同じの食べる?」
霞「え?」
店主「普通のうどんでいい?」
霞「面倒じゃないなら…そっちがいいかも」
店主「1つ作ろうが2つ作ろうが変わらないよ」
霞「…じゃあ…お願い」
店主「おう」
じゃあ、二人前か。
517 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:38:51.43 ID:GJmVr2Tf0
168「今の音大丈夫?空腹と言うよりは壊れた音に近いよ?」
58「壊れてないでち…そっちはいたって健康でち」
19「ウニであたったとか?」
58「だから壊れてないって」
呂「でっち大丈夫?」
58「だから壊れてないって。あとでっち呼ばない」
8「でも、どうして味噌煮込み?」
58「この間、吹雪ちゃんたちがこの店の名古屋飯がおいしいって話を偶然聞こえてきて…」
168「まぁ、ちょいちょい聞くよね」
19「そうなの?」
168「うん。この間なんて第六の子…暁がイチゴ味のスパゲティがどーとか…」
58・19・8「え!?」
168「見渡したけど…見当たらないとこみると無いみたい」
58・19・8「ほっ…」
呂「イチゴ…おいしそう…」
58「その部分を聞けば…ね」
8「でも、それ…どこかで聞いた事あるよ」
58「テレビじゃない?」
8「…かな?」
58「とにかく今はそのスパゲティでも味噌煮込みでも、とにかくお腹に詰めたいでち」ギュルルルル…
518 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:39:28.20 ID:GJmVr2Tf0
さて、寒いからか久々に注文のあった「味噌煮込みうどん」
全国的に知られている名古屋を代表する麺料理の一つだろう。
他の地域でも米味噌を使ったスープが白っぽい味噌煮込みもあるが、俺から言わしてみればこの豆味噌を使った味噌煮込みこそが真の味噌煮込み!
と言ったらいろいろ言われそうなので遠慮しておこう…
まぁ、自分は名古屋で生まれ育ったわけだから、豆味噌の味噌煮込みが定着してるわけで、米味噌で作られた味噌煮込みを食べてきた人にはそれが故郷の味なわけだから否定するわけにはいかない。
諸説はあるけど、元々は山梨県の「ほうとう」がルーツって説があるからなおさら否定が出来ない訳で。
さて、名古屋の味噌煮込みにはいろいろと特徴がある。
まず一つに豆味噌を使ったスープだ。
豆味噌は風味が強い。そこに旨みの強いかつおだしを加えることにより濃厚なスープに仕上がる。
ただ、豆味噌だけだと風味が強すぎてしまい逆にエグみが出てしまう。
それを防ぐために、店によっては米味噌や麦味噌などを加え豆味噌特有の風味を抑えたりする店もある。
ウチだってそう。特にここは名古屋じゃないから豆味噌の特有の風味を受け入れられる人は多く無い。
だからウチではこれを使う。「ハチミツ」だ。
これを使うことによりエグみだけでなく、スープにコクとまろやかさを加えることができる。意外だろ?
でもこれ、別の店からの受け入れで…昔テレビを見てたら、とあるうどん屋さんがこれを隠し味に入れてますってハチミツを出してたのがきっかけ。
ウチでも試してみたら確かに風味も抑えられたし、何より味に深みが出た。ってことで今でも引き続きパクらせてもらってるってわけ。
まぁでも、その時のうどん屋さんが皆にも真似してほしいって紹介してたわけだけど…良い人が居たもんだってすごく感心したよ。
519 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:40:02.20 ID:GJmVr2Tf0
で、もう一つの特徴が麺。
通常うどんはモチモチとした食感が売りなわけだけど、名古屋の味噌煮込みは違う。
とにかく"硬い"。
と言うのも麺自体が違う。
普通のうどんは生地に塩を入れるわけだけど、味噌煮込みのうどんには塩を入れない。
元々塩分の強い味噌の中で一緒に煮込むから、塩を入れてしまうと麺の中から塩が溶け出してしまいスープの塩分が濃くなってしまうからだ。
だから、名古屋の味噌煮込みを食べた人には「ちゃんと茹ってない」って敬遠されてしまうこともある。
鍋焼きうどんとかは茹でたうどんを入れるけど、味噌煮込みはそのまま生の状態で一緒に煮込んでしまうからね…文化の違いかね?
ただ食べ慣れてしまうとこの硬さが逆に病みつきになってしまう。
あの子たちもそうなってくれると嬉しいんだけど。
後は具材。基本的なフォーマットは鶏肉にネギ・シイタケ・蒲鉾・卵(月見)。
これに店によってはエビの天ぷらとかのトッピングをしたりしている。
うちはシンプルに基本的な具材しか入れてないけど。
そして、最後の特徴…これは土鍋に秘密があるので後回し。
あの子たちに提供した時にお見せしよう。
さて、これが煮えたら完成だ。
520 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/02(水) 00:40:45.20 ID:GJmVr2Tf0
店主「はい。味噌煮込みお待ちどうさまです。」
58「わぁ!待ってた!待ってたでち!!」
店主「熱いんで、置かせていただきますね」
コトッ
呂「おぉ!」
19「グツグツしてるのね」
168「ワオ!熱そう…」
8「…猫舌にはきつそう」
58「早速食べたいんだけど…」キョロキョロ
168「どうしたの?」
58「取り皿がないでち…」
58「まさか!そのまま鍋から直接食べろと!?」
店主「いえいえ、そうではなくてですね」
そう、最後の特徴それは…
521 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:41:16.28 ID:GJmVr2Tf0
店主「このフタを取り皿としてご利用ください」
58「へ?」
8「よく見たらこのフタ、蒸気を逃がす穴がない」
19「本当なのね!」
この味噌煮込み用の土鍋のフタは取り皿になるのだ!
そしてその為に蒸気を逃がすための穴がない。
ゆえに煮込んでいる間はフタはかぶせずに、提供する直前にかぶせる。飽くまで保温のため。
でもなぜフタが取り皿にって?それは…効率の為?
詳しい事は…まぁ…うん…便利だからとしか…ね?
58「フタが取り皿…なんかこの発想は奇抜でち!」
呂「なんか…おしゃれ?」
168「ではないかな?」
522 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:42:12.02 ID:GJmVr2Tf0
58「くぅおおお!!味噌の香りがたまらない…我慢できないでち!」ガッ!
8「あっ、そんなにがっつくと…」
58「あっちゃあああああああ!!」
8「言わんこっちゃない…」
19「"天丼"なの」
呂「え?天丼も頼んだの?」
168「んーん。じゃなくてね」
58「説明しなくていいよ…あ、そうだ。もう一つ取り皿ください」
店主「はい」
58「イクも食べるでしょ?」
19「うん!」
呂「ろーちゃんも食べたいなって」
58「え?じゃあもう一つ?」
168「じゃあ、私も?」
58「え?」
8「はっちゃんも」
58「ええ!?」
523 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:43:00.28 ID:GJmVr2Tf0
168・8・19・呂「いっただっきまーす!」
58「うぅ、そんなまさか…」
168「いいじゃない。もうすぐ夕飯なんだから」
58「だったらお前が夕飯まで我慢しろや!!」
168「口調!口調!?」
58「コホン!つい…」
呂「ヤンキー?」
58「違うでちよ。でっちでち」
8「逆にそれはどうなの?」
19「冷めちゃうよ?」
58「冷めたらもったいない!」ズルッ
58「って硬い?」
524 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:43:49.44 ID:GJmVr2Tf0
168「うどんをイメージしながら食べるっと…ギャップでビックリしちゃう?」
19「でも、これはこれでおいしいの!」
呂「うん。スープも美味しい。って」
8「この面だからこそスープに合うんじゃない?」
168「…そうかも…かな?ゴーヤは?」
58「まぁ、麺固いけど…ラーメンはいつも麺硬めだし別に気にならないかな?」
8「その硬さとは違わない?」
58「ハリガネ!」
8「違うと思うけどなぁ…」
19「ん?あ、お餅入ってたの!」
58「!?」
168「イムヤが貰い!」
58「ちょぉ!?これゴーヤの味噌煮込み!」
525 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:44:16.35 ID:GJmVr2Tf0
ギャーギャー!
店主「…」
素直にもう一つ頼めばいいのに…
店主「はい、霞ちゃん出来たよ」
霞「ありがとう」
店主「一味とかいるかい?」
霞「いい」
店主「じゃあ、置いとくから」
霞「うん」
霞「…」
グツグツ
霞「あつそう…」
深海「zzz」ボリボリ
霞「…いつも思うけど…食べなくていいのかしら?」
深海「うーん…もう食べられない…ぐへへ…」zzz
霞「…ベタな寝言」
霞「…いただきます」
フーッフーッ
ズルルッ
霞「あっち!」
526 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:45:02.34 ID:GJmVr2Tf0
58「食べ終わったでち…」
168「もう一個頼めばよかったね」
8「次はそうしよう」
19「イクはもっと別のも試したいの!」
呂「ろーちゃんも!」
58「いいお店を見つけたでち!」
168「でも先に見つけたのは吹雪ちゃんたちじゃ?」
58「うむむ…いいの!ゴーヤも見つけたの!」
呂「でっち、シーッだよ。迷惑」
58「…でち」
8(でちでち言わないっていうのは諦めたのかな?)
527 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:45:35.89 ID:GJmVr2Tf0
5人「ごちそうさまでしたー!」
店主「ありがとうございました!」
ふぅ、久々に賑やかなお客さんが来店したな。
また来るような事も言ってたし、常連さんがまた増えたのかな?
霞「ごちそうさま」
店主「おう。どうだった?」
霞「おいしかったわ。また頼んでもいい?」
店主「おう、いいぞ。ただ…」
もう3月。そろそろ温かい料理も旬を終えそうだけど…
深海「ふぁ~…」
店主「おはよう、かおるちゃん」
深海「うん、おはよう」
霞「なにも食べなくてもいいの?」
深海「へ?食べてたじゃん」
霞「え?」
深海「ふぇ?」
霞「…」
深海『うーん…もう食べられない…ぐへへ…』zzz
霞「え?まさか…」
深海「?」
528 :
◆MyIMarvEFy8D [sage saga]:2016/03/02(水) 00:46:15.87 ID:GJmVr2Tf0
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
温かい料理も取り揃えております。
535 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/02(水) 01:50:09.82 ID:Fw3fMUKNo
乙
味噌煮込みは独特だから普通のうどんを想像してると面食らうよなあ
536 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/02(水) 02:36:08.07 ID:fLmP1nAAO
乙!
味噌煮込みうどんはまだ食べたこと無いから楽しみが増えたな
かおるちゃんは何を…
538 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/02(水) 03:01:28.10 ID:digNzWvYo
乙
あれー?おかしいね俺の娘がいないねー?
549 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/03(木) 21:25:42.67 ID:kzUwtSB70
乙。
味噌煮込みうどんは豊橋行ったときに、食べたことあるな・・・
確かに麺硬かったけど、コシが出てていいじゃんって思ってそんなに気にならなかったな
558 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/17(木) 06:47:24.91 ID:5EVQidl1O
そろそろ開店かな
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